JP3448109B2 - 埋め殺し用多孔性型枠パネルを使用したコンクリート構造物 - Google Patents

埋め殺し用多孔性型枠パネルを使用したコンクリート構造物

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JP3448109B2 JP22259194A JP22259194A JP3448109B2 JP 3448109 B2 JP3448109 B2 JP 3448109B2 JP 22259194 A JP22259194 A JP 22259194A JP 22259194 A JP22259194 A JP 22259194A JP 3448109 B2 JP3448109 B2 JP 3448109B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】 【0001】この発明は、コンクリート構造物用、特に
車庫や工場、トンネル、分離帯、擁壁、塀等といった主
に非居住コンクリート構造物用の型枠パネルに関するも
のであって、その建設工程の一部を簡略化することがで
きると共に、築後の美観の面でそれまでのコンクリート
構造物と違う趣を醸し出し、しかもそれがコンクリート
構造物の構造強度を補強しながら、コンクリートの風化
変色を防止し、且つ、表面硬度を下げて車等の衝突の際
の緩衝作用を果たすことにもなる新規な構造の埋め殺し
用多孔性型枠パネルと、それを使用して実現されるそれ
までにないコンクリート構造物とを提供しようとするも
のである。 【0002】 【従来の技術】貿易収支が大幅黒字を示し続け、世界経
済の中で我が国一国だけがバランスを崩してしまってい
るとの外圧に対処する政策の一環として、これまでも公
共事業投資を主軸とした内需拡大政策がそれなりに取ら
れてきていたが、ここにきて円高傾向に拍車が掛かり、
国内経済にも陰りを生じ始めてしまったことから、改め
て内需拡大政策の必要性が真剣に討議され、未着工地方
高速道路の繰り上げ建設等全国高速道路網の早期実現化
や、第二東海道新幹線を始めとする地方新幹線の整備、
拡大等といった土木事業関連大型プロジェクト、および
それらに関連した公共事業が次々に予算化されて着工段
階に移り、国中至る所で建設工事が進められ、毎日大量
のコンクリート打設が実施されている。 【0003】このコンクリート打設工事は、通常、その
構造物の外形に合うよう型枠を組み立てた後、その空隙
にコンクリートを流し込んで所定の養生期間を経過さ
せ、コンクリートが水和作用で硬化して所定強度に達し
てから型枠を取り外す手順で進められるが、この型枠を
組み立て、取り外す作業、即ち型枠作業は、コンクリー
ト構造物の出来、不出来に直接係わる大切な作業工程で
ある上、作業現場毎に内容を異にする作業であって、し
かも、型枠大工による手作業を中心とした工程とならざ
るを得ない事情もあって、どの工事現場でも、神経を使
った慎重な作業に多くの時間と経費とを費やすことにな
ってしまう。 【0004】従前までの型枠作業において、このように
多くの時間と経費とを費やさざるを得ない事情の一つと
して、コンクリートに直接接する面板(セキ板)の問題
がある。一般に、セキ板には耐水合板型枠やメタルフォ
ーム等が面板のままか、あるいは裏面に枠桟を取り付け
てパネル化したものが採用されるが、それ自体自立性を
有しないばかりか、打設されたコンクリートの内圧で外
側に膨らんで変形を起こしてしまうことから、それらセ
キ板を支持するため、必ず桟木、縦バタ、横バタ、緊結
材等の支持材によって格子状の枠組みを施し、セキ板の
外側を補強する作業を必要とする。したがって、型枠作
業については、コンクリートの打設前後に、セキ板を所
定の構造に組み立て、支持するために、この支持材によ
る枠組みをし、また、セキ板をコンクリート表面から離
脱するために、それら支持材を今度は解体しなければな
らないという、極めて繁雑で手間を要する作業を伴うこ
とになる。 【0005】しかし、打設したコンクリートの内圧を考
えると、この型枠作業において、現状、どのようなセキ
板を採用したとしても、これらセキ板の外側をバタ材等
の支持材で枠組み、補強する作業を省略してしまうこと
は先ず不可能であって、そのため、最も繁雑であること
が判ってはいても、この支持材組み立て、取り外し作業
の面から型枠作業の簡素化を図るには自ずと限界があっ
た。このような事情から、型枠作業の簡素化を可能とす
るその他の部分として、セキ板自体の組み立て、取り外
し作業に係わる部分が残り、これまでにもその簡素化対
策用としての埋め殺し型枠、即ち、セキ板自体がコンク
リート打設後にも放置されたままで、コンクリート表面
層として残存するようにし、セキ板の取り外し工程を省
略できるようにした型枠が提案され、事実それらが採用
された現場も少なくなかったが、結果として広く普及す
るまでに至っていないのが実情である。 【0006】そこで、これまでに提案されてきた埋め殺
し型枠を分析してみると、それら従前までの埋め殺し型
枠の場合、大抵のものが緻密な構造素材から形成された
ものを採用していて、平坦面のままではコンクリートと
の付着性が悪く、したがって、打設コンクリート面にそ
のまま仕上げ面として残存したときに、該コンクリート
面から容易に離脱、剥離してしまわないよう、裏面に特
殊なアンカーを用意したものとしたり、あるいは付着力
を増すために裏面を特別な凹凸形状に形成したものとし
なければならず、その結果、埋め殺し型枠自体の単価が
高くついてしまうという問題を生じる上、それら埋め殺
し型枠のコンクリート当接面側が特殊な形状、構造を有
するものとしたがために、打設したコンクリートがそれ
ら当接面全体に滞りなく流し込まれるようにする作業に
慎重を期さざるを得ないという新たな作業面での課題を
抱えることとなり、結局のところ、型枠作業の簡素化で
得られる筈の作業効率および経済効果が、総合的には少
しもメリットに繋がっていなかったという事実を見出だ
すことになる。 【0007】この発明では、上記のような知見に基づ
き、この埋め殺し型枠を、その素材面とコンクリートへ
の付着性の面とから新たに追及してきた結果、遂にそれ
らの課題を十分に解決できる新規な構造からなる埋め殺
し用多孔性型枠パネルを使用したコンクリート構造物の
実現化に成功したものであって、特に非居住コンクリー
ト構造物用の埋め殺し型枠パネルとして採用した場合、
経済的で且つ作業性が良く、しかも、意匠効果、構造強
度、耐衝撃性等の面にも秀れるという特徴を如何なく発
揮するものであり、以下では、その構成を、具体的な実
施例と共に詳細に説明するものである。 【0008】 【発明の構成】この発明の埋め殺し用多孔性型枠パネル
は、基本的に次のとおりの構成を要旨とするものであ
る。即ち、セメントと乾燥籾殻との嵩容積比を、略1:
1から1:3前後の範囲に規制した混合割合にすると共
に、水セメント比を略40〜60%前後の範囲に押さえ
ることができるようにして、適宜着色剤を混入するか、
あるいは混入しないセメントと水とによりセメントペー
ストを形成し、該セメントペーストと適量の乾燥籾殻と
を混合、撹拌してセメント・籾殻混練物を形成した上、
成形型枠内でそれらセメント・混練物を圧縮比1.25
程度で加圧、養生して成形板とした構成からなる埋め殺
し用多孔性型枠パネルを、建造すべき構造物のためのコ
ンクリート打設厚に応じた間隔を確保して並置した上、
それらの各外側を仮枠部材で固定してコンクリートを打
設、養生することにより、打設コンクリートの主として
セメントミルク部分を埋め殺し用多孔性型枠パネルの多
孔部分の一部から侵入、硬化状とした後にも、打設コン
クリートが含有する水分の一部を、籾殻の繊維質部分が
吸水体となって吸収、発散させ、打設後のコンクリート
の水セメント比を減少傾向として、その硬化速度と構造
強度とを高めながら、打設コンクリートが、埋め殺し用
多孔性型枠パネルに対し、その境界部分から楔状に食い
込んだ一体化構造に形成される如くすると共に、硬化後
において、籾殻の繊維質部分が吸水体となって凍結した
ときのクラックの発生を防止するようにしてなる、この
発明の基本をなす埋め殺し用多孔性型枠パネルを使用し
てなるコンクリート構造物である。 【0009】セメントは、特別な場合を除き、その目
的、用途、経済性からして普通ポルトランドセメントを
採用すればよく、また、籾殻は、脱穀後のものを良く乾
燥させ、できるだけ屑となったものを除いて半球状ある
いは桃割れ状のものが主体となるよう篩に掛けてから採
用するようにするのが望ましく、両者の配合割合は、嵩
容積比で前者1に対し、後者が1〜3前後の範囲内に収
まる割合値の中から、必要となる材質強度、コンクリー
トに対する付着性、透水性、外観等に応じて最適な割合
値を選択、採用することとなる。 【0010】上記のとおりの配合割合で決定された量の
セメントに対し、水セメント比で略40〜60%前後に
収まる量の水を加え、よく混合、攪拌して均質なセメン
トペーストを作り上げる。その際、目的、用途に応じて
必要があれば公知のセメント用着色剤を予めセメントに
適量混入しておき、所望する色に着色されたセメントペ
ーストを形成するようにする。 【0011】その後、セメントペーストあるいは着色さ
れたセメントペーストの中に、決定された量の籾殻を投
入して十分に混練した上、型枠とするのに適した大き
さ、形状に枠組みされた製造型枠中に順次流し込んでい
く。以上のとおり、この発明では、セメントペーストに
対して決められた量の籾殻を後から混入、攪拌するよう
にする順序が、均質な多孔性を有し、所定の材質強度を
達成したこの発明の埋め殺し用多孔性型枠パネルを完成
させる上で、必要不可欠な条件となる。 【0012】更に、この発明で重要な構成は、上記のよ
うにして流し込まれた製造型枠中の籾殻混練セメントペ
ーストを、1.1〜1.4、最適には1.25辺りの圧
縮比で圧縮、成型されたものとしなければならないこと
である。即ち、製造型枠中に流し込まれたものの容積を
1とした場合、成型養生後に得られる製品容積が、0.
7〜0.9の範囲内、特に0.8辺りに圧縮された程度
ものとなるようにして成型するようにする。 【0013】コンクリートを打設する工程に先んじて組
み立てる埋め殺し用多孔性型枠パネルは、従前までの型
枠作業と同じく、埋め殺し用多孔性型枠パネルを所定間
隔で平行させ、セパレータで間隔を固定すると共に、各
型枠の外側を横バタ材、縦バタ材、緊結材等の支持材で
格子状に枠組みして補強する。 【0014】その後、従前までと同様にしてコンクリー
トを打設すると、流し込まれたコンクリートは、埋め殺
し用多孔性型枠パネル内側面の多孔部分、即ち、恰も
「粟おこし」状でセメントに塗れた状態の籾殻相互の間
隙と、一部の籾殻自体の空隙部分に、主としてセメント
ミルク部分が徐々に侵入していき、その過程で水分だけ
が籾殻に吸い取られて発散されるため、侵入し始めたセ
メントミルク部分は、型枠肉厚方向の一部まで先に侵入
したものから、水和反応が進んで多孔部分を埋めたまま
で硬化状となり、それ以上先(型枠外側方向)の多孔部
分にセメントミルクが流れ出してしまう現象を阻止し、
その部分まで達して硬化する主としてセメントミルク部
分が楔作用を果たして、この発明の埋め殺し用多孔性型
枠パネルが、打設、硬化したコンクリート表面に自然に
一体化された構造を実現する。 【0015】一方、セメントミルク部分の侵入によって
埋め尽くされた多孔部分に存在する一部の籾殻は、その
空隙内にセメントミルクを侵入させないままで残存する
ことから、打設されたコンクリートの水分だけを吸収、
発散させる機能を果たす結果、打設後のコンクリートの
水セメント比を減少傾向として、その硬化速度と構造強
度とを高めると共に、従前までのように、セキ板との間
に内部から染み出してきた余剰水を溜めてセキ板沿いに
セメントペーストを流し去り、骨材を分離させてしまう
現象を防止する機能も果たすことになり、それだけ養生
期間内に進むコンクリートの水和反応が確実になり、し
かも、表面に残存するこの発明の埋め殺し用多孔性型枠
パネル自体の構造強度も味方することから、完成したこ
の発明のコンクリート構造物は、その構造強度が設計値
どおりあるいはそれ以上に高められたものとなる。 【0016】 【実施例1】図1には、この発明の埋め殺し用多孔性型
枠パネルを製造する工程における加圧段階を示す縦断面
図が示されている。この実施例で製造する埋め殺し用多
孔性型枠パネルは、平板状のものとした事例であって、
例えば平面形で縦:横サイズが2:1となるような、型
枠パネルとしての組み合わせに都合の良いサイズに形成
した底板1上に、形成すべき型枠パネルの厚さよりも大
きい高さ寸法を有する周枠2,,2,……が、組立て、
解体自在に立設して下台となし、該下台の空間に、水セ
メント比を略50%前後としたセメントペーストに対
し、同セメントペーストに採用したセメントP2の容積
の約1.25倍程度の容積とした乾燥籾殻P1,P1,
……を混入、混練してなるセメント・籾殻混練物Pを流
し込み、それらが同空間内に満遍なく充填されるように
する。その際のセメント・籾殻混練物Pは、成型すべき
型枠パネルの厚さの約1割から3割程度厚くなるように
充填されていなければならない。 【0017】一方、それらとは別に、底板1と略同サイ
ズであって、中央部分が成型すべき型枠パネルの平面形
に略相当する面積部分だけ裏面側に屈曲、突出状とされ
て加圧部42に形成された、縦断面で見た場合、偏平な
逆ハット型断面となる上蓋4を用意しておき、該上蓋4
の周辺部41を、上記した既に所定量が充填され、表面
を均平化した状態としてあるセメント・籾殻混練物Pを
囲う機能を果している周枠2,2,……のフランジ2
1,21,……上に載置するようにして被せ、底板1の
周縁部分、周枠2,2,……の各上フランジ21,2
1,……、およびしたフランジ22,22,……、それ
に該上蓋4の周辺部41の夫々に互いに上下に合致する
如くして形成してある通孔を利用して緊締ボルト5,
5,……を刺し通し、ナット51,51,……を螺合し
ていくことによって、下台内のセメント・籾殻混練物P
の表面全体を上蓋4で均等に加圧した状態とする。図
中、43は、上蓋4の加圧部42が、加圧段階で上方に
湾曲変形してしまうことを防止するための補強杆であっ
て、成型型枠組み立て段階に上蓋4を操作する際の取っ
手を兼用するものである。 【0018】この加圧状態は、セメント・混練物Pが、
圧縮比(成型型枠内に充填されたままのセメント・籾殻
混練物Pの容積/加圧後のセメント・籾殻混練物Pの容
積)で略1.1〜1.4の範囲内、望ましくは1.25
程度となるようにした加圧、換言すれば、下台の空間内
に流し込まれたままのセメント・籾殻混練物Pの厚さを
1とした場合、その厚さが0.7〜0.9、望ましくは
0.8程度に圧縮されてしまうようにした加圧がなされ
るようにしなければならず、この調整は、上蓋4に形成
した加圧部42の沈み込ませ方で決定されるため、上記
した緊締ボルト5,5,……で上蓋4を下台上に固定す
る前に、上蓋4の周辺部41と下台周枠2,2,……の
フランジ21,21,……との間に、上蓋4の加圧部4
2の沈み込み方を調整する適宜厚さの加圧調整板3を介
在するようにしてある。こうして所定の圧縮比で加圧状
としたままで、所定期間自然養生あるいは蒸気養生して
水和反応を進行させるものである。図面では、この加圧
状態として養生工程に入る段階を縦断面で示している。 【0019】 【実施例2】図2には、この発明の埋め殺し用多孔性型
枠パネルを使用して実現したコンクリート構造物の、埋
め殺し用多孔性型枠パネルと打設コンクリートとの境界
辺りを中心とした要部拡大断面図が示されている。図か
らも解るように、打設されたコンクリートCの主として
セメントミルク部分C1が、この発明の埋め殺し用多孔
性型枠パネルの間隙S,S,……の中、コンクリートC
に面した側所定厚部分辺りの間隙S1,S1,……と、
同じくコンクリートCに面した側所定厚部分辺りに位置
した一部の籾殻P1,P1,……の空隙S2,S2,…
…に浸透状となって固化し、同所が楔構造となって埋め
殺し用多孔性型枠パネルと打設コンクリートとを強固に
一体化する。実験によれば、圧縮強度試験において、こ
のコンクリート構造物の供試体は、その楔構造部分以外
で破壊してしまうことが確認されている。 【0020】 【作用効果】以上のような構成からなるこの発明の埋め
殺し用多孔性型枠パネルは、規制された混合割合の乾燥
籾殻を、規制された水セメント比のセメントペーストに
混練した上、所定の範囲内の圧縮比で加圧、養生すれば
形成可能なものであることから、先ず何よりも素材とし
て殆ど無用な籾殻を活用していて安価であり、しかもそ
れは他の素材、例えば木材チップや木綿等に比較して遥
かに腐り難い性質を具備すると共に、それ自体が半球状
の空隙を有した形状のものであって、単位立方体内に実
現し得る空隙率の点で極めて秀れており、したがって、
所定サイズの型枠パネルを製造するために要するセメン
トペーストも、この発明で規制した割合の如く極めて少
ない量で済むこととなり、全体として極めて経済的で耐
水性があり、比較的軽量で取り扱い易い埋め殺し型枠パ
ネルの提供が可能になるという、埋め殺し型枠パネルと
して欠くことができない条件を備えた極めて有用なもの
となる。 【0021】しかも、セメント・籾殻混練物Pは、半流
動体として取り扱うことができるものであり、成型性に
秀れていて湾曲板をはじめ、各種役物の製造も容易であ
り、適宜必要に応じて着色剤を加えて成型すれば意匠効
果の点でも秀れたものとすることができることから、少
なくとも非居住コンクリート構造物の必ずしも平坦面と
は限らない広くて変化ある外装面全体を飾る仕上げ材と
して、この発明の埋め殺し用多孔性型枠パネルは最適な
ものとすることができるものである。 【0022】更に、この発明の埋め殺し用多孔性型枠パ
ネルは、簡単に鋸等での切断、加工が可能であること
も、平坦面とは限らない広くて変化ある非居住コンクリ
ート構造物の外装面全体を飾るに相応しい仕上げ材とし
て機能するものになるといえる。特に、実施例で示した
成型型枠により製造するようにしたものでは、成型型枠
の構造が簡潔な上、加圧調整も容易なものとなることか
ら、所望する構造のこの発明の埋め殺し用多孔性型枠パ
ネルを安定して提供可能とし、上記した効果をより発揮
し易いものとする効果がでる。 【0023】このように秀れた特徴を有する埋め殺し用
多孔性型枠パネルは、全く従前までのセキ板と同様の組
み立て工程を経て型枠を形成することができ、しかも、
コンクリート養生期間内においては、この発明の埋め殺
し用多孔性型枠パネルの重要な構成要素の一つである籾
殻と多孔構造とが、余分な水分の吸水、発散に寄与して
コンクリートの水和発熱反応に有利に作用する機能を果
たすと共に、特に寒冷地における冬期間の施工時には、
断熱機能を発揮してコンクリート内の水分の凍結、分離
現象を抑制する上、規制された極めて弱い加圧状態のま
まで固化、成型され、成型後においても籾殻自体に十分
弾性変形可能な構造が残されていて、その弾力性によっ
て凍結溶解(ポップアウト)現象の抑制にも効果がでる
という、これまでにない型枠としての特徴を奏するもの
である。 【0024】一方、コンクリート打設後には、そのまま
打設コンクリート面へ強固に一体化されて、特異な外観
の仕上げ面を形成可能とするものであり、したがって、
従前までのものでは実現し得なかった型枠作業の簡素化
に大いに寄与するものになると共に、この埋め殺し用多
孔性型枠パネルを使用して実現されるコンクリート構造
物、特に非居住コンクリート構造物であるトンネルや擁
壁、分離帯等を形成した場合には、その仕上げ面に埋め
殺し用多孔性型枠パネルの重要な構成要素部分として籾
殻を有し、それが、成型後においても籾殻自体に十分弾
性変形可能な構造が残されたままとなっていて、表面硬
度を下げることから、車等の衝突時等には緩衝作用を発
揮する特異な構造物となり、したがって、単に作業工程
が簡素化され、効率的且つ経済的に実現される構造物に
なるという特徴だけに止まらず、特殊な用途の構造物に
適した有用なコンクリート構造物として、高い評価がな
されるものになるといえる。 【0025】加えて、コンクリート構造物として、その
表面にはこの発明の埋め殺し用多孔性型枠パネルが存在
し、その重要な構成要素の一つである籾殻が吸水作用
(保水作用)を発揮して内部のコンクリート部分を保護
する結果、従前までのコンクリート構造物のように、直
接天日に晒され、急激に脱水、収縮を繰り返してひび割
れ現象を起こす頻度も下がり、特に寒冷地においては、
それらクラックに侵入した雨水が凍結して起こす風化現
象の防止に有効であることから、本来有する筈の構造物
としての寿命を次第次第に縮めてしまう虞もそれだけ少
なくなくなり、極めて安定したコンクリート構造物を実
現可能とするものである。 【0026】叙上の如く、この発明の埋め殺し用多孔性
型枠パネル、およびそれを使用したコンクリート構造物
は、その素材および構造の特徴から、施工性および経済
性は固よりのこと、構造強度や意匠効果、耐久性、安全
性等の点で従前までのものを遥かに凌ぐものとなり、益
々需要の高まってきているコンクリート構造物建設工事
の推進に大いに役立つものと予想される。
【図面の簡単な説明】 図面は、この発明を代表する実施例に基づくものであ
る。 【図1】この発明の埋め殺し用多孔性型枠パネルを製造
する工程の加圧段階における縦断面図である。 【図2】この発明の埋め殺し用多孔性型枠パネルを使用
しして実現したコンクリート構造物の、型枠パネルと打
設コンクリートとの境界辺りを中心として示す部分拡大
断面図である。 【符号の説明】 1 底 板 2 周 枠 21 同上フランジ 22 同下フランジ 3 加圧調整板 4 上 蓋 41 同周辺部 42 同加圧部 43 同取っ手兼用変形防止補強杆 5 ボ ル ト 51 同ナット C 打設コンクリート C1 同セメントペースト部分 P セメント・籾殻混練物 P1 同乾燥籾殻 P2 同セメント

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セメントと乾燥籾殻との嵩容積比を、略
    1:1から1:3前後の範囲に規制した混合割合にする
    と共に、水セメント比を略40〜60%前後の範囲に押
    さえることができるようにして、適宜着色剤を混入する
    か、あるいは混入しないセメントと水とによりセメント
    ペーストを形成し、該セメントペーストと適量の乾燥籾
    殻とを混合、撹拌してセメント・籾殻混練物を形成した
    上、成形型枠内でそれらセメント・混練物を圧縮比1.
    25程度で加圧、養生して成形板としてなる埋め殺し用
    多孔性型枠パネルを、建造すべき構造物のためのコンク
    リート打設厚に応じた間隔を確保して並置した上、それ
    らの各外側を仮枠部材で固定してコンクリートを打設、
    養生することにより、打設コンクリートの主としてセメ
    ントミルク部分を埋め殺し用多孔性型枠パネルの多孔部
    分の一部から侵入、硬化状とした後にも、打設コンクリ
    ートが含有する水分の一部を、籾殻の繊維質部分が吸水
    体となって吸収、発散させ、打設後のコンクリートの水
    セメント比を減少傾向として、その硬化速度と構造強度
    とを高めながら、打設コンクリートが、埋め殺し用多孔
    性型枠パネルに対し、その境界部分から楔状に食い込ん
    だ一体化構造に形成される如くすると共に、硬化後にお
    いて、籾殻の繊維質部分が吸水体となって凍結溶解(ポ
    ップアウト)現象を抑制し、且つ凍結して起こす風化現
    象する防止するようにしてなる、埋め殺し用多孔性型枠
    パネルを使用したコンクリート構造物。
JP22259194A 1994-08-23 1994-08-23 埋め殺し用多孔性型枠パネルを使用したコンクリート構造物 Expired - Fee Related JP3448109B2 (ja)

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