JP3470583B2 - 受信機 - Google Patents

受信機

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JP3470583B2
JP3470583B2 JP05336498A JP5336498A JP3470583B2 JP 3470583 B2 JP3470583 B2 JP 3470583B2 JP 05336498 A JP05336498 A JP 05336498A JP 5336498 A JP5336498 A JP 5336498A JP 3470583 B2 JP3470583 B2 JP 3470583B2
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徳祥 鈴木
美俊 藤元
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  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信機に係り、よ
り詳しくは、複数の送信データ系列各々を表す複数のデ
ータシンボル系列を多重化した送信信号を受信し、該受
信した送信信号により表される複数の送信データ系列を
推定する受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図38に示すように、複数の
送信データ系列各々を表す複数のデータシンボル系列を
直交変換部116を用いて多重化して送信信号を形成
し、形成した送信信号を送信する送信機100と、送信
信号を受信し、受信した送信信号を、送信機100で行
った直交変換と逆の直交変換を行う直交変換部16を用
いて、多重化された各信号系列どうしが干渉しないよう
に多重化前の各信号系列に分離し、分離した信号系列を
各判定器84にて符号(位相−振幅)の判定を行い、並
列.直列変換回路86を介して、復号データとして出力
する受信機10と、を備えた通信システムが提案されて
いる。
【0003】ここで、送信側の直交変換で離散逆フーリ
エ変換を行い、受信側の直交変換で離散フーリエ変換を
行う通信方式は、マルチキャリア変調方式の一種である
直交周波数分割多重方式として知られており、地上波デ
ィジタルテレビ放送への採用が決定している( John A.
C. Bingham : "Multicarrier Modulation for Data Tra
nsmission: An Idea Whose Time Has Come," IEEE Comm
unications Magazine,pp.5-14, May 1990. 都竹愛一
郎:“OFDM変復調方式、”電子情報通信学会誌、vo
l.79, No.8, pp.831-834,1996 参照)。
【0004】また、送信側の直交変換で離散逆ウェーブ
レット変換あるいはウェーブレットパケットによる合成
を行い、受信側の直交変換に離散ウェーブレット変換あ
るいはウェーブレットパケットによる分割を用いる通信
方式も提案されている( G.W.Wornell, A.V.Oppenheim:
"Wavelet-Based Representation for a Class of Self
-Similar Signals with Application to Fractal Modul
ation," IEEE Trans.Information Theory, vol.38, pp.
785-800, 1992 March. M.A.Tzannes, M.C.Tzannes, J.Proakis, P.N.Heller: "
DMT systems, DWMT Systems and Digital Filter Bank
s," IEEE Proceedings of ICC'94. A.R.Lindsey, et al.: "Wavelet Packet Modulations:
A generalized methodfor orthogonally multiplexed c
ommunications," IEEE Proceedings of SSST'95, 1995
March.等の文献参照)。
【0005】直交変換としてウェーブレットパケットに
よる分割・合成を用いて信号系列を多重化する場合の送
信機100、受信機10の構成例を図39に示す。図3
9では一例としてウェーブレットパケットの時間・周波
数領域の分割パターンに帯域を均等に4分割する分割パ
ターンを用いる場合を示す。送信機100の直交変換部
116では、4つの信号系列を合成し、送信信号を作成
する。受信機10では、送信信号を受信後、直交変換部
16で送信機100の直交変換と同じウェーブレットパ
ケットの分割パターンにより分割することで、多重化前
の信号系列を得ている。
【0006】ここで、ウェーブレットパケットにより分
割・合成を行う直交変換部は、送信機100側では複数
の帯域合成フィルタ120により、受信機10側は帯域
分割フィルタ20により構成することができる。
【0007】ここで、送信機100側の帯域合成フィル
タ120は、図40に示すように、サンプリング回路1
20A1、120A2で、周波数帯域を高域側に割り当
てる信号及び低域側に割り当てる信号のサンプリングレ
ートを2倍にアップサンプリングし、サンプリング回路
120A1、120A2によりサンプリンクされた信号
を、高域フィルタ120B1、低域フィルタ120B2
で、高域側及び低域側の周波数帯域の信号にそれぞれ変
換し、高域フィルタ120B1及び低域フィルタ120
B2を通過した信号を、合成器120Cで、合成してい
る。高域フィルタ120B1及び低域フィルタ120B
2のフィルタ特性は使用するウェーブレットの基底関数
に応じて適切に設定する。例えば、ドブシズ・ウェーブ
レット(4タップFIRフィルタによる構成)の場合
は、
【0008】
【数1】
【0009】となる。一方、受信機10側の帯域合成フ
ィルタ20は、図41に示すように、入力信号を高域フ
ィルタ20A1及び低域フィルタ20A2に通し、か
つ、サンプリング回路20B1、20B2でサンプリン
グレートを1/2 倍にダウンサンプリングして、高域側と
低域側の信号に分割する。高域フィルタ20A1及び低
域フィルタ20A2のフィルタ特性は使用するウェーブ
レットの基底関数に応じて適切に設定する。例えば、ド
ブシズ・ウェーブレット(4タップFIRフィルタによ
る構成)の場合は、
【0010】
【数2】
【0011】となる。ところで、受信機10側の直交変
換部16においてウェーブレットパケットによる分割を
行う場合の直交変換部の構成を図42(A)〜図42
(C)に示す。図42(A)に示すように、帯域分割フ
ィルタの低域側出力に順次、帯域分割フィルタを接続し
ていく構成とすると、通常のウェーブレット変換にな
る。通常のウェーブレット変換では、入力信号は図42
(A)の右領域に示すような分割パターンに分割され
る。この分割パターンは、高域側ほど周波数帯域幅が広
く時間間隔が短い信号に分割され、低域側ほど周波数帯
域幅が狭く時間間隔が長い信号に分割されることを表し
ている。また、帯域分割フィルタの接続段数を増加させ
るほど、低域側の周波数帯域が細かく分割されていく。
サンプリングレートを順次変換しているため時間軸上で
は、分割された領域を示す各々の四角形に対して信号が
一つずつ出力される。ウェーブレットパケットによる分
割は、帯域分割フィルタを任意の組み合わせで接続した
ものであり、図42(B)、図42(C)に示すよう
に、接続の仕方により様々な分割パターンを実現するこ
とができる。ウェーブレットパケットはこの時間・周波
数領域の分割パターンを目的に応じて設定できることが
大きな利点である。
【0012】なお、逆ウェーブレット変換の場合は低域
側から順次、帯域合成フィルタを接続する。また、ウェ
ーブレットパケットによる合成では、受信機側の帯域分
割フィルタの接続に対応する順序で帯域合成フィルタを
接続する。
【0013】その他の代表的な直交変換としては、離散
コサイン変換、離散サイン変換、ウォルシュ・アダマー
ル変換、カルーネン・レーベ変換等がある。
【0014】ところで、上記通信システムでは、通信路
において送信信号に雑音、ひずみ等が混入し、送信デー
タ系列を誤って伝えられる虞が高い。よって、復号誤り
率が高い。従って、通信路で発生する誤り影響を抑え
て、通信路使用の信頼性を向上させる必要がある。そこ
で、従来では、送信データ(通報)に予め、誤り訂正符
号化を行い、受信機では、誤り訂正符号化に対応する復
号処理により復号するようにしている。例えば、図43
(A)に示すように、送信機側の畳み込み符号器200
で、予め畳み込み符号化を行い、図43(B)に示すよ
うに、受信機側の最尤系列推定部300で、畳み込み符
号の復号法の一種である最尤系列推定を行う。なお、畳
み込み符号は、複数の送信データ系列を複数個の送信デ
ータ系列のブロックに分け、各ブロックの送信データ系
列の符号化は、各ブロック毎に別個独立に行うのではな
く、それ以前のブロックの送信データ系列に依存する方
法である。また、最尤系列推定は、送信側の情報がラン
ダムである場合には、最も誤り率を小さくできる復号法
であることが知られている。なお、最尤系列推定におい
て、最も確からしい系列を効率よく推定するアルゴリズ
ムにビタビアルゴリズムがある(“情報理論、”昭晃堂
(1987)、“符号理論、”電子情報通信学会(1990)参
照)。その他、系列推定には、最大事後確率法(MA
P)等を用いても良い。また、情報の信頼度情報を基
に、反復操作により系列を推定する手法等もある。
【0015】更に、前記通信システムを移動通信環境の
ように送受信機間の伝送路特性が時間的に変動する環境
で用いる場合、送受信機間の伝送路において送信信号に
大きな歪みや、信号強度の変動等が生じ、送信データ系
列を誤って伝えられる虞が高い。よって、複号誤り率が
高い。そこで、従来では、伝送路特性を推定し、伝送路
の影響の補正を行っている。例えば、図44に示すよう
に、図43(B)の受信機に伝送路特性推定部400を
付加した受信機が提案されている。図44の受信機で
は、伝送路特性推定部400において受信信号と受信信
号を判定した結果である復号データとに基づいて伝送路
特性を推定し、最尤系列推定部300において推定され
た伝送路特性の影響を含めて最も確からしい系列を推定
する。なお、伝送路推定には、最急こう配法、最小2乗
(LMS)アルゴリズム、漸化的最小2乗(RLS)ア
ルゴリズム等が用いられる(“ディジタル信号処理の基
礎”、電子情報通信学会(1988)参照)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、データ
を伝送する際の信頼性を向上させるために誤り訂正符号
化を行うと、送信信号が冗長となり、データを伝送する
効率を低下させてしまう。一方、データを伝送する効率
を低下させないようにするために誤り訂正符号化を行わ
ないようにすると、送信データ系列を精度よく推定する
ことができない。
【0017】また、伝送路特性が時間的に変動する通信
環境において、伝送路推定を行っても、時間的な変動が
速い場合には伝送路特性を精度良く推定することができ
ない。即ち、送信データ系列を精度良く推定することが
できない。
【0018】本発明は、上記事実に鑑み成されたもの
で、データを伝送する効率を低下させることなく精度よ
く送信データ系列を推定することの可能な受信機を提案
することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本発
明に係る受信機は、複数の送信データ系列各々を表す複
数のデータシンボル系列を多重化した送信信号を受信す
る受信手段と、前記受信手段により受信された送信信号
を、該送信信号により表される複数の送信データ系列の
内の所定個の送信データ系列を各々表す複数の信号系列
に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された
複数の信号系列各々と該複数の信号系列各々について予
想される複数の予想信号系列各々とに基づいて、前記受
信された送信信号により表される複数の送信データ系列
を推定する系列推定手段と、を備えている。
【0020】即ち、受信手段は、複数の送信データ系列
各々を表す複数のデータシンボル系列を多重化した送信
信号を受信する。変換手段は、受信手段により受信され
た送信信号を、該送信信号により表される複数の送信デ
ータ系列の内の所定個の送信データ系列を各々表す複数
の信号系列に変換する。
【0021】このように変換手段により変換された複数
の信号系列各々は、送信信号により表される複数の送信
データ系列の内の所定個の送信データ系列を表す。よっ
て、変換手段により変換された複数の信号系列各々は、
所定個の送信データ系列を表すデータシンボル系列のデ
ータシンボル間に一種の干渉が生じている信号系列であ
ると考えられる。
【0022】なお、送信信号が、所定の第1の直交変換
により多重化されたものである場合には、変換手段は、
第1の直交変換の逆変換と異なりかつ少なくとも1つ以
上の各々異なる第2の直交変換により送信信号を複数の
信号系列に変換するようにしてもよい。また、変換手段
は、第1の直交変換の逆変換とは異なりかつ少なくとも
1つ以上の各々異なる第2の直交変換に更に第1の直交
変換の逆変換も用いて、送信信号を複数の信号系列に変
換するようにしてもよい。これらの場合、第2の直交変
換は、ウェーブレットパケットによる分割を用いて行う
又はフーリエ変換を用いて行うようにしてもよい。
【0023】そして、系列推定手段は、変換手段により
変換された複数の信号系列各々と該複数の信号系列各々
について予想される複数の予想信号系列各々とに基づい
て、受信された送信信号により表される複数の送信デー
タ系列を推定する。
【0024】このように、一種のデータシンボル間の干
渉が生じていると考えられる複数の信号系列各々と複数
の信号系列各々について予想される複数の予想信号系列
各々とに基づいて、受信された送信信号により表される
複数の送信データ系列を推定するので、送信信号を生成
する際に誤り訂正符号化処理しなくても、送信信号によ
り表される送信データ系列を推定することができる。よ
って、データを伝送する効率を低下させることなく精度
よく送信データ系列を推定することができる。
【0025】更に、本発明に係る受信機は、前記変換手
段により変換された複数の信号系列各々と該複数の信号
系列各々について予想される複数の予想信号系列各々と
に基づいて、送受信機間の伝送路特性を推定する伝送路
推定手段を備えることができ、前記系列推定手段は、前
記変換手段により変換された複数の信号系列各々と該複
数の信号系列各々について予想される複数の予想信号系
列各々と前記伝送路推定手段より推定された伝送路特性
とに基づいて、前記受信された送信信号により表される
複数の送信データ系列を推定する。
【0026】即ち、伝送路推定手段は、変換手段により
変換された複数の信号系列各々と該複数の信号系列各々
について予想される複数の予想信号系列各々とに基づい
て、送受信機間の伝送路特性を推定する。
【0027】そして、系列推定手段は、変換手段により
変換された複数の信号系列各々と該複数の信号系列各々
について予想される複数の予想信号系列各々と伝送路推
定手段より推定された伝送路特性とに基づいて、受信さ
れた送信信号により表される複数の送信データ系列を推
定する。
【0028】このように、伝送路推定手段を備えること
により、送受信機間の伝送路特性の推定を行いつつ受信
された送信信号により表される複数の送信データ系列を
推定するので、送受信機間の伝送路の特性が時間的に変
化する場合においても、送信信号により表される送信デ
ータ系列を精度良く推定することができる。
【0029】なお、以上より、複数の送信データ系列各
々を表す複数のデータシンボル系列を多重化した送信信
号を送信する送信機と、前記送信機により送信された送
信信号を受信する受信手段、該受信手段により受信され
た送信信号を、該送信信号により表される複数の送信デ
ータ系列の内の所定個の送信データ系列を各々表す複数
の信号系列に変換する変換手段、及び該変換手段により
変換された複数の信号系列各々と該複数の信号系列各々
について予想される複数の予想信号系列各々とに基づい
て、該受信された送信信号により表される複数の送信デ
ータ系列を推定する推定手段を備えた受信機と、を備え
た通信システムが提案される。
【0030】また、複数の送信データ系列各々を表す複
数のデータシンボル系列を多重化した送信信号を送信す
る送信機と、前記送信機により送信された送信信号を受
信する受信手段、該受信手段により受信された送信信号
を、該送信信号により表される複数の送信データ系列の
内の所定個の送信データ系列を各々表す複数の信号系列
に変換する変換手段、該変換手段により変換された複数
の信号系列各々と該複数の信号系列各々について予想さ
れる複数の予想信号系列各々とに基づいて、送受信機間
の伝送路特性を推定する伝送路推定手段、及び該変換手
段により変換された複数の信号系列各々と該複数の信号
系列各々について予想される複数の予想信号系列各々と
該伝送路推定手段より推定された伝送路特性とに基づい
て、該受信された送信信号により表される複数の送信デ
ータ系列を推定する系列推定手段を備えた受信機と、を
備えた通信システムが提案される。
【0031】更に、複数の送信データ系列各々を表す複
数のデータシンボル系列が多重化されかつ受信した送信
信号を、該送信信号により表される複数の送信データ系
列の内の所定個の送信データ系列を各々表す複数の信号
系列に変換し、前記変換された複数の信号系列各々と該
複数の信号系列各々について予想される複数の予想信号
系列各々とに基づいて、前記受信された送信信号により
表される複数の送信データ系列を推定する復号方法が提
案される。
【0032】また、複数の送信データ系列各々を表す複
数のデータシンボル系列が多重化されかつ受信した送信
信号を、該送信信号により表される複数の送信データ系
列の内の所定個の送信データ系列を各々表す複数の信号
系列に変換し、前記変換された複数の信号系列各々と該
複数の信号系列各々について予想される複数の予想信号
系列各々とに基づいて、送受信機間の伝送路特性を推定
し、前記変換された複数の信号系列各々と該複数の信号
系列各々について予想される複数の予想信号系列各々と
前記推定された伝送路特性とに基づいて、前記受信され
た送信信号により表される複数の送信データ系列を推定
する復号方法が提案される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図面を参照して詳細に説明する。
【0034】図1に示すように、本実施の形態に係る受
信機10Aは、複数の送信データ系列各々を表す複数の
データシンボル系列を所定の第1の直交変換により多重
化した送信信号を受信する、図示しない受信回路と、上
記第1の直交変換の逆変換と異なりかつ少なくとも1つ
以上の各々異なる第2の直交変換により、受信回路によ
り受信された送信信号を、該送信信号により表される複
数の送信データ系列の内の所定個の送信データ系列を各
々表す複数の信号系列に変換する直交変換部12A(直
交変換回路16A、16B、・・・16X)と、直交変
換部12Aから出力される複数の信号系列各々と該複数
の信号系列各々について予想される複数の予想信号系列
各々とに基づいて、送信信号により表される複数の送信
データ系列を推定する送信データ系列推定部14Aと、
を備えている。なお、図1では、直交変換回路16A、
16B、・・・16Xを備えた直交変換部12Aが示さ
れているが、直交変換回路16Aのみでもよい。即ち、
直交変換部12Aは、第1の直交変換の逆変換とは異な
る直交変換を行う単一の直交変換回路16Aにより構成
してもよい。
【0035】図2には、従来の送信機(図39(A)参
照)と同一構成の送信機100と、送信機側において行
う直交変換の逆変換と異なる直交変換を行う受信機10
A1と、を備えた通信システムが示されている。
【0036】ここで、送信機側において行う直交変換と
しては、ウェーブレットパケットにより合成することで
4つのデータシンボル系列を多重化する場合を例にとり
説明する。なお、変調方式はBPSK変調であり、ウェ
ーブレットの基底関数はドブシズウェーブレット(4タ
ップのFIRフィルタにより構成)である。
【0037】一方、受信機10A1は、直交変換部12
A1と、送信データ系列推定部14A1と、を備えてい
る。直交変換部12A1は、単一の帯域分割フィルタ2
0Aを備えている。これにより、送信側とは異なるウェ
ーブレットパケットの分割パターンとなる。よって、送
信側とは異なる直交変換出力(信号系列)を得る。
【0038】次に、第1の実施の形態の作用を説明す
る。受信機100の直列/並列変換回路186には、図
3(A)に示すように、送信すべき送信データが入力さ
れる。
【0039】直列/並列変換回路186は、入力された
4つの送信データA〜D各々を並列な送信データ系列に
変換した後、各変調器184に入力する。なお、図3
(A)には、4つの並列な送信データ系列A〜Dとし
て、最初は、0110、次は、1110である場合が示
されている。各変調器184は、図3(B)に示すよう
に、入力された各送信データ系列を、送信データを表す
シンボルに変換して、直交変換部116に送信データシ
ンボル系列として入力する。
【0040】図4に示すように、直交変換部116に入
力された送信データシンボル系列A n 〜Dn (A1 〜D
1 、A2 〜D2 、A3 〜D3 ・・・)の内の送信データ
シンボル系列An 、Bn は、第1の周波数帯域用の帯域
合成フィルタ120に入力され、送信データシンボル系
列Cn 、Dn は、第1の周波数帯域より低い第2の周波
数帯域用の帯域合成フィルタ120に入力される。
【0041】第1の周波数帯域用の帯域合成フィルタ1
20では、入力された送信データシンボル系列An 、B
n が合成された信号系列(サンプリング時間間隔T/
2)を出力し、第2の周波数帯域用の帯域合成フィルタ
120は、入力された送信データシンボル系列Cn 、D
n が合成された信号系列(サンプリング時間間隔T/
2)を出力する。
【0042】即ち、帯域合成フィルタ120(4タップ
のFIRフィルタで構成される場合)を通ると、サンプ
リング間隔Tで同時に入力された2つの信号点が、サン
プリング間隔T/2の4サンプルの信号点に変換され
る。
【0043】例えば、データシンボルA1 、B1 が、
(1)式で示される帯域合成フィルタに入力された場
合、その出力は、
【0044】
【数3】
【0045】と表すことができるので、4サンプルの信
号になることが理解できる。ここで、入力される信号点
のサンプリング間隔は、出力側では2サンプル分に相当
する。そのため、順次入力された各信号点に対して出力
される4サンプルの信号は、2サンプルずつずれて重な
り合い、足し合わされた結果の信号が出力される。
【0046】即ち、図5(A)に示すように、データシ
ンボルA1 、B1 が入力され、次にデータシンボル
2 、B2 が入力された場合、データシンボルA1 、B
1 から図5(B)に示すように、時間間隔T/2の4サ
ンプルの信号点(A1 、B1 1、(A1 、B1 2
(A1 、B1 3 、(A1 、B1 4 が出力され、デー
タシンボルA2 、B2 から図5(C)に示すように、時
間間隔T/2の4サンプルの信号点(A2 、B2 1
(A2 、B2 2 、(A2 、B2 3 、(A2 、B 2
4 が出力され、これらは2サンプルずつずれて重なり合
い、足し合わされて、最終的には、図5(D)に示すよ
うに、時間間隔T/2で、信号系列(A1 、B1 1
(A1 、B1 2 、(A1 、B1 3 と出力(A2 、B
2 1 との和である信号系列((A1 、B1 3 、(A
2 、B2 1 )が出力され、以降同様となる。なお、送
信データシンボル系列Cn 、Dn についても同様に処理
される。
【0047】そして、2段目の帯域合成フィルタにおい
ても同様な処理が繰り返される。即ち、図6(A)に示
すように、データシンボルA1 、B1 、データシンボル
1 、D1 のみが入力されたとして考えると、1段目の
帯域合成フィルタによりそれぞれ、時間間隔T/2の4
サンプルの信号点((A1 、B1 1 、(A1 、B1
2 、(A1 、B1 3 、(A1 、B1 4 )、及び
((C1 、D1 1 、(C1 、D1 2 、(C1
1 3 、(C1 、D1 4 )となる。そして、2段目
の帯域合成フィルタによりそれぞれ合成されて、時間間
隔T/4で [(A1 、B1 1 (C1 、D1 1 1 [(A1 、B1 1 (C1 、D1 1 2 [(A1 、B1 1 (C1 、D1 1 3 +[(A1
1 2 (C1 、D1 2 1 [(A1 、B1 1 (C1 、D1 1 4 +[(A1
1 2 (C1 、D1 2 2・・・が出力される。
【0048】また、図7(A)に示すように、データシ
ンボルA2 、B2 、データシンボルC2 、D2 のみが入
力されたとして考えると、1段目の帯域合成フィルタに
よりそれぞれ、時間間隔T/2の4サンプルの信号点
((A2 、B2 1 、(A2 、B2 2 、(A2
2 3 、(A2 、B2 4 )、サンプル信号
((C2 、D 2 1 、(C2 、D2 2 、(C2
2 3 、(C2 、D2 4 )となる。そして、2段目
の帯域合成フィルタによりそれぞれ合成されて、時間間
隔T/4で、 [(A2 、B2 1 (C2 、D2 1 1 [(A2 、B2 1 (C2 、D2 1 2 [(A2 、B2 1 (C2 、D2 1 3 +[(A2
2 2 (C2 、D2 2 1 [(A2 、B2 1 (C2 、D2 1 4 +[(A2
2 2 (C2 、D2 2 2・・・が出力される。
【0049】以上より、送信データシンボル系列An
n が全て順に入力された場合の出力信号は、送信デー
タシンボルA1 〜D1 が入力された場合の出力信号、送
信データシンボルA2 〜D2 が入力された場合の出力信
号・・・の各出力信号が足し合わされ、送信信号が生成
され、送信される。
【0050】上記送信された送信信号(送信データシン
ボル系列An 〜Dn が合成されかつサンプリング時間間
隔T/4)は、受信器10A1の図示しない受信回路に
より受信される。送信信号は、図8に示すように、直交
変換部12A1の単一の帯域分割フィルタ20A(詳細
構成は、図41参照)に入力される。なお、送信信号
は、帯域分割フィルタ20Aで、送信データシンボル系
列An 、Bn が合成された信号系列(サンプリング時間
間隔T/2)と送信データシンボル系列Cn 、D n が合
成された信号系列(サンプリング時間間隔T/2)とに
分離される。
【0051】即ち、帯域分割フィルタ(4タップのFI
Rフィルタで構成される場合)20Aでは、帯域合成フ
ィルタの逆の変換を行い、図9(A)に示すように、入
力された信号系列の4サンプルの信号点に対して、図9
(B)に示すように、対応する変換された1サンプルの
信号点を出力する。その後、2サンプル入力のある毎
に、それまでに入力された4サンプルの信号点を用いて
変換後の信号点が求められ、出力される。なお、受信機
10A1の帯域分割フィルタ20Aから出力される信号
系列と、送信機100の1段目の帯域合成フィルタ12
0から出力される信号系列とは、処理による遅延を無視
すれば、全く同じ信号である。即ち、受信機10A1の
帯域分割フィルタ20Aから出力される信号系列は、図
9(C)に示すように、(A1 〜D1 )に関する出力
(時間間隔T/2の信号点4サンプル)と、図9(D)
に示すように、(A2 〜D2 )に関する出力(時間間隔
T/2の信号点4サンプル)と、を成分にもち、これは
図5(B)、図5(C)に示すように、送信機100の
1段目の帯域合成フィルタ120から出力される信号系
列に等しい。
【0052】ここで、帯域分割フィルタ20Aから出力
される信号系列のA、Bのみの成分に注目すると、図1
0に示すように、帯域分割フィルタ20Aから出力され
る信号系列は、A1 、B1 に関する成分(時間間隔T/
2の信号点4サンプル)と、A2 、B2 に関する成分
(時間間隔T/2の信号点4サンプル)と、に分けられ
る。よって、帯域分割フィルタ20Aから出力される、
例えば、信号点S1 、S 2 は、 S1 =(A1 1 3 +(A2 2 12 =(A1 1 4 +(A2 2 2 となる。
【0053】このように送信データ系列推定部14A1
は、直交変換部12A1から上記信号系列が入力される
と、図11に示した制御ルーチン(ビタビアルゴリズム
に基づく)をスタートする。
【0054】図11のステップ22で、上記信号系列が
入力された当該時刻t=kに対応する部分のトレリス線
図を形成する。
【0055】ここで、前述したように、信号点S1 、S
2 は、図12にも示すように、送信データシンボル
1 、B1 、A2 、B2 の組み合わせにより決まる信号
であり、それぞれ、振幅・位相を持つ複素信号点であ
る。前述したようにBPSK変調としているため、送信
データシンボルA1 、B1 、A2 、B2 は、それぞれ
0,1を表す。送信機の直交変換部に同時に入力される
2つのデータシンボルA1 、B 1 及びA2 、B2 をそれ
ぞれ組にして考える。
【0056】(A1 、B1 )の組み合わせは、(00、
01、10、11)の4通り、(A 2 、B2 )の組み合
わせは、(00、01、10、11)の4通りとなるた
め、全部で16通りの組み合わせが考えられる。
【0057】(A1 、B1 )及び(A2 、B2 )の組み
合わせをそれぞれ状態とおくことにより、16通りの組
み合わせが状態遷移の枝(ブランチ)として表すことが
でき、図13に示すトレリス線図で表現することができ
る。
【0058】なお、前回時刻t=k−1において既に、
図14(A)に示すように、トレリス線図を形成してい
るので、今回時刻t=kでは、既に形成されているトレ
リス線図(図14(A)参照)に、図14(B)に示す
ように、今回時刻t=kに対応する部分を延長する。
【0059】ステップ24では、トレリス線図の各状態
遷移を示す各ブランチに対してブランチメトリックを演
算する。ステップ26では、当該時刻t=kの各状態ま
でのパスメトリックを演算し、生き残りパス(後述)を
選択する。即ち、本実施の形態では、当該時刻t=kの
各状態までの各時刻の各状態点を結ぶブランチをたどっ
た複数のパスに沿ってブランチメトリックを加算してパ
スメトリックを演算する。どのパスが最も送信された可
能性の高い系列であるかは、パスがたどっていく各ブラ
ンチのブランチメトリックの和であるパスメトリックと
いう値の大小で評価される。パスメトリック値が最も大
きな値であるパスが最も確からしいパス(最尤パス)で
ある。最尤パスを求めるために、各時刻において各状態
に到達する複数のパスの中でパスメトリックの最も大き
いパスのみを選択して残し、その他のパスを取り除く。
残されたパスは生き残りパスと呼ばれる。即ち、生き残
りパスの数はトレリス線図の状態の数と等しくなる。そ
して、ステップ28では、最尤パスとして確定した部分
に対応する送信データ系列を復号データとして出力す
る。
【0060】次に、ステップ24のブランチメトリック
演算処理を、図15を参照して詳細に説明する。
【0061】ステップ34で、信号点S1 、S2 と、各
ブランチの状態遷移に対応して決まる送信データシンボ
ルが送られた場合に信号点S1 、S2 として出力される
予想信号点K1 、K2 との、2乗ユークリッド距離を演
算する。なお、2乗ユークリッド距離を演算するため、
予め予想信号点K1 、K2 を求めておく。即ち、信号点
1 について、各ブランチの16通りの信号点K1 00
1 15を、信号点S2について、各ブランチの16通り
の信号点K2 00〜K2 15を求めると、以下のようにな
る。
【0062】信号点S1 について、 S1 =(A1 1 3 +(A2 2 11 00=(00)3 +(00)11 01=(01)3 +(00)11 02=(10)3 +(00)1 ・ ・ ・ K1 15=(11)3 +(11)1 ここで、信号点S1 及び16通りの信号点K1 00〜K1
15を、複素平面上に表示すると、図16に示すようにな
る。信号点S1 と各信号点K1 00〜K1 15との距離r1
00〜r1 15の2乗が2乗ユークリッド距離である。雑音
等の影響がない場合には、信号点S1 は信号点K1 00
1 15の何れかに一致する。
【0063】なお、信号点S2 についても、 S2 =(A1 1 4 +(A2 2 22 00=(00)4 +(00)22 01=(01)4 +(00)22 02=(10)4 +(00)2 ・ ・ ・ K2 15=(11)4 +(11)2 のように各ブランチの状態遷移に対応して決まる送信デ
ータシンボルが送られた場合に信号点S2 として出力さ
れる信号点K2 を求め、上記と同様に2乗ユークリッド
距離を求める。
【0064】ステップ38で、ブランチメトリックとし
て、各ブランチに対応して各信号点S1 、S2 各々毎に
求めた2乗ユークリッド距離の和を演算する。
【0065】次に、ステップ26のパスメトリック演算
処理を、図17を参照して詳細に説明する。
【0066】図17のステップ42で、今回時刻t=k
に対応するトレリス線図の各状態を識別する変数sを初
期化し、ステップ44で前回時刻t=k−1における各
状態へ到達する各生き残りパスのパスメトリックPM
o,k-1 〜PM3,k-1 を取り込む。ステップ46で、前回
時刻t=k−1の各生き残りパスのパスメトリックに、
時刻t=kで状態sへ遷移する各ブランチのブランチメ
トリックを加算する。即ち、本実施例の場合、図18に
示すように状態(00)(s=0の場合)へつながるブ
ランチはb=0,4,8,12の4本であり、各々のブ
ランチはそれぞれ状態(00)、(01)、(10)、
(11)からつながっている。したがって、時刻t=k
に状態(00)へ到達するパスは4本あり、各々のパス
メトリックは、 PM0,k-1 +BM00 PM1,k-1 +BM04 PM2,k-1 +BM08 PM3,k-1 +BM12 の4つが演算されている。
【0067】ステップ48で、この4つのパスメトリッ
クの最も小さい値となるパス即ち最も確からしいパスを
生き残りパスとして選択し、それ以外のパスを消去す
る。そして最も小さい値のパスメトリックを時刻t=k
における状態(00)へ到達する生き残りパスのパスメ
トリックとする。即ち、この4つのパスメトリックのう
ちPM0,k-1 +BM00の値が最も小さいとすると、時刻
t=kにおける状態(00)へ到達する生き残りパスの
パスメトリックPM0,k は、 PM0,k =PM0,k-1 +BM00 となる。
【0068】そして、ステップ50で変数sを状態の総
数so (本実施の形態ではso =4)と比較し、まだ時
刻t=kにおける生き残りパスを求めていない状態が残
っている場合には、ステップ52で変数sを1増加し、
次の状態へ到達するパスのパスメトリックを求める演算
を行うためにステップ44へ戻り、以上の処理(ステッ
プ44〜50)を実行する。ステップ50で各状態へ到
達する全てのパスのパスメトリックを求める演算が終了
した場合には、即ち、前回時刻から今回時刻への全ての
ブランチに関して前回時刻までの生き残りパスに対する
加算、比較、選択が終了した事になる。
【0069】そして、ステップ28(図11参照)の復
号データの出力処理では、前回時刻において出力した復
号データの時刻の次の時刻の状態の内、今回時刻の各状
態へ到達する生き残りパス全てが共通のパスとなり、最
尤パスとして確定する時刻の状態が表すデータを復号デ
ータとして出力する。
【0070】即ち、図19(A)に示すように、時刻t
=k−1において、時刻t=k−1までの各状態に到達
する生き残りパス全てが共通のパスとなる状態は、時刻
t=k−3における状態(00)である。よって、(0
0)が復号データとして出力される。このとき、時刻t
=k−2における状態(00)、(01)は、時刻t=
k−1までの状態に生き残りパスが到達しており、いず
れの生き残りパスが、最尤パスであるか分からない。よ
って、復号データとして出力することができない。
【0071】しかし、時刻t=k−2における状態(0
0)、(01)の内、図19(B)に示すように、時刻
t=kにおいて、時刻t=kまでの各状態に生き残りパ
ス全てが共通のパスとなる状態は、(00)である。よ
って、(00)が復号データとして出力される。
【0072】以上説明したように本実施の形態では、直
交変換部により変換されて得た複数の信号系列各々は、
送信信号により表される複数の送信データ系列の内の2
つのの送信データ系列を表し、この複数の信号系列各々
は、2つの送信データ系列を表すデータシンボル系列の
データシンボル間に一種の干渉が生じている信号系列で
あると考えられる。この干渉は送信側と受信側で行う直
交変換の組み合わせによって決まる。更に、どのような
干渉が生じるかは用いる直交変換の組合せによりあらか
じめ分っている。そこで、受信機の直交変換部からの出
力信号に生じている干渉を畳み込み符号化によって生じ
た干渉とみなすことにより、受信側において最尤系列推
定を可能としている。そして、受信側で複数の直交変換
出力を組み合わせて最尤系列推定を行うことで、誤り率
特性を更に改善することが可能と考えられる。
【0073】このように、送信側において特別な誤り訂
正符号化等を行う必要がないため、データを伝送する効
率を低下させることなく最尤系列推定を行うことがで
き、誤り率特性を改善することができる。
【0074】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図20に示すように、第2の実施の形態に係る受信
機10B1の直交変換部12B1は、少なくとも2つは
各々異なる直交変換を行いかつ該2つの直交変換の内の
1つは送信機側が行った直交変換の逆の直交変換である
複数の直交変換回路16A〜16Xと、複数の直交変換
回路16A〜16Xの出力に基づいて、送信データ系列
を推定する送信データ系列推定部14B1と、を備えて
いる。
【0075】例えば、図示しない送信機の直交変換部が
直交変換としてウェーブレットパケットによる合成を行
った場合には、図21に示すように、受信機の直交変換
部12B2は、帯域分割フィルタ20を複数段に組み合
わせて、ウェーブレットパケットによる分割を行うよう
にしてもよい。このように、帯域分割フィルタ20を複
数段に組み合わせるので、時間・周波数領域の分割パタ
ーンを各段で異なる分割パターンとすることができる。
よって、少なくとも一つ以上の相異なる直交変換を行う
機能を有する。
【0076】図22には、帯域分割フィルタを2段に組
み合わせて構成された受信機10B3が示されている。
この受信機10B3は、1段目の帯域分割フィルタ20
K1と、帯域分割フィルタ20K1に接続された2段目
の帯域分割フィルタ20K2、20K3と、を備えた直
交変換部12B3と、1段目の帯域分割フィルタ20K
1及び2段目の帯域分割フィルタ20K2、20K3に
接続された送信データ系列推定部14B3と、を備えて
いる。なお、帯域分割フィルタ20K2は、1段目の帯
域分割フィルタ20K1により分離された高周波数帯域
側の信号系列が入力されるように、帯域分割フィルタ2
0K3は、1段目の帯域分割フィルタ20K1により分
離された低周波数帯域側の信号系列が入力されるよう
に、それぞれ帯域分割フィルタ20K1に接続されてい
る。なお、帯域分割フィルタ20K1、20K2、20
K3は、前述した帯域分割フィルタ20(図41参照)
と同様であるので、その説明を省略する。
【0077】次に、第2の実施の形態の作用を説明す
る。1段目の帯域分割フィルタ20から出力された信号
系列は、前述した第1の実施の形態における帯域分割フ
ィルタ20により出力された信号系列と同様であるの
で、その説明を省略する。
【0078】2段目の帯域分割フィルタ20から出力さ
れた信号系列は、送信側と逆の直交変換を行った信号で
あるため多重化される前の各送信データシンボル系列A
〜Dに分離されている。
【0079】帯域分割フィルタ20K1、20K2、2
0K3から上記信号系列が入力された送信データ系列推
定部14B3は、図23に示した制御ルーチンを実行す
る。本制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態の制
御ルーチン(図11参照)と同様の部分があるので、同
一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略
する。即ち、本実施の形態に係る制御ルーチンは、図2
3に示すように、ステップ22、24を実行し、次のス
テップ60で、当該時刻の各状態点のステートメトリッ
クを演算し、ステップ26、28を順に実行する。
【0080】次に、ステップ60のステートメトリック
演算処理を、図24を参照して説明する。
【0081】図24のステップ64では、2段目の帯域
分割フィルタ20K2、20K3から入力された4つの
信号系列A〜Dの内の、信号系列A、Bの信号点(2
つ)(なお、本実施の形態では、信号系列A、Bと信号
系列C、Dとに対して同じ処理を実行するので、以下、
信号系列A、Bに対する処理を説明し、信号系列C、D
に対する処理の説明を省略する)と、出力されると予想
される各データを表すデータシンボル点各々と、の2乗
ユークリッド距離を演算する。なお、信号系列A、B
は、多重化される前の送信データシンボルに分離されて
いるため、それそれ0又は1のデータシンボルの何れか
となるためである。前述したようにBPSK変調として
いるため0又は1を表すデータシンボルの信号点は±1
の点となる。信号点の配置を複素平面上に示したもの
が、図25である。図25の距離rA0、rA1、rB0、r
B1の2乗が、求める2乗ユークリッド距離である。雑音
等の影響がない場合には、信号点A、Bは0又は1を表
すデータシンボルのどちらかに一致する。
【0082】ステップ68で、ステートメトリックとし
て、各ステート(状態)に対応して各信号点AB各々毎
に求めた2乗ユークリッド距離の和を演算する。
【0083】即ち、ステートメトリックの計算は、 AB=00:距離rA0、rB0から求める。 AB=01:距離rA0、rB1から求める。 AB=10:距離rA1、rB0から求める。 AB=11:距離rA1、rB1から求める。
【0084】ところで、本実施の形態におけるステップ
26(図23参照)のパスメトリック演算処理では、パ
スメトリックとして、図26に示すように、各ブランチ
に対して演算されたブランチメトリックに、当該ブラン
チに対応するステートにおいて演算されたステートメト
リックを加算する。
【0085】以上説明したように本実施の形態では、受
信機の直交変換部からの2種類の出力を合成して最尤パ
スの探索を行うことになり、更に誤り率特性を改善する
ことが可能となる。
【0086】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。なお、本実施の形態に係る図示しない送信機は、離
散逆フーリエ変換を行うものである。
【0087】図27に示すように、本実施の形態に係る
受信機10Cは、各々時間窓幅が異なるフーリエ変換を
行う複数のフーリエ変換回路18A〜18Xを備えた、
直交変換部12Cと、フーリエ変換回路18A〜18X
により出力された出力に基づいて、受信信号の送信デー
タ系列を予測する送信データ系列推定部14Cと、を備
えている。
【0088】図28には、各々時間窓幅が異なるフーリ
エ変換を行う2つのフーリエ変換回路18A1、18B
1を備えた、直交変換部12C1と、フーリエ変換回路
18A1、18B1により出力された出力に基づいて、
受信信号の送信データ系列を予測する送信データ系列推
定部14C1と、を備えている。
【0089】次に、本実施の形態の作用を説明する。フ
ーリエ変換回路18A1、18B1は、互いに時間窓幅
が異なるフーリエ変換1、2を行う。よって、2種類の
直交変換出力を得る。即ち、フーリエ変換回路18A1
の時間窓幅は、送信機の離散逆フーリエ変換の時間窓幅
と同じである。このため、図29に示すように、送信機
側において多重化される前の送信データシンボル系列に
分離された送信データシンボル系列が出力される。一
方、フーリエ変換回路18B1の時間窓幅は、送信機の
離散逆フーリエ変換の時間窓幅の1/2である。このた
め、図29下段に示すように周波数帯域の分割数は2と
なる。時間窓幅が半分であるため、時間窓が重ならない
ように時間をずらして2回フーリエ変換を行うことで、
時間方向に2つの信号系列が出力される。フーリエ変換
2の出力信号は、送信側で多重化した2つの信号系列に
相当する帯域幅で周波数を分離した信号であるため、こ
の帯域に含まれる2つの送信データ系列によって出力信
号が決まる。
【0090】フーリエ変換回路18A1、18B1から
上記各信号を受信した送信データ系列推定部14C1
は、図30に示した制御ルーチンをスタートする。
【0091】図30のステップ72で、送信側でどの送
信データ系列が送られたかを評価するために、フーリエ
変換1の4つの出力信号に基づいて、各信号の信号点と
各データシンボル点との2乗ユークリッド距離を求め
る。ステップ74では、フーリエ変換1の4つの出力信
号をフーリエ変換2の出力信号に各々対応する2つの出
力信号同士の2つの組み合わせに分割し、各組み合わせ
に対応する信号点各々と前述したデータシンボル点々と
の2乗ユークリッド距離から、各組み合わせに対応する
信号点各々とデータシンボル点各々とを組み合わせた2
乗ユークリッド距離の和を演算し、第1のメトリックと
する。
【0092】ステップ76で、フーリエ変換2における
先の出力信号の信号点と各データシンボルを組み合わせ
た場合に予想される予想信号点各々との2乗ユークリッ
ド距離を演算し、第2のメトリックとする。ステップ7
8では、フーリエ変換2における後の出力信号の信号点
と各データシンボルを組み合わせた場合に予想される予
想信号点各々との2乗ユークリッド距離を演算し、第3
のメトリックを計算する。
【0093】ステップ80で、上記第1のメトリック〜
第3のメトリックの和を演算し、ステップ82で、第1
のメトリック〜第3のメトリックの和の最も小さいデジ
タルシンボルの組み合わせを決定し、当該組み合わせに
対応する送信データ系列を復号データ(送信データ系
列)として出力する。
【0094】以上説明したように本実施の形態では、送
信機側で離散逆フーリエ変換を行い、受信機側では、各
々時間窓幅が異なる複数のフーリエ変換を行い、各複数
のフーリエ変換による出力に基づいて、受信信号の送信
データ系列を予測するので、送信側において特別な誤り
訂正符号化等を行う必要がないため、通信路使用の効率
を最大に維持しつつ、最尤系列推定を行うことができ、
誤り率特性を改善することができる。
【0095】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。上記第1の実施の形態では直交変換部12A1とし
て、単一の帯域分割フィルタ20を備えており、ウェー
ブレットの基底関数としてドブシズウェーブレット(4
タップのFIRフィルタにより構成)の場合を示した
が、他の基底関数を用いてもよい。一例として、6タッ
プのFIRフィルタにより構成されるドブシズウェーブ
レットを用いた場合の例を示す。
【0096】図31に示すように、第4の実施の形態に
係る受信機10D1の直交変換部12D1は、1段の帯
域分割フィルタ20D1を備えている。帯域分割フィル
タ20D1は、前述した帯域分割フィルタ20(図41
参照)と同様の構成であるが、高域フィルタ20A1お
よび低減フィルタ20A2の特性を、次式で示す特性と
したものである。
【0097】
【数4】
【0098】また、図示しない送信機の直交変換部が直
交変換としてウェーブレットパケットにより4つのデー
タシンボル系列の合成を行う場合、送信機の直交変換部
の帯域合成フィルタは、前述した帯域合成フィルタ12
0(図40参照)と同様の構成とし、帯域合成フィルタ
の高域フィルタ120B1および低減フィルタ120B
2の特性を次式で示す特性とするものとする。
【0099】
【数5】
【0100】各フィルタの特性以外は第1の実施の形態
と同様であるため、その説明を省略する。
【0101】次に、第4の実施の形態の作用を説明す
る。1段目の帯域分割フィルタ20D1から出力された
信号系列は、第1の実施の形態と同様に送信機100の
1段目の帯域合成フィルタの出力と同じ信号系列とな
る。図32に帯域分割フィルタ20D1から出力される
信号系列のA、Bのみの成分を示す。図32に示す信号
点S1 、S2 は、第1の実施の形態の場合と異なり、6
つの送信データシンボルA1 、B1 、A2 、B2
3 、B3 の組み合わせにより決まる信号である。即
ち、 S1 =(A1 1 5 +(A2 2 3 +(A3 3
12 =(A1 1 6 +(A2 2 4 +(A3 3
2 となる。
【0102】この場合、4つのデータシンボルA1 、B
1 、A2 、B2 を一つの組に、4つのデータシンボルA
2 、B2 、A3 、B3 をもう一つの組として考える。2
つの組は送信機の直交変換部に入力される時刻が1シン
ボルシフトした関係にある。
【0103】(A1 ,B1 ,A2 ,B2 )、(A2 ,B
2 ,A3 ,B3 )の組み合わせは各々16通りある。こ
の組み合わせを状態とおくことにより、図33に示すト
レリス線図を形成すれば良い。信号点S1 、S2 は、デ
ータシンボルA2 、B2 が共通する状態どうしをつなぐ
状態遷移のブランチにより表すことができる。なお、デ
ータシンボルA2 、B2 が異なる状態どうしの間にはブ
ランチは存在しない。
【0104】以降の処理については第1の実施の形態と
同様に、信号点S1 、S2 の予想信号点を計算し、ブラ
ンチメトリックを演算し、同様の処理を行う事ができ
る。
【0105】したがって、ウェーブレットの基底関数が
6タップで構成されるドブシズウェーブレットの場合で
も実施可能であることが示された。同様に、異なるウェ
ーブレットの基底関数を用いることも可能である。
【0106】次に本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図34に示すように、第5の実施の形態に係る受信
機10E1は、第1の実施の形態の受信機10A1の直
交変換部12A1の出力信号に、更に受信信号系列をそ
のまま変換することなく出力する出力信号を追加したも
のである。直交変換部12E1からの出力信号の一つと
して、受信信号をそのまま変換出力の信号系列を出力す
る。これは直交変換の特殊な場合として考える事ができ
る。その他の構成については第1の実施の形態と同様で
あるため、その説明を省略する。
【0107】第5の実施の形態の作用を説明する。受信
信号系列は、第1の実施の形態の際に説明した送信信号
そのものであるため、説明を省略する。
【0108】図35に本実施の形態でのトレリス線図の
一部を示す。受信信号をそのまま出力した信号系列は信
号系列A、B、C、Dが合成されたものである。この信
号系列は時間間隔T/4の信号系列であるため、4つの
信号点S1 〜S4 を考える。信号点S1 〜S4 は、各々
12個のデータシンボルA1 〜D1 、A2 〜D2 、A 3
〜D3 により表される。第4の実施の形態と同様に考え
て、形成したトレリス線図の1部を図35に示す。
【0109】ブランチメトリックの演算は、これまでの
実施の形態の説明と同様に行う事ができる。
【0110】次に、直交変換部12A1の帯域分割フィ
ルタ20E1の出力の処理について説明する。帯域分割
フィルタ20E1の出力は、第1の実施の形態における
ブランチメトリックの演算と同様の処理を行う。第1の
実施の形態におけるブランチメトリックは、データシン
ボルA1 、B1 、A2 、B2 の組み合わせに対して決ま
る値である。本実施の形態では、データシンボルA1
1 、A2 、B2 の組み合わせに対して、いずれかの状
態が該当する。したがって、第1の実施の形態における
ブランチメトリックの演算と同様の処理を行って得られ
た値を、データシンボルA1 、B1 、A2 、B2 の組み
合わせに該当する状態の第1のメトリックとして用いれ
ばよい。データシンボルC1 、D1 、C2 、D2 の組み
合わせに対しても同様に処理を行い、第2のメトリック
として用いる。各々該当する状態のステートメトリック
として、第1のメトリック、第2のメトリックの和を用
いることにより、第2の実施の形態と同様に処理を行う
ことができる。
【0111】次に本発明の第6の実施の形態を説明す
る。図36に示すように、第6の実施の形態に係る受信
機10F1は、第1の実施の形態の受信機10A1に更
に伝送路推定部400F1を備えたものである。図37
に示すように、伝送路推定部400F1は、1サンプル
遅延素子404と推定された伝送路特性を表す係数40
6および該係数を更新する推定伝送路特性更新部402
とからなる。
【0112】第6の実施の形態の作用を説明する。伝送
路推定部400F1では、直交変換部12F1から出力
される信号系列と送信データ系列推定部14F1から出
力される各生き残りパスから得られた予想信号系列とを
用いて伝送路特性の推定を行い、推定された伝送路特性
を出力する。
【0113】送信データ系列推定部14F1では、直交
変換部12F1から出力される信号と伝送路推定部40
0F1から出力される推定された伝送路特性とを用い
て、送信データ系列を推定する。
【0114】伝送路推定部400F1について図37を
用いて説明する。伝送路推定部400F1は従来の伝送
路推定と同様の様々なアルゴリズムが使用できるが、本
実施の形態では、伝送路推定のために用いる入力信号が
従来の場合と異なることが特徴である。伝送路推定部4
00F1としてLMSアルゴリズムにより伝送路特性の
推定を行う構成例を図37に示す。
【0115】伝送路推定部には、伝送路において歪みや
信号強度の変動が生じた信号として、直交変換部12F
1からの出力信号xk を入力する。同時に、本来歪みや
変動が生じていない場合の基準となる信号dk を入力す
る。ここで、時刻t=kにおける推定された伝送路の特
性を、
【0116】
【数6】
【0117】と表すことにする。伝送路の特性が正しく
推定できている場合には、基準信号に推定された伝送路
の特性を畳込んだ信号、即ち1サンプル遅延素子404
と推定された伝送路特性の係数406を組み合わせて得
られる信号d’k と直交変換部からの出力信号x k
は、等しくなるはずである。したがって、次式が成り立
つ。
【0118】
【数7】
【0119】しかし、伝送路の特性が時間とともに変動
している場合、上式は等しくならなくなり、誤差が発生
する。そのため、誤差信号ek
【0120】
【数8】
【0121】として求める。推定伝送路特性更新部40
2では、この誤差信号ek を用いて、次式に従い、伝送
路特性の係数g0 k 、g1 k 、g2 k を順次更新する。
【0122】
【数9】
【0123】ここで、Δは更新を行う時のステップサイ
ズ、*は複素共役を表す。直交変換部からの出力信号x
k と基準信号dk とが入力される毎に以上の処理を繰り
返す事で、時間とともに変動する伝送路特性の推定を行
うことができる。
【0124】基準信号dk は、伝送路特性の影響を受け
ていない場合に直交変換部12F1から出力されると予
想される信号である。この基準信号の系列は、送信デー
タ系列推定部14F1において正しい送信データ系列を
表すパス上のブランチのブランチメトリックを演算する
ために用いる予想信号点K1 、K2 と同じ信号である。
そこで、この予想信号点の系列を伝送路推定部400F
1に入力すれば良い。そのためには正しい送信データ系
列を表すパスが分かっている必要があるが、ここでは、
正しい送信データ系列を表すパスである可能性の高い最
尤パスを求める途中の段階の各生き残りパスを利用す
る。各生き残りパスのブランチメトリックを演算する際
に用いた予想信号点K1 、K2 を伝送路推定部400F
1に入力して、時間とともに変動する伝送路特性の推定
を行う。なお、生き残りパスは、トレリス線図の状態数
と同じ数だけ存在するため、伝送路推定も生き残りパス
各々について推定を行う。
【0125】次に、推定された伝送路特性を用いて送信
データ系列推定部14F1で系列推定を行う処理につい
て説明する。ブランチメトリックを演算する際に用いる
予想信号点K1 2 は、伝送路特性の影響が含まれてい
ない。そこで、その時点で推定されている伝送路特性を
用いて、予想信号点K1 、K2 を補正する。補正後の予
想信号点をK’1 、K’2 とする。この補正後の予想信
号点を用いてブランチメトリックの演算を行う。
【0126】なお、補正のために用いる伝送路特性は生
き残りパス各々について推定されているので、生き残り
パス各々からつながる各ブランチに対して、それぞれの
生き残りパスに対して推定された伝送路特性を用いれば
良い。
【0127】各ブランチメトリックを演算し、パスメト
リックの演算を行い、新しい生き残りパスが選択される
と、選択された生き残りパスに該当するブランチメトリ
ックの計算に用いた予想信号点K1 、K2 を、伝送路推
定部400F1に対して出力する。
【0128】したがって、ある時点に推定されている伝
送路特性を用いて送信データ系列推定を行い、新しい生
き残りパスが選択されると、次の時点の伝送路特性推定
のための基準信号として予想信号点K1 、K2 を用い
る。即ち、生き残りパス各々について、送信データ系列
推定と伝送路推定を交互に繰り返しながら処理が進めら
れることになる。
【0129】以上説明したように本実施の形態では、時
間的に変動する伝送路特性を推定するための伝送路推定
部を備えることにより、伝送路特性が時間的に変動する
通信環境においても、良好な誤り率特性を得る事が可能
となる。更に本実施の形態では、時間間隔がデータシン
ボルの半分(T/2)の間隔となる信号系列により伝送
路推定を行っている。そのため、従来のデータシンボル
毎に伝送路推定を行っている場合に比べて、伝送路の変
動が速い場合にも伝送路特性を精度良く推定することが
でき、誤り率特性を改善することができる。
【0130】本実施の形態では、時間間隔がデータシン
ボルの半分の間隔となる信号を用いて伝送路推定を行っ
ているが、更に短い間隔の信号が得られる直交変換を用
い、その出力信号により伝送路特性の推定することもで
きる。
【0131】前述した実施の形態では、4タップドブシ
ズ、6タップドブシズのウェーブレット基底関数を説明
しているが、本発明はこれに限定されず、その他、10
タップドブシズ等の基底関数に適用してもよい。
【0132】また、以上説明した実施の形態では、BP
SK変調の場合について示しているが、本発明はこれに
限定されず、他の変調方式、例えばQPSK変調、8P
SK変調、16QAM変調等も用いる事ができる。ま
た、複数のデータシンボル系列の多重化として4つのデ
ータシンボル系列を多重化した場合について示している
が、本発明はこれに限定されず、多重化数が異なる場合
にも用いる事ができる。即ち、4以外の複数のデータシ
ンボル系列を多重化してもよい。なお、分割は、等分割
に限定されず、等分割でない場合にも適用してもよい。
また、本発明では予め誤り訂正符号化を行う必要がない
が、既に誤り訂正符号化を行ってある場合についても用
いる事が可能である。
【0133】なお、前述した実施の形態では、直交変換
を用いて、送信信号を、該送信信号により表される複数
の送信データ系列の内の所定個の送信データ系列を各々
表す複数の信号系列に変換しているが、本発明はこれに
限定されず、変換結果が予め予想される変換方法であれ
ば何れの変換方法を用いることができる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、送信信号
を生成する際に誤り訂正符号化処理しなくても、送信信
号により表される複数の送信データ系列を推定すること
ができるので、データを伝送する効率を低下させること
なく精度よく送信データ系列を推定することができる、
という効果を有する。
【0135】また、本発明は、伝送路推定手段を備える
ことにより、送受信機間の伝送路特性の推定を行いつつ
受信された送信信号により表される複数の送信データ系
列を推定するので、送受信機間の伝送路の特性が時間的
に変化する場合においても、送信信号により表される送
信データ系列を精度良く推定することができる、という
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る受信機のブロック図で
ある。
【図2】第1の実施の形態に係る他の受信機を備えた通
信システムのブロック図である。
【図3】送信信号の形成過程を示す図である。
【図4】送信信号の形成過程を示す他の図である。
【図5】送信信号の変換過程を示す図である。
【図6】送信信号の変換過程を示す他の図である。
【図7】送信信号の変換過程を示す更に他の図である。
【図8】帯域分割フィルタによる変換を示す図である。
【図9】帯域分割フィルタによる変換を示す他の図であ
る。
【図10】帯域分割フィルタによる変換を示す更に他の
図である。
【図11】メイン制御ルーチンを示したフローチャート
である。
【図12】送信データ系列推定部に入力される信号系列
の成分を示す図である。
【図13】トレリス線図である。
【図14】トレリス線図の形成過程を示した図である。
【図15】メイン制御ルーチンのステップ24のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図16】第1の実施の形態における2乗ユークリッド
距離を説明するための図である。
【図17】メイン制御ルーチンのステップ26のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図18】第1の実施の形態におけるパスメトリックの
演算方法を示した図である。
【図19】復号データを選択する方法を示した図であ
る。
【図20】第2の実施の形態に係る受信機のブロック図
である。
【図21】第2の実施の形態に係る他の受信機のブロッ
ク図である。
【図22】第2の実施の形態に係る更に他の受信機のブ
ロック図である。
【図23】第2の実施の形態におけるメイン制御ルーチ
ンを示したフローチャートである。
【図24】メイン制御ルーチンのステップ60のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図25】第2の実施の形態における2乗ユークリッド
距離を説明するための図である。
【図26】第2の実施の形態におけるパスメトリックの
演算方法を示した図である。
【図27】第3の実施の形態に係る受信機のブロック図
である。
【図28】第3の実施の形態に係る他の受信機のブロッ
ク図である。
【図29】各々異なる時間窓幅の2つのフーリエ変換に
よる出力内容を示した図である。
【図30】メイン制御ルーチンを示したフローチャート
である。
【図31】第4の実施の形態に係る受信機のブロック図
である。
【図32】第4の実施の形態に係る帯域分割フィルタに
よる変換を示す図である。
【図33】第4の実施の形態に係るトレリス線図であ
る。
【図34】第5の実施の形態に係る受信機のブロック図
である。
【図35】第5の実施の形態に係るトレリス線図の一部
を示す図である。
【図36】第6の実施の形態に係る受信機のブロック図
である。
【図37】伝送路特性推定部の詳細ブロック図である。
【図38】従来技術に係る通信システムのブロック図で
ある。
【図39】従来技術に係る他の通信システムのブロック
図である。
【図40】帯域合成フィルタの詳細ブロック図である。
【図41】帯域分割フィルタの詳細ブロック図である。
【図42】ウェーブレットパケットによる分割を行う場
合の種々の直交変換部の構成を示したブロック図であ
る。
【図43】誤り訂正符号化及び誤り訂正符号化に対応す
る復号処理する場合の通信システムの概略ブロック図で
ある。
【図44】誤り訂正符号化に対応する復号処理と伝送路
特性の推定を行う受信機の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10A1 受信機 12A1 直交変換部(変換手段) 14A1 送信データ系列推定部(系列推定手段) 10B3 受信機 12B3 直交変換部(変換手段) 14B3 送信データ系列推定部(系列推定手段) 10C1 受信機 12C1 直交変換部(変換手段) 14C1 送信データ系列推定部(系列推定手段) 10D1 受信機 12D1 直交変換部(変換手段) 14D1 送信データ系列推定部(系列推定手段) 10E1 受信機 12E1 直交変換部(変換手段) 14E1 送信データ系列推定部(系列推定手段) 10F1 受信機 12F1 直交変換部(変換手段) 14F1 送信データ系列推定部(系列推定手段) 400F1 伝送路推定部(伝送路推定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−112736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信データ系列各々を表す複数の
    データシンボル系列を多重化した送信信号を受信する受
    信手段と、 前記受信手段により受信された送信信号を、該送信信号
    により表される複数の送信データ系列の内の所定個の送
    信データ系列を各々表す複数の信号系列に変換する変換
    手段と、 前記変換手段により変換された複数の信号系列各々と該
    複数の信号系列各々について予想される複数の予想信号
    系列各々とに基づいて、前記受信された送信信号により
    表される複数の送信データ系列を推定する系列推定手段
    と、 を備えた受信機。
  2. 【請求項2】 前記変換手段により変換された複数の信
    号系列各々と該複数の信号系列各々について予想される
    複数の予想信号系列各々とに基づいて、送受信機間の伝
    送路特性を推定する伝送路推定手段を更に備え、 前記系列推定手段は、前記変換手段により変換された複
    数の信号系列各々と該複数の信号系列各々について予想
    される複数の予想信号系列各々と前記伝送路推定手段よ
    り推定された伝送路特性とに基づいて、前記受信された
    送信信号により表される複数の送信データ系列を推定す
    る請求項1記載の受信機。
  3. 【請求項3】 前記送信信号は、所定の第1の直交変換
    により多重化されたものであり、 前記変換手段は、前記第1の直交変換の逆変換と異なり
    かつ少なくとも1つ以上の各々異なる第2の直交変換に
    より、受信された送信信号を複数の信号系列に変換する
    請求項1又は請求項2記載の受信機。
  4. 【請求項4】 前記送信信号は、所定の第1の直交変換
    により多重化されたものであり、 前記変換手段は、前記第1の直交変換の逆変換とは異な
    りかつ少なくとも1つ以上の各々異なる第2の直交変換
    及び前記第1の直交変換の逆変換により、前記受信され
    た送信信号を複数の信号系列に変換する請求項1又は請
    求項2記載の受信機。
  5. 【請求項5】 前記第2の直交変換は、ウェーブレット
    パケットによる分割を用いて行う又はフーリエ変換を用
    いて行う請求項3又は請求項4記載の受信機。
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