JP3451299B2 - 装薬層の内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法 - Google Patents

装薬層の内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法

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JP3451299B2
JP3451299B2 JP2001355645A JP2001355645A JP3451299B2 JP 3451299 B2 JP3451299 B2 JP 3451299B2 JP 2001355645 A JP2001355645 A JP 2001355645A JP 2001355645 A JP2001355645 A JP 2001355645A JP 3451299 B2 JP3451299 B2 JP 3451299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は岩盤の発破方法に関
するものであり、特に装薬層の内部に穿孔の径より小さ
い直径を有するエアバッグを埋蔵させることによって、
岩盤の発破時に比表面積を増加させて爆発力を装薬孔内
の周辺の岩盤に均等に分散させて発破の振動および爆音
を減衰させるばかりではなく、上記爆薬内に埋蔵された
エアバッグの体積分だけ爆薬の装填の長さを延長して爆
発時の自由面側の岩盤の投射面積を増加させ、同時に爆
薬の使用量を減少させることができる装薬層の内部に埋
蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、岩盤を掘削するための発破方法と
して広く利用されている方法は穿孔の孔に単純に爆薬と
填塞物を両分して填塞させて発破する一般の発破方法
と、振動を減少させるために穿孔の孔内に爆薬と装填物
を交互に配列して発破する分散装薬(deck charge)によ
る発破方法、法面を整形する目的で先亀裂(pre-splitt
ing)の発破方法等がある。
【0003】その中でANFO爆薬またはバルク爆薬を
使用する一般の発破方法は、図1に示すように、主に露
天の岩盤の採取作業において階段状の切取面を形成させ
るために、装薬孔1内に起爆薬2および雷管3、ANF
O爆薬またはバルク爆薬4を装填し、填塞物5で填塞し
た後に発破する方法であり、装薬孔内に装填される起爆
薬2を装薬孔1の下方に集中させて発破するため、大き
な振動と騒音(爆音)が発生し、飛散の危険もあり、ま
た穿孔の深さに比べ填塞物5の長さが相対的に長いの
で、填塞物の周辺の岩盤には爆発力が及ばないことで転
石(=大きな岩石の塊)の発生の可能性が高いばかりで
はなく、過装薬で爆薬が過多に使用される問題点があ
る。
【0004】上記の一般の発破方法の短所を補完するも
のとして、図2に示すように、分散装薬(deck charge)
による発破方法を採用する場合もあるが、この発破方法
は装薬孔1内に起爆薬2および雷管3とANFO爆薬ま
たはバルク爆薬6を装填して填塞物7で填塞する作業を
繰り返し、層状の装薬を形成して発破する方法であり、
上記雷管3を層状装薬の数だけ個別に装填して爆薬が同
一の穿孔の孔内から時差を置いて分離爆発し、岩盤を発
破させる方法である。
【0005】この方法は層状の装薬の個数だけ雷管が追
加的に必要となり、コストが増大し、またANFO爆薬
またはバルク爆薬6および装填物7を層状に繰り返し装
填する作業がかなり困難であり、その施工作業が非効率
的であるばかりではなく、不経済であり、また同一の爆
薬量が使用されなければならないので振動減衰の効果も
あまり高くない。
【0006】これら従来の発破方法は、図3に示すよう
に、上記装薬孔1内から爆薬の爆発の長さが爆薬そのも
のの長さに限定されるばかりではなく、その穿孔の深さ
に比べ装填物5の長さl1 が比較的長くなる発破形態で
あり、ANFO爆薬またはバルク爆薬4が装薬孔1の下
側に偏り、水平の自由面F2から深く装填されることに
より地盤の振動を大幅に増加させてしまう問題点があ
る。
【0007】また、爆薬の爆発時に破壊境界線Lを中心
として、下側は小塊発生部分Aとして小さい岩石の形態
に破砕されるが、破壊境界線Lの上側、即ち装填物5の
周辺部の岩盤には爆発力が及ばないので、大きな岩石の
塊の形態である転石等の大塊発生部分Bの領域が大きく
なり、発破後この転石の処理のために再び発破作業をし
なければならないばかりではなく、その発破費用が追加
的に必要となるという問題点があった。
【0008】したがって、本発明者はこのような問題点
の解決のために、装薬孔内に所定の長さのエアチューブ
を用いて岩盤を発破する方法を大韓民国において出願し
ている。
【0009】この技術は穿孔の孔内に人工の小さい自由
面を形成するためのエアチューブと爆薬を交互に区分し
て挿入した装薬孔を形成し、爆発させる技術であり、爆
薬は容器内に一定の形状に満たされた包装製品のものを
使用し、またエアチューブについては穿孔の直径と同じ
か若干小さいものを使用し、上記装薬孔内に挿入して、
エアチューブの上側に爆薬を単純に支持させて装填する
方法であり、爆発時の爆薬の装填の長さを延長させるこ
とによって、必要とする爆薬の使用量を減少させるばか
りではなく、発破の振動を大幅に減衰させることがで
き、また転石の発生を未然に防止する等の優れた発破効
果を有する利点がある。
【0010】しかし、この技術はエアチューブとして穿
孔の直径と同じか若干小さいものを使用するため、エア
チューブを孔内に挿入する際、エアチューブが孔壁面と
ぶつかって割れる恐れがある等、穿孔の孔内にエアチュ
ーブを挿入することが容易ではない。
【0011】また、爆薬が一定の形状の工場製品で包装
された状態の場合には、包装された状態で孔内に挿入さ
れることによってその爆薬の形体を維持しながらエアチ
ューブ層の上側に支持させるが、粉末形態のANFO爆
薬やゲル状態のバルク爆薬の場合には孔内に装填するた
めには、発破の現場で爆薬を包装する作業、エアチュー
ブ層を設計された装填位置の孔壁面に密着させて正確な
位置に装填する作業等、装薬孔にエアチューブを挿入し
て装薬する作業が難しいため、発破の作業のための装填
時間に長時間を要するという欠点がある。
【0012】また、この技術は装薬層とエアチューブ層
の装填の位置が装薬孔内において明確に区分され、また
雷管が装填された装薬層が隣接する装薬層に殉爆によっ
て爆発を誘導する形態であるため、爆発時に爆薬が位置
する部分の孔壁面には爆発力が集中的に作用するが、上
記エアチューブ層が位置する孔壁面には爆発力がそれよ
りは若干弱く作用することになり、上記エアチューブの
装填の長さだけ離隔されているので、爆速が弱い爆薬が
装填された場合には爆轟の伝達が難しくなって不発の危
険が高くなり、発破の作業の安全性に問題を生じさせる
可能性もある。
【0013】本発明は大韓民国の先出願に対する改良発
明として、上記先出願が有する長所を維持しながら、装
薬孔内に装填されるエアチューブとして穿孔の直径より
小さいエアバッグを用いることによって、装薬孔内への
エアバッグの挿入が容易で、また現場で粉末形態のAN
FO爆薬やゲル状態のバルク爆薬を装薬することが容易
であり、さらに装薬孔内に爆薬が連続的に満たされるこ
とで爆薬の殉爆力を大きく向上させて不発の危険を除去
し、その爆発時に爆発力を孔壁内に均等に作用させるこ
とができる技術を提供するものである。
【0014】以下、「自由面」とは、岩盤が外界(エア
や水)と接する面を意味し、この自由面は発破に大きな
影響を及ぼすものであり、発破の効果は自由面の数と爆
薬の位置の自由面との近接の程度により増加するが、そ
の理由は自由面側は抵抗がなく、爆発エネルギーにより
岩盤に及ぶ応力が大きいためであり、一方「全圧力」と
いうのは単位爆薬が穿孔の孔内に作用する力を指し、
「比表面積」というのは爆発時に爆発力が直接的に作用
する岩盤の面積を意味し、「殉爆」というのは1個の爆
薬が爆発したとき、空気・水・その他の媒体を通じて他
の爆薬が感応爆発する現象を意味し、「抵抗線」という
のは自由面と爆薬の中心との最短の距離を意味する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、装薬
孔に装填される爆薬の内部に所定の長さの、穿孔の径よ
り小さい直径の少なくとも1個以上のエアバッグを埋蔵
させて、装薬層の内部に人工のエア層を形成することに
よって、装薬の爆発の長さを増加させるとともに、爆薬
の爆発力が装薬孔内の周辺の岩盤に均等に分散されるよ
うにし、また装薬内のエアバッグのエア層に分散されて
発破の振動および爆音を減衰させるようにする装薬層の
内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法
を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、装薬内に穿孔の径よ
り細いエアチューブまたは多数のエアボールのエアバッ
グが埋蔵されることによって、装薬層の内部に埋蔵され
たエアバッグの体積分だけ装薬量を減少させる装薬層の
内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法
を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、爆薬が自由面
に近接して装薬され、爆発時に爆発力が岩盤に直接作用
する比表面積を増加させ、爆発時に垂直の自由面側の岩
盤に投射面積が大きく拡大されて全圧力を大幅に増加さ
せることによって岩盤の破壊を容易にする他、填塞物の
長さも短くなることによって転石の発生を大幅に減少さ
せることができる装薬層の内部に埋蔵されるエアバッグ
を利用した岩盤の発破方法を提供することにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、装薬孔内に装
填されたエアバッグの周辺の空間にANFO爆薬または
バルク爆薬が連続的に満たされて、他の爆薬に比べ殉爆
度が低いANFO爆薬またはバルク爆薬の殉爆度を向上
させ、不発の危険性を除去することができる装薬層の内
部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの方法として、本発明では、切り取ろうとする岩盤上
に所定の深さおよび所定の配列に孔を穿孔する段階と、
上記穿孔された孔内に起爆薬および雷管とANFO爆薬
またはゲル状態のバルク爆薬を、順次、装填しながら装
薬層の内部にエアバッグが埋蔵される装薬孔を形成する
爆薬の装填段階と、上記装薬層の上側を填塞物で填塞さ
せた後、発破器で雷管を起爆させる起爆段階とから構成
されて爆発させることによって岩盤を発破する。
【0020】即ち、本発明は装薬層内に穿孔の径より小
さい直径の少なくとも1個以上の細いエアチューブまた
は多数個のエアボールを埋蔵させ、装薬層内に密閉され
たエア層を形成させることによって、そのエア層の体積
分だけ装薬の装填の長さを上方に延ばして爆発の長さを
増加させ、その増加により爆薬の爆発力が孔内から最大
限に分散される効果をもたらすだけでなく、発破の振動
をエアバッグのエア層に分散させることができ、また装
薬量の減少と転石の発生を大幅に減少させることができ
る。
【0021】本発明は発破の現場において、装薬孔内に
穿孔の径より小さい直径の細いエアチューブまたはエア
ボールのエアバッグを挿入した後、ANFO爆薬とバル
ク爆薬を装填し、エアバッグが装薬層の内部に埋蔵され
ることによって、体積当りの装薬量を最小にしつつ、爆
薬が爆発するとき爆発の長さを最大限に増大させること
ができ、また爆薬が装填される位置を2〜3自由面に近
接させて装薬するように設計することができる長所があ
る。
【0022】また、本発明は上記の大韓民国の先出願の
技術の装薬孔内に装填された穿孔の径と同一のエアチュ
ーブによっては、爆轟の伝達が困難だった短所を補完す
る発破方法として、装薬孔内に装填される爆薬が連続的
に満たされることで、他の爆薬に比べ殉爆度が低いAN
FO爆薬またはバルク爆薬の殉爆度を大幅に向上させ、
爆発を円滑にする長所がある。
【0023】一方、一般の発破作業のため穿孔する場
合、穿孔の径が孔ごとに異なると、装填されるANFO
爆薬またはバルク爆薬の爆薬量の体積がそれぞれ異なる
ことで、粉末となったANFO爆薬またはバルク爆薬の
爆薬量の調節が技術的に困難になるが、本発明はこのよ
うな爆薬量の差異を細いエアチューブの長さと直径の大
きさを調節するか、埋蔵されるエアバッグの個数を調節
することによって、填塞物の下端部の位置が装薬孔ごと
にそれぞれ異なり、填塞の長さが不一致となることに起
因する不規則な大塊の発生を克服し得る唯一の装薬方法
になり得る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の技術構成を添付の図面に
よって説明すると、以下の通りである。
【0025】図4〜図12に示すように、切り取ろうと
する岩盤上に所定の深さおよび所定の配列に孔を穿孔す
る段階と、
【0026】上記穿孔された孔内にそれぞれ起爆薬12
および雷管13と爆薬を装填し、穿孔の径より小さい直
径に形成され、その内部に所定の大きさのエア層を有す
るエアバッグを少なくとも1個以上の孔内に挿入した
後、その孔内に挿入されたエアバッグの外側を爆薬でく
るんでエアバッグが装薬層14の内部に埋蔵されるよう
に、エアバッグと爆薬を、順次、装填して装薬孔11を
形成する段階と、
【0027】上記装薬孔11内に装填された爆薬の上側
を填塞物18で填塞させる填塞段階と、
【0028】発破器で雷管13を起爆させて装薬孔11
内の起爆薬および爆薬を爆発させる起爆段階とからな
り、上記装薬層内に埋蔵されたエアバッグの体積分だけ
爆薬の装填の長さが延長され、爆発時に自由面側の岩盤
の投射面積を増加させて発破されるようにすることを特
徴とする。
【0029】即ち、本発明は装薬孔11内からANFO
爆薬またはゲル状態のバルク爆薬の爆発力が、装薬層の
内部に埋蔵されているエアバッグによって変形された形
態に爆発される発破の形態を有する。
【0030】本発明による岩盤の発破に対する発破の原
理を説明する。
【0031】図4に示すように、装薬孔11内の底面
に、穿孔の径より小さい直径に形成された所定の長さの
細いエアチューブ15を、ゴム材質またはプラスチック
材質で製作された支持体16に挟んで孔内の壁面に支持
させ、細いエアチューブ15と孔壁面との間に間隔dだ
けあいている開口部を通じて、孔壁とエアチューブの外
面との間の空間部にANFO爆薬またはゲル状態のバル
ク爆薬を装填して第1装薬層14aを形成する。この装
填状態はエアチューブ15が第1装薬層14aの爆薬の
内部に埋蔵された状態である。
【0032】以後、上記第1装薬層14aの上側に雷管
13と起爆薬12を装填し、その上にANFO爆薬また
はゲル状態のバルク爆薬を装填して所定の長さの第2装
薬層14bを形成した後、再び所定の長さの細いエアチ
ューブ15と孔壁面との間の間隔dだけあいている開口
部を通じて、孔壁とエアチューブの外面との間の空間部
にANFO爆薬またはゲル状態のバルク爆薬を装填して
エアチューブ15が埋蔵される第3装薬層14cを形成
し、その上に第4装薬層14dを所定の長さに装填す
る。
【0033】以後、所定の長さの細いエアチューブ15
を支持体16に挟んで孔内に支持させて、細いエアチュ
ーブ15と孔壁面との間の間隔dだけあいている開口部
を通じて、孔壁とエアチューブの外面との間の空間部に
ANFO爆薬またはゲル状態のバルク爆薬を装填して第
5装薬層14eを形成した後、その上を栓17で覆い、
填塞物18で填塞させる。
【0034】したがって、第1装薬層14aは上記細い
エアチューブ15の体積に応じて装填の長さがl3 だけ
上方に延びて装填され、そのため爆発時に爆薬の長さが
その分だけ延長されて装填されることによって、ANF
O爆薬またはバルク爆薬の爆薬量に比べ、その爆発力が
及ぶ比表面積か増加する。
【0035】この比表面積の増加によって、爆薬の爆発
力が装薬孔内から分散されて発破の振動および爆音を減
衰させるだけでなく、その爆発時に垂直の自由面F1の
側にの投射面積が大きく拡大されて全圧力を増加させ、
岩盤の破壊が容易となる。
【0036】上記第1装薬層14aの爆発の長さに加
え、エアチューブ15が埋蔵される装薬層である第3装
薬層14cの装填の長さもl3'だけ上方に延び、上方に
さらに爆発の長さが延長され、同様に上記エアチューブ
15が埋蔵される装薬層である第5装薬層14eの装填
の長さもl3"だけ上方に延び、上方に爆発の長さがさら
に延長される。
【0037】結果的に、上記装薬孔11内の穿孔の径よ
り小さい直径の細いエアチューブ15が埋蔵されている
第1、第3、第5装薬層14a、14c、14eが形成
され、細いエアチューブ15の体積分だけ装填の長さも
3 +l3'+l3"の長さ上方へ延長されることにより爆
発の長さも延長され、また爆薬の爆発力が装薬孔11の
内部に均等に分散されることによって、最大限に垂直の
自由面F1と装薬孔11との間にある岩盤の破砕のみに
作用し、岩盤に爆発力が残存しないようにして発破の振
動を大幅に減らすことができる。
【0038】のみならず、ANFO爆薬またはゲル状態
のバルク爆薬の爆発時に、細いエアチューブ15を埋蔵
した装薬層である第1、第3、第5装薬層14a、14
c、14eにより、装薬層の内部に埋蔵されている上記
細いエアチューブ15の体積分だけ装薬量も減少させる
ことができ、これによりANFO爆薬またはゲル状態の
バルク爆薬の爆力が弱くなって振動を減衰させることが
できる。
【0039】また、爆発時の破壊境界線Lについても、
細いエアチューブ15を埋蔵している装薬層である第
1、第3、第5装薬層14a、14c、14eの爆発の
長さがl3 +l3'+l3"だけ上方に延長されることによ
り、填塞物18の填塞の長さl 2 も短くなり、大塊の発
生部分Bの領域が狭められ、発破時の転石の大きさを大
幅に減少させることができる。
【0040】即ち、細いエアチューブ15によって破壊
境界線Lが上方に上がって行き、比表面積が増加し、A
NFO爆薬またはバルク爆薬の爆発エネルギーが装薬孔
11内に均等に分散されて岩盤の破壊に大きく作用する
ので、従来の発破方法より岩盤に残存するエネルギーが
大幅に減少し、また細いエアチューブ15そのものが一
般の発破のとき満たされる爆薬の使用量を減少させるの
で装薬量の減少による振動の減少の効果もある。
【0041】図5〜図8は、本発明の発破方法におい
て、装薬孔内の様々な位置でエアチューブが爆薬の内部
に設置された種々の実施例を図示したものである。
【0042】図5は装薬孔の最下部にエアチューブが埋
蔵された装薬層を形成する実施例であり、図6は装薬孔
の最下部と最上部にエアチューブが埋蔵された装薬層を
形成する実施例であり、図7は装薬孔の最上部にエアチ
ューブが埋蔵された装薬層を形成する実施例であり、図
8は装薬孔内の上部と下部に装填された装薬層間にエア
チューブが埋蔵された装薬層を形成する実施例である。
【0043】これらの実施例は破砕しようとする岩盤の
種類と性質により装薬孔内にエアチューブが埋蔵された
装薬層14a、14e、14iの多様な装填の形態を図
示したものであり、図5は装薬孔内のエアチューブが埋
蔵される装薬層14aの装填の長さがl3 だけ上方に延
びてその爆発の長さを延長させる実施例であり、図6は
装薬孔内のエアチューブが埋蔵される装薬層14a、1
4eの装填の長さがl 3 +l3"だけ上方に延びてその爆
発の長さを延長させる実施例であり、図7は装薬孔内の
エアチューブが埋蔵される装薬層14iの装填の長さが
4 だけ上方に延びてその爆発の長さを延長させる実施
例であり、図8は装薬孔内のエアチューブが埋蔵される
装薬層14iの装填の長さがl4 だけ上方に延びてその
爆発の長さを延長させる実施例である。
【0044】図9は本発明の発破方法において、1個の
細長いエアチューブが装薬層の内部に埋蔵されて装填さ
れた実施例を示す断面図である。
【0045】この実施例は装薬孔11内に穿孔の径より
小さい直径に形成され、比較的長く細いエアチューブ1
5の1個を、装薬層14k内に埋蔵されるようにした実
施例であり、そのエアチューブ15の体積分だけ装薬層
14kの装填の長さl5 が上方に延びて爆発の長さが延
長され、発破される実施例である。
【0046】この実施例ではANFO爆薬またはバルク
爆薬の装填の長さが上方に延びることにより、填塞物1
8の長さl2 を減らすことができ、上記装薬孔11の周
辺の岩盤の破壊境界線Lが上方に上がって行くようにな
ってANFO爆薬またはバルク爆薬内にエアチューブ1
5が埋蔵された装薬層14kが水平の自由面F2に近接
して装薬される。
【0047】したがって、前述の装薬孔11内に装薬層
を形成したときのように細いエアチューブ15によって
破壊境界線Lが上方に上がって行き、比表面積が増加し
てANFO爆薬またはバルク爆薬の爆発エネルギーが装
薬孔11内に均等に分散され、岩盤の破壊に有効に作用
するので、岩盤に残存するエネルギーが従来の発破方法
より小さく、振動が大幅に減少され、また細いエアチュ
ーブ15そのものが爆薬量の減少の役割も有するので、
これによる発破の振動減少効果もある。
【0048】また、ANFO爆薬またはバルク爆薬が上
方に延長されて装填されるので、填塞物18の填塞の長
さもその分だけ短くなり、破壊境界線Lが上がって行く
ため、発破時に転石が発生する大塊発生部分Bの領域を
大幅に減少させ、転石の発生も大幅に減少させる効果が
ある。
【0049】また、細いエアチューブ15の周辺の空間
にも粉末の形態のANFO爆薬またはゲル状態のバルク
爆薬が満たされることによって、爆薬間に不連続面や不
連続層がなく、連続的に満たされるので、不爆の恐れも
なく、遙かに殉爆度が増大し、爆力の減衰を防止して爆
発力を増加させることができる。
【0050】一方、図10に示すように、上記装薬孔1
1内において孔壁の中心にエアチューブ15が位置する
ように、スペーサーの機能を有する支持体16をエアチ
ューブに取り付けて使用するが、上記支持体16はその
中央部に貫通孔16aが形成され、エアチューブ15を
その内側に納めて支持する円形のストリップ16bと、
この円形ストリップの外側の端部から所定の間隔で突出
し、孔壁面にぶつかる少なくとも2個以上の支持部16
cが一体に形成された構造となっている。
【0051】上記支持体16が孔壁面にぶつかって支持
されると、上記円形のストリップ16bの端部と孔壁面
との間が間隔dだけあくことによって、支持部16c間
に開口部が形成され、この開口部を通じてANFO爆薬
またはゲル状態のバルク爆薬が装填されて孔壁とエアチ
ューブとの間の空間部に連続的に満たされるようにな
る。
【0052】図11には、本発明の発破方法において、
装薬孔に装填された爆薬内に装薬孔より細いエアチュー
ブがジグザグに埋蔵される実施例を示している。
【0053】この実施例は、上記装薬孔11に装填され
たANFO爆薬またはバルク爆薬の装薬層14の内部に
装薬孔11の穿孔の径より直径が小さい細いエアチュー
ブ15を多数個、ジグザグ状態に埋蔵すると、そのエア
チューブ15の体積の合計分だけANFO爆薬またはバ
ルク爆薬が装填される装薬層14lの装填の長さが上方
にl6 だけ延びて装填されるので、図9に示したように
垂直に埋蔵する場合より填塞物18の長さl2'をさらに
減らすことができる。
【0054】この実施例は、装薬層14内に装填される
ANFO爆薬またはバルク爆薬の装薬量をより多量に減
らさなければならない場合に、使用し得る実施例であ
る。
【0055】図12は、本発明の発破方法において、装
薬孔に装填された爆薬内に多数個のエアボール19を埋
蔵する実施例を示したものである。
【0056】この実施例は、装薬孔11に装填されたA
NFO爆薬またはバルク爆薬の装薬層14mの内部に、
装薬孔11の穿孔の径より小さい直径を有する多数個の
エアボール19が埋蔵され、装薬層14mの装填の長さ
を上方にl7 だけ延ばして発破される実施例であり、上
記爆薬内に埋蔵されるエアボール19の個数によって装
薬層14mが装填される長さとANFO爆薬またはバル
ク爆薬の使用量を調節することができ、減少する爆薬の
使用量と比べ、爆薬内に形成される空間の面積は前述の
実施例より最大に広くなる。
【0057】ここで、上記エアボール19は、その外皮
がビニール等の合成樹脂製またはゴム製等で形成され、
その内部はエアが満たされる中空部の形態に製作され、
またスポンジのように内部に多数のエア孔を有する多孔
性の合成樹脂製またはゴム製等で製作された形態を有す
るものでもよい。
【0058】以上の説明のように、細いエアチューブ1
5または多数個のエアボール19のエアバッグを装薬層
内に埋蔵されるようにする一番の理由は、上記装薬孔1
1内に装填されるANFO爆薬またはバルク爆薬の装薬
層の内部に人為的なエア層を形成させることによって、
爆発の長さを延長させて装薬孔11と垂直の自由面F1
との間の岩盤の破壊を容易にし、発破の振動を制御する
ためである。
【0059】また、爆薬内に埋蔵されているエアバッグ
によって密閉されているエア層を形成するとともに、爆
薬を装薬孔11内に均等に分散装填させて爆発させるこ
とにより、岩盤を破壊するためのANFO爆薬またはゲ
ル状態のバルク爆薬の体積当りの装薬量を大幅に減少さ
せて爆薬の使用量を減少させることができるようにする
ためである。
【0060】このように体積当りの装薬量の減少にもか
かわらず、爆薬の爆力が直接及ぶ比表面積を増加させる
ので破砕される岩盤の嵩が増加し、岩盤の破砕される量
に比べ装薬量を大幅に減少させることができることで、
発破時に発生する発破の振動および爆音の減少の効果が
より大きくなる。
【0061】上記填塞物18は、通常は砂を入れて置く
砂の袋であって、爆薬が装填された装薬孔11の入口を
密閉して爆音を遮断する役割を有し、この填塞物18の
長さは孔径に直接的に関係し、国外の実験事例によれ
ば、孔径25mm、50mm、70mmに対して、填塞
物の長さはそれぞれ18cm、45cm、50cm必要
であるとされており、それに基づいて定めることができ
るが、一般の発破時の填塞物の長さに比べ、本発明のエ
アチューブの発破における填塞物18の長さはそれより
短く定めることができる。
【0062】上記装薬孔11内の装薬層内に埋蔵される
細いエアチューブ15の材質は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステルまたはポリアミドの合成樹脂製
として、所定の厚さおよび長さで先端部にエア注入口を
形成して製作されたもので、製作費用が低廉であること
から、発破の費用を節減することができる。
【0063】上記の細いエアチューブ15の先端部の2
枚のシート状に形成されたエア注入口(図示せず)を通
じてエアを注入すると、円筒形に膨脹してシートが密着
して密閉された後、装薬層内に埋蔵されるが、この細い
エアチューブ15はエア注入や穿孔した孔内への挿入作
業等の取扱いが容易であるという長所を有する。
【0064】そして、細いエアチューブ15は、機械的
な大量生産が可能であるので、低価格性、製作の便利
性、使用上の凡用性が確保される。
【0065】このような細いエアチューブ15は、エア
が注入された状態における直径が装薬孔11の直径に比
べて小さく形成され、装薬孔11内に挿入することが容
易であるが、この細いエアチューブ15を支持体16の
貫通孔16aに納めて穿孔した孔内に挿入するとエアチ
ューブは装薬孔の中央にセッテイングされ、上記細いエ
アチューブ15の外側の孔壁面と支持体との間の開口部
を通じて、粉末形のANFO爆薬やゲル状態のバルク爆
薬を連続的に満たしてエアチューブ15を埋設すること
ができる。
【0066】一方、穿孔の作業時に直径75mmの孔を
20個穿孔する場合、この穿孔機のビットが磨耗して直
径65mmまで小さくなることにより、装薬孔11の体
積が小さくなり、これにより填塞物18の長さも異なっ
てくるが、填塞物18の長さが一定しないと発破後の岩
盤の破砕度が一定しないので、本発明はこの填塞物18
の長さの差異を克服し得る方法であり、細いエアチュー
ブ15の長さと直径の大きさを調節することによってそ
れが可能となる。
【0067】一方、殉爆は一般的に爆薬間の間隔と爆薬
の薬径によって定まるが、一般的な爆薬の殉爆度は、殉
爆度(n)=S/d(ここで、S:最大距離(mm)、
d:薬包の直径(mm)である)で、エアの中において
はn値が2.5倍であるが、孔内においてはn値が遙か
に高くなり、現場から実験した結果、孔径45〜165
mmの孔内においては、薬径32〜50mmの爆薬のn
値が50以上を示し、一般のn値の10〜16倍まだ可
能であり、これによりエアチューブ15の長さは50〜
300cmまで可能であるように構成することができ
る。
【0068】一方、エアチューブが埋蔵される装薬層と
埋蔵されない装薬層において、連続的に装填されたAN
FO爆薬またはバルク爆薬が連続的に爆発するので、A
NFO爆薬またはバルク爆薬の装薬層ごとに雷管13を
装填する必要もないし、これにより発破の費用を大幅に
減らすことができる。
【0069】一方、本発明に使用されるANFO爆薬ま
たはバルク爆薬は、その装薬順序を交互に代替使用する
ことができ、一般の発破の作業に使用されるANFO爆
薬またはゲル状態のバルク爆薬のみならず、粉末・液体
等で装薬された状態でその内部にエアチューブを埋蔵し
得る爆薬の状態であれば、どのようなものでも使用可能
であり、上記雷管13は電気式の雷管でも非電気式の雷
管でもよく、上記爆薬を起爆させることができるもので
あれば、どのような雷管も使用可能である。
【0070】発破現場において、本発明については、図
4に示すような装薬の形態で、細いエアチューブ3個を
装薬層内に埋設し、一般の発破については、図1に示す
ような装薬形態に装填して、それぞれ試験発破を行い、
下記の表1〜表14に記載の実験データを得た。
【0071】表1〜表8は起爆薬1.0kgとANFO
爆薬10kgが装填された本発明の細いエアチューブの
発破による実施例1〜実施例4と、起爆薬1.0kgと
ANFO爆薬12.5kgがされた一般の発破による比
較例1〜比較例4による発破諸元および発破時の振動お
よび爆音を測定したデータである。
【0072】一方、表9〜表14は起爆薬1.0kgと
ANFO爆薬10kgが装填された本発明の細いエアチ
ューブの発破による実施例5〜実施例7と、起爆薬1.
0kgとANFO爆薬13.0kgが装填された一般の
発破による比較例5〜比較例7による発破諸元および発
破時の振動および爆音を測定したデータである。
【0073】下記の表1、表3、表5、表7、表9、表
11、表13に記載の発破諸元によって、実施例1〜実
施例7および比較例1〜比較例7のように穿孔した後、
本発明の細いエアチューブの発破による実施例は、それ
ぞれ図4に示すような装薬の形態で、一般の発破による
比較例はそれぞれ図1に示すような形態で、それぞれ装
薬孔を形成し、雷管および起爆薬を装填した後、これを
填塞物で填塞させて、雷管を起爆させ、発破させた。
【0074】上記の発破方法による発破の振動および爆
音を測定したデータを、表2、表4、表6、表8、表1
0、表12、表14に比較して記載した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】上記のように、一般の発破12回、本発明
による細いエアチューブの発破12回、合計24回にわ
たって試験発破を行った。それぞれの試験発破時の発破
源と測点との間の測定距離は、130m〜600mであ
り、最大の遅発当りの装薬量は一般の発破は13.5k
gであり、本発明の細いエアチューブ発破は11.0k
gとして、装薬量を20%程度減らして発破した。
【0090】その結果、本発明の細いエアチューブ発破
による振動の速度の大きさは、0.014〜0.391
/secであり、大部分の振動の測定値は一般の発破よ
り約40〜60%程度減少させる効果があった。また、
騒音の減少は一般の発破と大同小異であるか若干減少し
ていることを示している。なお、上記表において、N/
Aの記載は、振動が小さいので測定機械が感知し得なか
ったことを示している。
【0091】これらの測定データから、一般の発破の振
動より本発明の細いエアチューブの発破の振動が大幅に
減少することが分り、岩盤の破砕度が良好であり、転石
の発生量も顕著に減少することが分かる。
【0092】この場合の測定ごとの振動の測定値の相対
的な大きさの差異は、発破源からの測定距離、遅発当り
の装薬量の外にも、自由面と測定位置および現地の岩盤
の条件に起因したものと推定される。
【0093】表15に示されるように、本発明の細いエ
アチューブの発破は、装薬孔11内に細いエアチューブ
15が嵌め込まれ、一般の発破時に比べ爆薬が占有する
空間を減少させることによる振動の減少効果と、細いエ
アチューブの装着により水平の自由面F2側に爆薬の爆
発の長さが延長されて転石の発生量を大幅に減少させ、
発破の効果を増大させるだけでなく、岩質により爆薬量
を20%以上減少させても一般の発破の効果より優れ、
望まれている振動の制御に有効な発破方法であり、特
に、主としてANFO爆薬とバルク爆薬を使用する採石
場において、転石の発生を最大限に減少させることがで
きる方法であることを立証することができた。
【0094】
【表15】
【0095】表16では、従来の露天における一般の発
破方法と本発明の細いエアチューブの発破方法による長
・短所を比較した。
【表16】
【0096】表16に示されるように、本発明は発破す
る岩盤の一般の発破の穿孔の状態に全く神経を使うこと
なく適用することができ、爆薬の爆発力を孔内から最大
限に分散起爆させて発破することによって、発破の振動
を最大限に制御することができ、装薬の長さが増大する
ことにより転石の発生を最大限に減少させることができ
た。
【0097】したがって、本発明の細いエアチューブの
発破方法は、一般の露天発破より経済的な発破方法であ
ることが明確である。
【0098】
【発明の効果】上述した本発明は、第一に岩盤の発破時
に穿孔の径より小さい直径の細いエアチューブまたは多
数個のエアボールとからなるエアバッグを、装薬孔内に
少なくとも1以上埋蔵させて装薬層内にエア層を形成す
ることにより、装薬の爆発の長さを延長させるとともに
爆薬が自由面近くに装薬されて比表面積を増大させ、爆
薬の爆発力が装薬孔内からエア層に分散されて発破の振
動および騒音を減衰させる効果がある。
【0099】第二に、装薬孔内から連続的にANFO爆
薬やゲル状態のバルク爆薬等が連続的に満たされるので
ニトログリセリン系の爆薬より爆力が弱いANFO爆薬
とゲル状態のバルク爆薬の殉爆機能を増大させることが
でき、不爆の危険がなくなり、装薬層内に埋蔵されたエ
アバッグのエア層に発破の振動を分散させることができ
るので、発破の効果を高めることができる。
【0100】第三に、装薬孔または装薬内からエアチュ
ーブまたはエアボールによって装填された爆薬の爆発の
長さが延長されることによって、爆発時の自由面側の投
射面積が拡大されて全圧力を増加させ、爆発力が岩盤の
破砕のみに全て作用するようにして転石の発生量を大幅
に減少させる効果がある。
【0101】第四に、爆薬の爆発時に爆発力が岩盤に接
するようになる面積(=比表面積)を増加させ、装薬層
内のエア層が確保されるとともに、自由面の近くに装填
される関係から、爆薬の体積当りの使用量を20〜30
%以上減少させ得る効果がある。
【0102】特に、本発明による発破の方法を採石場に
適用する場合、2次発破(玉石の発破)作業が不要とな
り、2次発破による公害(爆音)が発生せず、また2次
発破に必要とされる経費を節減できることに伴って原価
の節減が可能となり、施工コストを低減させる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のバルク爆薬による発破孔の装薬方法を示
す断面図である。
【図2】従来のバルク爆薬による分散装薬の装薬方法を
示す断面図である。
【図3】従来の発破方法による装薬孔内からの発破の概
念を示す断面図である。
【図4】本発明の発破方法による装薬孔内からの発破の
概念を示す断面図である。
【図5】本発明の発破方法におけるエアチューブの位置
に関し、エアチューブが装薬孔の最下部に埋蔵されて装
薬層を形成している実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の発破方法におけるエアチューブの位置
に関し、エアチューブが装薬孔の最下部と最上部に埋蔵
されて装薬層を形成している実施例を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の発破方法におけるエアチューブの位置
に関し、エアチューブが装薬孔の最上部に埋蔵されて装
薬層を形成している実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の発破方法におけるエアチューブの位置
に関し、エアチューブが装薬孔内の上下の装薬層間に埋
蔵されて装薬層を形成している実施例を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の発破方法において、1個の細長いエア
チューブが装薬層の内部に埋蔵されて装填された実施を
図示例を示す断面図である。
【図10】本発明の発破方法におけるエアチューブの外
面に支持体が結合されて装薬孔内に挿入された状態を示
す一部斜視図である。
【図11】本発明の発破方法において、装薬孔内に細い
エアチューブが爆薬の内部にジグザグに埋蔵されて装填
された実施例を示す断面図である。
【図12】本発明の発破方法において、装薬孔内に多数
個のエアボールが爆薬の内部に埋蔵されて装填された実
施例を示す断面図である。
【符号の説明】
11…装薬孔、12…起爆薬、13…雷管、14a〜1
4m…装薬層、15…エアチューブ、16…支持体、1
6a…貫通孔、16b…ストリップ、16c…支持部、
17…栓、18…填塞物、19…エアボール、F1…垂
直の自由面、F2…水平の自由面、L…破壊される境界
線、A…小塊の発生部分、B…大塊(転石)の発生部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21C 41/26 F42D 1/08 F42D 3/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切り取ろうとする岩盤上に所定の深さお
    よび所定の配列に穿孔の孔を穿孔する段階と、前記穿孔
    された孔内にそれぞれ起爆薬12および雷管13と爆薬
    を装填し、前記穿孔の径より小さい直径に形成され内部
    に所定の大きさのエア層を有するエアバッグを少なくと
    も1個以上、前記孔内に挿入した後、孔内に挿入された
    前記エアバッグの外側を爆薬がくるんでエアバッグが装
    薬層の内部に埋蔵されるようにエアバッグと爆薬を、順
    次、装填して装薬孔11を形成する段階と、前記装薬孔
    11内に装填された爆薬の上方を填塞物18で填塞させ
    る填塞段階と、発破器で雷管13を起爆させて前記装薬
    孔11内の起爆薬および爆薬を爆発させる起爆段階とを
    有し、前記爆薬内に埋蔵されたエアバッグの体積分だけ
    爆薬の装填長さが延長されることで、爆発時の自由面側
    の岩盤への投射面積を増加させて発破されるようにした
    ことを特徴とする装薬層の内部に埋蔵されるエアバッグ
    を利用した岩盤の発破方法。
  2. 【請求項2】 前記装薬孔11の形成段階で前記装薬孔
    11内に装填される爆薬の内部に埋蔵されるエアバッグ
    は、所定の長さに形成されかつその直径が装薬孔の穿孔
    の径より小さい直径に形成され、その内部にエア層が密
    閉されているエアチューブ15の形態を有することを特
    徴とする請求項1記載の装薬層の内部に埋蔵されるエア
    バッグを利用した岩盤の発破方法。
  3. 【請求項3】 前記装薬孔11の形成段階で前記装薬孔
    11内に装填される爆薬内に埋蔵されるエアバッグは、
    その直径が装薬孔の穿孔の径より小さい直径に形成さ
    れ、その内部にエア層が密閉されているエアボール19
    の形態を有し、前記装薬層内に所定の個数のエアボール
    19が埋蔵されることを特徴とする請求項1記載の装薬
    層の内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破
    方法。
  4. 【請求項4】 前記エアバッグは、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリエステルまたはポリアミドで製作され
    たことを特徴とする請求項1、2または3記載の装薬層
    の内部に埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方
    法。
  5. 【請求項5】 前記装薬孔11の形成段階で孔内に挿入
    されるエアチューブ15が孔壁の中心に位置するように
    間隔を維持しつつ、前記エアチューブ15の外面と孔壁
    面との間の空間部を少なくとも2以上に分割する支持体
    16が、前記エアチューブ15の外面に1以上設けられ
    ていることを特徴とする請求項2記載の装薬層の内部に
    埋蔵されるエアバッグを利用した岩盤の発破方法。
  6. 【請求項6】 前記支持体16は、中央部に貫通孔16
    aが形成され前記エアチューブ15を前記貫通孔16a
    の内側に納める円形ストリップ16bと、前記円形スト
    リップ16bの外周に所定間隔をおいて突出させた少な
    くとも2以上の支持部16cとから形成されていること
    を特徴とする請求項5記載の装薬層の内部に埋蔵される
    エアバッグを利用した岩盤の発破方法。
  7. 【請求項7】 前記装薬孔11の形成段階で装薬孔内に
    装填される爆薬は、粉末形態のANFO爆薬または流動
    性の良好なゲル状態のバルク爆薬であることを特徴とす
    る請求項1〜6の何れかに記載の装薬層の内部に埋蔵さ
    れるエアバッグを利用した岩盤の発破方法。
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