JP3446596B2 - 周波数測定装置 - Google Patents

周波数測定装置

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JP3446596B2
JP3446596B2 JP08541498A JP8541498A JP3446596B2 JP 3446596 B2 JP3446596 B2 JP 3446596B2 JP 08541498 A JP08541498 A JP 08541498A JP 8541498 A JP8541498 A JP 8541498A JP 3446596 B2 JP3446596 B2 JP 3446596B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波レンズ
内の干渉パターンを用いて、入力信号の周波数を測定す
る周波数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
特開平4−269662号公報のものが知られている。
この公報に記載された従来の周波数測定装置を、図10
を用いて説明する。同図において、21は入力信号、2
2は入力信号を複数の信号に分波する分波器、23,2
5は信号を伝達する伝送路、24は信号をそれぞれ減衰
させる減衰器、26はマイクロ波レンズ、27はマイク
ロ波レンズの出力から出力レベルを比較して周波数を算
出するレベル比較器である。
【0003】次に、動作について説明する。上記のよう
に構成された従来の周波数測定装置では、入力信号1は
分波器2によって等振幅、同位相のN本の信号に分波さ
れる。分波された信号はそれぞれ等長の伝送路を通り、
減衰器4により、ある決まった割合ai(i=1,2,
…,N)だけ減衰させられる。減衰した信号はそれぞれ
等長の伝送路5を通り、マイクロ波レンズ4の入力ポー
トPi(i=1,2,…,N)に入力される。マイクロ
波レンズ4の各出力ポートOj(j=1,2,…,M)
では、各入力ポートPiに入力された信号を合成して出
力する。
【0004】ここで、マイクロ波レンズの内部で信号が
どのように合成されるかを説明する。マイクロ波レンズ
4の各入力ポートPiから出力ポートOjまで進行する信
号はそれぞれ電気長が以下のようになっている。
【0005】
【数1】
【0006】このため、各入力ポートPiに入力された
信号が出力ポートOjに達する時間(Tij)は、マイク
ロ波レンズ内の信号の伝搬速度Cとすると、以下のよう
になる。
【0007】
【数2】
【0008】その結果、出力ポートOjから出力される
合成信号をSj(t)、入力信号1をs(t)とする
と、Sj(t)は以下のように表現される。
【0009】
【数3】
【0010】以上のように、マイクロ波レンズでは、式
(3)で示すような原理で信号合成が行われる。このた
め、出力信号Sj(t)の周波数特性は以下のように表
すことができる。
【0011】
【数4】
【0012】式(4)より、出力ポートOjの信号は、
周波数特性がHj(f)となる周波数フィルタに入力信
号を通したことと等価になる。また、フィルタ特性Hj
(f)は、FIRフィルタの周波数特性と同様であるた
め、減衰器の減衰量ajをFIRフィルタの設計と同様
に適当な値に設計することにより、入力信号の周波数f
に合わせて、特定のΔτjつまり特定の出力ポートのみ
から選択的に信号を出力させることができる。
【0013】このため、レベル比較回路7でマイクロ波
レンズの各出力ポートOjの出力を比較して、出力が最
大となる出力ポートOjを求めることにより、出力ポー
トOjに対応した周波数を入力信号の周波数として特定
することができる。なお、他の従来の技術には、特開平
4−43968号公報、特開昭57−141102号公
報などがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
周波数測定装置は、減衰率の異なる多数の減衰器を備え
る必要があるため、回路実装の容易さ及び装置の小型化
の上で問題であった。本発明は、このような問題を解決
するためになされたもので、回路実装が容易で且つ装置
の小型化が容易な周波数測定装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る周波数測
定装置は、入力信号を複数の信号に分配する入力信号分
配手段と、複数の入力部を有し、前記入力信号分配手段
で分配され、複数の入力部を介して入力された複数の信
号を遅延時間をずらしながら合成して、この合成で得ら
れた複数の合成信号を出力部より出力するマイクロ波レ
ンズと、前記入力信号分配手段で分配された複数の信号
を各々入力させる前記マイクロ波レンズの複数の前記入
力部を選択する選択手段と、この選択手段を制御して複
数の前記入力部のうち所定の入力部を選択する切替制御
手段と、前記マイクロ波レンズから出力される合成信号
の包絡線を検出する検波手段と、前記マイクロ波レンズ
から出力され、前記検波手段から出力される検波信号に
基づいて、前記入力信号の周波数を算出する周波数算出
手段とを備えたものです。
【0016】この発明に係る周波数測定装置は、入力信
号を複数の信号に分配する入力信号分配手段と、この入
力信号分配手段で分配された信号が入力される第1の入
力ポート、この第1の入力ポートと所定間隔を置いて配
置された第2の入力ポート、前記第1および第2の入力
ポートの間隔よりも間隔が広くなるように配置された第
3の入力ポートが設けられ、前記第1、第2、第3の入
力ポートより入力された遅延時間のずらし量の異なる複
数の信号の合成を行い、これらの合成で得られた複数の
合成信号群を出力するマイクロ波レンズと、前記マイク
ロ波レンズから出力される合成信号の包絡線を検出する
検波手段と、前記マイクロ波レンズから出力され、前記
検波手段から出力される検波信号に基づいて、前記入力
信号の周波数を算出する周波数算出手段とを備えたもの
です。
【0017】また、この発明に係る周波数測定装置は、
入力信号を2つの信号に分配する前記入力信号分配手段
を備えたものです。
【0018】また、この発明に係る周波数測定装置は、
前記合成信号の変動周期を検出する極大点算出器を有す
る前記周波数算出手段を備えたものです。
【0019】また、この発明に係る周波数測定装置は、
前記合成信号をフーリエ変換するフーリエ変換器と、前
記フーリエ変換器の出力に基づいて前記合成信号の変動
周期を検出する最大値検出器とを有する前記周波数算出
手段を備えたものです。
【0020】この発明に係る周波数測定装置は、入力信
号を複数の等位相信号に分配する第1の入力信号分配手
段と、前記第1の入力信号分配手段で分配された一部の
等位相信号を複数の等位相信号に分配する第2の入力信
号分配手段と、前記第1の入力信号分配手段で分配され
た一部の等位相信号を入力して位相を反転させた複数の
反転位相信号を出力する位相反転手段と、前記入力信号
分配手段で分配された複数の等位相信号を入力してこれ
らの等位相信号を遅延時間をずらしながら合成して出力
する第1のマイクロ波レンズと、前記位相反転手段で位
相を反転させた複数の反転位相信号を入力してこれらの
反転位相信号を遅延時間をずらしながら合成して出力す
る第2のマイクロ波レンズと、前記第1のマイクロ波レ
ンズから出力された合成信号のピークレベルを包絡線の
データとして検出する第1の検波手段と、前記第2のマ
イクロ波レンズから出力された合成信号のピークレベル
を包絡線のデータとして検出する第2の検波手段と、前
記第1の検波手段と前記第2の検波手段から出力された
検波出力の比に基づいて前記入力信号の周波数を算出す
る周波数算出手段とを備えたものです。
【0021】また、この発明に係る周波数測定装置は、
前記マイクロ波レンズに設けられた複数の入力部と、前
記入力信号分配手段から出力された前記等位相信号およ
び前記位相反転手段から出力された信号を各々入力させ
る前記入力部を選択する選択手段とを備えたものです。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る周波数測定装
置の好適な実施形態について添付図面を参照して説明す
る。
【0023】実施の形態1. 図1(a)は、実施の形態1に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。図1(a)において、1は入力信
号、2は入力信号1を等電力および等位相に分波する分
波器(入力信号分配手段)、3a,3bは信号を伝達す
る伝送路、4はロットマンレンズに代表されるマイクロ
波レンズ、5はマイクロ波レンズ4から出力される合成
信号の包絡線を検出する検波器、6は各検波器5から出
力される検波信号に基づいて入力信号1の周波数を算出
する周波数算出器(周波数算出手段)である。
【0024】次に、実施の形態1の周波数測定装置の動
作について説明する。図1(a)において、分波器2に
入力された入力信号1は、等電力および等位相に分波さ
れ、それぞれ伝送路3a,3bを通ってマイクロ波レン
ズ4の入力ポート(入力部)Ii(i=1,2)に入力
される。マイクロ波レンズ4では、入力ポートIiに入
力された信号を遅延時間をずらしながら合成して、この
合成で得られた複数の合成信号を各出力ポートOj(j
=1,2,…,M)から出力させる。
【0025】マイクロ波レンズ4の各出力ポートOj
ら出力された合成信号は各検波器5に与えられ、各検波
器5では合成信号のピークレベルを包絡線のデータとし
て検出する。更に検波器5から出力された検波信号は周
波数算出器6に入力され、周波数算出器6ではこの検波
信号に基づいて入力信号1の周波数を算出する。
【0026】周波数算出器6では、以下に示す演算を行
って周波数を算出する。まず、マイクロ波レンズ4の入
力ポートIiから出力ポートOjまで進行する信号はそれ
ぞれ電気長が以下のようになっている。
【0027】
【数5】
【0028】このため、各入力ポートIiに入力された
信号が出力ポートOjに達する時間(Tij)は、マイク
ロ波レンズ4内部の信号の伝搬速度Cとすると、以下の
ようになる。
【0029】
【数6】
【0030】さらに、入力信号1をs(t)、各出力ポ
ートOjから出力される合成信号をSj(t)(jは出力
ポートの番号)とすると、合成信号Sj(t)は以下の
ようになる。
【0031】
【数7】
【0032】ところで、周波数がfの信号は、eの(2
πjft)乗のように表現できる。これより、式(7)
は、以下のように表現できる。
【0033】
【数8】
【0034】式(8)より、各出力ポートOjから出力
された合成信号を各検波器5で測定すると、各合成信号
は以下の式に従い変化する。
【0035】
【数9】
【0036】式(9)より、各出力ポートOjについ
て、τjが出力ポート番号jに従い変化するように、例
えば以下のτj=(j−1)τのように設定すると、式
(9)で表される各出力ポートOjの検波信号は、式
(10)のように表現される。
【0037】
【数10】
【0038】式(10)より、図1(b)に示すような
検波信号が各検波器5から出力されると、各検波信号は
周波数算出器6に入力される。図2に示すように、周波
数算出器6は、極大点算出器7と変換器8とを備えてい
る。そして、周波数算出器6に入力された各検波信号は
極大点算出器7に与えられ、極大点算出器7では各検波
信号の極大点が算出される。極大点算出器7で算出され
た各検波信号の極大点は変換器8に与えられ、変換器8
では、各検波信号の極大点の変動周期に基づき次式の演
算を行うことにより、入力信号1の周波数を算出するこ
とができる。
【0039】
【数11】
【0040】以上のように、実施の形態1の周波数測定
装置を用いれば、極めて簡単な装置構成で、入力信号の
周波数を測定することができる。そして、実施の形態1
の周波数測定装置は、従来の装置のように減衰率の異な
る多数の減衰器を使用していないので、回路実装が容易
になり、装置の小型化を図ることができる。
【0041】実施の形態2.次に、実施の形態2に係る
周波数測定装置について説明する。図3は、実施の形態
2に係る周波数測定装置が備える周波数算出器6を示す
ブロック図である。この実施の形態2が図2に示す実施
の形態1と異なるのは、極大点算出器7の代わりにフー
リエ変換器9および最大値検出器10を備えている点で
ある。その他の構成については実施の形態1と同一又は
同等である。従って、実施の形態1と同一又は同等な構
成部分については同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0042】図3に示すように、各検波器5から出力さ
れる検波信号は、式(8)のような周期性を持つため、
フーリエ変換器9でフーリエ変換すると、その出力は、
検波出力の変動周期について最大の値を示す。そのた
め、フーリエ変換器9での変換結果より最大値検出器1
0で検波出力の変動周期を求め、その結果より変換器8
で式(11)を用いて入力信号1の周波数を算出するこ
とができる。
【0043】実施の形態3. 次に、実施の形態3に係る周波数測定装置について説明
する。図4は、実施の形態3に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。この実施の形態3が図1に示す実施
の形態1と異なるのは、出力ポートOjが等間隔に配置
されたマイクロ波レンズ4の代わりに、出力ポートOj
の一部が異なる間隔で配置されたマイクロ波レンズ4a
を備えている点である。その他の構成については実施の
形態1と同一又は同等である。従って、実施の形態1と
同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、そ
の説明は省略する。図4に示すように、マイクロ波レン
ズ4aは一端側に比べて他端側の出力ポートOjの配置
間隔を広く取っている。このように、他端側の出力ポー
トOjの配置間隔だけを広く取ることにより、周波数の
測定範囲を狭くすることなく、全体の出力ポート数を減
らすことが可能になる。図4に示す構成では、各検波出
力のポート間の変動周期を測定して周波数を算出してい
るため、測定可能な周波数は以下のように制限される。
【0044】
【数12】
【0045】式(12)の関係より、実施の形態1の周
波数測定装置においては、出力ポートOjから出力され
る2つの信号の合成時の遅延時間の差τが固定の場合、
測定可能な周波数範囲は出力ポートOjの数により決定
する。このため、実施の形態3の周波数測定装置では、
出力ポートOjを測定する周波数毎に数個のグループに
分割し、それぞれ測定する周波数に合わせて出力ポート
jの間隔、即ちτを調整している。
【0046】その結果、等間隔に出力ポートOjを配置
するのに比べて、少ない出力ポート数で広範囲の周波数
測定を行うことが可能になる。このように、マイクロ波
レンズ4aの出力ポート数を減少させることができるの
で、マイクロ波レンズ4aに出力ポートOjを形成する
加工作業が容易になる。
【0047】実施の形態4. 次に、実施の形態4に係る周波数測定装置について説明
する。図5は、実施の形態4に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。この実施の形態4が図1に示す実施
の形態1と異なるのは、一対の入力ポートI1,I2を有
するマイクロ波レンズ4の代わりに、多数の入力ポート
i(i=1,2,…,N)を有するマイクロ波レンズ
4bを備えている点と、分波器2とマイクロ波レンズ4
bとの間にスイッチ(選択手段)11a,11bを備え
ている点と、スイッチ11a,11bを制御する切替制
御器12を備えている点とである。その他の構成につい
ては実施の形態1と同一又は同等である。従って、実施
の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号
を付し、その説明は省略する。
【0048】図5に示すように、分波器2から延在した
2本の伝送路3a,3bが各スイッチ11a,11bに
接続されている。各スイッチ11a,11bからは、そ
れぞれN本の伝送路が延在しており、これらの伝送路が
マイクロ波レンズ4bの各入力ポートIiに接続されて
いる。各スイッチ11a,11bは、切替制御器12の
制御の下、N本の伝送路から選択された伝送路と、分波
器2から延在した伝送路3a,3bとを接続させてお
り、分波器2で分波された入力信号1は、マイクロ波レ
ンズ4bのいずれかの入力ポートIiに導びかれる。
【0049】上述したように、実施の形態1の周波数測
定装置においては、測定可能な周波数範囲は、式(1
2)の範囲に制限される。これに対して、実施の形態4
の周波数測定装置では、各入力ポートIiから出力ポー
トOjへの遅延時間差を決定する定数τが、いずれの入
力ポートIiを選択するかによって変わってくる。その
結果、切替制御器12で適当な入力ポートIiを選択す
ることにより、広い周波数範囲について式(12)の条
件を満足でき、本装置を広い周波数範囲で使用すること
が可能になる。
【0050】実施の形態5. 次に、実施の形態5に係る周波数測定装置について説明
する。図6は、実施の形態5に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。この実施の形態5が図1に示す実施
の形態1と異なるのは、単一の出力ポート群Oj(j=
1,2,…,M)を有するマイクロ波レンズ4の代わり
に、一対の出力ポート群Oj(j=1,2,…,M)を
有するマイクロ波レンズ4cを備えている点と、分波器
2とマイクロ波レンズ4bとの間に分波器2a,2bを
備えている点とである。その他の構成については実施の
形態1と同一又は同等である。従って、実施の形態1と
同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、そ
の説明は省略する。
【0051】図6に示すように、分波器2から延在した
2本の伝送路3a,3bが各分波器2a,2bに接続さ
れている。分波器2aからは伝送路3c,3dが延在し
ており、これらの伝送路3c,3dがマイクロ波レンズ
4cの入力ポートI1,I2に接続されている。また、分
波器2bからは伝送路3eが延在しており、この伝送路
3eがマイクロ波レンズ4cの入力ポートI3に接続さ
れている。その結果、入力信号1は、分波器2,2a,
2bによって3本の信号に分波され、マイクロ波レンズ
4cに入力される。
【0052】マイクロ波レンズ4cでは、入力ポートI
1に入力された信号と入力ポートI2に入力された信号と
が遅延時間をずらしながら合成されて、複数の合成信号
が一方の出力ポート群Ojから出力される。また、入力
ポートI2に入力された信号と入力ポートI3に入力され
た信号とが遅延時間をずらしながら合成されて、複数の
合成信号が他方の出力ポート群Ojから出力される。
【0053】ここで、マイクロ波レンズ4cの入力ポー
トI1と入力ポートI2との間隔に比べて、入力ポートI
2と入力ポートI3との間隔が広くなるように配置されて
いる。このため、入力ポートI1に入力された信号と入
力ポートI2に入力された信号とが合成される際の遅延
時間のずらし量に比べて、入力ポートI2に入力された
信号と入力ポートI3に入力された信号とが合成される
際の遅延時間のずらし量が大きくなる。
【0054】その結果、一対の出力ポート群Ojでそれ
ぞれ異なる範囲の周波数の測定が可能になり、実施の形
態1の周波数測定装置に対して、約2倍の周波数範囲に
ついて周波数の測定を行うことができる。
【0055】実施の形態6. 図7は、実施の形態6に係る周波数測定装置の構成を示
す図である。図7において、1は入力信号、2aは入力
信号1を等電力および等位相に分波する分波器(入力信
号分配手段)、3a〜3fは信号を伝達する伝送路、4
a,4eはマイクロ波レンズ、5a,5bはマイクロ波
レンズ4から出力される合成信号の包絡線を検出する検
波器、6は各検波器5a,5bから出力される検波信号
に基づいて入力信号1の周波数を算出する周波数算出器
(周波数算出手段)、13は入力信号1を等電力で分波
し且つ出力の一方の位相を反転(180°移相)する位
相反転分波器(位相反転手段)である。
【0056】次に、実施の形態6の周波数測定装置の動
作について説明する。図7において、分波器2に入力さ
れた入力信号1は、等電力および等位相に分波され、そ
れぞれ伝送路3a,3bを通って分波器2aおよび位相
反転分波器13に入力される。分波器2aに入力された
入力信号1は2本の等位相信号に分波され、マイクロ波
レンズ4dに入力される。また、位相反転分波器13に
入力された入力信号1は2本の反転位相信号に分波さ
れ、マイクロ波レンズ4eに入力される。
【0057】マイクロ波レンズ4dでは、入力ポートI
1,I2に入力された等位相信号が遅延時間をずらしなが
ら合成されて、2本の合成信号が出力ポートO1,O2
ら出力される。また、マイクロ波レンズ4eでは、入力
ポートI1,I2に入力された反転位相信号が遅延時間を
ずらしながら合成されて、2本の合成信号が出力ポート
1,O2から出力される。
【0058】マイクロ波レンズ4d,4eから出力され
た合成信号は各検波器5a,5bに与えられ、各検波器
5a,5bでは合成信号のピークレベルを包絡線のデー
タとして検出する。更に検波器5a,5bから出力され
た検波信号は周波数算出器6に入力され、周波数算出器
6ではこの検波信号に基づいて入力信号1の周波数を算
出する。
【0059】周波数算出器6では、以下に示すような演
算を行って周波数を算出する。ここで、等位相信号を合
成したマイクロ波レンズ4dの検波出力は式(10)に
従うが、反転位相信号を合成したマイクロ波レンズ4e
の検波出力は以下のようになる。
【0060】
【数13】
【0061】式(10)および式(13)より、2枚の
マイクロ波レンズ4d,4eのそれぞれに対応する出力
ポートOjの検波出力同士の比は以下のようになる。
【0062】
【数14】
【0063】式(14)より、f、Δτjに関して、以
下の式が成立する。
【0064】
【数15】
【0065】式(15)の関係より、2枚のマイクロ波
レンズ4d,4eのそれぞれに対応する出力ポートOj
の検波出力の比に基づいて、周波数fはアンビギュティ
(2nπ)を含んで算出できる。周波数算出器6では、
この原理を用いて周波数fをアンビギュティなしに正確
に求めるために、式(15)の計算を近接した一対の出
力ポートO1,O2について算出し、その差を利用して以
下の式のように周波数を算出している。
【0066】
【数16】
【0067】以上のように、2枚のマイクロ波レンズ4
d,4eのそれぞれに対して、最低2個の出力ポートO
1,O2を用いて周波数測定を行うことができる。このよ
うに、マイクロ波レンズ4d,4eの出力ポート数を減
少させることにより、マイクロ波レンズ4d,4eに出
力ポートOjを形成する加工作業が容易になる。
【0068】実施の形態7. 次に、実施の形態7に係る周波数測定装置について説明
する。図8は、実施の形態7に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。この実施の形態7が図7に示す実施
の形態6と異なるのは、一対のマイクロ波レンズ4d,
4eの代わりに、3個の入力ポートI1,I2,I3と4
個の出力ポートO1,O2,O1,O2とを有する単一のマ
イクロ波レンズ4fを備えている点である。その他の構
成については実施の形態6と同一又は同等である。従っ
て、実施の形態6と同一又は同等な構成部分については
同一符号を付し、その説明は省略する。
【0069】図8に示すように、分波器2aから延在し
た伝送路3c,3dがマイクロ波レンズ4fの入力ポー
トI1,I2に接続されている。また、移相反転分波器1
3から延在した伝送路3eがマイクロ波レンズ4fの入
力ポートI3に接続されている。その結果、分波器2に
入力された入力信号1は分波器2aおよび位相反転分波
器13によって3本の信号に分波され、マイクロ波レン
ズ4fに入力される。
【0070】マイクロ波レンズ4fでは、入力ポートI
1に入力された信号と入力ポートI2に入力された信号と
が遅延時間をずらしながら合成されて、2本の合成信号
が一方の出力ポートO1,O2から出力される。また、入
力ポートI2に入力された信号と入力ポートI3に入力さ
れた信号とが遅延時間をずらしながら合成されて、2本
の合成信号が他方の出力ポートO1,O2から出力され
る。
【0071】マイクロ波レンズ4fから出力された合成
信号は各検波器5に与えられ、各検波器5では合成信号
のピークレベルを包絡線のデータとして検出する。更に
検波器5から出力された検波信号は周波数算出器6に入
力され、周波数算出器6ではこの検波信号に基づいて入
力信号1の周波数を算出する。
【0072】以上のように、マイクロ波レンズ4fに対
して、最低4個の出力ポートO1,O2,O1,O2を用い
て周波数測定を行うことができる。このように、マイク
ロ波レンズ4fの出力ポート数を減少させることによ
り、マイクロ波レンズ4fに出力ポートOjを形成する
加工作業が容易になる。
【0073】実施の形態8. 次に、実施の形態8に係る周波数測定装置について説明
する。図9は、実施の形態8に係る周波数測定装置の構
成を示す図である。この実施の形態8が図7に示す実施
の形態6と異なるのは、一対の入力ポートI1,I2を有
するマイクロ波レンズ4d,4eの代わりに、多数の入
力ポートIi(i=1,2,…,N)を有するマイクロ
波レンズ4g,4hを備えている点と、分波器2aとマ
イクロ波レンズ4gとの間にスイッチ(選択手段)11
a,11bを備えている点と、位相反転分波器13とマ
イクロ波レンズ4hとの間にスイッチ(選択手段)11
c,11dを備えている点と、スイッチ11a〜11d
を制御する切替制御器12a,12bを備えている点と
である。その他の構成については実施の形態6と同一又
は同等である。従って、実施の形態6と同一又は同等な
構成部分については同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0074】図9に示すように、分波器2aから延在し
た2本の伝送路3c,3dが各スイッチ11a,11b
に接続されている。各スイッチ11a,11bからは、
それぞれN本の伝送路が延在しており、これらの伝送路
がマイクロ波レンズ4gの各入力ポートIiに接続され
ている。各スイッチ11a,11bは、切替制御器12
aの制御の下、N本の伝送路から選択された伝送路と、
分波器2aから延在した伝送路3c,3dとを接続させ
ており、分波器2aで分波された入力信号1は、マイク
ロ波レンズ4gのいずれかの入力ポートIiに導びかれ
る。
【0075】また、位相反転分波器13から延在した2
本の伝送路3e,3fが各スイッチ11c,11dに接
続されている。各スイッチ11c,11dからは、それ
ぞれN本の伝送路が延在しており、これらの伝送路がマ
イクロ波レンズ4hの各入力ポートIiに接続されてい
る。各スイッチ11c,11dは、切替制御器12bの
制御の下、N本の伝送路から選択された伝送路と、位相
反転分波器13から延在した伝送路3e,3fとを接続
させており、位相反転分波器13で分波された入力信号
1は、マイクロ波レンズ4hのいずれかの入力ポートI
iに導びかれる。
【0076】上述したように、実施の形態6の周波数測
定装置においては、測定可能な周波数範囲は、式(1
2)の範囲に制限される。これに対して、実施の形態8
の周波数測定装置では、各入力ポートIiから出力ポー
トOjへの遅延時間差を決定する定数τが、いずれの入
力ポートIiを選択するかによって変わってくる。その
結果、式(12)の範囲を広くすることができ、本装置
を広い周波数範囲で使用することが可能になる。
【0077】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内におい
て、例えば以下のように変更することも可能である。実
施の形態6,8では、各マイクロ波レンズ4d,4e,
4g,4hに2個の出力ポートO1,O2を設けて、これ
らの出力ポートO1,O2から出力される合成信号を用い
て入力信号1の周波数を算出していたが、各マイクロ波
レンズ4d,4e,4g,4hに3個以上の出力ポート
を設けて、これらの出力ポートから出力される合成信号
を用いて入力信号1の周波数を算出してもよい。このよ
うに、多くの合成信号から入力信号1の周波数を算出す
れば、周波数の算出精度が向上する。
【0078】同様に、実施の形態7では、マイクロ波レ
ンズ4fに4個(2組)の出力ポートO1,O2,O1
2を設けて、これらの出力ポートから出力される合成
信号を用いて入力信号1の周波数を算出していたが、マ
イクロ波レンズ4fに6個(3組)以上の出力ポートを
設けて、これらの出力ポートから出力される合成信号を
用いて入力信号1の周波数を算出してもよい。
【0079】
【発明の効果】本発明による周波数測定装置は、以上の
ように構成されているため次のような効果を得ることが
できる。即ち、減衰率の異なる多数の減衰器を使用して
いないため、回路実装を容易にし、装置の小型化が図れ
るといった効果が発揮される。また、マイクロ波レンズ
の入力ポートの信号入力を切り替えて使用することによ
り、広範囲の周波数を測定できるといった効果が発揮さ
れる。さらに、1枚のマイクロ波レンズで異なる2つの
入力ポートを使用して合成する信号出力を使用すること
により、広範囲の周波数を測定できるといった効果が発
揮される。さらにまた、2枚のマイクロ波レンズを用い
て異なる条件での信号の合成を2通り行い、その比を使
用することにより、少ない出力ポートを使用して正確に
周波数を算出することができるといった効果が発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図2】 周波数算出器の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 実施の形態2に係る周波数測定装置に設けら
れた周波数算出器の構成を示すブロック図である。
【図4】 実施の形態3に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図5】 実施の形態4に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図6】 実施の形態5に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図7】 実施の形態6に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図8】 実施の形態7に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図9】 実施の形態8に係る周波数測定装置の構成を
示す図である。
【図10】 従来の周波数測定装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…入力信号、2,2a…分波器(入力信号分配手
段)、4,4a〜4h…マイクロ波レンズ、6…周波数
算出器(周波数算出手段)、7…極大点算出器、9…フ
ーリエ変換器、10…最大値検出器、11a〜11d…
スイッチ(選択手段)、13…位相反転分波器(位相反
転手段)、I1〜IN…入力ポート(入力部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 23/02 G01R 23/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を複数の信号に分配する入力信
    号分配手段と、複数の入力部を有し、 前記入力信号分配手段で分配さ
    れ、複数の入力部を介して入力された複数の信号を遅延
    時間をずらしながら合成して、この合成で得られた複数
    の合成信号を出力部より出力するマイクロ波レンズと、前記入力信号分配手段で分配された複数の信号を各々入
    力させる前記マイクロ波レンズの複数の前記入力部を選
    択する選択手段と、 この選択手段を制御して複数の前記入力部のうち所定の
    入力部を選択する切替制御手段と、 前記マイクロ波レンズから出力される合成信号の包絡線
    を検出する検波手段と、 前記マイクロ波レンズから出力され、前記検波手段から
    出力される検波信号に基づいて、前記入力信号の周波数
    を算出する周波数算出手段とを備えたことを特徴とする
    周波数測定装置。
  2. 【請求項2】 入力信号を複数の信号に分配する入力信
    号分配手段と、この入力信号分配手段で分配された信号が入力される第
    1の入力ポート、この第1の入力ポートと所定間隔を置
    いて配置された第2の入力ポート、前記第1および第2
    の入力ポートの間隔よりも間隔が広くなるように配置さ
    れた第3の入力ポートが設けられ、前記第1、第2、第
    3の入力ポートより入力された遅延時間のずらし量の異
    なる複数の信号の合成を行い、これらの合成で得られた
    複数の合成信号群を出力する マイクロ波レンズと、前記マイクロ波レンズから出力される合成信号の包絡線
    を検出する検波手段と、 前記マイクロ波レンズから出力され、前記検波手段から
    出力される検波信号に基づいて、前記入力信号の周波数
    を算出する周波数算出手段とを備えたことを特徴とする
    周波数測定装置。
  3. 【請求項3】 前記入力信号分配手段は、入力信号を2
    つの信号に分配することを特徴とする請求項1記載の周
    波数測定装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数算出手段は、前記合成信号の
    変動周期を検出する極大点算出器を備えることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の周波数測定装置。
  5. 【請求項5】 前記周波数算出手段は、前記合成信号を
    フーリエ変換するフーリエ変換器と、前記フーリエ変換
    器の出力に基づいて前記合成信号の変動周期を検出する
    最大値検出器とを備えることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の周波数測定装置。
  6. 【請求項6】 入力信号を複数の等位相信号に分配する
    第1の入力信号分配手段と、前記第1の入力信号分配手段で分配された一部の等位相
    信号を複数の等位相信号に分配する第2の入力信号分配
    手段と、 前記第1の入力信号分配手段で分配された一部の等位相
    信号を入力して位相を反転させた複数の反転位相信号を
    出力する位相反転手段と、前記入力信号分配手段で分配された複数の等位相信号を
    入力してこれらの等位相信号を遅延時間をずらしながら
    合成して出力する第1のマイクロ波レンズと、 前記位相反転手段で位相を反転させた複数の反転位相信
    号を入力してこれらの反転位相信号を遅延時間をずらし
    ながら合成して出力する第2のマイクロ波レンズと、 前記第1のマイクロ波レンズから出力された合成信号の
    ピークレベルを包絡線のデータとして検出する第1の検
    波手段と、 前記第2のマイクロ波レンズから出力された合成信号の
    ピークレベルを包絡線のデータとして検出する第2の検
    波手段と、 前記第1の検波手段と前記第2の検波手段から出力され
    た検波出力の比に基づいて 前記入力信号の周波数を算出
    する周波数算出手段とを備えたことを特徴とする周波数
    測定装置。
  7. 【請求項7】 前記マイクロ波レンズに設けられた複数
    の入力部と、 前記入力信号分配手段から出力された前記等位相信号お
    よび前記位相反転手段から出力された信号を各々入力さ
    せる前記入力部を選択する選択手段とを備えることを特
    徴とする請求項記載の周波数測定装置。
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久保田 広,波動光学,岩波書店,1971年 2月 2日,57−62

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