JP3447572B2 - 部品の接続良否検査方法 - Google Patents

部品の接続良否検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、回路基板上に回路素子
等の部品を実装する際、設置された部品の接続状態(特
にハンダ付け部分)の良否を判定する接続良否検査方法
に関する。 【0002】 【従来の技術】回路部品の実装においては、その信頼性
確保のために電気検査や目視による外観検査が実施され
ており、特にハンダフィレットの形状の検査では、目視
による外観検査が重要である。一方、近年の表面実装部
品の小型化と実装密度の向上は著しく、肉眼による外観
検査はほとんど困難であり、拡大鏡や顕微鏡を用いてい
るのが現状である。このため、検査作業者の負担が大き
く、目視外観検査を自動化する要請が高まっている。 【0003】表面実装部品のハンダ付け部の外観検査の
自動化を考えた場合、画像処理にて良否判定を行うこと
が知られている。一方、ハンダフィレットの形状は、部
品の種類やサイズ、実装プロセスによって変化する。ま
た、良品とされるフィレットの検査基準も、プリント板
に求められる信頼性により異なる。そのため、絶対的な
基準による検査よりも、良品サンプルとの比較による検
査の方が柔軟性があり、適している。つまり、プリント
回路板の用途によりハンダの良否基準が異なることか
ら、良品画像との比較による検査が好都合である。 【0004】上記のように画像処理で部品接続状態の良
否検査を行うとき、検査対象画像から良品画像を引いて
(画像の引き算)、その差(差画像)が或る閾値以下で
あれば良品、閾値を越えれば不良品とすることが簡便で
ある。しかし、ハンダのような画像では、良品自体にも
或る程度の「ばらつき」があるため、単純に差画像を求
めただけでは、その差が良品のばらつきによるものか不
良によるものかが不明な場合がある。これは、一般的な
工業製品の外観検査においても指摘されている。 【0005】回路板への実装部品の接続良否を自動検査
するための方法としては、予め用意した良品基板をCC
Dカメラ等で撮影して得た画像の輝度の分布を検査基準
とし、検査を行う回路基板の濃淡分布も同様に計測し
て、その濃淡分布を上記検査基準と比較することで部品
接続の良否を判定する手法が知られている。一般に、検
査で要求される精度(画像分解能)は検査対象部位毎に
異なるので、上記方法においては検査の要求する精度に
応じて、相異なる分解能のカメラを使い分けるようにし
ている。また、検査部位の性状により、撮影位置の異な
る複数の画像取り込み領域(検査ウインドウ)を設けて
おき、検査の要求する精度に応じて、これらのウインド
ウを使い分ける方法も採用されている。 【0006】しかし、上記のように検査部位によって検
査の精度が異なる場合、カメラや検査ウインドウを使い
分ける必要があり、その使い分けごとに異なる検査基準
を設定する必要もあるので、手間のかかる方法であっ
た。 【0007】そこで、本出願人は、手間を要する検査対
象ごとの検査基準の設定や変更を行うことなく、回路基
板上の実装部品の接続状態の良否を判定できる検出方法
として、良品基板の画像から、良品基板の特徴と、この
特徴に対する平均的な近さで表わされる平均良品度とを
求め、検査対象基板の画像から良品基板の特徴に対する
近さで表わされる良品度を求め、これと平均良品度を比
較することにより、部品の接続良否を判定する方法を開
発した(特開平5−322533号)。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記のように良品画像
の特徴を抽出し、これと検査画像を比較する方法は、リ
フローハンダのようにハンダフィレットが安定して画像
に写る場合、有効であるが、フローハンダのように良品
内でハンダフィレットが変化する場合は、その変化分を
特徴として抽出するので、正しい判定が困難になる。こ
のため、良品画像として2以上の固有画像を持つ必要が
生じ、画像データが増大することとなる。或いは、画像
の数を減らそうとすると、ハンダフィレットが安定して
写るようにする複雑で高価な照明装置が必要となる。 【0009】また、前述のように、良品画像の特徴と検
査画像の特徴とを比較し、両者の差が閾値以下であれば
良品と判定する方法では、実際上、画像の捉え方(照明
やカメラの位置、解像度など)によって良品画像の「ば
らつき」があるので、不良品との区別がつきにくいとい
う問題がある。このため、安定した画像が得られる高価
な照明装置の使用に加えて、再調整や多重検査の必要も
あった。 【0010】本発明は、以上の状況に鑑み、良品の特徴
のばらつきを抽出してこれを除く安定した部分を学習
し、これに基づいて検査対象の画像の特徴を比較するよ
うにして、部品の接続状態の良否を正しく判定できる検
査方法を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、回路基板上に
実装された部品の接続状態の良否を検査する方法におい
て、 (a)複数の良品サンプルの映像から良品画像を生成
し、共分散行列を求めるステップ、 (b)得られた共分散行列Rから基底ベクトル{ui
を求めるステップ、及び (c)前記良品画像xから前記基底ベクトルの成分を除
去したベクトルx”の平均Eを求め、良品の特徴画像
(x”)とするステップを含む学習処理と、 (d)検査対象の回路基板の映像から検査画像zを生成
し、該検査画像zから前記基底ベクトルの成分を除去
たベクトルz”を求めるステップ、 (e)除去した結果ベクトルz”と前記良品の特徴画像
E(x”)との差を求めるステップ、及び (f)得られた差を所定の値と比較して良否を判定する
ステップを含む判定処理とを実行することを特徴とす
る。 【0012】 【作用及び効果】本発明の方法では、学習処理として、
良品サンプルの検査部位の画像データから共分散行列を
求める。そして、共分散行列から基底ベクトルを求め、
上記良品画像データからこの基底ベクトル成分を除去し
たベクトルx”の平均Eを求めて、良品の特徴画像
(x”)とする。次に、判定処理として、検査対象の画像
から上記基底ベクトル成分を除去したベクトルz”を求
このベクトルz”と上記良品の特徴画像E(x”)
の差を求める。そして、この差と所定の値とを比較する
ことにより、検査対象基板の良否を判定する。 【0013】本発明の方法では、従来の検査装置による
検査手順の一部を、上記のように共分散行列及び基底ベ
クトルを求める演算に代える(つまりソフトウエアの変
更)だけでよく、従来の検査装置に特別の照明装置その
他のハードウエアを付加する必要がない。このため、実
際上ばらつきのある部品の接続状態の良否を正しく且つ
低コストで判定できる。 【0014】本発明によれば、良品画像から、ばらつく
部分すなわち検査から外すべき部分を除去し、残りの
分(x”)の平均を求めて良品の特徴画像E(x”)と
し、これと検査画像のばらつく部分を除去した部分
(z”)とを比較する。すなわち、良品画像中のばらつ
きを示す固有空間の値ではなく、ばらつきを除いた補空
間の値を比較対象としている。このように補空間の情報
を有効に使うので、より安定して良否判断を行うことが
できる。 【0015】また、使用者(検査者)の要請に応じて良
否判定基準を自動作成できるので、本発明の方法は汎用
性が高い。 【0016】 【実施の形態】図1は、本発明の方法を実施するシステ
ムの構成を示す。このシステムは、回路基板(プリント
板)1上に実装された部品2を含む濃淡画像を得るため
の装置として、照明器6及びTVカメラ7を備えると共
に、このカメラ7から送られる画像信号をディジタル化
して格納するフレ−ムメモリ8と、このメモリ8からの
入力情報により画像処理操作を実施するコンピュータ9
とを備えている。 【0017】本発明の方法の実施に当たっては、まず、
回路基板1上の部品の接続部分(ハンダ部)に対し検査
ウインドウを設定し、このウインドウ設定位置を部品に
対する相対位置として記憶させておく。 【0018】実施例の照明器6は、カメラ7の周囲に取
り付けた比較的小さい径の高周波リング蛍光灯からな
り、これで照明した状態で、カメラ7によりプリント板
1の真上から撮像する。このときのハンダフィレットの
映り方の原理を図2に示す。 【0019】図2において、ハンダ表面、部品電極及び
ランドは鏡面であるため、上方より照射された光はそれ
ぞれの鏡面で反射する。従って、これらの面がプリント
板1と同じ水平面であれば、反射光がカメラ7に入って
画像は明るく映るが、フィレットのように角度がある場
合は、反射光が戻らず画像は暗く映る。図2(A)はハ
ンダが少ない場合、(B)はハンダが適正な場合、
(C)はハンダが多い場合の各々の映り方を模式的に示
しているが、実際のハンダ画像でも、ハンダフィレット
の形状により、ほぼこのように画像が変化する。 【0020】このようにハンダ形状の変化により画像が
変化する照明であれば、どのような照明でもよい。 【0021】次に、良品と検査対象との比較検査のため
には良品サンプルを集めるが、前述のように良品サンプ
ルでも画像にばらつきがある。例として、フローソルダ
ーにてハンダ付けをしたチップコンデンサのハンダ部分
の画像を図3に示す。 【0022】図3の画像において、チップコンデンサC
の黒く映ったフィレット部分(左右)F1,F2 の先端
(白黒の境界) に注目すると、境界部分が凹であったり
凸であったりと、ばらついていることが分かる。これ
が、良品間での「ばらつき」である。この点を考慮せず
に、良品画像と検査対象のハンダ画像との引き算を行っ
ても、得られた差画像には良品間でのばらつき部分も含
まれ、良否判定の精度を下げる。そこで、このようなば
らつき部分を画像から取り除くようにすれば、検査精度
が向上する。 【0023】しかし、プリント板1枚あたり数百点から
千点以上に及ぶハンダ検査箇所の全てについて、図3の
ようなハンダフィレットの画像を作成し、個々に人手で
ばらつき部分を抽出するのは、実際上不可能である。こ
のため、良品画像からばらつき部分を自動的に求めるこ
とが必要である。 【0024】次に、本発明の実施に必要な画像を生成す
るための処理について説明する。 【0025】図4は、画像生成処理の手順を示すフロー
チャートであり、これは上記コンピュータ9で実行され
る。 【0026】初めに、ステップS1で、TVカメラ7で
撮影した画像の取り込みを行う(画像入力)。 【0027】次に、ステップS2で、入力画像から検査
基準となる良品基板上での部品の位置を求める。 【0028】部品の位置は、例えば、本出願人の特許出
願に係る部品状態検出方法により求めることができる
(特開平5−141920号公報参照)。この方法は、
部品の像を含む画像の明るさを微分することで得られる
各画素のグラジエントに基づいて当該画像中の部品の輪
郭を抽出し、前記グラジエントの方向によって当該画素
が輪郭上のどの辺にあるかを判定し、その結果に応じて
各画素に重みを付け、ハフ変換と称される演算を行うこ
とにより、前記部品の位置や姿勢を検出する。ここで、
ハフ変換とは、ノイズの多い画像から解析的図形(パラ
メータを含む方程式で形状を記述できる図形)を検出す
る代表的な手法である(米国特許第 3,069,654号)。 【0029】上記のように撮影された回路基板上の部品
の例として、図5に、(a)抵抗器3a及び(b)IC
3bの像と、前述のように予め各部品に対する相対位置
として設定、記憶される検査ウインドウ4とを示す。 【0030】再び図2において、ステップS3では、図
6に示すように、入力画像中の部品(この場合、図5
(a)の抵抗器3a)の端子部分(ハンダ付け部)の画
像5aを検査ウインドウ4によって切り出し、それを取
り込む。 【0031】次のステップS4では、ステップS3で取
り込んだ画像を表現するデータの集合を、ベクトル(こ
れを画像ベクトルと称する)に変換する。 【0032】詳細には、図5(a)(b)の部品3a,
3bの場合、図7(a)(b)に示すように、M行N列
の格子平面(原画像)で表わされる切り出し画像5a,
5bを、M×N次元の画像ベクトルとする。 【0033】このとき、原画像より目の粗いM’行N’
列格子平面(M’<M,N’<N)のモザイク画像に変
換してもよい。このモザイク画像を構成する各格子(画
素集合)の濃淡値を、原画像の対応する格子に含まれる
画素の濃淡の中央値とすれば、画像の切り出し位置のず
れ、ノイズ、良品パターンの小さな変動等の影響を抑制
することができる。また、M行N列の格子平面をM’行
N’列格子平面(モザイク画像)に変換することで、以
降の処理の計算量を低減し、演算処理を高速化すること
もできる。 【0034】なお、上記モザイク画像の各格子点の濃淡
値をxとし、各値を次式(1)で表される関数f(x)
で非線形変換(諧調変換)することにより、モザイク強
調画像を得ることも可能である。 【0035】 【数1】 ただし、αおよびβは、α>0,β>0の範囲で任意に
設定されるパラメータである。 【0036】この関数f(x)は、図8(a)に示すよ
うに、0<f(x)<1の範囲にあって、x=βでf=
0.5の値をとり、αが大きいほどステップ関数に近づ
き、αが小さいほど直線に近づく。これにより、モザイ
ク画像の暗い部分ほど1に近く、明るい部分ほど0に近
い値に変換される。これは、ハンダが正常についている
かどうかに対応している。図8(b)は、例として、α
=0.06,β=150 とした場合の関数f(x)を示す。 【0037】上記モザイク強調画像の各要素(f(x)
の値)を1列に並べたM’N’次元のベクトルを、画像
ベクトルとしてもよい。 【0038】本発明の方法は、上記のようにして生成さ
れた画像を用いて実施されるが、その特徴とする手法の
原理について、以下説明する。 【0039】上記のような画像を統計的に扱う手法の一
つに統計的直交展開を利用した「部分空間法」があり、
画像の圧縮等に用いられている。本発明は、この部分空
間法において、通常は残差として無視されている部分に
注目し、良品ハンダ画像のばらつく部分を自動的に抽出
するアルゴリズムを用いるものである。 【0040】「部分空間法」とは、或るパラメータ空間
のベクトルを、そのパラメータ空間の基底をうまく選ぶ
ことで、無視できる基底成分を見つけ、対象の次元を下
げる一般的な手法であり、統計処理の基本となる手法で
ある。 【0041】部分空間法自体は、ヒルベルト空間論の手
法によっているため、ユニタリ空間Cn や更に一般化し
たヒルベルト空間でも同様に扱うことができるが、ここ
では有限次元で実係数のユークリッド空間に限定して説
明する。 【0042】まず、ハンダ画像をn次元実ユークリッド
空間のベクトルxと考えれば、前述の画像ベクトルは、
パラメータ空間Rn を張る正規直交基底{e1 ,・・・ ,
n}を用いて、次式で表わされる。 【0043】 【数2】 ただし、ai =xT・ei ここで、上記ai を使って、ベクトル 【0044】 【数3】 で与えられるp(<n)本の正規直交基底{e1 ,・・・
,ep }で張られるRnの部分空間L内のベクトルx’
を考える。これは、画像ベクトルxの部分空間Lへの射
影であり、また、(2) 式の加算をp項で打ち切っている
ことから、p次元で表現した近似式になっている。 【0045】上記画像ベクトルxからベクトルx’を引
いた残差ベクトルをx- とすれば、 x=x’+x- …(4) と表わせる。これより、残差ベクトルx- が十分小さく
無視できるのであれば、元の画像xの代わりに近似画像
x’を利用することができる。これにより、n次元の画
像をp次元の画像に圧縮したことになる。 【0046】上記部分空間法では、圧縮などの目的に合
うように、うまく基底を選ばなければならないが、パラ
メータ空間の特徴である基底が予め正確にわかっている
ような場合は稀である。そこで、基底を選ぶために或る
統計的規準を設け、その規準から基底を求める手法をと
ることとする。 【0047】本発明の方法では、似かよった良品画像の
中からばらつく成分を無視することで、結果的に、ばら
つかない固有の成分のみを抽出し、その固有の成分を比
較して検査対象画像が良品か不良品かを判定する。従っ
て、画像が最もばらついている方向から基底を選ぶ、す
なわち、上記(2) 式のように直交展開をしたとき、係数
の分散が最大になる方向という統計的規準を採用する。 【0048】これは、次の条件を満たす正規直交基底
{u1 ,・・・ }を求めることである。 E{(xT・ui −E(xT・ui))2} :最大,i=1,…,p …(4) ただし、制約条件として、 ui T・ui =1 i≠jのとき、E{(xT・ui)・(xT・uj)} =0 上式で、Eは平均をとる作用素、xT はxの転置ベクト
ルであり、その固有値をλi 、固有ベクトルをui とす
る。 【0049】次に、ベクトルxの共分散行列 R=((x−E(x))・(x−E(x))T) …(5) を用いると、(4) 式は次のように表わされる。 【0050】 E{(xT・ui −E( xT・ui))2} =uT・E((x−E(x))・(x−E(x))T)・u =uT・R・u …(6) 従って、上記統計的規準は、「ベクトルxの共分散行列
Rの固有ベクトルuiを、固有値λi が大きいものから
求めて正規化し、それを正規直交基底とする」と言い換
えることができる。 【0051】ここで、画像ベクトルxの張るK次元ベク
トル空間をVK とすると、画像ベクトル集合Xは、X=
{x|x∈VK }で表わされる。そして、固有値λi
は、次式に示されるように、画像ベクトル集合Xの、固
有ベクトルui の張る空間への射影の2乗平均値とな
る。 【0052】 E(xT・ui2 =ui'Ex・xTi =uiii =λi …(7) 以下では、期待値を0に正規化して求めた共分散行列か
ら固有値展開して基底を求めるが、さらに各パラメータ
の分散も1に正規化して求めた相関行列から基底を求め
るようにすれば、多変量解析の主成分分析となる。ま
た、期待値を引かずに求めた相関行列から基底を求める
と、2乗誤差を最小にする基底の選び方になる。 【0053】本発明の方法では、良品画像をサンプルと
して与え、上記部分空間法により共分散行列Rから基底
{u1 ,・・・ }を求める。 【0054】共分散行列から求められる基底の数をmと
するとm<nとなり、パラメータ空間Rn を張るのに十
分でない。そこで、パラメータ空間Rn を定義できるよ
うな基底があるものと補って考える。ここでは、共分散
行列から求められる基底で張られる空間の補空間を考え
るだけなので、補った基底そのものを知らなくても、扱
うことができる。 【0055】初めのp(<m)個の基底を用いれば、ベ
クトル 【0056】 【数4】 ただし、bi =xT・ui ここで、p個の基底は、先の統計的基準のとおり、良品
ベクトルxの最もばらつく方向となる。このばらつく方
向を取り除き、残りのn−p次元の超平面への写像を考
えれば、ばらつきの少ない良品画像固有の特徴とみなせ
る成分のみを抽出することができる。それは、次式で与
えられる。 【0057】 【数5】 同様に、検査対象のベクトル(画像)zから良品ベクト
ルのばらつく成分を除去したベクトルz”を作ると、次
のようになる。 【0058】 【数6】 ただし、ci =zT・ui 上記ベクトルz”とx”はどちらも、良品画像のばらつ
かない方向を表す基底で作られた部分空間への射影であ
るので、ベクトルzが良品画像の場合は、これら2つは
ほぼ等しいベクトルになり、ベクトルzが不良品画像の
場合は、全く異なるベクトルとなる。従って、ベクトル
z”とベクトルx”の期待値Eとの差のノルム 【0059】 【数7】 を考えると、このノルムの値が或る閾値未満の場合は良
品画像、閾値以上の場合は不良品画像と判定することが
できる。ここで、良品ベクトルの期待値E(x”)を
「良品特徴画像」と称する。 【0060】図9は、上記原理に基づき、部分空間法を
部品のハンダ接続部の良否検査に適用した場合における
学習から判定までの処理手順を示すフローチャートであ
る。 【0061】初めに、複数の良品サンプルを撮影するこ
とで良品画像を生成し、共分散行列を求める(ステップ
L1)。そして、得られた共分散行列から基底ベクトル
を求める(ステップL2)。更に、良品画像から基底ベ
クトルの成分を除去し、その平均を「良品特徴画像」と
する(ステップL3)。以上3つのステップL1〜3に
より、「学習処理」が構成される。 【0062】この学習処理の後、検査対象の回路基板を
撮影することで検査画像を生成し、その検査画像から上
記学習処理で求めた基底ベクトルの成分を除去する(ス
テップJ1)。そして、除去した結果と上記「良品特徴
画像」との差をとって上記ノルムを求める(ステップJ
2)。こうして得られた差(ノルム)を所定の値(閾
値)と比較してその大小により、部品ハンダ付け部の良
否を判定する(ステップ(J3)。以上3つのステップ
J1〜3により、「判定処理」が構成される。 【0063】上記「学習処理」は、最初に一度行えば、
以後の検査毎に行う必要はない。実際の検査では、「判
定処理」のみを行う。判定処理では、数回のベクトルの
減算及び内積演算しか行わないので、画像処理としては
比較的計算量が少ない。 【0064】次に、上記検査方法を実際の画像について
適用した例を説明する。 【0065】検査対象は、大きさ 2 mm ×l.25 mm のチ
ップコンデンサ(部品名C15)をフローハンダ付けし
たものである。そのハンダ画像は、白黒 256階調でサイ
ズ=18×18画素であり、画像を 324(=18×18)次元の
パラメータ空間のベクトルとして扱った。 【0066】良品画像の学習サンプルとして5枚の良品
画像を与え、第2基底成分までを除去した画像で判定を
行うこととし、判定サンプルには、学習サンプルに利用
したものとは別の2枚の良品画像と2枚の不良品画像を
選んだ。 【0067】初めに、学習サンプルから良品特徴画像と
必要数の基底ベクトルを求める。 【0068】図10は良品画像の学習サンプル、図11
はこれらから求められる基底ベクトル、図12(A)は
良品画像サンプルの第2基底成分までを除去した画像、
図12(B)は良品特徴画像を示す。 【0069】図10の学習サンプル画像では、左側に部
品がある。前述のように、画像のほぼ左半分がフィレッ
ト部で暗く、残り右側がハンダランド部で明るく写って
いる。また、左側のフィレット部である暗い部分の幅が
微妙に異なっていることも分かる。 【0070】図11では、共分散行列を固有値展開して
求めた固有ベクトルを、対応する固有値の大きいものか
ら順に示している。基底ベクトルを画像化して表示する
際に輝度の引き延ばしを行っている。 【0071】次に、図13(A)は検査対象画像、
(B)は検査対象画像から第2基底ベクトル成分までを
除去した画像、(C)は(B)の画像と「良品特徴画
像」との差画像、各差画像の判定値及び判定結果を示
す。判定値は、各差画像のノルムである。 【0072】図13(A)〜(C)において、それぞれ
左側の5枚が良品画像、右側の5枚が不良品画像であ
る。不良品サンプルは、未ハンダ部分のように、実際に
ハンダ付け不良であったものの画像である。 【0073】図13(C)において不良品画像の判定値
は、良品画像の判定値に比べて十分に大きな値になって
いることから、5枚の良品画像から求めた基底ベクトル
ではあるが、有効な推定値であると判断できる。 【0074】同じ条件で、その他の部品に適用した結果
を次の表1に示す。 【0075】 【表1】 上表において、“C15”,“C87”,“C111”
は各々チップコンデンサの名称、“R50”,“R13
6”は各々抵抗素子の名称である。 【0076】表1から分かる通り、ここで挙げた全ての
部品で、良品画像での判定値の最大値が不良品画像での
判定値の最小値よりも十分に小さくなっている。これよ
り、良品/不良品の判別ができていることが確認でき
た。 【0077】以上の実施例では、実際のハンダフィレッ
ト画像に対して、部分空間法を応用し、良品サンプル画
像におけるばらつきを自動的に取り除くことにより、良
品画像との比較検査を安定して行うことができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の方法を実施するシステム構成図。 【図2】ハンダフィレットの形状と映り方の原理を示す
図。 【図3】良品のハンダフィレットのばらつきの例を示す
図。 【図4】画像を生成する処理手順を示すフローチャー
ト。 【図5】実装部品と検査ウインドウの相対位置関係を示
す図。 【図6】実装部品の端子部分の画像取り込み部分を示す
図。 【図7】取り込み画像のモザイク化を示す図。 【図8】画像信号の非線形変換の概要を示す図。 【図9】本発明による学習から判定までの処理手順を示
すフローチャート。 【図10】良品画像の学習サンプルを示す図。 【図11】画像の基底ベクトルを示す図。 【図12】良品画像の学習サンプルの特徴と良品特徴画
像を示す図。 【図13】検査対象画像と良品特徴画像との差画像とそ
の判定値を示す図。 【符号の説明】 1…回路基板、2…部品、3a及び3b…部品(画
像)、4…検査ウインドウ、5a及び5b…切り出し画
像、6…照明器、7…TVカメラ、8…フレームメモ
リ、9…コンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G01B 11/00 - 11/30 G06K 9/46 - 9/82

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】回路基板上に実装された部品の接続状態の
    良否を検査する方法において、 (a)複数の良品サンプルの映像から良品画像を生成
    し、共分散行列を求めるステップ、 (b)得られた共分散行列Rから基底ベクトル{ui
    を求めるステップ、及び (c)前記良品画像xから前記基底ベクトルの成分を除
    去したベクトルx”の平均Eを求め、良品の特徴画像
    (x”)とするステップを含む学習処理と、 (d)検査対象の回路基板の映像から検査画像zを生成
    し、該検査画像zから前記基底ベクトルの成分を除去
    たベクトルz”を求めるステップ、 (e)除去した結果ベクトルz”と前記良品の特徴画像
    E(x”)との差を求めるステップ、及び (f)得られた差を所定の値と比較して良否を判定する
    ステップを含む判定処理とを実行することを特徴とす
    る、部品の接続良否検査方法。
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