JP3473404B2 - 溶接ビード中心位置検出器 - Google Patents

溶接ビード中心位置検出器

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JP3473404B2
JP3473404B2 JP15538698A JP15538698A JP3473404B2 JP 3473404 B2 JP3473404 B2 JP 3473404B2 JP 15538698 A JP15538698 A JP 15538698A JP 15538698 A JP15538698 A JP 15538698A JP 3473404 B2 JP3473404 B2 JP 3473404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯同士の溶接、
及び溶接管の溶接等における溶接ビード中心位置に沿っ
て走行しながら溶接部を検査する超音波探傷装置、及び
走行する被検材の溶接ビード中心位置に倣うように探傷
位置を補正しながら溶接部を検査する超音波探傷装置等
に用いられ、溶接ビードの中心位置を検出する溶接ビー
ド中心位置検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼プロセスにおいて、鋼帯と鋼帯の溶
接部及び溶接管における溶接部の非破壊検査は、これら
溶接部の品質管理及び品質評価を行う上で重要である。
ここで問題となるのは、前記超音波探傷装置の探傷位置
が溶接ビードから外れないようにする技術である。例え
ば、溶接管の溶接ビードを自動探傷する場合、走行する
溶接管に対して、探傷開始時には、超音波探傷プローブ
は溶接ビードを探傷するように位置設定されるが、管の
曲がり又は溶接ビードのねじれ等により、探傷途中にお
いてその探傷位置が溶接ビードから外れてしまう危険性
がある。
【0003】そこで、溶接ビード中心位置に沿って自動
追従しながら走行する超音波探傷装置、あるいは探傷位
置を、走行する被検材の溶接ビード中心位置に倣うよう
に自動位置補正する超音波探傷装置が使用されている。
その際、探傷位置を溶接ビードに倣うよう制御するため
には、溶接ビード中心位置検出器が必要になる。
【0004】従来から使用されている、このような溶接
ビード中心位置検出器として、図4に示すような渦流式
溶接ビード中心位置検出器がある。図4において、1は
溶接管、2は溶接ビード部、20、21は渦流センサ、
22は差動増幅器、23は2個の渦流センサの中心線で
ある。すなわち、溶接ビード2の中心位置検出用に、溶
接管1上部の、管母材部からリフトオフLだけ離れた位
置に、2個の渦流センサ20、21を配置している。こ
れら2個の渦流センサ出力は、差動増幅器器22により
差分を求められた後、正側しきい値及び負側しきい値と
比較される。
【0005】探傷開始時には、溶接ビード2の中心位置
が前記2個の渦流センサ間20、21の中心に位置する
ように、溶接管を管周方向に回転させながら、位置調整
する。このとき、2個各々の渦流センサ20、21と、
溶接ビード中心からの距離は同じであるので、各々の出
力は等しく、差分後の出力は0となる(図4(a)
点)。
【0006】次に探傷開始後、溶接ビードのねじれなど
により、溶接ビードと渦流センサの相対位置がずれ、溶
接ビード中心位置が渦流センサ20側に近づき、渦流セ
ンサ21側から遠ざかる場合を考える。このとき、各々
の渦流センサ20、21の出力には差異を生じるので、
差分後の出力は、溶接ビード中心位置が渦流センサ20
に近づくにつれて大きくなる。この値が正側しきい値を
超えたときに、「溶接ビードが左側にずれている」と判
定する(図4(b)点)。
【0007】逆に、溶接部ビード2が渦流センサ21側
に近づき、渦流センサ20側から遠ざかる場合は、溶接
ビード中心位置が渦流センサ21側に近づくにつれて、
差分後の出力は負側に大きくなる。この値が負側しきい
値を超えたときに「溶接ビードが右側にずれている」と
判定する(図4(c)点)。
【0008】このように、2個の渦流センサ出力の差分
信号と、あらかじめ設定された正側及び負側しきい値と
を比較することで、これら2個の渦流センサの中心線2
3に対して、溶接ビード2の中心位置が中央、右側ある
いは左側に位置するのかの判定が可能となる。このよう
な方法は、特開平ー111768号公報にも記載されて
いる。
【0009】また、同じく溶接線の検査のための追跡を
自動化することを目的として、特開平3−243275
号公報に、溶接線追跡方法が提案されている。この方法
の動作原理を図5(A)、(B)に示す。(A)は正面
図、(B)は側面図である。図5において、24は渦流
探触子揺動用モータ、25はブーリー、26はクラン
ク、27a、27bはガイド、28は渦流探触子、29
はホルダ、30は渦流探触子、31は本体ベース、32
a、32bはボールベアリング、33a、33bはモー
タ、34a、34bはローラ、35は溶接線、36はホ
ルダ29の振幅の中心位置である。
【0010】図5に示す前記発明によれば、渦流探触子
揺動用モータ24を駆動させることによりブーリー25
が回転し、その回転力をクランク26で伝達することに
より、ガイド27a、27b上を移動する渦流探触子2
8のホルダ29が直線往復運動をする。この機構と渦流
探触子30を載せた本体ベース31は、ボールベアリン
グ32a、32bを支えとして持ち、モータ33a、3
3bで回転するローラ34a、34bで移動する。
【0011】このような構造の装置は、渦流探触子28
を取り付けているホルダ29の直線往復運動が溶接線3
5に垂直になるようセットされ、移動する。このとき、
中心位置検出センサが36が示すホルダ29の振幅の中
心位置と溶接線35を一致させるように、ローラ34
a、34bを制御し移動させることにより、溶接線35
を追跡させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術は、次のような問題点がある。前記図4で示し
た、2つの渦流センサ20、21の中心線23と溶接ビ
ード中心位置との相対的な位置変化による差分後の出力
値は、溶接部形状によりその大きさが異なる。例えば溶
接管では管諸元により、溶接ビードの高さが0〜5m
m、またその幅が15〜60mmの範囲で存在するた
め、溶接ビード中心位置のずれ量が同じであっても、前
記出力値の大きさにおいて、小さいものと大きいもので
は10倍以上の差を生じる。よって、図4に示したよう
な、2つのセンサ出力の差分後の出力としきい値の比較
による溶接ビード中心位置検出方法では、図6に示すよ
うに、溶接部形状により、前記左ずれ判定動作点(b)
及び、右ずれの判定動作点(c)が変動するため、精度
の良い検出が困難である。
【0013】また、特開平3−243275号公報に示
される発明においては、溶接線の自動追跡を目的に、そ
の渦流探触子の運動機構部の説明はなされているもの
の、溶接線検出信号の処理方法については開示されてい
ない。この方法においても、単純に溶接線検出信号とし
きい値との比較により、溶接線の中央位置を検出しよう
としたのでは、図4で説明した従来技術同様に、溶接部
形状による検出感度差異の影響を受けるため、精度の高
い溶接ビード中心位置の検出が困難である。
【0014】本発明は、このような従来技術の有する問
題点を解決すべくなされたものであり、溶接部形状によ
り異なる溶接部検出信号のレベル差の影響を受けること
のない、精度の高い溶接ビード中心位置検出器を提供す
ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、溶接ビードの中心位置を検出する検出
器であって、 (イ)2つの検出コイルを有してなり、これら2つの検
出コイルからの出力の差分を出力する差分型渦流センサ
と、 (ロ)前記検出コイルを被検査材近傍に、溶接ビード上
を横切るように運動させる検出コイル運動機構部と、 (ハ)前記検出コイルが溶接ビード上を横切るときの前
記差分型渦流センサの出力より、溶接ビードの中心点を
検出する手段と、 (ニ)検出された溶接ビードの中心点と、前記検出コイ
ルの運動の基準点との差を求める手段とを有してなり、
前記検出コイルが溶接ビード上を横切るときの前記差分
型渦流センサの出力より溶接ビードの中心点を検出する
手段が、前記差分型渦流センサの出力の、極性の異なる
ピーク信号が得られる位置の中心を溶接ビードの中心点
と判断するものであることを特徴とする溶接ビード中心
位置検出器。(請求項1)である。
【0016】本手段においては、2つの検出コイルを、
溶接ビード上を横切るように運動させ、その際の2つの
コイルの出力信号の差分をとる。そして、この差分信号
から溶接ビード部の中心を求め、これと検出コイルの運
動の基準点との差を求めている。よって、従来技術で説
明したように、検出コイルを固定した場合と異なり、溶
接部形状により異なる溶接部検出信号のレベル差の影響
を受けることがなくなるので、溶接ビード中心位置を精
度良く検出することができる。さらに、後に発明の実施
の態様の欄で説明するように、2つの検出コイルが溶接
ビード上を通過するとき、まず第1のコイルの出力が変
化し、続いて第2のコイルの出力が同じように変化す
る。よって、2つのコイルの差分出力は、はじめ一方に
上昇してピーク値に達し、続いて下降してゼロにも戻っ
た後、反対の方向に上昇してピーク値に達し、続いて下
降して再びゼロに戻る。よって、この極性の異なるピー
ク値の中心点付近に溶接ビードの中心があると判断され
るので、この点を溶接点ビードの中心とすることによ
り、精度の良い検出が可能となる。
【0017】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記検出コイルが、E型の磁
化鉄心の中央脚部に被検材に交流磁界をかける送信コイ
ルが巻回され、外側の両脚部には各々受信コイルが巻回
されたものであることを特徴とするもの(請求項2)で
ある。
【0018】E型コイルからなる渦流検出器は、2つの
検出コイルの特性の一致したものが製造しやすく、か
つ、2つの検出コイルのノイズ、温度ドリフト等が一致
するため、差分信号にはこれらの外乱要因が現れにくい
という特徴を有する。よって、本手段により、溶接ビー
ド中心部を精度良く検出することができる。
【0019】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段であって、前記検出コイルが、E型の磁
化鉄心の中央脚部に検出コイルが巻回され、外側の両脚
部には同じ強さで逆向きの磁界を発生する送信コイルが
巻回されたE型渦流センサを有する差分型渦流センサで
あることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0020】この手段においては、外側の両脚部に巻回
された送信コイルによって発生する磁界の差が、中央脚
部に巻回された検出コイルによって検出される。よっ
て、前記第2の手段と同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0021】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段であって、前記検出コイルが、E型の磁
化鉄心の中央脚部に、被検材に交流磁界をかける送信コ
イルを巻き、外側の両脚部には、各々の受信コイルが、
送信コイルにより誘起される電圧を互いに打ち消し合う
向きに巻回されており、2つの受信コイルは直列に接続
されて、その差分出力が取出される差分型渦流センサと
して構成されているE型渦流センサであることを特徴と
するもの(請求項4)である。
【0022】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段から第4の手段のいずれかであって、検
出コイルの運動の基準点が、探傷装置の中心であること
を特徴とするもの(請求項5)である。
【0023】本手段において、探傷器の中心とは、探傷
の対象となる部分の中心のことをいう。この部分を基準
点とすることにより、検出された溶接ビードの中心点を
この基準点に合わせるように追従制御を行えば、溶接ビ
ードに沿った探傷を行うことが可能となる。
【0024】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前
記検出コイルの被検査材近傍の運動面が、前記運動の中
心線から溶接ビードに直角な方向に同一距離だけ離れた
位置において、被検査材までの距離が常に等しくなるよ
うに傾き制御されていることを特徴とするもの(請求項
6)である。
【0025】検出コイルの被検査材近傍の運動面が傾い
て、溶接ビードを挟んだ両側において検出コイルと被検
査材の間の間隔が変化すると、溶接ビードを挟んだ両側
において検出コイルの出力が異なってきて、測定誤差の
原因となる。また、極端な場合には、検出コイルと被検
査材との間隔(リフトオフ)が大きくなり、溶接ビード
の境界が検出できなくなることがある。
【0026】よって、本手段においては、前記運動の中
心線から溶接ビードに直角な方向に同一距離だけ離れた
位置において、検出コイルの被検査材近傍の運動面と被
検査材との距離が常に等しくなるように傾き制御してい
る。よって、溶接ビードを挟んだ両側における検出コイ
ルの出力の差が無くなり、溶接ビードの中心位置を精度
良く検出することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1
例である溶接ビード中心位置検出器の構成を示す概略図
である。図1において、1は溶接管、2は溶接ビード、
3はE型渦流センサ、4は回転テーブル、5はモータ、
6は回転ギア、7は回転軸、8はスリップリング、9は
渦流探傷処理部、10は溶接ビード中心位置検出部、1
1は保護ボックスである。
【0028】溶接管1の溶接ビード2の上方にて、E型
渦流センサ3が固定された回転テーブル4が、モータ5
及び回転ギア6により、回転軸7を中心に、等速円運動
している。また、回転テーブル上方には、スリップリン
グ8が配置され、回転によりケーブルがねじれることな
く、スリップリング8を介してE型渦流センサ3と渦流
探傷処理部9が接続される。渦流探傷処理部9の出力
は、溶接ビード中心位置検出部10に入力される。溶接
ビード中心位置検出部10は、渦流センサ3が溶接ビー
ド2位置を通過する際に、渦流探傷部9から出力される
溶接ビードと母材部との2つの境界検出信号により、そ
の溶接ビード中心位置を検出するものである。
【0029】これら渦流探傷処理部9を除く検出ヘッド
部は、超音波探傷に使用する水及びほこり、粉じん等か
ら保護するため、保護ボックス11内に収納される。
【0030】E型渦流センサ3は、E型の磁化鉄心の中
央脚部に、被検材に交流磁界をかける送信コイルを巻
き、外側の両脚部には、各々の受信コイルが、送信コイ
ルにより誘起される電圧を互いに打ち消し合う向きに巻
回されており、2つの受信コイルは直列に接続されて、
その差分出力が取出される差分型渦流センサとして構成
されている。もちろん、2つの受信コイルの出力を別々
に取出し、加算器によって加え合わせることにより差分
を算出するようにしてもよい。
【0031】また、E型渦流センサ3は、E型の磁化鉄
心の中央脚部に受信コイルを巻き、外側の両脚部には、
受信コイルにて誘起される電圧が互いに打ち消し合うよ
うに送信コイルを巻回した構成であってもよい。
【0032】以下、この実施の形態における溶接ビード
中心位置の検出原理について、図2に基づいて詳細に説
明する。以下の図において、発明の実施の形態の説明中
の前出の図で示された構成要素と同じ構成要素には、同
じ符号を付してその説明を省略する。図2において、3
a、3b、3cは、E型渦流センサ3の3つの脚部、1
2は回転テーブルの中心線で、検出コイルの運動の基準
点となるものである。
【0033】図2(A)は、回転テーブル4を真上から
見たとき、その中心線12に対し、溶接ビード2の中心
位置が同位置にあるときの説明図、図2(B)は、左に
ずれたときの説明図である。図2(A)、(B)に示す
ようにE型渦流センサ3の回転に伴い(上側の図でE型
渦流センサ3が2つあるように記載されているのは、回
転にとも無い進行している様子を示すものであり、E型
渦流センサ3は1つのみが設置されている)、その2つ
の脚3a,3b間に母材部と溶接ビードの境界が位置し
たときに、渦流探傷処理部9の出力信号がピーク値をと
り、次に2つの脚3b、3c間にもう一方の溶接ビード
の境界が位置したときに、前記ピーク値とは逆極性のピ
ーク値が現れる。
【0034】この正負ピーク値をもつ渦流探傷処理部9
の出力波形は、溶接ビード中心位置検出部10におい
て、計算機に取り込まれる。次に前記計算機において、
図2(A)、(B)に示すように、正負のピーク値をと
る位置(a),(b)から、E型渦流センサ3の中心が
溶接ビードの中心位置を通過する位置は、その中心の位
置(c)として演算される。
【0035】なお、この例では、(a)と(b)との中
心の位置(c)をE型渦流センサ3の中心が溶接ビード
の中心位置を通過する位置としたが、(a)と(b)と
の中間で、渦流探傷処理部9の出力がゼロクロスする点
を、E型渦流センサ3の中心が溶接ビードの中心位置を
通過する位置としても大差はない。
【0036】一方、渦流センサが前記回転テーブルの中
心線12を通過するタイミング(c’)は、そのタイミ
ングで回転テーブル上に固定された反射板により、回転
テーブル外に固定された光センサへ光を反射させるなど
して、容易に検出が可能である。
【0037】以上のようにして得られる、渦流センサの
回転テーブル中心線12を通過するタイミング(c’)
と前記溶接ビード中心位置信号(c)が得られるタイミ
ングとを比較することで、回転テーブル中心線12に対
し、溶接ビード位置のずれの方向と共にその偏差量の検
出が可能となる。
【0038】そして、回転テーブル中心線12を探傷器
の探傷領域の中心に合わせておき、回転テーブル中心線
12に対し、検出された溶接ビード位置のずれが無くな
るように倣い制御をかけることで、溶接ビードに追随し
た探傷を行うことができる。
【0039】なお、差分型渦流センサの運動機構として
は、図1に示したような回転運動以外に、溶接部ビード
上を連続して横切るような、直線往復運動機構でもよ
い。
【0040】本発明の実施の形態である溶接ビード中心
位置検出装置を、溶接管溶接ビード自動超音波探傷装置
に適用した例を図3により説明する。図3において、
(A)は正面図、(B)は側面図、13は超音波探傷プ
ローブ、14は保護ボックス11、超音波探傷プローブ
13各々を上昇させるためのシリンダー、15a、15
bは保護ボックス11底面の右端、左端と溶接管1の母
部部管距離を計測するポテンショメータ、16は超音波
探傷プローブ13を管周方向に位置調整するためのアー
ム、17はアーム16より下の部分をつり下げる支持
部、18は支持部17より下の部分を水平移動させるた
めのガイドである。これら自動超音波探傷装置は、溶接
管1の上方に配置され、溶接管1のみが図3(B)中の
矢印の方向へ移動する。
【0041】ポテンショメータ15a、15bは、溶接
ビード中心位置検出装置における、検出コイルの運動の
中心線から溶接ビードに直角な方向に同一距離だけ離れ
た位置において、被検査材までの距離を測定するための
ものである。
【0042】図3(A)において、溶接ビード2のねじ
れ等により、渦流センサ回転中心線12に対し、溶接ビ
ード2の中心位置が左側にずれたことにより、溶接ビー
ド中心位置検出装置が左側に○○mmズレの信号を出力
した場合を考える。その結果、制御装置により、支持部
17より下の部分が、ガイド18に沿って偏差量○○m
mだけ左側に水平移動する。よって、超音波探傷プロー
ブ13は、常に溶接ビードの中心部に位置制御される。
【0043】このようにして、支持部17より下の部分
が移動すると、溶接ビードのずれ量が左右どちらか1方
向に蓄積された場合、支持部17の水平移動量が大きく
なり、管曲率によりE型渦流センサの一方検出コイルの
リフトオフが増大して、渦流センサ出力が低下し、溶接
ビード中心位置が未検出となることが考えられる。これ
を防止するために、この装置においては、溶接ビード検
出ヘッドを傾ける制御機構が設けられている。
【0044】すなわち、支持部17より下の部分が水平
移動したことにより、溶接ビード検出ヘッド部の底面左
端及び右端から、溶接管1の母材部までの距離、すなわ
ちリフトオフla、lbの関係がla>lbとなるが、
前記ポテンショメータ15a、15bの出力が変化する
ことにより、制御装置が、溶接ビード検出ヘッド部を回
転軸19を中心軸として半時計回りに回転し、la=l
bとなるように傾き制御する。なお、前記ポテンショメ
ータ15a、15bは、非接触式のレーザ距離計により
代用してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、2つの検出コイルを、溶接
ビード上を間隔を持って横切るように運動させ、その際
の2つのコイルの出力信号の差分信号から溶接ビード部
の中心を求め、これと検出コイルの運動の基準点との差
を求めているので、溶接部形状により異なる溶接部検出
信号のレベル差の影響を受けることがなくなり、溶接ビ
ード中心位置を精度良く検出することができる。又、前
記差分型渦流センサの出力の、極性の異なるピーク信号
が得られる位置の中心を溶接ビードの中心点と判断して
いるので、精度の良い検出が可能となる。
【0046】請求項2に係る発明においては、検出コイ
ルとして、E型の磁化鉄心の中央脚部に、被検材に交流
磁界をかける送信コイルを巻き、外側の両脚部には、各
々の受信コイルが、送信コイルにより誘起される電圧を
互いに打ち消し合う向きに巻回されたものを使用してい
るので、差分信号には外乱要因が現れにくく、よって、
溶接ビード中心部を精度良く検出することができる。
【0047】請求項3に係る発明においては、E型の磁
化鉄心の中央脚部に検出コイルが巻回され、外側の両脚
部には同じ強さで逆向きの磁界を発生する送信コイルが
巻回されたE型渦流センサを有する差分型渦流センサを
使用しているので、差分信号には外乱要因が現れにく
く、よって、溶接ビード中心部を精度良く検出すること
ができる。
【0048】請求項6に係る発明においては、検出コイ
ルの運動の基準点を探傷装置の中心に合わせているの
で、検出された溶接ビードの中心点をこの基準点に合わ
せるように追従制御を行えば、溶接ビードに沿った探傷
を行うことが可能となる。
【0049】請求項7に係る発明においては、検出コイ
ルの被検査材近傍の運動面が、前記運動の中心線から溶
接ビードに直角な方向に同一距離だけ離れた位置におい
て、被検査材までの距離が常に等しくなるように傾き制
御されているので、溶接管の曲率によるリフトオフ増大
に伴って検出感度が極度に低下し、溶接ビード境界が検
出できなくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例である溶接ビード中
心位置検出器の構成を示す概略図である。
【図2】溶接ビード中心位置の検出原理を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態である溶接ビード中心位置
検出装置を、溶接管溶接ビード自動超音波探傷装置に適
用した例を示す図である。
【図4】従来の渦流式溶接ビード中心位置検出器の概要
を示す図である。
【図5】従来の溶接線追跡方法の1例を示す図である。
【図6】従来の渦流式溶接ビード中心位置検出器の問題
点を示す図である。
【符号の説明】
1…溶接管、2…溶接ビード、3…E型渦流センサ、3
a、3b、3c…E型渦流センサ3の3つの脚部、4…
回転テーブル、5…モータ、6…回転ギア、7…回転
軸、8…スリップリング、9…渦流探傷処理部、10…
溶接ビード中心位置検出部、11…保護ボックス、12
…回転テーブルの中心線、13…超音波探傷プローブ、
14…シリンダー、15a、15b…ポテンショメー
タ、16…アーム、17…支持部、18…ガイド、19
…回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−58141(JP,A) 特開 平7−116732(JP,A) 特開 平5−111768(JP,A) 特開 昭53−135668(JP,A) 実開 昭61−193368(JP,U) 実開 昭55−152456(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ビードの中心位置を検出する検出器
    であって、 (イ)2つの検出コイルを有してなり、これら2つの検
    出コイルからの出力の差分を出力する差分型渦流センサ
    と、 (ロ)前記検出コイルを被検査材近傍に、溶接ビード上
    を横切るように運動させる検出コイル運動機構部と、 (ハ)前記検出コイルが溶接ビード上を横切るときの前
    記差分型渦流センサの出力より、溶接ビードの中心点を
    検出する手段と、 (ニ)検出された溶接ビードの中心点と、前記検出コイ
    ルの運動の基準点との差を求める手段とを有してなり、 前記検出コイルが溶接ビード上を横切るときの前記差分
    型渦流センサの出力より溶接ビードの中心点を検出する
    手段が、前記差分型渦流センサの出力の、極性の異なる
    ピーク信号が得られる位置の中心を溶接ビードの中心点
    と判断するものであることを特徴とする溶接ビード中心
    位置検出器。
  2. 【請求項2】 前記検出コイルが、E型の磁化鉄心の中
    央脚部に被検材に交流磁界をかける送信コイルが巻回さ
    れ、外側の両脚部には各々受信コイルが巻回されたもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の溶接ビード中
    心位置検出器。
  3. 【請求項3】 前記検出コイルが、E型の磁化鉄心の中
    央脚部に検出コイルが巻回され、外側の両脚部には同じ
    強さで逆向きの磁界を発生する送信コイルが巻回された
    E型渦流センサを有する差分型渦流センサであることを
    特徴とする請求項1に記載の溶接ビード中心位置検出
    器。
  4. 【請求項4】 前記検出コイルが、E型の磁化鉄心の中
    央脚部に、被検材に交流磁界をかける送信コイルを巻
    き、外側の両脚部には、各々の受信コイルが、送信コイ
    ルにより誘起される電圧を互いに打ち消し合う向きに巻
    回されており、2つの受信コイルは直列に接続されて、
    その差分出力が取出される差分型渦流セ ンサとして構成
    されているE型渦流センサであることを特徴とする請求
    項1に記載の溶接ビード中心位置検出器。
  5. 【請求項5】 前記検出コイルの運動の基準点が、探傷
    装置の中心であることを特徴とする請求項1から請求項
    4のうちいずれか1項に記載の溶接ビード中心位置検出
    器。
  6. 【請求項6】 前記検出コイルの被検査材近傍の運動面
    が、前記運動の中心線から溶接ビードに直角な方向に同
    一距離だけ離れた位置において、被検査材までの距離が
    常に等しくなるように傾き制御されていることを特徴と
    する請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の
    溶接ビード中心位置検出器。
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