JP3472703B2 - 磁気ディスク制御装置によるリモート転送方法 - Google Patents

磁気ディスク制御装置によるリモート転送方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 発明の属する技術分野 従来の技術(図7〜図14) 発明が解決しようとする課題(図13) 課題を解決するための手段 発明の実施の形態(図1〜図6) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】一般に、本来の業務を行なう
正センタ(業務システム)の設置場所とは別の場所(遠
隔地)に副センタ(バックアップシステム)を設置し正
センタの業務を副センタによりバックアップ可能に構成
したシステムでは、各センタに、リモート転送機能を有
する磁気ディスク制御装置〔以下、リモートFCU(Fi
le ControlUnit)という〕がそなえられている。
【0003】本発明は、上述したリモートFCUにより
正センタ側から副センタ側へR0(Record 0)等の小さ
いデータを転送する際に用いて好適の、リモート転送方
法に関する。
【0004】
【従来の技術】近年、本来の業務を行なう正センタ(業
務システム)の動作が地震等の災害や突発的な故障によ
り停止した場合にそなえ、図7に示すように、正センタ
1Aの設置場所とは別の遠隔地に副センタ(バックアッ
プシステム)1Bを設置することが一般的になってい
る。
【0005】このように、遠隔地における副センタ1B
により正センタ1Aの業務をバックアップ可能にしたシ
ステムの構成について、図7を参照しながら説明する。
なお、図7において、正センタ1Aと副センタ1Bとで
同じ機能を果たす構成要素には同じ数字を符号として付
与し、また、正センタ1Aに属する構成要素を示す符号
には“A”を付し、副センタ1Bに属する構成要素を示
す符号には“B”を付している。
【0006】正センタ1Aは、ホスト(CPU)2A,
磁気ディスク制御装置(以下、FCUという)3A,磁
気ディスク装置(デバイス)4Aおよびアダプタ5Aを
有して構成されている。ホスト2Aは、本来の業務のた
めの処理を行なうもので、アダプタ5Aを介して通信回
線6に接続されている。FCU3Aは、ホスト2Aと磁
気ディスク装置4Aとの間に介装され、ホスト2Aから
の入出力信号(以下、単にI/Oと呼ぶ場合がある)に
応じて磁気ディスク装置4Aに対する書込/読出制御を
行なうものである。
【0007】副センタ1Bも、正センタ1Aと同様、ホ
スト(CPU)2B,FCU3B,磁気ディスク装置
(デバイス)4Bおよびアダプタ5Bを有して構成され
ている。ホスト2Bは、バックアップ時に正センタ1A
から業務のための処理を引き継いで行なうもので、アダ
プタ5Bを介して通信回線6に接続されている。FCU
3Bは、ホスト2Bと磁気ディスク装置4Bとの間に介
装され、ホスト2Bからの入出力信号に応じて磁気ディ
スク装置4Bに対する書込/読出制御を行なうものであ
る。
【0008】そして、正センタ1Aにおいて、業務の実
行に伴い磁気ディスク装置4Aのデータが変更された場
合には、変更されたデータについての情報が、ホスト2
Aおよびアダプタ5Aを通じて通信回線6へ送り出さ
れ、この通信回線6を介して副センタ1Bへ送信され
る。その情報は、副センタ1Bにおいて、通信回線6か
らアダプタ5Bを通じてホスト2Bで受信され、このホ
スト2Bは、FCU3Bに対してI/Oを出力すること
により、磁気ディスク装置4Bのデータに対して正セン
タ1Aの磁気ディスク装置4Aのデータと同一の変更を
施す。これにより、正センタ1Aの磁気ディスク装置4
Aと副センタ1Bの磁気ディスク装置4Bとには常に同
じデータが保持される。つまり、常時、副センタ1Bの
磁気ディスク装置4Bには、正センタ1Aの磁気ディス
ク装置4Aと等価なボリューム(リモートシャドウボリ
ューム)が構築される。
【0009】従って、万一、正センタ1Aの動作が地震
等の災害や突発的な故障によって停止した場合、副セン
タ1B内には正センタ1Aにおけるボリュームと等価な
ボリュームが磁気ディスク装置4Bにより保持されてい
るので、副センタ1Bは、直ちに正センタ1Aの動作を
引き継いで行ない、正センタ1Aによる業務をバックア
ップすることができる。
【0010】しかしながら、ホスト2Aは本来の業務の
ための処理を行なっており元々負荷が大きいため、上述
のように正センタ1Aのホスト2Aが副センタ1Bへの
データ転送を行なう場合、あまり大きなデータを転送で
きず効率のよい転送を行なうことができなかった。そこ
で、正センタ1Aおよび副センタ1Bのそれぞれにおい
て、図7に示すFCU3Aおよび3Bに代え、図8に示
すように、リモート転送機能を有するFCU(以下、リ
モートFCUという)10Aおよび10Bをそなえ、こ
れらのリモートFCU10A,10Bの間を通信回線6
により接続したシステムが提案され用いられている。こ
のシステムでは、正センタ1Aから副センタ1Bへのデ
ータ転送(リモート転送)が、リモートFCU10Aに
よって行なわれるので、ホスト2Aの負荷が分散され、
データ転送を効率よく行なえるようになる。
【0011】なお、リモートFCU10A,10B間を
接続する通信回線6としては例えば高速ディジタル回線
やATM回線が用いられる。また、ホスト2A,2Bと
リモートFCU10A,10Bとの間はチャネルインタ
フェースにより接続されるほか、リモートFCU10
A,10Bと磁気ディスク装置(ボリューム)4A,4
Bとの間はPCI(Peripheral Component Interconnec
t)インタフェースあるいはSCSI(Small Computer S
ystem Interface)インタフェースにより接続される。
【0012】上述したリモートFCU10A,10Bの
構成を、図9により説明する。図9に示すように、リモ
ートFCU10A,10Bのそれぞれは、CA(Channel
Adapter)11,RM(Resource Manager)12,TS
(Table Storage)13,RA(Remort Adapter)14,C
FE(Cache Function Engine)15,SS(Shared Stor
age)16,DA(Device Adapter)17およびC−BUS
(Control-BUS)18を有して構成されている。
【0013】ここで、CA11は、ホスト2A,2Bと
の外部インタフェース制御を担当するモジュールであ
り、RM12は、基本動作に関する、リモートFCU1
0A,10B内の資源管理を担当するモジュールであ
り、TS13は、RM12に付設され、リモートFCU
10A,10B内の資源管理用のテーブルとして使用さ
れるメモリである。
【0014】RA14は、回線制御装置(図示省略)を
使用し、通信回線6を介して他のリモートFCU10A
または10Bとの間のデータの転送を担当するモジュー
ルであり、CFE15は、SS16におけるキャッシュ
メモリ16a(図13参照)の管理を担当するモジュー
ルである。なお、ここでは、キャッシュメモリ16aな
どを含む共用メモリ部を総称してSS(符号16)と呼
んでいる。
【0015】DA17は、下位装置である磁気ディスク
装置(デバイス)4A,4Bとのインタフェース制御を
担当するモジュールであり、C−BUS18は、上述し
た各機能モジュール(符号11〜17)が互いにコミュ
ニケーションを行なうためのルートで、モジュール間の
制御情報の送受信に使用されるものである。ここで、上
述した正センタ1A(リモートFCU10A)と副セン
タ1B(リモートFCU10B)との間でやり取りされ
るデータのフォーマットについて、図10〜図12を参
照しながら説明する。
【0016】図10にトラックフォーマットを示す。こ
の図10において、“HA(Home Address)”にはその
トラックに関する情報が格納されており、この“HA”
に格納される情報により、トラックの状態(正常/不良
/交代の区別等)が把握できるようになっている。“R
0(Record 0)”は、8バイトのデータで、“R1(Re
cord 1)”以降の制御データとして使用されるものであ
り、この“R0”にユーザのデータが書かれることはな
い。“R1”,“R2”,…には、ユーザが実際に使用
するデータが書かれる。そして、“インデックス”は、
トラックの論理的な起点を指示するものであり、“EO
F(End Of File)”は、論理ファイルの終わりを示すレ
コードである。
【0017】これらのトラックは、キャッシュメモリ1
6a(図13に示すごとくSS16に確保される領域)
上においては、図11に示す構成をとる。この図11に
示すように、1トラックは、1ブロック当たり4096バイ
トのデータブロック(DB)に分割されて格納される。
そして、図11に示す例では、“R1”,“R2”,
…,“Rn”がそれぞれデータブロック“DB1”〜
“DBC”に対応し、“HA”と“R0”とで1つのデ
ータブロック“DB0”を使用している。従って、デー
タブロック“DB0”には、“HA”と、“R0”のデ
ータ部(以下、R0Dという;8バイト)との他に、R
0カウント部(以下、R0Cという)が存在するだけ
で、大半の部分がごみデータとなっている。
【0018】上述のようにSS16のキャッシュメモリ
16aに保持されるトラックは、リモートFCU10A
により通信回線6を介してリモート転送する際、データ
ブロック毎に、図12に示すようなフォーマットの転送
パケットに変換される。つまり、正センタ1A側におけ
るリモートFCU10AのRA14から副センタ1B側
におけるリモートFCU10BのRA14へデータを転
送する際には、まず、トラックを4096バイトずつの
データブロックに切り分け(図11参照)、各データブ
ロックに256バイトのヘッダ部を付すことにより、図
12に示すようなデータパケットを作成し、そのパケッ
ト単位で転送を行なう。なお、ヘッダ部には、通信や正
副RA14,14間のオペレーション,ホストI/Oな
どの制御用データが格納されている。
【0019】次に、図8に示したシステムにおいて図1
0および図11に示すようなトラックを転送する場合の
従来手順について、図13および図14を参照しながら
説明する。図13に示すように、正センタ1A側のリモ
ートFCU10Aにおいて、CA11は、まず、ホスト
2Aからの転送データを、SS16に確保されたキャッ
シュメモリ16aにトラックとして書き込む。その後、
RA14が、キャッシュメモリ16a内のトラックを図
12に示すようなデータパケットP0〜Pnに分割し、
通信回線6を通じて副センタ1Bへ転送する。データパ
ケットP0〜Pnを受け取った副センタ1B側では、R
A14により、そのデータパケットP0〜Pnが、1つ
のトラックの形態に復元され、SS16に確保されたキ
ャッシュメモリ16a内に書き込まれる。
【0020】このようなリモート転送を行なう際の正セ
ンタ1A側のリモートFCU10Aの動作について、図
14を参照しながらより具体的に説明する。図14は、
正センタ1A側のリモートFCU10Aによるリモート
転送動作を説明するためのシーケンス図であり、この図
14に示すように、ホスト2AからリモートFCU10
Aに対してR0DおよびRN(Record Number;R0以外
のレコード指定)の更新を行なうためのI/O(SI
O:Start I/O)が発行されると(矢印A1参照)、CA
11は、チャネル(CH)から送られてきたトラックデータ
をSS16に確保したキャッシュメモリ(Cache)16a
上に書き込む(矢印A2参照)。
【0021】この後、CA11は、TS13上にTCB
(Task Control Block)を作成する(TCB内にリモー
ト転送の指示が格納されている;矢印A3参照)。な
お、TCBは、リモートFCU10A内のモジュールど
うしがコミュニケーションを行なうためのテーブルであ
り、このTCBには、オペレーションの種類(リモート
転送等)が格納されている。
【0022】1トラック分のデータのキャッシュメモリ
16aへの書込を完了すると、CA11は、RM12に
対して、RA14への転送を開始するように促し(矢印
A4参照)、これを受けたRM12は、RA14に対し
て転送のスタート指示を出す(矢印A5参照)。スター
ト指示を受けたRA14は、TS13からTCBを読み
込み、リモート転送を行なうことを認識し、キャッシュ
メモリ16aからDB0を読み込み、そのDB0にヘッ
ダ部を付加してデータパケットP0を作成した後、その
データパケットP0を副センタ1B側のリモートFCU
10BにおけるRA14へ転送する(矢印A6,A6′
参照)。
【0023】ついで、RA14は、キャッシュメモリ1
6aからDB1を読み込み、そのDB1にヘッダ部を付
加してデータパケットP1を作成した後、そのデータパ
ケットP1を副センタ1B側のリモートFCU10Bに
おけるRA14へ転送する(矢印A7,A7′参照)。
以下、上述と同様の処理を繰り返し行ない最後のデータ
ブロック(DBn)まで副センタ1Bへ転送する(矢印
A8,A8′参照)。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、R0が正セ
ンタ1Aから副センタ1Bへの転送対象になった場合、
上述した従来のリモート転送手法では、図13に示すよ
うに、R0Dがのっているパケット全体を転送してい
る。しかしながら、R0は前述した通り8バイトと小さ
いデータであるにもかかわらず、このR0を転送するた
めに1つのデータパケット(4352バイト)P0を作
成しなければならず、転送に無駄が多く、リモート転送
の時間もかかるなどの課題があった。
【0025】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、R0(Record 0)等の小さいデータを効率よ
く転送できるようにして、リモート転送に要する時間を
短縮した、磁気ディスク制御装置によるリモート転送方
法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気ディスク制御装置によるリモート転送
方法(請求項1)は、磁気ディスク装置とこの磁気ディ
スク装置を制御する磁気ディスク制御装置とを有する正
センタおよび副センタをそなえ、正センタ側磁気ディス
ク制御装置と副センタ側磁気ディスク制御装置との間を
通信回線により接続してなるシステムにおいて、正セン
タ側磁気ディスク制御装置から副センタ側磁気ディスク
制御装置へデータ転送を行なうための方法であって、正
センタ側磁気ディスク制御装置から副センタ側磁気ディ
スク制御装置へ転送すべき転送データの一部〔例えばR
0(Record 0)のデータ部;請求項2〕を、転送データ
の他部を転送するためのデータパケットを成すヘッダ部
の空き領域に格納してから、そのデータパケットを正セ
ンタ側磁気ディスク制御装置から副センタ側磁気ディス
ク制御装置へ転送することを特徴としている。
【0027】上述した本発明の磁気ディスク制御装置に
よるリモート転送方法(請求項1,2)では、従来、デ
ータパケットにより正センタ側磁気ディスク制御装置か
ら副センタ側磁気ディスク制御装置へ転送されていた転
送データの一部が、転送データの他部を転送するための
データパケットを成すヘッダ部の空き領域に格納され
る。
【0028】これにより、従来、その転送データの一部
(例えばR0のデータ部)のみを転送するために作成さ
れていたデータパケットが不要になり、転送すべきデー
タパケットの数を減らすことが可能になる。なお、正セ
ンタ側磁気ディスク制御装置内において、転送データの
一部としてヘッダ部に格納して転送すべきデータを取り
扱う旨を示すフラグを設定することにより、正センタ側
磁気ディスク制御装置を構成するモジュールに対し、ヘ
ッダ部に格納すべきデータが転送対象になっていること
を通知することができる(請求項3)。
【0029】また、ヘッダ部に転送データの一部が格納
されている旨を示すフラグをデータパケットに設定する
ことにより、そのデータパケットのヘッダ部に転送デー
タの一部が格納されていることを副センタ側磁気ディス
ク制御装置に通知することができる(請求項4)。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本発明の一実施形態としての磁気
ディスク制御装置によるリモート転送方法が適用される
システムは、図8に示したものと同様であり、本実施形
態における磁気ディスク制御装置つまりリモートFCU
10A,10Bは、図9に示したものと同様であるの
で、これらのシステムやリモートFCU10A,10B
についての詳細な説明は省略する。図中、既述の符号と
同一の符号は同一もしくは同様の部分を示しているの
で、その説明は省略する。
【0031】まず、図1および図2を参照しながら、本
発明の一実施形態としてのリモート転送方法の基本的な
原理と動作とについて説明する。なお、図1は本実施形
態のリモート転送方法を説明するための図、図2は本実
施形態のリモート転送方法の作用を説明するための図で
ある。本実施形態では、正センタ1A側において、リモ
ートFCU10Aが、ホスト2AからR0(Record 0;
8バイト)のデータ部(R0D)を更新するI/Oを受
けると、副センタ1B側のリモートFCU10Bへ転送
すべきR0Dを、図1に示すように、データパケットP
0から抽出し、転送データの他部(WRITEデータ)を転送
するためのデータパケットPxを成すヘッダ部Hの空き
領域に格納してから、そのデータパケットPxを副セン
タ1B側のリモートFCU10Bへ転送する機能を有し
ている。
【0032】このようなリモートFCU10Aによるリ
モート転送方法では、従来、データパケットP0により
正センタ側リモートFCU10Aから副センタ側リモー
トFCU10Bへ転送されていたR0Dが、図1に示す
ように、他のデータパケットPxを成すヘッダ部Hの空
き領域に格納されて転送される。従って、図2に示すよ
うに、従来、R0のデータ部のみを転送するために作成
されていたデータパケットP0が不要になり、転送すべ
きデータパケットの数をn+1個からn個に減らすこと
が可能になる。
【0033】このとき、本実施形態では、R0Dのみを
転送しR0のカウント部(R0C)やHAを副センタ1
B側のリモートFCU10Bに転送しないので、副セン
タ1B側のリモートFCU10Bには、これらのR0C
やHAを作成するための機能が追加されている。また、
本実施形態では、正センタ1A側のリモートFCU10
AにおけるCA11が、R0Dの更新を伴うI/Oをホ
スト2Aから受領した場合(ヘッダ部Hに格納して転送
すべきデータであるR0Dを取り扱う場合)、その旨を
示すフラグF1をTS13のTCB上に設定する機能を
有している。これにより、正センタ1A側のリモートF
CU10Aを構成するモジュール(特にRA14)に対
し、R0Dが転送対象になっていることが通知できるよ
うになっている。
【0034】さらに、本実施形態では、正センタ1A側
のリモートFCU10AにおけるRA14が、データパ
ケットPxのヘッダ部HにR0Dが格納されている旨を
示すフラグF2をデータパケットPxのヘッダ部Hに設
定する機能を有している。これにより、データパケット
Pxのヘッダ部HにR0Dが格納されていることを副セ
ンタ1B側のリモートFCU10Bに通知できるように
なっている。
【0035】つまり、フラグF1は、CA11がRA1
4に対してR0Dが転送対象であるか否かを明確にする
ためにTS13のTCB上に設定されるもので、フラグ
F1がオンの時、R0Dが転送対象になっている状態で
あり、フラグF1がオフの時、R0Dが転送対象になっ
ていない状態である。また、フラグF2は、正センタ1
A側のRA14が副センタ1B側のRA14に対してR
0DがデータパケットPxのヘッダ部Hに格納されてい
ることを明確にするためにデータパケットPxのヘッダ
部Hに設定されるもので、フラグF2がオンの時、R0
DがデータパケットPxのヘッダ部Hに格納されている
状態であり、フラグF2がオフの時、R0Dがデータパ
ケットPxのヘッダ部Hに格納されていない状態であ
る。
【0036】なお、上述した本実施形態の特徴的な機能
/構成は、いずれも、従来から用いられているリモート
転送を実現するためのファームウェア(プログラム)
に、若干の変更を施すことによって容易に実現される。
次に、本実施形態において行なわれるリモート転送方法
の手順について、図3〜図6を参照しながら説明する。
【0037】なお、図3は、正センタ1A側のリモート
FCU10Aによるリモート転送方法の手順(リモート
FCU10Aの動作)を説明するためのシーケンス図、
図4および図5は、いずれも、正センタ1A側のリモー
トFCU10Aによるリモート転送方法の手順(リモー
トFCU10Aの動作)を説明するためのフローチャー
ト(ステップS11〜S29)、図6は、副センタ1B
側のリモートFCU10Bによるリモート転送方法の手
順(リモートFCU10Bの動作)を説明するためのフ
ローチャート(ステップS31〜S36)である。ただ
し、図3には、R0Dを更新すべくこのR0Dを正セン
タ1Aから副センタ1Bへ転送する際の手順が図示され
ている。
【0038】まず、図3〜図5を参照しながら、正セン
タ1A側のリモートFCU10Aの動作について説明す
る。ホスト2AからリモートFCU10Aに対してR0
DおよびRN(R0以外のレコード指定)の更新を行な
うためのI/O(SIO:Start I/O)が発行されると
(図3の矢印A11参照/図4のステップS11)、C
A11は、CA11自体の内部バッファ上にTCBを作
成する(図4のステップS12)。
【0039】この後、CA11は、チャネル(CH)から送
られてきたトラックデータをSS16に確保したキャッ
シュメモリ(Cache)16a上に書き込む(図3の矢印A
12参照/図4のステップS13)。そして、CA11
は、ホスト2AからのSIOがR0Dを更新対象として
いるか否かを判断する(図4のステップS14)。R0
Dを更新対象としない場合(NOルート)、ステップS
16へ移行する一方、R0Dを更新対象とする場合(Y
ESルート)、内部バッファ上のTCBにおいて、その
旨(つまりヘッダ部Hに格納して転送すべきデータであ
るR0Dを取り扱う旨)を示すフラグF1をオンに設定
する(図4のステップS15)。また、CA11は、内
部バッファ上のTCBをTS13上に書き込むことによ
り、TS13上にTCBを作成する(図3の矢印A13
参照/図4のステップS16)。RA14は、TS13
上に作成されたTCBを参照することによりリモート転
送を行なう旨を認識することになる。
【0040】1トラック分のデータのキャッシュメモリ
16aへの書込およびTCBの作成を完了すると、CA
11は、RM12に対して、RA14への転送を開始す
るように促し(図3の矢印A14参照/図4のステップ
S17)、これを受けたRM12は、RA14に対して
転送のスタート指示を出す(図3の矢印A15参照/図
4のステップS18)。
【0041】スタート指示を受けたRA14は、TS1
3からTCBを読み込み(図5のステップS19)、T
CBからリモート転送を行なうことを認識するととも
に、TCBにおけるフラグF1がオンか否かを判断する
(図5のステップS20)。フラグF1がオンでない場
合(NOルート)、ステップS22へ移行する一方、フ
ラグF1がオンである場合(YESルート)、RA14
は、キャッシュメモリ16aからR0Dを読み出し、R
A14自体の内部バッファに取り込んでおく(図3の矢
印A16参照/図5のステップS21)。
【0042】ついで、RA14は、キャッシュメモリ1
6aからDB1を読み込み(図5のステップS22)、
そのDB1にヘッダ部Hを付加してデータパケットP1
を作成した後(図5のステップS23)、TCB上のフ
ラグF1がオンか否かを再度判断する(図5のステップ
S24)。フラグF1がオンでない場合(NOルー
ト)、ステップS28へ移行する一方、フラグF1がオ
ンである場合(YESルート)、RA14は、DB1を
転送するデータパケットP1におけるヘッダ部Hの空き
領域にR0Dを格納するとともに(図5のステップS2
5)、そのヘッダ部Hにおいて、R0Dが格納されてい
る旨を示すフラグF2をオンに設定する(図5のステッ
プS26)。そして、RA14は、TCB上のフラグF
1をオフに設定した後(図5のステップS27)、デー
タパケットP1を副センタ1B側のリモートFCU10
BにおけるRA14へ転送する(図3の矢印A17,A
17′参照/図5のステップS28)。
【0043】これ以降、RA14は、キャッシュメモリ
16aから次のDB2を読み込み(図5のステップS2
2)、そのDB2にヘッダ部Hを付加してデータパケッ
トP2を作成した後(図5のステップS23)、TCB
上のフラグF1がオンか否かを判断する(図5のステッ
プS24)。DB2〜DBnを転送する時点ではフラグ
F1はステップS27において設定されているので、ス
テップS24での判定は常にNOとなり、ステップS2
3で作成されたデータパケットP2がそのまま副センタ
1B側のリモートFCU10BにおけるRA14へ転送
される(図3の矢印A18,A18′参照/図5のステ
ップS28)。
【0044】このようなステップS22〜S24および
S28による処理は、RA14によってパケットを全部
送ったものと判定されるまで(即ち、ステップS29で
YES判定となるまで)、繰り返し行なわれ、最後のデ
ータブロックDBnが副センタ1Bへ転送されると(矢
印A19,A19′参照/図5のステップS29からY
ESルート)、リモート転送処理を終了する。
【0045】上述のようにして正センタ1A側から転送
されてくるデータパケットを受信する副センタ1B側の
リモートFCU10Bの動作について、図6を参照しな
がら説明する。副センタ1B側において、リモートFC
U10BのRA14は、正センタ1A側のリモートFC
U10Aからデータパケットが一つ届くと(ステップS
31)、そのデータパケット(P1)のヘッダ部Hにお
けるフラグF2がオンであるか否かを判断する(ステッ
プS32)。
【0046】フラグF2がオンである場合(YESルー
ト)、そのデータパケットのヘッダ部HにはR0Dが格
納されているので、ステップ33へ移行し、RA14
は、ヘッダ部HからR0Dを取り出し、DB0を作成す
る。このとき、RA14は、そのR0Dに対応するHA
やR0Cを自身で作成する。そして、作成されたDB0
とデータパケットP1のデータ部分DB1とをデータブ
ロックとしてキャッシュメモリ16aに書き込む(ステ
ップS35)。
【0047】一方、フラグF2がオンでない場合(ステ
ップS32NOルート)、受信したデータパケットのデ
ータ部分(DB2〜DBn)をデータブロックとして1
6aに書き込む(ステップS35)。本実施形態では、
データパケットP1のヘッダ部HにR0Dが格納されて
転送されるので、データパケットP2以降のものについ
ては、ステップS32での判定は常にNOとなる。そし
て、ステップS31,S32およびS35による処理
は、RA14によって受信したパケットがラストパケッ
トPnであると判定されるまで(即ち、ステップS36
でYES判定となるまで)、繰り返し行なわれ、最後の
データパケットPnに対する処理を終了すると(ステッ
プS36からYESルート)、処理を終了する。
【0048】このようにして、副センタ1B側のリモー
トFCU10Bでは、データパケットP1〜Pnが、1
つのトラックの形態に復元され、SS16に確保された
キャッシュメモリ16a内に書き込まれ、そのトラック
は、キャッシュメモリ16aから磁気ディスク装置4B
に書き込まれることになる。このように、本発明の一実
施形態としてのリモート転送方法によれば、R0Dが転
送対象になった時、そのR0Dを他のデータパケットの
ヘッダ部Hの空き領域にのせて転送することにより、1
パケット分転送しなくて済むようになる。つまり、R0
Dのみを転送するためのデータパケットを作成する必要
がなくなり、転送すべきデータパケットの数を削減でき
る(本実施形態では1個だけ削減される)。従って、R
0(Record 0)等の小さいデータを効率よく転送でき、
リモート転送に要する時間を短縮することができる。
【0049】また、正センタ1A側のリモートFCU1
0AにおけるTS13上のTCBに設定されるフラグF
1により、リモートFCU10Aを構成するモジュール
(特にRA14)に対し、R0Dが転送対象になってい
ることを通知できるので、RA14は、そのフラグF1
を参照することにより、転送対象のデータをデータ部に
書き込むかヘッダ部Hに書き込むかを直ちに認識して、
その格納手法に応じた処理を迅速に行なうことができ
る。
【0050】さらに、データパケットのヘッダ部Hに設
定されるフラグF2により、そのデータパケットのヘッ
ダ部HにR0Dが格納されていることを副センタ1B側
のリモートFCU10Bに通知できるので、リモートF
CU10BのRA14は、そのフラグF2を参照するこ
とにより、通常のデータ部以外に、ヘッダ部Hに転送デ
ータ(R0D)が書き込まれているか否かを直ちに認識
して、その格納状態に応じた処理を迅速に行なうことが
できる。
【0051】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。例えば、上述した実
施形態では、最初のデータブロック(DB1)を転送す
るためのデータパケットP1のヘッダ部HにR0Dを格
納しているが、これに限定されるものではなく、適当な
大きさの空き領域を有するヘッダ部であれば、2番目以
降の他のデータパケットのヘッダ部に格納してもよい。
【0052】また、上述した実施形態では、副センタ1
B側のリモートFCU10Bへ転送すべき転送データの
一部が8バイトのR0Dである場合について説明してい
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、データ
パケットを成すヘッダ部の空き領域に格納可能な大きさ
のデータであれば、上述と同様にして、データパケット
を特別に作成することなく副センタ1B側のリモートF
CU10Bへ転送することが可能であり、その場合も、
上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の磁気ディ
スク制御装置によるリモート転送方法(請求項1〜4)
によれば、従来、データパケットにより正センタ側磁気
ディスク制御装置から副センタ側磁気ディスク制御装置
へ転送されていた転送データの一部が、転送データの他
部を転送するためのデータパケットを成すヘッダ部の空
き領域に格納されるので、その転送データの一部(例え
ばR0のデータ部)のみを転送するためのデータパケッ
トが作成する必要がなくなり、転送すべきデータパケッ
トの数を削減できる。従って、R0(Record 0)等の小
さいデータを効率よく転送でき、リモート転送に要する
時間が短縮されるという効果がある。
【0054】なお、正センタ側磁気ディスク制御装置内
に設定されるフラグにより、正センタ側磁気ディスク制
御装置を構成するモジュールに対し、ヘッダ部に格納す
べきデータが転送対象になっていることを通知できるの
で、モジュールは、そのフラグを参照することにより、
転送対象のデータの格納手法を直ちに認識して、その格
納手法に応じた処理を迅速に行なうことができる(請求
項3)。
【0055】また、データパケットに設定されるフラグ
により、そのデータパケットのヘッダ部に転送データの
一部が格納されていることを副センタ側磁気ディスク制
御装置に通知できるので、副センタ側磁気ディスク制御
装置は、そのフラグを参照することにより、転送データ
の格納状態を直ちに認識して、その格納状態に応じた処
理を迅速に行なうことができる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法を説明するための図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法の作用を説明するための図
である。
【図3】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法の手順(正センタ側磁気デ
ィスク制御装置の動作)を説明するためのシーケンス図
である。
【図4】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法の手順(正センタ側磁気デ
ィスク制御装置の動作)を説明するためのフローチャー
トである。
【図5】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法の手順(正センタ側磁気デ
ィスク制御装置の動作)を説明するためのフローチャー
トである。
【図6】本発明の一実施形態としての磁気ディスク制御
装置によるリモート転送方法の手順(副センタ側磁気デ
ィスク制御装置の動作)を説明するためのフローチャー
トである。
【図7】本来の業務を行なう正センタとバックアップ用
の副センタとをそなえたシステムの従来構成を示すブロ
ック図である。
【図8】正センタおよび副センタにおけるリモートFC
U間を通信回線により接続したシステムの一般的構成の
一例を示すブロック図である。
【図9】一般的なリモートFCUの構成を示すブロック
図である。
【図10】トラックフォーマットを説明するための図で
ある。
【図11】キャッシュメモリ上でのトラックの構成を説
明するための図である。
【図12】データパケットの形態(フォーマット)を示
す図である。
【図13】一般的なリモートFCUによるリモート転送
手順(正センタから副センタへのデータ転送手順)を説
明するためのブロック図である。
【図14】一般的なリモートFCUによるリモート転送
手順(正センタから副センタへのデータ転送手順)を説
明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
1A 正センタ(業務システム) 1B 副センタ(バックアップシステム) 2A 正センタ側ホスト(CPU) 2B 副センタ側ホスト(CPU) 4A 正センタ側磁気ディスク装置(ボリューム) 4B 副センタ側磁気ディスク装置(ボリューム) 6 通信回線 10A 正センタ側リモートFCU(正センタ側磁気デ
ィスク制御装置) 10B 副センタ側リモートFCU(副センタ側磁気デ
ィスク制御装置) 11 CA(Channel Adapter) 12 RM(Resource Manager) 13 TS(Table Storage) 14 RA(Remote Adapter) 15 CFE(Cache Function Engine) 16 SS(Shared Storage) 16a キャッシュメモリ 17 DA(Device Adapter) 18 C−BUS(Control-BUS)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/06 - 3/08 G06F 13/10 - 13/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク装置と該磁気ディスク装置
    を制御する磁気ディスク制御装置とを有する正センタお
    よび副センタをそなえ、該正センタ側磁気ディスク制御
    装置と該副センタ側磁気ディスク制御装置との間を通信
    回線により接続してなるシステムにおいて、該正センタ
    側磁気ディスク制御装置から該副センタ側磁気ディスク
    制御装置へデータ転送を行なうためのリモート転送方法
    であって、 該正センタ側磁気ディスク制御装置から該副センタ側磁
    気ディスク制御装置へ転送すべき転送データの一部を、
    前記転送データの他部を転送するためのデータパケット
    を成すヘッダ部の空き領域に格納してから、 該データパケットを該正センタ側磁気ディスク制御装置
    から該副センタ側磁気ディスク制御装置へ転送すること
    を特徴とする、磁気ディスク制御装置によるリモート転
    送方法。
  2. 【請求項2】 前記転送データの一部がR0(Record
    0)のデータ部であることを特徴とする、請求項1記載
    の磁気ディスク制御装置によるリモート転送方法。
  3. 【請求項3】 該正センタ側磁気ディスク制御装置内に
    おいて、前記転送データの一部として前記ヘッダ部に格
    納して転送すべきデータを取り扱う旨を示すフラグを設
    定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記
    載の磁気ディスク制御装置によるリモート転送方法。
  4. 【請求項4】 前記ヘッダ部に前記転送データの一部が
    格納されている旨を示すフラグを該データパケットに設
    定することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の磁気ディスク制御装置によるリモート転送方
    法。
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KR0128271B1 (ko) * 1994-02-22 1998-04-15 윌리암 티. 엘리스 재해회복을 위한 일관성 그룹 형성방법 및 레코드갱싱의 섀도잉 방법, 주시스템, 원격데이타 섀도잉 시스템과 비동기 원격데이타 복제 시스템

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