JP3449030B2 - 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法

Info

Publication number
JP3449030B2
JP3449030B2 JP09716395A JP9716395A JP3449030B2 JP 3449030 B2 JP3449030 B2 JP 3449030B2 JP 09716395 A JP09716395 A JP 09716395A JP 9716395 A JP9716395 A JP 9716395A JP 3449030 B2 JP3449030 B2 JP 3449030B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
substance
immobilized
enzyme
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09716395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08292183A (ja
Inventor
久子 佐久間
珠美 中山
広志 鈴木
Original Assignee
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工株式会社 filed Critical 昭和電工株式会社
Priority to JP09716395A priority Critical patent/JP3449030B2/ja
Publication of JPH08292183A publication Critical patent/JPH08292183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3449030B2 publication Critical patent/JP3449030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定対象物質が通過す
ることによって光学的に変化する物質を溶媒に不溶性の
透明支持体に固定化し、その透明支持体を検出器内に組
み込んだ液体クロマトグラフィー用の検出器、およびそ
れらの検出器を用いた特定の物質を特異的に測定する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフィーを用いた分析に
於いて、カラムによって分離された物質はカラムに紫外
線吸収検出器、可視吸収検出器、蛍光検出器や旋光度検
出器等を接続し、その物質がもつ紫外線吸収、可視吸
収、蛍光光度や旋光度を測定することにより検出するこ
とができる。紫外線、可視吸収、蛍光、旋光度を持たな
い物質の検出には反応試薬をプレカラム、ポストカラム
法で用いて測定したい物質を検出可能な化合物に誘導体
化する方法が用いられている。しかし、プレカラム法で
は液体クロマトグラフィーで分析する前に試料と反応試
薬を処理する必要があることから、作業が煩雑になる。
試料によっては高温で長時間反応させなければならず、
分析時間が長くなる。また試料を、検出したい誘導体化
した後の過剰な反応試薬がその後の液体クロマトグラフ
ィーによる分析において試料の分離を妨げる場合もあ
る。
【0003】一方、ポストカラム法では反応試薬を常に
第2のポンプで流し続けなければならないので分析の装
置が大型になり、また試薬を大量に使用しなければなら
ない。さらに溶離液に反応試薬が加わることでカラムで
分離した試料のピークも広がってしまう。例えば反応試
薬として、pH指示薬をポンプで流し続けて有機酸を分
析する方法があるが、(特告昭57−34502)この
方法はpH指示薬を常に流し続けなければならない。遷
移金属イオンについても、ポストカラム法では反応試薬
を流し続けなければならない。
【0004】さて酵素活性は、基質の減少量または生成
物の増加量を分析することで測定することができるが、
その方法としては例えば反応前後の基質を含む酵素溶液
を吸光光度計を用いて直接吸光度で測定比較する方法、
反応試薬で発色させて測定する方法がある。その他、基
質を放射性の元素で標識して検出する方法がある。また
は液体クロマトグラフィーを用いて基質の減少量または
生成物の増加量を測定する方法など色々ある。酵素活性
を測定する意義としては、例えば臨床診断分野に於いて
は、血液、尿等の体液中の様々な体内の酵素の活性を測
定することによって疾患の早期発見や治療の経過のモニ
タリングを行うことがあげられる。抗原抗体反応等を用
いたタンパク質としての酵素それ自身の物質量ではな
く、酵素のもつ活性量が疾患との相関性をもっていると
考えられる。また、工業用酵素や医療用酵素として用い
られている酵素の活性量を測定することは商品管理の上
からも有意義である。
【0005】酵素活性を液体クロマトグラフィーで測定
する場合、試料と基質を測定以前に反応させて反応液を
測定する方法があるが、測定前の反応時間と液体クロマ
トグラフィーを用いた分析時間を合わせた時間がかかる
ので測定時間が長い。または、試料中の他の不純物をカ
ラムによって分離しながら測定対象酵素に対応する基質
溶液を系内へ流し続けることによって同時に酵素の活性
を測定することも可能である。その場合、測定する酵素
に対応する基質を同時に大量に試薬液として流さなれば
ならない(J.Chromatography 374,1986,45-50 )。ま
た、基質固定化カラムを用いた酵素活性測定法(特開平
1−296997)では、試料中の他の不純物をカラム
で分離した後、分離用のカラムに基質固定化カラムを接
続することで、基質固定化カラム内で酵素が反応して、
分解し溶出される基質を検出することで分離しながら同
時に酵素の活性を測定することが可能である。しかし、
固定化されていた基質が酵素によって分解され、さらに
分解された基質が光学的に検出可能でなければ活性が測
定できない。分解された基質が光学的に検出可能であっ
ても、検出器で検出されるまでに溶離液によって拡散す
ることにより感度が低下するといった問題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記従
来の欠点を克服して、液体クロマトグラフィーの装置の
簡略化と反応試薬を節約し、液体クロマトグラフィーに
よる分離を行いながら、簡便迅速かつ精度高く、目的と
する物質を特異的に測定する方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は測定対象物質が
通過することによって光学的に変化する物質を溶媒に不
溶性の透明支持体に固定化し、検出器内に組み込んだ液
体クロマトグラフィー用の検出器、およびそれを用いる
ことにより、液体クロマトグラフィー用カラムで分離し
た物質のうち、固定化した物質を光学的に変化させる測
定対象物質を特異的に測定する方法に関する。測定対象
物質が検出器のセル内を通過することにより、物質の量
に比例して光学的変化が検出器に感知される。通過とは
液体クロマトグラフィーの移動相とともに測定対象物質
が移動することをいう。以下、本発明に於ける改良検出
器、及びそれを用いた測定方法について説明する。
【0008】本発明の検出器は特定の測定対象物質によ
って光学的に変化する物質を溶媒に不溶性の透明支持体
に固定化し、検出器内に組み込んだ液体クロマトグラフ
ィー用検出器である。測定対象物質とは酸性物質やアル
カリ性物質などのpH指示薬により検出される物質、金
属イオンなどの金属指示薬により検出される物質、酸化
還元酵素などの補酵素要求酵素、糖分解酵素、タンパク
質分解酵素、リン酸エステル分解酵素、糖異性化酵素ま
たは糖転移酵素等の基質が光学的に変化することにより
検出される物質等があげられる。一方、測定対象物質に
対応して、光学的に変化する物質としては例えば、pH
指示薬、金属指示薬、ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(以下NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌク
レオチドリン酸(以下NADP)、糖分解酵素の基質、
タンパク質分解酵素の基質、リン酸エステル分解酵素の
基質、糖異性化酵素の基質または糖転移酵素の基質など
があげられる。
【0009】溶媒に不溶性の透明支持体は、ポーラスま
たはノンポーラスのいずれであってもよく、従来しばし
ば用いられてきたセルロース、アガロース、デキストラ
ン等の多糖体またはポリアクリルアミドのようないわゆ
るソフトビーズ、シリカゲル、ガラスビーズ、コントロ
ールドポアグラスのような無機ビーズ、スチレン系重合
体、ビニルアルコール系重合体及びメタクレレート系重
合体やこれらの共重合体などのような合成高分子ビーズ
等があげられる。透明とは測定に使用される光を透過す
るものの意であって、可視光を透過するものにかならず
しも限定されない。形状にも特に制限はなく、球状、破
砕状等特に制限はない。粒径にも特に制限はないが3 〜
100 μmの範囲が好ましい。
【0010】また、溶媒に不溶性の透明支持体とは、液
体クロマトグラフィー用検出器のセルそのものも含む。
液体クロマトグラフィー用セルとして、一般的にはガラ
ス製が用いられる。ガラスは紫外線吸収のない石英ガラ
スが望ましい。セルの形状は各々の検出器によって異な
るが、目的に応じて適宜決めればよく特に制限はない
が、一般には、形状は中空の直方体で中空の部分を溶離
液が流れる。
【0011】光学的に変化する物質を固定化する方法と
して、上記支持体が有する官能基、例えば、水酸基、ア
ミノ基等に直接結合させるか、または物質が結合可能な
官能基例えばエポキシ基、ヒドラジン基、カルボキシル
基、ホルミル基を有する結合基を支持体が有する官能基
にさらに導入することも可能である。これらの結合基を
支持体に導入する方法は公知の方法で適切な溶媒の存在
下で容易に行なうことができる。例えばエポキシ基を有
する官能基としてはエピクロロヒドリンのようなエピハ
ロヒドリン類、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテ
ルのようなジグリシジルエーテル類、1,7-オクタジエン
ジエポキシドのようなジエポキシド類等が上げられる
が、これらは支持体上の水酸基、アミノ基とアルカリ条
件下で速やかに反応しエポキシ基を支持体に導入するこ
とができる。また、得られたエポキシ基を有する支持体
は、アンモニア、ヒドラジン、あるいはプロパンジアミ
ンのようなジアミノアルカン類、ポリアスパラギンやポ
リグルタミンのような塩基性ポリアミノ酸、ポリビニル
アミン、ポリエチレンイミンのようなポリアミン類等と
反応させることによりアミノ基を支持体に導入すること
ができる。またアミノ酪酸のようなアミノカルボン酸
類、あるいはポリグルタミン酸のような酸性ポリアミノ
酸などと反応させることでカルボキシル基を支持体に導
入することができる。また、エポキシ基を加水分解し過
ヨウ素酸酸化を行うことでホルミル基を有する支持体を
与える。また、無水コハク酸のような酸無水物、あるい
は無水マレイン酸とそれと重合し得るビニルモノマーか
ら成る無水マレイン酸共重合体と反応させることにより
アミノ基を有する支持体にカルボキシル基を導入するこ
とができる。本共重合体にエチレンジアミンなどのジア
ミン類を反応させることで上記のアミノ基を有する支持
体を得ることもできる。以上の官能基を導入した結合基
の長さとしては特に制限はないが、固定化する光学的に
変化する物質とそれと相互作用を持つ測定物質との相互
作用の際の立体障害を除去し、さらに光学的に変化する
物質を高濃度に結合させるためには、原子数1〜300
0が望ましい。結合基に結合している官能基の数は特に
限定されないが、結合基1分子あたり複数個以上が望ま
しい。
【0012】これらの官能基を有する支持体に光学的に
変化する物質は、結合基が有する官能基に応じて必要で
あれば、適宜触媒や反応試薬等を用いて適当な溶媒下で
固定化させることができる。例えば触媒としては、塩酸
や炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムなどの酸、
アルカリが主として官能基がエポキシ基の場合に用いら
れ、また、例えば反応試薬としては、ジシクロヘキシル
カルボジイミド、1-エチル-3- (3-ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミドまたはカルボニルイミダゾールの
ような縮合剤が官能基がカルボキシル基またはアミノ基
の場合に、また水素化シアノホウ素ナトリウムのような
還元剤が官能基がアルデヒド基の場合に用いられる等々
を例示することができる。また溶媒としては通常水が用
いられるが必要に応じてリン酸や酢酸緩衝液として用い
ることもでき、また塩化ナトリウムなどの無機塩類を添
加して用いることも可能である。
【0013】上記のように固定化様式としては共有結合
が望ましいがイオン結合、疎水結合等であっても支持体
に固定化した光学的に変化する物質の脱落がなければ用
いることが可能である。
【0014】光学的に変化する物質としては支持体と共
有結合可能な官能基またはイオン結合、疎水結合等をす
る基が分子内に存在または導入されていればよく、固定
化後も光学的に変化する性質を失っていなければ特に制
限されない。
【0015】液体クロマトグラフィー用検出器のセルそ
のものに光学的に変化する物質を固定化する場合を示
す。液体クロマトグラフィー用セルとしては石英ガラス
が一般的なので、その例を示すが何等それに限定される
ものではない。石英ガラスをアルカリ性水溶液中または
酸性水溶液中で浸水させ、ガラス表面の結合導入基であ
る水酸基量を増加させる。この時、加熱をした方が水酸
基量が増加する。アミノ基等を分子内に有する光学的に
変化する物質を例えばカルボニルジイミダゾールをもち
いて水酸基と反応することにより、石英ガラスからなる
液体クロマトグラフィー用検出器内に使用されているセ
ルに結合することができる。また例えばカルボニルジイ
ミダゾールをもちいて、ヘキサメチレンジアミンのよう
なアミノアルカン類、ポリリジンのような塩基性ポリア
ミン類等のアミノ基を2以上もつ物質を反応させること
によりガラス表面にアミノ基を担持させることができ
る。さらに導入されたアミノ基にカルボキシル基等を分
子内に有する光学的に変化する物質をジシクロヘキシル
カルボジイミド等の縮合剤を用いることで結合すること
ができる。またガラス表面の水酸基にアミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランの様なシランカップリング剤を反応させるこ
とにより、アミノ基、グリシジル基を導入することがで
き、導入したアミノ基、グリシジル基に光学的に変化す
る物質を結合させることができる。固定化様式としては
共有結合が望ましいがイオン結合、疎水結合等であって
もガラス表面に固定化した光学的に変化する物質の脱落
がなければ用いることができる。
【0016】上記のようにして得られた光学的に変化す
る物質を固定化した溶媒に不溶性の透明支持体を検出器
内に組み込むには、通常は吸引法等の常法に従って検出
器セル内に充填する方法があげられる。この時、支持体
がセル中から漏れないようにメンブランフィルター等を
適宜装着する。セルを各々の検出器に応じた装着方法を
用いて、装着することによって検出器が完成する。透明
支持体がセルそのものの場合も同様に光学的に変化する
物質が固定化されたセルを各々の検出器に応じた装着方
法を用いて、装着することにより検出器が完成する。
【0017】上記の発明によって得られた検出器は通常
の液体クロマトグラフィー装置用の検出器として用いる
ことが可能である。すなわちポンプ、カラム、検出器の
順にチューブで接続し、溶離液を流し、試料をインジェ
クター等によってカラムの直前で注入し、固定化された
光学的に変化する物質を変化させる測定対象物質がセル
中を通過した時にその光学的変化を検出器が感知し定量
する。測定対象物質が該セルを通過するに伴い、対象物
質の量に対応して固定化された物質の光学的変化がおこ
る。検出器は得られる光学的変化にあわせて紫外線吸
収、可視吸収、蛍光検出器、旋光度検出器等を用いる。
光学的変化がセル中でおこっているので実際に反応する
と同時に測定できるので誤差が少ない。測定温度は、特
に制限はないが、通常は 4〜60℃の範囲が望ましい。測
定対象物質は、光学的変化を引きおこす物質であれば特
に制限はなく適用できる。
【0018】本発明の光学的に変化する物質を溶媒に不
溶性の支持体に固定化された物質と測定対象物質の組み
合わせをさらに詳しく例示する。例えば光学的に変化す
る物質としてpH指示薬を用いた場合、測定対象物質と
して試料中の酸性物質または塩基性物質を測定できる。
pHによって吸光度の変化、蛍光光度の変化または発光
を示すpH指示薬として、2,6−ジクロロ−4’−ヒ
ドロキシ−3’,3”−ジメチル−3−スルホフクシン
−5’,5−ジカルボキシリックアシッド(以下クロマ
ズロールS)、アリザリンコンプレクソン、ヒドロキシ
ルナフトールブルー、ジンコン、カルセイン、フェノー
ルフタレインコンプレクソン、フルオキシン、グリシン
チモルブルー、グリシンクレゾールレッド、キシレノー
ルオレンジ、フタレインコンプレクソン等を例示するこ
とができ、これを支持体に固定化して、検出器に組み込
み、酸性物質または塩基性物質が通過することによりお
こる光学的変化を検出することができる。例えば飲料中
の有機酸を測定したい場合、カラムで有機酸を分離した
後に上記のセルを組み込んだ検出器をカラムに接続する
と酸性物質である有機酸がセル内を通過することでセル
に固定化されたpH指示薬が光学的に変化し、個々の有
機酸をピークとして検出することができる。この様にし
てワイン中やビール中の有機酸もポストカラム法に比べ
て反応液を流すこと無く測定することができる。
【0019】また、光学的に変化する物質として金属指
示薬を用いた場合、測定対象物質は試料中の金属イオン
である。金属指示薬としてアリザリンコンプレクソン、
カルボキシアルセナゾ、ディエービ、フルオキシン、グ
リシンクレゾールレッド、グリシンチモールブルー、キ
シレノールオレンジ、ジンコン、パタレインコンポレク
ソン、ヒドロキシナフトールブルー、カルセイン、フェ
ノールフタレインコンプレクソン等例示することがで
き、これを支持体に固定化してそれらを組み込んだ検出
器を用いて測定できる。特定の金属イオンにのみ色調の
変化を示す金属指示薬を数種類固定して検出器に用いる
ことにより、一度に数種類の金属の検出を行なうことが
できる。例えば、水道水、河川水中の金属イオンの測定
や血液中の金属イオンの測定に用いることができる。
【0020】光学的に変化する物質としてNAD、NA
DP等の補酵素を用いた場合、補酵素を要求する酵素の
活性を測定することができる。例えばNADを要求する
酵素の活性を測定する場合、NADを固定化した支持体
を組み込んだ検出器を用いて、NADを固定化した支持
体に基質を固定化するかまたは基質溶液を流すことによ
り、活性測定対象酵素として、ラクテートデヒドロゲナ
ーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ヒドロキシステロ
イドデヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナー
ゼ、3−ヒドロキシピルベートデヒドロゲナーゼ、マレ
ートデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、
グルタメートデヒドロゲナーゼ、アセトアルデヒドデヒ
ドロゲナーゼなどのような酸化還元酵素をあげることが
できる。これらの酵素によって支持体に固定化されたN
ADが還元型ニコチンアミドジヌクレオチド(NADH
と略す。)に変化する。NADHは紫外吸収検出器また
は蛍光検出器で検出できる。本発明に係る酵素及び基質
は、酵素と基質の通過により固定化されているNADが
NADHに光学的に変化するもの、または酵素の通過に
より固定化された基質と固定化されたNADが反応して
固定化されたNADがNADHに変化するものであれば
特に制限はない。また、NADPを固定化した支持体を
組み込んだ検出器を用いた場合、NADPを固定化した
支持体に基質を固定化するかまたは基質溶液を流すこと
によりマリックエンザイム、グルコース−6−フォスフ
ェートデヒドロゲナーゼ等のデヒドロゲナーゼの酵素活
性を測定できる。
【0021】さらに、本発明に於て補酵素を固定化した
支持体を組み込んだ検出器を用いて測定可能な活性測定
対象酵素類の活性比較を行うことが可能である。例え
ば、NADを固定化した支持体を用いた場合、NADに
対して特異的な作用を有する酵素は全て活性測定対象酵
素類として例示することができる。
【0022】また、固定化した補酵素を再生するには酸
化還元の逆反応を行うことによって再生された補酵素を
再度使用することができる。
【0023】一般に、ほとんど同一の補酵素特異性を有
するにも拘らず、活性が非常に異なっている酵素は数多
く知られているが、本法はそれらの酵素の簡便な識別に
も用いることができる。また、ある特定の補酵素特異性
を有する酵素を、多数の酵素群の中から選別するための
簡便なスクリーニング方法として、またその補酵素に対
する活性の相違を識別する為の簡便なスクリーニング方
法として用いることができる。あるいは、同一の酵素に
関しては、各精製段階に於ける活性を検出するために用
いることもできる。さらに数種類の補酵素固定化カラム
を用いることで特定の酵素に関する特異性の相違の検
討、あるいは逆に特異性の相違から新規な酵素を同定す
ることも可能である。従って、上述の活性測定対象酵素
類は、精製した単一標品の他、粗精製標品でもよく、ま
た、生体試料中に存在している一成分であってもよい。
例えばラクテイトデヒドロゲナーゼのように数種類のア
イソザイムをもち、アイソザイムの増減のパターンをみ
ることで疾患の診断となる場合に非常に有効である。試
料中に他の夾雑タンパク質などの他物質が存在している
ような場合には、ゲル濾過、イオン交換、疎水性クロマ
トグラフィーなどの分離カラムを用い、光学的に変化す
る物質を溶媒に不溶性の透明支持体に固定化して組み込
んだ検出器で検出することで、分離カラムによって分離
されたピークのどの部分に活性が存在しているかを直ち
に知ることができる。本法を高速液体クロマトグラフィ
ー装置に組み込んだ場合は少量の試料で感度よく、短時
間で容易に酵素活性を測定することができ、また他の様
々の分離カラムとの組合せも有利となる。
【0024】試料中の分解酵素の活性を測定する場合、
一般に液体クロマトグラフィーで測定する以前に試料と
基質を反応させて反応液を注入するか、試料を測定して
いる間基質溶液を流し続けなければならないが、基質を
固定化した支持体を組み込んだ検出器を用いた場合、基
質溶液を流し続ける必要はなく、測定しようとする試料
を注入するだけで良い。活性測定対象酵素は、精製した
単一標品の他、粗精製標品でもよく、また、生体試料中
に存在している一成分であってもよい。従って、液体ク
ロマトグラフィー装置さらには高速液体クロマトグラフ
ィー装置を用いることで少量の試料で感度よく、短時間
で酵素活性を測定することができ、他の様々の分離カラ
ムの組み合わせも分離同定、検出感度等の面で有利とな
り、臨床検査の測定にも適していると思われる。また補
酵素要求酵素と同様に同じ基質を分解する酵素のスクリ
ーニングまたは精製段階の酵素活性を追うこともでき
る。
【0025】分解酵素の例を示す。血中のβ−ガラクト
シダーゼの測定を行なうと遺伝病であるゴージュ病の検
査ができる。さらにβ−ガラクトシダーゼを標識酵素と
してもちいている試薬の活性もカラムで分離しながら同
時に知ることができる。血清中、または尿中のβ−グル
クロニダーゼの活性を測定することにより遺伝的ムコ多
糖症のみならず、悪性腫瘍、肝疾患、甲状腺疾患などの
診断の基準となる。尿中のN−アセチル−β−グルコサ
ミニダーゼを測定することで近位尿細管の基質障害を伴
う腎病変のスクリーニングとなる。ムラミダーゼの活性
を測定することにより急性単球性白血病、非典型的結核
症等の診断できる、またシアルダーゼ活性の測定は細菌
感染症の診断に有効な情報を与える。
【0026】転移酵素を測定する場合、基質が支持体上
に転移することにより光学的に変化がおこれば、この変
化を検出器内で検出できる。例えばβー1、4ガラクト
シルトランスフェラーゼの場合、ガラクトシル基が支持
体に転移することにより活性を測定することが可能にな
り、癌の進行度を知ることができる。糖異性化酵素であ
るグルコース−6−リン酸イソメラーゼを測定すること
で癌、肝炎の進行を知ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明について代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。尚、これらは説明のための単なる
例示であって本発明はこれらに何ら制限されるものでな
いことはいうまでもない。
【0028】実施例1 アミノ活性化アガロースゲル(ファルマシア製)1gと
クロマズロールS(同仁化学製)30mgを2mlのp
H4.5の酢酸緩衝液に溶かし、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを30mg
加えて分散させ25℃で5時間振とうさせた。次いでア
ガローズゲルをH2 O、1MNaCl、H2 O各々10
mlで洗浄しクロマゾールS固定化アガロースを得た。
さらにイオン交換水1Lに分散し一晩攪拌してゲルを洗
浄した。さらにH2 O、1MNaCl、H2 O各々10
mlで洗浄した。得られたゲルをShodexM−31
5(昭和電工製、液体クロマトグラフィー用スペクトル
モニター)のセル内にエバポレーターで吸入充填し、セ
ルの流路の前後にメンブランフィルターを挿入し、検出
器に装着した。図1に示される高速液体クロマトグラフ
ィー装置に、ShodexDE−613(昭和電工製)
を分離カラム4として用い、図1の5改良検出器M−3
15を接続した。
【0029】本システムを用いて有機酸の分析を試み
た。アセトニトリル:H2 O=9:1の溶液に、1mM
のカプリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸をそれぞれ
33μl を本装置に注入し、580nmで検出したクロ
マトグラフが図2(a)である。さらに改良検出器にM
315を接続して210nmでも検出したクロマトグラ
フが図2(b)である。尚、クロマト条件は以下に示し
た通りである。 溶離液 : アセトニトリル:H2 O=90:10 流速 : 0.75ml/min 検出 : 580nm 、210nm 測定温度: r.t.
【0030】実施例2 アミノ活性化アガロース1gとβ−ガラクトシルウンベ
リフェロンを0.18g溶解した3mlのpH4.5の
酢酸緩衝液に溶かし、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミドを0.18g加えて分
散させ25℃で5時間振とうさせた。次いでアガルーズ
をH2 O、1MNaCl、H2 O各々10mlで洗浄し
た。さらに1MNaCl1L中に分散し、一晩攪拌し
た。次いで、 1MNaCl、H2 Oで洗浄して、β−
ガラクトシルウンベリフェロン結合アガロースゲルを得
た。得られたゲルは乾燥ゲル1gあたりβ−ガラクトシ
ルウンベリフェロンが約50μmol固定化しているこ
とが確かめられた。
【0031】得られたゲルを蛍光検出器(日立製作所
製)のセルに充填し、検出器に装着した。その改良検出
器を用いてβ−ガラクトシダーゼの検量線を求めた(図
3)。β−ガラクトシダーゼがセルを通過するとβ−ガ
ラクトシルウンベリフェロン結合アガロースゲルのβ−
ガラクトースが遊離し、蛍光が増加していく。β−ガラ
クトシダーゼ標識抗体(コスモバイオ社)の試料中のβ
−ガラクトシダーゼ標識抗体と他の不純物を分離カラム
ShodexKW−803(昭和電工製)で分離したの
ち、改良検出器と紫外線吸収検出器を接続して検出し
た。改良検出器はEm400nm、Ex450nmの条
件で図4(a)に示すようにβ−ガラクトシダーゼの活
性を測定し、紫外線吸収検出器は280nmで測定し
た。図4(b)の12より13がβ−ガラクトシダーゼ
標識抗体の溶出位置だということが分かる。 溶離液:50mMリン酸緩衝液pH7.0+0.3MN
aCl カラム:ShodexKW−803(昭和電工製) 流速:0.25ml/min 検出:Em400nm、Ex450nm, 280
nm
【0032】
【発明の効果】本発明は光学的に変化する物質を固定化
した溶媒に不溶の透明支持体を組み込んだ検出器および
それを用いることで光学的に変化させる物質を特異的に
測定する方法に関する。光学的に変化する物質を支持体
に固定化することにより、簡便迅速で精度の高い測定方
法を提供できる。またこの検出器を用いることで装置の
小型化、操作性の向上が得られる。pHにより光学的に
変化するpH指示薬を固定化した支持体を組み込んだ検
出器または金属イオンより光学的に変化する金属指示薬
を固定化した支持体を組み込んだ検出器を液体クロマト
グラフィーに用いることで、試料中の酸性物質、アルカ
リ性物質、金属イオンの特異的検出に於て有用な手段を
提供するばかりでなく、装置全体の小型化、簡便化を図
り、さらに、反応試薬を連続使用することなく検出が可
能となる。
【0033】光学的に変化する補酵素、または分解酵素
による分解されることにより光学的に変化する基質、及
び転移酵素によって基質を転移されることにより光学的
に変化する物質を溶媒に不溶性の透明支持体に固定化
し、検出器内に組み込んだ液体クロマトグラフィーの検
出器を用いることで酵素の活性測定の簡便化が行われ、
さらに酵素の分離精製に関わる様々な分野だけでなく類
似酵素の識別等、簡便なスクリーニング方法に応用する
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による応用例の一つであるpH指示薬を
固定化した支持体を組み込んだ検出器を用いた酸性物質
の測定装置の概略を示したものである。
【図2】(a)は、本発明によるpH指示薬を固定化し
た支持体を組み込んだ改良検出器を用いて、有機酸を5
80nmで分析したクロマトグラフである。(b)は、
紫外線吸収検出器を用いて、有機酸を210nmで分析
したクロマトグラフである。
【図3】本発明によるβ−ガラクトシダーゼ活性測定用
検出器を用いたβ−ガラクトシダーゼの検量線である。 縦軸は応答の高さ cm 横軸は酵素の活性 単位 unit/ml
【図4】(a)はβ−ガラクトシダーゼ活性測定用改良
検出器を用いたβ−ガラクトシダーゼ標識抗体のβ−ガ
ラクトシダーゼ活性を測定したものである。応答の高さ
が活性に相当する。(b)はβ−ガラクトシダーゼ活性
測定用改良検出器に紫外線吸収検出器をつなげ、280
nmでβ−ガラクトシダーゼ標識抗体を検出したクロマ
トグラムである。
【図5】補酵素要求酵素の活性を測定する際に用いる補
酵素NAD固定化支持体のスペクトル15と補酵素NA
DH固定化支持体の紫外線吸収スペクトル16を比較し
たものである。縦軸は吸収、横軸は波長である。
【符号の説明】
1 溶離液 2 ポンプ 3 試料注入部 4 分離カラム 5 改良検出器 6 カプリル酸のピーク 7 ミスチリン酸のピーク 8 パルミチン酸のピーク 9 カプリル酸のピーク 10 ミスチリン酸のピーク 11 パルミチン酸のピーク 12 β−ガラクトシダーゼ標識抗体の活性 図3の検量線より37unit/ml に値する 13 β−ガラクトシダーゼ標識抗体のピーク 14 不純物のピーク 15 補酵素NAD固定化支持体のスペクトル 16 補酵素NADH固定化支持体のスペクトル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−34330(JP,A) 特開 平1−296997(JP,A) 特開 平3−39096(JP,A) 特開 昭55−76949(JP,A) 特開 平6−229998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/74 G01N 30/88

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象物質が通過することによって光学
    的に変化する物質として、pH指示薬を溶媒に不溶性の
    透明支持体に固定化し、その透明支持体を検出器内に組
    み込んだ液体クロマトグラフィー用の検出器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の検出器を用いた液体クロマ
    トグラフィー装置で酸性物質またはアルカリ性物質を測
    定する方法。
JP09716395A 1995-04-21 1995-04-21 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法 Expired - Fee Related JP3449030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09716395A JP3449030B2 (ja) 1995-04-21 1995-04-21 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09716395A JP3449030B2 (ja) 1995-04-21 1995-04-21 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08292183A JPH08292183A (ja) 1996-11-05
JP3449030B2 true JP3449030B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=14184911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09716395A Expired - Fee Related JP3449030B2 (ja) 1995-04-21 1995-04-21 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3449030B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7964598B2 (en) 1995-10-17 2011-06-21 The J. David Gladstone Institutes ApoE4 domain interaction inhibitors and methods of use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08292183A (ja) 1996-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Morosanova Silica and silica–titania sol–gel materials: Synthesis and analytical application
Zhang et al. Sensitive detection of bisphenol A in complex samples by in-column molecularly imprinted solid-phase extraction coupled with capillary electrophoresis
Klopf et al. Determination of conjugated glucuronic acid by combining enzymatic hydrolysis with lucigenin chemiluminescence
Zhang et al. Improved biosensor for glucose based on glucose oxidase-immobilized silk fibroin membrane
Hughes et al. Determination of urinary oxalate by high-performance liquid chromatography
CN101158691A (zh) 糖化血红蛋白含量的电化学检测方法及检测装置
JP3449030B2 (ja) 液体クロマトグラフィー用検出器とそれを用いた測定方法
Julie et al. Preparation of miniaturized hydrophilic affinity monoliths: Towards a reduction of non-specific interactions and an increased target protein density
CA2014133C (en) Method for quantitatively measuring sugar-alcohol, column and kit therefor
Song et al. Chemiluminescence assay for uric acid in human serum and urine using flow-injection with immobilized reagents technology
Thammakhet et al. Development of an on-column affinity smart polymer gel glucose sensor
Linares et al. Flow injection analysis in clinical chemistry
Vacik et al. Separation and measurement of isoenzymes and other proteins by high-performance liquid chromatography
CN116087363A (zh) 一种吸附型疫苗中羧甲基葡聚糖含量的检测方法
CN109632986B (zh) 一种糖及糖醇类化合物的柱后衍生检测方法
Li et al. High operationally stable sol–gel diglycidyloxycalix [4] arene fiber for solid‐phase microextraction of propranolol in human urine
JP2016080542A (ja) 多糖類の測定方法及び測定装置
Coquet et al. Determination of sugars by liquid chromatography with post-column catalytic derivatization and fluorescence detection
US5468380A (en) Method for quantitatively measuring sugar-alcohol, column and kit therefor
EP0104935A2 (en) Liquid chromatograph enzyme electrode detector
CN110095554B (zh) 高效液相色谱分析米力农有关物质的方法
Hibiya et al. Simultaneous determination of N2-(3-aminopropyl) biopterin (oncopterin), biopterin and neopterin by high-performance liquid chromatography with fluorescence detection
CN1086229C (zh) 一种高效亲和膜色谱介质及其合成方法
Haginaka et al. Determination of cyclodextrins in serum by reversed-phase chromatography with pulsed amperometric detection and a membrane reactor
Iida et al. Spectrophotometric microdetermination of urea in a rice wine by using an immobilized acid urease column· FIA system

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees