JP3478833B2 - 超音波流量測定方法 - Google Patents
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Description
って、測定管と、該測定管に配置され、それぞれ1つの
測定経路を形成する少なくとも3対の超音波変換器とを
用い、前記流動媒体の流量を、少なくとも3つの測定経
路に沿った前記媒体の速度から検出し、流量に対する値
をレイノルズ数に対する値に基づいて補正する方法に関
する。媒体という概念は流体および気体を含む。 流動媒体の平均速度ないし流量を超音波流量測定する
ための公知の方法および装置は多数の測定経路を使用
し、この測定経路は可能な限り最適な数学的積法の支持
点を形成する。ここで積分法は通常は測定経路および測
定管の構成ないし幾何形状によって定められる。種々の
古典的な最適積分法が例えば、Tschebycheff,Grauβま
たはTaylorにより例えばCH−A−610038,DE−A3038213,
EP−A−0125845に記載されている。これらの刊行物か
ら公知の方法および装置はその精度の点で媒体の粘度に
依存しており、従ってレイノルズ数に依存している。こ
の事実については例えば、“A New Integration Techni
que for flowmeters with Chordal Paths",Flow Measur
ement and Instrumention,Vol.1,No.4,Juli 1990,pp216
−224を参照されたい。前記の刊行物から公知の、超音
波流量測定方法および装置は、媒体の粘度に依存する不
正確な精度でしか有していない。粘度はとりわけ温度変
化の結果、測定中に大きく変化することがある。しかし
例えばガス、石油、石油製品および化学製品の流量測定
の際には一般的に高精度が要求される。公知の方法およ
び装置における第2の重要な問題は、組込作用に起因す
る速度プロフィールのノイズの問題である。このノイズ
によって精度が付加的に悪影響を受ける。 前記の製品では、もっぱら高い要求が測定精度に課せ
られる。従って例えば石油に対しては公称流量の50%か
ら100%の流量領域で最大誤差が±0.15%であり、公称
流量の10%から100%の流量領域で最大誤差が±0.25%
であることが要求される。これまでこの要求される精度
はタービンカウンタによってのみ保証されていた。 測定管を流れる媒体の流量測定の際には、媒体の流れ
を妨げないのが有利である。同時に要求される高精度が
比較的安価な装置によって得られることが所望され、こ
の装置が同時に長寿命を有することが所望される。さら
にこの種の装置が製造後に水によって較正することがで
き、引き続きユーザーが別の流体、またはガスで動作さ
せるときに、所要の精度を保証するために後較正可能で
あるとさらに有利である。 従って本発明の課題は、前記の問題を除去した方法を
提供することであり、これにより所要の高精度を保証す
ることである。本発明の別の課題は、本発明の方法によ
って、媒体の粘度の影響を格段に低減することである。
さらに本発明の課題は、流動プロフィールの変化の影響
を緩和し、動作中に自己較正できる手段を示すことであ
る。さらに本発明の課題は、媒体の粘度を連続的に測定
する、すなわちリアルタイムで測定できる方法を提供す
ることであり、さらに粘度と音響速度および/または音
響減衰度に基づき例えば流動する石油のタイプを識別で
きるようにする。 本発明によれば前記課題は、流動媒体に対する超音波
量測定法法において、流動媒体のレイノルズ数を連続的
に、相互に異なる少なくとも3つの測定経路に沿った流
動媒体の速度のみに基づいて検出し、流量に対する値の
補正を、レイノズル数に対して連続的に検出された前記
値を用いて行うことで解決される。種々異なる測定経路
における流動媒体の速度は同時に、または順次検出する
ことができる。 本発明の特に有利な構成では、動作時にレイノルズ数
の検出前に、動作流動プロフィールを測定された速度に
基づいて記録し、流入作用または他の原因によって瞬時
の流動プロフィールが妨害を受けている場合、このプロ
フィールを前もって検出した妨害を受けていない較正流
動プロフィールに基づいて、数学的に補正する。 図1は、流動媒体に対する超音波流量測定方法を実施
するための本発明の装置の第1実施例のブロック回路図
である。 図2a〜fは、流動プロフィールの補正経過を説明する
ためのフローチャートである。 図3a,bは、レイノルズ数が大きい場合および小さい場
合の流動媒体の補正を示す線図である。 図4a,bは、種々異なる粘度の媒体に対して本発明の方
法を適用した場合の精度の改善を示す線図である。 図5は、流動媒体に対する超音波流量測定方法を実施
するための本発明の装置の第2の実施例のブロック回路
図である。 図6は、流動プロフィール補正器に対する実施例のブ
ロック回路図である。 図7は、レイノルズ数測定器の実施例のブロック回路
図である。 図8は、本発明の流量補正器に使用される、経験的デ
ータに基づいたエラー曲線の例を示す線図である。 図9a〜dは、本発明の方法および装置を説明するため
の、レイノルズ数と種々異なる速度比との関係を示す線
図である。 本発明の超音波流量測定方法を実施するために使用さ
れる装置では、少なくとも2つの、しかし有利には5つ
の速度が異なる測定経路で測定される。ここで測定経路
は超音波変換器対によって形成される。超音波変換器対
は、測定管の異なる側にそれぞれに配置された超音波変
換器からなる。有利には媒体の流動プロフィールは本発
明の装置に接続された管路で流入および流出セクション
によって形成され、できるだけ完全に発生する。前記の
較正流動プロフィールは、有利には完全に発生した流動
の流動プロフィールにできるだけ良好に近似する。速度
は所定の測定経路ではレイノルズ数にあまり依存せず、
別の測定経路ではこれに大きく依存することが経験から
公知である。レイノルズ数にあまり依存しない測定経路
は、測定管の壁に対して測定管の半径の半分の間隔をお
いている。これに対してレイノルズ数に大きく依存する
測定経路は例えば測定管の中央、または壁の近傍にあ
る。後者の測定経路では流動プロフィールがレイノルズ
数に大きな影響を及ぼす。本発明の装置は5つ前後の測
定経路によって動作することができるが、しかし少なく
とも1つの測定経路はレイノルズ数に比較的依存しない
ものでなければならない。 レイノルズ数は本発明の装置では連続的に測定される
から、この測定を流量のリアルタイム補正のために、ま
た場合により粘度検出のために、さらに必要な場合には
媒体識別のために使用することができる。これについて
以下説明する。 有利には測定経路で測定された流動媒体の速度が、レ
イノルズ数の検出に利用される。しかしレイノルズ数を
別の仕方で、例えば超音波減衰の測定に基づいて検出す
ることもできる。ここから検出されたレイノルズ数の値
は引き続き、エラー曲線に基づいて流量を補正するため
に使用される。もちろん平均速度および流量から容積に
対する値を検出することができる。 次に本発明の方法、およびこの方法を実現するための
装置について図1に基づき説明する。5つの測定経路M1
〜M5を形成し、測定管1に連結された超音波変換器対は
変換器2と接続されている。変換器は測定経路M1〜M5に
沿った流動媒体の種々異なる速度を、例えば超音波信号
の伝搬時間差から検出する。後で説明する種々のユニッ
トを介してこの速度が加算器3に供給される。ここで速
度はそれぞれ相応する重み付け係数と乗算され、引き続
き累積される。加算器3の出力側に印加される平均速
度、すなわち測定管の横断面積当たりの流量が流量補正
器6に流量補正のため供給される。この流量補正器6に
は、経験的データに基づいて例えば図8に示されたエラ
ー曲線が記憶されている。このエラー曲線はレイノルズ
数の他に、本発明の装置に関連する他のすべての技術的
許容公差を含んでいる。この許容公差は、本発明の超音
波流量測定方法を実施するための本発明の装置の製造後
に注意深く測定される。変換器2により計算された流量
は次に、レイノルズ数測定器5により検出されたレイノ
ルズ数に基づいて補正される。流量補正器6から出力さ
れる補正された流量は引き続き、仮想的に設けることの
できる表示装置4に表示される。すでに説明したよう
に、本発明の装置を水により較正することができる。較
正時に得られた測定結果は他の媒体、例えば他の流体お
よびガスに転用することができる。なぜならレイノルズ
数に対しては次式が当てはまるからである。 【数1】 ここでVwとVmは水および第2の媒体の流動速度である。
υwとυmはここでは水の媒体の運動学的粘度であり、
Dは測定管1の直径である。例えば20℃の場合には、 【数2】 が当てはまる。 このことは、水により較正した、本発明の超音波流量
測定方法を実施するための装置を、空気が媒体の場合で
も、空気の速度が較正時の水の速度より15倍高ければそ
のまま使えることを意味する。 レイノルズ数を検出する前に妨害プロフィールのシン
メトリーを速度比または速度差に基づいて検査すること
が重要である。瞬時の流動プロフィールが妨害を受けて
おらず、完全に発生していれば、測定された速度をその
ままさらなる処理に使用することができる。流動プロフ
ィールの高いシンメトリーは例えば、管路のベンチュリ
ノズルの構成によって促進される。 本発明の装置をユーザーが運転する前に、この装置を
例えば水によって較正する。そのために装置が後で使用
される領域、例えば平均速度が0.1から6m/sである領域
で複数の測定点、例えば最大平均速度の10%、20%、50
%および100%で較正を実行する。この較正の際に、各
測定経路ごとに妨害を受けない較正流動プロフィールの
際に測定された流動媒体の速度がメモリにファイルされ
る。このいわゆる較正プロフィールマトリクスは、本発
明の超音波測定方法を実施するための装置に対して特徴
的なものである。なぜなら、マトリクスが数学的、電子
的、音響的および液圧的なすべての許容公差を含んでる
からである。 【数3】 瞬時流動プロフィールのシンメトリーの補正の際に、
2つの場合をレイノルズ数に依存して区別することがで
きる。すなわち、約100,000以上の大きなレイノルズ数
によって動作する場合と、比較的小さなレイノルズ数に
よって動作する場合である。第1の場合では、5つの測
定器経路‖EPM‖に対する較正プロフィールマトリクス
は次の形態を有する。 ここで、 V1p,...V5pは、較正流動プロフィールにおける相応の
想定経路に沿った流動媒体の速度、 ΣVpは、較正流動プロフィールにおける測定管断面積
当たりの相応する平均速度または流量、 G1,...G5は、測定経路に配属された重み付け係数、 10%,...100%は動作領域の測定点である。 【数4】 動作準備状態に組み立てられた、本発明の方法を実施
するための装置は、別の較正プロセスでまず動作プロフ
ィールマトリクス‖BPM‖が記録される。これは次の形
態を有する。 ここで、 V1b...V5bは、動作流動プロフィールにおいて相応の
想定経路をに沿った速度、 ΣVbは、動作流動プロフィールにおいて測定管横断面
積当たりの相応の平均速度、 G1,...G5は、測定経路の重み付け係数である。 【数5】 上に導入した動作プロフィールマトリクス‖BPM‖に
対して、測定管の流量は同形状の領域において、すなわ
ちレイノルズ数が100,000より大きいと、較正流動プロ
フィールを記録した際の流量により人工的に調整され
る。すなわち例えば較正された携帯流量発生器を用いて
調整される。この場合は次式が当てはまる。 ΣVb100%=ΣVp100% (式3) しかし実際には、式3を十分に正確に満たすことは困
難である。なぜなら、正確に同じ流量を調整することは
ふつう困難だからである。にもかからず流動プロフィー
ルの補正を実行できるように、式3を次のように変形す
る。 【数6】 β・ΣVb100%=ΣVp100% (式3a) 式3aでβは、同じ流量を通常は調整できないという事実
を補正するための補間係数である。式3aは次式と同じ意
味である。 【数7】 プロフィール行列式‖PrDet‖を代入すると、次式が
成立する。 【数8】 ここで、 ‖DP100%‖は較正プロフィールマトリクスのプロフ
ィール行列式、 ‖Db100%‖は動作プロフィールマトリクスのプロフ
ィール行列式である。 本発明の方法を動作時にユーザーが使用するとき、瞬
時のプロフィールマトリクス‖APM‖=‖BPM‖・‖PrDe
t‖による補正を実行する。 ここで、 ΣVbgecは、瞬時の流動プロフィールにおける測定管
の測定管横断面積当たりの、相応に補正された平均速度
または流量である。 式6は前記の形態では、公称流量の10%から100%の
観察領域にわたって線形特性を有する媒体に対してだけ
当てはまる。非線形媒体に対しては、測定経路に沿った
媒体速度の補正が実行される。この補正はそれぞれ、較
正プロフィールマトリクスおよび動作プロフィールマト
リクスからの所属の係数を用いて行う。例えば、Vlb
50%の測定経路M1の流動媒体の速度に対してVlp50%/Vl
b50%を用いる。非線形媒体に対してはさらに、係数β
1,β2...β5を代入する必要がある。式3a参照。さらに
非線形媒体に対しては、不連続に既知である値の間の補
正係数を補間する。 瞬時の流動プロフィールを較正プロフィールマトリク
スと動作プロフィールマトリクスを用いて補正した後、
平均速度ないし流量の相対誤差が次式に従って計算され
る。 【数9】 まとめると、前記のプロフィールマトリクスを用いた
処理の際に次のことが行われる。まず、それぞれの較正
を用いて、測定経路の媒体速度と所属の平均速度ないし
流量を、較正流動プロフィールが妨害を受けていないと
きに測定し、引き続き、動作流動プロフィールにおいて
測定する。次に、平均速度ないし流量間の関係が、較正
プロフィールおよび動作プロフィールの記録の間、維持
される。その後、瞬時の流動プロフィールの際に測定さ
れた、測定経路に沿った媒体の瞬時速度が前記の関係に
相応して変化される。続いて、較正流動プロフィールに
おける測定経路に沿った媒体の速度と、動作流動プロフ
ィールにおける測定経路に沿った媒体の別の速度との関
係が形成され、測定経路に沿った媒体の相応の速度が瞬
時の流動プロフィールにおいてこの関係と乗算される。
この補正の際にもちろん、必要であれば補間により処理
される。 上記の流動プロフィールの補正後に、妨害を受けない
速度プロフィールが存在すれば、この速度プロフィール
に基づいてレイノルズ数を検出することができる。 すでに述べたように、流動プロフィールの前記補正は
レイノルズ数に依存して行われる。式1に示された較正
プロフィールマトリクスはレイノルズ数が大きい場合、
例えば100,000より大きい場合にだけ適用することがで
きる。なぜならこの場合は、Navier−Stokの流体力学的
基礎ベクトル式の右側が消失するからである。 【数10】 ここで、 は速度の回転であり、このことは であることを意味し、Reはレイノルズ数である。 (R.Fyenman,R.Leighton,M.Sands,Massachusetts,Palo
Alto,LOndon,Addison−Wesley Publishing Company,In
c.1964の式(41.23)も参照。) レイノズル数が大きい場合には、流体力学的式8から
流体静力学的基礎ベクトル式が得られる。 【数11】 この場合に対しては媒体の特性、例えば粘度が無視さ
れる。というのは、その影響はわずかだからである。影
響がわずかであるため、流動プロフィール形態は100,00
0以上のレイノルズ数に対して同形状領域では実質的に
変化しない。 【数12】 レイノルズ数が比較的に小さな第2の場合に対しては
媒体の特性の影響は重要である。そのため、較正プロフ
ィールマトリクスを他の形態で使用する必要がある。較
正の際にこの場合は、媒体の粘度(υ)と測定管の直径
(D)が測定される。これにより各較正プロフィールに
対して、相応のレイノルズ数プロフィールマトリクス‖
EPM−Rep‖が無次元形態で得られる【数13】 式10から、最初に実行された較正の際に各レイノルズ
数に対して、本発明の超音波流量測定方法を実施するた
めの装置に対する較正プロフィールを、無次元形態で許
容公差の補償と共に記憶できることがわかる(図2a参
照)。無次元とは、瞬時に測定された速度V1,...V5が平
均速度、すなわち最大流量時の測定管の横断面積当たり
の流量により、本発明の装置の組込状態での較正中に割
り算される、すなわちVkii=Vi/ΣVkmax・であることを
意味する。 組込状態での較正の際に、相応する式2が、較正流動
プロフィールとは異なる動作流動プロフィールにおい
て、測定経路での速度および平均速度、すなわち測定管
の横断面積当たりの流量が次のように検出される。 【数14】 ‖V1kmax・G1…V5kmax・G5‖=‖ΣVkmax‖ (式11) ここから最後に無次元動作プロフィールマトリクスが得
られる。これは次のとおりである。 無次元動作プロフィールマトリクスは図2bに示されて
いる。 動作中に測定された、測定経路M1からM5における流動
媒体の速度V1k,...V5kに基づいて、レイノルズ数Re0が
0次近似で、後でさらに説明する式に基づき検出され
る。この0次近似のレイノルズ数Re0については、較正R
epの一致したレイノルズ数に対する式10を用いて、関数
としても分析形態に示すことのできる、測定経路の速度
が較正流動プロフィールから求められる(図2c参照)。
この測定経路におけるこの速度から、平均速度Vpgemが
求められる。このプロフィールは引き続き瞬時の流動プ
ロフィールと比較される(図2d参照)。この比較は、求
められた平均速度Vgemn(0次近似でn=0,すなわちVge
m0)を較正流動プロフィールの平均速度Vpgemと比較す
る(dVgem=Vgemn−Vpgem)ことによって行われる。平
均速度間の求められた差の絶対値が所定の最大値εより
大きければ、次の反復プロセスで比較的に小さな差が仮
定される。例えばVgem(n+1)=Vgemn−dVgem/2が採
用される。この新たな平均速度から、1次近似のレイノ
ルズ数Re1が式Re1=Vgem1・D/υから求められる。この
1次近似のレイノルズ数を用いて、記憶された較正プロ
フィールマトリクス(式10)から新たな平均速度が検出
される。この平均速度は続いてさらに比較される(図2c
と図2f参照)。求められた差dVgemが前記の最大値εよ
り小さければ、レイノルズ数に対して最後に求められた
値が流量補正に使用される。前記反復プロセスによって
さらに改善された精度が保証される。 図3aと図3bには、補正された無次元流動プロフィール
の例が大きなレイノズル数(図3a)と小さなレイノルズ
数(図3b)に対して示されている。両方の図でaは較正
流動プロフィール、bは妨害された動作流動プロフィー
ル、およびcは補正された動作流動プロフィールであ
る。 流動プロフィールの前記の補正後、レイノルズ数に対
して最後に求められた値が流量補正器6に流量補正のた
めにさらに供給される。ステップ全体はリアルタイムで
行われる。 図4aと図4bには、本発明により保証される精度の向上
が図示されている。図4aは5つの測定経路による実施例
で、異なる粘度を有する3つの媒体(20cSt、40cSt、50
cSt)での誤差が速度m/sに依存して、従来技術による方
法(曲線a,b,c)と、流動媒体に対する超音波量測定方
法を実施するための本発明の装置(曲線d,e,f)の場合
とで示されている。ここで、従来技術ではエラー値のパ
ーセントは大部分が0.5%であるのに対し、本発明の方
法では3つすべての媒体に対して0.2%以下に値が低減
されていることがわかる。 図4bには異なる粘度を有する同じ3つの媒体に対して
エラーパーセントが図4aと同じ測定結果に対して示され
ている。しかしここでは速度の関数としてではなくレイ
ノルズ数の関数として、補正の前と後とで示されてい
る。ここでは、レイノルズ数の関数として示すことによ
り3つすべての曲線a,b,cが実質的に重なっていること
がわかる。ここでも、流動媒体に対する本発明の超音波
流量測定方法により精度が格段に改善されていることが
明らかである。 流動プロフィールが乱流特性を有するか、層流特性を
有するかに依存して、レイノルズ数が次のようにして検
出される。 −流動プロフィールが乱流特性を有する場合、レイノル
ズ数は測定経路2、4(V2+V4)と測定経路1,5(V1+V
5)の速度比または速度差から検出される。 −流動プロフィールが層流特性を有する場合、レイノル
ズ数は測定経路2,4(V2+V4)と測定経路3(V3)の速
度比または速度差から検出される。レイノルズ数はまた
測定経路の速度の速度比に基づいても(場合a)、測定
経路の速度の速度差に基づいても(場合b)検出するこ
とができる。このことは乱流特性を有する流動プロフィ
ールに対しても、層流特性を有する誘導プロフィールに
対しても当てはまる。 レイノルズ数を速度比に基づいて検出する場合aにつ
いて、層流特性を有する流動プロフィールには次の条件
がある。 (V2+V4)/V3<1.9 (式13) 反対に乱流特性を有する流動プロフィールに対しては
次式が当てはまる。 (V2+V4)/V3>1.9 (式14) レイノズル数を検出するための以下の式は経験的に求
められた。 層流特性を有する流動プロフィールの場合、レイノル
ズ数に対して次式が当てはまる。 【数15】 Relami=19100((V2+V4)/V3)2−60200(V2+V4)/V3+47700 (式15) これに対して、乱流特性を有する流動プロフィールに
対し、レイノルズ数が30,000より小さい場合には、 が当てはまり、レイノズル数が>20,000の場合には、 Returb=5080000((V2+V4)/(V1+V5))2 −108600000(V2+V4)/(V1+V5)+5833000
(式17) が当てはまる。 レイノルズ数の検出が速度差に基づいて行われる場合
bに対しては、層流特性を有する流動プロフィールが存
在するときに次式が成り立つ。 (V2+V4)−1.9・V3<0 (式18) 反対に乱流特性を有する流動プロフィールが存在する
場合には次式が成立する。 (V2+V4)−1.9・V3>0 (式19) 層流特性を有する流動プロフィールの場合は次式が成
り立つ。 Relami=Al((V2+V4)−(V1+V5)/2)2 +B1((V2+V4)−(V1+V5))/2+Cl (式20) これに対して、乱流特性を有する流動プロフィールで
は、レイノルズ数が30,000より小さい場合に次式が成り
立つ。 Returb=A2((V2+V4)−(V1+V5)/2)2 +B2((V2+V4)−(V1+V5))/2+C2 (式21) 最後にレイノルズ数が20,000より大きく、流動プロフ
ィールが乱流特性を有する場合に次式が成立する。 Returb=A3((V2+V4)−(V1+V5)/2)2 +B3((V2+V4)−(V1+V5))/2+C3 (式22) 式20から22において、係数A1からA3、B1からB3およびC1
からC3は経験的に求められる。 すでに述べたように、ユーザーでの動作中に流量補正
器を申し分なく機能させるために、瞬時の流動プロフィ
ールがとりわけ較正流動プロフィールからの偏差または
対称性について監視される。この監視は、プロフィール
測定器7とプロフィール補正器9を用いて行われる。こ
の測定器と補正器は変換器2と加算器3の間に接続され
ている。これらについて以下、図5と6を参照して説明
する。プロフィール測定器7は測定経路の速度を比較
し、プロフィールが異なる場合またはセンサが故障して
いる場合に特別の信号をその出力側23からプロフィール
補正器9と警報発生器8に出力する。動作中に取り付
け、また流入作用、例えば湾曲やその他の障害によって
妨害を受けた流動プロフィールが発生すると、この妨害
を受けた流動プロフィールと較正流動プロフィールとの
偏差、ないしこの妨害を受けた流動プロフィールの非対
称性をプロフィール補正器9により実質的に除去するこ
とができる。このプロフィール補正器9の作用は式1か
ら12に基づくものである。図6に示されたプロフィール
補正器9内でユニットを形成するスイッチ11は3つの位
置を有する。すなわち、流動プロフィール較正に対する
位置a、流動プロフィール補正に対する位置b、そして
流動プロフィール監視に対する位置cである。 【数16】 スイッチ11は、流動媒体に対する超音波流量測定方法
を実施するための本発明の装置が基準流動プロフィール
が妨害を受けていないときに較正されるとき位置aにあ
る。この位置では、較正流動プロフィールメモリ12に較
正プロフィールマトリクス‖EPM‖が記憶される(式1
も参照)。 【数17】 流動媒体に対する超音波流量測定方法を実施するため
の本発明の装置がユーザーにおいて組み立てられると
き、まず本発明の装置に接続された管路の流量が実質的
に動作時の最大可能流量に調整される。スイッチ11はこ
の場合位置bにある。この位置では動作プロフィールマ
トリクス‖BPM‖が動作プロフィールメモリ13に記憶さ
れる(式2も参照)。引き続き、プロフィール比較器14
が式3,4,5に基づいて、プロフィール行列式‖PrDet‖を
検出する。 通常の条件の下では、スイッチ11は動作中、位置cに
ある。従って測定経路の速度に関する情報がスイッチ11
からプロフィール変換器15に直接出力される。プロフィ
ール変換器は式6に従って動作する。プロフィール変換
器15の出力側では原則的に、妨害を受けていない、補正
された流動プロフィールが得られる。この流動プロフィ
ールに基づいて、レイノルズ数測定器5でレイノルズ数
が検出され、このレイノルズ数は引き続き流量補正器6
で使用される。この流量補正器6は、装置の技術的許容
公差も考慮したエラー曲線によって動作する。図8には
このようなエラー曲線が例として示されている。ここで
はこのエラー曲線の適用によって0.15%の最大誤差が保
証される。 測定管に接続された管路または他の液圧的移行プロセ
スでの変化の際、例えば制御弁を閉じるとき、流動プロ
フィールが非常に急速に変化する。この変化はプロフィ
ール測定器7によって監視され、プロフィール測定器
は、変化が有意の場合、出力側23を介して信号を警報発
生器8とプロフィール補正器9にさらに供給する(これ
については図6も参照)。プロフィール補正器9では次
に、スイッチ11が位置cから位置bに切り替えられる。
この位置では、動作プロフィールメモリ13を介して伝達
された動作流動プロフィールが較正流動プロフィールメ
モリ12からの較正流動プロフィールと比較される。2つ
の流動プロフィールが過度に大きく偏差していれば、フ
ィードバック出力側22を介してフィードバック信号がス
イッチ11に供給され、これに基づいて動作流動プロフィ
ールが動作流動プロフィールメモリ13に新たにファイル
される。このことは、リアルタイムで補正された動作流
動プロフィールが存在するまで行われる。この補正され
た動作流動プロフィールは次に、位置cにあるスイッチ
11から再び変換器15に供給される。 プロフィール測定器7の出力側に印加される、速度に
対する値は、加算器3の他にレイノルズ数測定器5にも
供給される(図7と図8も参照)。このレイノルズ数測
定器5に存在する乱流−層流切替スイッチ16は式13と1
4、または式18と19に基づいて動作する。この乱流−層
流切替スイッチは、層流流動測定器17,乱流流動測定器1
8および移行流動測定器9と接続されており、これら流
動測定器17,18,19は式15,16と17、または式20,21と22に
基づいて動作する。これら流動測定器17,18,19の出力側
に印加される、レイノルズ数に対する値は続いて演算出
力増幅器20に供給される。 図9aから図9bには、レイノルズ数測定器5の機能の基
礎となる関係が例として図示されている。図9aは比(V2
+V4)/V3をレイノルズ数の関数として線図に示す。レ
イノルズ数は百万単位でプロットされている。この関数
経過に基づいて乱流−層流切替スイッチ16は動作する。
図9bはレイノルズ数を比(V2+V4)/V3の関数として示
す。この比の経過に基づいて乱流流動測定器17は作用す
る動作する。図9bでは、経験的に検出された測定データ
と、理論的デートとがプロットされている。図9cと図9d
には、レイノルズ数と比(V2+V4)/(V1+V5)との関
係が示されている。レイノルズ数は千単位でプロットさ
れている。この関係に基づいて乱流流動測定器18内での
処理が行われる。図9cには、油および水を流動媒体とし
た前記の関係が測定データと、理論的に検出されたデー
タとに対してプロットされている。図9cに対してはレイ
ノルズ数が30,000より小さく、一方図9dに対してはレイ
ノルズ数が20,000よりやや大きいことが当てはまる。 演算出力増幅器20の出力側に印加される、リアルタイ
ムで検出されたレイノルズ数に対する値は、流量補正器
6の他に粘度測定器10にも供給される。この粘度測定器
10は媒体の粘度を検出する。この検出は、レイノルズ
数、平均速度、つまり測定管の横断面積当たりの流量お
よび測定管1の直径に基づいて行われる。 粘度測定器10の出力側に印加される粘度値は一方では
表示装置4に、他方では媒体識別器24にさらに供給され
る。媒体識別器24では、変換器24により検出された、媒
体内の超音波速度および/または媒体の超音波減衰度が
得られる。媒体の粘度、媒体の超音波速度および/また
は媒体の超音波減衰度に基づいて、媒体識別器24は媒体
の種類、たとえば石油を既知の媒体に対して記憶された
データと比較することにより検出する。 [図面の簡単な説明] 【図1】 図1は、流動媒体に対する超音波流量測定方法を実施
するための本発明の装置の第1実施例のブロック回路図
である。 【図2】 図2a〜fは、流動プロフィールの補正経過を説明する
ためのフローチャートである。 【図3】 図3a,bは、レイノルズ数が大きい場合および小さい場
合の流動媒体の補正を示す線図である。 【図4】 図4a,bは、種々異なる粘度の媒体に対して本発明の方
法を適用した場合の精度の改善を示す線図である。 【図5】 図5は、流動媒体に対する超音波流量測定方法を実施
するための本発明の装置の第2の実施例のブロック回路
図である。 【図6】 図6は、流動プロフィール補正器に対する実施例のブ
ロック回路図である。 【図7】 図7は、レイノルズ数測定器の実施例のブロック回路
図である。 【図8】 図8は、本発明の流量補正器に使用される、経験的デ
ータに基づいたエラー曲線の例を示す線図である。 【図9a】 図9aは、本発明の方法および装置を説明するための、
レイノルズ数と種々異なる速度比との関係を示す線図で
ある。 【図9b】 図9bは、本発明の方法および装置を説明するための、
レイノルズ数と種々異なる速度比との関係を示す線図で
ある。 【図9c】 図9cは、本発明の方法および装置を説明するための、
レイノルズ数と種々異なる速度比との関係を示す線図で
ある。 【図9d】 図9dは、本発明の方法および装置を説明するための、
レイノルズ数と種々異なる速度比との関係を示す線図で
ある。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】流動媒体に対する超音波流量測定方法であ
って、 測定管と、該測定管に配置され、それぞれ1つの測定経
路を形成する少なくとも3対の超音波変換器とを用い、 前記流動媒体の流量を、少なくとも3つの測定経路に沿
った前記媒体の速度から検出し、 流量に対する値をレイノルズ数に対する値に基づいて補
正する方法において、 流動媒体のレイノルズ数を連続的に、相互に異なる少な
くとも3つの測定経路に沿った流動媒体の速度のみに基
づいて検出し、 流量に対する値の補正を、レイノルズ数に対して連続的
に検出された前記値を用いて行う、 ことを特徴とする超音波流量測定方法。
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