JP3448378B2 - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP3448378B2
JP3448378B2 JP30243594A JP30243594A JP3448378B2 JP 3448378 B2 JP3448378 B2 JP 3448378B2 JP 30243594 A JP30243594 A JP 30243594A JP 30243594 A JP30243594 A JP 30243594A JP 3448378 B2 JP3448378 B2 JP 3448378B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定不安定型共振器を
備えるレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来からのレーザ装置の安定型
共振器1の断面図である。レーザ媒質2を挟んで全反射
鏡3と部分透過性反射鏡4が光軸5に間隔をあけて配置
され、共振キャビティ内でレーザ光6が閉込められてレ
ーザ発振し、部分透過性反射鏡4から参照符7で示され
るようにレーザ光が取出される。
【0003】図9はレーザ光7のビーム強度の分布を示
し、図9(1)はその近視野像であり、図9(2)は被
加工材の表面上の遠視野像であり、これらの像はいずれ
もガウシアンビームである。このように安定型共振器1
によれば、取出されるレーザ光7のビーム強度は、近視
野像および遠視野像とも同一形状のガウシアンビームと
なり、したがってエネルギの損失が少ないという優れた
利点がある。
【0004】この安定型共振器1では、図8に示される
ように、取出されるレーザ光7の拡がり角θは、共振キ
ャビティ内のビーム光6のビームウエスト外径を2aと
し、共振器長をLとし、全反射鏡3の曲率半径をRと
し、部分透過性反射鏡4を平面鏡とするとき、式1が成
立する。
【0005】 θ=2a/√(L(R−L)) …(1) この式1から、共振器長Lが一定であるときには、レー
ザ光7の拡がり角θを小さくし、高次モードを少なくし
て集光性のよいレーザビームを得るには、全反射鏡3の
曲率半径Rを大きくすることが必要であることが理解さ
れる。
【0006】図10は、本件発明者の実験による安定型
共振器1の実験結果である。ライン8は共振器長L=
1.6m、ライン9は共振器長L=2.4m、ライン1
0は共振器長L=3.2mの各特性を示しており、理論
上の安定発振の限界は参照符11で示され、また実務上
の発振限界は参照符12で示される。この実験結果か
ら、全反射鏡3の曲率半径を大きくすることは、レーザ
発振を持続する上で、限界があることが理解される。し
たがって曲率半径Rをさらに大きくすることはできな
い。
【0007】高光質のレーザ光7を得るために、前述の
式1から、ビームウエストの径2aを小さくすればよい
ことが理解される。図11を参照して、安定型共振器の
特性を示すライン13は、共振器長L=2.0mであ
り、全反射鏡3の曲率半径R=30mのときの本件発明
者の実験結果を示す。ビーム径2aを小さくすることに
よって拡がり角θを小さくすることができることが判
る。
【0008】ビーム径2aを小さくすることによって拡
がり角θが小さくなって高光質のレーザ光7を得ること
ができるが、その出力を増大するために、ビーム径2a
を大きくすればよい。このようなビーム径2aを大きく
すると、レーザ光7に高次のモードが含まれることにな
り、したがってレーザ光7の集光性が悪く、そのため収
束したとき被加工材上のレーザ光7のスポット径が大き
くなってしまい、エネルギ密度が低下してしまうという
新たな問題が生じる。
【0009】要約すると、安定型共振器1では、中心部
(センタローブ)にエネルギの集中したビーム形状が得
られるという利点がある反面、高光質レーザ光は、低出
力でしか得られないという問題がある。
【0010】図12は、他の先行技術の不安定型共振器
15の断面図である。レーザ媒質16を挟んで主反射鏡
17とフィードバック反射鏡18とが光軸19に間隔を
あけて配置され、レーザ光20は、反射鏡17,18間
の共振キャビティ内には閉込められず、フィードバック
反射鏡18の外に外れたビーム光21が取り出される。
反射鏡17,18は共焦点22を有する。
【0011】図13(1)は、取り出されるレーザ光2
1のビーム強度のドーナツ状の近視野像を示す。被加工
材の表面上におけるレーザ光21のビーム強度の遠視野
像は、図13(2)に示されているとおりであり、セン
ターローブ23だけでなく有効に利用できない周辺部の
成分が存在しており、この遠視野像はベッセル関数型強
度分布となり、したがって不安定型共振器15では、エ
ネルギ損失が大きいという問題がある。
【0012】しかしながらこの不安定型共振器15で
は、レーザ光のモードは共焦点22を通るシングルモー
ドの光だけとなり、光質がよく、またビーム径を大きく
して高出力としても、図11のライン26に示されるよ
うに取出されるレーザ光21の拡がり角θを小さくで
き、したがって高出力に適している。すなわち不安定型
共振器15では、図11のライン26に示されるように
取り出されるビーム光21の径を大きくするにつれて、
拡がり角θが小さくなり、したがって高光質のレーザ光
21を大出力で得ることができるという優れた利点があ
ることが理解される。この不安定型共振器15において
レーザ媒質16の供給方向25に沿う長さを大きくして
レーザ光21の幅を大きくすることによって、光質を良
好に保ったままで、出力を大きくすることができる。
【0013】図14は、図12および図13に示される
不安定型共振器15の特性を示すグラフである。拡大率
Mを大きくすることによって、図12(2)に示される
センターローブ23の全伝送エネルギに対する割合Rc
が大きくなることが理解される。ここで拡大率Mは、図
12に示されるようにレーザ光21のドーナツ状ビーム
である内径をD1とし、外径をD2とするとき、M=D
2/D1で示される。
【0014】図15は、本件発明者の実験結果による被
加工材上のレーザ光21のビーム強度の遠視野像を模式
的に示す斜視図である。
【0015】
【表1】
【0016】したがって集光性のよいレーザ光21を得
るには、拡大率Mを大きくする必要が生じるけれども、
そのようにすると、低ゲイン、すなわち利得係数が小さ
いレーザ媒質、たとえば励起酸素によって化学反応励起
されるよう素を用いるときには、レーザ発振が不可能に
なってしまう。本件発明者の実験によれば、このような
低ゲインのレーザ媒質を用いるときには、拡大率Mはせ
いぜい1.1に選ぶ必要がある。そのため集光性のよい
レーザ光を得るには、出力に限度がある。
【0017】要約すると、不安定型共振器15では、光
質を良好に維持したままで、大出力化することは、低ゲ
インのレーザ媒質を用いるときには、困難である。
【0018】他の先行技術は、特開平3−209782
であり、この先行技術では、YAGレーザなどの固体レ
ーザを用い、安定型共振器と不安定型共振器とを組合わ
せてレーザ装置を実現している。この先行技術では、化
学反応による励起によって低ゲインのレーザ媒質を用い
る工夫は全く開示されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低ゲ
インのレーザ媒質を用いて、高光質のレーザ光を取り出
すことができるようにし、しかもその出力を向上するこ
とができるようにしたレーザ装置を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光の光
軸に平行な第1方向zに安定不安定型共振器を構成し、
第1方向zに垂直な第2方向xに、よう素であるレーザ
媒質ガスを供給し、第1方向z、ならびに第1および第
2方向z,xにそれぞれ垂直な第3方向yの成す第1平
面zyに平行な平面内で、相対する共振器ミラーが安定
型共振器の曲率を構成し、また第1および第2方向z,
xの成す第2平面zxに平面な平面内で、前記相対する
共振器ミラーが不安定型共振器の曲率を構成し、不安定
型共振器には、前記相対する共振器ミラー間に、レーザ
発振が行われる共振キャビティ33に入り込んでレーザ
光41を取出すスクレーパ反射鏡40が設けられ、第2
方向xに、共振キャビティ33の上流側に設けられたイ
ンジェクタ38から、レーザ媒質ガスが供給され、第2
方向xに、インジェクタ38の上流側から、よう素を化
学反応励起する励起酸素が供給され、第2方向xに、共
振キャビティ33の上流側で、かつインジェクタ38よ
りも下流側で、第2方向xに下流側になるにつれて共振
キャビティ33の第3方向yの流路高さhが狭くなる第
1の一対の案内面45,46が形成され、第2方向x
に、共振キャビティ33の下流側で、第2方向xの下流
側になるにつれて、第3方向に離間するように傾斜され
た第2の一対の案内面47,48が形成されることを特
徴とするレーザ装置である。また本発明は、ビームを第
2方向xに平面鏡73,74によって折り返した共振器
構成であることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明に従えば、xyz直交座標系におけるレ
ーザ光の光軸に平行な第1方向zに安定不安定型共振器
を構成し、第2方向xにレーザ媒質ガスを供給して、第
1平面zyに平行な平面内で相対する共振器ミラーが安
定型共振器の曲率を構成し、第3方向yの間隔は、すな
わち高さhを小さくして偏平なスラブ状のレーザ媒質を
形成し、この高さhを小さくすることによって、取出さ
れるビーム光の拡がり角θが小さく、より低次モードの
高光質のレーザ光が、安定型共振器の利点である中心部
にエネルギを集中させたビーム形状で、発生することが
できる。
【0022】また本発明に従えば、第2平面zxに平行
な平面内で相対する共振器ミラーが不安定型共振器の曲
率を構成し、レーザ媒質ガスが供給される第2方向xの
ビーム幅Wを大きくすることによって、後述の図11の
ライン26で示されるように取出されるビーム光の拡が
り角θを小さくして不安定型共振器の利点である高光質
のレーザ光を、大出力で得ることができるようになる。
したがって低ゲインのレーザ媒質、たとえばよう素など
を用いる化学レーザにおいて、高光質で大出力のレーザ
光を取出すことができるようになる。
【0023】さらに図7に示すように、ガスの流れ方
向、すなわち第2方向xにビームを折り返すタイプの共
振器構成にすると、共振器内を伝播する光線を追跡する
ことにより、本共振器もまた図3と同じく安定不安定型
共振器を構成することが判る。図7に示す折り返し型安
定不安定型共振器は、図3に示すタイプと比べて以下の
優れた特徴を有している。
【0024】ゲイン長の実効値が長くなり、より拡大
率の大きな共振器が使用できるので、不安定型共振器側
出力ビームの径が太くなり光質が向上する。
【0025】ゲイン長の実効値が長くなるので、より
低い流路高さにおいて、安定型共振器側の安定発振が可
能になり、ビーム径のより小さなビームで大きなモード
体積をかせげるので、安定型共振器側の光質を向上させ
るとともに大出力のレーザ光を取り出すことができるよ
うになる。
【0026】従来の安定不安定型共振器では、一般に
安定型共振器側が長い縦長の出力ビームで発振するが、
これを折り返し型にすると、,の理由により安定側
がより短くなって縦横比のバランスの良いレーザ光を取
り出すことができるようになる。
【0027】共振器内のビームのエネルギ密度が大き
くなるとともに、実効的なビーム幅が広がったことにな
り、よう素レーザの場合、励起酸素からよう素原子への
エネルギ移剰がより効果的に行われ、共振器のエネルギ
取出し効率が向上する。
【0028】このようにして、安定不安定型共振器の利
点を一層効果的に生かすことが可能になる。
【0029】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の構成を簡略化し
て示す斜視図である。レーザ装置の安定不安定型共振器
31において、その共振器31を構成するケーシング3
2内には共振キャビティ33が形成され、xyz軸の直
交座標系におけるz軸方向が光軸34であり、一対の反
射鏡35,36がその光軸34方向に間隔をあけて配置
され、こうして安定不安定型共振器31が構成される。
z軸方向に垂直なx軸方向に、レーザ媒質ガス37が供
給される。このレーザ媒質ガスは、共振キャビティ33
の上流側のノズルであるインジェクタ38から、たとえ
ばN2などのキャリアガスとともによう素I2が供給され
る。インジェクタ38の上流側では、励起酸素が矢符3
9の方向に供給される。こうして共振キャビティ33に
おいてよう素が励起酸素によって化学反応励起され、レ
ーザ発振が行われる。スクレーパ反射鏡40からは、レ
ーザ光41が取出される。安定不安定型共振器31にお
いてレーザ発振をしているレーザ光は、参照符62で示
される。
【0030】図2は、図1に示される安定不安定型共振
器31のz軸とy軸の成す第1平面zyに平行な切断面
から見た断面図である。この第1平面zy内では、反射
鏡35の共振キャビティ33側の反射面は直線状であっ
て、その曲率半径R1aは無限大である。もう1つの反
射鏡36の共振キャビティ33側の反射面の曲率半径は
R2aで示されている。こうして第1平面zy内では、
安定型共振器42が構成される。
【0031】励起酸素と、キャリアガスを含むレーザ媒
質との流量の和を一定に保つとき、共振キャビティ33
のy軸方向の間隔、すなわち高さhを小さくすることに
よってレーザ媒質の流速を大きくし、x軸方向の流れ方
向43に沿う長さWが大きいレーザ媒質が、共振キャビ
ティ33に形成されることになる。
【0032】図3は、z軸方向およびx軸方向の成す第
2平面zxに平行な切断面から見た安定不安定型共振器
31の断面図である。この共振器31は、第2平面zx
内で不安定型共振器44を構成する。反射鏡35の第2
平面zx内における曲率半径をR1とし、もう1つの反
射鏡36の曲率半径をR2とし、共焦点は参照符Fで示
されている。スクレーパ反射鏡40は光軸34に対して
角度θ1(たとえば45度)をなして共振キャビティ3
3に入込んで設けられ、レーザ光45が取出される。こ
うして不安定共振器44はレーザ媒質の流れ方向43に
対して構成される。
【0033】図4は、図1における平面xyに平行な切
断面から見た断面図である。ケーシング32は、そのケ
ーシング本体32a内に、共振キャビティ33を形成す
る案内部材32b,32cが取付けられて構成される。
この案内部材32b,32cは、案内面45,46を有
する。この案内面45,46は、レーザ媒質のx軸方向
に沿う共振器入口側(図4の左方)で、下流になるにつ
れて、すなわち図4の右方になるにつれて、y軸方向の
間隔すなわち高さが狭くなるように、x軸と角度θ2,
θ3をなして形成される。たとえばθ2=θ3=約10
度〜約30度の範囲であってもよく、また約30度であ
ってもよく、これによってレーザ媒質の流れが乱れるこ
となく、共振キャビティ33に導かれ、そのため高さh
が小さくてもレーザ媒質が乱流を生じることなく、大き
な速度で流過することができ、これによって励起酸素の
失活を少なくし、高効率での発振が可能になる。またそ
の流れ方向43に沿う共振キャビティ33の長さWを大
きくすることができる。こうして反射鏡35,36間の
共振器長に比べて高さhを充分に小さくし、流れ方向4
3に長さWにわたって長く延びるスラブ状のレーザ媒質
を共振キャビティ33内に設けて、レーザ発振を行う。
案内面45,46は、流れ方向43のインジェクタ38
よりも下流側で、形成される。
【0034】共振キャビティ33よりも流れ方向43の
下流側における案内部材32b,32cにはまた、その
流れ方向43の下流側になるにつれて第3方向yに離間
するように傾斜された案内面47,48が形成される。
【0035】図5は、本件発明者の実験結果を示す。共
振キャビティ33の高さh=40mmに選んだときの特
性を参照符49で示し、h=18mmに選んだときの特
性を参照符50で示す。高さhを変化したとき、レーザ
共振が生じる流れ方向43の距離W/2を示す。レーザ
光42の軸線は参照符51,52で示される。レーザ媒
質を含むガスの共振キャビティ33における流量は一定
に保たれる。
【0036】この図5の実験結果によれば、発振を維持
することができる距離Wの最大値は、ライン53で示さ
れるように、高さhを小さくするほど、大きくすること
が可能であることが理解される。したがって不安定型共
振器44では、このレーザ媒質の流れ方向43に沿う長
さWを大きくして、共振キャビティ33におけるレーザ
光42のビーム径を大きくすることによって、前述の図
11のライン26から明らかなように、そのレーザ光4
2の拡がり角θを小さくすることができ、これによって
シングルモードの高光質のレーザ光41を取出すことが
できるようになる。また流れ方向43の長さWを大きく
し、不安定型共振器44における出力の増大を図ること
ができる。したがってレーザ媒質がよう素である低ゲイ
ンのものであっても、拡大率Mを大きくすることなく、
レーザ発振を維持することができる。
【0037】さらにまた高さhを小さくすることによっ
て、安定型共振器42におけるレーザ光41のビーム径
を小さくし、したがって拡がり角θを、図11のライン
13に示されるように小さくすることができ、このこと
によってもまた安定型共振器42におけるより低次モー
ドで発振する高光質レーザ光を得ることができ、このと
き図2に示されるように反射鏡36の曲率半径R2aを
レーザ発振の限界内に小さく抑えて、安定したレーザ発
振を維持することができる。
【0038】図6は、本件発明者のさらに他の実験結果
を示す。ライン55は、前述の図5に関連して述べた実
験における高さh=40mmのときの特性を示し、ライ
ン56は高さh=18mmであるときの特性を示す。ラ
イン55における点57は、図5の特性49が得られる
ときのデータであり、点58は図5の特性50が得られ
るときの特性を示す。このことから、高さhを小さく選
ぶことによって、レーザ媒質の流れ方向43の長さWを
大きくしても、レーザ光41の出力が高いままに維持す
ることが理解され、好都合である。
【0039】図7は、本発明の他の実施例の折り返し型
安定不安定共振器の簡略化した断面図である。相対する
共振器ミラー71,72間に、平面鏡73,74が設け
られる。この図7は、第2平面zxに平行な平面から見
た断面を示している。スクレーパミラー75から、レー
ザ出力が得られる。この実施例の構成および特徴は、前
述の作用の項で述べたとおりである。
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1方向
zに安定不安定型共振器を構成し、第2方向xに、レー
ザ媒質ガスを供給し、第3方向yの間隔、すなわち高さ
hを小さくし、そのレーザ媒質ガスの流れ方向である第
2方向xの長さWを大きくして、スラブ状のレーザ媒質
を形成することによって、安定共振器における拡がり角
θを小さくし、しかも低ゲインのレーザ媒質であるよう
素を用いる化学レーザにおける低エネルギ損失のレーザ
発振を可能にし、しかも不安定型共振器において第2方
向xの長さWを大きくして拡がり角θを小さくするとと
もに大出力を可能にする。
【0042】さらに本発明によれば、第2方向xに沿う
共振キャビティの入口側と出口側とで、案内面を設けて
レーザ媒質ガスを円滑に導くようにして乱流を生じない
ようにし、第3方向yの高さhを小さくし、レーザ媒質
ガスの流量を一定にしたとき、その流速が増大しても、
第2方向xの長さWを、レーザ媒質ガスの乱流が生じな
いようにして大きく選ぶことが可能になる。
【0043】さらに本発明によれば、ガス流れ方向にビ
ームを折り返すタイプの共振器構成にすると、ゲイン長
の実効値を長くすることが可能になり、またこれにより
出力ビームの形状(縦横比)を改善することが可能にな
るとともに、エネルギの取り出し効率を向上させること
も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例のレーザ装置の安定不
安定型共振器31の構成を簡略化して示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示される安定不安定型共振器31の第1
平面zyに平行な断面から見た安定型共振器42の簡略
化した断面図である。
【図3】図1に示される安定不安定型共振器31の第2
平面zxに平行な平面から見た不安定型共振器44の簡
略化した断面図である。
【図4】平面xyに平行な平面から見た安定不安定型共
振器31の簡略化した断面図である。
【図5】本件発明者の実験による共振キャビティ33の
高さhとレーザ媒質の流れ方向43の長さWとのレーザ
発振可能な範囲を示す図である。
【図6】本件発明者の実験によるレーザ媒質の流れ方向
43の長さWとレーザ光の出力との関係を示すグラフで
ある。
【図7】本発明の他の実施例の折り返し型安定不安定型
共振器の第2平面zxに平行な平面から見た不安定型共
振器の簡略化した断面図である。
【図8】先行技術の安定型共振器1の断面図である。
【図9】図1に示される先行技術のレーザ光7のビーム
強度を示す図である。
【図10】安定型共振器1の特性を示す本件発明者の実
験結果を示すグラフである。
【図11】本件発明者の実験結果を示すグラフである。
【図12】他の先行技術の不安定型共振器15の構成を
示す断面図である。
【図13】図12に示される不安定型共振器15のレー
ザ光21のビーム強度を示す図である。
【図14】不安定型共振器15の本件発明者による実験
結果を示すグラフである。
【図15】不安定型共振器15の遠視野像を示す斜視図
である。
【符号の説明】
31 安定不安定型共振器 32 ケーシング 32a ケーシング本体 32b,32c 案内部材 33 共振キャビティ 34 光軸 35,36 反射鏡 37,43 レーザ媒質の流れ方向 38 レーザ媒質インジェクタ 40 スクレーパ反射鏡 41 取出されるビーム光 42 ビーム光 45,46;47,48 案内面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−152037(JP,A) 特開 平3−71683(JP,A) 特開 平5−102568(JP,A) 特開 平4−15972(JP,A) 特開 昭63−249390(JP,A) 特開 昭52−39393(JP,A) 特開 平7−106668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の光軸に平行な第1方向zに安
    定不安定型共振器を構成し、 第1方向zに垂直な第2方向xに、よう素であるレーザ
    媒質ガスを供給し、 第1方向z、ならびに第1および第2方向z,xにそれ
    ぞれ垂直な第3方向yの成す第1平面zyに平行な平面
    内で、相対する共振器ミラーが安定型共振器の曲率を構
    成し、また 第1および第2方向z,xの成す第2平面zxに平面な
    平面内で、前記相対する共振器ミラーが不安定型共振器
    の曲率を構成し、 不安定型共振器には、前記相対する共振器ミラー間に、
    レーザ発振が行われる共振キャビティ33に入り込んで
    レーザ光41を取出すスクレーパ反射鏡40が設けら
    れ、 第2方向xに、共振キャビティ33の上流側に設けられ
    たインジェクタ38から、レーザ媒質ガスが供給され、 第2方向xに、インジェクタ38の上流側から、よう素
    を化学反応励起する励起酸素が供給され、 第2方向xに、共振キャビティ33の上流側で、かつイ
    ンジェクタ38よりも下流側で、第2方向xに下流側に
    なるにつれて共振キャビティ33の第3方向yの流路高
    さhが狭くなる第1の一対の案内面45,46が形成さ
    れ、 第2方向xに、共振キャビティ33の下流側で、第2方
    向xの下流側になるにつれて、第3方向に離間するよう
    に傾斜された第2の一対の案内面47,48が形成され
    ることを特徴とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 ビームを第2方向xに平面鏡73,74
    によって折り返した共振器構成であることを特徴とする
    請求項1記載のレーザ装置。
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