JP3477115B2 - 衛星を介して放送を行う方法、衛星放送システム、衛星放送基地局および衛星放送端末 - Google Patents

衛星を介して放送を行う方法、衛星放送システム、衛星放送基地局および衛星放送端末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信システム、及び
このシステムにおける通信用送受信装置、並びに通信端
末に係わり、特に衛星通信,衛星放送,衛星移動体通信
等の通信放送分野と、当該人工衛星が周回する天体に関
する観測との分野で利用出来る人工衛星、その軌道、及
びその軌道配置アルゴリズム、並びに当該人工衛星を適
用した通信放送システムに好適な通信システム、及びこ
のシステムにおける衛星通信用送受信装置、並びに通信
端末に関する。
【0002】
【従来の技術】(a)人工衛星の軌道要素(近地点引
数)の設定に関する従来の技術 人工衛星が地球を中心に周回する場合、その軌道は地球
の重力場の不均一性,月・太陽などの引力,大気抵抗、
及び太陽輻射圧の影響を受けて常に変動している。その
観点からすると、地球を中心に周回する人工衛星の軌道
として円軌道は存在せず、多少の離心率を有した広義の
楕円軌道になっている。
【0003】従って、本明細書では「楕円軌道」につい
て、「当該人工衛星がその目的を達成するために投入さ
れる軌道の軌道要素の設定工程において、離心率が零と
なることを意図しておらず、離心率が零より大きく1よ
り小さい軌道」と定義する。従来、楕円軌道を用いた人
工衛星として実用化されている例として、ロシアが旧ソ
ビエト連邦時代から使用しているモルニア衛星(軌道周
期約12時間)がある。また、楕円軌道を用いた人工衛
星として、ヨーロッパではアルキメデス(軌道周期約8
時間)という通信衛星が提案されている。さらに実用化
はされていないが、軌道周期約24時間のツンドラ軌道
が提案されている。これらに共通するのは、それらの軌
道傾斜角がすべて約63.4 度であるという点である。
【0004】一般に人工衛星が周回する軌道の近地点
は、地球の重力場の不均一性(地球形状の扁平性など)
の影響により軌道面内で回転してしまうが、軌道傾斜角
を約63.4 度に設定すると、近地点引数の時間変化率
を求める数式において乗算の一項が零になり時間変化率
が零になるため、この回転が止まるとされていることに
よるものと考えられる。
【0005】(b)複数の人工衛星の軌道配置方法に関
する従来の技術 従来、楕円軌道を周回する複数の人工衛星を用いた通信
システムが実用化されたり、研究されてきたりしてい
る。しかしながら、前述のモルニア衛星,アルキメデス
などについても複数の人工衛星を配置することは述べら
れているが、具体的な軌道の配置方法については述べら
れていない。
【0006】現在、複数の人工衛星を用いた通信システ
ムが提案されているが、軌道は一方法に関する具体的な
手法の開示は無く、具体的な軌道配置手法が求められて
いた。
【0007】これに対して特開平11−34996 号公報では
「天頂方向での滞在時間が長い軌道の人工衛星とその軌
道制御方法及びそれを用いた通信システム」が提案され
ている。
【0008】(c)移動体通信及び移動体への放送に関
する従来の技術 従来、自動車等の移動体においてテレビ放送を受信しよ
うとすると、テレビ局の放送設備から離れた地域では映
りが悪くなること、テレビ局の放送設備から近い場所で
も画像のちらつきがあること、移動すると受信出来るチ
ャンネルが変わってしまうこと、等の問題点が有った。
また静止軌道上の通信放送衛星からのテレビ放送を移動
体上で受信しても、ビルなどの人工建造物,並木や自然
地形により電波が遮られることが多く、快適にテレビ放
送を移動体上で楽しむことが出来なかった。
【0009】また救急車などの移動体から画像などの大
量のデータ伝送を行ったりすることも、既存の地上の通
信インフラ及び通信衛星によっては実現されていない。
【0010】前記の問題などに対処すべく、自動車など
の移動体に対する大量のデータ伝送のための、人工衛星
の軌道要素の設定方法については、特開平11−34996 号
公報において提案されており、またその人工衛星の軌道
要素についても提案がなされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以下に公知の例に基づ
いて、上述の(a),(b),(c)の各項目に対応して具
体的に従来の技術と問題点を述べる。
【0012】(a)人工衛星の軌道要素(近地点引数)
の設定に関する課題と本発明の目的 前述のモルニア衛星,アルキメデス、及びツンドラ軌道
は、すべてその軌道傾斜角が約63.4 度と固定されて
いる。これは近地点の軌道面内での回転を抑制すること
が主目的と考えられる。一方、上記人工衛星を利用する
地域がヨーロッパやロシアなどの高緯度地域であること
により、約63.4 度と大きい軌道傾斜角を利用するた
めのメリットも有る。
【0013】日本の位置を考えた場合、最北端の択捉島
が北緯約45度、最南端の沖の鳥島が北緯約20度と、
中緯度から低緯度に国土が分布している。このため上記
の軌道傾斜角63.4 度を用いると、十分に軌道の高さ
が高くないと日本の国土からは利用しにくい人工衛星シ
ステムになってしまう。従って日本国土の位置に合わせ
た人工衛星の軌道を考えると、その軌道傾斜角は約6
3.4 度以外の数値を採用せざるを得ず、よって軌道の
近地点は回転を生じることとなる。
【0014】近地点の回転を制御するためには、人工衛
星にその制御用の推進薬を搭載することが必要になる。
例えば特開平11−34996 号公報において提案されている
軌道要素の中で、軌道傾斜角40度、かつ、離心率が
0.24 の場合にシミュレーションを行った結果、軌道
制御用推進薬の最大約75%を近地点引数を270度近
傍に制御するために使わなければならない例も存在する
ため、軌道要素の設定の仕方によっては、近地点引数の
制御用推進薬が全体の推進薬量に対して支配的になる場
合がある。これにより当該人工衛星に搭載出来る機器が
削減されたり、当該人工衛星の軌道上寿命が短くなった
りする可能性が有る。
【0015】本発明は、上述の問題点を解決することを
可能とするために、人工衛星の周回する軌道の軌道要素
の設定段階において、軌道六要素の一つである近地点引
数を設定することを目的とする。
【0016】(b)複数の人工衛星の軌道配置方法の課
題と本発明の目的 軌道周期が約8時間で、近地点引数が約270度の楕円
軌道を用いた通信システムが数多く提案されている。こ
れらはヨーロッパ,北米、及び日本の三地域上空に遠地
点が現れるもので、三機または六機の人工衛星を用いた
通信サービスの提供を目的とするものである。三または
六という衛星数の根拠については、当該三地域の上空に
同時に人工衛星が巡って来るように、直感的にあるいは
自然に設定されたと推測される。ここではそれ以外の機
数の衛星を用いた場合については記述されていない。さ
らに軌道要素の設定方法については、軌道周期8時間か
ら数学的に導出される軌道長半径20,270km 、及び
軌道力学的に安定とされている軌道傾斜角63.4 度以
外に具体的な数値の提示は無いものがほとんどであり、
また、その導出方法については公表されていない。
【0017】人工衛星の軌道の地上軌跡を描く場合に、
幾何学的,視覚的に二次元で表現されるのは、軌道長半
径或いは軌道周期,離心率,軌道傾斜角、及び近地点引
数の四つの軌道要素のみであることから、極めて概念的
な設計段階においてはこれらを設定するだけでも済むこ
とも、このように明確な軌道要素が提示されず、また、
その導出方法が明示されない原因の一つと考えられる。
【0018】上記の特開平11−34996 号公報では、衛星
の軌道周期が約12時間及び約24時間の人工衛星の軌
道要素設定方法が提案されている。また日本をサービス
対象とした場合に仰角が70度以上となる場合の衛星の
軌道要素と衛星数が例示されている。しかしながら、こ
れら以外の周期の軌道の軌道要素及び衛星数については
具体的な数値を挙げた提案がなされていない。また上記
公知例に記載されているのは、特定地域の天頂方向に長
く滞在する楕円軌道の軌道要素の設定手法であり、必ず
しも人工衛星の軌道要素の設定の全てに適用出来るもの
では無かった。さらに、従来提案された、或いは現在実
現されている複数の人工衛星を用いたシステムについて
述べる。例えば移動体通信衛星システムではそのサービ
ス対象を全世界としており、同一の軌道長半径、及び軌
道傾斜角を有する円軌道(離心率が零)を周回するもの
で、その他の軌道要素及び導出の方法については公表さ
れていない。これは当該人工衛星を用いたシステムの考
案者のノウハウと考えて公表されていないものと思われ
る。またこれまでに実現されてきた地球観測システムで
は、全世界をくまなく観測出来るように、太陽同期準回
帰軌道を周回する人工衛星を組み合わせたものであっ
た。一方、特定の地域に対して集中的且つ連続的に通信
サービスまたは観測を行う場合には静止衛星が用いられ
ている。
【0019】本発明では、任意の数の複数の人工衛星を
用いて、人工衛星が周回する天体の特定の地域に対して
通信サービス,放送サービスを集中的且つ連続的に提供
しようとする場合、あるいは人工衛星が周回する天体の
特定の地域や当該地域の気象を集中的且つ連続的に観測
する場合において、人工衛星の軌道要素を設定するため
に普遍的に適用出来る方法、特に任意の数の複数の人工
衛星の軌道長半径,離心率,軌道傾斜角,近地点引数,
昇交点赤経及び真近点離角の設定手法を明らかにし、そ
の方法に従って軌道を設計した場合の軌道要素の具体的
な数値を明らかにすることを目的とする。
【0020】(c)移動体通信及び移動体への放送に関
する課題と本発明の目的 移動体に対する大容量通信については、一般加入電話,
携帯電話,簡易型携帯電話などの既存の通信インフラで
対応出来ていないのは明らかである。
【0021】また人工建造物,自然地形などにより通信
遮断を起こしやすい静止衛星通信システムも、移動体に
対する大容量通信について対応出来ていない。
【0022】現在整備が進められているイリジウムなど
の低中高度を周回する衛星通信システムは高仰角に衛星
が可視となる時間が数分と短いため、明らかに移動体に
対する大容量通信について対応出来ないのは明らかであ
る。
【0023】上記の各種通信システムは移動体との通信
に対して十分対応出来ないが、移動体へのデジタルテレ
ビ放送・デジタル音声放送などを考えるとさらにそれら
の適用性については否定的にならざるを得ない。
【0024】人工衛星による移動体への放送サービスを
考えると、人工衛星はサービス対象となる地域範囲内に
おいて高仰角の方向に長い時間にわたって安定して可視
となることが必須である。
【0025】本明細書において「人工衛星が可視」と
は、「地球上に設置された人工衛星追跡管制用地球局及
び各種の衛星通信用送受信装置と、人工衛星との間の通
信を、電波または光によって行うことが出来る空間領域
に人工衛星があること」と定義する。
【0026】これを実現するには、一般にサービス対象
となる地域の上空に遠地点が来る楕円軌道が好ましいと
考えられているが、その軌道要素の適切な設定方法やア
ルゴリズムに関しては確固としたものは、特開平11−34
996 号公報以外には提案されていない。
【0027】上記特開平11−34996 号公報で提案されて
いる軌道要素では、その離心率の最低値が0.24 であ
る。当該離心率でも地上から衛星までの距離は、当該地
点から静止衛星までの距離よりも一般的に大きくなるた
め、以下のような問題点があり、改善の余地がある。
【0028】電波伝搬上の自由空間損失が大きくな
り、人工衛星に搭載される通信・放送用機器に高い送受
信能力が要求されることになる。具体的には、人工衛星
側には、より大きなアンテナまたはより大きな送信出力
を有する送信機、及び受信能力の高い受信機が必要にな
る。地上側では、衛星通信用の送受信装置に同様により
大きなアンテナまたはより大きな送信出力を有する送信
部及びより受信能力の受信部が必要になる。
【0029】また地上からの距離が大きいことから、
通信の遅延が大きくなる。
【0030】さらに離心率がやや大きいため、サービス
を行っている人工衛星との距離が、サービス対象とする
地域の端部と反対方向の端部において異なることにな
る。これにより、放送サービスを行う人工衛星を切り替
える際に、放送途絶時間が生じる可能性がある。
【0031】本発明は、以上の問題点を鑑みてなされた
もので、特開平11−34996 号公報で提案されている軌道
要素を、「地上との通信」という観点から改善したもの
であり、日本国土上という特定のサービス地域の領域範
囲内でより有効な軌道要素の範囲を設定することを目的
とする。
【0032】本発明では、上述の(a),(b),(c)で
挙げた問題点を個々に解決することも目的としている
が、(a),(b),(c)いずれかの組み合わせ、または
(a),(b)、及び(c)のすべてを同時に解決するこ
とを目的としている。(a),(b)、及び(c)を全
てまとめて解決することにより、日本国土という特定の
地域に対して、複数の人工衛星を用いて移動体通信,移
動体放送を容易ならしめる、人工衛星の軌道要素の導出
方法を示すと同時に、日本国土に適応した軌道要素を範
囲限定で示すことをも目的としている。
【0033】さらに、本発明は、上述の(a),(b),
(c)で挙げた問題点を解決した上で、複数の人工衛星
を利用する各種システムを構築することを目的としてい
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】ここでも前項の(a),
(b),(c)で挙げた課題に対応して述べる。
【0035】(a)軌道六要素の一つである近地点引数
の設定に関して 一般に人工衛星を用いた計画では、当該人工衛星が稼働
すべき期間をミッション寿命として定義する。このミッ
ション寿命期間中に亘り、近地点引数をまったく制御し
ない場合に、人工衛星がその目的を達成するために投入
されるべき軌道に投入された直後の初期値の近地点引数
からどの程度変動するかを、コンピュータを用いて精度
良く推定する必要がある。
【0036】上記目的を達成するために本発明では、人
工衛星が周回する軌道の軌道要素の近地点引数の初期値
は上記の推定値を利用して設定されるものとする。
【0037】上記目的を達成するために本発明では、自
らの姿勢を検出することを目的とした姿勢センサと、検
出した姿勢データを処理する計算機と、当該計算機によ
り姿勢を維持または変更するためのアクチュエータまた
はガスジェット装置と、自らの軌道を変更するためのガ
スジェット装置と、電波により当該人工衛星と管制局と
の通信回線を成立させるための通信装置とを具備するこ
とを特徴とする人工衛星を用いる。当該人工衛星が周回
する中心天体が地球である場合、当該人工衛星には、G
PS衛星からの電波を受信するとともに自らの位置と速
度を計算する装置を具備していても良い。ここでGPS
衛星とは、米国のGlobal PositioningSystem(GPS)
を構成するNavstar 衛星、同じく航法用のロシアのGlon
ass 衛星、日本の運輸多目的衛星などを総称するもので
ある。
【0038】(b)複数の衛星の軌道配置方法について 上記目的を達成するために本発明では、人工衛星が周回
する軌道は、当該人工衛星を利用して行われるサービス
の対象となる特定の地域と、当該人工衛星の数と、当該
サービス対象地域への当該人工衛星によるサービスの頻
度と、当該サービス対象地域への当該人工衛星一機によ
るサービス継続時間と、軌道要素を定義する基準時刻と
を入力条件として求めた軌道六要素によって定義される
ものとする。
【0039】より具体的には、軌道要素の決定に際して
は、人工衛星数の決定工程,軌道長半径の決定工程,離
心率・軌道傾斜角・近地点引数の設定工程,昇交点赤経
の設定工程,真近点離角の設定工程、及び上記軌道長半
径の決定から真近点離角の設定工程に至る全ての工程の
繰り返しにより、軌道六要素が決定される。
【0040】上記目的を達成するために本発明では、
(a)と同様な人工衛星を用いてもよい。
【0041】(c)移動体通信及び移動体への放送に関
して 上記目的を達成するために本発明では、(a)と同様な
人工衛星を用いてもよい。
【0042】また、上記目的を達成するために本発明で
は、楕円軌道上を周回する人工衛星の軌道傾斜角が37
度以上44度以下の範囲内、及び離心率が0.24 未満
の範囲内であるか、又は軌道傾斜角が40度より大きく
44度以下の範囲内にあり、離心率が0.24以上0.3
5以下の範囲内にある24時間周期の、3または4つの
楕円軌道を周回する、三機または四機の人工衛星からな
る人工衛星群を用いる。ここで人工衛星は各軌道に一機
ずつ配置される。ここで軌道周期が24時間と言った場
合、本明細書では24時間とは23時間56分に対して
±10分の誤差を含んだ時間長と定義する。
【0043】以下は上記(a),(b)、及び(c)に共
通して用いられる手段である。
【0044】上記目的を達成するため本発明は、人工衛
星の軌道を制御するための軌道制御システム,人工衛星
を介して衛星通信を行う衛星通信システム,地球観測装
置を搭載した人工衛星を用いる地球観測システム等の、
様々な人工衛星を利用するシステムにおいて、上記本発
明による軌道を備えた人工衛星を用いる。
【0045】またここで、衛星通信システムにおける衛
星通信用送受信装置は、本発明による人工衛星が対象と
するサービス対象地域内で使用される際には、当該人工
衛星との信号の送受信を行うための送受信手段を備える
ものであって、当該サービス対象地域内を移動する移動
体に搭載してもよい。また、送受信装置に、全地球測位
システムを構成するGPS衛星からの電波を受信し自ら
の位置を少なくとも計測するGPS手段や、電気,ガス
および水道等の公共料金の対象となるもの等について、
その使用量を計測する計測手段をさらに備えるようにし
てもよい。
【0046】また、上記目的を達成するために本発明
は、人工衛星を介して衛星通信を行う衛星通信システム
において、人工衛星と、該人工衛星を介した衛星通信を
行うための衛星通信用送受信装置と、該人工衛星を介し
て該衛星通信送受信装置との通信を行う基地局とを少な
くとも備えるものであって、前記人工衛星は楕円軌道を
周回する人工衛星であり、前記衛星通信用送受信装置
は、移動体に搭載可能なもので、前記人工衛星が対象と
するサービス対象特定地域内で使用される際に、当該人
工衛星との信号の送受信を行うための送受信手段を備え
る。
【0047】また、上記目的を達成するために本発明
は、人工衛星を介して衛星通信を行う衛星通信システム
において、人工衛星と、該人工衛星を介した衛星通信を
行うための複数の衛星通信用送受信装置とを少なくとも
備えるものであって、前記人工衛星は楕円軌道を周回す
る人工衛星であり、前記複数の衛星通信用送受信装置
は、前記人工衛星を介して他の衛星通信用送受信装置と
の信号の送受信を行うための送受信手段をそれぞれ備え
るものであり、前記複数の衛星通信用送受信装置のうち
少なくとも1つは、前記サービス対象地域内に位置し、
その他は該サービス対象地域以外で、かつ、前記人工衛
星との衛星通信が可能な地域に位置するものであり、前
記人工衛星のサービス対象地域から見た当該人工衛星の
仰角に応じて、前記サービス対象地域内に位置している
衛星通信用送受信装置間の中継、前記サービス対象地域
内の衛星通信用送受信装置とそれ以外の地域に位置する
衛星通信用送受信装置との中継、および前記サービス対
象地域以外の地域に位置する衛星通信用送受信装置間の
中継のうちいずれかの中継形態が選択される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した、 ・軌道要素を設定するための手法(アルゴリズム) ・そのアルゴリズムによる軌道要素の設定値と軌道配置
の例 ・設定した軌道要素を実現し、制御するための方策 ・本発明による軌道上を周回する人工衛星を適用したシ
ステム の実施形態について順に説明する。
【0049】(1)軌道要素を設定するための手法(ア
ルゴリズム) ここでも上述の(a),(b)、及び(c)に対応して、
(a)及び(b)について、その手法をそれぞれ述べ
る。(c)の課題については(a)により近地点引数の
設定について、及び(b)の手法により複数の人工衛星
の配置方法が解決されるので、先ずここでは日本におけ
る当該人工衛星群を用いて移動体放送・通信する場合に
適した軌道要素の数値範囲について述べる。
【0050】根室,札幌,仙台,新潟,東京,名古屋,
金沢,大阪,広島,高知,福岡,鹿児島、及び那覇の1
3都市から同時に、軌道上を飛翔する人工衛星が仰角7
0度以上に見える時間長を評価の指標とし、軌道周期が
24時間となる軌道の軌道要素の組合わせを考える。
【0051】人工衛星の軌道は、ある時刻における人工
衛星の位置と速度が与えられれば一意に決まる。従っ
て、6つの軌道要素がある時刻において与えられれば良
い。ここでは軌道要素の記述の仕方として、ケプラー軌
道要素を用いることにする。ケプラー軌道要素は、楕円
の大きさを表す軌道長半径,楕円の偏平度を表す離心
率,軌道面の傾きを表す軌道傾斜角,軌道が赤道面を南
から北に通過する昇交点と地心を結んだ直線が春分点方
向となす角を示す昇交点赤径,昇交点から近地点までの
角度を示す近地点引数、及びある時刻における人工衛星
の軌道上の位置を地心を中心として近地点から測った角
度である真近点離角という6つの軌道要素からなる。真
近点離角の代わりに平均近点離角、又は離心近点離角を
用いても良い。
【0052】軌道周期が24時間であるので、これによ
り軌道要素の一つである軌道長半径が与えられる。次に
軌道要素の一つである近地点引数を270度に固定す
る。この軌道長半径、及び近地点引数を有する軌道にお
いて、軌道傾斜角と離心率という2つの軌道要素の組合
わせを考える。これにより当該軌道の地上軌跡の形状は
一意に決定される。残りの軌道要素である昇交点赤経と
真近点離角が基準時刻に対して決定されれば、当該軌道
の地上軌跡の東西方向の位置が決定される。この時に上
記の13都市から仰角70度以上に同時に当該人工衛星
が可視となる時間長が求められる。従って、昇交点赤経
と真近点離角の組合わせを同一の基準時刻に対して順次
変えていくことにより、当該軌道の地上軌跡が東西方向
に移動し、これにより、昇交点赤経と真近点離角の組合
わせに対する上記の各都市から仰角70度以上に軌道の
人工衛星が可視となる時間長が順次求められてゆく。こ
れらを比較することにより、最終的に軌道傾斜角と離心
率の組合わせにおける上記の13都市から同時に仰角7
0度以上に人工衛星が可視となる時間長の最大値が求め
られる。
【0053】図35は、上記の手順により求めたもの
で、軌道傾斜角が35度から44度までの範囲につい
て、離心率が0.0 から0.35 までの範囲で変化させ
た時間に、その軌道傾斜角と離心率の組合わせで与えら
れる最大同時可視時間長を示している。例えば軌道傾斜
角が35度で離心率が0.20 の時には最大同時可視時
間長は約6時間であることが図35から判る。
【0054】最大同時可視時間長が6時間45分以上と
なる部分で離心率の範囲を0.09から0.25 までを
詳細に示したものが図36である。
【0055】図36より、最大同時可視時間のうちで最
大値を与えるのが、軌道傾斜角42.5度と離心率0.21
の組合わせであることが判り、この時最大同時可視時間
長が8時間より大きいことが判る。図37に上記の13
都市から当該人工衛星方向を見たときの仰角の時間変化
図を示す。仰角70度以上になる時刻が一番遅いのが札
幌であり、仰角70度以下になる時刻が一番早いのが根
室であることから、この2つの時刻間の時間長が8時間
よりも大きくなっている。
【0056】図37からも判るとおり、那覇では仰角が
大きくなってから減少に転じ、その後再び仰角が増加
し、最終的に仰角が減少するように仰角が変化してい
る。この場合における那覇から当該人工衛星の見える方
向を天空図に示したのが図38である。図38は星座早
見盤と同じ見方をすればよく、同心円の中心が天頂であ
り、上が北,右が西,下が南,左が東をそれぞれ向いて
いる。同心円は仰角で20度毎に描かれている。また、
周囲に方位角を10度毎に示している。プロットしてあ
るのは1時間毎の人工衛星の天空上の位置であり、それ
を天空上の軌跡という形で結んで描いたものである。
【0057】図38から那覇では人工衛星が可視となる
方向が、天頂方向から北の水平線方向に移動しているこ
とが判り、これにより、図37での仰角の時間変化が説
明できる。図37で他の都市についても同様の仰角の時
間変化は、これと同じ天空図により説明することができ
る。図35及び図36において、軌道傾斜角44度での
最大同時可視時間が短くなっているのは、このように那
覇では人工衛星の可視となる方向が地平線方向に動きす
ぎてしまい、一度仰角70度以下になって、また仰角7
0度以上の方向に戻ってしまうことにより、同時可視時
間長を短くしてしまっていることに起因するものであ
る。
【0058】人工衛星三機で一日24時間のサービスを
行う場合には、この最大同時可視時間長が8時間以上と
なる軌道傾斜角と離心率の組合わせが好ましく、人工衛
星四機で一日24時間のサービスを行う場合には、この
最大同時可視時間長が6時間以上となる軌道傾斜角と離
心率の組合わせが好ましい。軌道傾斜角と離心率の組合
わせについては図35及び図36を参照すれば良い。
【0059】複数の楕円軌道を周回する人工衛星を用い
て放送サービスを行う場合には、放送サービスを行う人
工衛星を順次切り替えてゆく必要があり、上記のように
移動体放送・通信を行う場合には、複数の都市から同時
に人工衛星が高仰角に可視となることが重要である。
【0060】(a)近地点引数の設定方法 ここでは後述の(b)に述べた方法などにより、他の軌
道要素である軌道長半径,離心率,軌道傾斜角が設定さ
れたものとする。
【0061】日本国土などの特定地域をサービス地域と
する場合には、ある基準時刻における昇交点赤経を設定
すれば、当該サービス地域の上空を人工衛星が飛翔する
ためには、真近点離角はある範囲をもって与えられる。
【0062】近地点引数の設定に当たっては、上記の軌
道要素と基準時刻を入力条件としてコンピュータでシミ
ュレーションして設定する。
【0063】公知の例として、24時間周期の軌道で、
軌道傾斜角が40度,離心率が0.24の場合について、1
0年間に亘る軌道要素の変動をコンピュータによりシミ
ュレーションした結果を表1に示す。この10年間とい
うのは、前述のミッション寿命を10年間とした場合を
想定したものである。この10年間については、まった
く軌道修正用の制御、具体的には当該人工衛星に搭載さ
れているガスジェット装置の軌道上での噴射、をまった
く行わなかった場合のシミュレーション結果である。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示した軌道要素を採った場合の軌道
の地上軌跡を図1に示す。地上軌跡は、表1の初期値、
1095日後,2190日後、および3650日後の、
それぞれの軌道要素を元に一日間に亘りそれぞれ軌道伝
搬したものである。
【0066】初期値から3650日後までの軌道の地上
軌跡を眺めると以下のことが判る。ここで、1は基準時
刻から1日間に亘っての軌道の地上軌跡、2は基準時刻
から1095日後から1096日後に亘っての軌道の地
上軌跡、3は基準時刻から2190日後から2191日
後に亘っての軌道の地上軌跡、4は基準時刻から365
0日後から3651日後に亘っての軌道の地上軌跡を表
す。
【0067】・軌道の地上軌跡が2190日後までは時
間の経過と共に西側に移動しており、その後3650日
後までは時間の経過に従い東側に移動している。
【0068】・軌道の地上軌跡が2190日後までは時
間の経過と共に斜めになって行き、北側の端が鋭角にな
って行く。
【0069】・時間の経過とともに、軌道の地上軌跡に
おいて南北方向の到達緯度の範囲が狭くなって行く。
【0070】先ず最初の西側への移動については、各々
の時点における昇交点赤経に対応するように真近点離角
を調整する軌道修正を行うことにより、軌道の地上軌跡
東側に戻して日本上空に当該地上軌跡を移動することが
出来る。この軌道修正は静止衛星の軌道の東西制御と同
じ方法論である。従って、例えばこの制御は、近地点,
遠地点、最後に近地点という3カ所で、当該人工衛星の
ガスジェットを噴射することで実行可能である。この
時、真近点離角とともに軌道長半径および離心率の修正
も行うことが出来る。この制御による離心率の修正によ
って、2番目に挙げた地上軌跡の北側の鋭角化を元に戻
す方向に修正することが出来る。
【0071】3番目に挙げた南北方向の到達範囲の縮小
については、軌道傾斜角の減少に起因するものであり、
静止衛星の軌道の南北制御と同様の方法論で修正出来
る。具体的には、当該人工衛星が軌道上で赤道面を通過
する時に、軌道面に垂直方向にガスジェット装置により
推進薬を噴射すれば良い。
【0072】以上の2通りの制御については、30日
毎,60日毎など定期的に実施すればよく、定期的な制
御の実施により軌道長半径,離心率,軌道傾斜角をノミ
ナル値または軌道要素設定時の値の近傍に制御すること
が出来る。
【0073】ここで問題となるのが2番目に挙げた、軌
道の地上軌跡が斜めになって行く現象である。これは近
地点引数の変動に起因するもので、静止衛星などの円軌
道では見られない現象である。
【0074】先に述べた通りコンピュータでシミュレー
ションした結果、表1に示した通り、近地点引数は初期
値の270度から、約10年後には357.4 度まで約
90度変化している。近地点引数の変動を許容せず、上
記の軌道制御と同様に近地点引数を制御するためのガス
ジェット装置の噴射を行う場合、このガスジェット装置
の噴射は、当該人工衛星が軌道上で赤道面を通過する昇
交点直前または降交点通過直後に軌道面内方向に行われ
ることで制御が行われるが、多量の推進薬を消費するこ
とになる。表2に、四機の人工衛星を、昇交点赤経が9
0度ずつ離れた4つの軌道上に配置した場合に、定期的
な軌道制御を行った時に必要となる軌道制御用の増速度
量についてシミュレーション結果を示す。これは一年間
に必要な増速度量である。
【0075】
【表2】
【0076】表2からも判るように、軌道配置の場所に
も依るが、近地点引数の制御のために必要な増速度量
は、最大で全体の軌道制御のための増速度量の3/4程
度まで占めることが判る。これにより軌道制御のために
噴射するガスジェット装置の消費する推進薬量が必然的
に増大してしまうため、最悪の場合、人工衛星に搭載す
る機器を削減したり、ミッション寿命を短くしたりしな
ければならなくなる。
【0077】そこで本発明では、近地点引数の設定工程
において予め近地点引数の変動をある程度許容し、その
値に幅をもたせて設定することとする。
【0078】上記の例で90度の変動を許容出来るので
あれば、例えば近地点引数の初期値を235度に設定す
ればミッション寿命10年後に近地点引数は325度程
度になることが予想される。この時ノミナル値を270
度とすれば、これを±45度の範囲で挟んだ形で近地点
引数の制御無しで、軌道の地上軌跡、ひいては地上から
の可視性を保つことが出来る。
【0079】近地点引数の制御をしないことを前提とし
て軌道要素の設定を行うことで、当該人工衛星に搭載す
べき推進薬量の大幅な削減が可能となる。
【0080】また90度の変動が許容出来ない場合、ミ
ッション寿命が10年の時、例えばミッション開始から
5年後に近地点引数の制御を行い、近地点引数を初期値
に戻す、という方法もある。表1に挙げた例では、約5
年後の近地点引数は約312度であり、初期値の270
度から約42度変動している。この時、初期値を249度
に設定すれば、5年後には約291度程度まで変化して
いることが予想され、この時ノミナル値を270度とす
れば、これを±21度の範囲で挟んだ形で地上軌跡、ひ
いては地上からの可視性を保つことが出来る。さらに5
年後に再び初期値に戻し、ミッション寿命の延長を図る
ことも考えられる。
【0081】ここでは5年後の例を挙げたが、許容され
る近地点引数の幅に応じて制御頻度を1年,3年などに
設定すれば良い。
【0082】また、ミッション寿命を10年とした場合
に、近地点引数の許容される幅に応じて初期値を設定
し、許容される近地点引数の幅の限界値に至った時点で
初期値に戻す制御する方法も考えられる。例えば表1の
例で約6年後の近地点引数が約321度であり初期値か
ら約51度変化していることから、近地点引数の初期値
を255度とし、ノミナル値270度をはさんで近地点
引数を±25度の範囲に収めるべく、6年後に近地点引
数を初期値に戻す制御方法もある。この時ミッション寿
命の残りの4年間は初期値から4年間分変化してゆくこ
とになる。
【0083】次に、さらに具体的な例について述べる。
【0084】(1)の冒頭にて図35及び図36を用い
て、日本に対して移動体向け放送・通信サービスを複数
の人工衛星群により行う場合に好ましい軌道要素につい
て述べた。図36より、各軌道傾斜角毎に13都市から
の最大の同時可視時間を与える離心率の組合わせが得ら
れる。具体的には軌道傾斜角が40度の時間に離心率
0.16 が最長の最大同時可視時間長を与えている。
【0085】このような組合わせを(40度,0.16
)と記述するとすれば、他に(40度,0.18),
(42度,0.20),(42.5度,0.21),(4
3度,0.22)及び(43.5度,0.24)が得られ
る。これらの組合わせに対して、今度は近地点引数を変
化させたときに、同様に前述の13都市から仰角70度
以上に同時に人工衛星が可視となる。その同時可視時間
長がどのように変化するのかを示したものが図39であ
る。
【0086】例えば(42.5度,0.21)の組合わせ
を見ると、近地点引数が約223度から270度の範囲
にあるとき、最大同時可視時間長が8時間以上となって
おり、近地点引数が270度よりも大きくなると最大同
時可視時間長は単調減少に転じる。他の組合わせについ
ても220度から230度を近地点引数の下限とし、2
70度を近地点引数の上限とすると、長い年月に亘り良
好なサービスを提供できることが判る。しかしながら、
人工衛星三機で一日24時間のサービスを提供する場合
には、最大同時可視時間長が8時間以上となる近地点引
数の範囲を、その設定幅とすればよく、人工衛星四機で
一日24時間のサービスを提供する場合には、最大同時
可視時間長が6時間以上となる近地点引数の範囲を、そ
の設定幅とすれば良いので、近地点引数の下限を220
度〜230度に設定する必要はない。
【0087】参考として、(42.5度,0.21)の組
合わせについて、近地点引数が210度,230度,25
0度,270度,290度、及び310度になった場合
に最大同時可視時間を与える軌道のそれぞれの地上軌跡
を図40,図41,図42,図43,図44、及び図4
5に示す。
【0088】ここで注意しなければならないことは、人
工衛星の軌道が近地点引数の変化により、軌道面内で回
転してゆくので、ある近地点引数のとき、静止軌道と交
差する点が生じることである。図46に、それぞれの離
心率毎に静止軌道と交わる時の近地点が南半球上空にあ
る場合には、図46に示したように昇交点側が交わる場
合と降交点側が交わる場合の2つのケースがあり、近地
点が北半球上空にある場合にも同様に2つのケースがあ
る。(42.5度,0.21)の組合わせの場合、離心率
が0.21 であるから図46に示した通り、近地点引数
が257.9 度、及び282.1 度で静止軌道と交差す
る。実際の人工衛星の運用に当たっては、静止軌道と交
差する直前に軌道制御を行い、近地点引数を変化させ、
静止軌道と交差しないようにすればよい。
【0089】参考までに人工衛星3機で一日24時間の
サービスを提供しようとした場合に、衛星3機を用いた
(42.5度,0.21)の組み合わせにおいて、近地点
引数が220度,230度,250度,270度,29
0度及び310度をとった時に、仰角70度以上に何れ
かの人工衛星が可視となる時間率(%)のシミュレーシ
ョ結果の例を図47〜図52に等高線で示した。同様に
人工衛星4機で一日24時間のサービスを提供しようと
した場合に、衛星4機を用いた(42.5度,0.21)
の組み合わせにおいて、近地点引数が220度,230
度,250度,270度,290度及び310度をとっ
た時に、仰角70度以上に何れかの人工衛星が可視とな
る時間率(%)のシミュレーショ結果の例を図53〜図
58に等高線で示した。「100」で囲まれた部分が時
間率100%になる地域を示しており、「95」で囲ま
れた部分が時間率95%以上になる地域を示している。
このように近地点引数に幅を持って設定することで、先
に述べた通り人工衛星の軌道制御の要求を緩和させし
め、かつ日本の大部分に対して高仰角での衛星通信・放
送サービスを提供せしめることが出来る。
【0090】なお、2001年10月1日0:00:0
00(UTC)を基準時刻として、(42.5度,0.2
1)の組み合わせについて、軌道制御を全く行わなかっ
た場合の3年間に亘る長期軌道予測シミュレーションを
行った結果を図59〜図62に示す。それぞれの軌道要
素の初期値として、軌道周期24時間,軌道傾斜角4
2.5度,離心率0.21,近地点引数270度とした場
合のものである。図59に離心率、図60に軌道傾斜
角、図61に近地点引数、図62に昇交点赤経につい
て、それぞれ長期変動量を示している。図の横軸は初期
値となる昇交点赤経を示している。それぞれの軌道要素
の変動量は、初期値の昇交点赤経に依存していることが
判る。近地点引数の変動量についても、昇交点赤経の初
期値に依存しているので、実際に複数の人工衛星を用い
る場合には、昇交点赤経の初期値に応じた変動量を考慮
して近地点引数の初期値を設定しても良い。例えば昇交
点赤経の初期値が190度近辺であった場合、長期に亘
りほとんど近地点引数の変動が観られない。従って一機
の人工衛星の昇交点赤経の初期値を190度にとること
で軌道制御を簡略化することも出来る。
【0091】(b)複数の人工衛星の軌道配置方法 ここでは本発明による軌道要素の設定方法について順に
述べる。この設定方法を図2にフローチャートで示す。
【0092】複数の人工衛星を用いて特定の地域を集中
的且つ連続的にサービスする場合、各人工衛星の直下点
の地上軌跡が一致しなければならない。これを満足する
ためには、各人工衛星の軌道要素のうち、軌道長半径,
離心率,軌道傾斜角、及び近地点引数がほぼ一致しなけ
ればならない。従って、以下の工程において、軌道長半
径,離心率,軌道傾斜角、及び近地点引数はすべての人
工衛星の軌道要素として共通に設定し、ある基準時刻に
おける昇交点赤経、及び真近点離角を各人工衛星別に設
定する。
【0093】(ア)基準時刻の設定(符号5) 人工衛星の軌道六要素を定義するための基準時刻(Epoc
h)を設定する。
【0094】(イ)人工衛星数nの決定(符号6) 人工衛星数n(nは正の整数)を決定する。
【0095】(ウ)近地点引数ωの暫定値の設定(符号
7) 任意の近地点引数ωを暫定値として与える。
【0096】ここで北半球にある特定地域をサービス対
象とした場合に、通信・放送等のサービスを行うに当た
り、当該特定地域の上空に人工衛星軌道の遠地点が有っ
た方が好都合な場合には、近地点引数のノミナル値を2
70度とすると有利な場合が多く、当該人工衛星の周回
する中心天体の観測等を行うに当たり、当該特定地域の
上空に人工衛星軌道の近地点が有った方が好都合な場合
には、近地点引数のノミナル値を90度とすると有利な
場合が多い。南半球の特定地域の場合には、これを逆に
前者を90度、後者を270度に設定すれば良い。
【0097】また既に(a)にて述べた通り、近地点引
数の設定値を幅を持たせて設定することも出来る。
【0098】(エ)軌道長半径aの暫定値の設定(符号
8) 複数の人工衛星を用いて特定の地域を集中的且つ連続的
にサービスする場合、各人工衛星の直下点の地上軌跡が
一致しなければならない。また、各人工衛星は毎日同一
地点の上空を通過しなければならない。つまり時間の経
過に関わらず、その地上軌跡が長期的に固定されなけれ
ばならない。この要求を満足するためには、当該人工衛
星は、当該人工衛星が周回する中心天体が一回自転する
間に、その中心天体の周囲を整数回周回するものでなけ
ればならない。地球が中心天体の場合、周回数mの範囲
は、1≦m≦16(mは整数)であり、本発明は表3に
示す軌道周期を有する軌道を周回する人工衛星を複数機
用いるシステムに対して適用出来る。
【0099】周回数mにより、中心天体が地球の場合、
人工衛星の軌道周期p(単位:時間)は以下の式により計
算される。
【0100】p=23.93/m 軌道周期pにより、人工衛星の軌道長半径a(単位:k
m)が表3に示す通り決定される。以下の軌道要素の設
定に当たっては表3に挙げた軌道長半径の中から候補を
選定する。ただし選定に当たっては、中心天体が地球の
場合、少なくとも p×n≧23.93 でなければ、特定地域への24(時間/日)に亘っての
連続的なサービスを提供出来ない。
【0101】
【表3】
【0102】(オ)離心率eの暫定値の設定(符号9) 任意の離心率eを暫定値として与える。
【0103】例えば当該特定地域において、人工衛星一
機に対して要求されるサービスの継続時間をTs(単
位:秒)とする。当該人工衛星が周回する軌道の近地点
から、軌道上でサービスを始める点まで人工衛星が周回
するのに必要な時間長をTi とし、サービスを始める点
での離心近点離角をEi(単位:ラジアン)、真近点離角
をθi(単位:ラジアン)とすると、 Ti=(Ei−e×sinEi)×p/(2×π) cosEi=(e+cosθi)/(1+e×cosθi) となるので、仮に軌道上でサービスを停止する点が、軌
道上でサービスを始める点と、軌道上の長軸を挟んで対
称の点にあると仮定すれば、 Ts≦p−Ti×2 ∴(p−Ti×2)−Ts≧0 であれば良い。実際は当該人工衛星が周回する天体の自
転等を考慮する必要があるので、軌道上でサービスを開
始する時の離心近点離角Ei と離心率eの組み合わせを
考えて、上記の数式を満足する離心率を初期値として与
えれば良い。この組み合わせを考える場合、離心近点離
角の最小値としてπ/2を考え、最大値をπとして考え
ると良い。
【0104】(カ)軌道傾斜角iの暫定値の設定(符号
10) 任意の軌道傾斜角iを暫定値として与える。
【0105】この時、先ずサービス対象の特定地域の緯
度の最大値と最小値を求めておき、その平均値を軌道傾
斜角の初期値として与えると良い。
【0106】(キ)真近点離角の暫定値の設定 衛星番号1の衛星が近地点に有る時、衛星番号k(1≦
k≦n、kは整数)の真近点離角θk(単位:ラジアン)
を次式で与える。離心近点離角と真近点離角は一対一で
対応するので、まず離心近点離角を導出してから真近点
離角を計算する。
【0107】−23.93×(k−1)/n×3600=
(Ek−e×sinEk)×P/(2×π)cosθi=(e−cos
i)/(e×cosEi−1) 上記の昇交点赤経Ωk と真近点離角θk の組み合わせに
より、複数の人工衛星の地上軌跡が一致し、衛星番号1
から衛星番号nの衛星n機が順に同じ地上軌跡を描く。
つまり特定地域の上空を衛星番号1から衛星番号nの衛
星n機が繰り返し飛翔する。
【0108】(ク)衛星番号1の人工衛星の軌道の昇交
点赤経Ω1 と真近点離角θ1 の暫定値の設定(符号1
1) 特定地域にサービスを行うためには、各人工衛星が特定
地域の上空を飛翔しなければならない。従って、先ず特
定地域の上空を飛翔することが出来るように、基準時刻
における衛星番号1の人工衛星の軌道の昇交点赤経Ω1
と真近点離角θ1を設定する。この時、真近点離角θ1
0(度)として、計算機によるシミュレーションを行う
ことにより簡便に昇交点赤経Ω1 を設定することが出来
る。
【0109】(ケ)衛星番号kの人工衛星の軌道の昇交
点赤経Ωk と真近点離角θk の暫定値の設定(符号1
2) 衛星番号1の人工衛星の軌道について設定した昇交点赤
経Ω1 、及び真近点離角θ1 より、基準時刻における衛
星番号kの人工衛星の軌道の昇交点赤経Ωk 、及び真近
点離角θk を、k=2から順にk=nまで求める。具体
的には、衛星番号1の人工衛星の軌道の昇交点赤経Ω
1(単位:度)を基準にすると、衛星番号k(1≦k≦
n)の人工衛星の軌道の昇交点赤経Ωk(単位:度)を次
式で与える。 Ωk=Ω1+(k−1)/n×360 これは複数の人工衛星の軌道面を等間隔の角度に離して
配置するためのものである。
【0110】(コ)評価(符号14) 特定地域におけるサービスの内容に関する要求、たとえ
ば; ・一機の人工衛星で当該特定地域に対して継続してサー
ビス出来る時間長、 ・一機の人工衛星を当該特定地域から見た時に高仰角の
空域に見える時間長、 ・人工衛星と当該特定地域との間の距離、及び距離の時
間変化率、 ・電波伝搬の遅延時間、 ・電波のドップラーシフト,回線設計、 ・当該特定地域を観測した場合の空間分解能、 および人工衛星の軌道の制御に関する要求、たとえば; ・各軌道の各軌道要素の長期間に亘る変動幅、 ・各軌道の各軌道要素の制御量およびそのために必要な
推進薬量、 などの要求を、上記で与えた軌道要素を飛翔する人工衛
星群により満足できるか否かを評価する。評価に当たっ
ては、上記で設定した軌道要素を入力値として計算機で
シミュレーションを行うと簡便に評価を行うことが出来
る。なお、ここでの評価に必要な項目及び要求事項につ
いては通常軌道配置の検討を始める前に設定される。
【0111】(サ)軌道要素設定作業の繰り返し 上記における評価において要求が満足されなかった場
合、(ウ)から(コ)までの作業を繰り返す。必要な場
合には(イ)から(コ)までの作業を繰り返す。暫定値
を変更する必要が無い場合には、当該項目の見直しをす
る必要は無い。なお、必要に応じて上記の工程の順序を
任意に変えても良い。
【0112】上記の方法で軌道要素を設定した場合、当
該人工衛星群によるサービスを行う対象の特定地域の上
空には衛星番号1の人工衛星から衛星番号nまでの人工
衛星が順に現れる。さらに(ケ)で設定した昇交点赤経
の採り方を、 Ωk=Ω1−(k−1)/n×360(1≦k≦n、kは
整数) とし、(キ)で設定した離心近点離角の取り方を、 23.93×(k−1)/n×3600=(Ek−e×sinE
k)×P/(2×π) としても同様の結果が得られる。この場合、当該人工衛
星群によるサービスを行う対象の特定地域の上空には衛
星番号nの人工衛星から衛星番号1までの人工衛星が順
に現れる。
【0113】(シ)上記の評価において、要求が満足さ
れた場合、基準時刻における各人工衛星の最終軌道要素
が得られる。
【0114】(2)上記のアルゴリズムによる軌道要素
の設定値と軌道配置の例 上記のアルゴリズムにより設定した軌道要素の設定値と
軌道配置の例を以下に示す。
【0115】ここで人工衛星の軌道は後述する通り、地
球重力場,月・太陽の引力等の影響で常時変動するもの
であり、ある程度の許容範囲をもって軌道制御されるの
が一般的である。したがって、各軌道要素の値は、軌道
制御後の目標ノミナル値を示すものとする。
【0116】なお、以下の表においてΩ1 及びθ1 は基
準時刻に応じて設定される、衛星番号1の人工衛星の昇
交点赤経及び真近点離角である。
【0117】表4及び表5は24時間周期の軌道を周回
する三機の人工衛星による衛星通信・放送ネットワーク
のための軌道要素と軌道配置例である。離心率と軌道傾
斜角については図26及び図27に示した範囲内の組合
わせであればよい。また、近地点引数は180度以下で
もよい。
【0118】本軌道配置例は日本全土をサービス対象と
したものである。
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】本軌道要素を用いた人工衛星は、何れも根
室から那覇にいたる日本の何れの都市からも同時に最長
8時間最短6時間程度に亘り、仰角70度以上の方向に
可視となる。最長の8時間は軌道傾斜角が約42.5
度、かつ、離心率が約0.21の時に得られる。従っ
て、本軌道要素を用いた人工衛星群により、一日24時
間に亘り根室から那覇にいたる日本の何れの都市からも
高い仰角少なくとも一機以上の人工衛星が可視となる軌
道配置を実現することができる。
【0122】本軌道配置例では、軌道面は図6に示すよ
うに三面有り、各軌道上に人工衛星60,人工衛星6
1、及び人工衛星62が一機ずつ配置されている。人工
衛星60,人工衛星61及び人工衛星62は、それぞれ
軌道63,軌道64、及び軌道65上を約24時間で一
周回する。人工衛星60,人工衛星61及び人工衛星6
2の軌道周期は約24時間であり、かつ、近地点引数が
180度以上360度以下の範囲にあり、かつ離心率は
0.24 未満の範囲により、かつ軌道傾斜角が37度以
上44度以下の範囲内に有るか、または、かつ離心率が
0.24 以上0.35 以下の範囲内に有り、かつ軌道傾
斜角が40度より大きく44度以下の範囲内としてい
る。三機の人工衛星の軌道の昇交点赤経は図6に示す通
り120度ずつ離れており、日本国上空の適切な位置に
それぞれの軌道の遠地点が現れるように設定されてい
る。それぞれの人工衛星のそれぞれの軌道に於ける位置
関係として、人工衛星60がその軌道63上で近地点に
ある時、人工衛星61はその軌道64上で軌道周期の三
分の一だけ遅れた真近点離角を採る位置にあり、人工衛
星62はその軌道65上で軌道周期の三分の一だけ進ん
だ真近点離角を採る位置にあるように配置している。こ
の軌道配置は、概要を図2で示したアルゴリズム及び近
地点引数の設定方法のアルゴリズムによって得られたも
のであり、図3,図4、及び図5で示された制御方法に
より実現される。制御方法については後述する。
【0123】この軌道配置により、北海道から沖縄にい
たる日本において、仰角70度以上の方向に人工衛星6
0,人工衛星61、及び人工衛星62の何れかが常時見
える配置となる。人工衛星60,人工衛星61及び人工
衛星62はそれぞれ約24時間の周期を持っているた
め、仰角70度以上の方向に見えるようになるのも、見
えなくなるのも周期的で規則的である。この場合、日本
において人工衛星60,人工衛星61及び人工衛星62
は仰角70度以上の方向に一日一回の周期で代わる代わ
る現れ、それぞれが仰角70度以上の方向に最長8時間
最短6時間滞在して見える。これが約24時間の周期で
毎日繰り返される。
【0124】従ってこの軌道配置を用いたシステムの例
を示した図8〜図34において人工衛星90で代表する
ところの人工衛星を衛星通信用または衛星放送用に用い
ることによって、遮蔽物や障害物による通信途絶の少な
い衛星通信システムまたは衛星放送システムを構築する
ことが可能になる。
【0125】表6及び表7は24時間周期の軌道を周回
する四機の人工衛星による衛星通信・放送ネットワーク
のための軌道要素と軌道配置例である。離心率と軌道傾
斜角については図35及び図36に示した範囲内の組合
わせであればよい。また、近地点引数は180度以下で
もよい。
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】本軌道要素を用いた人工衛星は何れも、根
室から那覇にいたる日本の何れの都市からも、同時に最
長8時間最短6時間程度に亘り、仰角70度以上の方向
に可視となる。最長の8時間は軌道傾斜角が42.5 度
且つ離心率が0.21 の時に得られる。従って本軌道要
素を用いた人工衛星群により、一日24時間に亘り根室
から那覇にいたる日本の何れの都市からも、高い仰角少
なくとも一機以上の人工衛星が可視となる軌道配置を実
現することが出来る。
【0129】本軌道配置例では、軌道面は図7に示すよ
うに四面有り、各軌道面に人工衛星70a,人工衛星7
0b,人工衛星70c及び人工衛星70dが一機ずつ配
置されている。人工衛星70aは軌道71a上を、人工
衛星70bは軌道71b上を、人工衛星70cは軌道7
1c上を、人工衛星70dは軌道71d上を、それぞれ
約24時間で一周回する。人工衛星70a,人工衛星7
0b,人工衛星70c及び人工衛星70dの軌道周期は
約24時間であり、かつ近地点引数が180度以上36
0度以下の範囲にあり、かつ離心率は0.24 未満の範
囲内にあり、かつ軌道傾斜角が37度以上44度以下の
範囲内に有るか、または、かつ離心率が0.24 以上
0.35 以下の範囲内に有り、かつ軌道傾斜角が40度
より大きく44度以下の範囲内としている。四機の人工
衛星の軌道の昇交点赤経は図7に示す通りそれぞれ90
度ずつ離れており、日本国上空の適切な位置にそれぞれ
の軌道の遠地点が現れるように設定されている。それぞ
れの人工衛星のそれぞれの軌道に於ける位置関係として
は、人工衛星70aがその軌道71a上で近地点にある
時、衛星70bはその軌道71b上で軌道周期の四分の
一だけ遅れた真近点離角を採る位置にあり、人工衛星7
0cはその軌道71c上で遠地点にあり、人工衛星70
dはその軌道71d上で軌道周期の四分の一だけ進んだ
真近点離角を採る位置にあるように配置している。
【0130】この軌道配置により、北海道から沖縄にい
たる日本において、仰角70度以上の方向に人工衛星7
0a,人工衛星70b,人工衛星70cまたは人工衛星
70dの何れかが常時見える配置となる。人工衛星70
a,人工衛星70b,人工衛星70c及び人工衛星70
dは24時間の周期を持っているため、仰角70度以上
の天頂方向に見えるようになるのも、見えなくなるのも
周期的で規則的である。この軌道配置は、概要を図2で
示したアルゴリズム及び近地点引数の設定方法のアルゴ
リズムによって得られたものであり、図3,図4および
図5で示された制御方法により実現される。
【0131】この場合では北海道,本州,四国及び九州
の四島並びに沖縄において人工衛星70a,人工衛星7
0b,人工衛星70c及び人工衛星70dは、仰角70
度以上の天頂方向に1日に一回ずつ代わる代わる現れ、
最大約8時間最短6時間ずつ滞在して見える。これによ
り一日24時間にわたり、何れかの人工衛星が仰角70
度以上の天頂方向に可視となっている。また複数の人工
衛星が同時に仰角70度以上の天頂方向に見える時間帯
も存在する。これが約24時間の周期で毎日繰り返され
る。
【0132】従って、この軌道配置を用いたシステムの
例を示した図8〜図34において人工衛星90で代表す
るところの人工衛星を衛星通信用または衛星放送用に用
いることによって、遮蔽物や障害物による通信途絶の少
ない衛星通信システムまたは衛星放送システムを構築す
ることが可能になる。
【0133】(3)設定した軌道要素と軌道配置を実現
し制御するための方策 このように設定された軌道要素を持つ人工衛星の軌道
は、以下のように制御されて実現される。
【0134】図3に示すように、人工衛星20の打ち上
げ時には先に設定した基準時刻の軌道六要素17の情報
を打上げ機追跡管制設備21に入力し、ここから打上げ
機に対して目標投入軌道要素22の情報が伝送される。
打上げ機23はこの情報をもとに自動的に、または打上
げ機追跡管制設備21からの制御によって目標の軌道に
投入される。
【0135】人工衛星20が軌道に投入されてからは定
期的に基準時刻の軌道六要素17の情報が人工衛星追跡
管制設備18に入力され、制御コマンド19の情報が人
工衛星20に伝送され、人工衛星20に搭載された制御
系により目標の軌道時刻の軌道六要素17に制御され
る。
【0136】この軌道制御の方法は一般的に行われてい
る方法に準拠したものであり、詳細は以下の通りであ
る。
【0137】前述のアルゴリズムによって得られた基準
時刻の軌道六要素17(軌道長半径11,近地点引数1
2,離心率13,軌道傾斜角14,昇交点赤経15及び
真近点離角16)は、図3に示した通り、投入目標軌道
要素として打上げ機追跡管制設備21に入力される。こ
の情報は打上げ機追跡管制設備21から打上げ機23へ
と伝送されて目標の軌道要素へ人工衛星20を投入す
る。打ち上げの段階で目標軌道から人工衛星20を搭載
した打上げ機23が外れそうになった場合、打上げ機2
3が自動的に軌道を修正しても良いし、打上げ機追跡管
制設備21から軌道修正のコマンドを打上げ機23に伝
送して誘導しても良い。
【0138】このようにして打上げ機23によって目標
投入軌道要素22に達した後でも、地球の重力場,太陽
及び月の重力,太陽風等の影響により軌道要素は摂動を
受け、時間経過に伴い短周期および長周期で常時軌道要
素が変化する。この場合、人工衛星20は軌道制御を必
要とする。
【0139】図4に示すように、一般に人工衛星20が
現在飛翔中の軌道の軌道六要素31は、人工衛星20が
発信するテレメトリ,レンジング信号27を人工衛星追
跡管制設備18の送受信システム24が受信し、レンジ
ング信号28を抽出した後、測距システム25に伝送
し、ここで計測された距離及び距離変化率29を最終的
な入力として計算機システム26内の軌道決定プログラ
ム30が計算し決定される。これにより得られた軌道六
要素31と、目標とする基準時刻の軌道六要素17とを
比較することにより、計算機システム26内の軌道制御
プログラム32が、必要な姿勢制御量及び軌道制御量3
3を計算する。これにより人工衛星に搭載されたガスジ
ェット装置のどのスラスタを何時、どの程度の長さの時
間だけ噴射すれば良いかが決定される。これを計算機シ
ステム26内のコマンド生成プログラム34によって制
御コマンド35に変換し、人工衛星追跡管制設備18の
送受信システム24を経由して人工衛星20へと伝送す
る。
【0140】人工衛星20に伝送された制御コマンドは
図5に示すように、人工衛星20搭載の通信系37が受
信した後、データ処理系38において伝送されたコマン
ドが解読される。解読されたコマンドから、姿勢制御量
及び軌道制御量41の情報が人工衛星搭載の姿勢軌道制
御系39において適宜処理され、必要に応じ姿勢制御ア
クチュエータ駆動42して姿勢を変更したり、さらに人
工衛星搭載推進系のガスジェット装置40をコマンド通
り噴射させたりすることにより、最終的に、人工衛星2
0は、上記の基準時刻の軌道六要素17で示される軌道
に投入,制御される。また、人工衛星20がGPS衛星
用の受信機を搭載している場合には、人工衛星20自身
がその時刻において望ましい基準時刻の軌道六要素17
を予め記憶しておき、これを利用して自律的に軌道制御
をする構成としてもよい。
【0141】このようにして、前述のアルゴリズムによ
って決定された軌道要素17は制御され、実現される。
【0142】さらに複数の人工衛星が軌道上に配置され
た場合には、各人工衛星の軌道が相互の軌道配置の望ま
しい調和関係を維持するように、各人工衛星に対して個
別に適切な軌道制御を行うことが必要である。
【0143】次に上述した本発明のアルゴリズムにより
得られた軌道上を周回する人工衛星群を適用したシステ
ムについて述べる。
【0144】(4)本発明による軌道上を周回する人工
衛星を適用したシステム (4−1)システム例1 システム例1は衛星放送システムである。
【0145】本発明の衛星放送システムの一実施例を図
8に示す。
【0146】図8に示すように、本発明の楕円軌道に適
するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系など
のサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人工
衛星群90を介して衛星放送を送信する基地局91と、
この人工衛星群90を介して衛星放送を受信する衛星放
送端末92から構成されている。
【0147】上記基地局91は、図9に示すように、ア
ンテナ91a,アンテナ追尾装置91b,大電力増幅器
91c,周波数変換器91d,変調器91e,誤り訂正
符号化装置91f,暗号化装置91g,多重化装置91
h,符号化装置91iから構成されている。
【0148】画像情報91kと音声信号91lは符号化
装置91Iで高能率に符号化され、他の画像情報や音声
情報、さらにデータ91jが多重化装置91hで多重化
される。さらに、暗号化装置91gで暗号化され、誤り
訂正符号化装置91fで誤り訂正符号が付加され、さら
に変調器91eで無線通信に適した変調がされ、周波数
変換器91dで搬送波に変換され、大電力増幅器91c
で増幅され、アンテナ追尾装置91bで人工衛星群90
を追尾するアンテナ91aで送信される。
【0149】また、上記衛星放送端末92は、図10に
示すように、アンテナ92a,低雑音増幅器92b,周
波数変換器92c,復調器92c,誤り訂正装置92
e,平文化装置92f,多重分離装置92g,復号化装
置92h,フレームメモリ92iから構成されている。
【0150】人工衛星群90から送信された電波は、ア
ンテナ92aで受け、低雑音増幅器92bで増幅し、周
波数変換器92cで中間周波数に変換され、復調器92
dでデジタル信号に復調される。さらに、誤り訂正装置
92eで誤りがあれば訂正され、平文化装置92fで暗
号化された情報が平文化され、多重分離装置92gで希
望する番組を選択する。さらに、復号化装置92hで画
像情報92kと音声情報92lに戻される。なお、復号
化装置92hにはフレームメモリ92iがありデータの
欠落を補完する事が出来る。
【0151】本発明によれば、衛星放送端末92は、受
信手段として指向性のあるアンテナを用いる場合でも、
単に天頂方向にそのアンテナを向けるだけでよく、人工
衛星群の存在する方向(東西南北方向)を利用者が探す必
要がまったくないという特徴がある。
【0152】さらに、静止衛星から放送する場合の移動
体向けの衛星放送端末のアンテナは方位方向は対称で4
5度方向に感度を持つ必要があるが、本発明による場合
のアンテナは天頂方向にのみ指向性を持たせれば十分な
ために製作が容易でかつアンテナの利得を2倍以上にす
ることが可能となるという特徴がある。この特徴を用い
て、衛星からの電波の出力を1/2してもよいし、ま
た、同じ出力であれば2倍の情報(番組)を伝達するこ
とができる。
【0153】さらに、人工衛星群90が常に高仰角に位
置することができるため、ビル街等で天頂方向しか空い
ていない場所等の移動体の周囲状況に依らずに、人工衛
星群90からの電波を直接受信できるので、ビル等から
の反射波のない、良質の受信環境を提供できるため、同
じ周波数帯域でも静止衛星から放送する場合より多くの
情報(番組)を伝達できるという特徴がある。尚、上述
した効果は、以下に説明するシステム例についても同様
なことが言える。
【0154】さらに、課金システムを追加し、限定され
た顧客に放送し、課金する例を図9,図10で説明す
る。
【0155】基地局91の課金システム91mは、図9
に示すとおりで、限定受信装置91n,顧客管理装置91
o,課金管理システム91p,限定受信モジュール発行
装置91qから構成されている。
【0156】衛星放送端末92は、図10に示す通り
で、限定受信モジュール92mがある。
【0157】顧客情報(視聴・聴取料金の入金状況,視
聴・聴取希望番組情報,住所,氏名等)は顧客管理装置
91oにて管理されており、その顧客情報に従って課金
管理システム91pは限定受信装置91nを経由して暗
号化装置91gを制御することにより、顧客ごとの暗号
を制御する。また、課金管理システム91pは顧客管理
装置91oにある顧客情報に従って限定受信モジュール
発行装置91qにて限定受信モジュール(例としてIC
カード)を発行する。また、ここには記載されていない
が、金融機関からの顧客の入金情報は課金管理システム
91pに入力され、顧客管理装置91oにて顧客情報が
更新される。
【0158】ユーザは衛星放送端末92の平分化装置9
2fに、料金支払いの対価として入手した上記の限定受
信モジュール92mを挿入することにより、希望した番
組を視聴・聴取することができる。
【0159】以上により、基地局91に放送する番組を
暗号化する手段と、衛星放送端末92にそれを平文化す
る手段を用い、限定した衛星放送端末にのみ放送し、か
つ課金することが可能となる。
【0160】衛星放送システムの他の実施例を図11に
示す。
【0161】図11に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星放送を送信する基地局91
と、地上放送局93、及びこの人工衛星群90を介して
衛星放送を受信する手段と地上放送を受信する手段を持
った衛星放送端末94から構成されている。
【0162】さらに、図12に示すように上記地上放送
局93は、アンテナ93a,大電力増幅器93b,周波
数変換器93c,変調器93d,誤り訂正符号化装置9
3e,暗号化装置93f,多重化装置93g,符号化装
置93hから構成されている。
【0163】画像情報93jと音声信号93kは符号化
装置93hで高能率に符号化され、他の画像情報や音声
情報、さらにデータ93iが多重化装置93gで多重化
される。さらに、暗号化装置93fで暗号化され、誤り
訂正符号化装置93eで誤り訂正符号が付加され、さら
に変調器93dで無線通信に適した変調がされ、周波数
変換器93cで搬送波に変換され、大電力増幅器93b
で増幅され、アンテナ93aで送信される。
【0164】また、上記衛星放送端末94は、図13に
示すように、地上放送を受信するアンテナ94a1およ
び低雑音増幅器94a2,人工衛星群90からの電波を
受信するアンテナ94b1および低雑音増幅器94b
2、地上波および衛星からの放送の周波数変換器94
c,復調器94d,誤り訂正装置94e,平文化装置94
f,多重分離装置94g,復号化装置94h,フレーム
メモリ94iから構成されている。
【0165】地上放送局93から送信された電波は、ア
ンテナ94a1で受け、低雑音増幅器94b1で増幅
し、また、人工衛星群90から送信された電波は、アン
テナ94a2で受け、低雑音増幅器94b2で増幅し、
それぞれ周波数変換器94cで中間周波数に変換され、
復調器94dでデジタル信号に復調される。さらに、誤
り訂正装置94eで誤りがあれば訂正され、平文化装置
94fで暗号化された情報が平文化され、多重分離装置
94gで希望する番組を選択する。さらに、復号化装置
94hで画像情報94kと音声情報94lに戻される。
なお、復号化装置94hにはフレームメモリ94iがあ
りデータの欠落を補完する事が出来る。衛星放送端末9
4は、衛星放送ばかりでなく地上放送も受信できるため
ユーザが希望する放送を自在に選択できるという特徴が
ある。さらに、本衛星放送端末94があれば衛星放送端
末と地上放送端末をそれぞれ持つ必要がないという特徴
がある。更に、アンテナ94a1と94a2を兼用する
こともできる。
【0166】さらに、課金システムを追加し、限定され
た顧客に放送し、課金する例を図12,図13で説明す
る。
【0167】基地局93の課金システム93mは、図1
2に示すとおりで、限定受信装置93n,顧客管理装置
93o,課金管理システム93p,限定受信モジュール
発行装置93qから構成されている。
【0168】衛星放焼端末94は、図13に示す通り
で、限定受信モジュール94mがある。
【0169】顧客情報(視聴・聴取料金の入金状況,視
聴・聴取希望番組情報,住所,氏名等)は顧客管理装置
93oにて管理されており、その顧客情報に従って課金
管理システム93pは限定受信装置93nを経由して暗
号化装置93fを制御することにより、顧客ごとの暗号
を制御する。また、課金管理システム93pは顧客管理
装置93oにある顧客情報に従って限定受信モジュール
発行装置93qにて限定受信モジュール(例としてIC
カード)を発行する。また、ここには記載されていない
が、金融機関からの顧客の入金情報は課金管理システム
93pに入力され、顧客管理装置93oにて顧客情報が
更新される。
【0170】ユーザは衛星放送端末94の平分化装置9
4fに、料金支払いの対価として入手した上記の限定受
信モジュール94mを挿入することにより、希望した番
組を視聴・聴取することができる。
【0171】以上により、基地局93に放送する番組を
暗号化する手段と、衛星放送端末94にそれを平文化す
る手段を用い、限定した衛星放送端末にのみ放送し、か
つ課金することが可能となる。
【0172】衛星放送システムの他の実施例を図14に
示す。
【0173】図14に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、公衆回
線や携帯電話等の地上通信手段95と、この人工衛星群
90を介して衛星放送を送信する手段と前記地上通信手
段を持った基地局96、及びこの人工衛星群90を介し
て衛星放送を受信する手段と上記地上通信手段を持った
衛星放送端末97から構成されている。
【0174】上記基地局96は、図15に示すように、
アンテナ96a,アンテナ追尾装置96b,大電力増幅
器96c,周波数変換器96d,変調器96e,誤り訂
正符号化装置96f,暗号化装置96g,多重化装置9
6h,符号化装置96i,データ選択装置96n,デー
タ記憶装置96o,地上通信網95から構成されてい
る。
【0175】地上通信網95を経由したリクエスト情報
96mはデータ選択装置96nに入力され、必要な情報
であるところの画像情報96k,音声信号96l,デー
タ96jは必要に応じてデータ記憶装置96oから引用
される。さらに、画像情報96kと音声信号96lは符
号化装置96iで高能率に符号化され、他の画像情報や
音声情報、さらにデータ96jが多重化装置96hで多
重化される。さらに、暗号化装置96gで暗号化され、
誤り訂正符号化装置96fで誤り訂正符号が付加され、
さらに変調器96eで無線通信に適した変調がされ、周
波数変換器96dで搬送波に変換され、大電力増幅器9
6cで増幅され、アンテナ追尾装置96bで人工衛星群
90を追尾するアンテナ96aで送信される。
【0176】また、上記衛星放送端末97は、図16に
示すように、アンテナ97a,低雑音増幅器97b,周
波数変換器97c,復調器97d,誤り訂正装置97
e,平文化装置97f,多重分離装置97g,復号化装
置97h,フレームメモリ97i,リクエスト送出装置
97n,地上通信網95から構成されている。
【0177】リクエスト97mは、PHSや携帯電話等
のリクエスト送出装置97nで地上通信網95を経由し
て、図15の基地局96に送られる。基地局96はリク
エストされた情報を人工衛星群90へ送信し、人工衛星
群90から送信された電波は、アンテナ97aで受け、
低雑音増幅器97bで増幅し、周波数変換器97cで中
間周波数に変換され、復調器97dでデジタル信号に復
調される。さらに、誤り訂正装置97eで誤りがあれば
訂正され、平文化装置97fで暗号化された情報が平文
化され、多重分離装置97gで希望する番組を選択す
る。さらに、復号化装置97hで画像情報97kと音声
情報97lに戻される。なお、復号化装置97hにはフ
レームメモリ97iがありデータの欠落を補完する事が
出来る。
【0178】このことにより、衛星放送端末97は、要
求を基地局91に伝え希望する情報の放送を依頼するこ
とが出来るという特徴がある。
【0179】本発明における衛星放送端末92,94,
97は、自動車,列車,船舶,航空機などの移動体に搭
載しても良い、さらに、歩行者や登山者など人が携帯し
ても良い。さらに、家庭等移動しないところで受信して
も良い。
【0180】また、本発明で放送される番組の内容は特
に限定されない。
【0181】放送する番組としてはTV放送や音声放送
ばかりでなく、デジタル情報が挙げられる。
【0182】例えば、気象情報,つり情報(水位,水温
等),ITS情報(交通量情報,通行速度情報,渋滞場
所情報,渋滞時間情報,災害情報,交通規制情報,交通
事故発生情報,道路環境情報,道路交通情報,走行環境
情報,最適経路情報,渋滞時の所要時間情報,駐車場の
満空情報,駐車場予約情報,目的地情報(気象,旅行,
観光,グルメ,レクリエーション情報等),各種予約情
報(公共交通,ホテル,アミューズメント設備等)),
地図情報(地図情報,更新情報等),カーナビ情報(カ
ーミビ情報,更新情報等),ソフトウェア(カーナビ
用,ゲーム用,OS等),音声データ(MP3等で圧縮
されたデータを含む),娯楽情報が挙げられる。
【0183】さらに、例えばインターネット等のマルチ
メディア情報やディファレンシャルGSP情報が挙げら
れる。
【0184】さらに、地域に限定した情報、例えば移動
体が移動中の地域に属するデパート,スーパーマーケッ
トのタイムサービス情報,美術館・博物館の展示情報,
映画館,劇場・演舞場の上演内容の情報,犯罪者・徘徊
者の情報等がある。
【0185】さらに、課金システムを追加し、限定され
た顧客に放送し、課金する例を図15,図16で説明す
る。
【0186】基地局96の課金システム96pは、図1
5に示すとおりで、限定受信装置96q,顧客管理装置
96r,課金管理システム96s,限定受信モジュール
発行装置96tから構成されている。
【0187】衛星放送端末97は、図16に示す通り
で、限定受信モジュール97oがある。
【0188】顧客情報(視聴・聴取料金の入金状況,視
聴・聴取希望番組情報,住所,氏名等)は顧客管理装置
96rにて管理されており、その顧客情報に従って課金
管理システム96sは限定受信装置96qを経由して暗
号化装置96gを制御することにより、顧客ごとの暗号
を制御する。また、課金管理システム96sは顧客管理
装置96rにある顧客情報に従って限定受信モジュール
発行装置96tにて限定受信モジュール(例としてIC
カード)を発行する。また、ここには記載されていない
が、金融機関からの顧客の入金情報は課金管理システム
96sに入力され、顧客管理装置96rにて顧客情報が
更新される。
【0189】ユーザは衛星放送端末97の平分化装置9
7fに、料金支払いの対価として入手した上記の限定受
信モジュール97oを挿入することにより、希望した番
組を視聴・聴取することができる。
【0190】以上により、基地局96に放送する番組を
暗号化する手段と、衛星放送端末97にそれを平文化す
る手段を用い、限定した衛星放送端末にのみ放送し、か
つ課金することが可能となる。
【0191】(4−2)システム例2 システム例は衛星通信システムである。
【0192】本発明の衛星通信システムの一実施例を図
17に示す。
【0193】図17に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と衛星通信用送受信装置99から構成される。
【0194】上記基地局98は、図18に示すように、
アンテナ98a,アンテナ追尾装置98b,大電力増幅
器98c,周波数変換器98d,変調器98e,符号化
装置98f,低雑音増幅器98h,周波数変換器98
i,復調器98j,復号化装置98kから構成されてい
る。
【0195】送信データ98gは、符号化装置98fで
符号化,暗号化され誤り訂正符号等が付加され、さらに
変調器98eで無線通信に適した変調がされ、周波数変
換器98dで搬送波に変換され、大電力増幅器98cで
増幅され、アンテナ追尾装置98bで人工衛星群90を
追尾するアンテナ98aで送信される。また、人工衛星
群90から送信された電波は、アンテナ98aで受け、
低雑音増幅器98hで増幅し、周波数変換器98hで中
間周波数に変換され、復調器98jでデジタル信号に復
調される。さらに、復号化装置98kで誤り訂正,平文
化や復号化され受信データ98lを得ることができる。
【0196】また、上記衛星通信用送受信装置99は、
図19に示すように、アンテナ99a,大電力増幅器99
b,周波数変換器99c,変調器99d,符号化装置9
9e,低雑音増幅器99g,周波数変換器99h,復調
器99i,復号化装置99jから構成されている。
【0197】送信データ99fは、符号化装置99eで
符号化,暗号化され誤り訂正符号等が付加され、さらに
変調器99dで無線通信に適した変調がされ、周波数変
換器99cで搬送波に変換され、大電力増幅器99bで
増幅され、アンテナ99aで送信される。また、人工衛
星群90から送信された電波は、アンテナ99aで受
け、低雑音増幅器99gで増幅し、周波数変換器99h
で中間周波数に変換され、復調器99iでデジタル信号
に復調される。さらに、復号化装置99jで誤り訂正,
平文化や復号化され受信データ99kを得ることができ
る。
【0198】本実施例によれば天頂付近に少なくとも一
機は人工衛星が見えるため、人工建造物,樹木,山岳な
ど視野を遮る遮蔽物が有る地域でも、この衛星通信シス
テムを用いることにより容易に長時間にわたり通信回線
を確保することが出来る。
【0199】例えば、基地局98を公衆回線のゲートウ
ェイ通信局に設置し、衛星通信用送受信装置99を人が
携帯することにより、携帯電話として利用することが出
来るようになる。
【0200】例えば、基地局98を病院に設置し、衛星
通信用送受信装置99を救急車に設置することにより、
救急車から患者に関する画像データを病院に送信し、病
院にいる専門医から適切な処置法を伝えることが出来る
ため、救急搬送中に患者に対して適切な処置を行うこと
が出来る。これにより、これまで救急搬送中に適切な処
置が出来れば救えていたケースについて、人命を救うこ
とが出来るようになる。
【0201】例えば、基地局98を放送局に設置し、衛
星通信用送受信装置99を放送車に設置することによ
り、マラソン中継等の移動中のスポーツ中継のテレビ番
組等にも適用することができ、良質な画像をリアルタイ
ムで伝送出来るためダイナミックな番組提供が出来るよ
うになる。
【0202】例えば、基地局98を消防庁に設置し、衛
星通信用送受信装置99を消防車に設置することによ
り、消火中の現場の状況を、ビルの谷間や路地でも良質
な画像をリアルタイムで伝送出来るため的確な状況判断
が出来るようになる。
【0203】例えば、基地局98を警察署に設置し、衛
星通信用送受信装置99をパトカーに設置することによ
り、犯人や現場の状況を、ビルの谷間や路地でも良質な
画像をリアルタイムで伝送出来るため効果的な警備が出
来るようになる。
【0204】例えば、基地局98を専門医のいる病院に
設置し、衛星通信用送受信装置99を移動体に設置し遠
隔地の専門医の助言や診断を必要とする診療所に移動し
て患者の情報を通信することにより、山岳地でもリアル
タイムで伝送出来るため、医療サービスの地域格差を解
消することが出来るようになる。
【0205】例えば、基地局98を予約センターに設置
し、衛星通信用送受信装置99を列車に設置することに
より、列車に乗車している乗客が乗り継ぐ列車を予約す
ることが出来るため、顧客サービスを向上することが出
来るようになる。
【0206】例えば、基地局98を在庫管理センターに
設置し、衛星通信用送受信装置99を自動販売機に設置
することにより、在庫を定期的にあるいは任意に調査す
ることが出来るため、顧客サービスを向上することが出
来るようになる。
【0207】さらに、列車制御情報通信,列車保守通
信,列車標識制御通信,自動車運用状況通信,船舶情報
運用状況通信,データ収集システム(いかだ,ブイ
等),パソコン通信(電子メイル,インターネット,オ
ンラインショッピング等),駐車場の空き情報提供・予
約システム等への適用が可能である。
【0208】衛星通信システムの他の実施例を図20に
示す。
【0209】図20に示すように、本発明による人工衛
星群90と、この人工衛星群90を介して衛星通信を行
うための基地局98と、全地球測位システムを構成する
人工衛星群100と、全地球システムを構成する人工衛
星群からの測位信号により己の位置を測定できる機能を
有すると共に人工衛星群90を介して通信を行うことが
出来る衛星通信用送受信装置101から構成される。
【0210】上記衛星通信用送受信装置101は、図2
1に示すように、アンテナ101a,大電力増幅器10
1b,周波数変換器101c,変調器101d,符号化
装置101e,多重化装置101f,低雑音増幅器10
1h,周波数変換器101i,復調器101j,復号化
装置101k,GPS受信機101mから構成されてい
る。
【0211】送信データ101gは、多重化装置101
fでGPS受信機101mから出力される測位情報10
1nと多重化され、符号化装置101eで符号化,暗号
化され誤り訂正符号等が付加され、さらに変調器101
dで無線通信に適した変調がされ、周波数変換器101
cで搬送波に変換され、大電力増幅器101bで増幅さ
れ、アンテナ101aで送信される。また、人工衛星群
90から送信された電波は、アンテナ101aで受け、
低雑音増幅器101hで増幅し、周波数変換器101i
で中間周波数に変換され、復調器101jでデジタル信
号に復調される。さらに、復号化装置101kで誤り訂
正,平文化や復号化され受信データ101lを得ること
ができる。
【0212】このシステムでは、送受信装置の位置情報
を基地局に通信することが出来る。さらに、測位情報を
送信するタイミングとしては、デマンド方式(ユーザが
希望する時に送信する)やポーリング方式(センタ局の
送信要求を受信し、送受信装置が自動的に送信する)が
ある。
【0213】例えば、基地局98を警察,消防等の山岳
救難センターに設置し、衛星通信用送受信装置101を
登山者が携帯することにより、万一遭難の際は、遭難者
の位置をセンターに通報することが出来るため、迅速で
正確な救助活動を可能とすることが出来る。さらに、本
発明では双方向の通信が可能のため、遭難者へのはげま
しや誤報確認ができるという特徴がある。さらに、衛星
通信用送受信機の軽量化,低消費電力化のために送信機
能のみとしてもよい。
【0214】例えば、基地局98を警察,消防等の海難
救難センターに設置し、衛星通信用送受信装置101を
船舶に設置することにより、誤報チェック,万一遭難の
際は、遭難船の位置をセンター,海上保安庁に通報する
ことが出来るため、迅速で正確な救助活動を可能とする
ことが出来る。さらに、本発明では双方向の通信が可能
のため、遭難者へのはげましや誤報確認ができるという
特徴がある。さらに、衛星通信用送受信機の軽量化,低
消費電力化のために送信機能のみとしてもよい。
【0215】例えば、基地局98を警察に設置し、衛星
通信用送受信装置101を対象者が携帯することによ
り、徘徊や迷子になった際は、対象者の位置を直ちに警
察で把握することが出来るため、迅速で正確な救助活動
を可能とすることが出来る。さらに、本発明では双方向
の通信が可能のため、対象者へのはげましや誤報確認が
できるという特徴がある。さらに、衛星通信用送受信機
の軽量化,低消費電力化のために送信機能のみとしても
よい。
【0216】例えば、基地局98を警察に設置し、衛星
通信用送受信装置101を自動車に設置することによ
り、その自動車が盗難された際は、盗難車の位置を直ち
に警察で把握することが出来るため、迅速で正確な捜査
活動を可能とすることが出来る。
【0217】例えば、基地局98を物流管理センターに
設置し、衛星通信用送受信装置101を移動体(トラッ
ク,列車,タクシー,バス,コンテナ)に設置すること
により、移動体の位置を直ちにセンターで把握すること
が出来るため、迅速で正確な物流管理,車両配車管理を
可能とすることが出来る。
【0218】さらに、最適経路誘導システム,リクエス
ト型ナビゲーションシステム,動物の行動モニタ(野生
動物(行動モニタ),家畜(迷子防止,運動量把握),
動物園で飼育中の動物(危険防止)等)への適用も可能
である。
【0219】衛星通信システムの他の実施例を図22に
示す。
【0220】図22に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、電気,ガス,水道のうち少なくとも1つについて、
その使用量を個別に測定する機能を有すると共に人工衛
星群90を介して通信を行うことが出来る衛星通信用送
受信装置102から構成される。
【0221】上記衛星通信用送受信装置102は、電力
使用量の場合は、図23に示すように、アンテナ102
a,大電力増幅器102b,周波数変換器102c,変
調器102d,符号化装置102e,多重化装置102
f,低雑音増幅器102h,周波数変換器102i,復
調器102j,復号化装置102k,電力量計102mか
ら構成されている。
【0222】送信データ102gは、多重化装置102
fで電力量計102mから出力される使用量情報102
nと多重化され、符号化装置102eで符号化,暗号化
され誤り訂正符号等が付加され、さらに変調器102d
で無線通信に適した変調がされ、周波数変換器102c
で搬送波に変換され、大電力増幅器102bで増幅さ
れ、アンテナ102aで送信される。また、人工衛星群
90から送信された電波は、アンテナ102aで受け、
低雑音増幅器102hで増幅し、周波数変換器102i
で中間周波数に変換され、復調器102jでデジタル信
号に復調される。さらに、復号化装置102kで誤り訂
正,平文化や復号化され受信データ102lを得ることがで
きる。
【0223】このシステムでは、衛星通信用送受信装置
102が計測した電力使用量を基地局98で集計するこ
とが可能となる。さらに、本発明による軌道の衛星を利
用することで、高層建築物に囲まれた家屋や、山間部で
通信手段のない場所においても衛星通信用送受信装置1
02を設置するだけで容易に衛星通信の回線を確保出来
るため、従来戸別訪問により使用量を集計している電気
・ガス・水道などの公共料金についても衛星を介して集
計出来るようになり、使用量集計に必要な人件費を大幅
に削減出来る。この人件費の削減効果により、さらに公
共料金の引き下げが期待出来る。
【0224】衛星通信システムの他の実施例を図24に
示す。
【0225】図24に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、情報ネットワークの情報を収集・中継する機能を有
すると共に人工衛星群90を介して通信を行うことが出
来る衛星通信用送受信装置103から構成される。
【0226】上記衛星通信用送受信装置103は、図2
5に示すように、アンテナ103a,大電力増幅器10
3b,周波数変換器103c,変調器103d,符号化
装置103e,多重化装置103f,低雑音増幅器10
3h,周波数変換器103i,復調器103j,復号化
装置103k,多重分離装置103l,ネットワーク1
03nから構成されている。
【0227】送信データ103gは、多重化装置103
fでネットワーク103mから出力されるネットワーク
情報103o1と多重化され、符号化装置103eで符
号化,暗号化され誤り訂正符号等が付加され、さらに変
調器103dで無線通信に適した変調がされ、周波数変
換器103cで搬送波に変換され、大電力増幅器103bで
増幅され、アンテナ103aで送信される。また、人工
衛星群90から送信された電波は、アンテナ103aで
受け、低雑音増幅器103hで増幅し、周波数変換器1
03iで中間周波数に変換され、復調器103jでデジ
タル信号に復調される。さらに、復号化装置103kで
誤り訂正,平文化や復号化され、多重分離装置103l
にて受信データ103mとネットワーク103nに入力
されるネットワーク情報10302を得ることができ
る。
【0228】このシステムでは、例えばオフィス内や家
庭内ネットワークの情報(セキュリティ,ユーティリテ
ィの状況・利用量及び制御等)を衛星通信用送受信装置
103を経由して基地局98と通信することが可能とな
る。さらに、本発明による軌道の衛星を利用すること
で、高層建築物に囲まれた家屋などに設置したアンテナ
設備でも容易に衛星通信の回線を確保出来る。さらに、
セキュリティ情報の場合、電話線を切られてもそれとは
独立に衛星を経由して通信(通報)できるという特徴が
ある。
【0229】衛星通信システムの他の実施例を図26に
示す。
【0230】図26に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、環境をモニタする機能を有すると共に人工衛星群9
0を介して通信を行うことが出来る衛星通信用送受信装
置104から構成される。
【0231】上記衛星通信用送受信装置104は、図2
7に示すように、アンテナ104a,大電力増幅器10
4b,周波数変換器104c,変調器104d,符号化
装置104e,多重化装置104f,低雑音増幅器10
4h,周波数変換器104i,復調器104j,復号化
装置104k,検出器104mから構成されている。送
信データ104gは、多重化装置104fで検出器10
4mから出力される測定情報104nと多重化され、符
号化装置104eで符号化,暗号化され誤り訂正符号等
が付加され、さらに変調器104dで無線通信に適した
変調がされ、周波数変換器104cで搬送波に変換さ
れ、大電力増幅器104bで増幅され、アンテナ104
aで送信される。また、人工衛星群90から送信された
電波は、アンテナ104aで受け、低雑音増幅器104
hで増幅し、周波数変換器104iで中間周波数に変換さ
れ、復調器104jでデジタル信号に復調される。さら
に、復号化装置104kで誤り訂正,平文化や復号化さ
れ受信データ104lを得ることができる。
【0232】例えば、本発明による軌道の衛星を利用す
ることで、高層建築物に囲まれた場所や、山間部で通信
手段のない場所等においても容易に通信することが可能
なため、基地局98を環境センターに設置し、環境モニ
タ機能を有する衛星通信用送受信装置104を各地に配
置することにより、広範囲の環境データ(気象情報,水
位(河川,湖等),地震,火山,一酸化炭素,酸化窒
素,二酸化いおう,ダイオキシン等)を容易に収集する
ことが可能なため迅速適切な対応が可能で、当該地域住
民の環境を保護することが出来るようになる。さらに、
衛星通信用送受信装置104の設置場所の制限が少ない
ため、環境データ収集に必要な経費を大幅に削減でき
る。さらに、環境データを送信するタイミングとして
は、緊急通信方式(環境データが事前に設定したしきい
値を越えたときに送信する)やポーリング方式(センタ
局の送信要求を受信し、送受信装置が自動的に送信す
る)がある。
【0233】衛星通信システムの他の実施例を図28に
示す。
【0234】図28に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、異常を検出,モニタする機能を有すると共に人工衛
星群90を介して通信を行うことが出来る衛星通信用送
受信装置105から構成される。
【0235】上記衛星通信用送受信装置105は、図2
9に示すように、アンテナ105a,大電力増幅器10
5b,周波数変換器105c,変調器105d,符号化
装置105e,多重化装置105f,低雑音増幅器10
5h,周波数変換器105i,復調器105j,復号化
装置105k,検出器105mから構成されている。送
信データ105gは、多重化装置105fで検出器10
5mから出力される異常検出情報105nと多重化さ
れ、符号化装置105eで符号化,暗号化され誤り訂正
符号等が付加され、さらに変調器105dで無線通信に
適した変調がされ、周波数変換器105cで搬送波に変
換され、大電力増幅器105bで増幅され、アンテナ1
05aで送信される。また、人工衛星群90から送信さ
れた電波は、アンテナ105aで受け、低雑音増幅器1
05hで増幅し、周波数変換器105iで中間周波数に
変換され、復調器105jでデジタル信号に復調され
る。さらに、復号化装置105kで誤り訂正,平文化や
復号化され受信データ105lを得ることができる。
【0236】このシステムでは、異常発生時に自動的に
緊急信号を発生することが出来る。例えば、基地局98
を消防署に設置し、過大な衝撃またはエアバックの作動
等の自動車の異常をモニタする機能を有する衛星通信用
送受信装置105を自動車に設置することにより、交通
事故の際に自動的に消防署や保険会社に連絡することが
可能で、搭乗者の迅速な救助活動が出来るようになる。
【0237】例えば、基地局98を海上保安庁に設置
し、浸水または過大な衝撃等の異常をモニタする機能を
有する衛星通信用送受信装置105を船舶に設置するこ
とにより、海難事故の際に自動的に海上保安庁に連絡す
ることが可能で、乗員・乗客の安全を保護することが出
来るようになる。
【0238】衛星通信システムの他の実施例を図30に
示す。
【0239】図30に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、VICS等の道路情報通知システム106からの道
路情報107を受信する機能を有すると共に人工衛星群
90を介して通信を行うことが出来る衛星通信用送受信
装置108、さらに基地局98経由の衛星通信用送受信
機108からのリクエストを道路情報通知システム10
6へ伝える地上通信網95から構成される。
【0240】上記基地局98は、図31に示すとおり
で、衛星通信用送受信機108から得られた受信データ
98lをユーザからのリクエストとして地上通信網95
を経由して道路情報通知システム106に送る。さら
に、道路情報通知システム106からの情報を送信デー
タ99gとしてユーザに送信する。
【0241】上記道路情報通知システム106は、図3
1に示すように、アンテナ106a,大電力増幅器10
6b,周波数変換器106c,変調器106d,誤り訂
正符号化装置106e,暗号化装置106f,多重化装
置106g,データ選択装置106i,データ記憶装置
106j,地上通信網95から構成されている。
【0242】地上通信網95を経由したリクエスト情報
106kはデータ選択装置106iに入力され、道路情
報データ106hは必要に応じてデータ記憶装置106
jから引用される。さらに、道路情報データ106hが
多重化装置106gで多重化され、暗号化装置106f
で暗号化され、誤り訂正符号化装置106eで誤り訂正
符号が付加され、さらに変調器106dで無線通信に適
した変調がされ、周波数変換器106cで搬送波に変換
され、大電力増幅器106bで増幅され、アンテナ10
6aで送信される。
【0243】上記衛星通信用送受信装置108は、図3
2に示すように、アンテナ108a,大電力増幅器10
8b,周波数変換器108c,変調器108d,符号化
装置108e,低雑音増幅器108g,周波数変換器1
08h,復調器108i,復号化装置108j,道路情
報用アンテナ108n,道路情報受信機108m,カー
ナビ108lから構成されている。
【0244】ユーザのリクエスト108fは、符号化装
置108eで符号化,暗号化され誤り訂正符号等が付加
され、さらに変調器108dで無線通信に適した変調が
され、周波数変換器108cで搬送波に変換され、大電
力増幅器108bで増幅され、アンテナ108aで送信
される。また、人工衛星群90から送信された電波は、
アンテナ108aで受け、低雑音増幅器108gで増幅
し、周波数変換器108hで中間周波数に変換され、復調器
108iでデジタル信号に復調される。さらに、復号化
装置108jで誤り訂正,平文化や復号化され受信デー
タとして道路情報108kを得ることができ、カーナビ
108lに入力される。さらに、道路情報107は道路
情報用アンテナ108nで受け、道路情報受信機108
mで受信,復調され、カーナビ108lに入力される。
【0245】このシステムでは、VICS等の道路情報
107を受信するばかりでなく、運転者は衛星通信用送
受信装置108から基地局98と人工衛星群90を経由
して、希望する道路情報を要求することが可能となり、
道路情報通知システム106経由でも人工衛星群90経
由でも入手することが可能となり、きめ細かいタイムリ
ーな道路情報を入手することが可能となる。
【0246】道路情報107として、以下の情報が含ま
れる。
【0247】ITS情報(交通量情報,通行速度情報,
渋滞場所情報,渋滞時間情報,災害情報,交通規制情
報,交通事故発生情報,道路環境情報,道路交通情報,
最適経路情報,渋滞時の所要時間情報,駐車場の満空情
報,駐車場予約情報,目的地情報(気象,旅行,観光,
グルメ,レクリエーション情報等),各種予約情報(公
共交通,ホテル,アミューズメント設備等)),地図情
報(地図情報,更新情報等),カーナビ情報(カーナビ
情報,更新情報等),ソフトウェア(カーナビ用,ゲー
ム用,OS等)等。
【0248】(4−3)システム例3 システム例3は衛星間通信システムである。
【0249】本発明の衛星間通信システムの一実施例を
図33に示す。
【0250】図33に示すように、本発明の楕円軌道に
適するような姿勢制御系,電源系,通信系,熱制御系な
どのサブシステムを具備する人工衛星群90と、この人
工衛星群90を介して衛星通信を行うための基地局98
と、その人工衛星群90を介して通信を行うことが出来
る衛星通信用送受信装置110と人工衛星109から構
成される。
【0251】このシステムでは、衛星通信用送受信装置
110や基地局98から人工衛星109を直接通信する
ことはできないが人工衛星群90が人工衛星群109を
通信できる範囲で、人工衛星群109の情報を人工衛星
群90を経由して取得することができるため、広範囲な
人工衛星群109からの情報を取得することが出来るこ
ととなる。
【0252】一例として、人工衛星109に地球観測装
置が搭載されていれば、その観測データを基地局98や
衛星通信用送受信装置110で受信することが可能であ
り、また、基地局98や衛星用送受信装置110から
の、希望する観測データを要求することが出来ることが
可能となり、広範囲で希望する観測データを入手するこ
とが可能となる。
【0253】(4−4)システム例4 システム例4は地球観測システムである。
【0254】本発明の地球観測システムの一実施例を図
34に示す。
【0255】図34に示すように、地球観測センサを搭
載した本発明の楕円軌道に適するような姿勢制御系,電
源系,通信系,熱制御系などのサブシステムを具備する
人工衛星群111と、この人工衛星群111から送信さ
れる観測結果を受信する基地局98から構成される。
【0256】このシステムでは、人工衛星群111が地
表に対して高仰角であるため、遮蔽物に影響されない地
球観測情報を基地局98で収集することが可能となる。
【0257】
【発明の効果】(1)近地点引数の設定方法に関する効
果 本発明によれば、任意の軌道傾斜角を軌道要素とする楕
円軌道について、地球重力場などの影響による近地点引
数の変動を予め考慮に入れた軌道要素の設定を行うこと
が出来る。
【0258】(2)複数の人工衛星の軌道配置方法に関
する効果 本発明によれば、任意の数の複数の人工衛星を用いて、
人工衛星が周回する天体の特定の地域に対して通信サー
ビス,放送サービスを集中的且つ連続的に提供しようと
する場合、あるいは人工衛星が周回する天体の特定の地
域や当該地域の気象を集中的且つ連続的に観測する場合
において、人工衛星の軌道要素である軌道長半径,離心
率,軌道傾斜角,近地点引数,昇交点赤経及び真近点離
角の設定を簡単に行うことが出来る。
【0259】また本発明によれば、任意の数の複数の人
工衛星を用いて、人工衛星が周回する天体の特定の地域
に対して通信サービス,放送サービスを集中的且つ連続
的に提供することが出来る。
【0260】さらに、本発明によれば、任意の数の複数
の人工衛星を用いて、当該人工衛星が周回する天体の特
定の地域や当該地域の気象を集中的且つ連続的に観測す
ることが出来る。
【0261】(3)上述の(1)及び(2)を用いて求
められた軌道要素をその軌道要素とする、複数の人工衛
星の配置に関して 本発明によれば、電波伝搬距離が短い故に衛星通信用送
受信装置に対する技術要求を緩和するとともに通信遅延
時間が短い通信放送システムを構築することが出来る。
【0262】また本発明によれば、軌道形状が円形に近
いことから、複数の人工衛星のサービス切替時に発生が
予想される通信・放送の途絶時間を、少なくとも短縮す
ることが出来る。
【0263】さらに本発明によれば、三機または四機の
人工衛星群により、その何れかの人工衛星が根室から那
覇に至る日本本土において同時に、仰角70度以上の天
空に可視となる人工衛星の配置を行っているため、移動
体に対する通信・放送サービスを当該人工衛星により容
易に行うことが出来る。
【0264】(4)上記(1)から(3)に共通した効
果 本発明によれば、上記で設定した軌道要素に基づいて人
工衛星の軌道制御を実現する軌道制御システムを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】24時間周期の人工衛星の軌道が、軌道制御を
行わずにいた場合の長期間に亘る変動の様子を、その軌
道の地上軌跡によって世界地図(緯度方向,経度方向に
ついて角度を等間隔で示したもの)上に示した図であ
る。
【図2】本発明による軌道六要素の設定方法を示すフロ
ーチャートである。
【図3】人工衛星の軌道を、本発明のアルゴリズムによ
って設定した軌道六要素に制御するための情報の流れを
示す説明図である。
【図4】人工衛星の軌道制御のために人工衛星追跡管制
設備にて実施される作業と情報の流れを示す説明図であ
る。
【図5】人工衛星の軌道制御のために人工衛星内部で行
われる処理と情報の流れを示す説明図である。
【図6】本発明のアルゴリズムによって得られた、三機
の人工衛星を用いた軌道配置例に関して、地球を中心と
して軌道を俯瞰した説明図である。
【図7】本発明のアルゴリズムによって得られた軌道配
置例2に関して、地球を中心として軌道を俯瞰した説明
図である。
【図8】衛星放送システムとしての適用例を示す説明図
である。
【図9】衛星放送システムの基地局としての適用例を示
す説明図である。
【図10】衛星放送システムの衛星放送端末としての適
用例を示す説明図である。
【図11】地上放送も受信できる衛星放送システムとし
ての適用例を示す説明図である。
【図12】衛星放送システムの地上放送局としての適用
例を示す説明図である。
【図13】衛星放送システムの衛星放送端末としての他
の適用例を示す説明図である。
【図14】衛星放送システムとしての他の適用例を示す
説明図である。
【図15】衛星放送システムの基地局としての他の適用
例を示す説明図である。
【図16】衛星放送システムの衛星放送端末としての他
の適用例を示す説明図である。
【図17】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図18】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図19】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図20】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図21】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図22】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図23】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図24】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図25】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図26】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図27】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図28】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図29】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図30】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図31】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図32】衛星通信システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図33】衛星間通信システムとしての適用例を示す説
明図である。
【図34】地球観測システムとしての適用例を示す説明
図である。
【図35】24時間周期の軌道を周回する人工衛星が、
根室,札幌,仙台,新潟,東京,名古屋,金沢,大阪,
広島,高知,福岡,鹿児島及び那覇から同時に仰角70
度以上に可視となる時間長について、軌道傾斜角と離心
率の組み合わせ毎にその最大同時可視時間長を示した特
性図である。
【図36】図35における最大同時可視時間が6時間4
5分以上になる部分について詳細に示した特性図であ
る。
【図37】24時間周期の軌道の軌道要素である軌道傾
斜角が42.5 度,離心率が0.21で、根室,札幌,仙
台,新潟,東京,名古屋,金沢,大阪,広島,高知,福
岡,鹿児島及び那覇から同時に仰角70度以上に可視と
なる時間長が最大になった場合をシミュレーションした
時の、当該軌道を周回する人工衛星が可視となる仰角の
時間変化を示した図である。
【図38】24時間周期の軌道の軌道要素である軌道傾
斜角が42.5 度,離心率が0.21で、根室,札幌,仙
台,新潟,東京,名古屋,金沢,大阪,広島,高知,福
岡,鹿児島及び那覇から同時に仰角70度以上に可視と
なる時間長が最大になった場合をシミュレーションした
時の、当該軌道を周回する人工衛星が那覇から可視とな
る方向を天空図で示した図である。
【図39】 図35及び図36において、各軌道傾斜角
において最長の最大同時可視時間を与える離心率と、そ
の軌道傾斜角との組み合わせについて、近地点引数を変
化させた時に、その組み合わせでの最大同時可視時間長
がどのように変化するかを示した図である。
【図40】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数210度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図41】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数230度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図42】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数250度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図43】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数270度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図44】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数290度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図45】24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心
率0.21,近地点引数310度となる人工衛星の軌道
の地上軌跡を世界地図上に示した図であり、この世界地
図は緯度方向,経度方向について角度を等間隔で示した
ものである。
【図46】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図47】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図48】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図49】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図50】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図51】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図52】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図53】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図54】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図55】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図56】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図57】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図58】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図59】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図60】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図61】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【図62】24時間周期の楕円軌道が静止軌道と交差す
る場合の近地点引数を、楕円軌道の離心率毎に示した図
である。
【符号の説明】
1…基準時刻から1日間に亘っての軌道の地上軌跡、2
…基準時刻から1095日後から1096日後に亘っての軌
道の地上軌跡、3…基準時刻から2190日後から21
91日後に亘っての軌道の地上軌跡、4…基準時刻から
3650日後から3651日後に亘っての軌道の地上軌
跡、5…基準時刻の設定、6…人工衛星数nの設定、7
…近地点引数ωの暫定値の設定、8…軌道長半径aの暫
定値の設定、9…離心率eの暫定値の設定、10…軌道
傾斜角iの暫定値の設定、11…衛星番号1の人工衛星
の軌道の昇交点赤経Ω1 と真近点離角θ1 の暫定値の設
定、12…衛星番号kの人工衛星の軌道の昇交点赤経Ω
k と真近点離角θk の暫定値の設定、13…計算機によ
るシミュレーション、14…評価、15…基準時刻にお
ける各人工衛星の軌道要素、17…基準時刻の軌道六要
素、18…人工衛星追跡管制設備、19…制御コマン
ド、20,60,61,62…人工衛星、21…打上げ
機追跡管制設備、22…目標投入軌道要素、23…打上
げ機、24…送受信システム、25…測距システム、2
6…計算機システム、27…テレメトリ,レンジング信
号、28…レンジング信号、29…距離及び距離変化
率、30…軌道決定プログラム、31…軌道六要素、3
2…軌道制御プログラム、33…姿勢制御量,軌道制御
量、34…コマンド生成プログラム、35…制御コマン
ド、36…コマンド,レンジング信号、37…通信系、
38…データ処理系、39…姿勢軌道制御系、40…ガ
スジェット装置、41…姿勢制御アクチュエータ駆動、
42…スラスタバルブ駆動、50…地球、51…地球の
赤道面、63…人工衛星60の軌道、64…人工衛星6
1の軌道、65…人工衛星62の軌道、66…軌道63
の昇交点、67…軌道64の昇交点、68…軌道65の
昇交点、70a…人工衛星a、70b…人工衛星b、7
0c…人工衛星c、70d…人工衛星d、71a…人工
衛星aの軌道a、71b…人工衛星bの軌道b、71c
…人工衛星cの軌道c、71d…人工衛星dの軌道d、
72a…軌道aの昇交点、72b…軌道bの昇交点、7
2c…軌道cの昇交点、72d…軌道dの昇交点、90
…本発明の楕円軌道に適するような姿勢制御系,電源
系,通信系,熱制御系などのサブシステムを具備する人
工衛星、91…人工衛星90を介して衛星放送を送信す
る基地局、92…人工衛星90を介して衛星放送を受信
する衛星放送端末、93…地上放送局、94…地上放送
と人工衛星90を介した衛星放送を受信する衛星放送端
末、95…公衆回線や携帯電話等の地上通信網、96…
地上通信網95を経由して衛星放送端末からの希望を受
け入れることが可能な人工衛星90を介して衛星放送を
送信する基地局、97…地上通信網95との通信機能を
持ち人工衛星90を介して衛星放送を受信する衛星放送
端末、98…人工衛星90を介して衛星通信を行う基地
局、99…人工衛星90を介して衛星通信を行う衛星通
信用送受信装置、100…全地球測位システムを構成す
る人工衛星、101…全地球測位システムを構成する人
工衛星からの測位信号で己の位置を測定できる機能と共
に人工衛星90を介して衛星通信を行う衛星通信用送受
信装置、102…電気,ガス,水道の使用量を測定する
機能と共に人工衛星90を介して衛星通信を行う衛星通
信用送受信装置、103…情報ネットワークの情報を収
集・中継する機能と共に人工衛星90を介して衛星通信
を行う衛星通信用送受信装置、104…環境をモニタす
る機能を有すると共に人工衛星90を介して衛星通信を
行う衛星通信用送受信装置、105…異常を検出する機
能と共に人工衛星90を介して衛星通信を行う衛星通信
用送受信装置、106…VICS等の道路情報通知シス
テム、107…道路情報、108…道路通知システム1
06からの道路情報107を受信する機能と共に人工衛
星90を介して衛星通信を行う衛星通信用送受信装置、
109…人工衛星、110…人工衛星90を介して衛星
通信を行う衛星通信用送受信装置、111…地球観測セ
ンサを搭載した本発明の楕円軌道に適するような姿勢制
御系,電源系,通信系,熱制御系などのサブシステムを
具備する人工衛星、151…24時間周期,軌道傾斜角
42.5度,離心率0.21,近地点引数210度となる
人工衛星の軌道の地上軌跡、152…24時間周期,軌
道傾斜角42.5度,離心率0.21,近地点引数230
度となる人工衛星の軌道の地上軌跡、153…24時間
周期,軌道傾斜角42.5度,離心率0.21,近地点引
数250度となる人工衛星の軌道の地上軌跡、154…
24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心率0.21,
近地点引数270度となる人工衛星の軌道の地上軌跡、
155…24時間周期,軌道傾斜角42.5度,離心率
0.21,近地点引数290度となる人工衛星の軌道の
地上軌跡、156…24時間周期,軌道傾斜角42.5
度,離心率0.21,近地点引数310度となる人工衛
星の軌道の地上軌跡。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜野 亘男 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社 日立製作所 宇宙技術開発推 進本部内 (72)発明者 吉田 富治 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平11−34996(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数機の人工衛星から成る人工衛星群の
    いずれかの人工衛星を介して移動体向けに放送を行う衛
    星放送システムであって、前記 人工衛星群に属する人工衛星を介して放送を行う基
    地局を備え、 前記人工衛星群に属する各人工衛星は、それぞれ24時
    間周期の楕円軌道上を周回すると共に、連続して代わる
    代わる可視となり、かつ、それぞれ楕円軌道上を周回す
    る人工衛星の設定工程における近地点引数の数値、ミ
    ッション寿命まで近地点引数の制御が行われない時間
    またはミッション寿命中の次の軌道制御が行われるまで
    近地点引数の制御が行われない時間、の経過と共に
    きくなる方向に変化する近地点引数の値前記可視とな
    る時間を実現し得る限界に至るまでの範囲内のいずれか
    の値をとるように、ノミナル値である270度より小さ
    い値の初期値として設定される人工衛星であり、 前記基地局は、前記人工衛星を追尾するアンテナを有
    し、当該人工衛星を介して放送することを特徴とする衛
    星放送システム。
  2. 【請求項2】 人工衛星を介して移動体向けに放送を行
    う衛星放送システムであって、 複数機の人工衛星から成る人工衛星群と、前記人工衛星
    群に属する人工衛星を介して放送を行う基地局とを含
    み、 前記人工衛星群に属する各人工衛星は、それぞれ24時
    間周期の楕円軌道上を周回すると共に、連続して代わる
    代わる可視となり、かつ、それぞれが周回する軌道につ
    いて、軌道傾斜角が37度以上44度以下の範囲内、及
    び離心率が0.24未満の範囲内であるか、又は、軌道
    傾斜角が40度よりも大きく44度以下の範囲内、及び
    離心率が0.24以上0.35以下の範囲内であり、か
    つ、楕円軌道上を周回する人工衛星の設定工程における
    近地点引数の数値、ミッション寿命まで近地点引数の
    制御が行われない時間またはミッション寿命中の次の
    軌道制御が行われるまでの近地点引数の制御が行われな
    い時間、の経過と共に大きくなる方向に変化する近地点
    引数の値前記可視となる時間を実現し得る限界に至る
    までの範囲内のいずれかの値をとるように、ノミナル値
    である270度より小さい値の初期値として設定される
    人工衛星であり、 前記基地局は、前記人工衛星を追尾するアンテナを有
    し、当該人工衛星を介して放送することを特徴とする衛
    星放送システム。
  3. 【請求項3】 請求項1および2のいずれか一項に記載
    の衛星放送システムであって、 前記人工衛星群は、異なる楕円軌道に1機ずつ配置され
    た3機又は4機の人工衛星を有することを特徴とする衛
    星放送システム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2および3のいずれか一項に
    記載の衛星放送システムに使用される衛星放送端末であ
    って、 人工衛星を介した衛星放送を受信するための手段と、地
    上放送からの電波を受信する手段とを備えることを特徴
    とする衛星放送端末。
  5. 【請求項5】 請求項1、2および3のいずれか一項に
    記載の衛星放送システムに使用される衛星放送端末であ
    って、 衛星放送を受信するための手段と、人工衛星を介さない
    通信手段で前記基地局に情報を送信する手段とを備える
    ことを特徴とする衛星放送端末。
  6. 【請求項6】 請求項4および5のいずれか一項に記載
    の衛星放送端末を備えることを特徴とする移動体。
  7. 【請求項7】 人工衛星を介して移動体向けに放送を行
    う衛星放送基地局であって、 アンテナと、前記アンテナを用いて放送する装置と、放
    送に用いる人工衛星に前記アンテナを追尾させるアンテ
    ナ追尾装置とを含み、 前記アンテナ追尾装置により追尾される人工衛星は、そ
    れぞれ24時間周期の楕円軌道上を周回すると共に、連
    続して代わる代わる可視となる複数機の人工衛星から成
    る人工衛星群に属する人工衛星であり、 各人工衛星は、それぞれ楕円軌道上を周回する人工衛星
    の設定工程における近地点引数の数値、ミッション寿
    命まで近地点引数の制御が行われない時間またはミ
    ション寿命中の次の軌道制御が行われるまでの近地点引
    数の制御が行われない時間、の経過と共に大きくなる方
    向に変化する近地点引数の値前記可視となる時間を実
    現し得る限界に至るまでの範囲内のいずれかの値をとる
    ように、ノミナル値である270度より小さい値の初期
    値として設定される人工衛星であることを特徴とする衛
    星放送基地局。
  8. 【請求項8】 人工衛星を介して移動体向けに放送を行
    う衛星放送基地局であって、 アンテナと、前記アンテナを用いて放送する装置と、放
    送に用いる人工衛星に前記アンテナを追尾させるアンテ
    ナ追尾装置とを含み、 前記アンテナ追尾装置により追尾される人工衛星は、そ
    れぞれ24時間周期の楕円軌道上を周回すると共に、連
    続して代わる代わる可視となる複数機の人工衛星を有
    し、 各人工衛星は、それぞれが周回する軌道について、軌道
    傾斜角が37度以上44度以下の範囲内、及び離心率が
    0.24未満の範囲内であるか、又は、軌道傾斜角が4
    0度よりも大きく44度以下の範囲内、及び離心率が
    0.24以上0.35以下の範囲内であり、かつ、楕円軌
    道上を周回する人工衛星の設定工程における近地点引数
    の数値、ミッション寿命まで近地点引数の制御が行わ
    れない時間、またはミッション寿命中の次の軌道制御が
    行われるまでの、近地点引数の制御が行われない時間、
    の経過と共に大きくなる方向に変化する近地点引数の値
    、前記可視となる時間を実現し得る限界に至るまでの
    範囲内のいずれかの値をとるように、ノミナル値である
    270度より小さい値の初期値として設定される人工衛
    星であることを特徴とする衛星放送基地局。
  9. 【請求項9】 人工衛星を介して移動体向けに放送を行
    う衛星放送方法であって、 基地局から、それぞれ24時間周期の楕円軌道上を周回
    すると共に、連続して代わる代わる可視となる複数機の
    人工衛星から成る人工衛星群のうち、当該基地局、およ
    び、放送の対象となる移動体が所在するサービス対象領
    域のいずれからも可視状態にある人工衛星を介して放送
    し、 前記各人工衛星は、それぞれ楕円軌道上を周回する人工
    衛星の設定工程における近地点引数の数値、ミッショ
    ン寿命まで近地点引数の制御が行われない時間または
    ッション寿命中の次の軌道制御が行われるまでの近地
    点引数の制御が行われない時間、の経過と共に大きくな
    る方向に変化する近地点引数の値前記可視となる時間
    を実現し得る限界に至るまでの範囲内のいずれかの値を
    とるように、ノミナル値である270度より小さい値の
    初期値として設定される人工衛星であることを特徴とす
    る衛星放送方法。
  10. 【請求項10】 人工衛星を介して移動体向けに放送を
    行う衛星放送方法であって、 基地局から、それぞれ24時間周期の楕円軌道上を周回
    すると共に、連続して代わる代わる可視となる複数機の
    人工衛星から成る人工衛星群のうち、当該基地局、およ
    び、放送の対象となる移動体が所在するサービス対象領
    域のいずれからも可視状態にある人工衛星を介して放送
    し、 前記各人工衛星は、それぞれが周回する軌道について、
    軌道傾斜角が37度以上44度以下の範囲内、及び離心
    率が0.24未満の範囲内であるか、又は、軌道の軌道
    傾斜角が40度よりも大きく44度以下の範囲内、及び
    離心率が0.24以上0.35以下の範囲内であり、か
    つ、楕円軌道上を周回する人工衛星の設定工程における
    近地点引数の数値、ミッション寿命まで近地点引数の
    制御が行われない時間、またはミッション寿命中の次の
    軌道制御が行われるまでの近地点引数の制御が行われな
    い時間、の経過と共に大きくなる方向に変化する近地点
    引数の値前記可視となる時間を実現し得る限界に至る
    までの範囲内のいずれかの値をとるように、ノミナル値
    である270度より小さい値の初期値として設定される
    人工衛星であることを特徴とする衛星放送方法。
  11. 【請求項11】 人工衛星を介して行われる衛星放送を
    受信する衛星放送端末において、 アンテナと、アンテナで受信された信号を処理する回路
    とを含み、 前記アンテナは、楕円軌道上を周回する人工衛星であっ
    て、その設定工程における近地点引数の数値に、ミッシ
    ョン寿命までの、またはミッション寿命中の軌道制御が
    行われるまでの時間の経過と共に変化する近地点引数の
    値が、ミッション寿命まで近地点引数の制御が行われな
    い時間、またはミッション寿命中の次の軌道制御が行わ
    れるまでの近地点引数の制御が行われない時間、の経過
    と共に大きくなる方向に変化する近地点引数の値で前記
    可視となる時間を実現し得る限界に至るまでの範囲内の
    いずれかの値をとるように、ノミナル値である270度
    より小さい値の初期値として設定される人工衛星からの
    電波を受信するものであることを特徴とする衛星放送端
    末。
  12. 【請求項12】 人工衛星を介して行われる衛星放送を
    受信する衛星放送端末において、 アンテナと、アンテナで受信された信号を処理する回路
    とを含み、 前記アンテナは、24時間周期の楕円軌道上を周回する
    人工衛星であって、その軌道傾斜角が37度以上44度
    以下の範囲内、及び離心率が0.24未満の範囲内であ
    るか、又は、当該人工衛星が周回する軌道の軌道傾斜角
    が40度よりも大きく44度以下の範囲内、及び離心率
    が0.24以上0.35以下の範囲内であり、かつ、楕円
    軌道上を周回する人工衛星の設定工程における近地点引
    数の数値に、ミッション寿命までの、またはミッション
    寿命中の軌道制御が行われるまでの時間の経過と共に変
    化する近地点引数の値、ミッション寿命まで近地点引
    数の制御が行われない時間またはミッション寿命中の
    次の軌道制御が行われるまでの近地点引数の制御が行わ
    れない時間、の経過と共に大きくなる方向に変化する近
    地点引数の値前記可視となる時間を実現し得る限界に
    至るまでの範囲内のいずれかの値をとるように、ノミナ
    ル値である270度より小さい値の初期値として設定さ
    れる人工衛星からの電波を受信するものであることを特
    徴とする衛星放送端末。
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