JP3451553B2 - リレー装置 - Google Patents

リレー装置

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JP3451553B2
JP3451553B2 JP2002278653A JP2002278653A JP3451553B2 JP 3451553 B2 JP3451553 B2 JP 3451553B2 JP 2002278653 A JP2002278653 A JP 2002278653A JP 2002278653 A JP2002278653 A JP 2002278653A JP 3451553 B2 JP3451553 B2 JP 3451553B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば安全確認等
に関わる複数の入力条件が全て成立した場合に限り対象
となる負荷を駆動する等の用途に好適な信頼性の高いリ
レー装置に関する。特に、リレー装置は安全機能付きで
ある。この安全機能とは、リレー接点の溶着、固着及び
外部入力接点の故障モードに対して完全に作動して、そ
の故障を検知し次回のリレー駆動に起動させない機能で
ある。 【0002】 【従来の技術】この種の安全機能付きのリレー装置とし
ては、図6の回路図に示されたものが知られている。同
図に示されるように、このリレー装置は、それぞれ外部
無電圧接点が接続される2個の入力端子T11、T12
並びにT21、T22と、前記入力端子の数に対応して
設けられた2個の入力対応電磁リレー(以下、その一方
を第1電磁リレー、他方を第2電磁リレーという)と、
それらの入力対応電磁リレーのそれぞれに対して自己保
持セット信号を出力する自己保持セット用リレーと、負
荷に接続されるべき出力端子OUT1、OUT2を有し
ている。 【0003】なお、入力端子T11、T12並びにT2
1、T22にそれぞれ接続される第1スイッチS1、第
2スイッチS2は、それぞれ外部無電圧接点を構成す
る、例えばリミットスイッチ等の接点である。また、K
1は入力対応電磁リレーとして機能する第1電磁リレー
のコイル、K2は入力対応電磁リレーとして機能する第
2電磁リレーのコイル、K3は自己保持セット用リレー
として機能する第3電磁リレーのコイルである。 【0004】入力対応電磁リレーとして機能する第1電
磁リレーには、コイルK1と、出力用常開接点K1−2
と、制御用常開接点K1−1と、制御用常閉接点K1−
3とが設けられている。同様にして、入力対応電磁リレ
ーとして機能する第2電磁リレーにも、コイルK2と、
出力用常開接点K2−2と、制御用常開接点K2
と、制御用常閉接点K2−3とが設けられている。更
に、自己保持セット用リレーとして機能する第3電磁リ
レーには、前述した第1電磁リレー並びに第2電磁リレ
ーに対し自己保持セット信号を出力する制御用常開接点
K3−1、K32と、出力用常閉接点K3−3とが設
けられている。 【0005】入力端子Tll、T12に接続される外部
無電圧接点である第1スイッチS1と、これに割り当て
られた入力対応電磁リレーである第1電磁リレーの制御
常開接点K1−1と、その第1電磁リレーのコイルK
1とは、電源Eの端子間に直列に接続され、これにより
第1スイッチS1をリセット用接点、制御用常開接点K
1−1を保持用接点とする第1電磁リレーの自己保持回
路が形成されている。 【0006】同様にして、入力端子T21、T22に接
続される外部無電圧接点である第2スイッチS2と、こ
れに割り当てられた入力対応電磁リレーである第2電磁
リレーの制御用常開接点K2−1と、第2電磁リレーの
コイルK2とが、電源Eの端子間に直列に接続され、こ
れにより第2スイッチS2をリセット用接点、制御用常
開接点K2−1を保持用接点とする第2電磁リレーの自
己保持回路が形成されている。 【0007】入力対応電磁リレーである第1並びに第2
電磁リレーの制御用常閉接点K13、K2−3は互い
に直列接続されて電源Eを経由する閉回路に挿入されて
おり、この閉回路には自己保持セット用リレーを構成す
る第3電磁リレーのコイル(入力回路)K3が更に挿入
されており、この自己保持セット用リレーを構成する第
3電磁リレーの制御用常開接点(出力回路)K3−1、
K3−2は、先に述べた自己保持回路におけるセット用
スイッチを構成している。 【0008】更に、各入力対応電磁リレーである第1並
びに第2電磁リレーの出力用常開接点K1−2、K2−
2並びに自己保持セット用リレーである第3電磁リレー
の出力用常閉接点K3−3は互いに直列接続されて出力
端子OUT1、OUT2の間に接続され、これにより図
示しない負荷を経由する閉回路を構成することとなる。 【0009】次に動作を説明すると、第1電磁リレー、
第2電磁リレー、第3電磁リレーの全てが正常な場合に
は、第1スイッチS1並びに第2スイッチS2の双方が
閉路されていない限り、出力端子OUTと出力端子O
UT2の間は導通しない。換言すれば、第1スイッチS
1若しくは第2スイッチS2のいずれか一方が開路すれ
ば、出力端子UT1と出力端子OUT2との間も開路
される。 【0010】また、第1電磁リレー、第2電磁リレー、
第3電磁リレーのいずれか1つに接点の溶着(固着)故
障が生じた場合には、それが当該リレー装置の作動中で
あっても、第1スイッチS1若しくは第2スイッチS2
のいずれか一方が開路すると共に、出力端子OUT1と
出力端子OUT2との間は正常に開路される。更に、こ
のように安全機能付きのリレー装置内部において素子の
故障が発生した場合には、その後、第1スイチS1及
第2スイッチS2の双方が閉路したとしても、出力端
子OUT1と出力端子OUT2との間はもはや閉路しな
い。即ち、内蔵リレーのコイル若しくは接点に故障が発
生した場合には、自動的に安全機能が働くこととなる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
リレー装置にあっては、入力対応電磁リレーとしての2
個の電磁リレーの他に、更に自己保持セット用リレ
して1個の電磁リレーが必要であることから、装置全体
が比較的大型化せざるを得ないという問題点があった。 【0012】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたものであり、その目的とするところは、安全機
能を損ねることなく小型化が達成できるリレー装置を提
供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るリレー装置は、入力端子に対応して
設けられた電磁リレーからなる少なくとも一方及び他方
の自己保持用リレーと、電気エネルギを蓄積し且つ放電
する誘電体と、誘電体に通電して誘電体に電気エネルギ
を蓄積させる通電手段と、一方の自己保持用リレーの入
力側に起動信号を出力して一方の自己保持用リレーに自
己保持回路を形成させる起動用外部入力接点部からなる
一方の起動手段と、一方の自己保持用リレーの自己保持
動作により作動して、誘電体に蓄えられた電気エネルギ
を起動信号として出力し他方の自己保持用リレーに自己
保持回路を形成させる誘電体を含む電子回路からなる
方の起動手段と、一方及び他方の自己保持用リレーの自
己保持動作により作動して負荷に接続される出力端子に
出力信号を出力する出力手段とを備え、一方の起動手
段、一方の自己保持用リレー他方の起動手段、他方の
自己保持用リレーの順序で動作するように構成したもの
である。 【0014】かかる構成により、通電手段により誘電体
に電気エネルギを蓄積し、一方の起動手段により一方の
自己保持用リレーの入力側に起動信号を出力して一方の
自己保持用リレーに自己保持回路を形成させ、この一方
の自己保持用リレーの自己保持動作により他方の起動手
段が作動して、誘電体に蓄えられた電気エネルギを他方
の起動手段からの起動信号として出力して他方の自己保
持用リレーに自己保持回路を形成させて、出力手段の出
力端子間を導通させて、これに接続された負荷を駆動す
ることができる。 【0015】この場合、一方及び他方の自己保持用リレ
ーを電磁リレーで構成すると共に、他方の起動手段を誘
電体を含む電子回路で構成してあるために、リレー装置
を、安全機能を損ねることなく小型化することができ、
また、低コスト化することができる。 【0016】また、一方の起動手段にショート故障が生
じた場合には、通電手段により誘電体に電気エネルギを
蓄えようとするが、一方の起動手段がショート故障して
いるために、一方の自己保持用リレーが自己保持回路を
形成して誘電体に充分に電荷を蓄えることができない。 【0017】一方の自己保持用リレーが自己保持される
ことで他方の起動手段が作動するが、誘電体に十分に電
気エネルギが蓄えられていないので、他方の自己保持用
リレーに自己保持回路を形成させることができず、出力
手段の出力端子間が導通せず負荷は駆動されないことに
なる。 【0018】このように、負荷が駆動されないことで、
安全機能を一層高めることができるばかりか、ショート
故障が生じたことを容易に且つ早期に見つけることがで
きる。 【0019】 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【0030】 【0031】 【0032】 【0033】 【0034】 【0035】 【0036】 【0037】 【0038】 【0039】 【0040】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係るリレー装置を
添付図面を参照して詳細に説明する。 【0041】(実施の形態1) 図1に本発明に係るリレー装置の実施の形態1の構成を
示す。同図に示すように、この安全機能付きのリレー装
置は、それぞれ外部入力接点部(外部接点)が接続され
る2個の入力端子T11、T12並びにT21、T22
と、入力端子T11、T12並びにT21,T22に対
応して設けられた2個の入力対応電磁リレー(以下、他
方の自己保持用リレーである第1電磁リレー、一方の自
己保持用リレーである第2電磁リレーという)と、電気
エネルギを蓄積し且つ放電するコンデンサ(誘電体)C
と、このコンデンサ(誘電体)Cに通電してコンデンサ
(誘電体)Cに電気エネルギを蓄積させる通電手段と、
一方の自己保持用リレーである第2電磁リレーの入力側
に起動信号を出力してこの第2電磁リレーに自己保持回
路を形成させる一方の起動手段と、第2電磁リレーの自
己保持動作により作動して第1の電磁リレーの入力側に
起動信号を出力して、この第1の電磁リレーに自己保持
回路を形成させる他方の起動手段と、第1、第2の電磁
リレーの自己保持動作により作動して負荷図示せず)
に接続される出力端子OUT1、OUT2に出力信号を
出力する出力手段とを備えている。 【0042】そして、他方の自己保持用リレーを構成す
る第1電磁リレー、一方の自己保持用リレーを構成する
第2電磁リレーは、共に強制ガイド機構付きの電磁リレ
ーで構成してある。この強制ガイド機構付き電磁リレー
とは、1つの常開接点が溶着(固着)した場合、コイル
無励磁状態で、他の常閉接点は開路となり、また1つの
常閉接点が溶着(固着)した場合でも、コイル励磁状態
で他の常開接点は開路となるような機能を有する電磁リ
レーである。 【0043】そして、第1電磁リレーは、コイルK1
と、出力用常開接点K1−2と、制御用常開接点K1−
1と、制御用常閉接点K1−3とを備えており、また、
同様に、第2電磁リレーも、コイルK2と、出力用常開
接点K2−2と、制御用常開接点K2−1と、制御用常
閉接点K2−3とを備えている。 【0044】そして、他方の起動手段は、第1電磁リレ
ーに対して自己保持セット信号を出力する自己保持セッ
ト信号出力手段であって電子回路で構成してある。すな
わち、他方の起動手段は、通電により電気エネルギを蓄
え且つ一方の自己保持用リレーである第2の電磁リレー
の自己保持動作時に電気エネルギを放電するコンデンサ
(誘電体)Cと、他方の自己保持用リレーである第1の
電磁リレーに起動信号を出力する起動用スイッチ手段で
ある起動用トランジスタTrと、第2の電磁リレーの自
己保持動作時に作動してコンデンサ(誘電体)Cに蓄え
られた電気エネルギを他方の起動手段からの起動信号と
して出力する第1のスイッチ手段と、この第1のスイッ
チ手段からの起動信号を受けて作動して電源側電圧を起
動用トランジスタTrに導き、この起動用トランジスタ
Trを作動する第2のスイッチ手段とで構成してある。 【0045】ここで、第1のスイッチ手段は、第2の電
磁リレー自己保持動作時に出力する発光ダイオードPH
D1と、この発光ダイオードPHD1の出力により作動
してコンデンサ(誘電体)Cに蓄えられた電気エネルギ
を起動信号として出力する受光トランジスタPHT1と
からなる第1のフォト・カプラ(フォト・トランジスタ
カプラ)で構成してある。 【0046】また、第2のスイッチ手段は、第1のフォ
ト・カプラの受光トランジスタPHT1の起動信号を受
けて出力する発光ダイオードPHD2と、この発光ダイ
オードPHD2の出力により作動して電源側電圧を起動
用トランジスタTrに導き、この起動用トランジスタT
rを作動する受光トランジスタPHT2とからなる第2
のフォト・カプラ(フォト・トランジスタカプラ)で構
成してある。 【0047】第2電磁リレーに対して自己保持セット信
号を出力する自己保持セット信号出力手段は、入力端子
31、32に接続された起動用外部入力(起動用外部入
力接点部)である第3スイッチ(リセットスイッチ)S
3で構成してある。 【0048】また、入力端子T11、T12には、外部
入力1である第1スイッチS1が接続してあり、この第
1スイッチS1は、外部入力接点部(外部無電圧接点)
を構成するリミットスイッチ等の接点等である。また、
入力端子T21、T22には、外部入力2である第2ス
イッチS2が接続してあり、この第2スイッチS2は、
外部入力接点部(外部無電圧接点)を構成するリミット
スイッチ等の接点等である。 【0049】そして、第1スイッチS1と、その入力端
子T11、T12に割り当てられた第1電磁リレーのコ
イルK1と、制御用常開接点K1−1と、ダイオードD
5とは電源Eの端子間に直列に接続してあって、これに
より第1スイッチS1をリセット用接点、制御用常開接
点K1−1を保持用接点とする第1電磁リレーの自己保
持回路が形成してある。 【0050】また、この自己保持回路には、制御用常開
接点K1−1とダイオードD5とに並列するようにして
起動用トランジスタTrが組み込まれており、この起動
用トランジスタTrのコレクタ側にはダイオードD2が
組み込まれている。 【0051】また、第2スイッチS2は、ダイオードD
3と、その入力端子T21、T22に割り当てられた第
2電磁リレーの制御用常開接点K2−1と、この第2電
磁リレーのコイルK2と共に、電源Eの端子間に直列に
接続してあって、これにより第2スイッチS2をリセッ
ト用接点、制御用常開接点K2−1を保持用接点とする
第2電磁リレーの自己保持回路が形成してある。 【0052】また、この第2電磁リレーの自己保持回路
には、ダイオードD3のアノード側に位置させて第1の
フォト・カプラの発光ダイオードPHD1が組み込まれ
ている。 【0053】また、第3スイッチS3は、ダイオードD
4と第1の電磁リレーの制御用常閉接点K1−3とを介
して第2電磁リレーのコイルK2のプラス側に接続して
ある。 【0054】したがって、第1、第2スイッチS1、S
2はコンデンサ(誘電体)Cの通電手段を構成してお
り、第3スイッチS3は第2の電磁リレー自己保持回
路を起動する一方の起動手段を構成している。 【0055】第1のスイッチS1と、第2電磁リレーの
制御用常閉接点K2−3と、ダイオードD1と、抵抗R
1と、コンデンサ(誘電体)Cと、第2スイッチS2と
は、電源Eを経由する閉回路に、この順序に直列に接続
されて挿入されており、また、第1のスイッチS1と、
第2電磁リレーの制御用常閉接点K2−3と、ダイオー
ドD1と、抵抗R1と、閾値設定用ツェナーダイオード
ZDと、抵抗R2と、第1のフォト・カプラの受光トラ
ンジスタPHT1と、第2のフォト・カプラの発光ダイ
オードPHD2とは、この順序に直列に接続されて電源
Eを経由する閉回路に挿入してある。 【0056】また、第1のスイッチS1と、抵抗4と、
第2のフォト・カプラの受光トランジスタPHT2と、
抵抗3とは、この順序に直列に接続されて電源Eを経由
する閉回路に挿入してある。そして、受光トランジスタ
PHT2のエミッタ側(出力側)は起動用トランジスタ
Trのベース側に接続してある。 【0057】コンデンサ(誘電体)Cは、容量値を変え
ることで充電電圧(充放電カーブ)を変えることができ
る閾値調整コンデンサであり、抵抗R1はコンデンサ
誘電体)Cに蓄える電荷を制限する抵抗であり、抵抗
R2はコンデンサ(誘電体)Cからの放電電流の電流値
を調整する抵抗であり、R3は起動用トランジスタTr
のベース−エミッタ間抵抗であり、R4は起動用トラン
ジスタTrのベースに流れる電流を調整する抵抗であ
る。そして、閾値設定用ツェナーダイオードZDは、コ
ンデンサ(誘電体)Cの充電電圧が設定電圧を越えた場
合に、抵抗R2、第1のフォト・カプラの受光トランジ
スタPHT1及び第2のフォト・カプラの発光ダイオー
ドPHD2に電流を流すように働く。 【0058】したがって、コンデンサ(誘電体)Cと、
閾値設定用ツェナーダイオードZDと、抵抗R2とは、
起動用トランジスタTrを駆動する駆動電圧の閾値を設
定する閾値設定手段を構成している。 【0059】更に、第1及び第2電磁リレーの出力用常
開接点K1−2、K2−2は互いに直列接続されて出力
端子OUT1、OUT2の間に挿入されており、これに
より図示しない負荷を経由する閉回路からなる出力手段
が形成してある。 【0060】次に、上記のように構成されたリレー装置
の動作について、図3のタイムチャートを参照して説明
する。 【0061】(正常時の動作) 外部入力1である第1スイッチS1並びに外部入力2で
ある第2スイッチS2が閉路されると、コンデンサ(
体)Cに電荷が蓄えられ、また、このコンデンサ(
体)C及び抵抗R1により、図2に示すように充放電
カーブを描き、閾値設定用ツェナーダイオードZDのカ
ソード側の電位が、例えば24VDCになる。 【0062】起動用外部入力である第3スイッチ(リセ
ットスイッチ)S3がマニュアルセットされると、第2
電磁リレーのコイルK2が励磁されて、出力用常開接点
K2−2が閉路され、制御用常開接点K2−1が閉路さ
れ、制御用常閉接点K2−3が開路される。 【0063】この自己保持用の制御用常開接点K2−1
が閉路されることにより、この制御用常開接点K2−1
に直列接続された第1のフォト・カプラの発光ダイオー
ドPHD1に電流が流れて、この発光ダイオードPHD
1に光結合された受光トランジスタPHT1がオン作動
する。 【0064】この受光トランジスタPHT1がオン作動
することによりコンデンサ(誘電体)Cの放電に基づく
電流が第2のフォト・カプラの発光ダイオードPHD2
に流れて、この発光ダイオードPHD2に光結合された
受光トランジスタPHT2がオン作動する。 【0065】この受光トランジスタPHT2のオン作動
により抵抗4で電源Eから引き込まれた電圧が起動用ト
ランジスタTrのベースに印加されて、この起動用トラ
ンジスタTrがオン作動し、第1電磁リレーのコイルK
1が励磁されて、出力用常開接点K1−2が閉路され、
制御用常開接点K1−1が閉路され、制御用常閉接点K
1−3が開路される。 【0066】なお、起動用トランジスタTrが作動する
閾値は、例えば8.2Vに設定してあり、この閾値は、
第2のフォト・カプラの発光ダイオードPHD2を発光
させる、コンデンサ(誘電体)Cの放電に基づく電流値
に起因しており、抵抗R1と閾値設定用ツェナーダイオ
ードZDとコンデンサ(誘電体)Cをどのように選ぶか
により設定される。 【0067】先に説明したように、この起動用トランジ
スタTrは、第1電磁リレーのコイルK1に対して自己
保持セット信号を出力する。これにより、第1電磁リレ
ーが自己保持され、その出力用常開接点K1−2が閉路
され、出力端子OUTと出力端子OUT2との間が導
通して、これに接続された負荷が駆動される。 【0068】これに対して、第1スイッチS1若しくは
第2スイッチS2のいずれかが開路されると、第1電磁
リレー若しくは第2電磁リレーの自己保持状態は解除さ
れ、その出力用常開接点K1−2若しくはK2−2のい
ずれかが開路されることにより、負荷の駆動は停止され
る。 【0069】(異常時の動作) 次に、起動用外部入力接点部である第3スイッチS3に
ショート故障が発生している場合のリレー装置の作動を
説明する。 【0070】第3スイッチS3にショート故障が発生し
ている状態で、第1スイッチS1並びに第2スイッチS
2が閉路されると、抵抗R1を通じてコンデンサ(誘電
体)Cに電荷を蓄えようとするが、第3スイッチS3が
ショート故障しているために、第2電磁リレーのコイル
K2のプラス側に電圧が加わり、このコイルK2が励磁
されて制御用常閉接点K2−3が開路される。このため
に、コンデンサ(誘電体)Cに充分に電荷を蓄えること
ができない。 【0071】第2電磁リレーのコイルK2が励磁される
ことで、自己保持用の制御用常開接点K2−1が閉路
し、第1のフォト・カプラの発光ダイオードPHD1に
電流が流れて、この発光ダイオードPHD1に光結合さ
れた受光トランジスタPHT1がオン作動するが、コン
デンサ(誘電体)Cには充分な電荷が、すなわち、8.
2V以上の電圧を作り出す電荷量が蓄えられていないた
めに、第2のフォト・カプラの発光ダイオードPHD2
を発光させることができず、起動用トランジスタTrを
オン作動させることができない。 【0072】したがって、起動用トランジスタTrは、
第1電磁リレーのコイルK1に対して自己保持セット信
号を出力することができず、第1電磁リレーが自己保持
されない。このために、その出力用常開接点K1−2が
閉路されず、出力端子OUTと出力端子OUT2との
間が導通せず、これに接続された負荷は駆動されないこ
とになる。 【0073】また、2つの外部入力接点部による外部入
力1、2と起動用外部入力接点部による起動用外部入力
のシーケンスが逆になると安全出力が出ないために、外
部入力のシーケンスチェックを行うことができる。 【0074】上記した本発明の実施の形態1によれば、
第1、第2電磁リレーを強制ガイド機構付き電磁リレー
で構成すると共に、第1電磁リレーに対して自己保持セ
ット信号を出力する自己保持セット信号出力手段(他の
起動手段)が電子回路で構成してあるために、リレー装
置を、安全機能を損ねることなく小型化することがで
き、また、低コスト化することができる。 【0075】また、一方の起動手段としての起動用外部
入力接点部である第3スイッチS3にショート故障が生
じた場合に負荷が駆動されないことで、安全機能を一層
高めることができるばかりか、ショート故障が生じたこ
とを容易に且つ早期に見つけることができる。 【0076】(実施の形態2) 図4に本発明に係るリレー装置の実施の形態2の構成を
示す。 【0077】上記した本発明に係るリレー装置の実施の
形態1では、起動用トランジスタTrのオン作動により
第1電磁リレーのコイルK1を励磁作動させるようにし
てあるが、これは第2のフォト・カプラ(発光ダイオー
ドPHD2と受光トランジスタPHT2)の電流増幅率
が小さいためであり、この電流増幅率が大きいフォト・
カプラを使用すれば、起動用トランジスタTrを使用す
る必要がない。 【0078】本発明に係るリレー装置の実施の形態2で
は、電流増幅率が大きいフォト・カプラを使用するよう
にしたものである。 【0079】したがって、本発明に係るリレー装置の実
施の形態2における他方の起動手段は、通電により電気
エネルギを蓄え且つ一方の自己保持用リレーである第2
電磁リレーの自己保持動作時に電気エネルギを放電する
コンデンサ(誘電体)Cと、第2電磁リレーの自己保持
動作時に作動してコンデンサ(誘電体)Cに蓄えられた
電気エネルギを起動信号として出力する第3のスイッチ
手段と、この第3のスイッチ手段からの起動信号を受け
て作動して電源側電圧を他方の自己保持用リレーである
第1電磁リレーの入力側に導き第1電磁リレーを自己保
持動作させる第4のスイッチ手段とで構成してある。 【0080】そして、第3のスイッチ手段が、第3のフ
ォト・カプラ(フォト・トランジスタカプラ)で構成し
てあり、第4のスイッチ手段が第4のフォト・カプラ
(フォト・トランジスタカプラ)で構成してある。 【0081】すなわち、第1スイッチS1と、その入力
端子T11、T12に割り当てられた第1電磁リレーの
コイルK1と、制御用常開接点K1−1と、ダイオード
D5とは電源Eの端子間に直列に接続してあって、これ
により第1スイッチS1をリセット用接点、制御用常開
接点K1−1を保持用接点とする第1電磁リレーの自己
保持回路が形成してあるが、この自己保持回路には、制
御用常開接点K1−1とダイオードD5とに並列するよ
うにして第3のフォト・カプラの発光ダイオードPHD
3が組み込まれており、この発光ダイオードPHD3の
コレクタ側にはダイオードD2が組み込まれている。 【0082】そして、第1スイッチS1と、第2電磁リ
レーの制御用常閉接点K2−3と、ダイオードD1と、
抵抗R1と、コンデンサ(誘電体)Cと、第2スイッチ
S2とは、電源Eを経由する閉回路に、この順序に直列
に接続されて挿入されており、また、第1スイッチS1
と、第2電磁リレーの制御用常閉接点K2−3と、ダイ
オードD1と、抵抗R1と、閾値設定用ツェナーダイオ
ードZDと、抵抗R2と、第3のフォト・カプラの受光
トランジスタPHT3と、第4のフォト・カプラの発光
ダイオードPHD4と、第2スイッチS2とは、この順
序に直列に接続されて電源Eを経由する閉回路に挿入し
てある。 【0083】したがって、コンデンサ(誘電体)Cと、
閾値設定用ツェナーダイオードZDと、抵抗R2とは、
第4のフォト・カプラの発光ダイオードPHD4を駆動
する駆動電圧の閾値を設定する閾値設定手段を構成して
いる。 【0084】そして、他の構成は、上記した本発明に係
るリレー装置の実施の形態1の構成と同様であるので、
同じ符号を付して説明を省略する。 【0085】次に、上記のように構成されたリレー装置
の動作について説明する。 【0086】(正常時の動作) 外部入力1である第1スイッチS1並びに外部入力2で
ある第2スイッチS2が閉路されると、コンデンサ(
体)Cに電荷が蓄えられ、また、このコンデンサ(
体)C及び抵抗R1により閾値設定用ツェナーダイオ
ードZDのカソード側の電位が、例えば24VDCにな
る。 【0087】起動用外部入力である第3スイッチ(リセ
ットスイッチ)S3がマニュアルセットされると、第2
電磁リレーのコイルK2が励磁されて、出力用常開接点
K2−2が閉路され、制御用常開接点K2−1が閉路さ
れ、制御用常閉接点K2−3が開路される。 【0088】この自己保持用の制御用常開接点K2−1
が閉路されることにより、この制御用常開接点K2−1
に直列接続された第3のフォト・カプラの発光ダイオー
ドPHD3に電流が流れて、この発光ダイオードPHD
3に光結合された受光トランジスタPHT3がオン作動
する。 【0089】この受光トランジスタPHT3がオン作動
することによりコンデンサ(誘電体)Cの放電に基づく
電流が第4のフォト・カプラの発光ダイオードPHD4
に流れて、この発光ダイオードPHD4に光結合された
受光トランジスタPHT4がオン作動する。 【0090】この受光トランジスタPHT4のオン作動
により、第1電磁リレーのコイルK1が励磁されて、出
力用常開接点K1−2が閉路され、制御用常開接点K1
−1が閉路され、制御用常閉接点K1−3が開路され
る。出力用常開接点K1−2の閉路により出力端子OU
と出力端子OUT2との間が導通して、これに接続
された負荷が駆動される。 【0091】これに対して、第1スイッチS1若しくは
第2スイッチS2のいずれかが開路されると、第1電磁
リレー若しくは第2電磁リレーの自己保持状態は解除さ
れ、その出力用常開接点K1−2若しくはK2−2のい
ずれかが開路されることにより、負荷の駆動は停止され
る。 【0092】(異常時の動作) 次に、起動用外部入力である第3スイッチS3にショー
ト故障が発生している場合のリレー装置の作動を説明す
る。 【0093】第3スイッチS3にショート故障が発生し
ている状態で、第1スイッチS1並びに第2スイッチS
2が閉路されると、抵抗R1を通じてコンデンサ(誘電
体)Cに電荷を蓄えようとするが、第3スイッチS3が
ショート故障しているために、第2電磁リレーのコイル
K2のプラス側に電圧が加わり、このコイルK2が励磁
されて制御用常閉接点K2−3が開路される。このため
に、コンデンサ(誘電体)Cに充分に電荷を蓄えること
ができない。 【0094】第2電磁リレーのコイルK2が励磁される
ことで、自己保持用の制御用常開接点K2−1が閉路
し、第3のフォト・カプラの発光ダイオードPHD3に
電流が流れて、この発光ダイオードPHD3に光結合さ
れた受光トランジスタPHT3がオン作動するが、コン
デンサ(誘電体)Cには充分な電荷が、すなわち、8.
2V以上の電圧を作り出す電荷量が蓄えられていないた
めに、第4のフォト・カプラの発光ダイオードPHD4
を発光させることができない。 【0095】したがって、第4のフォト・カプラは、第
1電磁リレーのコイルK1に対して自己保持セット信号
を出力することができず、第1電磁リレーが自己保持さ
れない。このために、その出力用常開接点K1−2が閉
路されず、出力端子OUTと出力端子OUT2との間
が導通せず、これに接続された負荷は駆動されないこと
になる。 【0096】また、2つの外部入力接点部による外部入
力1、2と起動用外部入力接点部による起動用外部入力
のシーケンスが逆になると安全出力が出ないために、外
部入力のシーケンスチェックを行うことができる。 【0097】上記した本発明の実施の形態2によれば、
第1、第2電磁リレーを強制ガイド機構付き電磁リレー
で構成すると共に、第1電磁リレーに対して自己保持セ
ット信号を出力する自己保持セット信号出力手段(他の
起動手段)が電子回路で構成してあるために、リレー装
置を、安全機能を損ねることなく小型化することがで
き、また、低コスト化することができる。 【0098】また、一方の起動手段としての起動用外部
入力である第3スイッチ3にショート故障が生じた場
合に負荷が駆動されないことで、安全機能を一層高める
ことができるばかりか、ショート故障が生じたことを容
易に且つ早期に見つけることができる。 【0099】(実施の形態3) 図5に本発明に係るリレー装置の実施の形態3の構成を
示す。 【0100】本発明に係るリレー装置の実施の形態3で
は、他方の起動手段は、通電により電気エネルギを蓄え
且つ一方の自己保持用リレーである第2電磁リレーの自
己保持動作時に電気エネルギを放電するコンデンサ(
体)Cと、他方の自己保持用リレーである第1電磁リ
レーに起動信号を出力する起動用スイッチ手段である起
動用トランジスタTrと、第2電磁リレーの自己保持動
作時に作動してコンデンサ(誘電体)Cに蓄えられた電
気エネルギを起動用トランジスタTrに導き、この起動
用トランジスタTrを作動する第5のスイッチ手段とで
構成してある。 【0101】そして、第5のスイッチ手段は、第2電磁
リレーの自己保持動作時に出力する発光ダイオードPH
D5と、この発光ダイオードPHD5の出力により作動
してコンデンサ(誘電体)Cに蓄えられた電気エネルギ
を起動信号として起動用トランジスタTrに導き、この
起動用トランジスタTrを作動する受光トランジスタP
HT5とからなる第5のフォト・カプラ(フォト・トラ
ンジスタカプラ)で構成してある。 【0102】すなわち、入力端子T11、T12に接続
される第1スイッチS1と、第1電磁リレーのコイルK
1と、制御用常開接点K1−1と、ダイオードD5とは
電源Eの端子間に直列に接続してあって、これにより第
1スイッチS1をリセット用接点、制御用常開接点K1
−1を保持用接点とする第1電磁リレーの自己保持回路
が形成してある。また、この自己保持回路には、制御用
常開接点K1−1とダイオードD5とに並列するように
して起動用トランジスタTrが組み込まれており、この
起動用トランジスタTrのコレクタ側にはダイオードD
2が組み込まれている。 【0103】また、入力端子T21、T22に接続され
る第2スイッチS2は、ダイオードD3と、第2電磁リ
レーの制御用常開接点K2−1と、この第2電磁リレー
のコイルK2と共に、電源Eの端子間に直列に接続して
あって、これにより第2スイッチS2をリセット用接
点、制御用常開接点K2−1を保持用接点とする第2電
磁リレーの自己保持回路が形成してある。また、この自
己保持回路には、ダイオードD3のアノード側に位置さ
せて第5のフォト・カプラの発光ダイオードPHD5が
組み込まれている。 【0104】また、入力端子T31、T32に接続され
る第3スイッチS3は、ダイオードD4と第1の電磁リ
レーの制御用常閉接点K1−3とを介して第2電磁リレ
ーのコイルK2のプラス側に接続してある。 【0105】また、第1スイッチS1と、第2電磁リレ
ーの制御用常閉接点K2−3と、ダイオードD1と、抵
抗R1と、コンデンサ(誘電体)Cとは電源Eを経由す
る閉回路に、この順序に直列に接続されて挿入されてお
り、また、この閉回路に、コンデンサ(誘電体)Cに並
列するようにして、閾値設定用ツェナーダイオードZD
と、抵抗R2と、第5のフォト・カプラの受光トランジ
スタPHT5と、抵抗R3とがこの順序に直列接続され
て挿入されている。そして、受光トランジスタPHT5
のエミッタ側(出力側)は起動用トランジスタTrのベ
ース側に接続してある。 【0106】なお、コンデンサ(誘電体)Cと閾値設定
用ツェナーダイオードZDと抵抗R2とで起動用トラン
ジスタTrを駆動する駆動電圧の閾値を設定する閾値設
定手段が構成してある。 【0107】第1及び第2電磁リレーの出力用常開接点
K1−2、K2−2は互いに直列接続されて出力端子O
UT1、OUT2の間に挿入されており、これにより図
示しない負荷を経由する閉回路からなる出力手段を形成
している。 【0108】次に、上記のように構成されたリレー装置
の動作について説明する。 【0109】(正常時の動作) 正常時の動作には2つのパターン1、2がある。パター
ン1は外部入力2→外部入力1の順序で入力があった場
合であり、パターン2は外部入力1→外部入力2の順序
で入力があった場合である。 【0110】まず、パターン1では、外部入力2である
第2スイッチS2が閉路される。次に、外部入力1であ
る第1スイッチS1が閉路されると、コンデンサ(誘電
体)Cに電荷が蓄えられ、また、閾値設定用ツェナーダ
イオードZDのカソード側の電位が、例えば24VDC
になる。 【0111】起動用外部入力である第3スイッチS3が
マニュアルセットされると、第2電磁リレーのコイルK
2が励磁されて、出力用常開接点K2−2が閉路され、
制御用常開接点K2−1が閉路され、制御用常閉接点K
2−3が開路される。 【0112】この自己保持用の制御用常開接点K2−1
が閉路されることにより、この制御用常開接点K2−1
に直列接続された発光ダイオードPHD5に電流が流れ
て、この発光ダイオードPHD5に光結合された受光ト
ランジスタPHT5がオン作動する。 【0113】受光トランジスタPHT5がオン作動する
ことによりコンデンサ(誘電体)Cの放電に基づく電圧
が起動用トランジスタTrのベースに印加されて、この
起動用トランジスタTrがオン作動し、第1電磁リレー
のコイルK1が励磁されて、出力用常開接点K1−2が
閉路され、制御用常開接点K1−1が閉路され、制御用
常閉接点K1−3が開路される。 【0114】なお、起動用トランジスタTrが作動する
閾値は、例えば8.2Vに設定してあり、この閾値は、
抵抗R1と閾値設定用ツェナーダイオードZDとコンデ
ンサ(誘電体)Cをどのように選ぶかにより設定され
る。 【0115】先に説明したように、この起動用トランジ
スタTrは、第1電磁リレーのコイルK1に対して自己
保持セット信号を出力する。これにより、第1電磁リレ
ーが自己保持され、その出力用常開接点K1−2が閉路
され、出力端子OUTと出力端子OUT2との間が導
通して、これに接続された図示しない負荷が駆動され
る。 【0116】これに対して、第1スイッチS1若しくは
第2スイッチS2のいずれかが開路されると、第1電磁
リレー若しくは第2電磁リレーの自己保持状態は解除さ
れ、その出力用常開接点K1−2若しくはK2−2のい
ずれかが開路されることにより、負荷の駆動は停止され
る。 【0117】パターン2では、外部入力1である第1ス
イッチS1が閉路される。ここで、コンデンサ(誘電
体)Cに電荷が蓄えられ、閾値設定用ツェナーダイオー
ドZDのカソード側の電位が24VDCになる。次に、
外部入力2である第2スイッチS2が閉路される。 【0118】次に、起動用外部入力である第3スイッチ
S3がマニュアルセットされると、第2電磁リレーのコ
イルK2が励磁されて、出力用常開接点K2−2が閉路
され、制御用常開接点K2−1が閉路され、制御用常閉
接点K2−3が開路される。以下、パターン1と同じ動
作が行われる。 【0119】(異常時の動作) 起動用外部入力である第3スイッチS3にショート故障
が発生している場合のリレー装置の作動には2つのパタ
ーン1、2がある。パターン1は外部入力2→外部入力
1の順序で入力があった場合であり、パターン2は外部
入力1→外部入力2の順序で入力があった場合である。 【0120】まず、パターン1では、外部入力2である
第2スイッチS2が閉路される。次に、外部入力1であ
る第1スイッチS1が閉路されると、抵抗R1を通じて
コンデンサ(誘電体)Cに電荷を蓄えようとするが、第
3スイッチS3がショート故障しているために、第2電
磁リレーのコイルK2のプラス側に電圧が加わり、この
コイルK2が励磁されて制御用常閉接点K2−3が開路
される。このために、コンデンサ(誘電体)Cに充分に
電荷を蓄えることができない。 【0121】第2電磁リレーのコイルK2が励磁される
ことで、自己保持用の制御用常開接点K2−1が閉路
し、発光ダイオードPHD5に電流が流れて、この発光
ダイオードPHD5に光結合された受光トランジスタP
HT5がオン作動するが、コンデンサ(誘電体)Cには
充分な電荷が、すなわち、8.2V以上の電圧を作り出
す電荷量が蓄えられていないために、起動用トランジス
タTrをオン作動させることができない。 【0122】したがって、起動用トランジスタTrは、
第1電磁リレーのコイルK1に対して自己保持セット信
号を出力することができず、第1電磁リレーが自己保持
されない。このために、その出力用常開接点K1−2が
閉路されず、出力端子OUTと出力端子OUT2との
間が導通せず、これに接続された負荷は駆動されないこ
とになる。 【0123】また、パターン2で、外部入力1である第
1スイッチS1が閉路される。ここで、抵抗R1を通じ
てコンデンサ(誘電体)Cに電荷を蓄えようとするが、
第3スイッチS3がショート故障しているために、第2
電磁リレーのコイルK2のプラス側に電圧が加わり、こ
のコイルK2が励磁されて、出力用常開接点K2−2及
び制御用常開接点K2−1が閉路され、制御用常閉接点
K2−3が開路される。 【0124】この時点で、外部入力2である第2スイッ
チS2が閉路されていないために、第2電磁リレーの制
御用常開接点K2−1が閉路しても、発光ダイオードP
HD5には電流が流れない。 【0125】次に、外部入力2である第2スイッチS2
が閉路されると同時に、発光ダイオードPHD5に電流
が流れて、この発光ダイオードPHD5に光結合された
受光トランジスタPHT5がオン作動するが、コンデン
サ(誘電体)Cには充分な電荷が、すなわち、8.2V
以上の電圧を作り出す電荷量が蓄えられていないため
に、起動用トランジスタTrをオン作動させることがで
きない。 【0126】したがって、起動用トランジスタTrは、
第1電磁リレーのコイルK1に対して自己保持セット信
号を出力することができず、第1電磁リレーが自己保持
されない。このために、その出力用常開接点K1−2が
閉路されず、出力端子OUTと出力端子OUT2との
間が導通せず、これに接続された負荷は駆動されないこ
とになる。 【0127】上記した本発明の実施の形態3によれば、
第1、第2電磁リレーを強制ガイド機構付き電磁リレー
で構成すると共に、第1電磁リレーに対して自己保持セ
ット信号を出力する自己保持セット信号出力手段が電子
回路で構成してあるために、リレー装置を、安全機能を
損ねることなく小型化することができ、また、低コスト
化することができる。 【0128】また、一方の起動手段としての起動用外部
入力接点部である第3スイッチS3にショート故障が生
じた場合に負荷が駆動されないことで、安全機能を一層
高めることができるばかりか、ショート故障が生じたこ
とを容易に且つ早期に見つけることができる。 【0129】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るリレ
ー装置によれば、一方及び他方の自己保持用リレーを電
磁リレーで構成すると共に、他方の自己保持用リレーに
対して自己保持セット信号を出力する自己保持セット信
号出力手段(他方の起動手段)が電子回路で構成してあ
るために、リレー装置を、安全機能を損ねることなく小
型化することができ、また、低コスト化することができ
る。 【0130】また、一方の起動手段としての起動用外部
入力にショート故障が生じた場合に負荷が駆動されない
ことで、安全機能を一層高めることができるばかりか、
ショート故障が生じたことを容易に且つ早期に見つける
ことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るリレー装置の実施の形態1の構成
を示す回路図である。 【図2】同リレー装置におけるダイオードの充放電カー
ブの線図である。 【図3】同リレー装置におけるタイムチャートである。 【図4】本発明に係るリレー装置の実施の形態2の構成
を示す回路図である。 【図5】本発明に係るリレー装置の実施の形態3の構成
を示す回路図である。 【図6】従来のリレー装置の構成を示す回路図である。 【符号の説明】 C コンデンサ(誘電体)(閾値設定手段) D1〜D5 ダイオード K1 第1の電磁リレー(他方の自己保持用リレ
ー)のコイル K1−1 自己保持用の制御用常開接点 K1−2 出力用常開接点 K1−3 制御用常閉接点 K2 第2の電磁リレー(一方の自己保持用リレ
ー)のコイル K2−1 自己保持用の制御用常開接点 K2−2 出力用常開接点 K2−3 制御用常閉接点 OUT1 出力端子(出力手段) OUT2 出力端子(出力手段) PHD1 発光ダイオード(第1のフォト・カプラ)
(第1のスイッチ手段) PHD2 発光ダイオード(第2のフォト・カプラ)
(第2のスイッチ手段) PHD3 発光ダイオード(第3のフォト・カプラ)
(第3のスイッチ手段) PHD4 発光ダイオード(第4のフォト・カプラ)
(第4のスイッチ手段) PHD5 発光ダイオード(第5のフォト・カプラ)
(第5のスイッチ手段) PHT1 受光トランジスタ(第1のフォト・カプ
ラ)(第1のスイッチ手段) PHT2 受光トランジスタ(第2のフォト・カプ
ラ)(第2のスイッチ手段) PHT3 受光トランジスタ(第3のフォト・カプ
ラ)(第3のスイッチ手段) PHT4 受光トランジスタ(第4のフォト・カプ
ラ)(第4のスイッチ手段) PHT5 受光トランジスタ(第5のフォト・カプ
ラ)(第5のスイッチ手段) R1 抵抗(閾値設定手段) R2 抵抗(閾値設定手段) R3 抵抗 R4 抵抗 S1 第1スイッチ(外部入力1)(外部入力接
点部) S2 第2スイッチ(外部入力2)(外部入力接
点部) S3 第3スイッチ(起動用外部入力)(起動用
外部入力接点部) T11 入力端子 T12 入力端子 T21 入力端子 T22 入力端子 T31 入力端子 T32 入力端子 ZD 閾値設定用ツェナーダイオード(閾値設定
手段) Tr 起動用トランジスタ(起動信号出力部)
(起動用スイッチ手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−318492(JP,A) 特開 平11−162317(JP,A) 独国特許出願公開19913933(DE,A 1) 独国特許出願公開19751674(DE,A 1) 独国特許出願公開19750958(DE,A 1) 独国特許発明19736183(DE,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 47/00 - 47/36 F16P 1/00 - 7/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入力端子に対応して設けられた電磁リレ
    ーからなる少なくとも一方及び他方の自己保持用リレー
    と、 電気エネルギを蓄積し且つ放電する誘電体と、 前記誘電体に通電して前記誘電体に前記電気エネルギを
    蓄積させる通電手段と、 前記一方の自己保持用リレーの入力側に起動信号を出力
    して前記一方の自己保持用リレーに自己保持回路を形成
    させる起動用外部入力接点部からなる一方の起動手段
    と、 前記一方の自己保持用リレーの自己保持動作により作動
    して、前記誘電体に蓄えられた電気エネルギを起動信号
    として出力し前記他方の自己保持用リレーに自己保持回
    路を形成させる前記誘電体を含む電子回路からなる他方
    の起動手段と、 前記一方及び他方の自己保持用リレーの自己保持動作に
    より作動して負荷に接続される出力端子に出力信号を出
    力する出力手段と、を備え、 前記一方の起動手段、前記一方の自己保持用リレー、前
    記他方の起動手段、前記他方の自己保持用リレーの順序
    で動作するように構成したことを特徴とするリレー装
    置。
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