JP3481897B2 - インモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法 - Google Patents
インモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法Info
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Description
理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法に関するもので
ある。
て、鋳型内の湯口と製品キャビティ間の反応室で、溶湯
鋳鉄と黒鉛球状化処理剤、合金化処理剤、接種処理剤等
の各種溶湯処理剤を反応させるインモールド処理法が多
く採用されている。インモールド処理法は、これらの反
応を密閉された反応室内で行うので溶湯処理剤が飛散せ
ず、溶湯処理剤の歩留りがよい利点がある。また、Mg
やMg合金の黒鉛球状化処理剤を用いる場合は、Mgの
激しい反応で生じる閃光や白煙が外部に漏れず、良い作
業環境を確保できる利点もある。
いられている。溶湯処理剤は粒径が小さいほど溶湯との
反応速度は速いが、粉末状のようにあまり細かくなる
と、溶湯処理剤の粒間の隙間がなくなって溶湯が十分に
回り込まず、粉末状の溶湯処理剤が溶湯の熱で焼結して
固まり、反応室内に溶け残る。また、溶湯処理剤の粒径
が大き過ぎると、その中心まで溶ける前に鋳造が終了
し、やはり一部が反応室内に溶け残る。
残ると、溶湯処理剤の歩留りが低下するのみでなく、黒
鉛球状化処理や合金化処理等の溶湯処理が不十分とな
り、所期の部品品質を確保することができない。
その種類によって溶湯との反応速度が異なるので、それ
ぞれの溶湯処理に応じて、溶湯処理剤が完全に溶湯と反
応するように、その粒径を適正に選定することは、非常
に難しい問題がある。
種類と粒径に関わらず、溶湯処理剤を溶湯と完全に反応
させることができるインモールド処理法による球状黒鉛
鋳鉄部品の製造方法を提供することである。
めに、この発明は、鋳型内の湯口と製品キャビティの間
に反応室を設け、この反応室内に黒鉛球状化処理剤とそ
の他の溶湯処理剤とを設置して、湯口から注入される溶
湯鋳鉄を前記各処理剤と反応させるインモールド処理法
による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法において、前記反応
室内に各処理剤を設置するに際して、最下層に黒鉛球状
化処理剤を設置し、その上層側にその他の溶湯処理剤を
設置する方法を採用したものである。
その他の溶湯処理剤とを設置するに際して、溶湯鋳鉄と
の反応速度が最も速く、かつ、大きな反応エネルギを放
出して、反応室内の溶湯の攪拌を促進する黒鉛球状化処
理剤を最下層に設置し、その上層側に他の溶湯処理剤を
設置することにより、反応速度の遅い他の溶湯処理剤を
溶湯と先に接触させて反応させたのち、下層側に回り込
む溶湯を黒鉛球状化処理剤と反応させ、下層側から反応
室内の溶湯を攪拌して、上層側の他の溶湯処理剤が溶湯
と完全に反応するようにした。
他の溶湯処理剤との間を樹脂シートで仕切ることによ
り、上層側の溶湯処理剤が反応前に黒鉛球状化処理剤と
混じって、黒鉛球状化処理剤の反応の妨げとなるのを防
止することができる。この場合は、上層側の溶湯処理剤
を粉末状としても、これらの粉末状の溶湯処理剤が黒鉛
球状化処理剤の隙間を埋めることはない。
置し、これらの各層の間を樹脂シートで仕切ることによ
り、各層の厚みを薄くして、粉末状の溶湯処理剤を用い
た場合でも、これらの溶湯処理剤が焼結することなく、
溶湯と完全に反応させることができる。これらの各層に
は、異なる溶湯処理剤を別々に設置しても、予め混合さ
せて設置してもよい。
ートを採用することにより、殆ど残滓が生じることなく
仕切りを消失させることができる。
実施形態を説明する。図1(a)、(b)は、本発明に
係るインモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造
方法を適用した鋳造装置を示す。この鋳造装置は、溶湯
が注入される湯口1と製品キャビティ2を連通する湯道
3の途中に、溶湯処理を行う反応室4が設けられてい
る。反応室4で溶湯処理された溶湯は、堰5を介して製
品キャビティ2に流入する。
を製造した。以下に、実施例を示す。
下層に黒鉛球状化処理剤6としての粒径1〜4mmの粒
状のMg合金(MgNi)を設置し、その上層側に、合
金化処理剤7としてのNi粉末とNiSi粉末を混合し
たものを3層に分けて設置した。合金化処理剤7のNi
量は、MgNiのNi量と合わせて、製品のNi含有量
が3.0mass%となるよう調整し、各層の厚みは約
1mmとした。
の合金化処理剤7との間、および合金化処理剤7の各層
間には、それぞれ厚さ2mmの発泡ポリスチレンシート
8a、8bの仕切りを設けた。黒鉛球状化処理剤6と合
金化処理剤7との間の発泡ポリスチレンシート8aは、
粉末状の合金化処理剤7が粒状の黒鉛球状化処理剤6の
粒間の隙間を埋めるのを防止するためであり、合金化処
理剤7各層間の発泡ポリスチレンシート8bは、粉末状
の合金化処理剤7の各層を薄くして、その焼結を防止す
るためである。
02のFCD700相当の化学組成となるような原材料
を溶解し、この溶解した溶湯鋳鉄を1550℃で湯口1
に注入して、球状黒鉛鋳鉄部品を製造した。
ルを採取し、その化学組成を湿式分析法により分析し
た。その結果を表1に示す。
Ni含有量は、ほぼ目標通りの3.09mass%にな
っており、黒鉛球状化処理剤6と合金化処理剤7が反応
室4に溶け残ることなく、ほぼ100%の歩留りで溶湯
鋳鉄と反応したことがわかる。
室4の外観を示す。反応室4には粉末状の合金化処理剤
7が焼結化した形跡も認められず、このことからも合金
化処理剤7が溶湯鋳鉄と正常に反応を終えていることが
わかる。
の上層側に、2種類の粉末状合金化処理剤を予め混合し
たものを、発泡ポリスチレンシートで仕切って複数層に
設置したが、異なる合金化処理剤や接種処理剤を複数層
に別々に設置することもできる。これらの合金化処理剤
や接種処理剤は粒状のものとしてもよい。また、層間の
仕切りとしては、発泡ポリスチレンシートの他に各種樹
脂シートを採用することができる。これらの樹脂シート
は鋳造後に残滓が残らないものが好ましい。
処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法は、反応室の
最下層に黒鉛球状化処理剤を設置し、その上層側に合金
化処理剤や接種処理剤等の他の溶湯処理剤を設置するこ
とにより、これらの他の溶湯処理剤を溶湯と先に接触さ
せたのち、下層側に回り込む溶湯と黒鉛球状化処理剤と
を反応させ、下層側から反応室内の溶湯を攪拌するよう
にしたので、各溶湯処理剤を完全に溶湯と反応させ、鋳
鉄部品に設計通りの品質を付与できるとともに、各溶湯
処理剤の歩留りをほぼ100%とすることができる。
の他の溶湯処理剤との間を樹脂シートで仕切ることによ
り、各溶湯処理剤の粒径の大きさに関わらず、上層側の
溶湯処理剤が反応前に黒鉛球状化処理剤と混じるのを防
止し、最下層の黒鉛球状化処理剤を溶湯と活発に反応さ
せることができる。
に設置し、これらの各層間を樹脂シートで仕切ることに
より、各層の厚みを薄くして、粉末状の溶湯処理剤を用
いた場合でも、これらの溶湯処理剤が焼結することな
く、完全に溶湯と反応させることができる。
を実施した鋳造装置を示す平面図、bはその正面図
Claims (3)
- 【請求項1】 鋳型内の湯口と製品キャビティの間に反
応室を設け、この反応室内に黒鉛球状化処理剤とその他
の溶湯処理剤とを設置して、湯口から注入される溶湯鋳
鉄を前記各処理剤と反応させるインモールド処理法によ
る球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法において、前記反応室内
に各処理剤を設置するに際して、最下層に黒鉛球状化処
理剤を設置し、その上層側にその他の溶湯処理剤を設置
して、前記最下層の黒鉛球状化処理剤と上層側の他の溶
湯処理剤との間を樹脂シートで仕切るようにしたことを
特徴とするインモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品
の製造方法。 - 【請求項2】 前記上層側の他の溶湯処理剤を複数層に
設置し、これらの各層の間を樹脂シートで仕切るように
した請求項1に記載のインモールド処理法による球状黒
鉛鋳鉄部品の製造方法。 - 【請求項3】 前記樹脂シートが発泡ポリスチレンシー
トである請求項1または2に記載のインモールド処理法
による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP37622999A JP3481897B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | インモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP37622999A JP3481897B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | インモールド処理法による球状黒鉛鋳鉄部品の製造方法 |
Publications (2)
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JP2001150102A JP2001150102A (ja) | 2001-06-05 |
JP3481897B2 true JP3481897B2 (ja) | 2003-12-22 |
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1999
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