JP3451311B2 - 染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法 - Google Patents
染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法Info
- Publication number
- JP3451311B2 JP3451311B2 JP2000050438A JP2000050438A JP3451311B2 JP 3451311 B2 JP3451311 B2 JP 3451311B2 JP 2000050438 A JP2000050438 A JP 2000050438A JP 2000050438 A JP2000050438 A JP 2000050438A JP 3451311 B2 JP3451311 B2 JP 3451311B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gene
- vector
- dna fragment
- chromosome
- dna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原核生物又は真核生物
の染色体への効率的な遺伝子組込み方法及び組込み用ベ
クターに関する。
の染色体への効率的な遺伝子組込み方法及び組込み用ベ
クターに関する。
【0002】
【従来の技術】微生物プロセスを産業に利用することは
環境問題が深刻になっている現在非常に重要になってい
る。微生物は多様な物質変換を行うが、特定の環境のな
かで特定の変換しかできない。従って、産業的にこの微
生物機能を役立てるには、目的に合うように、改良しな
ければならない。
環境問題が深刻になっている現在非常に重要になってい
る。微生物は多様な物質変換を行うが、特定の環境のな
かで特定の変換しかできない。従って、産業的にこの微
生物機能を役立てるには、目的に合うように、改良しな
ければならない。
【0003】バクテリアに異種遺伝子を導入し、遺伝子
組換えを行う場合、プラスミド、ファージなどの染色体
外DNAを組み換える方法と、染色体DNAを組み換え
る方法がある。前者の方が組み換えが容易で、所定の構
造をもって入れられるが、実用的には組み換え体の安定
性が高い、後者の方法が有利とされる。それは前者では
プラスミド、ファージの脱落が容易に起こり、組み換え
体の長期間の維持が困難だからである。
組換えを行う場合、プラスミド、ファージなどの染色体
外DNAを組み換える方法と、染色体DNAを組み換え
る方法がある。前者の方が組み換えが容易で、所定の構
造をもって入れられるが、実用的には組み換え体の安定
性が高い、後者の方法が有利とされる。それは前者では
プラスミド、ファージの脱落が容易に起こり、組み換え
体の長期間の維持が困難だからである。
【0004】一方、染色体DNAへの組み換えには、染
色体DNAの断片を、導入したい遺伝子の片側あるいは
両側に付加して、染色体DNAに組み入れる相同的組み
換えの方法が良く知られているが、組み換えの効率が低
いことが問題であった。近年、トランスポゾンベクター
を使う方法が普及し始めている。これはトランスポゾン
Tn5やTn10を利用してプラスミド上の所定配列を
染色体DNAへ転移させるものであり、従来は、専ら、
特定遺伝子の破壊を目的とする変異導入に用いられてい
た。トランスポゾンの場合には染色体DNAを必要とし
ないので染色体DNAを用意する必要はない。しかし、
導入した遺伝子を高レベルで発現するには、従来と同じ
く、莫大な時間と手数を必要とした。それは一つ一つの
細胞クロ−ンの発現レベルを検定するか、または先ず宿
主の染色体DNAから高発現プロモーターを探し出し、
そのプロモーターの下流に導入目的の遺伝子の構造領域
を配してそのハイブリッド遺伝子を導入するか、の操作
が必要だったからである。
色体DNAの断片を、導入したい遺伝子の片側あるいは
両側に付加して、染色体DNAに組み入れる相同的組み
換えの方法が良く知られているが、組み換えの効率が低
いことが問題であった。近年、トランスポゾンベクター
を使う方法が普及し始めている。これはトランスポゾン
Tn5やTn10を利用してプラスミド上の所定配列を
染色体DNAへ転移させるものであり、従来は、専ら、
特定遺伝子の破壊を目的とする変異導入に用いられてい
た。トランスポゾンの場合には染色体DNAを必要とし
ないので染色体DNAを用意する必要はない。しかし、
導入した遺伝子を高レベルで発現するには、従来と同じ
く、莫大な時間と手数を必要とした。それは一つ一つの
細胞クロ−ンの発現レベルを検定するか、または先ず宿
主の染色体DNAから高発現プロモーターを探し出し、
そのプロモーターの下流に導入目的の遺伝子の構造領域
を配してそのハイブリッド遺伝子を導入するか、の操作
が必要だったからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のこのよ
うな煩雑な操作を省いて、単純に高レベル発現の組み換
え体を得る方法を提供することを目的とする。
うな煩雑な操作を省いて、単純に高レベル発現の組み換
え体を得る方法を提供することを目的とする。
【0006】高発現細胞作出の典型的なプロセスは、
1)組み換え目的の細胞から高発現プロモーターを探索
しクローニングする、 2)そのプロモーターを用いて導入目的遺伝子の発現プ
ラスミドを構築する、及び 3)そのプラスミドによる遺伝子組換えよりなる。
しクローニングする、 2)そのプロモーターを用いて導入目的遺伝子の発現プ
ラスミドを構築する、及び 3)そのプラスミドによる遺伝子組換えよりなる。
【0007】1)のプロセスでは通常、プロモーター部
分を欠いた抗生物質耐性遺伝子の入った、いわゆるプロ
モーター探索型ベクターを目的の細胞に導入し、高濃度
の抗生物質を用いて細胞を選抜することによって組み換
え細胞を得た後、プロモーター部分をPCRでクローニ
ングして解析する。
分を欠いた抗生物質耐性遺伝子の入った、いわゆるプロ
モーター探索型ベクターを目的の細胞に導入し、高濃度
の抗生物質を用いて細胞を選抜することによって組み換
え細胞を得た後、プロモーター部分をPCRでクローニ
ングして解析する。
【0008】2)ではそのプロモーター配列に基づき、
高発現プロモーターと導入目的遺伝子構造部とを連結し
て抗生物質耐性遺伝子とともに導入する。
高発現プロモーターと導入目的遺伝子構造部とを連結し
て抗生物質耐性遺伝子とともに導入する。
【0009】3)ではトランスポゾンまたは相同的遺伝
子組換えを用いて、染色体DNAに組み入れる。
子組換えを用いて、染色体DNAに組み入れる。
【0010】これらのプロセスを忠実に一歩一歩進めれ
ば、目的を達成できる。そこでこれと同等のことを如何
にして効率よく行うかが課題となる。
ば、目的を達成できる。そこでこれと同等のことを如何
にして効率よく行うかが課題となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、高発現プロモ
ーターの検索と発現目的遺伝子の導入という二度の組み
換えプロセスを一度で行おうとするものである。即ち、
本発明は、一度の遺伝子導入で確実に目的の組み換え体
が得られる方法を提供するものである。本発明によれ
ば、光合成微生物(ラン藻等)等の生育が極めて遅い微
生物であっても、組み換え体の作出の期間を短縮でき、
効率よく組み換え体を得ることができる。
ーターの検索と発現目的遺伝子の導入という二度の組み
換えプロセスを一度で行おうとするものである。即ち、
本発明は、一度の遺伝子導入で確実に目的の組み換え体
が得られる方法を提供するものである。本発明によれ
ば、光合成微生物(ラン藻等)等の生育が極めて遅い微
生物であっても、組み換え体の作出の期間を短縮でき、
効率よく組み換え体を得ることができる。
【0012】即ち、本発明の特徴は、選択マーカー遺伝
子の構造部と発現目的遺伝子の構造部を直列に配したD
NA断片及び該断片を組み込んだ染色体組込用ベクター
にあり、該DNA断片又は該ベクターを用いることによ
って、染色体中に発現目的遺伝子が導入された高発現株
を、例えば、選択マーカーとして、薬剤耐性遺伝子を使
った場合には、薬剤の濃度を高めるなどして、選択条件
を高く設定することによって、自動的に選抜できる点に
ある。
子の構造部と発現目的遺伝子の構造部を直列に配したD
NA断片及び該断片を組み込んだ染色体組込用ベクター
にあり、該DNA断片又は該ベクターを用いることによ
って、染色体中に発現目的遺伝子が導入された高発現株
を、例えば、選択マーカーとして、薬剤耐性遺伝子を使
った場合には、薬剤の濃度を高めるなどして、選択条件
を高く設定することによって、自動的に選抜できる点に
ある。
【0013】よって、本発明は、下記の発明を提供する
ものである。
ものである。
【0014】項1. 翻訳停止配列を配した下流に、リ
ボソーム結合配列を冠した遺伝子の構造部を2種以上直
列に配したDNA断片であって、該遺伝子のいずれかひ
とつが選択マーカー遺伝子であることを特徴とする、染
色体組込用DNA断片。(他の遺伝子は、発現目的遺伝
子である。) 項2. 選択マーカー遺伝子が、薬剤耐性遺伝子である
ことを特徴とする項1に記載のDNA断片。
ボソーム結合配列を冠した遺伝子の構造部を2種以上直
列に配したDNA断片であって、該遺伝子のいずれかひ
とつが選択マーカー遺伝子であることを特徴とする、染
色体組込用DNA断片。(他の遺伝子は、発現目的遺伝
子である。) 項2. 選択マーカー遺伝子が、薬剤耐性遺伝子である
ことを特徴とする項1に記載のDNA断片。
【0015】項3. 項1又は2に記載のDNA断片を
組み込んだ染色体組込み用ベクター。
組み込んだ染色体組込み用ベクター。
【0016】項4. 該ベクターが相同的組み換え型ベ
クターである項3に記載のベクター。
クターである項3に記載のベクター。
【0017】項5. 該ベクターがトランスポゾン型ベ
クターである項3に記載のベクター。
クターである項3に記載のベクター。
【0018】項6. 原核生物又は真核生物の染色体中
に外来遺伝子を導入する方法において、項1又は2に記
載のDNA断片或いは項3〜5のいずれかに記載のベク
ターを用いて行う方法。
に外来遺伝子を導入する方法において、項1又は2に記
載のDNA断片或いは項3〜5のいずれかに記載のベク
ターを用いて行う方法。
【0019】項7. 項6に記載の方法によって得られ
る形質転換体。
る形質転換体。
【0020】項8. 項7に記載の形質転換体を用いる
蛋白質の製造方法。
蛋白質の製造方法。
【0021】このように、本発明の選択マーカー遺伝子
の構造部と発現目的遺伝子の構造部を含むDNA断片及
びベクターは、任意の異種遺伝子を、例えば、目的とす
る微生物細胞の染色体DNAに挿入して高生産株を効率
よく選抜することに有利である。そのようなDNA断片
及びベクターは、微生物を利用する発酵工業や精密化学
品、医薬品の製造業の微生物改良、あるいは廃水処理、
廃棄物処理に使う高性能工業微生物の開発に広く利用で
きる。
の構造部と発現目的遺伝子の構造部を含むDNA断片及
びベクターは、任意の異種遺伝子を、例えば、目的とす
る微生物細胞の染色体DNAに挿入して高生産株を効率
よく選抜することに有利である。そのようなDNA断片
及びベクターは、微生物を利用する発酵工業や精密化学
品、医薬品の製造業の微生物改良、あるいは廃水処理、
廃棄物処理に使う高性能工業微生物の開発に広く利用で
きる。
【0022】例えば、でんぷん工場の廃水にはでんぷん
が多量に含まれこのまま環境中に放出すれば富栄養化の
原因になる。これを有用なサイクロデキストリンに変換
すれば廃水から有用な物質を得ることができ、且つ環境
負荷も低減できる。この変換にはシクロデキストリング
ルカノトランスフェラーゼ(CGT)なる酵素を用いれ
ばよく、Bacillus maceransから分泌される。従ってこ
の廃水を使いこの菌を培養すればサイクロデキストリン
に変換できることになるが、この廃水ではB.maceransは
生育しない。しかし、ラン藻ならば廃液中で生育する。
そこでCGT遺伝子をラン藻に導入してB. maceranns並
みの高発現株を作出すればよいことになる。本発明はこ
のような要請に応えることができる。
が多量に含まれこのまま環境中に放出すれば富栄養化の
原因になる。これを有用なサイクロデキストリンに変換
すれば廃水から有用な物質を得ることができ、且つ環境
負荷も低減できる。この変換にはシクロデキストリング
ルカノトランスフェラーゼ(CGT)なる酵素を用いれ
ばよく、Bacillus maceransから分泌される。従ってこ
の廃水を使いこの菌を培養すればサイクロデキストリン
に変換できることになるが、この廃水ではB.maceransは
生育しない。しかし、ラン藻ならば廃液中で生育する。
そこでCGT遺伝子をラン藻に導入してB. maceranns並
みの高発現株を作出すればよいことになる。本発明はこ
のような要請に応えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1に本発明のDNA断片の基本
構造の一例を、及び図2に本発明の基本原理を示す。
構造の一例を、及び図2に本発明の基本原理を示す。
【0024】DNA断片
本発明のDNA断片は、図1に示すごとく、基本的に
は、翻訳停止配列(A)並びにその下流に、リボソーム
結合配列(B)及び薬剤耐性遺伝子等の選択マーカー遺
伝子の構造部(C)からなる選択マーカー領域に、リボ
ソーム結合配列(B)及び発現目的遺伝子の構造部
(C’)からなる発現目的遺伝子領域がタンデムに並ぶ
構造をとる。また、別の発現目的遺伝子領域を直列に並
べても良い。選択マーカー領域と発現目的遺伝子領域
は、その位置が入れ替わってもよい。
は、翻訳停止配列(A)並びにその下流に、リボソーム
結合配列(B)及び薬剤耐性遺伝子等の選択マーカー遺
伝子の構造部(C)からなる選択マーカー領域に、リボ
ソーム結合配列(B)及び発現目的遺伝子の構造部
(C’)からなる発現目的遺伝子領域がタンデムに並ぶ
構造をとる。また、別の発現目的遺伝子領域を直列に並
べても良い。選択マーカー領域と発現目的遺伝子領域
は、その位置が入れ替わってもよい。
【0025】なお、構造部とは、翻訳を受けて蛋白のア
ミノ酸配列を規定している遺伝子の部分、即ち、コード
領域と呼ぶ部分を意味するものである。
ミノ酸配列を規定している遺伝子の部分、即ち、コード
領域と呼ぶ部分を意味するものである。
【0026】翻訳停止配列
翻訳停止配列は、上流からの翻訳を終止させるための配
列で、例えばTAG ATGACTAA のように下線の3通りの終止コドンが任意の1ヌクレオ
チドで繋がっていればよい。
列で、例えばTAG ATGACTAA のように下線の3通りの終止コドンが任意の1ヌクレオ
チドで繋がっていればよい。
【0027】該配列は、染色体由来のプロモーターに制
御されている染色体DNAの構造遺伝子の翻訳を停止さ
せるために必要なものである(図2)。
御されている染色体DNAの構造遺伝子の翻訳を停止さ
せるために必要なものである(図2)。
【0028】リボソーム結合配列
リボソーム結合配列(SD配列)は、遺伝子の構造部の
翻訳開始コドンから約10塩基上流に位置する3〜9b
pのAとGに富む配列である。大腸菌における典型的な
配列は GGAGGA であるが、プリンに富む配列であれば他でもかまわな
い。または、導入目的の微生物の遺伝子、特に発現の高
い遺伝子に使われているSD配列をデータベースで調べ
てそれを採用するのがより好ましい。
翻訳開始コドンから約10塩基上流に位置する3〜9b
pのAとGに富む配列である。大腸菌における典型的な
配列は GGAGGA であるが、プリンに富む配列であれば他でもかまわな
い。または、導入目的の微生物の遺伝子、特に発現の高
い遺伝子に使われているSD配列をデータベースで調べ
てそれを採用するのがより好ましい。
【0029】選択マーカー遺伝子
選択マーカー遺伝子は、それが発現した細胞だけを識別
できるような遺伝子で、例えば、薬剤耐性遺伝子、UV
耐性遺伝子、高温(低温)耐性遺伝子、高塩濃度耐性遺
伝子、栄養要求株におけるその補足の遺伝子等が挙げら
れる。
できるような遺伝子で、例えば、薬剤耐性遺伝子、UV
耐性遺伝子、高温(低温)耐性遺伝子、高塩濃度耐性遺
伝子、栄養要求株におけるその補足の遺伝子等が挙げら
れる。
【0030】薬剤耐性遺伝子としては、典型的にはクロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子
(CAT遺伝子)、カナマイシン耐性遺伝子などの抗生
物質耐性遺伝子を使うことができる。抗生物質耐性遺伝
子が環境中に放出されると問題がある場合には、他の薬
剤耐性遺伝子、例えば水銀耐性遺伝子、砒素耐性遺伝
子、ホスフィノスリシン耐性遺伝子(bar)などを使うこ
とが出来る。
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子
(CAT遺伝子)、カナマイシン耐性遺伝子などの抗生
物質耐性遺伝子を使うことができる。抗生物質耐性遺伝
子が環境中に放出されると問題がある場合には、他の薬
剤耐性遺伝子、例えば水銀耐性遺伝子、砒素耐性遺伝
子、ホスフィノスリシン耐性遺伝子(bar)などを使うこ
とが出来る。
【0031】発現目的遺伝子
発現目的遺伝子としては、例えば、酵素、医薬となりう
る蛋白質、具体的には、プロテアーゼ、キチナーゼなど
の酵素、インスリン、成長ホルモン、成長因子などの医
薬等の遺伝子が挙げられる。
る蛋白質、具体的には、プロテアーゼ、キチナーゼなど
の酵素、インスリン、成長ホルモン、成長因子などの医
薬等の遺伝子が挙げられる。
【0032】このような構造により、染色体DNAにあ
るプロモーターの制御下、染色体DNAの構造遺伝子の
中途に上記構造を有するDNA断片が挿入された場合
に、薬剤耐性遺伝子などの選択マーカー遺伝子と発現目
的遺伝子が同じプロモーター制御のもとで同時に発現す
るようになる(図2)。そして、選択圧、即ち、選択マ
ーカー遺伝子が抗生物質耐性遺伝子の場合には、抗生物
質濃度を高めれば、自動的に高発現の組換え体が選抜さ
れる。種々の濃度レベルでこれを行えば、一回の遺伝子
導入によって、最も高発現の組み換え体が得られること
になる。ひとたびそのようなクローンが得られれば、組
換え体を維持するために抗生物質で選択圧をかける必要
はない。発現目的遺伝子の構造部を並べて複数の遺伝子
を同時に高発現させることもできる。
るプロモーターの制御下、染色体DNAの構造遺伝子の
中途に上記構造を有するDNA断片が挿入された場合
に、薬剤耐性遺伝子などの選択マーカー遺伝子と発現目
的遺伝子が同じプロモーター制御のもとで同時に発現す
るようになる(図2)。そして、選択圧、即ち、選択マ
ーカー遺伝子が抗生物質耐性遺伝子の場合には、抗生物
質濃度を高めれば、自動的に高発現の組換え体が選抜さ
れる。種々の濃度レベルでこれを行えば、一回の遺伝子
導入によって、最も高発現の組み換え体が得られること
になる。ひとたびそのようなクローンが得られれば、組
換え体を維持するために抗生物質で選択圧をかける必要
はない。発現目的遺伝子の構造部を並べて複数の遺伝子
を同時に高発現させることもできる。
【0033】本発明の外来遺伝子の染色体DNAへの導
入方法 1.まず、この基本構造を持つDNA断片を含むベクタ
ーを、目的とする細胞に導入し、染色体DNAに組み込
ませる。それには、従来からのいくつかの方法があり、
それを可能ならしめるベクターが用意されており、本発
明のDNA断片をそのようなベクターに挿入する必要が
ある。効率よく染色体DNAに組み込むには、相同的組
換え型(Homologous recombination)ベクターとトラン
スポゾン型ベクターがある。
入方法 1.まず、この基本構造を持つDNA断片を含むベクタ
ーを、目的とする細胞に導入し、染色体DNAに組み込
ませる。それには、従来からのいくつかの方法があり、
それを可能ならしめるベクターが用意されており、本発
明のDNA断片をそのようなベクターに挿入する必要が
ある。効率よく染色体DNAに組み込むには、相同的組
換え型(Homologous recombination)ベクターとトラン
スポゾン型ベクターがある。
【0034】1)相同的組換え型
図3に発現目的遺伝子が一種の場合の構造を示す。全体
的には、上記の基本構造を有するDNA断片に、導入先
染色体DNA断片(V)と、大腸菌内で増幅できるよう
なプラスミドレプリコン(例えばpUC19、pBR3
22)が加わった構造になっている。本発明において
は、Vは種々のDNA断片Rが挿入されて、実際は混合
物、即ちゲノムライブラリーとなっている。このような
ゲノムライブラリーは、例えば、翻訳停止配列と選択マ
ーカー領域及び発現目的遺伝子領域を含むプラスミド
中、翻訳停止配列の上流に隣接してBamHIサイトを設
け、導入目的先の染色体DNAをSau3Aなどで切断し
て、得られた染色体DNA断片Rを、BamHIサイトに挿
入して作る。大腸菌プラスミド部分にある抗生物質耐性
遺伝子は、選択マーカー領域の選択マーカー遺伝子と異
なる方がよい。
的には、上記の基本構造を有するDNA断片に、導入先
染色体DNA断片(V)と、大腸菌内で増幅できるよう
なプラスミドレプリコン(例えばpUC19、pBR3
22)が加わった構造になっている。本発明において
は、Vは種々のDNA断片Rが挿入されて、実際は混合
物、即ちゲノムライブラリーとなっている。このような
ゲノムライブラリーは、例えば、翻訳停止配列と選択マ
ーカー領域及び発現目的遺伝子領域を含むプラスミド
中、翻訳停止配列の上流に隣接してBamHIサイトを設
け、導入目的先の染色体DNAをSau3Aなどで切断し
て、得られた染色体DNA断片Rを、BamHIサイトに挿
入して作る。大腸菌プラスミド部分にある抗生物質耐性
遺伝子は、選択マーカー領域の選択マーカー遺伝子と異
なる方がよい。
【0035】このように作成されたベクター(図3)
は、上述したようにゲノムライブラリーとなっている
が、プロモーター部位が断片としてDNA断片の上流に
配置されるとは限らない。そこで先ず大腸菌に導入し
て、選択マーカーによる一次スクリーニングを行う。こ
れによりプロモーターが機能しているプラスミドだけが
選択される。
は、上述したようにゲノムライブラリーとなっている
が、プロモーター部位が断片としてDNA断片の上流に
配置されるとは限らない。そこで先ず大腸菌に導入し
て、選択マーカーによる一次スクリーニングを行う。こ
れによりプロモーターが機能しているプラスミドだけが
選択される。
【0036】次に、このプラスミド(混合物)を大腸菌
から抽出して、目的とする細胞に電気穿孔法などの方法
で導入する。多くの場合プラスミドはバクテリアのレプ
リコンを持たないので維持されない。選択マーカーに基
づく選択を行うと、ゲノムに転移した細胞のみが選択さ
れる。
から抽出して、目的とする細胞に電気穿孔法などの方法
で導入する。多くの場合プラスミドはバクテリアのレプ
リコンを持たないので維持されない。選択マーカーに基
づく選択を行うと、ゲノムに転移した細胞のみが選択さ
れる。
【0037】2)トランスポゾン型(1)
現在トランスポゾンベクターとして使われているのはTn
5とTn10トランスポゾンベクターである。野生型は10kb
近くあり、使い易いように必要最小部位をとって作成し
たものに、mini-Tn5とMini-Tn10がある(Methods in En
zymol., 235, 386 (1994))。トランスポゾンの両端末の
必要部位のみにサイズを縮小してあり、ゲノムに組み入
れたい遺伝子をこの端末の間に挿入する。この端末の外
側にトランスポゼースをコードした配列が配置されてお
り、トランスポゼースの働きにより転移が起こる。この
プロモ−ターは普段は発現しないように工夫されてい
る。例えばtacプロモーター(ptac)を使い、lacIリプ
レサー遺伝子(lacIQ)を同じプラスミドにコードして
いる。これを利用して作成すると例えばmini-Tn10(M.H
errero, V. de Lorenzo and K. N. Timmis, J. Bacteri
ol., 172, 6557-6567 (1990))では図4のような構造に
なる。即ち、ふたつのTn10の外側端末(70bp)の間に、
図1と同じくふたつ(またはそれ以上)のプロモーター
部位を欠く遺伝子(発現目的遺伝子領域)で一方が薬剤
耐性等の選択マーカーとなるもの(選択マーカー領域)
をタンデムに並べて挿入する。このような構造のベクタ
ーを接合法あるいは電気穿孔法で目的のバクテリアに導
入し、トランスポゼース遺伝子が発現するようにIPTG
(Isopropyl-β-D-thiogalactoside)を加えると、挿入
部分がゲノムに組み込まれる。
5とTn10トランスポゾンベクターである。野生型は10kb
近くあり、使い易いように必要最小部位をとって作成し
たものに、mini-Tn5とMini-Tn10がある(Methods in En
zymol., 235, 386 (1994))。トランスポゾンの両端末の
必要部位のみにサイズを縮小してあり、ゲノムに組み入
れたい遺伝子をこの端末の間に挿入する。この端末の外
側にトランスポゼースをコードした配列が配置されてお
り、トランスポゼースの働きにより転移が起こる。この
プロモ−ターは普段は発現しないように工夫されてい
る。例えばtacプロモーター(ptac)を使い、lacIリプ
レサー遺伝子(lacIQ)を同じプラスミドにコードして
いる。これを利用して作成すると例えばmini-Tn10(M.H
errero, V. de Lorenzo and K. N. Timmis, J. Bacteri
ol., 172, 6557-6567 (1990))では図4のような構造に
なる。即ち、ふたつのTn10の外側端末(70bp)の間に、
図1と同じくふたつ(またはそれ以上)のプロモーター
部位を欠く遺伝子(発現目的遺伝子領域)で一方が薬剤
耐性等の選択マーカーとなるもの(選択マーカー領域)
をタンデムに並べて挿入する。このような構造のベクタ
ーを接合法あるいは電気穿孔法で目的のバクテリアに導
入し、トランスポゼース遺伝子が発現するようにIPTG
(Isopropyl-β-D-thiogalactoside)を加えると、挿入
部分がゲノムに組み込まれる。
【0038】3)トランスポゾン型(2)
トランスポゼース遺伝子を導入する代わりにトランスポ
ゼースそのものを電気穿孔法やリポソーム法で導入する
ことができる。Tn5のトランスポゼースは市販されてお
り(Epicentre Technologies, USA)、Tn10トランスポゼ
ースはHowardら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 464
8 (1992))の方法によって調製できる。ミニトランスポ
ゾンベクターはプラスミドとして構築するが、構造が
2)に比べ簡単になる。具体的には、トランスポゼース
遺伝子及びそのリプレッサー遺伝子が不要になるほか、
接合で導入する場合に必要な、複製ori、mobなどの遺伝
子が不要となり、通常使用されるベクターでよい。ま
た、断片の状態であってもよい。
ゼースそのものを電気穿孔法やリポソーム法で導入する
ことができる。Tn5のトランスポゼースは市販されてお
り(Epicentre Technologies, USA)、Tn10トランスポゼ
ースはHowardら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 464
8 (1992))の方法によって調製できる。ミニトランスポ
ゾンベクターはプラスミドとして構築するが、構造が
2)に比べ簡単になる。具体的には、トランスポゼース
遺伝子及びそのリプレッサー遺伝子が不要になるほか、
接合で導入する場合に必要な、複製ori、mobなどの遺伝
子が不要となり、通常使用されるベクターでよい。ま
た、断片の状態であってもよい。
【0039】宿主細胞としては、1)〜3)のいずれの
場合であっても原核生物、真核生物いずれにも適用でき
る。具体的には、Psedomonas(シュードモナス)属、St
reptomyces(ストレプトミセス)属、Klebsiella(クレ
ブシエラ)属などの微生物、微細藻類、植物細胞、酵
母、動物細胞等を例示することができる。本発明は、特
に、微細藻類等の形質転換に時間を要する細胞に使用す
るのが有用である。
場合であっても原核生物、真核生物いずれにも適用でき
る。具体的には、Psedomonas(シュードモナス)属、St
reptomyces(ストレプトミセス)属、Klebsiella(クレ
ブシエラ)属などの微生物、微細藻類、植物細胞、酵
母、動物細胞等を例示することができる。本発明は、特
に、微細藻類等の形質転換に時間を要する細胞に使用す
るのが有用である。
【0040】2.次に、選択マーカー遺伝子による選択
を行う。選択圧、即ち、選択マーカー遺伝子が抗生物質
耐性遺伝子の場合には、抗生物質濃度、を高めて、高発
現の組換え体を選抜する。
を行う。選択圧、即ち、選択マーカー遺伝子が抗生物質
耐性遺伝子の場合には、抗生物質濃度、を高めて、高発
現の組換え体を選抜する。
【0041】宿主と、選択マーカー等の好ましい組み合
わせとしては、一般的にはPsedomonas属、Streptomyces
属、Klebsiella属などの有用な微生物の場合には、クロ
ラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子
が;微細藻類や植物などの光合成生物には、グルタミン
合成阻害するホスフィノスリシンに耐性を与えるbar遺
伝子が;酵母や動物細胞にはメトトレキセート耐性遺伝
子が、挙げられる。
わせとしては、一般的にはPsedomonas属、Streptomyces
属、Klebsiella属などの有用な微生物の場合には、クロ
ラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子
が;微細藻類や植物などの光合成生物には、グルタミン
合成阻害するホスフィノスリシンに耐性を与えるbar遺
伝子が;酵母や動物細胞にはメトトレキセート耐性遺伝
子が、挙げられる。
【0042】3.こうして得られた形質転換体から遺伝
子産物を細胞外に放出する方法は例えば、以下の通りで
ある。形質転換した細胞を集菌後、プロテアーゼ阻害剤
(フェニルメチルスルホニルフルオリドなど)を含有す
る液に菌を懸濁後、フレンチプレスで細胞を破壊する。
遠心後上清を採取、塩析し、遠心後沈殿を透析して粗蛋
白質を得ることができる。
子産物を細胞外に放出する方法は例えば、以下の通りで
ある。形質転換した細胞を集菌後、プロテアーゼ阻害剤
(フェニルメチルスルホニルフルオリドなど)を含有す
る液に菌を懸濁後、フレンチプレスで細胞を破壊する。
遠心後上清を採取、塩析し、遠心後沈殿を透析して粗蛋
白質を得ることができる。
【0043】得られた粗蛋白質は、セファロースカラム
等で常法に従い、分離精製することができる。
等で常法に従い、分離精製することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法は、薬剤耐性等の選択マー
カー遺伝子と発現目的遺伝子の各構造部を複数個タンデ
ムに並べることにより、目的の遺伝子の高レベル発現を
単一工程で実現する遺伝子組換え法である。ここでは原
核生物を対象として、ベクターの構造を提示したが、真
核生物においてもこの原理は適用できる。イントロンの
割合が低い下等真核生物では上記の構造でよいが、イン
トロンの割合が多くなる場合には、その宿主に適用でき
るイントロン認識配列とリボソーム結合部位を翻訳停止
配列の直ぐ上流に配置させ、選択マーカーとなる薬剤耐
性遺伝子も宿主に適用可能な遺伝子を採用するのが好ま
しい。これには、水銀耐性、砒素耐性遺伝子、ホスフィ
ノスリシン耐性遺伝子などがある。翻訳停止配列は原核
生物と同様である。遺伝子導入法としては、植物では、
Tiプラスミド法、パーティクルガン、動物では受精卵
にキャピラリーで導入する方法など、既知の方法を使え
ばよい。
カー遺伝子と発現目的遺伝子の各構造部を複数個タンデ
ムに並べることにより、目的の遺伝子の高レベル発現を
単一工程で実現する遺伝子組換え法である。ここでは原
核生物を対象として、ベクターの構造を提示したが、真
核生物においてもこの原理は適用できる。イントロンの
割合が低い下等真核生物では上記の構造でよいが、イン
トロンの割合が多くなる場合には、その宿主に適用でき
るイントロン認識配列とリボソーム結合部位を翻訳停止
配列の直ぐ上流に配置させ、選択マーカーとなる薬剤耐
性遺伝子も宿主に適用可能な遺伝子を採用するのが好ま
しい。これには、水銀耐性、砒素耐性遺伝子、ホスフィ
ノスリシン耐性遺伝子などがある。翻訳停止配列は原核
生物と同様である。遺伝子導入法としては、植物では、
Tiプラスミド法、パーティクルガン、動物では受精卵
にキャピラリーで導入する方法など、既知の方法を使え
ばよい。
【0045】本発明はこのようにあらゆる生物細胞の遺
伝子組換えを効率よく行うことを可能にするもので、バ
イオテクノロジーのあらゆる分野に応用できる。特に既
存の微生物工業において微生物の改良に広く利用でき
る。従って、 アミノ酸発酵、核酸発酵 抗生物質、ビタミン、医薬品の生産 工業酵素の生産 廃水処理 などに使われる。将来的には更に、コモデティーケミカ
ルズ、パルプ、食飼料生産など用途が拡がるものと期待
される。
伝子組換えを効率よく行うことを可能にするもので、バ
イオテクノロジーのあらゆる分野に応用できる。特に既
存の微生物工業において微生物の改良に広く利用でき
る。従って、 アミノ酸発酵、核酸発酵 抗生物質、ビタミン、医薬品の生産 工業酵素の生産 廃水処理 などに使われる。将来的には更に、コモデティーケミカ
ルズ、パルプ、食飼料生産など用途が拡がるものと期待
される。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0047】実施例1 相同的遺伝子組換えによるラン
藻シネコキスチス(Synechocystissp. PCC6803)のカロ
チン含量の増強 図5に示すようなプラスミド(シネコキスチスのゲノム
ライブラリーにもなっている)を作成し、これをシネコ
キスチスへ導入し、クロラムフェニコール耐性の株を選
別した。即ち、以下の手順でこれを行った。
藻シネコキスチス(Synechocystissp. PCC6803)のカロ
チン含量の増強 図5に示すようなプラスミド(シネコキスチスのゲノム
ライブラリーにもなっている)を作成し、これをシネコ
キスチスへ導入し、クロラムフェニコール耐性の株を選
別した。即ち、以下の手順でこれを行った。
【0048】1) CATタンデムベクターの構築
翻訳停止及びSD配列の入った下のような2種類の配列
のオリゴヌクレオチドを合成した。 5'-TC GAC TAG ATG ACT AAA AAG GAA AAA CAT ATG CTG CA 3'- G ATC TAC TGA TTT TTC CTT TTT GTA TAC G これは、市販のプロモーター探索用Catベクター(ク
ロラムフェニコール耐性遺伝子とアンピシリン耐性遺伝
子を含むpKK232-8、アマーシャムファルマシア)を利用
するために挿入用付着末端SalIとPstIテイルが両端に付
いており、また、発現目的遺伝子の構造部分を挿入する
ためのNdeIサイトがPstIに隣接して設けてある。この一
本鎖オリゴヌクレオチドを1mM含むTE溶液(10mM Tris
-HCl,1mMEDTA)を10μlずつ混合し、10分間65℃で
インキュベートすることによってアニーリングさせて二
本鎖にした。
のオリゴヌクレオチドを合成した。 5'-TC GAC TAG ATG ACT AAA AAG GAA AAA CAT ATG CTG CA 3'- G ATC TAC TGA TTT TTC CTT TTT GTA TAC G これは、市販のプロモーター探索用Catベクター(ク
ロラムフェニコール耐性遺伝子とアンピシリン耐性遺伝
子を含むpKK232-8、アマーシャムファルマシア)を利用
するために挿入用付着末端SalIとPstIテイルが両端に付
いており、また、発現目的遺伝子の構造部分を挿入する
ためのNdeIサイトがPstIに隣接して設けてある。この一
本鎖オリゴヌクレオチドを1mM含むTE溶液(10mM Tris
-HCl,1mMEDTA)を10μlずつ混合し、10分間65℃で
インキュベートすることによってアニーリングさせて二
本鎖にした。
【0049】次に、pKK232-8をSalIとPstIで切断精製し
て、上記オリゴヌクレオチドと1時間ライゲーション
(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシャムファルマシ
ア)し、精製した(ジーンクリ−ン(Gene-Clean)、フ
ナコシ製)。これを20μlの水に溶かし、その2μlを
大腸菌JM109へ電気穿孔法でトランスフォーメーシ
ョンした。こうして得たトランスフォーマントを培養
し、常法にしたがってプラスミド約10μgを調製し、
このプラスミドをpTANDEMcatと命名した(図6)。
て、上記オリゴヌクレオチドと1時間ライゲーション
(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシャムファルマシ
ア)し、精製した(ジーンクリ−ン(Gene-Clean)、フ
ナコシ製)。これを20μlの水に溶かし、その2μlを
大腸菌JM109へ電気穿孔法でトランスフォーメーシ
ョンした。こうして得たトランスフォーマントを培養
し、常法にしたがってプラスミド約10μgを調製し、
このプラスミドをpTANDEMcatと命名した(図6)。
【0050】2)フィトエン合成酵素遺伝子のクローニン
グとプラスミド構築 シネコキスチス(Synechocystis sp. PCC6803 パスツー
ル研究所カルチャーコレクション)培養液(OD730〜
1)20mlから染色体DNAを市販のキット(Wizard
DNA精製キット、プロメガ)を用いて抽出、精製し
た。このDNAをテンプレートとして以下に記載のプラ
イマーを用いてPCRによりフィトエン合成酵素の構造
部分を増幅した(Premix Taq DNAポリメラーゼ、サワ
デイテクノロジー)。フィトエン合成酵素遺伝子pysは
遺伝研データバンクより(DDBJ、Accession No.X69172)
得た。 プライマーPSY−F: AAA AAA AAA CAT ATG GCT AAC
GGT CAA ATT TCT CCC CAG CGT GC プライマーPSY−B:AAA AAA CTG CAG TTA AAG CAC
CTG GGC CCG CAA CCA GGC CAC 但しPSY−Fと−Bの5’−端部分には、1)で構築し
たプラスミドpTANDEMcatに挿入できるように、それぞれ
NdeI、PstIのテイルが追加されている(下線)。5’側
のポリA配列は端の制限酵素配列を切断されやすくする
ためである。
グとプラスミド構築 シネコキスチス(Synechocystis sp. PCC6803 パスツー
ル研究所カルチャーコレクション)培養液(OD730〜
1)20mlから染色体DNAを市販のキット(Wizard
DNA精製キット、プロメガ)を用いて抽出、精製し
た。このDNAをテンプレートとして以下に記載のプラ
イマーを用いてPCRによりフィトエン合成酵素の構造
部分を増幅した(Premix Taq DNAポリメラーゼ、サワ
デイテクノロジー)。フィトエン合成酵素遺伝子pysは
遺伝研データバンクより(DDBJ、Accession No.X69172)
得た。 プライマーPSY−F: AAA AAA AAA CAT ATG GCT AAC
GGT CAA ATT TCT CCC CAG CGT GC プライマーPSY−B:AAA AAA CTG CAG TTA AAG CAC
CTG GGC CCG CAA CCA GGC CAC 但しPSY−Fと−Bの5’−端部分には、1)で構築し
たプラスミドpTANDEMcatに挿入できるように、それぞれ
NdeI、PstIのテイルが追加されている(下線)。5’側
のポリA配列は端の制限酵素配列を切断されやすくする
ためである。
【0051】PCR産物をスピンカラムで精製し、次いでN
deIとPstIで切断、接着末端を作成した後、スピンカラ
ムで精製、約0.2μgを得た。一方pTANDEMCatプラスミド
をこの二つの制限酵素で同様に切断して精製し、0.1μg
を調製した。これらを常法にしたがって16℃で終夜、
ライゲーション(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシ
ャムファルマシア)を行い、精製(ジーンクリ−ン(Ge
ne-Clean)、フナコシ製)、後、大腸菌JM109へ電
気穿孔法でトランスフォーメーションした。アンピシリ
ン50μg/mlの寒天プレートに現れたコロニー6コをin
situ PCRで分析し、所定のクローンを選抜した。大腸
菌クロ−ンを200mlスケールで培養し、プラスミドを
約50μg調製(QIAGENプラスミドキット、QIAGEN)し
た。このプラスミドをpTANDEMpsy-catと命名した。
deIとPstIで切断、接着末端を作成した後、スピンカラ
ムで精製、約0.2μgを得た。一方pTANDEMCatプラスミド
をこの二つの制限酵素で同様に切断して精製し、0.1μg
を調製した。これらを常法にしたがって16℃で終夜、
ライゲーション(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシ
ャムファルマシア)を行い、精製(ジーンクリ−ン(Ge
ne-Clean)、フナコシ製)、後、大腸菌JM109へ電
気穿孔法でトランスフォーメーションした。アンピシリ
ン50μg/mlの寒天プレートに現れたコロニー6コをin
situ PCRで分析し、所定のクローンを選抜した。大腸
菌クロ−ンを200mlスケールで培養し、プラスミドを
約50μg調製(QIAGENプラスミドキット、QIAGEN)し
た。このプラスミドをpTANDEMpsy-catと命名した。
【0052】3)ゲノムライブラリーの作成
上記と同様にしてシネコキスチス(PCC6803)を培養し
て集菌し、市販のゲノムDNA精製キット(Wizardゲノ
ムDNA精製キット、プロメガ)を用いて染色体DNA
を約10μg調製した。次に、これをSau3Aで部分切断
(37℃、15分インキュベーション)し、精製して染
色体DNA断片を得た。一方、pTANDEMpsy-catをBamHI
で切断し、精製した。両者を常法に従ってライゲーショ
ンに処した後、大腸菌JN109へ導入し、クロラムフェニ
コール25μg/mLで選択した。現れたコロニーすべてを
混合してクロラムフェニコール25μg/mL下で培養し、
プラスミド(図5)を分離精製(QIAGENプラスミドキッ
ト、QIAGEN)した。
て集菌し、市販のゲノムDNA精製キット(Wizardゲノ
ムDNA精製キット、プロメガ)を用いて染色体DNA
を約10μg調製した。次に、これをSau3Aで部分切断
(37℃、15分インキュベーション)し、精製して染
色体DNA断片を得た。一方、pTANDEMpsy-catをBamHI
で切断し、精製した。両者を常法に従ってライゲーショ
ンに処した後、大腸菌JN109へ導入し、クロラムフェニ
コール25μg/mLで選択した。現れたコロニーすべてを
混合してクロラムフェニコール25μg/mL下で培養し、
プラスミド(図5)を分離精製(QIAGENプラスミドキッ
ト、QIAGEN)した。
【0053】4)シネコキスチスの遺伝子組換え
Synechocystis PCC6803への遺伝子導入は、Dzelzkalns
-Bogorad の(J. Bacteriol., 165, 964-971 (1986))紫
外線照射前処理による自然取り込み法で行った。対数増
殖期のシネコキスチス(OD730=0.8)10mlを直前に
弱いUV(15W、10cm離す)で20秒照射後、直ちに集
菌し、グリセロール10%液で1回洗浄後、プラスミド
(図5)を10μg/mLの濃度になるように混合し2時間
培地(Kratz & Myers 培地、Methods in Enzymol., 16
7, 81 (1988))でインキュベーションした。それを集菌
してKratz & Myers寒天培地20mlのプレート4枚に蒔
いて、終日培養した。翌日その上層にクロラムフェニコ
ールが終濃度で5,10,20、30μg/mLになるよう
にクロラムフェニコールの含まれる0.5%ソフトアガー4
mlを重層して2000Lx照明下で培養した。7−10日後に
コロニーが見え始め、20μg/mLのプレートに出たコロニ
ー3コ(20-1、20-2、20-3クローンと命名)を液体培地
にそれぞれ植菌し、クロラムフェニコール 20μl/mlで
培養した。
-Bogorad の(J. Bacteriol., 165, 964-971 (1986))紫
外線照射前処理による自然取り込み法で行った。対数増
殖期のシネコキスチス(OD730=0.8)10mlを直前に
弱いUV(15W、10cm離す)で20秒照射後、直ちに集
菌し、グリセロール10%液で1回洗浄後、プラスミド
(図5)を10μg/mLの濃度になるように混合し2時間
培地(Kratz & Myers 培地、Methods in Enzymol., 16
7, 81 (1988))でインキュベーションした。それを集菌
してKratz & Myers寒天培地20mlのプレート4枚に蒔
いて、終日培養した。翌日その上層にクロラムフェニコ
ールが終濃度で5,10,20、30μg/mLになるよう
にクロラムフェニコールの含まれる0.5%ソフトアガー4
mlを重層して2000Lx照明下で培養した。7−10日後に
コロニーが見え始め、20μg/mLのプレートに出たコロニ
ー3コ(20-1、20-2、20-3クローンと命名)を液体培地
にそれぞれ植菌し、クロラムフェニコール 20μl/mlで
培養した。
【0054】5)β−カロチンの分析
4)で得られた3つのシネコキスチスクローンを1週間培
養後各30ml採取し、遠心、集菌した。−20℃で冷や
した乳鉢で細胞を破砕し、6% KOHのメタノール溶液20ml
で60℃で1時間攪拌した。その後、石油エーテル10ml
で2回抽出し、併せて蒸発濃縮した。それをアセトン5m
lに溶解しHPLC(日立L-6200)で分析した。カラム
としてSpherisorp ODS-1(日立)を用い、溶媒はアセ
トニトリル・メタノール85/15(V/V)を用い、検出はUV-V
IS吸光計(日立L-4200H)を用いた。ピークの特定は市販
のβ−カロチン(和光)を一定量づつ加えることによっ
て行い、添加量とピーク高のグラフを作り、添加量ゼロ
へ内挿して定量した。
養後各30ml採取し、遠心、集菌した。−20℃で冷や
した乳鉢で細胞を破砕し、6% KOHのメタノール溶液20ml
で60℃で1時間攪拌した。その後、石油エーテル10ml
で2回抽出し、併せて蒸発濃縮した。それをアセトン5m
lに溶解しHPLC(日立L-6200)で分析した。カラム
としてSpherisorp ODS-1(日立)を用い、溶媒はアセ
トニトリル・メタノール85/15(V/V)を用い、検出はUV-V
IS吸光計(日立L-4200H)を用いた。ピークの特定は市販
のβ−カロチン(和光)を一定量づつ加えることによっ
て行い、添加量とピーク高のグラフを作り、添加量ゼロ
へ内挿して定量した。
【0055】表1にその結果を示す。含量は同量の細胞
を凍結乾燥して秤量することに求めた。また、遺伝子導
入していない野生株についても同様に測定した。
を凍結乾燥して秤量することに求めた。また、遺伝子導
入していない野生株についても同様に測定した。
【0056】
【表1】
【0057】実施例2 アナベナによるサイクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼの生産 Bacillus macerans のサイクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼ(CGT)遺伝子をPCRでクロー
ニングした後、Cat遺伝子とタンデムにしてMini-Tn10ト
ランスポゾンベクターに挿入し、図7のようなCGT発
現ベクターを作製し、接合法により、ラン藻アナベナ
(Anabaena sp. PCC7120)へ導入した。即ち、以下の手
順で行った。
トリングルカノトランスフェラーゼの生産 Bacillus macerans のサイクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼ(CGT)遺伝子をPCRでクロー
ニングした後、Cat遺伝子とタンデムにしてMini-Tn10ト
ランスポゾンベクターに挿入し、図7のようなCGT発
現ベクターを作製し、接合法により、ラン藻アナベナ
(Anabaena sp. PCC7120)へ導入した。即ち、以下の手
順で行った。
【0058】1)Bacillus macerans CGT遺伝子のクロ
ーニング Bacillus macerans CGT遺伝子の配列データ(DDBJ Ac
cession)を用いて、該遺伝子の構造部分をPCRでク
ローニングするためのプライマーを設計した。CGT-F:A
AA AAA AAC ATA TGA AAT CGC GGT ACA AAC GTT TGACCGT
-B: AAA AAA CTG CAG GCT TAA TTT TGC CAG TCC ACC G
TA CAC5’側にpTANDEMcatへの挿入のための付着末端テ
イルNdeI、PstIとポリAが付いている。
ーニング Bacillus macerans CGT遺伝子の配列データ(DDBJ Ac
cession)を用いて、該遺伝子の構造部分をPCRでク
ローニングするためのプライマーを設計した。CGT-F:A
AA AAA AAC ATA TGA AAT CGC GGT ACA AAC GTT TGACCGT
-B: AAA AAA CTG CAG GCT TAA TTT TGC CAG TCC ACC G
TA CAC5’側にpTANDEMcatへの挿入のための付着末端テ
イルNdeI、PstIとポリAが付いている。
【0059】B.macerans(IFO3490)を発酵研究所カル
チャーコレクションから入手し、培養後、常法に従って
染色体DNAを分離精製(Wizard DNA精製キット、バ
イオラッド)した。約10ngのDNAを鋳型として上記プラ
イマーを用いてPCR(Premix Taq DNAポリメラー
ゼ、サワデイテクノロジー)を行い、スピンカラムで精
製した。約1μgのPCR産物をNdeI及びPstIで切断し、ス
ピンカラムで精製した。
チャーコレクションから入手し、培養後、常法に従って
染色体DNAを分離精製(Wizard DNA精製キット、バ
イオラッド)した。約10ngのDNAを鋳型として上記プラ
イマーを用いてPCR(Premix Taq DNAポリメラー
ゼ、サワデイテクノロジー)を行い、スピンカラムで精
製した。約1μgのPCR産物をNdeI及びPstIで切断し、ス
ピンカラムで精製した。
【0060】一方pTANDEMcat 0.2μgをNdeI、PstIで切
断し、そのプラスミドDNAをスピンカラムで精製し
た。両者を混合し、常法に従い16℃で終夜、ライゲー
ション(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシャムファ
ルマシア)し、電気穿孔法で大腸菌JM109へ導入した。
断し、そのプラスミドDNAをスピンカラムで精製し
た。両者を混合し、常法に従い16℃で終夜、ライゲー
ション(Ready-To-Go T4リガーゼ、アマーシャムファ
ルマシア)し、電気穿孔法で大腸菌JM109へ導入した。
【0061】所定のクローンをアンピシリン50μg/ml
寒天プレートコロニーから選抜後、プラスミドを約1μg
分離精製した(pTANDEMcgt-cat)。
寒天プレートコロニーから選抜後、プラスミドを約1μg
分離精製した(pTANDEMcgt-cat)。
【0062】2)Tn10トランスポゾンベクターの構築
次に、このcgt-cat部分をPCRで増幅し、mini-Tn10ベク
ター(pLOF/ptt、Methods in Enzymol., 235,386 (199
4))のNotI、XbaIサイトへ挿入できるよう、下記の操作
を行った。
ター(pLOF/ptt、Methods in Enzymol., 235,386 (199
4))のNotI、XbaIサイトへ挿入できるよう、下記の操作
を行った。
【0063】先ず、それぞれNotI、XbaIテイルの付いた
PCRプライマーを設計した。 TANDEM-F:AAA AAA AAA GCG GCC GC TAG ATG ACT AAA A
AG GAA AAA CAT ATGA AAT CGC Cat-B: AAA AAA TCT AGA TTA CGC CCC GCC CTG CCA CTC
ATC GCA G pTANDEMcgt-catプラスミドDNA10ngをテンプレート
として、上記プライマーを用いてPCRで増幅し、産物
をスピンカラムで精製、制限酵素NotIとXbaIで切断し
た。一方、pLOFptt(Methods in Enzymol., 235,386 (19
94))をNotIとXbaIで切断し、スピンカラムで精製した。
両者をライゲーションし、大腸菌c118λpirに電気穿孔
法で導入した。アンピシリン200μg/mlを含んだ寒天
プレートで現れたコロニーを分析して目的のクローンを
得た。このクローンを大量培養してプラスミド(pLOFCG
TCat)を調製した(図7)。c118λpirは接合のmobiliz
ation機能がなく供与体として使えないので、つぎにこ
のプラスミドを接合供与体大腸菌SM10株へ電気穿孔法で
導入し、pLOFCGTCatの入ったクローンSM10/pLOFCGTCat
を得た。
PCRプライマーを設計した。 TANDEM-F:AAA AAA AAA GCG GCC GC TAG ATG ACT AAA A
AG GAA AAA CAT ATGA AAT CGC Cat-B: AAA AAA TCT AGA TTA CGC CCC GCC CTG CCA CTC
ATC GCA G pTANDEMcgt-catプラスミドDNA10ngをテンプレート
として、上記プライマーを用いてPCRで増幅し、産物
をスピンカラムで精製、制限酵素NotIとXbaIで切断し
た。一方、pLOFptt(Methods in Enzymol., 235,386 (19
94))をNotIとXbaIで切断し、スピンカラムで精製した。
両者をライゲーションし、大腸菌c118λpirに電気穿孔
法で導入した。アンピシリン200μg/mlを含んだ寒天
プレートで現れたコロニーを分析して目的のクローンを
得た。このクローンを大量培養してプラスミド(pLOFCG
TCat)を調製した(図7)。c118λpirは接合のmobiliz
ation機能がなく供与体として使えないので、つぎにこ
のプラスミドを接合供与体大腸菌SM10株へ電気穿孔法で
導入し、pLOFCGTCatの入ったクローンSM10/pLOFCGTCat
を得た。
【0064】3)ラン藻アナベナの接合による形質転換
この供与体を用いてAnabaena sp. PCC7120(パスツール
研究所カルチャーコレクション)に、次のようにして接
合法により導入した。即ち、生育期(OD730〜0.8)の上
記アナベナのカルチャー10mlを集菌し、グリセロール
2%溶液で3回洗浄後、新しい培地(BG11、Methods in
Enzymol., 167, 81, (1988)) 2mlに懸濁した。
研究所カルチャーコレクション)に、次のようにして接
合法により導入した。即ち、生育期(OD730〜0.8)の上
記アナベナのカルチャー10mlを集菌し、グリセロール
2%溶液で3回洗浄後、新しい培地(BG11、Methods in
Enzymol., 167, 81, (1988)) 2mlに懸濁した。
【0065】一方SM10/pLOFCGTCat4mlを集菌して新
しい培地1mlに懸濁した。両者を混合して濾紙で吸引濾
過した。これを剥がしてBG11培地の寒天プレートに終夜
30℃でインキュベーションした。翌日これを剥がし、
BG11培地10ml中に菌をそぎ落とし、終夜培養した。
翌日集菌後これをクロラムフェニコール 2, 5, 10, 20
μg/mLを含んだBG11培地/0.5%ソフトアガーを用い
て注ぎ、30℃、3000lxで培養した。4週間後現
れたコロニーから10μg/mlのプレートからのもの6コ
を10μg/mlクロラムフェニコールで液体培養培し、形質
転換体を得た。
しい培地1mlに懸濁した。両者を混合して濾紙で吸引濾
過した。これを剥がしてBG11培地の寒天プレートに終夜
30℃でインキュベーションした。翌日これを剥がし、
BG11培地10ml中に菌をそぎ落とし、終夜培養した。
翌日集菌後これをクロラムフェニコール 2, 5, 10, 20
μg/mLを含んだBG11培地/0.5%ソフトアガーを用い
て注ぎ、30℃、3000lxで培養した。4週間後現
れたコロニーから10μg/mlのプレートからのもの6コ
を10μg/mlクロラムフェニコールで液体培養培し、形質
転換体を得た。
【0066】4)CGTのアッセイ
クローン10-a、10-b、10-c、10-d、10-e、10-fの各カル
チャー OD730〜1を5ml採取、集菌後、2%グリセロ
ールで2回洗浄、Mバッファー(50mM Tris(pH8),50mM
NaCl,10mM EDTA(pH8),5mM Mercaptoethanol)5mlに懸
濁、超音波で粉砕、遠心した後、ライセート1ml採取し
て氷中に保管した。別の50mM酢酸バッファー(pH5.5)
の0.5%でんぷん溶液1mlを用意し、先のライセート1
00μlを加え、40℃で4時間インキュベートした。遠
心後上清10μlを採取してHPLC(日立L−620
0)で分析した。カラムはOD-AQ307(YMC)、溶媒は
エタノール/H2O(7/93,v/v)、検出器は屈折率検出器
(日立L−7490)を用いた。標準として市販のα
−、β−、γ−サイクロデキストリン(和光)を用いて
ピークを特定した結果、約90%がα−サイクロデキス
トリンであった。
チャー OD730〜1を5ml採取、集菌後、2%グリセロ
ールで2回洗浄、Mバッファー(50mM Tris(pH8),50mM
NaCl,10mM EDTA(pH8),5mM Mercaptoethanol)5mlに懸
濁、超音波で粉砕、遠心した後、ライセート1ml採取し
て氷中に保管した。別の50mM酢酸バッファー(pH5.5)
の0.5%でんぷん溶液1mlを用意し、先のライセート1
00μlを加え、40℃で4時間インキュベートした。遠
心後上清10μlを採取してHPLC(日立L−620
0)で分析した。カラムはOD-AQ307(YMC)、溶媒は
エタノール/H2O(7/93,v/v)、検出器は屈折率検出器
(日立L−7490)を用いた。標準として市販のα
−、β−、γ−サイクロデキストリン(和光)を用いて
ピークを特定した結果、約90%がα−サイクロデキス
トリンであった。
【0067】各サンプルにおけるαーサイクロデキスト
リン生成をこのピーク面積をカルチャー採取時のOD値
でノーマライズしたもので評価した。また、遺伝子導入
していない野生株についても同様に測定した。
リン生成をこのピーク面積をカルチャー採取時のOD値
でノーマライズしたもので評価した。また、遺伝子導入
していない野生株についても同様に測定した。
【0068】
【表2】
【0069】
【配列表】
<110> Koji Kajimura:Director General, Agency of Industrial Science and T
echnology
<120> DNA fragment, vector and method for chromosome recombination
<130> 113MS0240
<140>
<141>
<160> 9
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 37
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:stop codon and SD sequence
<400> 1
tcgactagat gactaaaaag gaaaaacata tgctgca 37
<210> 2
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:stop codon and SD sequence
<400> 2
gatctactga tttttccttt ttgtatacg 29
<210> 3
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 3
aaaaaaaaac atatggctaa cggtcaaatt tctccccagc gtgc 44
<210> 4
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 4
aaaaaactgc agttaaagca cctgggcccg caaccaggcc ac 42
<210> 5
<211> 37
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 5
aaaaaaaaca tatgaaatcg cggtacaaac gtttgac 37
<210> 6
<211> 39
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 6
aaaaaactgc aggcttaatt ttgccagtcc accgtacac 39
<210> 7
<211> 51
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 7
aaaaaaaaag cggccgctag atgactaaaa aggaaaaaca tatgaaatcg c 51
<210> 8
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:primer
<400> 8
aaaaaatcta gattacgccc cgccctgcca ctcatcgcag 40
<210> 9
<211> 11
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:stop codon
<400> 9
tagatgacta a 11
t
【図1】本発明のDNA断片の一例を示す。
【図2】本発明の基本原理を示す。
【図3】本発明のベクターの一例を示す。
【図4】本発明のベクターの一例を示す。
【図5】本発明の実施例1で作製したベクターを示す。
【図6】本発明の実施例1で作製したベクターを示す。
【図7】本発明の実施例2で作製したベクターを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
(C12P 21/02
C12R 1:89)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
PubMed
JICSTファイル(JOIS)
BIOSIS/WPI(DIALOG)
Claims (8)
- 【請求項1】翻訳停止配列を配した下流に、リボソーム
結合配列を冠した遺伝子の構造部を2種以上直列に配し
たDNA断片であって、該遺伝子のいずれかひとつがプ
ロモーター探索用の選択マーカー遺伝子であることを特
徴とする、染色体組込用DNA断片。 - 【請求項2】選択マーカー遺伝子が、薬剤耐性遺伝子で
あることを特徴とする請求項1に記載のDNA断片。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載のDNA断片を組み
込んだ染色体組込み用ベクター。 - 【請求項4】該ベクターが相同的組み換え型ベクターで
ある請求項3に記載のベクター。 - 【請求項5】該ベクターがトランスポゾン型ベクターで
ある請求項3に記載のベクター。 - 【請求項6】原核生物又は真核生物の染色体中に外来遺
伝子を導入する方法において、請求項1又は2に記載の
DNA断片或いは請求項3〜5のいずれかに記載のベク
ターを用いて行う方法。 - 【請求項7】請求項6に記載の方法によって得られる形
質転換体。 - 【請求項8】請求項7に記載の形質転換体を用いる蛋白
質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000050438A JP3451311B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000050438A JP3451311B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001231577A JP2001231577A (ja) | 2001-08-28 |
JP3451311B2 true JP3451311B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=18572224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000050438A Expired - Lifetime JP3451311B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3451311B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI20030561A0 (fi) * | 2003-04-14 | 2003-04-14 | Finnzymes Oy | Menetelmä nukleiinihappojen siirtämiseksi eukaryoottigenomeihin |
-
2000
- 2000-02-28 JP JP2000050438A patent/JP3451311B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001231577A (ja) | 2001-08-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5981281A (en) | Method for knockout mutagenesis in Streptococcus pneumoniae | |
EP3348638B1 (en) | Method for converting genome sequence of gram-positive bacterium by specifically converting nucleic acid base of targeted dna sequence, and molecular complex used in same | |
AU2015217208B2 (en) | CRISPR enabled multiplexed genome engineering | |
US20190330619A1 (en) | High-throughput precision genome editing | |
CN111448313A (zh) | 用于改善基于Cas9的敲入策略的有效性的组合物和方法 | |
CN106715694A (zh) | 核酸酶介导的dna组装 | |
AU2019319230B2 (en) | Novel mutations that enhance the DNA cleavage activity of acidaminococcus sp. Cpf1 | |
US20060057726A1 (en) | Method for the positive selection of chromosomal mutations in C1 metabolizing bacteria via homologous recombination | |
US20190144852A1 (en) | Combinatorial Metabolic Engineering Using a CRISPR System | |
US20240294948A1 (en) | Endonuclease systems | |
CN101978057B (zh) | 修饰宿主dna中的对象区域的方法和选择性标记盒 | |
CN113728097A (zh) | 具有ruvc结构域的酶 | |
US6703200B1 (en) | Methods and materials for the rapid and high volume production of a gene knock-out library in an organism | |
CN101305096B (zh) | 新选择体系 | |
WO2000055346A2 (en) | Methods and materials for the rapid and high volume production of a gene knock-out library in an organism | |
JP3451311B2 (ja) | 染色体組込み用dna断片、ベクター及びそれらを用いた染色体への遺伝子導入方法 | |
DE60118401T2 (de) | Gen, das für das gumd polypeptid aus methylomonas sp. kodiert und das an der herstellung von exopolysacchariden beteiligt ist | |
EP1244776B1 (de) | Tetrahydropyrimidin-dioxygenase-gen, dadurch kodierte polypeptide und verfahren zur deren herstellung | |
JPS6152279A (ja) | リゾビウム・ジヤポニカムのnifプロモ−タ− | |
WO2003027280A1 (fr) | Systeme de surexpression genique | |
CN111378675A (zh) | 长春花中艾里莫芬烷倍半萜的生物合成基因及应用 | |
JP2003532377A (ja) | ニトリラーゼの選択性を調整する方法、前記方法によって得られるニトリラーゼおよびその用途 | |
CN114438065B (zh) | 喹啉酸中间产物6-羟基喹啉酸脱羧酶QuiB及其应用 | |
CN117778442B (zh) | 一种可同时实现crispr激活和crispr干扰的表达系统及其应用 | |
US20230295674A1 (en) | Method for screening target gene using crispri system and uses thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3451311 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |