JP3463175B2 - 組合わせ旋光子 - Google Patents

組合わせ旋光子

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JP3463175B2
JP3463175B2 JP25135293A JP25135293A JP3463175B2 JP 3463175 B2 JP3463175 B2 JP 3463175B2 JP 25135293 A JP25135293 A JP 25135293A JP 25135293 A JP25135293 A JP 25135293A JP 3463175 B2 JP3463175 B2 JP 3463175B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信,光計測等に使
用され、偏光依存型若しくは偏光無依存型の光アイソレ
ータ等の光デバイスを構成する旋光子であって、詳しく
は偏光面を45度回転させる組合わせ旋光子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバを用いた大容量光通信
システムでは、伝送容量を増大させるために、同一の光
ファイバの中に複数の異なる波長の信号光を透過させる
方法が導入されている。この場合、n種の異なる波長の
信号光を伝送させ得る光ファイバの伝送容量は、単一波
長の信号光の伝送の場合に比べて合計でn倍となる。こ
の方法の利点は、原則として既に敷設済の光ファイバ網
をそのまま転用できることで、基本的には信号光の光入
出力部の改造のみで設備を構築できるため、新規設備の
構成を比較的低コストに上げることができる。
【0003】しかしながら、実際には波長の異なる信号
光同士の干渉や、既存の光ファイバ網が必ずしも多くの
波長の異なる信号光の伝送には適さないという問題点
(例えば特定波長の信号光以外に対しては減衰量や波長
分散の値が大きくなる)があり、それ故,信号光の波長
数nを極端に大きくすることできない。それにも拘ら
ず、既成の技術的応用によって新規設備を構築でき、し
かも必要経費を少なくできるため、現在の伝送容量増大
化方法においては有力視されている。現在の光通信シス
テムでは、1.31μm,1.55μmの2種類の波長
を同一の光ファイバに伝送させ、2波長を用いて通信容
量を2倍にする方法が採用されている。
【0004】又、複数の異なる波長を用いた光ファイバ
伝送システムにおいても、従来の単波長を使用した伝送
システムと同様に、光アイソレータを構成上の必須部品
として使用している。一般にレーザ等の出射光はその一
部がレーザ自体に帰還すると、揺らぎやノイズを生じる
が、光アイソレータはこのような原因となる光源への戻
り光を除去するために用いられている。一度、戻り光が
発生して信号用のレーザー光源に入射すると、レーザー
光源の発信が乱されてノイズとなり、伝送信号のC/N
(容量/ノイズ)比が低下する原因となる。
【0005】一般に光アイソレータには波長依存性があ
り、そのアイソレーションが透過光の波長によって異な
るので、原則として各透過波長毎に最適化された波長数
と同数の光アイソレータを用いる必要がある。
【0006】図7は、1.31μm,1.55μmの2
種類の波長を用いた双方向光ファイバ通信システムの基
本構成を示したものである。この双方向光ファイバ通信
システムは、中心の添加光ファイバ30に対し、レーザ
1 ,L2 と、光アイソレータIA ,IB ,IC ,ID
と、分離フィルタ31と、受光器32A ,32B とがそ
れぞれ対称に配置されている。
【0007】ここで、レーザL1 の波長は1.55μm
で、レーザL2 の波長は1.31μmである。又、光ア
イソレータIA は順方向で波長1.55μmを透過し、
且つ逆方向で波長1.31μmを除去し、光アイソレー
タIB は順方向で波長1.55μmを透過し、且つ逆方
向で波長1.55μmを除去し、光アイソレータIC
順方向で波長1.31μmを透過し、且つ逆方向で波長
1.31μmを除去し、光アイソレータID は順方向で
波長1.31μmを透過し、且つ逆方向で波長1.55
μmを除去する。更に、受光器32A は波長1.55μ
m,受光器32B は波長1.31μmを受光する。
【0008】この複数の通信波長を有する双方向光ファ
イバ通信システムでは、信号光発信用の各レーザL1
2 に対し、各々反射戻り光を除去するための光アイソ
レータIA ,IB ,IC ,ID が用いられており、既存
の光ファイバ通信網を利用するにも拘らず、その伝送容
量を使用する伝送光の波長の数だけ増加させることがで
きる。従って、このシステムは、光ファイバ通信網の総
伝送容量の増加に際して適用性があり、その開発が期待
されている。
【0009】因みに、光アイソレータにはファラデー回
転子に代表される旋光子が備えられるが、この旋光子か
らの透過光に対して更に偏光面を回転させる場合には旋
光板が用いられる。このように、旋光子と旋光板とを組
合わせた構成は組合わせ旋光子と呼ばれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した双方向光ファ
イバ通信システムの場合、光アイソレータを合計4ヶ所
に用いてそれぞれのレーザの発信光と同じ波長の戻り光
を除去しているが、光アイソレータには上述したように
波長依存性があるため、波長の異なる戻り光はその一部
しか除去することができない。
【0011】即ち、単一波長の信号光を用いた光ファイ
バ通信システムでは、レーザ発信光以外の波長の戻り光
は殆ど存在しないが、複数の伝送波長を用いた光ファイ
バ通信システムの場合は、そのレーザ光源に達した発信
波長以外の信号光が全て反射戻り光となってしまう。そ
れ故、特に図7に示すように双方向光通信を実施してい
る場合には、この反射戻り光の光量が非常に大きなもの
になってしまう。
【0012】一般に発信用のレーザにおいて、自らの発
信波長以外の波長の戻り光によって生じる発信の乱れ量
は相対的に小さいものの、双方向型の多重波長光通信シ
ステムにおいては反射戻り光量自体が非常に大きいの
で、その存在による影響は決して無視できなくなる。こ
れらの複数波長の反射戻り光を除去するためには、発信
側のレーザの前に反射戻り光の各波長に対応した光アイ
ソレータを直列に設けることが有効である。
【0013】しかしながら、従来の光アイソレータは、
除去する反射戻り光と同じ波長の入射光以外は原理的に
損失を生じること無く順方向に透過させることができな
いので、結果的に発信光の相当量が減衰してしまうとい
う問題を抱えている。
【0014】本発明は、かかる問題点を解決すべくなさ
れたもので、その技術的課題は、複数の伝送波長を使用
できると共に、反射戻り光を精度良く抑止できる組合わ
せ旋光子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、所定波
長の順方向における第1の透過光に対して第1の偏光面
を(45+α)[但し、αは零を除く実数]度回転させ
る厚さのファラデー回転子と、第1の透過光に対して第
2の偏光面を−α度回転させる厚さの旋光板とから成る
組合わせ旋光子であって、実数αは、第1の透過光とは
異なる波長で且つ順方向とは逆方向の第2の透過光が該
ファラデー回転子及び該旋光板を透過する際、第1及び
第2の偏光面が合計で−45度回転する値として定めら
れ、ファラデー回転子及び旋光板の厚さは、該実数α値
に基づいて定められた組合わせ旋光子が得られる。
【0016】又、本発明によれば、波長1.55μmの
順方向における第1の透過光に対して第1の偏光面を
(45+α)度回転させる厚さのファラデー回転子と、
第1の透過光に対して第2の偏光面を−α度回転させる
厚さの旋光板とから成る組合わせ旋光子であって、実数
αは、波長1.31μmで且つ順方向とは逆方向の第2
の透過光が該ファラデー回転子及び該旋光板を透過する
際、第1及び第2の偏光面が合計で−45度回転する値
として定められ、ファラデー回転子及び旋光板の厚さ
は、該実数α値に基づいて定められた組合わせ旋光子が
得られる。
【0017】更に、本発明によれば、波長1.31μm
の順方向における第1の透過光に対して第1の偏光面を
(45+α)度回転させる厚さのファラデー回転子と、
第1の透過光に対して第2の偏光面を−α度回転させる
厚さの旋光板とから成る組合わせ旋光子であって、実数
αは、波長1.51μmで且つ順方向とは逆方向の第2
の透過光が該ファラデー回転子及び該旋光板を透過する
際、第1及び第2の偏光面が合計で−45度回転する値
として定められ、ファラデー回転子及び旋光板の厚さ
は、該実数α値に基づいて定められた組合わせ旋光子が
得られる。
【0018】加えて、本発明によれば、上記何れか一つ
に記載の組合わせ旋光子において、ファラデー回転子は
磁性ガーネット膜であり、旋光板は水晶板である組合わ
せ旋光子が得られる。
【0019】
【作用】本発明では、順方向で透過する第1の透過光
と、これと逆方向の第2の透過光(反射戻り光)との相
関性を考慮し、第1の透過光の波長とは異なる特定波長
の第2の透過光を除去する旋光板を作成し、その旋光板
にファラデー回転子を組合わせることにより、対象とす
る波長が異なる組合わせ旋光子を構成している。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の組合わせ旋光
子について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、
本発明の一実施例に係る組合わせ旋光子の基本構成を斜
視図により示したものである。
【0021】この組合わせ旋光子は、それぞれ光学素子
であるファラデー回転子11,旋光板12を直列に配列
して構成されるもので、図示するものではファラデー回
転子11が旋光板12よりも前方に配置されている。
又、ファラデー回転子11の近傍には、ファラデー回転
子11を磁界の向きHに従って磁気飽和させるべく、永
久磁石等からなる磁界印加手段(図示せず)が備えられ
ている。尚、ファラデー回転子11にはBi置換型磁性
ガーネット膜を各1枚ずつ使用し、旋光板12には水晶
旋光板を使用している。
【0022】又、図2は、本発明の他の実施例に係る組
合わせ旋光子の基本構成を斜視図により示したものであ
る。この組合わせ旋光子は、先の実施例のものに比べて
旋光板12がファラデー回転子11よりも前方に配置さ
れている点以外は同じ構成になっている。
【0023】これらの各組合わせ旋光子における各光学
素子11,12の厚さは、以下に説明する方法に従って
決定される。
【0024】先ず、組合わせ旋光子を光アイソレータと
して使用可能にするためには、光軸Zに沿って順方向に
直進する透過光(第1の透過光)の波長をλ1 、この第
1の透過光に対して逆方向に光軸Zに沿って戻る戻り光
(第2の透過光)の波長をλ2 と仮定すると、順方向で
は波長λ1 の透過光に対して出射光の偏光面MA ´,M
B ´(それらの方位角)が45度回転し、逆方向では波
長λ2 の戻り光に対して入射光の偏光面MA ,MB が逆
向きに同じ角度,即ち、−45度回転することにより、
順方向における入射前の透過光と、透過後の逆方向の戻
り光とに関する偏光面の回転角の差が合計で90度とな
るようにすれば良い。
【0025】ここで、ファラデー回転子11の波長
λ1 ,λ2 に対する厚さ1mm当たりの回転角(回転能
と呼ばれるもので、順方向を正とする)をそれそれ
θ1 ,θ2 とすると共に、旋光板12の1mm当たりの
回転角(回転能)をφ1 ,φ2 とし、更に、ファラデー
回転子11と旋光板12とにおいてそれぞれ必要となる
厚さをx,y(mm)とすると、これらの素子の間には
θ1 x+φ1 y=45,θ2 x−φ2 y=45なる関係
が成立する。
【0026】そこで、これらの関係式をx,yについて
解けば、x=45(φ2 +φ1 )/(θ1 φ2 +θ2 φ
1 ),y=45(θ2 −θ1 )/(θ1 φ2 +θ
2 φ1 )となる。
【0027】即ち、ファラデー回転子11,旋光板12
に関して順方向の透過光(第1の透過光),逆方向の戻
り光(第2の透過光)の各々波長に対する回転能θ1
θ2,φ1 ,φ2 を求め、上式に代入して求めたx,y
を各光学素子11,12の厚さとし、こうして決定した
厚さの各光学素子11,12を光アイソレータにおける
ファラデー回転子の代わりに用いると、順方向では波長
λ1 の透過光に対して偏光面MA ´,MB ´を45度回
転させるが、逆方向では順方向とは異なり、予め定めら
れた波長λ2 の戻り光に対して偏光面MA ,MB を−4
5度回転することとなる。
【0028】従って、この組合わせ旋光子を用いた光ア
イソレータの場合、予め定めた波長の透過光に関しては
戻り光を完全に除去し得るようになる。但し、ここで順
方向の透過光と同じ波長の反射戻り光があると、その合
計の回転角が45度から外れてしまうため、戻り光を除
去することができなくなる。こうした場合に同波長の戻
り光を除去する必要があれば、その他にもう1つの通常
の光アイソレータを直列に設ければ良い。
【0029】因みに、上述した各実施例の組合わせ旋光
子を比較した場合、各光学素子11,12の何れかが順
方向に対して前方に配置されるだけなので、光学的作用
そのものには全く差異が生じない。
【0030】次に図3及び図4を参照し、この組合わせ
旋光子による双方向(順方向及び逆方向)光通信を説明
する。尚、図3は図1に示す組合わせ旋光子に順方向
(左側)から波長λ1 =1.31μmの透過光が入射さ
れた場合を示し、図4は図1に示す組合わせ旋光子に逆
方向(右側)から波長λ1 =1.51μmの戻り光が入
射された場合を示している。
【0031】図3を参照すれば、この組合わせ旋光子で
は、視線方向Vに関して各光学素子11,12の間で同
図(a)に示されるような3つの偏光面A,B,Cが存
在し、各偏光面A,B,Cでは同図(b)にそれぞれ示
すように方位角が回転する。
【0032】一方、図4を参照すれば、逆方向からの戻
り光を入射した場合、視線方向Vに関して各光学素子1
1,12の間で同図(a)に示される各偏光面A,B,
Cでは同図(b)にそれぞれ示すように方位角が回転す
る。
【0033】ここでは、逆方向からの戻り光のファラデ
ー回転能が順方向の入射光の場合よりも小さい場合に
は、旋光板12における偏光面の回転の向きとファラデ
ー回転子11での回転の向きとを一致させ、且つ各光学
素子11,12を透過した逆方向の戻り光の偏光面の回
転角を−45度とする必要がある。
【0034】この組合わせ旋光子の場合、順方向におけ
る入射前の透過光と、透過後の逆方向の戻り光とに関す
る偏光面の回転角の差が90度となることで、この組合
わせ旋光子を光アイソレータ等に使用されるファラデー
回転子に代用させることができる。
【0035】以上の関係を一般化して換言すれば、所定
波長の順方向における第1の透過光に対して第1の偏光
面(図3中では偏光面B)を(45+α)[但し、αは
零を除く実数]度回転させる厚さのファラデー回転子1
1と、第1の透過光に対して第2の偏光面(図3中では
偏光面C)を−α度回転させる厚さの旋光板12とから
組合わせ旋光子を構成し、この組合わせ旋光子における
実数αを第1の透過光とは異なる波長であって、順方向
とは逆方向の第2の透過光がファラデー回転子11及び
旋光板12を透過する際、第1及び第2の偏光面が合計
で−45度回転する値として定めると共に、ファラデー
回転子11と旋光板12とのそれぞれの厚さを実数α値
に基づいて求めることになる。
【0036】そこで、以下はこれらの各光学素子11,
12の満たすべき厚さ,透過光の偏光面の回転角度につ
いて、具体例に説明する。但し、ファラデー回転子11
における磁性ガーネット膜のファラデー回転角はその組
成よって変化するが、ここでは組成(GdBi)3 (G
aFeAl)5 12のものを用いるものとし、又旋光板
12には水晶旋光板を用いるものとする。
【0037】このとき、各光学素子11,12の予め定
められた各波長に対する回転角は、この組成の磁性ガー
ネット膜の場合、波長1.31μmでは128度/m
m、波長1.55μmでは88度/mmとなり、水晶旋
光板の場合、波長1.31μmでは4.23度/mm、
波長1.55μmでは2.93度/mmとなる。従っ
て、これらの値を上述した関係式に代入すると、磁性ガ
ーネット膜の厚さxは、x=0.43mmとなり、水晶
旋光板の厚さyは、y=−2.41mmとなる。
【0038】尚、ここで水晶旋光板の厚さは負となって
いるが、これは順方向の透過光の偏光面の回転の向きが
磁性ガーネット膜とは逆であることを意味している。
【0039】一方、各光学素子11,12における透過
光の偏光面の回転角は、磁性ガーネット膜では順方向
(1.31μm)に関して55.2度となり、水晶旋光
板では同様に順方向(1.31μm)に関して−10.
2度となる。又、逆方向の戻り光(1.55μm)に対
する偏光面の回転角は、磁性ガーネット膜では37.9
度、水晶旋光板では7.1度となる。
【0040】従って、図3に示す組合わせ旋光子の構成
を参照すれば、先ず順方向から入射する透過光は、偏光
面Aでは方位角が変化しないが、ファラデー回転子11
において進行方向右回りにファラデー回転し、偏光面B
(第1の偏光面)では45度よりも10.2度増した5
5.2度の回転角で回転する。次に、旋光板12では進
行方向左回りにファラデー回転し、偏光面C(第2の偏
光面)では55.2度よりも更に10.2度減った45
度の回転角で右回りに回転した状態となっている。即
ち、各光学素子11,12を透過した順方向入射光の偏
光面の回転角は45度となる。
【0041】因みに、各光学素子11,12における回
転角はその素子の厚さに比例し、又逆方向からの戻り光
のファラデー回転能が順方向の入射光の場合よりも小さ
い場合には、ファラデー回転角が45度よりも大きくな
るので、この場合は上述したように旋光板12における
偏光面の回転の向きはファラデー回転子11での回転と
は逆向きとなる。
【0042】一方、図4に示す組合わせ旋光子の構成を
参照すれば、先ず逆方向から入射する戻り光は、偏光面
Cでは方位角が変化せずに45度のままであるが、旋光
板12において進行方向に対し同じく右回り(光の進行
方向が逆向きなので、順方向の透過時とは逆回転とな
る)にファラデー回転し、偏光面Bでは45度よりも
7.1度増した52.1度の回転角で回転する。次に、
ファラデー回転子11では逆向きの右回りにファラデー
回転(順方向透過時と同方向の回転)し、偏光面Cでは
52.1度よりも37.1度増した90度の回転角で右
回りに回転した状態となっている。
【0043】因みに、この組合わせ旋光子を組み込んだ
光アイソレータでは、順方向の透過光と同一波長の逆方
向からの戻り光に対する遮断効果は期待できない。上述
した一実施例のものについても、仮に逆方向から1.3
1μmの反射戻り光が入射した場合には、組合わせ旋光
子での回転角は65.4度となり、計算上入射側に設け
られている各光学素子11,12を用いた光アイソレー
タを約12%もの戻り光が透過してしまうことになる。
【0044】従って、順方向の透過光と同一波長の戻り
光を除去するためには、通常の光アイソレータをもう1
つ直列に挿入する必要がある。
【0045】図5は、図1に示した組合わせ旋光子を組
み込んで構成した偏光無依存型の光アイソレータを斜視
図により示したものである。又、図6は、図1に示した
組合わせ旋光子を組み込んで構成した偏光依存型の光ア
イソレータを斜視図により示したものである。
【0046】図5を参照すれば、この光アイソレータで
は、2枚の楔型複屈折板13,14の間に各光学素子1
1,12から成る組合わせ旋光子を直列に配置させた構
成になっている。ここで、楔型複屈折板13は、楔型複
屈折板14に対して上下が逆さに配置されている。又、
図6を参照すれば、この光アイソレータでは、2枚のガ
ラス偏光板15,16の間に各光学素子11,12から
成る組合わせ旋光子を直列に配置させた構成になってい
る。
【0047】これらの楔型複屈折板13,14や、ガラ
ス偏光板15,16には反射防止コートが施されるが、
反射防止コートは順逆両方向における透過光の双方の波
長に対して共に反射防止を有効に図り得る必要がある。
【0048】このような偏光無依存型や偏光依存型の光
アイソレータは、それぞれ図7に示したような双方向光
ファイバ通信システムに使用できるが、各実施例で説明
した組合わせ旋光子を含む光アイソレータを用いること
で、単一波長,単方向の光通信システムに比べて、約4
倍の伝送容量が得られるようになる。
【0049】尚、各実施例で説明した組合わせ旋光子
は、従来の光アイソレータにおけるファラデー回転子を
そのまま置き換えて用いることができるので、これを用
いて構成される光アイソレータは偏光依存型、無依存型
を問わない。又、光アイソレータ以外でも45度回転す
るファラデー回転子を用いる製品であるならば、他の製
品にも用いることができる。例えば逆方向から入射する
順方向とは異なる波長の透過光を除去するという同じ目
的で用いられる光サーキュレータ,光スイッチ,磁界セ
ンサ等が挙げられる。
【0050】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の組合わせ旋
光子によれば、順方向で入射する透過光の偏光面を45
度回転させる以外に、入射光とは異なる設定波長の反射
戻り光に対しても同じように偏光面を45度回転させる
ので、この組合わせ旋光子をファラデー回転子の代わり
に用いることで、順方向で入射する透過光とは異なる予
め設定した波長の逆方向の戻り光を除去し得る光アイソ
レータが得られるようになる。又、この組合わせ旋光子
は、複数波長を使用する光サーキュレータ,光スイッ
チ,光磁界センサ等の他の製品にも応用が可能である。
特に、この組合わせ旋光子を用いることで、複数波長に
対応し得る組合わせ光アイソレータの開発が可能とな
り、この組合わせ光アイソレータを使用すれば、既存の
双方向光ファイバ通信システムを生かしたままその伝送
容量を大きく向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る組合わせ旋光子の基本
構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す組合わせ旋光子における各光学素子
を配置換えした本発明の他の実施例に係る組合わせ旋光
子の基本構成を示した斜視図である。
【図3】図1に示す組合わせ旋光子に順方向から波長
1.31μmの透過光が入射された場合の偏光面の回転
状態を説明するために示したものである。
【図4】図1に示す組合わせ旋光子に逆方向から波長
1.51μmの戻り光が入射された場合の偏光面の回転
状態を説明するために示したものである。
【図5】図1に示した組合わせ旋光子を組み込んで構成
した偏光無依存型の光アイソレータを示した斜視図であ
る。
【図6】図1に示した組合わせ旋光子を組み込んで構成
した偏光依存型の光アイソレータを示した斜視図であ
る。
【図7】従来の2種類の波長(1.31μm,1.55
μm)を用いた双方向光ファイバ通信システムの基本構
成を示したものである。
【符号の説明】
11 ファラデー回転子 12 旋光子 13,14 楔型複屈折板 15,16 ガラス偏光板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波長の順方向における第1の透過光
    に対して第1の偏光面を(45+α)[但し、αは零を
    除く実数]度回転させる厚さのファラデー回転子と、前
    記第1の透過光に対して第2の偏光面を−α度回転させ
    る厚さの旋光板とから成る組合わせ旋光子であって、前
    記実数αは、前記所定波長とは異なる波長で且つ前記順
    方向とは逆方向の第2の透過光が該ファラデー回転子及
    び該旋光板を透過する際、前記第1及び第2の偏光面が
    合計で−45度回転する値として定められ、前記ファラ
    デー回転子及び前記旋光板の厚さは、該実数α値に基づ
    いて定められたことを特徴とする組合わせ旋光子。
  2. 【請求項2】 波長1.55μmの順方向における第1
    の透過光に対して第1の偏光面を(45+α)度回転さ
    せる厚さのファラデー回転子と、前記第1の透過光に対
    して第2の偏光面を−α度回転させる厚さの旋光板とか
    ら成る組合わせ旋光子であって、前記実数αは、波長
    1.31μmで且つ前記順方向とは逆方向の第2の透過
    光が該ファラデー回転子及び該旋光板を透過する際、前
    記第1及び第2の偏光面が合計で−45度回転する値と
    して定められ、前記ファラデー回転子及び前記旋光板の
    厚さは、該実数α値に基づいて定められたことを特徴と
    する組合わせ旋光子。
  3. 【請求項3】 波長1.31μmの順方向における第1
    の透過光に対して第1の偏光面を(45+α)度回転さ
    せる厚さのファラデー回転子と、前記第1の透過光に対
    して第2の偏光面を−α度回転させる厚さの旋光板とか
    ら成る組合わせ旋光子であって、前記実数αは、波長
    1.51μmで且つ前記順方向とは逆方向の第2の透過
    光が該ファラデー回転子及び該旋光板を透過する際、前
    記第1及び第2の偏光面が合計で−45度回転する値と
    して定められ、前記ファラデー回転子及び前記旋光板の
    厚さは、該実数α値に基づいて定められたことを特徴と
    する組合わせ旋光子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一つに記載の組合
    わせ旋光子において、前記ファラデー回転子は磁性ガー
    ネット膜であり、前記旋光板は水晶板であることを特徴
    とする組合わせ旋光子。
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