JP3470946B2 - 可変遅延回路 - Google Patents

可変遅延回路

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JP3470946B2
JP3470946B2 JP25120698A JP25120698A JP3470946B2 JP 3470946 B2 JP3470946 B2 JP 3470946B2 JP 25120698 A JP25120698 A JP 25120698A JP 25120698 A JP25120698 A JP 25120698A JP 3470946 B2 JP3470946 B2 JP 3470946B2
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マルボ ロラン
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エステーミクロエレクトロニクス ソシエテ アノニム
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K5/00Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
    • H03K5/13Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals
    • H03K5/133Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals using a chain of active delay devices

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Pulse Circuits (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は可変遅延回路であっ
て、その遅れが遅延命令の関数として調整可能である可
変遅延回路に関するものである。この遅延命令は変数の
形をとることができる。
【0002】
【従来の技術】可変遅延回路の用途は非常に多い。これ
ら遅延回路は例えば2つの論理信号間の位相の調整に用
いられる。この場合、2つの信号のうち1つは遅延回路
の入力に供給される。遅延回路の遅れの調整はこれら2
つの論理信号間の補償すべき位相のずれの測定によって
制御される。
【0003】位相同期ループはこの場合アナログまたは
デジタル設定信号によって設定することができる。信号
の伝送による妨害および減衰の影響を受け難いため、大
抵はデジタル法が好ましい。さらに、集積回路の形態の
実施例の場合は、このデジタル法は製造上のばらつきの
影響を受け難い。
【0004】デジタル制御された遅延回路の第1に知ら
れている作製方法は、一連の基本ゲート、例えばインバ
ータ型のものの使用することからなる。全てのゲートは
デジタル制御された相互接続システムと組み合わされて
おり、このシステムはカスケード接続する基本ゲートの
個数を変えることができる。しかし、このような回路の
用途は、遅れの設定の精度を基本ゲート固有の遅れの精
度より高くする必要がない場合に制限される。
【0005】別の知られている方法は、抵抗/キャパシ
タ型回路の使用することからなる。この回路では、抵抗
はデジタルコマンドの関数として互いに並列接続された
複数の基本抵抗素子からなる。この場合、遅れは回路の
時定数によって固定される。全ての基本抵抗素子が同じ
値を有する場合は、得られる遅れはこの場合選択された
抵抗素子の数に反比例する。ここで、設定範囲を通して
一定の設定精度を得るために、設定した数値変数に遅れ
をリンクする関数をできる限り線形関数に近づける必要
がある。したがって、上記の方法によって得られるレス
ポンスは双曲線型であるため、線型関数からほど遠い。
レスポンスを線型に近づけるためにはこの場合基本抵抗
素子のサイズを、かなり精密に全て互いに異なる値に決
める必要がある。しかし、集積回路の場合この結果を得
るのは極めて困難である。さらに、位相を調整しなけれ
ばならない各信号ごとにこのような回路を設ける必要が
ある。
【0006】例えば遅延回路が、"Circuit verrouille
en phase et multiplieur de frequence en resultant"
(フェーズロック回路およびそれから得られる周波数逓
倍器)と題された、1991年1月30日出願、公開第0,441,
684号の欧州特許出願に記載の型のフェーズロック回路
に用いられるように設計される場合、この回路に必要な
空間のためおよび製造上のばらつきの影響を受けやすい
ために、上記の方法では十分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高精
度の設定と同時に、相当の時間間隔において、一定の設
定精度に近づけるために遅延命令の関数である遅れの線
型的なレスポンスを十分な近似で保証する遅延回路を提
供することにある。
【0008】"Circuit a retard variable"(可変遅延
回路)と題された、フランス国特許第2,690,022号で
は、遅延命令の関数である遅れの線型的なレスポンスを
提供する可変遅延回路が示されている。しかし、ここで
提供される遅れの範囲の幅は技術的に十分なものではな
い。
【0009】この問題に応えて、"Procede et disposit
if de reglage de retard a plusieurs gammes"(複数
の範囲を有する遅れを設定するための方法と装置)と題
された、フランス特許第2,689,339号では、多数の範囲
の概念を扱っている。しかし、実際には、遅延命令の関
数である遅れの線型性に問題が見られる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の回路の目的は、
入力信号に対して遅れを有する出力信号を出力する遅延
回路にある。この出力信号は遅延命令の関数として調整
することができる。本発明の遅延回路は主回路と、結合
回路と、整形回路とを備えている。主回路は入力回路の
出力を受け、両者の間に固定された一定の遅延がある2
つの中間信号を出力する。結合回路は2つの入力と、命
令を表す制御変数を受ける1つの制御入力とを有する。
【0011】これら中間信号は結合回路の2つの入力に
印加される。結合回路は出力で結合信号を出力する。こ
の結合信号はその入力に印加される中間信号を、重み付
けおよび積分して、重畳させることによって得られる。
結合信号の重み付けは結合回路の入力における各信号
を、重み係数で重み付けすることで構成されている。重
み係数の値は制御変数の関数である。
【0012】結合回路によって出力される結合信号は整
形回路の入力に印加される。整形回路は閾値効果を有す
る。結合信号が積分効果によって特定の閾値に達すると
き、整形回路は出力信号を出力する。
【0013】したがって、入力信号に対する出力信号の
有効な遅れは結合信号のレベルに依存する。結合信号の
最大および最小の振幅は遅延命令から独立しているのが
望ましい。そのために、2つの重み係数の合計は一定で
ある。
【0014】実際には、結合回路への積分は積分回路ま
たは時定数回路によって生成され、積分回路または時定
数回路は結合信号の極値のレベルを規定する飽和効果を
常に有している。遷移時間は、中間信号に関係する重み
係数のうちの1つがゼロであるとき、結合信号が線型ま
たは準線型関数に従って変化する時間と定義される。
【0015】遷移時間より短い、固定された一定の遅延
を検出するということは、入力信号に対する出力信号の
遅れが重み係数の関数として不連続性を全く持たないこ
とを保証することである。遅延命令の関数である遅延の
変化が設定範囲を通して命令値の事実上の線型関数に従
って変化できるように、一定の遅延を有する結合回路お
よび/または主回路は、この一定の遅延が遷移時間の半
分になるように設計することができる。
【0016】上述のフランス国特許第2,690,022号に記
載の回路において、遅れの範囲の幅の拡大を妨げるの
は、固定された遅延と遷移時間とをリンクするこの制約
である。実際に、遅れの範囲は固定された遅延回路によ
って規定される。ここで、この一定の遅延を増加させる
と、遷移時間の半分に等しい一定の遅延を定義する条件
に対するレスポンスはもはや存在しない。この条件は入
力命令に対する出力信号の遅れの線型性を保証するもの
である。この問題を解決するために、上記特許第2,689,
339号は主回路を変更している。この発明では一連のカ
スケード接続された遅延回路が設定されている。これら
のカスケード接続された遅延回路の出力はマルチプレク
サに接続されている。このマルチプレクサは、両者の間
に固定された一定の遅延を(前例と同様に)有し且つ共
に入力信号に対する基本的な遅延を有する一対の信号を
中間信号として選択する際に用いられる。この場合、こ
の範囲が変化すると、技術的な要因による遅延のギャッ
プまたは不連続性が観察される。不連続性が負の場合、
サーボ制御配列では許容値に平衡する設定を見つけだす
ことができない。この発明では、この問題は結合回路を
変更することによって解決し、実際に、全範囲を探索す
ることができる。
【0017】本発明によるならば、入力信号に対して、
遅延命令の関数として調整可能である遅れを有する出力
信号を出力する遅延回路であって、上記入力信号を受け
て、第1の中間信号と、その第1の中間信号に対して一
定の固定遅延を有する第2の中間信号とを出力する一次
回路と、上記第1の中間信号および上記第2の中間信号
を受けて、上記第1の中間信号および上記第2の中間信
号に対して、制御変数の関数である重み付けをした上で
結合して得られる結合信号を出力する二入力結合回路
と、上記結合信号を受けて、閾値に基づいて整形した出
力信号を出力する整形回路とを備え、上記一次回路が、
直列接続された1組のバッファによって形成され、各バ
ッファがその入力に供給された信号を遅延させて遅延信
号として出力し、それらバッファの出力では少なくとも
第1および第2の遅延信号が得られ、上記入力信号およ
び上記少なくとも第1および第2の遅延信号が第1マル
チプレクサおよび第2マルチプレクサの入力に印加さ
れ、これら第1マルチプレクサおよび第2マルチプレク
サから上記第1の中間信号および上記第2の中間信号が
出力され、上記結合回路が、遅延命令を表す制御変数を
受ける制御入力と、コモンラインと第1の電位との間に
接続されたキャパシタと、各々上記コモンラインを介し
て上記キャパシタを充電および放電する第1のモジュー
ルおよび第2のモジュールとを備え、上記第1のモジュ
ールは上記第1の中間信号によって制御され、上記第2
のモジュールは上記第2の中間信号によって制御され、
上記コモンラインから上記結合信号が出力され、上記第
1のモジュールおよび上記第2のモジュールの各々は、
上記第1の中間信号および上記第2の中間信号によって
制御されて上記コモンラインを介して上記キャパシタを
それぞれ充電および放電する放電回路および充電回路を
備え、上記第1のモジュールおよび上記第2のモジュー
ルの各々の上記放電回路は、並列接続された1つの可変
抵抗と1つの固定抵抗とを介して上記コモンラインを上
記第1の電位に選択的に接続するスイッチを有してお
り、上記第1のモジュールおよび上記第2のモジュール
の各々の上記充電回路は、並列接続された1つの可変抵
抗と1つの固定抵抗とを介して上記コモンラインを第2
の電位に選択的に接続するスイッチを有しており、上記
放電回路および上記充電回路のそれぞれの上記スイッチ
は、上記第1の中間信号および上記第2の中間信号によ
って制御されることを特徴とする遅延回路が提供され
る。
【0018】本発明の対象はさらに、CMOS技術を使
用できるように特に設計された実施例である。この実施
例並びに本発明の他の観点および利点は添付図面を参照
した以下の説明からより良く理解できよう。下記実施例
は単に参考として挙げたものであって、本発明の範囲を
限定するものではない。
【0019】
【実施例】本発明の遅延回路は図1の概略図で示されて
いる。本発明の遅延回路は固定された一定の遅延を有す
る一次回路D1を備えている。回路D1は入力信号e0
を受けて出力において第1および第2中間信号m0およ
びm1を出力する。
【0020】信号m0およびm1はそれらの間に固定さ
れた一定の遅延Tがある。信号m0およびm1はそれぞ
れ結合回路Cの入力XおよびYに印加され、この結合回
路Cは結合信号fKを出力する。結合回路Cは制御入力
CDを有し、制御入力CDはこの回路Cによって実施さ
れる結合の重み係数を表すコマンドKを受ける。このコ
マンドKは遅延命令CNの関数である。
【0021】結合信号FKは整形回路Fの入力に印加さ
れ、この整形回路Fは出力信号SKを出力する。以下の
説明では分かりやすいように、関連する信号の標準化さ
れた値に基づいて推論し、信号m0およびm1に割り当
てられた重み係数がそれぞれ値Kおよび値1−K(Kは
0から1)であると仮定することにする。したがって、
回路CはgKからFKを得るのに要する時間に対する積
分を用いて結合
【式1】gK=K×m0+(1−K)×m1 を得るように設計されている。
【0022】信号e0は第1バッファT1の入力でもあ
る回路の入力Eに印加される。図示した好ましい実施例
では、3個の同一のバッファT1、T2およびT3が直
列接続されている。これらは固定された一定の遅延を信
号e0にシリアルに導入するために用いられる。一定の
遅延は全てTに等しく、信号e0はT、2T、3T等の
遅れを生じさせるのが好ましい。しかし、この遅延は互
いに相違させることができる。信号r1はバッファT1
の出力に、信号r2はバッファT2の出力に、信号r3
バッファT3の出力に発せられる。第1のバッファ
入力は第1のマルチプレクサMUX0の2つの入力のう
ちの1つに接続されている。バッファT2の出力はこの
マルチプレクサMUX0の他方の入力に接続されてい
る。バッファT1およびT3の出力は第2マルチプレク
サMUX1の2つの入力に接続されている。マルチプレ
クサMUX0およびMUX1の出力は結合回路Cの入力
に接続され、遅れの補間が行われる。結合回路の出力信
号fKは整形回路Fに入力される。結合回路は2つのモ
ジュールU0およびU1で構成されている。補間は信号
e0と信号r1との間、または信号r2と信号r1との
間、または信号r2と信号r3との間で得ることができ
る。これら3つの組み合わせは、それぞれの信号間に等
しい一定の遅れTを有する組み合わせのみである。これ
ら3つの組み合わせ信号を結合回路の入力に送信するこ
とによって、一定の範囲の遅れが得られることは確かで
ある。信号e0と信号r3との組み合わせは結合回路の
入力に印加されることはない。これは、この2つの信号
間の遅れがあまりに大きく、上述の線型性の条件に合わ
ないことによる。
【0023】このようにして、複数の範囲の遅れを次々
に配することができる。これらの範囲の順番は、0から
Tの範囲で可変の遅れを発生させるために第1の組み合
わせe0r1を用い、TからT2の範囲で可変の遅れを
発生させるために第2の組み合わせr1r2を用い、2
Tから3Tの範囲で可変の遅れを発生させるために第3
の組み合わせr2r3を用い、同様にして、使用する
ッファの数およびマルチプレクサの容量で決まるが、こ
れらが本発明の遅延回路の遅れの動的な範囲の合計(tot
al dynamic range)を調整している。
【0024】図2から図9に示す曲線を用いて図1の回
路の動作を説明する。これらの曲線は、Tより長い時間
T’である一定の遅れを有する単純な回路D1を導入し
て遅れの範囲を直接増加させることを行わなかった理由
を説明している。これらの曲線は、まず最初に、信号m
0と信号m1との間の固定された一定の遅れTと遷移時
間tmとを比較して、結合信号FKおよび出力信号sK
の性質を説明する。遷移時間tmは、結合回路が信号F
Kの値をKが0または1のときに最小値から飽和する値
にする時間である。さらに、これらの図は、一定の遅れ
Tは固定されていると仮定した場合の、遷移時間tmの
異なる値に関して係数Kの関数である遅れtKの変化を
示す。
【0025】Tがtm/2からtmである場合を図2お
よび図3に示す。図2(a)に示すタイミング図は結合
回路Cの入力XおよびYに印加された信号m0およびm
1を示している。信号m0は論理信号であるため、第1
レベルと第2レベルとの間に急勾配の遷移エッジを有
し、それより大幅に遅れて、信号m0をその第1レベル
に復元する別のエッジ(図示せず)が続く。立ち下がり
エッジ(トレーリングエッジ)は遅延することが求めら
れる信号R0のパルスの終わりを表す。このパルスの期
間はT、2T、3T等と比較して長い。遅延信号m1は
m0と等しい信号として示されているが、回路D1によ
って規定された遅れTの分だけ遅延されたものである。
実際には、信号m0のエッジは、信号m0が結合回路C
の閾値S1に達する瞬間に結合回路Cに利用されてい
る。一般に、閾値S1は信号m0の最小レベルと最大レ
ベルとの平均レベルに対応する。これは信号m1につい
ても同様である。閾値が平均レベルに設定される場合
は、これらの信号m0およびm1は示された形とは異な
る形であってもよい。遅れTは、信号m0が閾値に達す
る瞬間と信号m1が閾値に達する瞬間との間の時間(時
間差)と定義される。
【0026】図2(b)のタイミング図は重み係数Kの
各値に関する結合信号FKを表している。当然、示され
た信号の形は実回路で得ること可能な信号を単純化して
表現している。しかしながら、この表現は現実からかけ
離れてはいないことは注意する必要がある。特に、飽和
の定常レベルは常に見られる。これは曲線F1(K=
1)ではt=tmから、他の曲線ではt=tm+Tで見
られる。パルスの積分値はいかなる場合でも最終的に
は、電源電位の値に制限される。整形回路Fでは、信号
FKは閾値S2と比較され、閾値S2は信号FKの最小
レベルと最大レベルとの平均レベルにあるのが好まし
い。比較器が切り替わるとき、信号e0に対して遅れる
ことが求められていた出力信号が生成される。
【0027】信号F1はKが1、すなわち信号m1に印
加された重み係数がゼロである場合に対応する。信号F
1は台形の形を有し、立ち上がりエッジ(リーディング
エッジ)は信号m0が閾値S1に達する瞬間に対応する
瞬間ゼロから始まる。信号F1は飽和レベルに達する瞬
間tmまで線型に増加し、定数の積分はアフィン関数(f
onction affine)である。
【0028】信号F0は信号m0に印加された重み係数
Kがゼロである場合に対応する。この信号F0は信号F
1を遅れTだけ後に再生するものである。これら2つの
極限の場合以外の重み係数に関しては、結合信号は曲線
FK1およびFK2によって示される形を有する。結合
信号を表す曲線はこの場合3つの異なる部分Pa1、P
a2、Pa3を有する。部分Pa1は、信号m1が閾値
S1に達するまでの時間に対応する。信号Fkiはこの
場合信号m0に対してのみ正比例する。Fkiを表す曲
線の部分Pa3は、信号F1が飽和に達するときに始ま
る時間に対応する。信号Fkiはこの場合信号m1に対
してのみ正比例する。部分Pa2は、信号m1が閾値に
達してから信号F1が飽和に達するまでの時間に対応す
る。信号F1およびF0はそれぞれ瞬間t1およびt0
で閾値S2に達し、一方、信号FKiは瞬間Θiでこの
閾値に達する。t1とt0との間の差は遅れTに等し
い。したがって、入力信号に対する結合信号のそれぞれ
の最小および最大の遅延は、それぞれt1からt0の間
に含まれる。その結果、一般に得られる遅れはt1から
t1+Tの範囲の値Θを有することになる。
【0029】図2(c)のタイミング図は、図2(b)
のタイミング図に示された3つの場合のそれぞれにおけ
る整形回路Fの出力信号を表している。すなわち、信号
S1およびS0はそれぞれ瞬間t1およびt0で1つの
エッジを有する。所定の係数Kに関しては、出力信号S
Kは信号S1に対して値TKの分だけ遅延されたエッジ
を有することになり、この場合、値TKは0からTの範
囲の値で、すなわちm0に対してt1+Tとなる。
【0030】図3は0から第1の値K1の範囲のKに関
して、TKはTからtm/2の範囲で正弦曲線で変化す
ることを示している。この第1の値K1はtmに等しい
遅れΘと一致するm1の係数しての1−Kに対応する。
0からK1の範囲のKに関して、得られた値Θは遅れの
特性であり、実際に曲線FKの部分Pa3と水平部分と
の間で測定される角α2の余弦につれて変化する。これ
は例えば、曲線部分Pa3を含む直線の式を確立し、K
1が1−tm/2Tに等しいという計算をして容易に証
明することができる。
【0031】同様に、K2から1の範囲のKに関して、
得られた値Θは遅れの特性であり、曲線FKの部分Pa
1と水平部分との間で測定される角α1の余弦につれて
変化する。K1の計算と同じ方法で、K2=tm/2T
を計算することができる。K1とK2との間で、曲線F
Kの部分Pa2はF1およびF0と平行である。実際に
これは2つの平行な直線の線型結合の結果であり、この
直線はF0およびF1を表す曲線を有している。したが
って、K1からK2の範囲のKに関して、遅れの値Θは
Kの線型関数の結果である。
【0032】図4および図5はTがtmである場合を表
している。この場合、上記の値K1およびK2は等し
く、Kの関数である遅れTKの直線部分はなくなってい
る。Kが変数であると仮定した場合、遅延関数TK’は
直線になることはない。
【0033】図6および図7はTがtmより大きい場合
を示している。この場合、信号fKの部分Pa2は水平
である。これは、部分Pa2が、この間水平であるF1
とF0との線型結合であることによる。Kが1/2の場
合は、信号fKのこの水平部分は遷移閾値S2のレベル
に位置している。遅れはこの場合完全には定義されな
い。遅れは図6(c)のタイミング図の間隔Zのどこか
の部分で、図7に示された、Kの関数である曲線TKの
そのレベルで不連続を生じる。
【0034】図8および図9はTがtm/2より小さい
場合を表している。この場合、閾値S2には曲線fK’
の部分Pa2でしか達することができず、このレスポン
スは図9に見られるように必ず直線である。
【0035】したがって、遅れΘが重み係数Kの関数と
してどのように変化するかは、主に上記のように定義し
た遷移時間tmおよび固定された一定の遅延Tに依存し
ている。遷移時間tmは入力信号e0に対する出力信号
sKの最小の遅れt1を定義する。完全な直線の場合
は、すでに考察した一例のように、この最小の遅れは遷
移時間の半分である。本発明では、この遅れ時間の問題
を解決するために、複数の直列接続した遅延回路を備え
ている。信号の結合e0r1,r1r2およびr2r3
の間に存在する遅れに関しては、tmより小さい値Tを
有するように選択するのが好ましい。しかし、これは必
須ではない。その場合、ある程度の直線性が失われるこ
ともある。
【0036】上記の分析によって、一次回路および結合
回路に与えるべき大きさに関するいくつかの結論を引き
出すことができる。まず、重み係数Kのしたがって遅延
命令の関数である遅れTKの全ての不連続性を防止する
ために、Tは好ましくはtmより小さくなければならな
い。第2に、Tがtm/2以下になると、遅れTKの線
型レスポンスはKの関数として得られる。したがって、
定数としてのtmに関しては、Tがtm/2であるとき
に線型レスポンスが得られることになり、しかも最大の
設定範囲が得られる。
【0037】固定された一定の遅延Tは遅れの設定範囲
を決定するものである。したがって、特定の範囲では、
tm=2Tを選択することによって線型レスポンスを常
に得ることができる。しかし、より短い遷移時間を選択
して、遷移時間tmに直接依存する最小の遅れt1を減
少させることが必要であろう。一般に、Tおよびtmの
選択は、最小の遅れと、遅れの設定範囲と、遅延命令に
対する遅れの線型性との間の妥協の結果である。
【0038】図10および図11はCMOS技術を利用
した、結合回路Cの概念的実施例に関するものである。
図10はCMOS実施例を容易に理解するために使用す
るその概略図である。図10の回路はコモンラインLの
第1の充電・放電モジュールU0および第2の充電・放
電モジュールU1を備えている。コモンラインLはキャ
パシタC1に接続されている。キャパシタC1はさらに
グラウンド、または別の定電位に接続される。この定電
位はVddにすることができ、回路の動作はこの場合逆
転される。コモンラインの電位は結合信号の測定結果と
なる。各モジュールU0、U1は充電回路PCと、放電
回路DCとを備えている。各充電回路PCは、モジュー
ルU0用に可変抵抗R0*を、モジュールU1用に可変
抵抗R1*を備え、さらにU0用にスイッチP0を、U
1用にスイッチP1を備えている。また、各放電回路D
Cは、モジュールU0用に可変抵抗R0を、モジュール
U1用に可変抵抗R1を備え、さらにU0用にスイッチ
N0を、U1用にスイッチN1を備えている。各スイッ
チは、ラインLと充電回路用の電源電位Vddおよび放
電回路用のVssとの間で、各スイッチに組み合わされ
抵抗の接続を制御する。ユニットU0およびU1のス
イッチは信号m0およびm1、並びにその相補信号m0
*およびm1*によってそれぞれ制御されている。
【0039】可変抵抗R0、R0*は重み係数Kに反比
例する値を取るように制御され、一方、ユニットU1の
可変抵抗R1、R1*は1−Kに反比例する値を取るよ
うに制御されている。ラインLの電位は結合信号fKの
電位となる。
【0040】図10の回路の動作を説明するために、ラ
インLは初期電位Vddで充電され、信号m0およびm
1の初期値はゼロであると仮定することにする。スイッ
チP0およびP1はこの場合閉じており、一方、N0お
よびN1は開いている。信号e0がアクティブになる
と、スイッチN0は閉じられ、スイッチP0は開く。回
路は、この場合、抵抗R0およびR1*を並列接続した
のと同じ値の抵抗とラインLのキャパシタとによって規
定された時定数を有する。R0およびR1*はそれぞれ
Kおよび1−Kに反比例しているため、時定数はKとは
独立している。ラインLはこの場合値Vddから値(1
−K)Vddまで、この時定数で放電される。この放電
はこのようにして、信号m1がアクティブになる時点ま
で継続する。そして、スイッチN1は閉じられ、スイッ
チP1は開く。ラインLはこの場合上記と同じ時定数で
ゼロへ向かう放電を継続する。信号m0が再度イナクテ
ィブになると、スイッチP0は閉じてスイッチN0は開
く。これはラインLを電圧K・Vddまで充電するため
の回路を設定する。m1が再度イナクティブになると、
初期状態に戻る。
【0041】図11は図10の回路に対応する詳細なC
MOS実施例を示している。図11はフランス国特許第
2,690,022号に記載の図2に従う。充電回路PCおよび
放電回路DCは、それぞれPチャネルおよびNチャネル
のMOSトランジスタによって構成されている。可変抵
R0,...,R1*は信号k0,...,kiとそ
の相補信号k0*,...,ki*とによって制御される
並列接続されたMOSトランジスタによって形成されて
いる。組み合わされるスイッチはMOSトランジスタの
ドレイン/ソースパスによって形成され、このトランジ
スタのゲートは関係する信号m0,m1を受ける。時定
数を定義する構造上のキャパシタンスはラインLに接続
されたアクティブなMOSトランジスタのドレイン/ゲ
ートキャパシタンスによる。
【0042】回路の設計上、結果として生じるキャパシ
タンスは一定に維持され、Kの値とは独立している。さ
らに、各充電または放電回路の可変抵抗を構成している
MOSトランジスタは、その抵抗が制御信号k
0,...,ki、k0*,...,ki*の重みに応じ
て2の累乗で変化するような大きさにすることができ
る。図11は入力にe0を受けるよう接続され、信号m
0およびm1を出力する一次回路D1を再度示してい
る。この図はさらにfKからsKへ変換する整形回路F
を示している。
【0043】m0が1であるとき、導通しているのは図
の最下部のトランジスタである。したがって、キャパシ
タC1は放電される。m0が0であるとき、導通してい
るのは図の最上部のトランジスタである。キャパシタC
1はこの場合充電される。
【0044】モジュールU0のコマンドが有効化される
と、すなわち全てのkiの値が1であり、m0が0であ
るとき、キャパシタンスC1は最小の遅れを伴って充電
される。この場合、設定時またはプログラミング時に値
kiを0にすることができる。kiの値は、課すべき遅
れが決定されると、変更されることはもはやなくなる。
したがって、必要に応じて徐々に、モジュールU1のブ
ランチは活性化される。キャパシタC1は充電され続け
るが、一定の遅れを伴っている。最後に、全てのコマン
ドkiが0であるとき、電流はモジュールU1にしか流
れず、この場合遅れはキャパシタC1の充電に対して最
大である。
【0045】キャパシタを放電する段階は上記の充電の
原理に従うが、m0は1に等しく、さらにm1は1に等
しい。このようにして、信号m0およびm1の立ち上が
り(0から1への変化)およびこの立ち下がり(1から
0への変化)のための遅れを得ることができる。遅れの
線型性を保証するために、キャパシタをVddまで充電
する必要がある。したがって、まず、完全にVddに充
電するためにパルスをかなり長くする必要がある。周波
数100MHzに対応する5nsの高レベルを有するパ
ルスe0を用いることによって、この点は問題がない。
【0046】キャパシタC1の電位は、ノードLで読取
ることができ、信号SKの電位である。この電位が整形
回路Fの閾値に達するときにのみ、信号SKは切り替わ
る。図11の図面から、信号m0とm1との間の遅れに
よってのみ決定される遅れの範囲が得られる。ここで、
技術的観点から、今度はより大きい遅れの範囲が必要と
なる。そういうわけでマルチプレクサを有する図1のシ
ステムが提供されている。しかし、この方法は図12お
よび図13を参照して説明されるように必ずしも十分な
ものではない。この方法は本発明では図14および図1
5で示す回路によって改良されている。
【0047】図12は図11の回路の入力Eと出力Sと
の間の遅れをデジタル制御信号の関数として表した曲線
を示している。5つの特性点を曲線上に見ることができ
る。点Aは最小の遅れ、したがって結合回路に入るのが
信号e0およびr1であり、100%の電流がモジュー
ルU0を流れる場合に対応している。点Bは、信号e0
およびr1が結合回路に入り、100%の電流がモジュ
ールU1を流れる最大の遅れに対応している。AからB
への区間は範囲Pl1を構成している。導入すべき遅れ
が点Bの遅れより大きいとき、マルチプレクサMUX0
のみが切り替わる。この場合、第2の遅れの範囲Pl2
に達することができる。この第2の範囲Pl2は点Cで
終わり、100%の電流がモジュールU0を流れる状態
であるr1とr2との間の最大の遅れに対応する。実際
には、望ましい接続モードの利点によって、図11およ
び図15の回路の対称性を考え、マルチプレクサ(MU
X0)のみを切り替えることができる。次いで、マルチ
プレクサMUX1が切り替わる番になり、信号r1は信
号r3に代わる。このようにして遅延曲線の第3の範囲
Pl3を開始することができ、点Dに達する。この点D
は100%の電流がモジュールU1を流れる状態である
r2とr3との間の最大の遅れに対応している。遅延曲
線の第1の範囲に位置する点Hについて考察すると、こ
の点Hでは、約90%の電流がモジュールU0を流れ、
10%の電流がモジュールU1を流れているといえる。
【0048】しかし、この曲線は理論にとどまってい
る。実際に得られるのは、図13に示す曲線である。こ
の曲線から、マルチプレクサが切り替わるときにデジタ
ルコマンドの関数である遅延曲線の非線型性が存在する
ことがわかる。この非線型性は平坦部分MHで表され、
水平または、さらにひどいと、下方へ傾いている。点X
はある範囲の最後の点を示し、点X’は次の範囲の最初
の点を示す総称とする。この2つの点XおよびX’の位
置では線型曲線を得るために用いることができない。さ
らに、点XとX’とをつなぐ平坦部分MHは立ち下がり
部分であるため、線型曲線は単調にさえなることはな
い。この種の問題は電流リーク、出力から入力への電荷
の再注入またはキャパシタC1における電荷分布の問題
によって説明することができる。
【0049】図14および図15は本発明によるこの問
題の解決策を示している。図14は図10の回路に対応
している。図14は結合回路Cを構成している2つのモ
ジュールU0およびU1を示している。4つの可変でな
抵抗すなわち固定抵抗R0f、R0f*、R1f、R
1f*がこれらに追加されている。これらの抵抗器はそ
れぞれR0、R0*、R1およびR1*に並列接続されて
いる。これら可変でない抵抗器はKに依存することはな
い。これら固定抵抗は各モジュールU0およびU1がラ
インLの充電または放電に常に寄与することを保証して
いる。このようなアセンブリの値は、この回路の詳細な
説明を提供している図15を検討することによって特定
されよう。
【0050】図15は図11の回路を再度取り上げてい
る。マルチプレクサMUX0およびMUX1、並びに
ッファT1、T2およびT3が遅延回路D1を構成して
いる。結合回路Cを構成している2つのモジュールU0
およびU1のそれぞれに対して、並列接続したアームが
追加されている。これらのアームはそれぞれ、2つの直
列接続したPチャネルトランジスタおよび2つの直列接
続したNチャネルトランジスタを、直列に備えている。
U0用のPチャネルトランジスタP01およびP0
2、U1用のPチャネルトランジスタP11およびP1
2は、図11に示された回路のU0およびU1の充電回
路の既存のPチャネルトランジスタと同様な役目をす
る。この新しいU0用のNチャネルトランジスタN01
およびN02、U1用のNチャネルトランジスタN11
およびN12は、U0およびU1の放電回路において同
様な役目をする。スイッチの役目をする追加されたトラ
ンジスタP01、N01、P11およびN11は依然と
して信号m0およびm1に接続されている。しかし、
変抵抗の役目をするトランジスタ、すなわちP02、N
02、P12およびN12は常に給電される:追加され
たNチャネルトランジスタN02およびN12は電位V
ddに接続され、追加されたPチャネルトランジスタP
02およびP12は電位Vssに接続されている。これ
らはコマンドKまたはK'に依存していない。したがっ
て、追加のアームは依然として導通している。これはマ
ルチプレクサの切り替え時に見られるリークおよび電荷
分布の問題を補償する。その結果、水平またはわずかに
下降する平坦部分が生じる。それによってモジュールU
0およびU1における電流の配分はわずかに変更され
る。これ以後、100%の電流が一方のモジュールに流
れ、0%の電流が他方に流れることはなくなる。
【0051】実施例では、各モジュールは一般に、コマ
ンドKおよびK*によって制御される3つのトランジス
タを備えている。電位VddまたはVssに常に接続さ
れている追加されたトランジスタは一般に、他の3つの
トランジスタと比べて小さく、最大90%の電流がモジ
ュールU0またはU1を通って流れることができる。こ
れは常に給電されるトランジスタは他のトランジスタの
1/3でなければならないことを意味する。
【0052】別の一般的な応用例では、係数K0、K1
等によって制御されたトランジスタは二進法(1,2,
4等)で累進するゲート幅を有する。追加のアームに追
加されたトランジスタのゲート幅は上記のゲート幅の最
小幅の半分である。7本の同一アームが存在する別の実
施例を考えることができる。この場合は、追加されたア
ームのゲート幅は他のアームのゲート幅の半分である。
【0053】図16(a)〜(e)は第1の範囲で何が
起きているかを説明するために用いられる。これらの図
の説明では、図15の回路を頻繁に参照する。図16
(a)および図16(b)は信号m0および時間Tだけ
オフセットされた信号m1のタイミング図である。時間
の開始点はm0が0に切り替わる時点と定義する。
【0054】全ての係数kiは1であると仮定しよう。
これはK=1で最小の遅れがt1に等しい場合に対応す
る(図2(b),図4(b)、図6(b),図8(b)
を参照)。我々はある範囲の始点におり、電流は主に、
最小の遅れを有する信号を受けるモジュールを通って流
れる。0からTの期間では、係数K*によって制御され
る図15の全てのPチャネルトランジスタは導通してお
り、キャパシタC1の充電に寄与している。しかし、m
1が1であるため、図15のNチャネルトランジスタN
12はC1の放電に寄与する。これは本発明の追加した
トランジスタが存在しない場合にのみ起こる。したがっ
て、上記の閾値S2には遅れて到達することになる。こ
れは図16(c)で説明される。曲線CoおよびCiは
はそれぞれ、常に接続されたトランジスタの導入前後に
おけるキャパシタC1の充電に対応している。時間t1
およびtiはそれぞれ、本発明の改良の前後において、
信号Skが閾値S2に達するのに要する時間に対応す
る。したがって、この範囲の始点では、t1より大きい
遅れtiが存在する。図16(c)から、m1が0に切
り替わると、キャパシタC1の充電が以前より速くなる
ことがわかる。これは、P11がこの場合C1の充電に
参加しているということで説明することができる。
【0055】ここで、全ての値kiは0であると仮定し
よう。これはK=0で最大の遅れがt0に等しい場合に
対応する(図2(b),図4(b)、図6(b),図8
(b)を参照)。我々はこの場合ある範囲の終点にい
る。電流は主に、最大の遅れを有する信号を受けるモジ
ュールを通って流れる。0からTの期間では、モジュー
ルU0に関しては、トランジスタP01のみがキャパシ
タC1の充電に寄与するが、m1が1であるため、モジ
ュールU1の全てのNチャネルトランジスタはキャパシ
タC1の放電に有利に働く。したがって、キャパシタは
充電されない。この期間を越えると、m1は0であり、
モジュールU1の全てのPチャネルトランジスタ、並び
にP01はC1の充電に寄与している。キャパシタC1
の充電はしたがってP01が回路内に存在していなかっ
たときよりも速い。したがって、この範囲の終点では、
t0より小さい遅れtjが存在する。
【0056】同様の推論はキャパシタの放電に関する低
レベルから高レベルへの変化に適用することができる。
いずれの場合でも、この範囲の始点では、新しい遅れは
常に接続されたアームが全く存在しないときの遅れより
も大きく、この範囲の終点では、それより小さい。
【0057】したがって、ある範囲では、図16(e)
に示す曲線が得られる。点a1および点b1は新しい遅
延曲線の点である。点a1は上述の点A(図12)より
上側で、点b1は点B(図12)より下側である。
【0058】図17は範囲内での変化を説明している。
図17では、改良しない場合に生じる遅れの実際の曲線
を点線を用いて示している。これはぎざぎざの曲線ab
b’cc’dd’である。本発明の改良によって得られ
た遅れを表す曲線は実線で示されている。この線は全て
一直線上にある点a1b1b’1c1c’1d1d’1
を通る。点b1に関係する遅れは点bに関係する遅れよ
りはるかに小さく、一方、点b’1に関係する遅れは点
b’に関係する遅れより大きい。
【0059】マルチプレクサ(MUX0またはMUX
1)が切り替わると、新しい範囲が開始する。図15の
回路を用いた新しい範囲の最初の遅れは図11の回路を
用いて得られた最初の遅れより大きい。このようなアセ
ンブリの利点は、マルチプレクサが切り替わった場合で
も、この遅れは必ず増加する点にある。追加された「低
い」範囲の差to−tjおよび高い範囲の差ti−t1
は図13の偏差AB’またはCC’より共に大きい。
【0060】したがって、デジタルコマンドは係数Ki
の値およびマルチプレクサの切り替えをより効率的に制
御することができる。実際に、このコマンドがサーボ制
御動作によって生じる場合は、サーボ制御関数が負の傾
き(bb’、cc’)を有し、特に利得曲線のbまたは
cにおけるピークによってこのサーボ制御関数が点bに
関係する値の周辺で発振するようにする。
【0061】図17はさらに、得られた遅延曲線の比較
を示している。曲線Co1は常に接続されたアームが全
く存在しないときの遅延時間を表し、曲線Co2は常に
接続されたアームを有する回路における遅延時間の特性
を表す。曲線Co2は、最適な線型性に近いことを示し
ている。このようにして、遅れはどんな場合でも依然と
して増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数の遅れの範囲を有する可変遅延回路を示
す概念図である。
【図2】 図1の回路の動作を説明するタイミング図。
【図3】 図1の回路について、遅れの変化を異なる大
きさの制御変数の関数として示したグラフである。
【図4】 図1の回路の動作を説明するタイミング図。
【図5】 図1の回路について、遅れの変化を異なる大
きさの制御変数の関数として示したグラフである。
【図6】 図1の回路の動作を説明するタイミング図。
【図7】 図1の回路について、遅れの変化を異なる大
きさの制御変数の関数として示したグラフである。
【図8】 図1の回路の動作を説明するタイミング図。
【図9】 図1の回路について、遅れの変化を異なる大
きさの制御変数の関数として示したグラフである。
【図10】 複数の遅れの範囲を有する可変遅延回路の
CMOS実施例を示す概略図である。
【図11】 複数の遅れの範囲に関する可変遅延回路
の、CMOS技術を用いる詳細な実施例を示す概略図で
ある。
【図12】 遅延時間をデジタル制御の関数として表し
た理論曲線を示す。
【図13】 複数の遅れ範囲を有する可変遅延回路にお
いて実際に観察される遅延時間をデジタル制御の関数と
して表した曲線を示す。
【図14】 デジタル制御の関数としての遅れの直線性
を向上させる、図10に示す回路の本発明による改良を
示す。
【図15】 デジタル制御の関数としての遅れの直線性
を向上させる、図11に示す回路の本発明による改良を
示す。
【図16】 図11および図15の回路を用いて、ある
範囲におけるデジタル制御の関数として得られる遅延時
間の比較を示す。
【図17】 図11の回路を用いて得られる遅延時間
と、図15の回路を用いて得られる遅延時間との比較を
示す。
【符号の説明】
C 結合回路 C1 キャパシタ CD 制御入力 CN 遅延命令 D1 一次回路 F 整形回路 FK 結合信号 MUX0 第1のマルチプレクサ MUX1 第2のマルチプレクサ U1、U2 モジュール T1、T2、T3 バッファ m0、m1 中間信号

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号に対して、遅延命令の関数とし
    て調整可能である遅れを有する出力信号を出力する遅延
    回路であって、 上記入力信号を受けて、第1の中間信号と、その第1の
    中間信号に対して一定の固定遅延を有する第2の中間信
    号とを出力する一次回路と、 上記第1の中間信号および上記第2の中間信号を受け
    て、上記第1の中間信号および上記第2の中間信号に対
    して、制御変数の関数である重み付けをした上で結合し
    て得られる結合信号を出力する二入力結合回路と、 上記結合信号を受けて、閾値に基づいて整形した出力信
    号を出力する整形回路とを備え、上記一次回路が、直列接続された1組のバッファによっ
    て形成され、各バッファがその入力に供給された信号を
    遅延させて遅延信号として出力し、それらバッファの出
    力では少なくとも第1および第2の遅延信号が得られ、
    上記入力信号および上記少なくとも第1および第2の遅
    延信号が第1マルチプレクサおよび第2マルチプレクサ
    の入力に印加され、 これら第1マルチプレクサおよび第
    2マルチプレクサから上記第1の中間信号および上記第
    2の中間信号が出力され、 上記結合回路が、 遅延命令を表す制御変数を受ける制御入力と、 コモンラインと第1の電位との間に接続されたキャパシ
    タと、 各々上記コモンラインを介して上記キャパシタを充電お
    よび放電する第1のモジュールおよび第2のモジュール
    とを備え、 上記第1のモジュールは上記第1の中間信号によって制
    御され、上記第2のモジュールは上記第2の中間信号に
    よって制御され、上記コモンラインから上記結合信号が
    出力され、 上記第1のモジュールおよび上記第2のモジュールの各
    々は、上記第1の中間信号および上記第2の中間信号に
    よって制御されて上記コモンラインを介して上記キャパ
    シタをそれぞれ充電および放電する放電回路および充電
    回路を備え、上記第1のモジュールおよび上記第2のモ
    ジュールの各々の上記放電回路は、並列接続された1つ
    の可変抵抗と1つの固定抵抗とを介して上記コモンライ
    ンを上記第1の電位に選択的に接続するスイッチを有し
    ており、上記第1のモジュールおよび上記第2のモジュ
    ールの各々の上記充電回路は、並列接続された1つの可
    変抵抗と1つの固定抵抗とを介して上記コモンラインを
    第2の電位に選択的に接続するスイッチを有しており、
    上記放電回路および上記充電回路のそれぞれの上記スイ
    ッチは、上記第1の中間信号および上記第2の中間信号
    によって制御されることを特徴とする遅延回路。
  2. 【請求項2】 上記一定の固定遅延は、上記結合回路が
    上記第1の中間信号および上記第2の中間信号のうち1
    つしか受けないときの上記結合信号の遷移時間よりも小
    さい請求項1に記載の遅延回路。
  3. 【請求項3】 上記重み付けは、上記結合回路に入力さ
    れる上記第1の中間信号および上記第2の中間信号を第
    1の重み係数および第2の重み係数でそれぞれ重み付け
    することにより実施され、上記第1の重み係数および上
    記第2の重み係数の値が上記制御変数の関数であり、
    第1の重み係数および上記第2の重み係数の合計が一
    定であり、上記第1のモジュールおよび上記第2のモジ
    ュールの各々の上記放電回路および上記充電回路のそれ
    ぞれの上記可変抵抗が、上記第1の中間信号および上記
    第2の中間信号のうちの対応する1つの重み係数に反比
    例する値をとるように制御されている請求項1または2
    に記載の回路。
  4. 【請求項4】 上記第1のモジュールおよび上記第2の
    モジュールの各々の上記放電回路および上記充電回路の
    それぞれの上記可変抵抗が、当該モジュールに対応する
    中間信号の重み係数の関数として選択的に並列接続する
    ことができる複数の基本抵抗素子の組によって設定され
    る請求項1から3のいずれか一項に記載の遅延回路。
  5. 【請求項5】 上記可変抵抗と、上記固定抵抗と、上記
    スイッチとが、MOSトランジスタのドレイン/ソース
    パスによって形成され、MOSトランジスタのゲート
    は、関係する信号または定電位によって、重み係数の関
    数として制御される請求項1から4のいずれか一項に記
    載の遅延回路。
  6. 【請求項6】 上記第1のモジュールおよび上記第2の
    モジュールの各々の上記放電回路および上記充電回路の
    各々の上記可変抵抗が、重み信号によって制御された3
    つのアームを備えており、上記固定抵抗が常に導通して
    いる1つのアームを備えている請求項1から5のいずれ
    か一項に記載の遅延回路。
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