JP3468955B2 - 微細藻による乳酸の製造方法 - Google Patents

微細藻による乳酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は微細藻が蓄積する澱
粉を原料として、生物分解性プラスチックなどの原料と
なる乳酸を効率よく大量に製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術分野】従来、食品添加物、醸造用、医薬、
農薬分野で用いられる乳酸は、ショ糖、ブドウ糖、澱粉
などを原料とし、乳酸菌と総称される微生物の発酵を利
用して製造されている。工業的に用いられる乳酸菌によ
る糖からの乳酸発酵は、下記(1) 式に従い、1モルのブ
ドウ糖が分解されて2モルの乳酸が生成される。 【化1】 C6H12O6(グルコース)→ 2CH3CH(OH)COOH(乳酸) ・・(1) 発酵液中に生成した乳酸は次いで、石灰乳の添加、加
固形分の除去、活性炭処理、濃縮、結晶化などの処
理が行われ所要の濃度、純度に調整される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】現在、世界中で、年に
1億トン以上の化石資源からの化学合成プラスチックが
生産、消費されており、その大部分が廃棄物となって長
い年月にわたり残留することが環境、及び景観上大きな
問題となっている。その対策として注目されているのが
生物分解性プラスチックであり、これは廃棄物となって
後に自然環境中で紫外線や土壌微生物などの作用で速や
かに分解消滅する特徴を有するものである。生物分解性
プラスチックには、原料や構造などにより種々のものが
知られているが、その1つとして乳酸を原料として合成
するポリ乳酸プラスチックは、物性、加工性などに優れ
ており、将来の増産が見込まれている。 【0004】従来の発酵方法による乳酸製造において
は、原料として糖密、乳清、穀物澱粉などの農産物が用
いられているが、今後、需要が急増する生物分解性プラ
スチックの原料として最も有望と目される乳酸の生産に
当たってはこれらの原料の確保が大きな問題点である。
現在、発酵方法による乳酸の生産量は世界で年に約3万
トンであるが、今後プラスチック材料のごく一部を生物
分解性に代替していくとしても、数100万トン、将来
的には1千万トン以上の乳酸が必要となる。その原料と
しては、現状、廃棄物として得られる乳清や廃糖密の量
はごくわずかであり、穀物澱粉に依存することになる
が、本来食糧になるものであり将来的な、穀物増産の可
能性と人口増大による食糧需要とのバランスより、上記
のような大量の乳酸原料とすることは困難である。本発
明は、原料を農産物に依存せずに乳酸を効率よく大量生
産できる新規な製造方法の提供を課題とするものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、食糧の生
産と競合せずに生物分解性プラスチックの原料となる乳
酸を大量に製造する方法に関し、種々研究する中で、食
糧穀物と競合せずに生産可能な微細藻の中に乳酸の原料
となる澱粉を多量に蓄積するものが存在するだけでな
く、特定の条件下では微細藻特有の細胞内澱粉の乳酸化
反応を利用することにより、効率よく乳酸が製造できる
ことを見い出した。すなわち、本発明は細胞内に澱粉を
蓄積する微細藻であるテトラセルミス属 Tetraselmis s
p.に属するCCAP登録番号66/3を培養し、培養液
中の藻体を固形物濃度(以下、本明細書において「固形
物濃度」とは〔固形物乾燥重量/スラリー全体の重量〕
を意味する)として10重量%以上に濃縮し、該濃縮微
細藻スラリを暗黒かつ嫌気性雰囲気に保持し、pHを4
〜9の範囲に保つことにより細胞内の澱粉を乳酸化させ
ることを特徴とする微細藻による乳酸の製造方法を提供
する。上記固形物濃度として20重量%以上に濃縮する
ことは本発明の特に好ましい実施態様である。また、上
記pHを5〜8に保つことは本発明の特に好ましい他の
実施態様である。 【0006】 【発明の実施の形態】微細藻は太陽光などの照射を受け
て光合成を行い、細胞内に澱粉を蓄積することができ
る。また、糖などの有機物を栄養として暗条件でも増殖
して澱粉蓄積するものも存在する。一方、光や有機物
(栄養)のない条件になると、通常、細胞内の澱粉など
の貯蔵物質を消費し、炭酸ガスまで酸化分解しながら生
命活動を維持する。このような条件下では乳酸の生産は
起こらない。ここで人為的に暗条件で、かつ酸素のない
嫌気的な条件を与えると澱粉の炭酸ガスへの完全な酸化
反応は進行しなくなり、微細藻の種類によっては水素ガ
ス、炭酸ガス、アルコール、乳酸、ギ酸、酢酸などを種
々の割合で生産するものが存在することが、近年の研究
よりわかってきた。 【0007】本発明者らは微細藻の上記性質を利用して
乳酸を工業的に生産することに想到し、各種の澱粉蓄積
微細藻を培養、濃縮し、暗黒かつ嫌気性雰囲気に保持し
て、細胞内澱粉からの乳酸生産性を調べた結果、乳酸の
生産が予想外に多いものが存在することを見いだし、こ
のような微細藻を用いて更に研究の結果、高効率の乳酸
生産を可能とする本発明に至った。 【0008】本発明の方法において、乳酸製造用原料と
して使用できる微細藻は、細胞内に澱粉、グリコーゲン
などブドウ糖によって構成される多糖類を多量に、望ま
しくは乾燥重量の50重量%以上、含有し、更に暗黒か
つ嫌気性雰囲気のもとで該澱粉、グリコーゲンなどを速
やかに代謝して乳酸を多く生産する特性を有するもので
ある。これらの条件を満たすものの例としては、緑藻
綱、プラシノ藻綱、クリプト藻綱、藍藻綱に分類される
微細藻類が挙げられ、更に具体的には例えば緑藻綱のク
ラミドモナス属、クロレラ属、プラシノ藻綱のテトラセ
ルミス属及び藍藻綱のスピルリナ属、オシラトリア属、
ミクロシスティス属などを挙げることができる。 【0009】具体的には、例えば、テトラセルミス属
Tetraselmis sp.に属するCCAP(The Culture Coll
ection of Algae and Protozoa )登録番号66/3の微
細藻、が挙げられ、この微細藻が本発明の方法に従い高
い乳酸産生能力を示すことは、本発明者らにより初めて
得られた知見である。 【0010】また、本発明者らが海水より採取し分離獲
得した微細藻で本発明者らにより下記のように呼称され
る〜の微細藻が本発明に好適な微細藻として挙げら
れる。Tit−1株(父島にて採取)、7C3株
(博多湾にて採取)、Sak−2株(長崎県崎戸島に
て採取)、9A3株(父島にて採取)。以上のない
しの微細藻はいずれも乳酸の生成濃度が1〜2重量
%、すなわち、10〜20g/リットルであった。また
ないしの微細藻については目下同定中である。 【0011】またさらに本発明に用いる微細藻として、
特に好ましいものとしては本発明者らが海水より単離し
た乳酸産生能力が非常に高い微細藻であって、6A4株
と呼称する微細藻が挙げられる。6A4株の乳酸生成濃
度は2〜3重量%である。該6A4株は目下同定中であ
り、分離の方法及び現在までに判明している分類学的性
質は下記のとおりである。本株は工業技術院生命工学工
業技術研究所において「緑藻であるため」の理由により
受託拒否に該当した。 1.採取海水:長崎県西彼杵郡崎戸町の海岸にて採取。 2.藻株の分離操作: i )集積培養;上記採取海水100mlを300mlの
三角フラスコにとり、後記する表1、表2に示す組成に
なるよう栄養塩等を添加し、蛍光灯で1500ルクス、
25℃で連続照射しながら、ゆるやかに振盪した。約2
週間後には微細藻と考えられる緑色の微生物の存在が肉
眼で認められる状態となった。 ii)分離;上記集積培養を行った培養液(細胞の懸濁
液)を海水で100倍に希釈し、その0.5mlを後記
する寒天培地に滴下し、寒天表面に塗布した。寒天培地
は、表1,表2に示す組成の培地に精製寒天を1.5重
量%加え、オートクレーブにより滅菌後、シャーレに添
加し、放冷固化した。塗布した寒天培地入りシャーレを
蛍光灯1500ルクス,25℃下で静置した結果、約2
週間後に培地表面に緑色のコロニーが15個出現した。
個々のコロニーを後記する表1,表2に示す組成の培地
に移植し、培養増殖させた後、各細胞の乳酸生成能力を
調べ、最も優れたものを6A4株と命名した。 【0012】3.6A4株の特徴: (a)形状: 球形 (b)大きさ:直径3μm (c)べん毛:観察されず (d)運動性:なし (e)光合成色素:クロロフィルa,クロロフィルb,
カロチノイドを含有(薄層クロマトグラフ法により検
出) (f)増殖性:表1,表2に示す海水性培地で蛍光灯照
射15000ルクス,25℃の下で、約0.4g〔乾燥
重量/リットル・日〕の増殖速度を示す。 (g)澱粉含有率:30〜40%(乾燥藻体重量当り) 【0013】本発明の方法を具体的に説明すると、微細
藻を培養した後、まず培養液から固形物濃度として10
重量%以上、好ましくは20重量%以上に微細藻を濃縮
し、該濃縮微細藻のスラリを暗黒かつ嫌気性雰囲気下に
保持して乳酸を生産させる。次に濃縮したスラリを暗黒
かつ嫌気性雰囲気に保持するが、具体的には酸素が存在
しない雰囲気にする。なお、微細藻スラリーは微細藻自
身の呼吸により短時間で無酸素、すなわち嫌気条件とな
る。ここで、乳酸の生成に伴って徐々にスラリのpHが
低下する。pHがある値以下に下がると乳酸生産反応が
鈍化するため、本発明の方法においては微細藻のスラリ
を暗黒かつ嫌気性雰囲気下に保持する間、スラリのpH
が4〜9、好ましくは5〜8の範囲に保つように調整す
る。pHが4未満になると乳酸の生成速度が遅くなり、
またpH調整用のアルカリを供給し過ぎることによりp
Hが9を超えるとやはり乳酸の生成速度が遅くなるので
好ましくない。 【0014】本発明による乳酸製造の一例を図1のプロ
セス図に示し、詳細に説明する。図1のプロセスにおい
て、前記の細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を微細藻培養
手段1に供給して培養する。微細藻培養手段1は前述の
光独立栄養の場合、水深10〜30cm程の流水路型の
培養槽で上面が開放され、窒素、リンなどの無機栄養を
与えながら太陽光を受光して培養する方式を用いること
ができる。従属栄養培養の場合、光の照射は不要であ
り、従来公知の一般的微生物発酵槽を用いて、槽内及び
有機栄養培地を120℃で15分間程度滅菌した上で培
養することができる。 【0015】培養液中の微細藻の濃度が培養液1リット
ル当たり0.1〜1g程度になった時点で培養を止め、
微細藻培養手段2により濃縮する。微細藻濃縮手段2に
おいては、沈殿性の高い微細藻の場合には一旦自然沈殿
により固形分1〜5重量%程度になるように濃縮した
後、遠心分離、ベルトフィルタなどにより更に固形分1
0〜20重量%以上に濃縮する。沈殿性の低い微細藻の
場合には直接、遠心分離、ベルトフィルタなどにより固
形分10〜20重量%以上に濃縮する。本プロセスにお
いては、流動性を有する範囲で可能な限り高固形分(1
0〜20重量%以上)に濃縮すると、スラリとしての取
扱いと後段での緩速攪拌が可能となり、かつ乳酸濃度を
高くできて、後段の乳酸濃縮が有利になる。 【0016】このようにして得られた微細藻のスラリを
暗黒かつ嫌気性雰囲気に保持できる保持手段3に導いて
乳酸の生産を行わせる。保持手段3はスラリポンプある
いは攪拌などの緩速攪拌手段を備えたpHモニタ付き密
閉型容器からなる。ここで暗黒雰囲気とは、光合成が行
われない程度に光を遮断した状態をいう。この保持手段
3中にスラリを導入し、緩くかきまぜながら暗黒かつ嫌
気性雰囲気に保持することにより乳酸を生成させる。こ
の間、pHモニタによりスラリのpHを監視しておき、
NaOHなどのアルカリ液あるいはHClなどの酸溶液
の供給手段を備えたpH調手段4より、アルカリ液あ
るいは酸溶液を添加してスラリのpHを4〜9、好まし
くは5〜8の範囲に保つようにする。pH調整手段4
は、保持手段3のpHモニタに連動して作用するように
し、連続的にスラリのpHを調整できるようにすること
もできる。温度は、微細藻の種類にもよるが、20〜3
5℃でもっともよく増殖するものが多い。使用する微細
藻に最適な温度条件を実験的に求めておくことが好まし
い。 【0017】保持手段3内での微細藻の滞留時間は、微
細藻の種類、保持条件などにより異なるが、10〜70
時間の範囲が一般的である。スラリ中の乳酸濃度が30
〜150g/リットル(30,000〜150,000
ppm)程度になった時点で乳酸濃縮手段5に導き、乳
酸の分離濃縮を行う。乳酸分離濃縮手段としては従来の
乳酸発酵による製造プロセスで用いられる公知の方法を
用いることができる。例えば、乳酸を含む微細藻スラリ
に石灰乳を添加しアルカリ性にした後、フィルタなどで
藻体やカルシウム塩などの夾雑物を除去する。フィルタ
の濾液について活性炭で不純物を除き、次いで硫酸を加
えて石こうと乳酸のスラリとした上、フィルタで石こう
を除去し、更に濾液の加熱濃縮と活性炭による精製を繰
返すことにより所定の純度、濃度の乳酸液を得ることが
できる。 【0018】〔参考例1〕 (構成) 本発明者らが海水より単離した微細藻6A4株を用いて
図1の構成により乳酸製造を実施した。該6A4株の培
養種(乾燥藻体として50g)と、表1に示す組成の培
養液500リットルを偏平透明容器に入れ、白色蛍光灯
で約15000ルックス(lux)の連続照射を行い、
空気(1%CO2 添加)を通気しながら25℃で3日間
培養し、500リットル中に乾燥藻体として600g藻
体を含む培養液を得た。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】 【0021】次にこの液を遠心沈殿方法により濃縮し、
5リットル中に該6A4株の藻体を乾燥藻体として60
0gすなわち濃度12g/100mlのスラリ液とし、
この液を625ミリリットル×8本に分割した。分割し
た各飼料を光をしゃ断した800mlの緩速攪拌手段を
有する密閉容器に分注した。各容器には藻体スラリのp
H検出手段、及びこれと連動して働く、アルカリ(Ca
(OH)2 水溶液)供給手段からなるpH自動制御手段
を設け、各々、pHを3、4、5、6、7、8、9、1
0の各設定値の±0.2の範囲内に保持させた。各容器
は25℃の恒温室内に設け、藻体スラリを分注し攪拌を
はじめると、藻体自身の呼吸により、スラリ中の溶存酸
素は30分以内に消費され、嫌気的な条件となった。 【0022】(作用・効果)pHを制御しながら、緩速
攪拌を続け、24時間後の生成乳酸濃度をガスクロマト
グラフィにより分析した結果を図2に示す。図2におい
て横軸はpH値、縦軸はpH7での生成濃度を1とする
乳酸生成相対濃度を示す。これよりpH制御の影響は極
めて大きく、最も適したpHは7〜8の中性域であり、
良好な乳酸生成を行わせるためにはpHを4〜9、望ま
しくは5〜8に保つことが良いと分かる。本実施例の方
法により生成できる乳酸の濃度は、微細藻の種類や藻体
スラリの設定濃度にもよるが、少なくとも3〜5g/1
00ml(30〜50g/リットル)、最大10〜15
100ml(100〜150g/リットル)が可能であ
るため、これより前述した既存の乳酸濃縮手段により適
宜の濃度まで容易に濃縮することができる。 【0023】 【発明の効果】 (1)本発明の方法では、例えば海洋に面した沙漠のよ
うな食糧生産に不向きな荒廃地などと海水を用いて微細
藻を培養し、乳酸を生産できるので、大量の生物分解性
プラスチックであるポリ乳酸の原料確保が食糧生産と競
合せずに可能となる。 (2)乳酸の原料となる糖(澱粉)としての生産性(速
度)については、太陽光を利用した培養槽の単位面積
(m2 )当たりの藻体生産性は通常20〜30g(乾燥
藻体として)/日以上期待でき、澱粉含有率が乾燥重量
の50重量%とすると、ほぼ通年培養できることから、
30〜45トン/ha・年にもなるため、従来の陸上の
穀物、サトウキビなどと比べても高速であり、少ない面
積で澱粉原料の生産ができる。 (3)微細藻の細胞内澱粉から乳酸への変換は速いもの
で10時間遅いものでも70時間程度で完了する。従来
の糖から乳酸菌を用いて回分発酵により乳酸製造する場
合に約1週間かかっていることから、微細藻による乳酸
製造のほうがコンパクトな変換槽(図1の保持手段3)
で済む。 (4)本発明による微細藻の培養は無尽蔵の太陽エネル
ギーを利用し、また近年地球温暖化現象の原因とされて
いる炭酸ガスを固定し、澱粉、乳酸に省エネルギー的に
変換するものである。また、乳酸より製造されるポリ乳
酸は生物分解性の高いプラスチックであるため、生産段
階及び使用消費段階ともに環境にやさしい技術であると
いえる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係る微細藻による乳酸製造の
プロセスを示す図。 【図2】本発明の実施例に係る微細藻スラリのpHと乳
酸生成濃度の関係を示すグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 伸 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (72)発明者 中山 博之 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (56)参考文献 Biotechnology and Bioengineering,1982 年,Vol.24,pp.1555−1563 Plant Cell,1995年 8 月,Vol.7,pp.1117−1127 Physiol. Plant., 1984年,Vol.60,pp.547−551 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/56 C12N 1/12 CA(STN) BIOSIS(STN) WPIDS(STN) MEDLINE(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 細胞内に澱粉を蓄積する微細藻であるテ
    トラセルミス属 Tetraselmis sp.に属するCCAP登録
    番号66/3を培養し、培養液中の藻体を固形物濃度と
    して10重量%以上に濃縮し、該濃縮微細藻スラリを暗
    黒かつ嫌気性雰囲気に保持し、pHを4〜9の範囲に保
    つことにより細胞内の澱粉を乳酸化させることを特徴と
    する微細藻による乳酸の製造方法。
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