JP3465516B2 - 帯電ロール - Google Patents

帯電ロール

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JP3465516B2
JP3465516B2 JP2468197A JP2468197A JP3465516B2 JP 3465516 B2 JP3465516 B2 JP 3465516B2 JP 2468197 A JP2468197 A JP 2468197A JP 2468197 A JP2468197 A JP 2468197A JP 3465516 B2 JP3465516 B2 JP 3465516B2
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浩二 山口
直斎 藤井
幸男 大山
宏泰 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真現像方式を利用した複
写機やレーザービームプリンター等に用いられる帯電ロ
ールに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、電子写真現像方式を利用した複
写機やプリンター等においては、帯電ロールが感光体ド
ラムに接して回転するように設けられ、かかる感光体表
面を帯電せしめるようにした構造のものがある。即ち、
そのような帯電ロールは、静電潜像の形成される感光体
ドラムに対する帯電方式の一つであるロール帯電方式に
おいて用いられるものであって、感光体ドラムの表面に
電圧印加した帯電ロールを押し当てて、接触せしめつ
つ、それら感光体ドラムと帯電ロールとが、相互に回転
するようにすることによって、感光体ドラム表面を帯電
せしめるようになっている。
【0003】そして、そのような帯電ロールにあって
は、導電体たる所定の軸体(芯金)の外周面上に、多量
の軟化剤を含有せしめて低硬度化を図ったソリッド構造
のゴム層やゴム発泡体層等からなる低硬度の導電性ゴム
層が、所定の厚さで設けられていると共に、該導電性ゴ
ム層の外周面上に抵抗調整層が設けられ、更に必要に応
じて、それら導電性ゴム層と抵抗調整層との間に電極層
が、また抵抗調整層の外周面上に保護層が、それぞれ、
積層形成されて、構成されてなる構造が、一般に採用さ
れている。
【0004】ところで、そのような構造の帯電ロールに
おいて、導電性ゴム層の外側に設けられる抵抗調整層
は、従来から、ゴム成分としてエピクロルヒドリンゴム
を用いたゴム組成物にて形成することが、ロール抵抗の
調節の容易性等の点よりして有利とされており、そし
て、そのようなゴム組成物にあっては、エピクロルヒド
リンゴムの架橋に際して発生するガス(HCl)を吸着
する作用を為す受酸剤として、鉛丹(Pb34 )が配
合されているのである。
【0005】しかしながら、近年、世界的に安全性が大
きく叫ばれるようになり、鉛を含む材料にも、その廃棄
によって環境汚染を惹起する恐れがあるところから、そ
の廃棄基準に厳格な規制が加えられてきているが、鉛金
属そのものではない、鉛化合物を含む材料にあっても、
同様な基準を適用することが望ましいと考えられるとこ
ろから、前述の如き帯電ロールの抵抗調整層を構成する
エピクロルヒドリンゴムに配合されている鉛丹も、安全
性の面から、使用しないことが望ましいと考えられてい
る。
【0006】このため、本発明者らは、従来から用いら
れている鉛丹に代わる受酸剤について、種々検討を行な
った結果、帯電ロールにおける抵抗調整層として使用に
耐え得る、エピクロルヒドリンゴムをゴム成分とし、そ
れに有効な受酸剤を配合せしめてなるゴム組成物を見出
し、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】
【解決課題】従って、本発明の解決課題とするところ
は、受酸剤として鉛化合物を用いることなく、エピクロ
ルヒドリンゴムにて形成された抵抗調整層を有する帯電
ロールを提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる技術的
課題の解決のために、軸体の外周面上に低硬度の導電性
ゴム層を形成すると共に、かかる導電性ゴム層の外側
に、更に、抵抗調整層と保護層とを順次設けてなる帯電
ロールにおいて、該抵抗調整層を、受酸剤としてハイド
ロタルサイト類を配合せしめたエピクロルヒドリンゴム
組成物を用いて形成したことを特徴とする帯電ロール
を、その要旨とするものである。
【0009】このように、本発明にあっては、帯電ロー
ルにおける抵抗調整層を与えるエピクロルヒドリンゴム
の受酸剤として、従来の如き鉛丹(Pb34 )を用い
るものではなく、ハイドロタルサイト類を用いるもので
あって、これにより、鉛化合物の使用上の問題を全く解
消しつつ、抵抗調整層として充分な機能を発揮し得る帯
電ロールを実現し得たのである。
【0010】なお、かかる本発明に従う帯電ロールの有
利な態様の一つによれば、導電性ゴム層は、発泡性ゴム
組成物を用いて発泡形成されたゴム発泡体にて構成され
ており、また、他の望ましい態様の一つによれば、導電
性ゴム層と抵抗調整層との間に、所定厚さの電極層が介
在せしめられている。
【0011】そして、本発明において、受酸剤として、
従来の鉛丹の代わりに用いられるハイドロタルサイト類
は、有利には、エピクロルヒドリンゴム成分の100重
量部に対して、1〜20重量部の割合において配合され
るものであり、また、抵抗調整層は、好ましくは50〜
700μmの厚さにおいて形成されるものである。
【0012】さらに、本発明に従う帯電ロールの望まし
い態様の他の一つによれば、抵抗調整層を与えるエピク
ロルヒドリンゴム組成物は、イオン導電剤を更に含有し
ており、そして、そのような組成物から形成される抵抗
調整層は、1×105 〜1×1011Ω・cmの体積抵抗
値を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に係る帯電ロー
ルの代表的なロール構造の異なる例が、図1及び図2
に、それぞれ、示されている。それらの図において、1
0は、金属製の導電性軸体(芯金)であり、そして該軸
体10の外周面上に、低硬度の導電性ゴム弾性体乃至は
ゴム発泡体からなる導電性ゴム層12が形成されてお
り、更に、該導電性ゴム層12の外側に、所定厚さの電
極層14を介して或いは介することなく、ロール径方向
の内側から外側に、抵抗調整層16及び保護層18が、
所定厚さで順次積層形成されて、構成されている。そし
て、ここでは、図1における導電性ゴム層12が、ソリ
ッド構造の導電性ゴム弾性体にて構成されており、ま
た、図2における導電性ゴム層12が、導電性ゴム発泡
体にて構成されているのである。
【0014】具体的には、かかる帯電ロールにおいて、
先ず、軸体10には、SUS材質からなるものの他、S
UM22又はSUM24L等の鉄材質のものに無電解ニ
ッケルメッキを3〜20μmの厚さで施したものが用い
られ、一般に、その外径が5〜10mmφ程度の、丸棒
状のものが用いられることとなる。
【0015】そして、そのような軸体10の外周面上に
は、低硬度の導電性ゴム層12が、公知の導電性ゴム弾
性体材料若しくは導電性ゴム発泡体材料を用いて形成さ
れており、以て帯電ロールに本質的に要求される、一般
に硬度が5°〜30°(Hs:JIS−A)程度に調整
された、低硬度乃至は柔軟性を実現している。なお、そ
のような導電性ゴム弾性体を与える材料としては、通
常、従来から公知のEPDM、SBR、NR、ポリノル
ボルネンゴム等のゴム材料の単独若しくはそれらの組合
せが用いられる。また、導電性ゴム発泡体を与える材料
としては、ヘタリ等を防止して、帯電ロールに求められ
る適性を満たすものであれば、その材質は特に限定され
ず、公知の各種ゴム発泡材料の何れもが用いられ得、例
えばNBR、水素添加NBR、ウレタンゴム、EPDM
等の材料が用いられ、そして、それらが、アゾジカルボ
ンアミド、4,4′−オキシビスベンゼンスルフォニル
ヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N
aHCO3 等の公知の発泡剤を用いて、発泡せしめられ
る。更に、そのようなゴム弾性体材料若しくはゴム発泡
体材料には、カーボンブラック、金属粉、第4級アンモ
ニウム塩等の導電剤が配合されて、所定の体積抵抗率の
ゴム層12に調製され、またゴム弾性体材料を用いてソ
リッド構造のゴム層12を形成する場合には、特に、プ
ロセスオイルや液状ポリマー等の軟化剤が多量に配合さ
れて、低硬度乃至は柔軟性が実現されることとなる。
【0016】なお、かかる導電性ゴム層12が、導電性
ゴム弾性体材料にて構成される場合にあっては、その体
積抵抗値は、一般に1×101 〜1×104 Ω・cm程
度とされ、その厚みとしては1〜10mm、好ましくは
2〜4mm程度とされる。また、導電性ゴム発泡体にて
導電性ゴム層12を構成した場合にあっては、その体積
抵抗値は、1×103 〜1×106 Ω・cm程度とさ
れ、そして、その厚みは、2〜10mm程度、好適には
3〜6mm程度とされることとなる。
【0017】また、図1に示される如く、導電性ゴム層
12の外周面上に形成される電極層14は、かかる導電
性ゴム層12の抵抗値のバラツキの解消を図ると共に、
多量に含有せしめられる軟化剤の導電性ゴム層12から
のブルームを抑制する、軟化剤移行防止層としての機能
も果たすものであり、更には導電性ゴム層12と抵抗調
整層16との間の接着性を良くするためのものでもあ
る。そして、そのような電極層14は、従来と同様な材
料を用いて形成され、例えばN−メトキシメチル化ナイ
ロン等のナイロン系の材料に、カーボンブラックや金属
粉等の導電剤が配合されて、その体積抵抗値が1×10
1 〜1×105 Ω・cm程度に調整された材料にて形成
されることとなる。なお、そのような電極層14の厚さ
は、通常、3〜20μm程度とされ、好適には4〜10
μm程度とされることとなる。
【0018】そして、図1や図2に示される帯電ロール
にあっては、上述の如き導電性ゴム層12の外側に、上
記した電極層14を介して、或いはそれを介することな
く、抵抗調整層16が形成され、それによって、帯電ロ
ールの全体としての電気抵抗を制御して、耐電圧性(耐
リーク性)を高め得るようになっているのであるが、本
発明にあっては、そのような抵抗調整層16を、エピク
ロルヒドリンの単独重合体やエピクロルヒドリンとエチ
レンオキサイドとの共重合体等からなるエピクロルヒド
リンゴムをゴム成分として用いると共に、それに、受酸
剤としてハイドロタルサイト類を配合せしめてなるゴム
組成物を用いて、形成したところに、大きな特徴があ
り、そこでは、従来の如き鉛丹を受酸剤として用いるも
のではないところから、今後における鉛乃至は鉛化合物
の使用回避の方向に、充分に合致し得ることとなったの
である。
【0019】ここで、本発明にて受酸剤として配合せし
められるハイドロタルサイト類は、合成ハイドロタルサ
イトとして知られ、一般に、Mgx Aly (OH)
2x+3y-2CO3 ・wH2 O(但し、xは1〜10、yは
1〜5、wは実数を表す)にて示されるものであって、
例えば、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2
O、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 、Mg4 Al
2 (OH)12CO3 ・3H2 O、Mg6 Al2 (OH)
16CO3 ・4H2 O、Mg5 Al2 (OH)14CO3
4H2 O、Mg3 Al2 (OH)10CO3 ・1.7H2
O等を挙げることが出来る。そして、これらハイドロタ
ルサイト類は、無毒性及び高レベルの耐水性といった優
れた特性を併せ持つものであるところから、それらを受
酸剤として用いた場合には、従来の如き、受酸剤として
鉛丹或いは酸化マグネシウムを用いた場合に惹起される
問題が全く解消されることとなるのである。
【0020】すなわち、前記ハイドロタルサイト類は無
毒性であることから、それらの使用されたロールの廃棄
によって環境汚染を惹起する恐れは全くないのであり、
また、優れた耐水性を示すことから、耐水性に劣る、酸
化マグネシウム等の鉛丹以外の金属酸化物を受酸剤とし
て用いた場合のように、抵抗調整層の耐水性を低下させ
ることがないのである。従って、抵抗調整層の耐水性が
低い場合に惹起される問題、即ち、高温・高湿下におい
てそのような抵抗調整層を持つ帯電ロールを長時間保管
した場合、抵抗調整層が吸湿することによって、保護層
のしわや層間での剥離を生じたり、或いは抵抗調整層内
部からのブルームやブリードによって、感光ドラムを汚
染したり、帯電ロール自身の抵抗値の上昇等といった問
題が、このようなハイドロタルサイト類の使用によって
効果的に抑制乃至は低減され得るのである。
【0021】さらに、そのような受酸剤としてのハイド
ロタルサイト類は、その受酸剤としての目的を充分に達
成すべく、その配合量が適宜に設定されることとなる
が、ゴム成分としてのエピクロルヒドリンゴムの100
重量部に対して、ハイドロタルサイト類の配合量が1重
量部未満となると、加硫速度が遅くなり、通常の加硫条
件(130℃〜200℃×20分〜4時間)下におい
て、充分な加硫が行なわれ得ず、外部応力による変形
(ヘタリ)や破壊(接着剥がれ)が惹起され、また使用
中の安定した抵抗値の確保が困難となる等の問題を惹起
する。具体的には、感光ドラムに圧接放置後のロール変
形による帯電不良、多数回の使用後における抵抗調整層
の剥離、更には使用時の抵抗値の急激な上昇等が、惹起
されるようになる。これに対して、かかるハイドロタル
サイト類の配合量が1重量部以上となると、通常の加硫
条件にて充分な加硫が行なわれ、上記のような問題を生
じないところから、特に、その上限について規定するも
のでないが、20重量部を越えるような配合量は、過剰
配合となり、硬度の上昇を惹起し、帯電ロールとしての
不利益を招くこととなる。従って、本発明にあっては、
ハイドロタルサイト類の配合量は、エピクロルヒドリン
ゴム成分の100重量部に対して、一般に1〜20重量
部、好ましくは4〜10重量部の割合とされることとな
る。
【0022】なお、かかる抵抗調整層16を与える、本
発明に従うエピクロルヒドリンゴム組成物には、更に、
従来と同様に、トリメチルオクタデシルアンモニウムパ
ークロレート、トリメチルプロピルアンモニウムパーク
ロレート、テトラメチルアンモニウムパークロレートの
如き第4級アンモニウム塩や、過塩素酸リチウム等のイ
オン導電剤が配合され、また帯電防止剤や、チオウレア
類等の加硫剤等も配合せしめられて、加硫成形されるこ
とにより、目的とする体積抵抗値が1×105〜1×1
11Ω・cmの抵抗調整層16が形成されるのである。
【0023】また、そのようなエピクロルヒドリンゴム
組成物から形成される抵抗調整層16の厚みは、帯電ロ
ールとしての使用上乃至は製造上の特性から、具体的に
は、異常放電の防止のための最低膜厚や、抵抗調整層1
6成形後の気泡発生の有無に関係する最大膜厚等から規
定されることとなるが、本発明に従ってハイドロタルサ
イト類を受酸剤として使用した場合にあっては、その加
硫時に発生するガス(塩酸)の量と温度のかかり具合に
よる安定した加硫状態とを考慮した場合において、50
〜700μmの範囲が最大幅である。尤も、実際の加工
工程やロール硬度等を考慮した場合において、100μ
mよりも薄い厚さでは、安定した膜厚を形成することが
困難となり、帯電ロールとしての安定した抵抗値分布を
得ることが難しく、また300μmを越える厚さとなる
と、充分な加硫状態まで加硫するのに要する時間が長く
なり、下層の低硬度ゴム層12の熱劣化の発生の限界を
越える恐れも生じるところから、望ましくは、抵抗調整
層16の厚みは、100〜300μmとされることとな
る。
【0024】そして、かくの如き、本発明に従う抵抗調
整層16が形成された後、その上には、更に、従来と同
様にして、保護層18が形成される。この保護層18
は、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のナイロ
ン系材料に、カーボンブラックや金属粉等の導電剤が配
合されて、その体積抵抗値が、1×108 〜1×1013
Ω・cmとなるようにして形成されることとなる。な
お、そのような保護層18の厚さは、通常、3〜20μ
m程度とされる。
【0025】ところで、それら図1及び図2に示される
帯電ロールを作製するに際しては、上述した各形成材料
を用いて、先ず、金型成形等の公知の成形手法によっ
て、軸体10の外周面上に、導電性ゴム弾性体若しくは
導電性ゴム発泡体にて構成される導電性ゴム層12を形
成し、そしてその後、かかる導電性ゴム層12の外周面
上に、ディッピング等の公知のコーティング手法によ
り、電極層14、抵抗調整層16、更には保護層18
を、それぞれ、所定厚さにおいて順次積層形成すること
からなる方式が、通常採用され、これによって、目的と
する帯電ロールが得られるのである。
【0026】そして、このような構成を有する帯電ロー
ルにあっては、軸体10上に、導電性ゴム層12、電極
層14、抵抗調整層16、保護層18が順次設けられた
構成により、該導電性ゴム層12にて、低硬度乃至は柔
軟性と良好な導電性とが付与され、また、必要に応じて
設けられる電極層14にて、導電性ゴム層12の抵抗値
のバラツキが改善され、更には抵抗調整層16にて、優
れた耐電圧性(耐リーク性)を備えたものとなっている
のである。しかも、抵抗調整層16を与えるエピクロル
ヒドリンゴム組成物には、受酸剤としてハイドロタルサ
イト類が配合され、従来の如き鉛丹が何等用いられては
いないところから、鉛化合物による環境汚染の問題も全
く惹起されることがないのである。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0028】先ず、図1に示されるロール構成の帯電ロ
ールを得るべく、下記の配合組成に従って、導電性ゴム
層(12)形成材料、電極層(14)形成材料、抵抗調
整層(16)形成材料、更には保護層(18)形成材料
を、それぞれ、調製した。また、電極層形成材料、抵抗
調整層形成材料、及び保護層形成材料については、それ
らをメチルエチルケトンに溶解して、それぞれ、所定粘
度のコーティング液とした。
【0029】 導電性ゴム層(12)形成材料の配合組成(重量部) ポリノルボルネンゴム 100 ケッチェンブラック 50 ナフテン系オイル 400
【0030】 電極層(14)形成材料の配合組成(重量部) N−メトキシメチル化ナイロン 100 カーボンブラック 15
【0031】 抵抗調整層(16)形成材料の配合組成(重量部) エピクロルヒドリンゴム (エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体) 100 クレー 30 テトラメチルチウラムジスルフィド 1 エチレンチオウレア 1.5 受酸剤種及び配合量 表1参照
【0032】 保護層(18)形成材料の配合組成(重量部) N−メトキシメチル化ナイロン 100 カーボンブラック 5
【0033】そして、上記の各形成材料を用いて、先
ず、金型成形により、SUM22材質の丸棒の表面に5
μmの厚さの無電解ニッケルメッキを施してなる芯金
(直径:6mm)の外周面上に、硬度(JIS−A)が
20度の導電性ゴム層12を、従来と同様にして、3m
mの厚さで加硫成形した後、通常のディッピング手法に
より、厚さが4〜12μm、体積抵抗値が1×103 Ω
・cmの電極層14を形成し、次いで、下記表1に示さ
れる厚さにおいて、体積抵抗値が1×106 〜1×10
8 Ω・cmの抵抗調整層16を、通常のディッピング手
法により形成し、そして160℃×40分の加硫を行な
った後、更に、ディッピング手法にて、厚さが4〜10
μm、体積抵抗値が1×1012Ω・cmの保護層18を
形成して、各種の供試帯電ロールを得た。
【0034】そして、このようにして得られた各種の帯
電ロールについて、下記表1に示される如き、各種のロ
ール特性について調べた結果、受酸剤としてハイドロタ
ルサイト類を用いた本発明例1〜7の何れもが、受酸剤
として鉛丹を用いた従来の帯電ロールである比較例と同
等の性能を有するものであることを認めた。
【0035】なお、下記表1におけるロール特性評価項
目の詳細は、以下の通りである。軸方向抵抗値バラツキ 各帯電ロールの軸方向長さ:22.0cmにおけるロー
ル表面と芯金との間の電気抵抗値を、0.3cm2 の電
極プローブを用いて、ロール表面を走査して、測定し、
そしてその測定により得られた抵抗値の変動幅を、10
の累乗の指数において示すものであって、例えば0.2
桁は、100.2 Ωの範囲で、ロール軸方向長さにおい
て、抵抗値が変化することを表わしている。ロール硬度(アスカーC) JIS−S−6050に準拠した規格を有するスプリン
グ式硬さ試験機〔ゴム・プラスチック硬度計・アスカー
C型:高分子計器(株)製〕を用い、Vブロックにて両
端が支持された状態で水平に保持された帯電ロールの軸
方向中央部の表面に、かかるスプリング式硬さ試験機の
押し針の先端を接触させ、更に該試験機を1kgの荷重
(試験機を含む全荷重)で垂直に加圧して、直ちに、目
盛りを読み取ることにより、ロール硬度を測定した。圧接放置後の画質 感光ドラム(30mmφ)に対して帯電ロールを軸平行
の状態で接触せしめ、そして該帯電ロールの両端の軸体
(10)部分にそれぞれ片端当り700gの荷重をかけ
て感光ドラムに対して押圧せしめた状態下において、4
5℃×90%RHで2週間放置した後、該帯電ロールを
市販のレーザービーム・プリンター〔レーザージェット
4プラス:ヒューレット・パッカード社製〕に取り付け
て、常温常圧下で画出し評価を行ない、白画像に黒スジ
が出現しなかったものを○印とした。耐久時の接着性 各帯電ロールを用いて、上記と同様な市販のレーザービ
ーム・プリンターに取り付け、23℃×53%RHの環
境下で、所定の画像を5万枚連続的にプリントアウトし
た後、各帯電ロールにおける抵抗調整層16の剥離の有
無を調べ、剥離の認められない、接着性の良好なものを
○印とした。抵 抗 値 それぞれの帯電ロールのロール表面に形成した1cm2
の電極と芯金との間の電気抵抗値を示し、そのうちの初
期抵抗値は、帯電ロールの使用前の状態におけるもので
あり、また10K通紙後の抵抗値は、各帯電ロールを取
り付けた市販のレーザービーム・プリンタを用いて、2
3℃×53%RH環境下において1万枚プリントアウト
(通紙)した後の抵抗値を示している。画 質 市販のレーザービームプリンタに帯電ロールとして適用
した場合における画像特性について調べたものであっ
て、そのうちの初期画質は、最初のプリントアウト時に
おける画像を評価したものであり、また、10K通紙後
の画質は、市販のレーザービームプリンタに帯電ロール
として適用した場合における、23℃×53%RH環境
下での、1万枚プリントアウト(通紙)後における画像
を評価したものであって、その画像が良好なものを○と
した。
【0036】
【表1】 *1・・・エピクロルヒドリンゴムの100重量部当たりの重量部 *2・・・10000枚 *3・・・Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う帯電ロールにあっては、そのロール構成層の一つ
である抵抗調整層が、ハイドロタルサイト類を受酸剤と
するエピクロルヒドリンゴム組成物を用いて形成されて
いるところから、従来の受酸剤として用いられる鉛丹の
場合における如き問題の発生の恐れは、何等生じること
がないのであり、しかも、優れた耐水性を示すことか
ら、鉛丹以外の金属酸化物を受酸剤として用いた場合の
ように、耐水性が低下することによる問題も、何等生じ
ることがないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う帯電ロールの一例を示す横断面説
明図である。
【図2】本発明に従う帯電ロールの異なる一例を示す横
断面説明図である。
【符号の説明】
10 軸体 12 導電性ゴム層 14 電極層 16 抵抗調整層 18 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 宏泰 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 土屋 賢一 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−140760(JP,A) 特開 平8−63014(JP,A) 特開 平7−300556(JP,A) 特開 昭57−151652(JP,A) 特開 平8−106199(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 G03G 15/16 103

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面上に低硬度の導電性ゴム層
    を形成すると共に、かかる導電性ゴム層の外側に、更
    に、抵抗調整層と保護層とを順次設けてなる帯電ロール
    において、 該抵抗調整層を、受酸剤としてハイドロタルサイト類を
    配合せしめたエピクロルヒドリンゴム組成物を用いて、
    形成したことを特徴とする帯電ロール。
  2. 【請求項2】 前記導電性ゴム層が、発泡性ゴム組成物
    を用いて発泡形成されたゴム発泡体にて構成されている
    請求項1記載の帯電ロール。
  3. 【請求項3】 前記導電性ゴム層と前記抵抗調整層との
    間に、電極層が介在せしめられている請求項1又は請求
    項2記載の帯電ロール。
  4. 【請求項4】 前記ハイドロタルサイト類が、前記エピ
    クロルヒドリンゴム成分の100重量部に対して、1〜
    20重量部の割合において配合されている請求項1乃至
    請求項3の何れかに記載の帯電ロール。
  5. 【請求項5】 前記抵抗調整層が、50〜700μmの
    厚さにおいて形成されている請求項1乃至請求項4の何
    れかに記載の帯電ロール。
  6. 【請求項6】 前記エピクロルヒドリンゴム組成物が、
    イオン導電剤を更に含有しており、そしてそのような組
    成物にて形成される前記抵抗調整層が、1×105 〜1
    ×1011Ω・cmの体積抵抗値を有している請求項1乃
    至請求項5の何れかに記載の帯電ロール。
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