JP3449190B2 - 蝶番及びその製造方法 - Google Patents
蝶番及びその製造方法Info
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- JP3449190B2 JP3449190B2 JP23365497A JP23365497A JP3449190B2 JP 3449190 B2 JP3449190 B2 JP 3449190B2 JP 23365497 A JP23365497 A JP 23365497A JP 23365497 A JP23365497 A JP 23365497A JP 3449190 B2 JP3449190 B2 JP 3449190B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動させない非回
動体と回動させる回動体との間に取り付けられる蝶番及
びその製造方法に関するものである。
動体と回動させる回動体との間に取り付けられる蝶番及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蝶番100は、図5に示すよう
に、ボトム部材101の一端側に設けられた図示してい
ない貫通孔及びトップ部材102の一端側に設けられた
図示していない貫通孔にワッシャ106、107を挾ん
でシャフト103が挿入され、ボトム部材101に対し
てトップ部材102が回動可能に軸支されている。
に、ボトム部材101の一端側に設けられた図示してい
ない貫通孔及びトップ部材102の一端側に設けられた
図示していない貫通孔にワッシャ106、107を挾ん
でシャフト103が挿入され、ボトム部材101に対し
てトップ部材102が回動可能に軸支されている。
【0003】一方、煽戸又は車体のいずれか一方に固定
されたメイルヒンジにピンを回動自在に嵌合保持する嵌
合保持部を設け、上記煽戸又は車体の他方に固定された
フイメイルヒンジに上記メイルヒンジの嵌合保持部の両
端において上記ピンの両側端部を固定保持する固定保持
部を形成し、上記固定保持部の少なくとも一方を断面U
字状に形成すると共に該固定保持部の外側端に上記ピン
の端部を覆う絞り部を形成した煽戸ヒンジの取付構造が
知られている(実開昭56−32777号公報)。
されたメイルヒンジにピンを回動自在に嵌合保持する嵌
合保持部を設け、上記煽戸又は車体の他方に固定された
フイメイルヒンジに上記メイルヒンジの嵌合保持部の両
端において上記ピンの両側端部を固定保持する固定保持
部を形成し、上記固定保持部の少なくとも一方を断面U
字状に形成すると共に該固定保持部の外側端に上記ピン
の端部を覆う絞り部を形成した煽戸ヒンジの取付構造が
知られている(実開昭56−32777号公報)。
【0004】他方、車両荷台のゲートを荷台フレームに
対して旋回自在に支持するため、荷台フレームに取付け
られる下部ヒンジ部材と、ゲートに取付けられる上部ヒ
ンジ部材と、下部ヒンジ部材の上部の連結部と上部ヒン
ジ部材の下部の連結部に収容されて、両ヒンジ部材を相
対的に旋回自在に連結するピンとから成るヒンジ装置に
おいて、前記下部ヒンジ部材の前記連結部は、前記上部
ヒンジ部材の前記連結部を中央に受入れる切込み部と、
該切込み部の両端にそれぞれ形成されたピン支持部とを
有し、前記ピン支持部の各々は、前記ピンの各端部を受
入れて該ピンの端面が露出しないように収容するピン受
入れ凹部を有し、前記ピン支持部の外面は椀形状の曲面
に形成されており、前記ピンは前記上部ヒンジ部材の下
部連結部に両端が出た状態で収容され、該ピンの両端は
前記下部ヒンジ部材の前記ピン支持部に収容され、該ピ
ン支持部の受入れ凹部が荷台フレームによって閉じるヒ
ンジ装置が知られている(実開平07−26286号公
報)。
対して旋回自在に支持するため、荷台フレームに取付け
られる下部ヒンジ部材と、ゲートに取付けられる上部ヒ
ンジ部材と、下部ヒンジ部材の上部の連結部と上部ヒン
ジ部材の下部の連結部に収容されて、両ヒンジ部材を相
対的に旋回自在に連結するピンとから成るヒンジ装置に
おいて、前記下部ヒンジ部材の前記連結部は、前記上部
ヒンジ部材の前記連結部を中央に受入れる切込み部と、
該切込み部の両端にそれぞれ形成されたピン支持部とを
有し、前記ピン支持部の各々は、前記ピンの各端部を受
入れて該ピンの端面が露出しないように収容するピン受
入れ凹部を有し、前記ピン支持部の外面は椀形状の曲面
に形成されており、前記ピンは前記上部ヒンジ部材の下
部連結部に両端が出た状態で収容され、該ピンの両端は
前記下部ヒンジ部材の前記ピン支持部に収容され、該ピ
ン支持部の受入れ凹部が荷台フレームによって閉じるヒ
ンジ装置が知られている(実開平07−26286号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した蝶番100は、シャフト103の一方の端は頭1
04が外部に露出し、他方の端は一部105が露出する
と共に、シャフト103の抜けを防止する割ピン108
が設けられているが、頭104、シャフトの一部105
及び割ピン108等が外部に露出しているため、安全上
問題となる怖れがあった。更に、蝶番100は、部品の
点数が多く、部品の製作と組立て、或いは部品の管理等
に手間がかかり不経済であった。
示した蝶番100は、シャフト103の一方の端は頭1
04が外部に露出し、他方の端は一部105が露出する
と共に、シャフト103の抜けを防止する割ピン108
が設けられているが、頭104、シャフトの一部105
及び割ピン108等が外部に露出しているため、安全上
問題となる怖れがあった。更に、蝶番100は、部品の
点数が多く、部品の製作と組立て、或いは部品の管理等
に手間がかかり不経済であった。
【0006】更に、安全上の問題に対しては、頭10
4、先端105及び割ピン108等を外部から包む形の
蝶番が開発され、例えば、上記実開昭56−32777
号公報に示されているように、安全面では良好になった
が、鋼板のプレス、曲げ等の加工で形成されており、シ
ャフトの両端とボトム部材、その他の部分が溶接で接合
され、緩み(ガタ)はないが、、製作に手間がかかると
共に、重量が大きく、特に、この蝶番をトラックその他
の車両等動くものに利用する場合には不利となる。更
に、部品点数が多く組立てが大変でコストもかかり不経
済であった。
4、先端105及び割ピン108等を外部から包む形の
蝶番が開発され、例えば、上記実開昭56−32777
号公報に示されているように、安全面では良好になった
が、鋼板のプレス、曲げ等の加工で形成されており、シ
ャフトの両端とボトム部材、その他の部分が溶接で接合
され、緩み(ガタ)はないが、、製作に手間がかかると
共に、重量が大きく、特に、この蝶番をトラックその他
の車両等動くものに利用する場合には不利となる。更
に、部品点数が多く組立てが大変でコストもかかり不経
済であった。
【0007】又、実開平07−26286号公報の蝶番
は、部品点数は少ないもののシャフトがフリー(シャフ
ト支持部の中で遊嵌し、自由に回動する)であり、シャ
フトと支持部との隙間を少なくしてあるとは云え、緩み
(ガタ)は生じる。
は、部品点数は少ないもののシャフトがフリー(シャフ
ト支持部の中で遊嵌し、自由に回動する)であり、シャ
フトと支持部との隙間を少なくしてあるとは云え、緩み
(ガタ)は生じる。
【0008】本発明の第1の課題は、部品点数が少な
く、軽量で、回動部材間に緩みがなく、しかも安全で経
済的な蝶番を提供することにある。
く、軽量で、回動部材間に緩みがなく、しかも安全で経
済的な蝶番を提供することにある。
【0009】本発明の第2の課題は、上記蝶番を溶接接
合しないで簡便に経済的に製造することである。
合しないで簡便に経済的に製造することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、一方の被取付部材と他方の被取付部材とが回
動可能に連結された蝶番において、他方の被取付部材の
一端に設けられた貫通孔に回動可能に挿入されたシャフ
トと、貫通孔から外側に出たシャフトの両端にそれぞれ
被冠された樹脂製の軸保持部材と、一方の被取付部材の
一端に設けられ軸保持部材がそれぞれ圧入されるシャフ
ト固定溝とを備え、シャフト固定溝は、一方の被取付部
材が固定される取付部材側の面に開口させてかつ貫通孔
に面する側に開口させて形成され、前記軸保持部材は、
前記シャフト固定溝の大きさより大きめの寸法に形成さ
れ、シャフト固定溝に圧入された状態でシャフト固定溝
の開口面から貫通孔側に突出する大きさに形成されてな
ることを特徴としている。
本発明は、一方の被取付部材と他方の被取付部材とが回
動可能に連結された蝶番において、他方の被取付部材の
一端に設けられた貫通孔に回動可能に挿入されたシャフ
トと、貫通孔から外側に出たシャフトの両端にそれぞれ
被冠された樹脂製の軸保持部材と、一方の被取付部材の
一端に設けられ軸保持部材がそれぞれ圧入されるシャフ
ト固定溝とを備え、シャフト固定溝は、一方の被取付部
材が固定される取付部材側の面に開口させてかつ貫通孔
に面する側に開口させて形成され、前記軸保持部材は、
前記シャフト固定溝の大きさより大きめの寸法に形成さ
れ、シャフト固定溝に圧入された状態でシャフト固定溝
の開口面から貫通孔側に突出する大きさに形成されてな
ることを特徴としている。
【0011】一方の被取付部材のシャフト固定溝は一方
の被取付部材が固定される取付部材側に開口しているの
で、他方の被取付部材の貫通孔に挿入されるシャフトを
保持した軸保持部材をこのシャフト固定溝に圧入させる
ことにより、シャフト固定溝とシャフトとは、軸保持部
材を介して固く固定される。従って、例えば、一方の被
取付部材を一方の被取付部材が固定される取付部材に取
り付け、他方の被取付部材を他方の取付部材が固定され
る他方の取付部材に取り付けることにより、他方の被取
付部材のシャフトは回動可能に設けられているので、他
方の被取付部材は他方の取付部材と共に回動可能にな
り、蝶番として良好に機能する。そして、この蝶番は、
部品点数が少なく、溶接をしないで簡便に組立てが出
来、しかも回動部材間に緩みがなく安全、経済的であ
る。
の被取付部材が固定される取付部材側に開口しているの
で、他方の被取付部材の貫通孔に挿入されるシャフトを
保持した軸保持部材をこのシャフト固定溝に圧入させる
ことにより、シャフト固定溝とシャフトとは、軸保持部
材を介して固く固定される。従って、例えば、一方の被
取付部材を一方の被取付部材が固定される取付部材に取
り付け、他方の被取付部材を他方の取付部材が固定され
る他方の取付部材に取り付けることにより、他方の被取
付部材のシャフトは回動可能に設けられているので、他
方の被取付部材は他方の取付部材と共に回動可能にな
り、蝶番として良好に機能する。そして、この蝶番は、
部品点数が少なく、溶接をしないで簡便に組立てが出
来、しかも回動部材間に緩みがなく安全、経済的であ
る。
【0012】更に、上記蝶番において、シャフトが他方
の被取付部材と別体に設けられたことにより、上記蝶番
の作用に加え、他方の被取付部材の形状が単純化され形
成が容易となる。
の被取付部材と別体に設けられたことにより、上記蝶番
の作用に加え、他方の被取付部材の形状が単純化され形
成が容易となる。
【0013】また、軸保持部材は、弾力性を有する材
料、例えば合成樹脂又はゴム材料等で形成されているの
で、上記の蝶番の作用に加え、シャフト固定溝にしっく
りと密着し固定される。更に、軸保持部材がシャフト固
定溝の開口面から貫通孔側に突出していることにより、
一方の被取付部材と他方の被取付部材とが直接接触せ
ず、回動がスムーズとなり、且つ不要な騒音が発生しな
い。特に、一方の被取付部材と他方の被取付部材とが、
金属製である場合には、上記回動のスムーズさと不要な
騒音を発生させない効果が大きい。
料、例えば合成樹脂又はゴム材料等で形成されているの
で、上記の蝶番の作用に加え、シャフト固定溝にしっく
りと密着し固定される。更に、軸保持部材がシャフト固
定溝の開口面から貫通孔側に突出していることにより、
一方の被取付部材と他方の被取付部材とが直接接触せ
ず、回動がスムーズとなり、且つ不要な騒音が発生しな
い。特に、一方の被取付部材と他方の被取付部材とが、
金属製である場合には、上記回動のスムーズさと不要な
騒音を発生させない効果が大きい。
【0014】そして、上記の蝶番において、前記一方の
被取付部材及び他方の被取付部材は、wt%でCu3.
80〜5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti
0.10〜0.30%を含み、不純物として、Si≦
0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、N
i≦0.05%に制限され、残りをアルミニウムとする
組成を有するアルミニウム合金の鍛造材で形成されても
よい。
被取付部材及び他方の被取付部材は、wt%でCu3.
80〜5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti
0.10〜0.30%を含み、不純物として、Si≦
0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、N
i≦0.05%に制限され、残りをアルミニウムとする
組成を有するアルミニウム合金の鍛造材で形成されても
よい。
【0015】上記特定の組成を有するアルミニウム合金
の鍛造材で形成された一方の被取付部材及び他方の被取
付部材は、上記の蝶番の作用に加え、軽量化が図れ、且
つ鍛造加工により強度の必要な箇所は厚肉とし、強度の
それほど必要でない箇所は薄肉とすることが容易であ
る。その上、鍛造で形成することにより衝撃や振動等に
強い強靭な部材とすることが出来る。
の鍛造材で形成された一方の被取付部材及び他方の被取
付部材は、上記の蝶番の作用に加え、軽量化が図れ、且
つ鍛造加工により強度の必要な箇所は厚肉とし、強度の
それほど必要でない箇所は薄肉とすることが容易であ
る。その上、鍛造で形成することにより衝撃や振動等に
強い強靭な部材とすることが出来る。
【0016】又、一方の被取付部材と他方の被取付部材
とが回動可能に連結された蝶番の製造方法において、他
方の被取付部材の同一軸線上に回動可能に設けられた二
つの軸部と、二つの軸部の各々が押入される軸保持部材
と、一方の被取付部材の一端に設けられ軸保持部材がそ
れぞれ圧入される二つの軸支溝とを備え、軸支溝は、一
方の被取付部材が固定される取付部材側の面に開口させ
てかつ互いに対面する側に開口させて形成され、一方の
被取付部材及び他方の被取付部材は、wt%でCu3.
80〜5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti
0.10〜0.30%を含み、不純物として、Si≦
0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、N
i≦0.05%に制限され、残りをアルミニウムとする
組成を有するアルミニウム合金溶湯に脱ガス、脱滓、微
細化処理等の溶湯処理を施した後、750〜770℃の
温度で、300〜350℃の温度に保たれた鋳型に鋳造
し、鋳造で形成された鋳物を400〜450℃の表面温
度に加熱後、160〜180℃の表面温度に保たれた鍛
造金型にセットして20〜40%の加工率の熱間鍛造を
施し、熱間鍛造で形成された鍛造中間材を510〜52
5℃×3〜10時間の溶体化処理を施し、次に水冷して
自然時効させた後、機械加工及び表面処理を施して形成
され、軸部の各々を軸保持部材の各々に押入し、次に軸
支溝に圧入して組み立てることができる。
とが回動可能に連結された蝶番の製造方法において、他
方の被取付部材の同一軸線上に回動可能に設けられた二
つの軸部と、二つの軸部の各々が押入される軸保持部材
と、一方の被取付部材の一端に設けられ軸保持部材がそ
れぞれ圧入される二つの軸支溝とを備え、軸支溝は、一
方の被取付部材が固定される取付部材側の面に開口させ
てかつ互いに対面する側に開口させて形成され、一方の
被取付部材及び他方の被取付部材は、wt%でCu3.
80〜5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti
0.10〜0.30%を含み、不純物として、Si≦
0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、N
i≦0.05%に制限され、残りをアルミニウムとする
組成を有するアルミニウム合金溶湯に脱ガス、脱滓、微
細化処理等の溶湯処理を施した後、750〜770℃の
温度で、300〜350℃の温度に保たれた鋳型に鋳造
し、鋳造で形成された鋳物を400〜450℃の表面温
度に加熱後、160〜180℃の表面温度に保たれた鍛
造金型にセットして20〜40%の加工率の熱間鍛造を
施し、熱間鍛造で形成された鍛造中間材を510〜52
5℃×3〜10時間の溶体化処理を施し、次に水冷して
自然時効させた後、機械加工及び表面処理を施して形成
され、軸部の各々を軸保持部材の各々に押入し、次に軸
支溝に圧入して組み立てることができる。
【0017】上記蝶番の製造方法によれば、軽量化が図
れ、且つ鍛造加工により強度の必要な個所は厚肉とし、
強度のそれほど必要でない個所は薄肉とすることが容易
であり、その上、衝撃や振動等に強い強靱な部材とする
ことが出来る。又、部品点数が少なく、溶接をしないで
簡便に組立てが出来、しかも回動部材間に緩みがなく、
回動時、金属同士のすれ音やきしみ音が発生せず、安全
で経済的な蝶番を製造することが出来る。
れ、且つ鍛造加工により強度の必要な個所は厚肉とし、
強度のそれほど必要でない個所は薄肉とすることが容易
であり、その上、衝撃や振動等に強い強靱な部材とする
ことが出来る。又、部品点数が少なく、溶接をしないで
簡便に組立てが出来、しかも回動部材間に緩みがなく、
回動時、金属同士のすれ音やきしみ音が発生せず、安全
で経済的な蝶番を製造することが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蝶番及びその
製造方法の一実施の形態を詳細に説明する。
製造方法の一実施の形態を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る蝶番の一実施の形態
を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、図2は、
図1に示した蝶番を示し、(A)は図1の I−I 線断面
図、(B)は図1の II−II 断面図、(C)は図1の I
II−III 線断面図である。本実施の形態の蝶番1は、回
動させない非回動体、例えばトラック荷台の台枠等に取
り付けられる一方の被取付部材であるボトム部材2と、
回動させる回動体、例えばあおりパネル等に取り付けら
れ、ボトム部材2に回動可能に軸支される他方の被取付
部材であるトップ部材6とを有する。
を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、図2は、
図1に示した蝶番を示し、(A)は図1の I−I 線断面
図、(B)は図1の II−II 断面図、(C)は図1の I
II−III 線断面図である。本実施の形態の蝶番1は、回
動させない非回動体、例えばトラック荷台の台枠等に取
り付けられる一方の被取付部材であるボトム部材2と、
回動させる回動体、例えばあおりパネル等に取り付けら
れ、ボトム部材2に回動可能に軸支される他方の被取付
部材であるトップ部材6とを有する。
【0020】更に、トップ部材6の同一軸線上に回動可
能に設けられた二つの軸部7と、この二つの軸部7の各
々が押入される二つの軸部保持部材としてのシャフト止
め樹脂12と、ボトム部材に設けられ、トラック荷台の
台枠側(非回動体側17)及び互いに対面する側の内側
面15に開口し、シャフト止め樹脂12に軸部7が押入
された状態でトラック荷台の台枠側から圧入される軸支
溝としてのシャフト固定溝3を備えたことである。ここ
で、トップ部材の軸部7は、このトップ部材6と別体の
シャフト10に設けられ、その両端が軸部7を形成して
いる。
能に設けられた二つの軸部7と、この二つの軸部7の各
々が押入される二つの軸部保持部材としてのシャフト止
め樹脂12と、ボトム部材に設けられ、トラック荷台の
台枠側(非回動体側17)及び互いに対面する側の内側
面15に開口し、シャフト止め樹脂12に軸部7が押入
された状態でトラック荷台の台枠側から圧入される軸支
溝としてのシャフト固定溝3を備えたことである。ここ
で、トップ部材の軸部7は、このトップ部材6と別体の
シャフト10に設けられ、その両端が軸部7を形成して
いる。
【0021】ボトム部材2とトップ部材6は、wt%で
Cu3.80〜5.20%、Mg0.25〜0.45
%、Ti0.10〜0.30%を含み、不純物として、
Si≦0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35
%、Ni≦0.05%に制限され、残りをアルミニウム
とする組成を有するアルミニウム合金の鍛造材で形成さ
れている。
Cu3.80〜5.20%、Mg0.25〜0.45
%、Ti0.10〜0.30%を含み、不純物として、
Si≦0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35
%、Ni≦0.05%に制限され、残りをアルミニウム
とする組成を有するアルミニウム合金の鍛造材で形成さ
れている。
【0022】上記ボトム部材2は、荷台の台枠等にボル
ト、ナット等の締結手段で取り付けるための座ぐりをし
た取付孔4が二個所設けられ、更に、非回動体側17に
開口しトップ部材6を軸支するシャフト固定溝3を備え
る。
ト、ナット等の締結手段で取り付けるための座ぐりをし
た取付孔4が二個所設けられ、更に、非回動体側17に
開口しトップ部材6を軸支するシャフト固定溝3を備え
る。
【0023】トップ部材6は、あおりパネル等に同じく
ボルト、ナット等の締結手段で取り付けるための取付孔
8が三個所設けられ、更に、ボトム部材2のシャフト固
定溝3に軸支される二個所の軸部7を備える。本実施の
形態において、トップ部材6の軸部7は、トップ部材6
自体とは別体に、即ちステンレス又は鋼製のシャフト1
0がトップ部材6の一端側に設けられた貫通孔9に挿入
され、この貫通孔9から外側に出たシャフト10の両端
部が軸部7を形成している。このように、本実施の形態
の蝶番は、溶接加工を行なう必要がない。
ボルト、ナット等の締結手段で取り付けるための取付孔
8が三個所設けられ、更に、ボトム部材2のシャフト固
定溝3に軸支される二個所の軸部7を備える。本実施の
形態において、トップ部材6の軸部7は、トップ部材6
自体とは別体に、即ちステンレス又は鋼製のシャフト1
0がトップ部材6の一端側に設けられた貫通孔9に挿入
され、この貫通孔9から外側に出たシャフト10の両端
部が軸部7を形成している。このように、本実施の形態
の蝶番は、溶接加工を行なう必要がない。
【0024】図3は、図1に示した蝶番のシャフト止め
樹脂がボトム部材の内側面から突出していることを示す
斜視図である。ボトム部材2のシャフト固定溝3に圧入
された時に、ボトム部材2とトップ部材6とが直接接触
しないようにボトム部材2の内側面15から突出し、そ
の突出寸法d(図2(C))は凡そ0.1〜1mmであ
る。
樹脂がボトム部材の内側面から突出していることを示す
斜視図である。ボトム部材2のシャフト固定溝3に圧入
された時に、ボトム部材2とトップ部材6とが直接接触
しないようにボトム部材2の内側面15から突出し、そ
の突出寸法d(図2(C))は凡そ0.1〜1mmであ
る。
【0025】図4は、図1に使用されるシャフト止め樹
脂12を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、
(C)は下面図である。シャフト止め樹脂12のシャフ
ト穴13に軸部7が押入される。空間14は、シャフト
止め樹脂12の加工上の形状保持性を高めるためと、材
料節約のためにくり抜いてある。シャフト止め樹脂12
の材質としては、金属のものを使うよりも弾力性又は圧
縮性のあるナイロン等の合成樹脂や合成ゴム、天然ゴム
等を使用する。シャフト止め樹脂12の寸法としては、
シャフト固定溝3に対してシャフト止め樹脂12の弾力
性又は圧縮性を利用して押圧可能な少し大きめのサイズ
に形成しておく。
脂12を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、
(C)は下面図である。シャフト止め樹脂12のシャフ
ト穴13に軸部7が押入される。空間14は、シャフト
止め樹脂12の加工上の形状保持性を高めるためと、材
料節約のためにくり抜いてある。シャフト止め樹脂12
の材質としては、金属のものを使うよりも弾力性又は圧
縮性のあるナイロン等の合成樹脂や合成ゴム、天然ゴム
等を使用する。シャフト止め樹脂12の寸法としては、
シャフト固定溝3に対してシャフト止め樹脂12の弾力
性又は圧縮性を利用して押圧可能な少し大きめのサイズ
に形成しておく。
【0026】以上の構造を有する本実施の形態の蝶番1
は、次のように作用する。即ち、シャフト止め樹脂12
を弾力性又は圧縮性のある、例えばナイロンで形成し、
摩擦係数が小さく、且つ耐摩耗性のある部材とする。一
方、ボトム部材のシャフト固定溝3は、非回動体側に開
口しているので、トップ部材の軸部7を保持したシャフ
ト止め樹脂12をこのシャフト固定溝3に圧入させるこ
とにより、シャフト固定溝3と軸部7とは、シャフト止
め樹脂12を介して固く固定される。シャフト止め樹脂
12の寸法は、シャフト固定溝3の大きさより押圧可能
な少し大きめのサイズに形成してあるので、シャフト止
め樹脂12をシャフト固定溝3に圧入し、締り嵌めにす
ることによって、シャフト止め樹脂12をシャフト固定
溝3に緩み(ガタ)なく確実に固定することが出来る。
は、次のように作用する。即ち、シャフト止め樹脂12
を弾力性又は圧縮性のある、例えばナイロンで形成し、
摩擦係数が小さく、且つ耐摩耗性のある部材とする。一
方、ボトム部材のシャフト固定溝3は、非回動体側に開
口しているので、トップ部材の軸部7を保持したシャフ
ト止め樹脂12をこのシャフト固定溝3に圧入させるこ
とにより、シャフト固定溝3と軸部7とは、シャフト止
め樹脂12を介して固く固定される。シャフト止め樹脂
12の寸法は、シャフト固定溝3の大きさより押圧可能
な少し大きめのサイズに形成してあるので、シャフト止
め樹脂12をシャフト固定溝3に圧入し、締り嵌めにす
ることによって、シャフト止め樹脂12をシャフト固定
溝3に緩み(ガタ)なく確実に固定することが出来る。
【0027】ボトム部材2を非回動体側に取り付け、ト
ップ部材6を回動体側に取り付けることにより、トップ
部材6の二つの軸部7は同一軸線上で回動可能に設けら
れているので、トップ部材6は回動体と共に回動可能に
なり、蝶番として良好に機能する。そして、この蝶番
は、部品点数が少なく、溶接加工を行なう必要がなく、
工程が簡単で、品質的に安定し、且つ溶接の熟練技能を
要さない。しかも回動部材間に緩みがなく安全、経済的
である。
ップ部材6を回動体側に取り付けることにより、トップ
部材6の二つの軸部7は同一軸線上で回動可能に設けら
れているので、トップ部材6は回動体と共に回動可能に
なり、蝶番として良好に機能する。そして、この蝶番
は、部品点数が少なく、溶接加工を行なう必要がなく、
工程が簡単で、品質的に安定し、且つ溶接の熟練技能を
要さない。しかも回動部材間に緩みがなく安全、経済的
である。
【0028】更に、トップ部材の軸部7が別体で設けら
れることにより、トップ部材6の形状が単純化され形成
が容易となる。即ち、シャフト10をトップ部材6の貫
通孔9に貫通させ、この貫通孔9から外側に出た両端を
軸部7とすることにより、トップ部材6自体の形状が単
純化され形成が容易となる。
れることにより、トップ部材6の形状が単純化され形成
が容易となる。即ち、シャフト10をトップ部材6の貫
通孔9に貫通させ、この貫通孔9から外側に出た両端を
軸部7とすることにより、トップ部材6自体の形状が単
純化され形成が容易となる。
【0029】更に、シャフト止め樹脂12が、ボトム部
材の内側面15から突出していることにより、ボトム部
材2とトップ部材6とが直接に接触しないので、回動が
スムーズであり、且つ不要な騒音を発生させない。
材の内側面15から突出していることにより、ボトム部
材2とトップ部材6とが直接に接触しないので、回動が
スムーズであり、且つ不要な騒音を発生させない。
【0030】そして、特定の組成を有するアルミニウム
合金の鍛造材で形成されたボトム部材2及びトップ部材
6は、軽量化が図れ、且つ鍛造加工により強度の必要な
個所は厚肉とし、強度のそれほど必要でない個所は薄肉
とすることが容易である。その上、鍛造で形成すること
により衝撃や振動等に強い強靱な部材とすることが出来
る。
合金の鍛造材で形成されたボトム部材2及びトップ部材
6は、軽量化が図れ、且つ鍛造加工により強度の必要な
個所は厚肉とし、強度のそれほど必要でない個所は薄肉
とすることが容易である。その上、鍛造で形成すること
により衝撃や振動等に強い強靱な部材とすることが出来
る。
【0031】上記の蝶番1は、アルミニウム合金の溶湯
鍛造を利用して部品点数を少なくすると共に軽量化を図
った。シャフト両端の軸部7を合成樹脂に押入して固定
し、それをボトム部材のシャフト固定溝3に圧入して固
定したため、シャフトが完全に固定されて、緩み(ガ
タ)がないと共に、溶接のような固着ではない圧入固定
なので組立て作業性も良い。又、シャフト止め樹脂12
を0.1〜1mm程度突出させると、ボトム部材2とト
ップ部材6との回動接触が金属同士でなくなる故に、回
動による音が出ず回動もスムーズになる。又、アルミニ
ウム合金の鍛造材の代わりにアルミニウム合金の溶湯鍛
造材を利用しても良い。
鍛造を利用して部品点数を少なくすると共に軽量化を図
った。シャフト両端の軸部7を合成樹脂に押入して固定
し、それをボトム部材のシャフト固定溝3に圧入して固
定したため、シャフトが完全に固定されて、緩み(ガ
タ)がないと共に、溶接のような固着ではない圧入固定
なので組立て作業性も良い。又、シャフト止め樹脂12
を0.1〜1mm程度突出させると、ボトム部材2とト
ップ部材6との回動接触が金属同士でなくなる故に、回
動による音が出ず回動もスムーズになる。又、アルミニ
ウム合金の鍛造材の代わりにアルミニウム合金の溶湯鍛
造材を利用しても良い。
【0032】次に、図1〜4に示した実施の形態の蝶番
の製造方法について説明する。蝶番1のボトム部材2及
びトップ部材6は、以下の処理工程で製造される。即
ち、材料溶解→プリフォーム材鋳造→熱間鍛造→トリミ
ング→熱処理→ショットブラスト→機械加工→表面処理
→組立て以上の工程の主なポイントは以下の通りであ
る。
の製造方法について説明する。蝶番1のボトム部材2及
びトップ部材6は、以下の処理工程で製造される。即
ち、材料溶解→プリフォーム材鋳造→熱間鍛造→トリミ
ング→熱処理→ショットブラスト→機械加工→表面処理
→組立て以上の工程の主なポイントは以下の通りであ
る。
【0033】 材料溶解
蝶番フランジとしての材料特性は、抗張力σB≧30k
gf/mm2、耐力≧20kgf/mm2、硬さHB≧8
0、伸びδ≧5%である。この特性を得るためにアルミ
ニウム合金組成を決定する。組成は、Cu3.80〜
5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti0.10
〜0.30%を含み、不純物として、Si≦0.20
%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、Ni≦0.
05%に制限する。残りはアルミニウムである。Cu及
びMgは、T4処理後の自然時効で硬さ、強度を得るた
めにコントロールする。Tiは鋳造組織を微細化し、伸
びを得るために添加される。この組成のアルミニウム合
金を750〜770℃の温度で溶解し、脱滓、脱ガス、
微細化処理等の溶湯処理を行なった後プリフォーム型に
鋳造する。
gf/mm2、耐力≧20kgf/mm2、硬さHB≧8
0、伸びδ≧5%である。この特性を得るためにアルミ
ニウム合金組成を決定する。組成は、Cu3.80〜
5.20%、Mg0.25〜0.45%、Ti0.10
〜0.30%を含み、不純物として、Si≦0.20
%、Zn≦0.10%、Fe≦0.35%、Ni≦0.
05%に制限する。残りはアルミニウムである。Cu及
びMgは、T4処理後の自然時効で硬さ、強度を得るた
めにコントロールする。Tiは鋳造組織を微細化し、伸
びを得るために添加される。この組成のアルミニウム合
金を750〜770℃の温度で溶解し、脱滓、脱ガス、
微細化処理等の溶湯処理を行なった後プリフォーム型に
鋳造する。
【0034】 プリフォーム材鋳造
プリフォーム鋳型とは最終部材(蝶番のボトム、トップ
部材)を得るのに鋳造材に20〜40%の加工率を要す
る形状の鋳型を云う。理由は、最終部材の機械的性質を
得るために20〜40%程度の鍛造による加工率が必要
であるからである。逆に、40%を大きく超える加工率
は機械的性質の大巾な向上とならないので不要である。
このことは、材料歩留りの向上に寄与し、又、最終部材
での形状の類似しているものも同一のプリフォーム鋳型
で鋳造し、鍛造型を変えることにより製品を得ることが
出来る。このよな最終部材に類似形状をしたプリフォー
ム鋳型の温度を300〜350℃の温度に水冷でコント
ロールしながら順次溶湯を流し込んでプリフォーム材を
形成する。
部材)を得るのに鋳造材に20〜40%の加工率を要す
る形状の鋳型を云う。理由は、最終部材の機械的性質を
得るために20〜40%程度の鍛造による加工率が必要
であるからである。逆に、40%を大きく超える加工率
は機械的性質の大巾な向上とならないので不要である。
このことは、材料歩留りの向上に寄与し、又、最終部材
での形状の類似しているものも同一のプリフォーム鋳型
で鋳造し、鍛造型を変えることにより製品を得ることが
出来る。このよな最終部材に類似形状をしたプリフォー
ム鋳型の温度を300〜350℃の温度に水冷でコント
ロールしながら順次溶湯を流し込んでプリフォーム材を
形成する。
【0035】 熱間鍛造
出来上がったプリフォーム材の湯口を切り落し400〜
450℃の表面温度にプリフォーム材を加熱し、1回の
鍛造(加工度20〜40%)で最終部材を形成する。鍛
造型の表面温度は、160〜180℃にコントロールし
て、順次鍛造する。鍛造加工によって鋳造材よりも安定
性のある機械的性質を得ることが出来、機械加工が極力
少ない形状に加工出来る。又、ボトム部材のシャフト貫
通孔部分をふくらみをもった形状と安全性のある形状に
簡単に鍛造で成形出来る。
450℃の表面温度にプリフォーム材を加熱し、1回の
鍛造(加工度20〜40%)で最終部材を形成する。鍛
造型の表面温度は、160〜180℃にコントロールし
て、順次鍛造する。鍛造加工によって鋳造材よりも安定
性のある機械的性質を得ることが出来、機械加工が極力
少ない形状に加工出来る。又、ボトム部材のシャフト貫
通孔部分をふくらみをもった形状と安全性のある形状に
簡単に鍛造で成形出来る。
【0036】 トリミング
熱間鍛造された熱間鍛造中間材のバリを取る。
【0037】 熱処理
熱間鍛造中間材を510〜525℃×3〜10時間の溶
体化処理を施した後、水冷する。525℃を超えると材
料が溶解し始める怖れがあり(バーニング現象)、51
0℃未満であると十分溶体化しない。3時間未満である
と溶体化不十分であり、10時間を超えると効果の増大
が望めない。熱処理は、Cu及びMgを十分に固溶させ
るのが目的であり、これを水冷して室温に放置するとA
l−Cu系、Cu−Mg系の析出物が析出しはじめ自然
時効により必要な強度と伸びが得られる。人工時効によ
り温度を加えると、強度は増大するものの、伸びが劣化
する故に本実施の形態では自然時効とする。
体化処理を施した後、水冷する。525℃を超えると材
料が溶解し始める怖れがあり(バーニング現象)、51
0℃未満であると十分溶体化しない。3時間未満である
と溶体化不十分であり、10時間を超えると効果の増大
が望めない。熱処理は、Cu及びMgを十分に固溶させ
るのが目的であり、これを水冷して室温に放置するとA
l−Cu系、Cu−Mg系の析出物が析出しはじめ自然
時効により必要な強度と伸びが得られる。人工時効によ
り温度を加えると、強度は増大するものの、伸びが劣化
する故に本実施の形態では自然時効とする。
【0038】 ショットブラスト
熱処理が終った鍛造中間材にショットブラストをかけ中
間材の外皮を取り、部材としての外観を良くする。
間材の外皮を取り、部材としての外観を良くする。
【0039】 機械加工
ショットブラストが終った部材に、取付孔4、8、貫通
孔9その他の加工を寸法精度良く行なう。
孔9その他の加工を寸法精度良く行なう。
【0040】 表面処理
機械加工が終った製品をアロジン処理等により皮膜処理
や塗装を施す。
や塗装を施す。
【0041】 組立て
トップ部材にシャフト10を入れ、シャフト止め樹脂1
2のシャフト穴13にシャフトの両端軸部7を押入す
る。次に、シャフト止め樹脂12をボトム部材のシャフ
ト固定溝3へ機械を用いて圧入し固定する。この時、シ
ャフト止め樹脂12をボトム部材の内側面15から0.
5〜1mm程度突出させる。これによって、ボトム部材
2とトップ部材6とが直接接触しないので回動がスムー
ス且つ金属同士のすり合わせ音がない。この構成は簡単
にボトム部材2とトップ部材6とを組み立て出来る。組
立部材は、トラック等の台枠にねじ止めされる。
2のシャフト穴13にシャフトの両端軸部7を押入す
る。次に、シャフト止め樹脂12をボトム部材のシャフ
ト固定溝3へ機械を用いて圧入し固定する。この時、シ
ャフト止め樹脂12をボトム部材の内側面15から0.
5〜1mm程度突出させる。これによって、ボトム部材
2とトップ部材6とが直接接触しないので回動がスムー
ス且つ金属同士のすり合わせ音がない。この構成は簡単
にボトム部材2とトップ部材6とを組み立て出来る。組
立部材は、トラック等の台枠にねじ止めされる。
【0042】軸部7はシャフト止め樹脂のシャフト穴1
3に確実にしっかりと固定されるように軸部7の外径と
シャフト穴13の内径とを締まり嵌めとなるように決め
る。ボトム部材のシャフト固定溝3とシャフト止め樹脂
12の関係についても、シャフト止め樹脂12の弾力性
又は圧縮性により圧入し、抜けない寸法関係とする。
尚、軸部7は、ステンレス又は鋼製であるのでアルミニ
ウム合金との溶接は不可である。
3に確実にしっかりと固定されるように軸部7の外径と
シャフト穴13の内径とを締まり嵌めとなるように決め
る。ボトム部材のシャフト固定溝3とシャフト止め樹脂
12の関係についても、シャフト止め樹脂12の弾力性
又は圧縮性により圧入し、抜けない寸法関係とする。
尚、軸部7は、ステンレス又は鋼製であるのでアルミニ
ウム合金との溶接は不可である。
【0043】上記蝶番の製造方法によれば、軽量化が図
れ、且つ鍛造加工により強度の必要な個所は厚肉とし、
強度のそれほど必要でない個所は薄肉とすることが容易
であり、その上、衝撃や振動等に強い強靱な部材とする
ことが出来る。又、部品点数が少なく、溶接をしないで
簡便に組立てが出来、しかも回動部材間に緩みがなく、
金属同士のきしみ(こすれ)音もなく安全で経済的な蝶
番を製造することが出来る。
れ、且つ鍛造加工により強度の必要な個所は厚肉とし、
強度のそれほど必要でない個所は薄肉とすることが容易
であり、その上、衝撃や振動等に強い強靱な部材とする
ことが出来る。又、部品点数が少なく、溶接をしないで
簡便に組立てが出来、しかも回動部材間に緩みがなく、
金属同士のきしみ(こすれ)音もなく安全で経済的な蝶
番を製造することが出来る。
【0044】
【実施例】wt%でCu4.5%、Mg0.35%、S
i0.10%、Zn0.05%、Fe0.20%、Ni
0.01%の溶湯に脱ガス、脱滓、Ti0.20%の微
細化処理を施した後、760℃の温度で、30%の加工
率を有する形状をした330℃のプレフォーム鋳型に鋳
込んでボトム部材2及びトップ部材6を成形した。この
プリフォーム材の湯口を切り落し、420℃の表面温度
に加熱後、170℃の表面温度に保たれた鍛造金型に入
れ、1回の熱間鍛造を施して鍛造中間材を製作した。鍛
造により最終部材形状にほぼ近いものが出来た。即ち、
外形及び厚さは最終部材と同じでねじ取付孔にはワッシ
ャを入れる凹み、シャフト止め樹脂12を圧入するシャ
フト固定溝3を鍛造で成形した。
i0.10%、Zn0.05%、Fe0.20%、Ni
0.01%の溶湯に脱ガス、脱滓、Ti0.20%の微
細化処理を施した後、760℃の温度で、30%の加工
率を有する形状をした330℃のプレフォーム鋳型に鋳
込んでボトム部材2及びトップ部材6を成形した。この
プリフォーム材の湯口を切り落し、420℃の表面温度
に加熱後、170℃の表面温度に保たれた鍛造金型に入
れ、1回の熱間鍛造を施して鍛造中間材を製作した。鍛
造により最終部材形状にほぼ近いものが出来た。即ち、
外形及び厚さは最終部材と同じでねじ取付孔にはワッシ
ャを入れる凹み、シャフト止め樹脂12を圧入するシャ
フト固定溝3を鍛造で成形した。
【0045】次に、鍛造中間材のトリミングを行ない、
515℃×6時間の溶体化処理を施し、次に水焼入れを
行なった。そして、ショットブラストをかけて表層を整
えた後、取付孔4、8及びトップ部材のシャフト貫通孔
9を機械加工により加工した。その後、アロジン処理を
行なって、表面に皮膜を生成させた。トップ部材のシャ
フト貫通孔にシャフトを挿入しシャフトの両端軸部7に
穴のあいたシャフト止め樹脂12を押入した。このシャ
フト止め樹脂12を機械によりボトム部材の左右のシャ
フト固定溝3に圧入して組み立てた。
515℃×6時間の溶体化処理を施し、次に水焼入れを
行なった。そして、ショットブラストをかけて表層を整
えた後、取付孔4、8及びトップ部材のシャフト貫通孔
9を機械加工により加工した。その後、アロジン処理を
行なって、表面に皮膜を生成させた。トップ部材のシャ
フト貫通孔にシャフトを挿入しシャフトの両端軸部7に
穴のあいたシャフト止め樹脂12を押入した。このシャ
フト止め樹脂12を機械によりボトム部材の左右のシャ
フト固定溝3に圧入して組み立てた。
【0046】尚、溶体化処理し、水焼入れして自然時効
させた蝶番部材の機械的性質は抗張力38kgf/mm
2、耐力25kgf/mm2、伸び19%、硬さHBで8
7であり設計値を満足していた。
させた蝶番部材の機械的性質は抗張力38kgf/mm
2、耐力25kgf/mm2、伸び19%、硬さHBで8
7であり設計値を満足していた。
【0047】
【発明の効果】本発明の蝶番によれば、部品点数が少な
く、軽量で、回動部材間に緩みがなく、しかも安全で経
済的である。
く、軽量で、回動部材間に緩みがなく、しかも安全で経
済的である。
【0048】又、本発明の蝶番の製造方法によれば、上
記蝶番を溶接加工を行なうことなく簡便に経済的に製造
することが出来る。
記蝶番を溶接加工を行なうことなく簡便に経済的に製造
することが出来る。
【図1】本発明に係る蝶番の一実施の形態を示し、
(A)は正面図、(B)は右側面図である。
(A)は正面図、(B)は右側面図である。
【図2】図1に示した蝶番を示し、(A)は図1の I−
I 線断面図、(B)は図1の II−II 断面図、(C)は
図1の III−III 線断面図である。
I 線断面図、(B)は図1の II−II 断面図、(C)は
図1の III−III 線断面図である。
【図3】図1に示した蝶番のシャフト止め樹脂がボトム
部材の内側面から突出していることを示す斜視図であ
る。
部材の内側面から突出していることを示す斜視図であ
る。
【図4】図1に使用されるシャフト止め樹脂を示し、
(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は下面図で
ある。
(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は下面図で
ある。
【図5】従来技術に係る蝶番の一例を示す斜視図であ
る。
る。
1 蝶番
2 ボトム部材(一方の被取付部材)
3 シャフト固定溝(軸支溝)
6 トップ部材(他方の被取付部材)
7 軸部
12 シャフト止め樹脂(軸部保持部材)
15 内側面
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C22F 1/057 C22F 1/057
E05D 3/02 E05D 3/02
5/14 5/14
// C22F 1/00 602 C22F 1/00 602
673 673
683 683
691 691B
691C
694 694B
(56)参考文献 特開 平7−224833(JP,A)
特開 昭53−63222(JP,A)
特開 平8−104937(JP,A)
特開 平2−259050(JP,A)
実開 平7−26286(JP,U)
実開 昭62−133861(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E05D 3/02
E05D 5/12 - 5/14
Claims (3)
- 【請求項1】 一方の被取付部材と他方の被取付部材と
が回動可能に連結された蝶番において、前記他方の被取
付部材の一端に設けられた貫通孔に回動可能に挿入され
たシャフトと、前記貫通孔から外側に出た前記シャフト
の両端にそれぞれ被冠された樹脂製の軸保持部材と、前
記一方の被取付部材の一端に設けられ前記軸保持部材が
それぞれ圧入されるシャフト固定溝とを備え、該シャフ
ト固定溝は、前記一方の被取付部材が固定される取付部
材側の面に開口させてかつ前記貫通孔に面する側に開口
させて形成され、前記軸保持部材は、前記シャフト固定
溝の大きさより大きめの寸法に形成され、前記シャフト
固定溝に圧入された状態で前記シャフト固定溝の開口面
から前記貫通孔側に突出する大きさに形成されてなるこ
とを特徴とする蝶番。 - 【請求項2】 前記一方の被取付部材及び他方の被取付
部材は、wt%でCu3.80〜5.20%、Mg0.
25〜0.45%、Ti0.10〜0.30%を含み、
不純物として、Si≦0.20%、Zn≦0.10%、
Fe≦0.35%、Ni≦0.05%に制限され、残り
をアルミニウムとする組成を有するアルミニウム合金の
鍛造材で形成されてなることを特徴とする請求項1に記
載の蝶番。 - 【請求項3】 一方の被取付部材と他方の被取付部材と
が回動可能に連結された蝶番の製造方法において、前記
他方の被取付部材の同一軸線上に回動可能に設けられた
二つの軸部と、該二つの軸部の各々が押入される軸保持
部材と、前記一方の被取付部材の一端に設けられ前記軸
保持部材がそれぞれ圧入される軸支溝とを備え、該軸支
溝は、前記一方の被取付部材が固定される取付部材側の
面に開口させてかつ互いに対面する側に開口させて形成
され、前記一方の被取付部材及び他方の被取付部材は、
wt%でCu3.80〜5.20%、Mg0.25〜
0.45%、Ti0.10〜0.30%を含み、不純物
として、Si≦0.20%、Zn≦0.10%、Fe≦
0.35%、Ni≦0.05%に制限され、残りをアル
ミニウムとする組成を有するアルミニウム合金溶湯に脱
ガス、脱滓、微細化処理等の溶湯処理を施した後、75
0〜770℃の温度で、300〜350℃の温度に保た
れた鋳型に鋳造し、該鋳造で形成された鋳物を400〜
450℃の表面温度に加熱後、160〜180℃の表面
温度に保たれた鍛造金型にセットして20〜40%の加
工率の熱間鍛造を施し、該熱間鍛造で形成された鍛造中
間材を510〜525℃×3〜10時間の溶体化処理を
施し、次に水冷して自然時効させた後、機械加工及び表
面処理を施して形成され、前記軸部の各々を前記軸保持
部材の各々に押入し、次に前記軸支溝に圧入して組み立
てることを特徴とする蝶番の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23365497A JP3449190B2 (ja) | 1996-11-25 | 1997-08-29 | 蝶番及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31364496 | 1996-11-25 | ||
JP8-313644 | 1996-11-25 | ||
JP23365497A JP3449190B2 (ja) | 1996-11-25 | 1997-08-29 | 蝶番及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10205200A JPH10205200A (ja) | 1998-08-04 |
JP3449190B2 true JP3449190B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=26531137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23365497A Expired - Lifetime JP3449190B2 (ja) | 1996-11-25 | 1997-08-29 | 蝶番及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3449190B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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