JP3455051B2 - 粒状体の粒径分布検出方法 - Google Patents

粒状体の粒径分布検出方法

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JP3455051B2 JP03520997A JP3520997A JP3455051B2 JP 3455051 B2 JP3455051 B2 JP 3455051B2 JP 03520997 A JP03520997 A JP 03520997A JP 3520997 A JP3520997 A JP 3520997A JP 3455051 B2 JP3455051 B2 JP 3455051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複合物質(例え
ば硬化コンクリート等)中に含有される多数個の粒状体
(例えば気泡等)の粒径分布を、複合物質の切断面に現
れた出現円の寸法の分布から検出するための、粒状体の
粒径分布検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の粒状体の粒径分布検出方法につい
て、硬化コンクリート中に含有される気泡の粒径分布を
検出する場合を例に採って説明する。
【0003】従来より、硬化コンクリート中に多数の気
泡を故意に形成することによってこの硬化コンクリート
の耐凍害性を向上させる技術が知られている。ここで、
耐凍害性とは、硬化コンクリート中の水分の凍結・融解
の繰り返しによってこの硬化コンクリートが劣化するこ
とに対する耐性をいう。
【0004】このような技術において、耐凍害性の更な
る向上を図るためには、かかる硬化コンクリート中に形
成された多数の気泡について、気泡半径の分布を正確に
検出する必要がある。
【0005】気泡半径の分布を正確に知ることができれ
ば、硬化コンクリート中の空気量、気泡の平均半径、平
均比表面積など、気泡相の特性を表すパラメータのほと
んどを正確に算出することができ、これにより、これら
のパラメータと硬化コンクリートの耐凍害性との関係を
明確に把握することができるからである。
【0006】また、この気泡相の詳細が解明できれば、
混和剤の種類による気泡相特性の相違も知ることがで
き、さらには、硬化コンクリートの耐凍害性に対して空
気量よりもさらに直接的に影響する要因の有無も知るこ
とができると考えられる。
【0007】ここで、上述したパラメータのうち、硬化
コンクリート中の空気量を検出する方法としては、例え
ば、米国材料試験協会(American Society for Testing
Materials;ASTM)によって標準化された方法であ
るリニアトラバース法「C 457:Standard Recommended P
ractice for MICROSCOPICAL DETERMINATION OF AIR-VOI
D CONTENT AND PARAMETERS OF THE AIR-VOID SYSTEM IN
HARDENED CONCRETE」が知られている。この方法は、コ
ンクリートの切断面上に走査線を引いて、これが気泡の
断面と交差する部分(すなわち、弦の部分)の長さの総
延長と総数とを測定し、硬化コンクリート中に含まれる
気泡が全て同一の直径を持つ球であると仮定して空気量
その他を検出するものである。また、硬化コンクリート
中に含まれる気泡が全て同一の直径を持つ球であると仮
定して気泡の平均半径を求める技術も、従来より知られ
ている。
【0008】一方、気泡径の分布そのものを検出する方
法としては、例えば、画像解析による方法が知られてい
る(原田他 画像解析装置を用いた硬化コンクリート中
の気泡組織測定方法、セメントコンクリート No.471,M
ay 1986,pp22-28 )。これは、硬化コンクリートの切断
面に現れる気泡の円形断面の寸法をテレビカメラ、実体
顕微鏡、イメージセンサ、プロセッサ等を組み合わせて
構成した画像解析装置で測定し、その分布をもって気泡
径分布とするものである。この画像解析による技術を含
めて、従来は、硬化コンクリートの切断面に現れる気泡
の円形断面の寸法の分布を気泡径分布であるとしてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したリニアトラバ
ース法では、硬化コンクリート中に含まれる気泡が全て
同一の直径を持つ球であると仮定して各パラメータを算
出している。しかしながら、実際には気泡の直径は同一
ではないと考えられ、このため、このような方法では各
パラメータを正確に求めることはできなかった。
【0010】また、画像解析による方法では、上述した
ように、硬化コンクリートの切断面に現れる気泡の円形
断面の寸法の分布を気泡径分布であるとしていた。しか
しながら、球の切断面の直径はその球の中心からの距離
によって異なるため、かかる円形断面の寸法の分布は明
らかに気泡径分布と一致せず、したがって、このような
方法では気泡径分布を正確に求めることはできない。
【0011】なお、ここでは硬化コンクリート中に含ま
れる気泡の場合を例に採って説明したが、上述のような
課題はこのような場合に限られるものではない。すなわ
ち、従来は、複合物質中に含有される多数個の粒状体の
粒径分布を正確に検出することはできなかった。
【0012】この発明は、このような従来技術の課題に
鑑みて成されたものであり、複合物質中に含有される多
数個の粒状体の粒径分布を正確に検出することができる
粒状体の粒径分布検出方法に関するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、複合物質中
に含有される多数個の粒状体の粒径分布を、複合物質の
切断面に現れた粒状体の出現円の寸法の分布から検出す
る粒状体の粒径分布検出方法であって、それぞれの出現
円の寸法データをこの寸法の小さいものから順にm段階
のデータ群に分級するとともに、それぞれのデータ群に
属する寸法データの個数nm(1),nm(2),・・・,n
m(m)を計数する第1のステップと、j段階に分級された
データ群のそれぞれに属する寸法データの個数nj(1),
j(2),・・・,nj(j)のそれぞれについて第j番目の
データ群に対応する寸法と一致する粒径を有する粒状体
の個数n(k,j) (k=1,2,・・・,j−1)を確率
密度関数を用いて算出するとともにこのn(k,j) を用い
た演算nj-1(k)=nj(k)−n(k,j) をk=1,2,・・
・,j−1のそれぞれについて行なうことによりj−1
段階に分級されたデータ群のそれぞれに属する寸法デー
タの個数nj-1(1),nj-1(2),・・・,nj-1(j-1)を得
る演算処理を、j=m,m−1,・・・,1のそれぞれ
について順次実行する第2のステップと、第i番目のデ
ータ群に対応する寸法と一致する粒径を有する粒状体の
総数Np(i)(i=1,2,・・・,m)を演算式
【0014】
【数1】
【0015】を用いて算出する第3のステップと、を備
えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態に係
る粒径分布検出方法について、硬化コンクリート中に含
有される気泡の粒径分布を検出する場合を例に採って、
図面を用いて説明する。
【0017】なお、図中、各構成成分の大きさ、形状お
よび配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に
示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件
は単なる例示にすぎないことを理解されたい。
【0018】この実施の形態に係る粒径分布検出方法の
原理 まず、この実施の形態に係る粒径分布検出方法の原理に
ついて、図1〜図3を用いて説明する。
【0019】(1)半径が一定の気泡群から生じる出現
円の、半径の確率密度関数 コンクリート中にはいろいろな大きさの気泡が含まれて
いる。そこで、まず、これらの気泡のうちで、図1に示
したような半径がrの気泡10のみに着目し、そこから
生じる出現円の半径がどのような分布を成すかについて
考える。
【0020】この半径rの気泡の数が非常に多く且つ無
秩序に分布しているものとすると、n個の気泡球から切
り出された出現円の半径xの分布は、1個の球をn個の
平行な平面で等間隔に切断したときに現れる円の半径の
分布に等しい。すなわち、図2に示したように半径rの
n個の球10−1〜10−n(図2では10−1〜10
−5)をそれぞれ1つの平面で切断したときに、ある切
断面の半径がxである確率は、半径rの1個の球をn個
の平面で切断したときに、ある切断面の半径がxである
確率に等しい。
【0021】次に、半径がrの1個の球に着目し、図1
のようにx軸およびz軸をとって切断面を考える。
【0022】その場合には、切断面の半径xと切断面か
ら球面までの距離zとの関係は、
【0023】
【数3】
【0024】であり、半径がx+dxの切断面に対応す
る距離をz+dzとすると、
【0025】
【数4】
【0026】である。
【0027】ここで、z=0〜rの間を一定間隔δの複
数の水平面で切断すると、半径がx<x≦x+dxであ
るような切断面の数の期待値はdz/δであり、また、
切断面の総数はr/δである。
【0028】したがって、半径がrの気泡球を1つの切
断面で切断した場合に、半径がxの切断面が出現する確
率Pr
【0029】
【数5】
【0030】と表される。
【0031】したがって、g(x) は半径rの気泡から生
じる出現円の半径xの確率密度関数であり、累積分布関
数をG(x) とすれば
【0032】
【数6】
【0033】となる。
【0034】(2)気泡群の半径の分布と出現円の半径
の分布との関係 上述の説明では気泡球の半径が一定しているとしたが、
実際には硬化コンクリート中に含まれる気泡の半径は一
定しない。ところが、上述のように、気泡球の半径が同
一(例えばr)であったとしても、出現円の半径は0〜
rの範囲で変化し、同一とはならない。したがって、出
現円の半径から気泡球の半径を検出することはできな
い。
【0035】しかしながら、上述のように、同じ半径r
の気泡球が多数個存在する場合に、その気泡球の切断面
として出現する円の半径xは、上式(3)で与えられる
確率分布をとる。すなわち、同じ半径rの気泡球が多数
個存在する場合に、その気泡球の出現円の半径がxとな
る確率を求めることは可能である。そして、このような
確率分布を計算で求めるとともに、出現円の総数および
半径の分布を実測することにより、気泡球の半径の分布
を検出することができる。以下、これについて詳細に説
明する。
【0036】図3(A)は、出現円の半径の分布を概念
的に示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、
出現円の半径を寸法の小さいものから順にm段階(ここ
では説明を簡単にするためにm=6とする)のグループ
に分級したときの、各グループの番号を示している。例
えば、グループ1に属する出現円の半径xを0<x≦Δ
xとすると、グループ2に属する出現円の半径xはΔx
<x≦2Δx、グループ3に属する出現円の半径xは2
Δx<x≦3Δxというように分級されているものとす
る。
【0037】また、縦軸は、各グループに属する出現円
の数n(j) を示している。すなわち、半径rがグループ
1に属する出現円の数がn(1) 、グループ2に属する出
現円の数がn(2) というように定義されており、グルー
プ6に属する出現円の数がn(6) である。
【0038】ここで、出現円の半径xが0<x≦Δxと
なる気泡球(総数はn(1) 個)のうち、気泡球の半径r
が0<r≦Δxとなるものの数をn(1,1) 、気泡球の半
径rがΔx<r≦2Δxとなるものの数をn(1,2) とい
うようにn(1,1) 〜n(1,6)を定義する。さらに、出現
円の半径xがΔx<x≦2Δxとなる気泡球(総数はn
(2) 個)については、n(2,2) 〜n(2,6) を定義する。
なお、n(2,1) が存在しないのは、出現円の半径が気泡
球の半径よりも大きくなることは理論的にあり得ないか
らである。同様に、出現円の半径xが2Δx<x≦3Δ
xとなる気泡球(総数はn(3) 個)についてはn(3,3)
〜n(3,6) を、出現円の半径xが3Δx<x≦4Δxと
なる気泡球(総数はn(4) 個)についてはn(4,4) 〜n
(4,6) を、出現円の半径xが4Δx<x≦5Δxとなる
気泡球(総数はn(5) 個)についてはn(5,5) ,n(5,
6) を、出現円の半径xが5Δx<x≦6Δxとなる気
泡球(総数はn(6) 個)についてはn(6,6) を定義する
(図3(A)参照)。すなわち、n(1) 〜n(6) とn
(1,1) 〜n(6,6) との間には、以下の関係が成り立つ。
【0039】
【数7】
【0040】また、図3(A)からわかるように、気泡
球の半径rが0<r≦ΔxとなるものをNp(1)、Δx<
r≦2ΔxとなるものをNp(2)、・・・、5Δx<r≦
6ΔxとなるものをNp(6)とすると、以下の関係が成り
立つ。
【0041】
【数8】
【0042】このような理由により、n(1,1) 〜n(6,
6) を知ることができれば、気泡の半径rの分布である
p(1)〜Np(6)を知ることができる。
【0043】ところが、上述したように、出現円の半径
から気泡球の半径を検出することはできず、したがっ
て、n(1,1) 〜n(6,6) を直接知ることはできない。し
かしながら、上述したように、半径rの気泡球の出現円
の半径が0<r≦Δx,Δx<r≦2Δx,・・・,5
Δx<r≦6Δxとなる確率を求めることは可能であ
り、半径rが階級mに属する気泡球の理論上の総数をN
(m) とすると、半径rが階級mに属し且つ出現円の半径
xが階級mに属する気泡の数n(m,m) は、
【0044】
【数9】
【0045】で与えられる。ここで、図3(A)からわ
かるように、n(m,m) =n(m) (図3(A)ではm=6
である)であり、このn(m) は出現円の半径を実測する
ことによって検出することができるので、上式(7)に
より、半径rが階級mに属する気泡球の理論上の総数N
(m) を求めることができる。すなわち、
【0046】
【数10】
【0047】となる。そして、N(m) を求めることがで
きれば、出現円の半径xがm−1以下の階級に属し且つ
半径rが階級mに属する気泡球の数n(1,m) ,n(2,
m),・・・,n(m-1,m)(すなわちn(1,6),n(2,
6),・・・,n(5,6))は、出現円の半径xが属する
階級をiとして、下式で与えられる。
【0048】
【数11】
【0049】次に、階級1から階級m−1(ここではm
−1=5)までの各グループに属する出現円の数n(1)
,n(2) ,・・・,n(m-1) から、上述の式(9)で
求めたn(1,m) ,n(2,m),・・・,n(m-1,m)をそれ
ぞれ減算する。すなわち、下式(10)の演算を行な
う。
【0050】
【数12】
【0051】これにより、図3(B)に示したような出
現円の半径の分布を得ることができる。これは、出現円
の半径を寸法の小さいものから順にm−1段階(すなわ
ち、ここでは5段階)のグループに分級したときのグラ
フであると考えることができる。したがって、半径rが
階級mに属する気泡球の場合と同様にして、半径rが階
級m−1に属する気泡球の総数Np(m-1)を求めることが
できる。そして、上述の場合と同様にして、出現円の半
径を寸法の小さいものから順にm−2段階のグループに
分級したときの出現円の半径の分布を得ることができ
る。
【0052】以下、同様にして、上述の計算過程を繰り
返すことにより、気泡の半径rの分布であるNp(1)〜N
p(m)を全て知ることができる。
【0053】(3)上式(10)の修正 上式(10)において、nm-1(i)の値が負になる場合が
考えられる。この場合には、このnm-1(i)を0、すなわ
ちn(i,m) =nm(i)として扱うことにより、以降の計算
過程を行なうことができる。
【0054】(4)気泡半径rの分布N(1) 〜N(m) を
用いた各種パラメータの算出 上述のようにして検出された気泡半径rの分布N(1) 〜
N(m) を用いることにより、硬化コンクリートの耐凍害
性との関係を解明する際に検討すべきであると思われる
各種パラメータを、以下のようにして正確に検出するこ
とができる。
【0055】(A) 硬化コンクリートの単位体積当たりの
気泡半径の分布 半径がrの気泡数NPrと単位体積中の気泡の総数Nor
の間には理論的に下式(11)の関係が成り立つので、
気泡球の半径rが階級jに属する気泡が単位体積中に含
まれる数をNO(j)とし、r=jΔxを用いて下式(1
2)でNO(j)を算出する。
【0056】
【数13】
【0057】
【数14】
【0058】このようにして得られたNO(j)(j=1,
2,・・・,m)は気泡の粒径分布および硬化コンクリ
ートの単位体積中の半径の分布を表している。
【0059】(B) 硬化コンクリートの単位体積当たりの
気泡の総数 硬化コンクリートの単位体積当たりの気泡の総数NO
を、NO(j)の総和として、下式により求める。
【0060】
【数15】
【0061】(C) 気泡の各階級における代表半径および
各種等価半径 i)各階級での平均半径 気泡の各階級(1〜m)での代表半径は、各階級での中
央値とする。そして、これをRI(j)で表し、下式により
算出する。
【0062】
【数16】
【0063】ii) 各階級での面積等価半径 各階級での粒径分布は一様であるとして階級jに含まれ
る一定個数の気泡球の全表面積を計算し、これを同じ個
数の等大球の全表面積に等しいとしたときの気泡球の半
径を、その階級の面積等価半径RS(j)とする。この面積
等価半径RS(j)は、下式によって得られる。
【0064】
【数17】
【0065】iii)各階級での体積等価半径 各階級での粒径分布は一様であるとして階級jに含まれ
る一定個数の気泡球の全体積を計算し、これを同じ個数
の等大級の全体積に等しいとしたときの気泡球の半径
を、その階級の体積等価半径Rv(j)とする。この体積等
価半径RV(j)は、下式によって得られる。
【0066】
【数18】
【0067】(D) 硬化コンクリートの組成の算出 i)各階級の気泡の体積比 各階級の気泡の体積比は、下式によって算出することが
できる。
【0068】
【数19】
【0069】ii) 硬化コンクリートの単位体積当たりの
気泡の総体積 硬化コンクリートの単位体積当たりの気泡の総体積V
I(j)は、下式によって算出することができる。
【0070】
【数20】
【0071】iii)硬化コンクリートの単位体積当たりの
結合組織の総体積 硬化コンクリートの単位体積当たりの、気泡以外の成分
の総体積VI は、下式によって算出することができる。
【0072】
【数21】
【0073】(E) 気泡の平均半径 気泡の平均半径RI は、上式(16),(18)で得た
O(j),RI(j)を用いて、下式により算出することがで
きる。
【0074】
【数22】
【0075】(F) 気泡の平均比表面積 気泡の平均比表面積SAI は、下式に示したように、硬
化コンクリートの単位体積中に含まれる気泡の総表面積
を気泡の総体積で除算することによって算出することが
できる。
【0076】
【数23】
【0077】(G) 気泡の分散距離 i)気泡の平均中心間隔 単位体積の硬化コンクリートを立方体とみなし、これを
O 個(上式(13)参照)の体積の等しい立方体に分
割したときの小立方体の対角線の長さを下式にしたがっ
て算出し、この計算結果LI を気泡の平均中心間隔とす
る。
【0078】
【数24】
【0079】i)気泡の平均純間隔 気泡の平均中心間隔LI (上式(22)参照)から気泡
の平均直径を減算した結果(すなわち気泡の表面間距
離)を気泡の平均純間隔CLI として、下式を用いて算
出する。
【0080】
【数25】
【0081】(H) 硬化コンクリートの空気量 硬化コンクリート中の空気量をAir[%]として、この
値を下式により算出する。
【0082】
【数26】
【0083】(I) 気泡間隔係数 セメントペーストに関するパラメータを以下のように定
義する。
【0084】 単位水量 ;W[kg/m3 ] 単位セメント量;C[kg/m3 ] セメントの比重;gc 気泡間隔係数Lは、以下の手順で算出される。
【0085】最初に、単位体積のコンクリート中に含ま
れるセメントペーストの体積(気泡の体積を含む)VPA
を、下式を用いて算出する。
【0086】
【数27】
【0087】次に、セメントペーストのみを接合組織と
みなした場合の、気泡の平均中心間隔LA および間隔係
数Lを、気泡の平均純間隔の1/2として、下式により
算出する。
【0088】
【数28】
【0089】(J) 気泡間ペースト平均厚さ 気泡間ペースト平均厚さtをセメントペースト総体積と
気泡総表面積の比で定義して、下式により算出する。
【0090】
【数29】
【0091】この実施の形態に係る粒径分布検出方法の
アルゴリズム 次に、この実施の形態に係る粒径分布検出方法をコンピ
ュータを用いて実行する場合のアルゴリズムについて、
図4〜図9を用いて説明する。
【0092】まず、この実施の形態に係る方法を実施す
る場合の全体の処理の流れについて、図4の概略フロー
チャートを用いて説明する。
【0093】まず、気泡の分布を検出するための試料を
作製し、この試料を切断することにより、測定面として
の切断面を作製する(S401)。
【0094】次に、この試料の測定面上に、出現円の計
数等を行なう測定区画を設定する(S402)。
【0095】さらに、設定した測定区画の面積を測定す
る(S403)。
【0096】そして、測定区画の面積およびこの測定区
画内に現れた各出現円の寸法(ここでは半径とする)
を、例えば画像解析装置等によって測定する(S40
4)。なお、境界線内に1/2以上入っている気泡は、
この測定区画内にあるものとして扱う。
【0097】続いて、測定した出現円の総数および寸法
を、演算処理用のデータとして、コンピュータに入力す
る(S405)。
【0098】次に、コンピュータによる演算処理を開始
させる。この時、コンピュータは、まず、上述の入力デ
ータを読み取って演算用メモリに記憶した後、後述する
ようなデータ処理および各種パラメータの算出を行なう
(S406)。
【0099】その後、コンピュータの処理結果をディス
プレイに表示させ(S407)、さらに、これらの処理
結果を印刷して(S408)、この実施の形態に係る方
法の処理を終了する。
【0100】次に、図4のS406に示したコンピュー
タによる処理について、図5〜図9を用いて詳細に説明
する。
【0101】まず、上述のように、測定区画の面積Aと
各出現円の断面寸法xi (i=1,2,・・・,n;n
は出現円の総数)とをコンピュータの演算用メモリに読
み込む(S501)。
【0102】続いて、寸法データxi (i=1,2,・
・・,n)を寸法の大きさに応じて分級するときの寸法
値の間隔(すなわち度数分布表の階級間隔)Δxを選定
する(S502)。この選定は、予めコンピュータに記
憶させた演算によって行なうこととしてもよいし、オペ
レータが入力することとしてもよい。そして、選定され
たΔxに応じて階級数mを算出する(S502)。
【0103】次に、これらの選定値Δx,mに応じて、
寸法データxi (i=1,2,・・・,n)をm段階の
データ群に分級し、それぞれのデータ群に属する寸法デ
ータの個数nm(i)(i=1,2,・・・,m)を計数す
る(S503;この発明の「第1のステップ」に相当す
る)。
【0104】そして、後の演算処理のために、変数kに
mを代入するとともに、nm(i)(i=1,2,・・・,
m)をそれぞれnk(i)(i=1,2,・・・,k)に代
入する(S504)。
【0105】続いて、上式(8)を用いて、気泡球の半
径が階級kに属する気泡の総数N(k) を求める(S50
5)。
【0106】さらに、この演算値N(k) を用いて上式
(9)の演算を行なうことにより、出現円の半径が階級
iに属し且つ気泡球の半径が階級kに属する気泡の数で
あるn(i,k) (i=1,2,・・・,m−1)をすべて
算出する(S506)。
【0107】続いて、上式(10)にしたがって、階級
1から階級m−1までの各データ群に属する寸法データ
の個数nm(i)(i=1,2,・・・,m−1)からn
(i,k)を減算する。そして、この演算の結果として得ら
れたnk-1(i)の値が負である場合には、このnk-1(i)に
0を代入するとともに、n(i,k) にnk(i)を代入する
(S507)。そして、kにk−1を代入したのち、k
=1になるまで、S505〜S509の処理を繰り返す
(このS505〜S509がこの発明の「第2のステッ
プ」に相当する)。
【0108】次に、このような一連の処理S505〜S
509で得られた演算値を用いて式(6)の演算を行な
うことにより、気泡球の半径が階級kに属する気泡の総
数であるNP(i)(i=1,2,・・・,m)を得ること
ができる(S510;この発明の「第3のステップ」に
相当する)。
【0109】次に、上式(12)を用いた気泡半径の分
布NO(j)の算出(S511)、上式(13)を用いた気
泡の総数NO の算出(S512)、上式(14)〜(1
6)を用いた各種半径RI(j),RS(j),Rv(j)の算出
(S513)、上式(20)を用いた気泡の平均半径R
I の算出(S514)、上式(17)〜(19)を用い
た気泡の体積比VI(j)および総体積比VI や結合組織の
体積比VM の算出(S515)、上式(21)を用いた
気泡の平均比表面積SAI の算出(S516)、上式
(22)および(23)を用いた気泡の平均中心間隔L
I および平均純間隔CLI の算出(S517)、上式
(24)を用いた硬化コンクリート中の空気量Airの算
出(S518)を、順次行なう。
【0110】続いて、気泡間隔係数を算出するか否かを
判断する(S519)。ここで、この判断は、オペレー
タからの指示を入力することによって行なってもよい
し、他の方法によって行なってもよい。
【0111】ここで、気泡間隔係数を算出しない場合
は、後述する第2の出力用処理(S526)を行なう。
一方、気泡間隔係数を算出する場合は、以下の処理S5
20〜S524を行なった後、第1の出力用処理(S5
25)を行なう。
【0112】気泡間隔係数を算出する場合は、まず、上
述のS511で算出した気泡の総数NO(j)(j=1,
2,・・・,m)をそれぞれNOA(j) (j=1,2,・
・・,m)に代入し、S512で算出した気泡総数NO
をNOAに代入し、上述のS515で算出した気泡の体積
比Vi(j)(j=1,2,・・・,m)をVOA(j) (j=
1,2,・・・,m)に代入し、上述のS514で算出
した気泡の半径RI から気泡の直径DA =2RI を算出
し、さらに、上述のS516で算出した平均比表面積S
I をSA に代入する(S520)。
【0113】次に、セメントペーストに関するパラメー
タである、単位水量W[kg/m3],単位セメント量
C[kg/m3 ],セメントの比重;gc を読み出す
(S521)。ここで、これらのパラメータは、予めコ
ンピュータ内に記憶しておくこととしてもよいし、処理
前または処理中にオペレータが入力することとしてもよ
い。
【0114】続いて、これらのパラメータを用いて、硬
化コンクリートの単位体積中に占める気泡を含むセメン
トペーストの体積比VPAを、上式(25)を用いて算出
する(S522)。
【0115】なお、上式(25)は、上述の寸法データ
の単位をmmとした場合に対応しているので、以下に算
出される演算結果の長さの単位もmmとなるが、単位を
所望のものに変換することは常に可能である。
【0116】そして、このようにして得られた演算値V
PAを用いて、セメントペースト中における気泡の平均中
心間隔LA および気泡間隔係数Lを、上式(26)およ
び上式(27)を用いて算出し(S523)、さらに、
気泡間ペースト平均厚さを上式(28)を用いて算出す
る(S524)。
【0117】最後に、これらの演算処理で得られた気泡
分布や演算データをグラフや数値として表示するための
グラフィック処理を行ない(S525,S526)、S
406(図4参照)の演算処理を終了する。
【0118】このように、この実施の形態に係る方法に
よれば、硬化コンクリート中に含まれる気泡の気泡径分
布を正確に検出することができ、さらに、これにより、
他の特性パラメータを正確に算出することが可能とな
る。
【0119】なお、この実施の形態に係る方法では、硬
化コンクリート中に含まれる気泡の気泡径分布を検出す
る場合を例に採って説明したが、複合物質中に含有され
る多数個の粒状体の粒径分布を検出する場合であればこ
の発明の効果を得ることができることはもちろんであ
る。
【0120】また、上述したアルゴリズムは適宜変更し
て実施されるべきものであることはもちろんであるが、
特にS510以降はこの発明を適用する材料等によって
適宜変更される。例えば、S518〜S524は、硬化
コンクリート中の気泡径分布の検出以外の用途では不要
である。
【0121】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、複合物質中に含有される多数個の粒状体の粒径
分布を正確に検出することができ、さらに、これによ
り、他の特性パラメータを正確に算出することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る粒状体の粒径分布検出方法の原
理を説明するための概念図である。
【図2】この発明に係る粒状体の粒径分布検出方法の原
理を説明するための概念図である。
【図3】この発明に係る粒状体の粒径分布検出方法の原
理を説明するための概念図である。
【図4】この発明を実施するためのアルゴリズムの一例
を示す概略フローチャートである。
【図5】この発明を実施するための演算処理アルゴリズ
ムを示す詳細フローチャートである。
【図6】この発明を実施するための演算処理アルゴリズ
ムを示す詳細フローチャートである。
【図7】この発明を実施するための演算処理アルゴリズ
ムを示す詳細フローチャートである。
【図8】この発明を実施するための演算処理アルゴリズ
ムを示す詳細フローチャートである。
【図9】この発明を実施するための演算処理アルゴリズ
ムを示す詳細フローチャートである。
【符号の説明】
10 気泡 10−1〜10−5 球

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合物質中に含有される多数個の粒状体
    の粒径分布を、前記複合物質の切断面に現れた前記粒状
    体の出現円の寸法の分布から検出する粒状体の粒径分布
    検出方法であって、 それぞれの前記出現円の寸法データをこの寸法の小さい
    ものから順にm段階のデータ群に分級するとともに、そ
    れぞれの前記データ群に属する前記寸法データの個数n
    m(1),nm(2),・・・,nm(m)を計数する第1のステッ
    プと、 j段階に分級されたデータ群のそれぞれに属する前記寸
    法データの個数nj(1),nj(2),・・・,nj(j)のそれ
    ぞれについて第j番目の前記データ群に対応する前記寸
    法と一致する粒径を有する前記粒状体の個数n(k,j)
    (k=1,2,・・・,j−1)を確率密度関数を用い
    て算出するとともにこのn(k,j) を用いた演算nj-1(k)
    =nj(k)−n(k,j) をk=1,2,・・・,j−1のそ
    れぞれについて行なうことによりj−1段階に分級され
    たデータ群のそれぞれに属する前記寸法データの個数n
    j-1(1),nj-1(2),・・・,nj-1(j-1)を得る演算処理
    を、j=m,m−1,・・・,1のそれぞれについて順
    次実行する第2のステップと、 第i番目の前記データ群に対応する前記寸法と一致する
    粒径を有する前記粒状体の総数Np(i)(i=1,2,・
    ・・,m)を演算式 【数1】 を用いて算出する第3のステップと、 を備えたことを特徴とする粒状体の粒径分布検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のステップにおいて、前記粒状
    体の個数n(k,j) (k=1,2,・・・,j)を算出す
    る前記確率密度関数が、 【数2】 で与えられることを特徴とする請求項1に記載の粒状体
    の粒径分布検出方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のステップにおいて、nj-1(k)
    が負の値をとったときはこのnj-1(k)を零に置き換えて
    その後の演算処理を行なうことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の粒状体の粒径分布検出方法。
  4. 【請求項4】 前記複合物質が硬化コンクリートであり
    且つ前記粒状体が気泡であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の粒状体の粒径分布検出方法。
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