JP3442261B2 - 試薬分注装置 - Google Patents

試薬分注装置

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JP3442261B2 JP17824097A JP17824097A JP3442261B2 JP 3442261 B2 JP3442261 B2 JP 3442261B2 JP 17824097 A JP17824097 A JP 17824097A JP 17824097 A JP17824097 A JP 17824097A JP 3442261 B2 JP3442261 B2 JP 3442261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の試薬をそれ
ぞれ目的の位置に分注する試薬分注装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動分析装置は、近年の検体数の増加に
伴い、処理能力の高い装置が望まれ、小形の装置を複数
台並べた並列方式が採用されている。しかし、並列方式
は、部品数が倍増し、コスト,信頼性の点から得策では
ない。
【0003】自動分析装置において、複数の試薬を分注
する試薬分注装置に関しては、従来方式を大別すると、
ピペッティング方式とディスペンサ方式に分けられる。
【0004】ピペッティング方式は、例えば、特開昭6
2−44663号公報に記載されているもののように、
複数の試薬に対して、一つのノズル、及び一つのシリン
ジ等を用い、このノズルから目的の試薬をシリンジ等内
に吸引した後、ノズルを目的の場所に移動させて、シリ
ンジ等内の試薬をノズルから吐出する方式である。この
方式では、試薬間のコンタミネーションを防ぐために、
一度、ある試薬を分注した後、他の試薬を分注する前
に、ノズル及びシリンジ等を洗浄水で洗浄する必要があ
る。そのため、多量の純水を消費するという欠点があ
る。また、毎回、ノズルを試薬吸引位置から試薬吐出位
置まで往復移動させる上に、洗浄動作が入るために、分
注のサイクルタイムが長くなってしまうという欠点もあ
る。また、ノズルの往復移動のために比較的複雑で大き
なロボット等が必要になるとい欠点もある。さらに、洗
浄処理で使用する洗浄水により、シリンジ内に吸い込ん
だ試薬が薄まるのを極力避けるために、試薬ダミーを吸
い込む必要が生じ、無駄に試薬を消費してしまうという
欠点がある。
【0005】一方、ディスペンサ方式は、例えば、特開
昭60−2250645号公報や特公平1−26509
号公報、特開平4−160367号公報に記載されてい
るもののように、複数の試薬に対して、試薬の数量分の
ノズル、及び試薬の数量分の試薬シリンジ(又は試薬容
器)を用い、つまり、各試薬毎に、専用のノズル及び試
薬シリンジ(又は試薬容器)を用いる方式である。この
方式では、試薬間のコンタミネーションもなく、各ノズ
ルを対応する試薬吐出位置にそれぞれ置いておけば、各
ノズルを移動させる必要がないため、分注サイクルタイ
ムが短く、ノズル移動用のロボット等も不要なり、ピペ
ッティング方式の多くの欠点を解消することができる。
【0006】ところで、ディスペンサ方式の各従来技術
において、特開昭60−2250645号公報に記載さ
れているものは、複数の試薬容器と、この試薬容器の数
量分の試薬ノズルと、試薬容器の数量分の三方弁(三方
流路切換器)と、一つの試薬シリンジとを備えたもので
ある。三方弁の三つの開口は、それぞれ、対応する試薬
容器、対応する試薬ノズル、試薬シリンジに接続されて
いる。この試薬分注装置は、試薬シリンジを動作させ
て、目的の試薬容器に対応した三方弁を介して、目的の
試薬容器から試薬を吸い上げた後、再び、試薬シリンジ
を逆方向に動作させて、三方弁を介して試薬ノズルか
ら、吸い上げた試薬を吐出させる、つまり、試薬をスイ
ッチバックさせて吐出させるというものである。
【0007】また、特公平1−26509号公報に記載
されているものは、複数の試薬容器と、この試薬容器の
数量分の試薬ノズルと、試薬容器の数量分の三方弁(三
方流路切換器)と、多方流路切換弁と、一つの試薬シリ
ンジとを備えたものである。多方流路切換弁の各開口
は、それぞれ、各三方弁の一の開口、試薬シリンジに接
続され、三方弁の三つの開口は、それぞれ、対応する試
薬容器、対応する試薬ノズル、多方流路切換弁の対応す
る開口に接続されている。この試薬分注装置は、試薬シ
リンジを動作させて、目的の試薬容器に対応した三方弁
及び多方流路切換弁を介して、目的の試薬容器から試薬
を吸い上げた後、試薬シリンジを逆方向に動作させて、
三方弁を介して試薬ノズルから、吸い上げた試薬を吐出
させる、つまり、この従来技術も、試薬をスイッチバッ
クさせて吐出させるというものである。
【0008】また、特開平4−160367号公報に記
載されているものは、複数の試薬容器と、各試薬容器内
に配されている試薬シリンジと、各試薬シリンジに設け
られている三方流路切換器と、試薬容器の数量分の試薬
ノズルと、試薬容器の数量分のシリンジ及び流路切換器
駆動機構とを備えたものである。三方流路切換器の三つ
の開口は、それぞれ、試薬シリンジの内部、試薬シリン
ジの外部であって試薬容器の内部、対応する試薬ノズル
に接続されている。この試薬分注装置は、目的の試薬容
器に対応した駆動機構を駆動し、試薬シリンジ及び三方
流路切換器を動作させて、目的の試薬シリンジに設けら
れている三方流路切換器を返して、試薬容器から試薬シ
リンジ内に試薬を吸い上げた後、試薬シリンジ及び三方
流路切換器を逆方向に動作させて、三方流路切換器を介
して試薬シリンジ内の試薬をノズルから吐出させるとい
うものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のディスペンサ方
式の試薬分注装置は、先に述べたように、ピペッティン
グ方式の多くの欠点を解消するものであるが、いずれ
も、複数の試薬容器ごとに、試薬ライン中に三方流路切
換弁又は三方流路切換器が設けられている。この三方流
路弁は、通常の二方弁に比べて、その機構が複雑である
上に、試薬ライン中に設けられているため、各種試薬に
対する耐薬品性や耐摩耗性が要求されるため、非常に高
価なものになる上に、試薬結晶が形成すると、作動不良
を起こす恐れもある。さらに、特開平4−160367
号公報に記載されているディスペンサ方式の試薬分注装
置は、複数の試薬容器の他に、試薬容器の数量分の試薬
シリンジと、試薬容器の数量分の駆動機構とが必要であ
る。すなわち、従来のディスペンサ方式の試薬分注装置
では、比較的高価な部品を用い、又は全体構成が比較的
複雑になり、製造コストが嵩むという問題点がある。
【0010】また、特開昭60−2250645号公報
や特公平1−26509号公報に記載のディスペンサ方
式の試薬分注装置は、各試薬ラインを洗浄水で洗浄する
必要があるため、比較的多量の純水を消費する上に、試
薬ダミーを必要とすることから、ランニングコストが嵩
み、さらに、洗浄工程が必要であるから、分注のサイク
ルタイムが比較的長くなるという問題点がある。
【0011】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、ピペッティング方式の欠点
を解消しつつ、製造コストの低減及び分注のサイクルタ
イムの短縮化を図ることができる試薬分注装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の第1の試薬分注装置は、複数の試薬がそれぞれ充填さ
れている複数の試薬シリンジと、複数の前記試薬シリン
ジ毎に設けられ、該試薬シリンジ内の試薬を目的の位置
に導く複数の試薬ラインと、動作流体を吸い込む吸込
口、及び、複数の前記試薬シリンジにそれぞれ接続さ
れ、該動作流体を吐出する複数の吐出口を有する分配器
と、前記分配器を介して、複数の前記試薬シリンジに、
前記動作流体を目的量供給する動作流体シリンジと、前
記分配器の複数の前記吐出口と複数の前記試薬シリンジ
とをそれぞれ接続する複数の動作流体分岐ラインと、複
数の前記動作流体分岐ラインにそれぞれ設けられている
複数の開閉弁と、を備え、複数の前記試薬シリンジは、
それぞれ、試薬吐出口及び動作流体流入口が形成されて
いるシリンジケーシングと、該シリンジケーシング内を
前記試薬吐出口側の試薬室と前記動作流体流入口側の動
作流体室との二室に仕切り、該シリンジケーシング内を
移動又は該シリンジケーシング内で変形して、二室の容
積を変える仕切り部材と、を有し、該試薬吐出口は前記
試薬ラインに接続され、該動作流体流入口は前記動作流
体分岐ラインに接続されていることを特徴とするもので
ある。
【0013】また、前記目的を達成するための第2の試
薬分注装置は、前記第1の試薬分注装置において、前記
仕切り部材は、自身の外周面が前記試薬シリンジケーシ
ングの内周面に接しつつ、該試薬シリンジケーシング内
を移動するピストンであることを特徴とするものであ
る。
【0014】ここで、前記第2の試薬分注装置は、前記
ピストンの断面積をSp、該ピストンが移動して前記試
薬シリンジケーシングの前記試薬吐出口から前記試薬が
吐出しているときの前記試薬室内の圧力をPo、該ピス
トンが移動しているときの該ピストンの外周面と前記シ
リンジケーシングの内周面との摩擦力をFpとしたと
き、 5×Fp<Sp×Po の関係が成立することが好ましい。
【0015】また、前記第2の試薬分注装置は、前記ピ
ストンは、試薬シリンジケーシングの内径よりも小さい
外径のピストン本体と、前記試薬室側及び前記動作流体
室側に該ピストン本体の外周面からそれぞれ突出したシ
ール部とを有し、前記シリンジケーシングの内周面と前
記ピストン本体の外周面と前記試薬室側の前記シール部
と前記動作流体室側の前記シール部とのに囲まれた空間
内に、グリースが充填されているものであってもよい。
【0016】また、前記第2の試薬分注装置は、前記試
薬シリンジは、前記試薬吐出口が上方に位置し、前記動
作流体流入口が下方に位置するよう配され、前記ピスト
ンの移動方向は、上下方向であり、前記ピストンには、
その外周面又はその下部に、下方に向かうに連れて次第
に側方に広がるフィンが設けられているものであっても
よい。なお、このフィンの先端部は、前記試薬シリンジ
ケーシングの内周面に接触し、前記試薬室と前記動作流
体室との間のシールとしての役目を担っていてもよい。
【0017】さらに、前記第2の試薬分注装置は、前記
試薬シリンジの前記ピストンの移動量を検出する検出手
段と、前記検出手段からの出力を、試薬の吐出量、試薬
の残量、又は試薬吐出可能回数の少なくともいずれか一
つに換算する換算手段と、前記換算結果を表示する表示
手段と、を備えていることが好ましい。
【0018】前記目的を達成するための第3の試薬分注
装置は、前記第1の試薬分注装置において、前記仕切り
部材は、可撓性を有し、袋状に形成されたシートであ
り、袋状の前記シートの開口縁は、前記試薬シリンジケ
ーシングの内周面に接着されていることを特徴とするも
のである。
【0019】ここで、前記第3の試薬分注装置は、袋状
の前記シートが変形し、前記試薬室の容積が最小になっ
たときに、該シートの一部を破るシート破損手段を備え
ていてもよい。
【0020】以上の第1、第2又は第3の試薬分注装置
は、前記動作流体シリンジ内の圧力を検出する圧力検出
手段と、前記動作流体シリンジを動作させて、複数の試
薬シリンジのうち目的の試薬シリンジから試薬を吐出さ
れている際に、前記圧力検出手段により検出された前記
動作流体シリンジ内の圧力が予め定められた値以上にな
ったときに、前記目的の試薬シリンジ内の試薬が切れた
旨を表示する表示手段と、を備えていてもよい。
【0021】また、以上の第1、第2又は第3の試薬分
注装置は、前記分配器は、該分配器の前記吸込口及び前
記吐出口よりも上方に位置する放出口を有し、前記分配
器の前記放出口には、動作流体放出ラインが接続され、
前記動作流体放出ラインには、開閉弁が設けられている
ことが好ましい。この場合、前記動作流体放出ラインの
端部は、複数の前記試薬ラインの端部と同一高さに位置
していることが好ましい。
【0022】また、前記目的を達成するための試薬分注
装置に用いられる第1の試薬シリンジは、中空筒状を成
し、一方の端部に試薬吐出口が形成され、他方の端部に
開口が形成されているシリンジケーシング本体と、前記
シリンジケーシング本体内を前記試薬吐出口側の試薬室
と前記開口側の動作流体室との二室に仕切り、該シリン
ジケーシング本体内を移動するピストンと、前記試薬室
内に充填されている試薬と、を備え、前記ピストンは、
前記シリンジケーシング内に収まる筒状のピストン本体
と、該ピストン本体の外周に形成され該シリンジケーシ
ング本体の内周面に密着するシール部と、該ピストン本
体の端部に形成され該シール部の外径よりも小さい外径
の栓部とを有し、前記シリンジケーシング本体は、前記
試薬吐出口と前記開口との間に、前記ピストン本体が移
動可能なピストン本体移動領域が形成され、前記開口の
内径が該ピストン本体移動領域の内径よりも小さく、前
記ピストンの栓部により塞がれ得る大きさに形成されて
いることを特徴とするものである。
【0023】また、前記目的を達成するための試薬分注
装置に用いられる第2の試薬シリンジは、中空筒状を成
し、一方の端部に試薬吐出口が形成され、他方の端部に
開口が形成されているシリンジケーシング本体と、可撓
性を有し袋状に形成され、袋の開口縁がシリンジケーシ
ング本体の内周面に接着され、前記シリンジケーシング
本体内を前記試薬吐出口側の試薬室と前記開口側の動作
流体室との二室に仕切るシートと、前記試薬室内に充填
されている試薬と、前記シリンジケーシング本体の開口
を塞ぎ、動作流体流入口が形成されている栓と、を備え
ていることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各種実施形態につ
いて図面を用いて、説明する。
【0025】まず、本発明に係る試薬分注装置の一実施
形態について、図1〜図3を用いて説明する。この実施
形態における試薬分注装置は、図1に示すように、試薬
がそれぞれ充填されている複数の試薬シリンジ10,1
0,…と、複数の試薬シリンジ10,10,…毎に設け
られ、試薬シリンジ10内の試薬を目的の位置に導く複
数の試薬ライン30と、脱気水(動作流体)を複数の試
薬シリンジ10,10,…毎に分配する分配器51と、
分配器51を介して複数の試薬シリンジ10,10,…
に脱気水を目的量供給する脱気水シリンジ(動作流体シ
リンジ)44と、脱気水シリンジ44を動作させるプラ
ンジャ47と、脱気水が溜められる脱気水タンク41
と、脱気水タンク41内の脱気水を脱気水シリンジ44
に送る脱気水ポンプ42と、脱気水タンク41と脱気水
ポンプ42と脱気水シリンジ44と分配器51とを接続
する脱気水供給ライン40と、分配器51と複数の試薬
シリンジ10,10,…とをそれぞれ接続する複数の脱
気水分岐ライン50,50,…と、分配器51内の脱気
水を放出する脱気水放出ライン60と、各ライン40,
50,60中に設けられている開閉電磁弁43,55,
63と、開閉電磁弁43,55,63や脱気水ポンプ4
2等を制御する制御装置(換算手段)70と、試薬の分
注状態等を表示する表示装置(表示手段)71とを備え
ている。
【0026】各試薬シリンジ10は、それぞれ、シリン
ジケーシング11と、シリンジケーシング11内を移動
するピストン20とを有している。シリンジケーシング
11は、中空円筒状を成し、一方の端部に吐出口13が
形成され、他方の端部に開口14が形成されているシリ
ンジケーシング本体12と、このシリンジケーシング本
体12の開口14を塞ぐ受け座16とを有している。シ
リンジケーシング11の吐出口13には、試薬ライン3
0が接続され、その先端部に試薬ノズル31が設けられ
ている。受け座16には、脱気水流入口17が形成され
ている。このシリンジケーシング11は、吐出口13を
上方に向け、脱気水流入口17を下方に向けた状態で使
用され、ピストン20は、このシリンジケーシング11
内を上下方向に移動する。ピストン20は、図2に示す
ように、円筒状を成し、シリンジケーシング本体12の
内径より僅かに小さい外径のピストン本体21と、この
ピストン本体21の外周の上部に設けられているフィン
状シール24と、このピストン本体21の外周の下部に
設けられているリップ状シール25とを有している。ピ
ストン本体21、フィン状シール24及びリップ状シー
ル25は、一体成形されてピストン20を形成してい
る。フィン状シール24は、円筒状のピストン本体21
の中心軸から遠ざかるに連れて下方に伸び、シリンジケ
ーシング本体12の内周面と接触している。また、リッ
プ状シール25は、円筒状のピストン本体21の外周面
から外周方向に突出し、シリンジケーシング本体12の
内周面と接触している。ピストン本体21の上端部は、
ピストン本体21の中心軸に近づくに連れて上方に突出
した略円錐状を成し、ピストン本体21の下端部は、ピ
ストン本体21の中心軸に近づくに連れて下方に突出し
た略円錐状を成している。ピストン20は、ピストン2
0の各シール24,25によって、シリンジケーシング
11内を上下の二室18,19に仕切る。この上下の二
室18,19のうち、上室は、試薬が入る試薬室19を
形成し、下室は脱気水が入る脱気水室18を形成する。
このピストン20の最下端部には、鉄板73が貼付られ
ている。また、受け座16には、この鉄板73の位置を
検知して、ピストン20の位置を認識するための磁気セ
ンサ(検出手段)72が埋め込まれている。
【0027】脱気水シリンジ44は、図1に示すよう
に、シリンジケーシング45と、シリンジケーシング4
5内を移動するピストン46とを有している。このピス
トン46に、前述したプランジャ47が接続されてい
る。
【0028】分配器51は、脱気水シリンジ44からの
脱気水が流入する一つの脱気水吸込口52と、各試薬シ
リンジ10,10,…の数量分設けられている脱気水吐
出口53,53,…と、脱気水を放出する一つの脱気水
放出口54とが形成されている。分配器51は、各口5
2,53,54のうち、脱気水吐出口53が最下部に形
成され、脱気水放出口54が最上部に形成され、脱気水
吸込口52が吐出口53と放出口54との間に形成され
ている。
【0029】脱気水供給ライン40は、脱気水タンク4
1と脱気水ポンプ42と脱気水シリンジ44のシリンジ
ケーシング45と分配器51の脱気水吸込口52とを接
続している。この脱気水供給ライン40の脱気水ポンプ
42と脱気水シリンジ44との間に、開閉電磁弁43が
設けられている。
【0030】複数の脱気水分岐ライン50,50,…
は、分配器51の複数の脱気水吐出口53,53,…
と、複数の試薬シリンジ10,10,…の各脱気水流入
口17,17,…とを接続している。各脱気水分岐ライ
ン50,50,…には、開閉電磁弁55,55,…が設
けられている。
【0031】脱気水放出ライン60は、分配器51の脱
気水放出口54に接続され、途中で、二方に分かれ、一
方が脱気水主放出ライン61を成し、他方が脱気水副放
出ライン65を成している。脱気水主放出ライン61に
は、その途中に開閉電磁弁63が設けられ、その先端部
に脱気水放出ノズル62が設けられている。この脱気水
放出ノズル62の先端の高さは、各試薬ノズル31,3
1,…の先端の高さに一致している。脱気水副放出ライ
ン65には、圧力検知器(圧力検出手段)66と、圧力
リリーフ弁67が設けられている。
【0032】各開閉電磁弁43,55,63と、脱気水
ポンプ42と、プランジャ47と、磁気センサ72は、
それぞれ、信号線で、制御装置70と接続されている。
【0033】この実施形態の試薬分注装置は、例えば、
血液や尿等の検体の自動分析装置の一部として構成され
る。この場合、図3に示すように、各種検体が載せられ
ている検体ターンテーブル80とこの実施形態の試薬分
注装置とを有している。ここでは、8本の試薬シリンジ
10,10,…が側方に並んで、スライドベース81に
取り付けられ、一つの試薬シリンジ群を形成している。
各試薬シリンジ群は、整然と並んだ状態でラック82内
に納められている。一つの試薬シリンジ群を形成してい
る各試薬シリンジ10,10,…の各試薬ノズル31,
31,…は、一つのノズルプレート83に固定されてい
る。ある試薬シリンジ10内の試薬を検体ターンテーブ
ル80上の目的の位置に吐出したい場合には、このノズ
ルプレート83を移動させて、試薬シリンジ10に接続
されている試薬ノズル31を検体ターンテーブル上の目
的の位置に移動させる。ある試薬シリンジ群を使用しな
いときには、ラック82から、この試薬シリンジ群が取
り付けられているスライドベース81ごと引き抜いて、
これごと冷蔵庫に保管する、又は、ラック82ごと、冷
蔵庫に保管する。なお、試薬シリンジ10を冷蔵庫に保
管する場合には、試薬ライン30及び試薬ノズル31
も、この試薬シリンジ10に接続されたまま保管する。
また、ある試薬シリンジ群を交換したい場合には、ラッ
ク82から、この試薬シリンジ群が取り付けられている
スライドベース81ごと引き抜いて、この試薬シリンジ
群を交換する。このように、複数の試薬シリンジ10,
10,…が整然と並んで一固まりに成っているので、装
置全体の設置面積を小さくすることができると共に、試
薬シリンジ群としての取り扱いを容易にすることができ
る。
【0034】次に、この実施形態における試薬分注装置
の動作について説明する。試薬分注前において、試薬シ
リンジ10のピストン20は、シリンジケーシング11
内の最下部に位置している。シリンジケーシング11内
のピストン20よりも上側の試薬室19には、前述した
ように、試薬が充填され、ピストン20よりも下側の脱
気水室18には、脱気水が充填されている。また、脱気
水シリンジ44のピストン46も焚き水シリンジケーシ
ング45内の最下部に位置している。各脱気水分岐ライ
ン50,50,…中の開閉電磁弁55,55,…は、全
て閉じられ、脱気水供給ライン40中の開閉電磁弁43
及び脱気水主放出ライン61中の開閉電磁弁63は、開
かれている。脱気水ポンプ42は、基本的に、通常、常
時駆動している。このため、脱気水タンク41内の脱気
水は、脱気水ポンプ42により、脱気水シリンジケーシ
ング45内に送られ、そして、分配器51の脱気水吸込
口52から分配器51内入る。分配器51内が脱気水に
満たされると、脱気水は、脱気水主放出ライン61を通
り、脱気水放出ノズル62から、放出される。分注装置
は、実際に分注していない際には、以上のような状態に
なっている。
【0035】実際に分注する際には、まず、脱気水供給
ライン40中の開閉電磁弁43を閉じる。そして、プラ
ンジャ47を僅かに上昇させ、脱気水シリンジ44のピ
ストン46とプランジャ47との間のバックラッシを除
く。このとき、脱気水シリンジ44のピストン46が僅
かに上昇した分だけ、脱気水放出ノズル62から脱気水
が放出される。また、このとき、脱気水シリンジケーシ
ング45内には、脱気水放出ノズル62とのヘッド差分
の内圧がかかっている。
【0036】とこで、この実施形態においては、試薬シ
リンジ10のピストン20の動作流体として、容存空気
が除かれた脱気水を用いている。これは、空気等の気泡
が動作流体内に存在していると、気泡がダンパとして機
能してしまい、試薬の定量精度が悪化するからである。
しかしながら、このように、動作流体として脱気水を用
いていても、脱気水供給ライン40、脱気水シリンジケ
ーシング45内、分配器51内に、脱気水を供給する過
程で、脱気水中に空気を巻き込んでしまう恐れがある。
そこで、この実施形態では、脱気水シリンジ44に対し
て、分配器51を上方に位置させ、分配器51に対し
て、脱気水放出ライン60及び脱気水放出ノズル62を
上方に位置させると共に、脱気水シリンジ44の脱気水
吐出口を上方に向け、分配器51の脱気水放出口54を
上方に向けている。このため、脱気水シリンジケーシン
グ45内に、気泡を含んだ脱気水が流入したとしても、
その気泡は、脱気水シリンジケーシング45の上部の脱
気水吐出口から確実に出て、分配器51内に至り、そし
て、分配器51の上部の脱気水放出口54から出て、脱
気水主放出ライン61を経て、脱気水放出ノズル62か
ら確実に放出される。また、分配器51の複数の脱気水
吐出口53,53,…は、分配器51の脱気水吸込口5
2及び脱気水放出口54よりも下方に位置しているた
め、分配器51内に気泡を含んだ脱気水が入り込んだと
しても、気泡が分配器51の脱気水吐出口53,53,
…、およびこれに接続されている脱気水分岐ライン5
0,50,…に至ることはない。
【0037】前述した、プランジャ47を僅かに上昇さ
せた後、脱気水主放出ライン61の開閉電磁弁63を閉
じる。
【0038】次に、吐出したい試薬が充填されている試
薬シリンジ10に接続されている脱気水分岐ライン50
の開閉電磁弁55を開く。この際、この開閉電磁弁55
を中心として、試薬ノズル31側は液体(試薬と脱気
水)で満たされ、脱気水放出ノズル62側も液体(脱気
水)で満たされ、しかも、試薬ノズル31と脱気水放出
ノズル62とは同一レベルに位置しているため、試薬ノ
ズル31側と脱気水放出ノズル62側とのヘッド差はほ
ぼ0である。従って、各ライン、及び試薬シリンジケー
シング11内、分配器51内の液体の移動はなく、試薬
シリンジ10のピストン20も移動しない。このため、
試薬の分注量の正確性及び再現性が極めて良好になる。
そして、プランジャ47を目的量動作させ、脱気水シリ
ンジ44のピストン46を上昇させて、このピストン4
6の移動に伴う脱気水シリンジケーシング45内の容積
変化分の脱気水を、分配器51、脱気水分岐ライン50
を経て、試薬シリンジ10の脱気水室18に送り、試薬
シリンジ10のピストン20を上昇させて、脱気水室1
8内の容積を増加させる一方で、試薬室19内の容積を
減少させて、試薬室19内の試薬を試薬ノズル31から
吐出させる。このとき、試薬の吐出量は、プランジャ4
7の動作量でフィードフォワード制御してもよいが、こ
の実施形態では、試薬シリンジ10のピストン20の移
動量を磁気センサ72で検出し、これを試薬吐出量に換
算して、試薬吐出量に基づいてプランジャ47を動作さ
せて制御している。磁気センサ72からの出力に基づい
て求められる試薬吐出量、試薬シリンジ10内の試薬残
量、又は、残りの試薬吐出可能回数は、表示装置71に
表示される。なお、この試薬シリンジ10が真新しい場
合、つまり、この試薬シリンジ10から一度も試薬を吐
出していない場合には、一旦、試薬ノズル31を目的の
位置以外のところに置き、プランジャ47を動作させ
て、この試薬ノズル31から試薬を吐出させ、試薬ライ
ン30に試薬を充填させてから、試薬ノズル31を目的
の位置において、以上の動作を行うことになる。この試
薬を目的の位置に、目的量吐出した後は、脱気水分岐ラ
イン50中の開閉電磁弁55を閉じる。
【0039】ところで、試薬シリンジ10のピストン2
0が上昇する過程で、ピストン20と試薬シリンジケー
シング11の内周面との摩擦力が問題となる。脱気水お
よび試薬は非圧縮性流体ではあるが、その圧縮率は完全
にゼロではない。また、ピストン20も、材質にもよる
が、その圧縮率がゼロではない。このため、ピストン2
0と試薬シリンジケーシング11の内周面との摩擦力が
大きいと、脱気水室18内に脱気水が流入してきても、
流入してきた脱気水及びピストン20が圧縮され、ピス
トン20は、脱気水の流入量に見合った分よりも少なく
しか上昇しない。この結果、試薬室19からは、脱気水
の流入量よりも少ない量の試薬しか吐出されなくなる。
すなわち、摩擦力が大きいと、脱気水の流入量と試薬の
吐出量とに差が生じ、正確な量の試薬を吐出させること
ができなくなる。
【0040】従って、正確な量の試薬を吐出させるため
には、ピストン20と試薬シリンジケーシング11の内
周面との摩擦力を極力小さくする必要がある。そこで、
この摩擦力がどこまで小さくすれば良いかであるが、実
験の結果、次式を満足する状態が有効であることが解っ
た。
【0041】5×Fp<Sp×Po Sp:ピストンの段面積、Po:試薬を吐出する時の試
薬室内の圧力、Fp:ピストンと試薬シリンジケーシン
グの内周面との摩擦力 以上のように、ピストン20と試薬シリンジケーシング
11の内周面との摩擦力は、極力小さい方が好ましい
が、小さ過ぎると、ピストン20が自重により落下する
恐れもある。そこで、この実施形態では、ピストン20
が上方に移動しようとする際には、液体の抵抗が小さ
く、ピストン20が下方へ移動しようとする際には、液
体の抵抗力が大きくなるよう、下方に向かうに連れて外
周方向に広がって行くフィン状シール24を設けてい
る。さらに、この実施形態では、ピストン本体21内に
空洞26(図2に示す)を形成して、ピストン20の重
量を軽くし、ピストン20全体の比重を試薬及び脱気水
の比重に近くしている。
【0042】以上の動作に続いて、別の試薬を吐出させ
たい場合には、この別の試薬が充填されている試薬シリ
ンジ10が接続されている脱気水分岐ライン50中の開
閉電磁弁55を開ける。そして、プランジャ47を目的
量動作させ、脱気水シリンジ44のピストン46を上昇
させて、分配器51を介して、脱気水を試薬シリンジ1
0の脱気水室18に送り、試薬シリンジ10のピストン
20を上昇させて、試薬シリンジ10の試薬室19内の
試薬を試薬ノズル31から吐出させる。なお、このと
き、試薬を吐出している試薬ノズル31以外の試薬ノズ
ル31に関しては、比較的長期間使用しない場合、この
試薬ノズル31内で試薬が固化してしまうのを防ぐため
に、純水に浸しておくとよい。また、脱気水シリンジケ
ーシング45内の脱気水量が、吐出させる試薬量よりも
少なくなった場合には、各脱気水分岐ライン50の全て
の開閉電磁弁55を閉じる一方で、脱気水供給ライン4
0及び脱気水主放出ライン61の開閉電磁弁43,63
を開け、脱気水シリンジ44のピストン46を下げて、
脱気水を脱気水シリンジケーシング45内に満たしてか
ら、目的の脱気水分岐ライン50中の開閉電磁弁55を
開けて、脱気水シリンジ44のピストン46を上昇させ
て、目的の試薬シリンジ10から試薬を吐出させる。
【0043】ある試薬シリンジ10のピストン20が最
上点に至り、試薬シリンジケーシング11内の試薬が実
質的に無くなると、磁気センサ72がこれを検知し、表
示装置71は、ある試薬シリンジ10の試薬が切れた旨
を表示する。なお、この実施形態では、磁気センサ72
によるピストン20の位置検出に基づいて、試薬切れを
認識しているが、脱気水副放出ライン65に設けられて
いる圧力検知器66で脱気水の圧力を検知し、この検知
値が予め定められた値以上であるか否かにより、試薬切
れを認識するようにしてもよい。これは、試薬が切れて
ピストン20が最上点に至ると、プランジャ47をさら
に動作してもピストン20が移動しなくなり、脱気水の
圧力が上昇するからである。なお、磁気センサ72や圧
力検知器66からの出力に基づいて、試薬切れを認識す
るのは、制御装置70である。また、この実施形態で
は、磁気センサ72により、ピストン20の位置を検出
しているが、ピストン20の位置を検出できるものであ
れば、如何なるものでもよく、例えば、ピストン20の
側周面に反射板を取り付け、シリンジケーシング11の
外周面に光センサを設けて、ピストン20の位置を検出
するようにしてもよい。
【0044】以上のように、この実施形態では、複数の
試薬に対して、試薬の数量分のノズル31,31,…及
び試薬の数量分の試薬シリンジ10,10,…を用い
る、ディスペンサ方式であるので、分注サイクルタイム
が長い等のピペッティング方式の多くの欠点を解消する
ことができる。
【0045】また、この実施形態では、試薬が通る又は
存在する箇所に弁が存在しないので、各種試薬に対する
耐薬品性や耐摩耗性のある高価な弁を必要としない。ま
た、試薬をスイッチバックさせていないので、三方弁又
は三方流路切換器も不要になる。さらに、複数の試薬シ
リンジ10,10,…に対して、その駆動源となる脱気
水シリンジ44及びプランジャ47が一つである。した
がって、この実施形態では、比較的安価な部品を用いる
ことができると共に、部品点数が少なく全体構成が比較
的単純化されるので、製造コストを低減することができ
る。また、試薬が通る又は存在する箇所に弁が存在しな
いので、弁の動作部分に試薬結晶が形成されることによ
る作動不良がなく、継続的に安定操作することができ
る。
【0046】また、この実施形態では、ある特定の試薬
が存在する又は通る箇所は、動作流体である脱気水や他
の試薬が存在し得ない、専用の試薬ライン30及び専用
の試薬室19であり、しかも、動作流体である脱気水と
試薬とは、試薬シリンジ10のピストン20により、そ
れぞれの存在箇所が明確に仕切られているので、基本的
に洗浄水を必要とせず、水によって試薬が薄まることも
ない。従って、この実施形態では、洗浄用の純水の消費
量を極端に少なくすることができる上に、試薬ダミーが
不要になることから、ランニングコストを抑えることも
できる。さらに、ある試薬から他の試薬へ切り替える間
に、洗浄を行う必要がないので、分注サイクルタイムを
より短くすることができる。
【0047】次に、本発明に係る試薬シリンジの第2の
実施形態について、図4を用いて説明する。
【0048】この実施形態の試薬シリンジ10aは、ピ
ストン20aを除く他の構成に関しては、第1の実施形
態と同様である。ピストン20aは、円筒状を成し、シ
リンジケーシング本体12の内径より僅かに小さい外径
のピストン本体21aと、このピストン本体21aの外
周面から突出したリップ状シール25a,25a,25
aとを有している。リップ状シール25aとしては、ピ
ストン本体21aの外周面であって、その上部に設けら
れている上部リップ状シール25aと、その中間部に設
けられている中間部リップ状シール25aと、その下部
に設けられている下部リップ状シール25aとがある。
シリンジケーシング本体12の内周面とピストン本体2
1aの外周面と各リップ状シール25a,25a,25
aとの間には、グリースが封入されている。このグリー
スは、シリンジケーシング本体12の内周面とピストン
20aとの間の摩擦力を小さくする機能の他、試薬室1
9と脱気水室18との間のシール性を高める機能も担っ
ている。
【0049】なお、この実施形態において、ピストン2
0aが上方へ移動すると、当初、ピストン20aとシリ
ンジケーシング本体12の内周面とが接触していた箇所
に、グリースが僅かに残ってしまうが、この試薬シリン
ジは、使い捨てを前提にしているため、一度、上昇させ
たピストン20aを下げ、再び上昇させることはなく、
シリンジケーシング本体12の内周面に残ったグリース
による試薬の汚染を考慮する必要はない。
【0050】次に、本発明に係る試薬シリンジの第3の
実施形態について、図5を用いて説明する。
【0051】この実施形態の試薬シリンジも、ピストン
20bを除く他の構成に関しては、第1の実施形態と同
様である。ピストン20bは、円筒状を成し、シリンジ
ケーシング本体12の内径より僅かに小さい外径のピス
トン本体21bと、このピストン本体21の外周面から
突出したリップ状シール25b,25b,25bと、こ
のピストン本体21の下部から下方に向かうに連れて側
方に広がっている複数のフィン24b,24b,…とを
有している。このフィン24bは、第1の実施形態にお
けるフィン状シール24と同様に、ピストン20bが上
方に移動しようとする際には、液体の抵抗を小さし、ピ
ストン20bが下方へ移動しようとする際には、液体の
抵抗力を大きくする役目を果たすものであるが、第1の
実施形態におけるフィン状シール24と異なり、シール
としての機能がほとんどない。このため、ピストン20
bのシール機能を高めるため、リップ状シール25bが
ピストン本体21bの外周面の上部、中間部、下部に設
けられている。また、この実施形態のフィン24bは、
第1の実施形態におけるフィン状シール24よりも、可
撓性が高く、つまり柔らかく、且つ長くなっており、液
体の抵抗力に関する機能がより高められている。
【0052】次に、本発明に係る試薬シリンジの第4の
実施形態について、図6を用いて説明する。
【0053】この実施形態の試薬シリンジは、以上の各
実施形態と同様に、シリンジケーシング11cと、シリ
ンジケーシング11c内を移動するピストン20cとを
有している。
【0054】シリンジケーシング11cは、中空円筒状
を成し、一方の端部に試薬吐出口(図示されていない)
が形成され、他方の端部が開口14cされているシリン
ジケーシング本体12cと、このシリンジケーシング本
体12cの開口14cを塞ぐ受け座16cとを有してい
る。シリンジケーシング本体12cは、試薬吐出口と開
口14cとの間に、後述するピストン本体21cが移動
可能なピストン本体移動領域15cが形成されている。
シリンジケーシング本体12cの開口14cは、その内
径がピストン本体移動領域15cの内径よりも小さく形
成されている。受け座16cには、以上の各実施形態と
同様に、脱気水流入口17cが形成されていると共に、
シリンジケーシング本体12cを受ける側(内側)に、
シリンジケーシング本体12c側に突出した凸部16x
が形成されている。
【0055】ピストン20cは、円筒状を成し、シリン
ジケーシング本体12cのピストン本体移動可能領域1
5cにおける内径より僅かに小さい外径のピストン本体
21cと、このピストン本体21cの下部に形成されて
いる栓部27cと、ピストン本体21cの外周の上部に
設けられているフィン状シール24cと、ピストン本体
21cの外周の下部に設けられているリップ状シール2
5cとを有している。ピストン本体21c、栓部27
c、フィン状シール24c及びリップ状シール25c
は、一体成形されてピストン20cを形成している。フ
ィン状シール24cは、円筒状のピストン本体21cの
中心軸から遠ざかるに連れて、下方に伸びている。ま
た、リップ状シール25cは、円筒状のピストン本体2
1cの外周面から、外周方向に突出している。フィン状
シール24c及びリップ状シール25cの外径は、シリ
ンジケーシング本体12のピストン本体移動領域15c
における内径よりも、僅かに大きく、フィン状シール2
4c及びリップ状シール25cの先端部が、シリンジケ
ーシング本体12cのピストン本体移動領域15cの内
周面に圧接して、試薬室19cと脱気水室18cとを仕
切るためのシールを行う。栓部27cの外径は、シリン
ジケーシング本体12のピストン本体移動領域15cに
おける内径よりも小さく、シリンジケーシング本体12
cの開口14cの内径よりも僅かに大きい。このため、
栓部27cがシリンジケーシング本体12cの開口14
c内に存在しているときには、この開口14cが栓部2
7cにより確実に塞がれる一方で、栓部27cがシリン
ジケーシング本体12cのピストン本体移動領域15c
内に存在しているときには、栓部27cの外周面がシリ
ンジケーシング本体12のピストン本体移動領域15c
における内周面に接触しないので、ピストン20の移動
に何ら支障をきたすことがない。また、栓部27cの下
部28cは、栓部27cの中心軸に近づくに連れて次第
に下方に突出した略円錐状を成している。
【0056】この実施形態では、受け座16cを除い
て、シリンジケーシング本体12cと、この試薬室19
cに封入されている試薬と、ピストン20cと有するも
のを試薬シリンジとして、販売又は輸送することを前提
としている。この際、ピストン本体21cは、ピストン
本体移動領域15cの最下部に位置し、シリンジケーシ
ング本体12cの開口14cはピストン20cの栓部2
7cで塞がれ、脱気水室18cの容積がゼロで、試薬室
19cの容積が最大で、この容積が最大の試薬室19c
内に試薬が充填された状態になっている。
【0057】この試薬シリンジを実際に使用する際に
は、図6(a)に示すように、試薬分注装置の構成要素
として予め組み込まれている受け座16c内に脱気水を
満たしておき、そこに、開口14cを下に向けたシリン
ジケーシング本体12cを押し込む。この過程で、シリ
ンジケーシング本体12cの開口14cを塞いでいた栓
部27cは、受け座16cの凸部16xに押されて上昇
し、開口14cから外れる。この結果、図6(b)に示
すように、ピストン20c全体がピストン本体移動領域
15c内に至り、ピストン20cは、シリンジケーシン
グ本体12内を移動できるようになる。また、栓部27
cの下部28cは、栓部27cの中心軸に近づくに連れ
て次第に下方に突出した略円錐状を成しているので、シ
リンジケーシング本体12cを受け座16cに嵌め込む
過程で、栓部27cの下部28cと受け座16c内の脱
気水面との間の空気を巻き込んだとしても、気泡は、次
第に外周側へ逃げて行き、受け座16cから溢れ出る脱
気水と共に流れ出て、脱気水室18c内への気泡の混入
を防ぐことができる。
【0058】次に、本発明に係る試薬シリンジの第5の
実施形態について、図7〜図9を用いて説明する。
【0059】以上の各実施形態は、いずれもシリンジケ
ーシング内を脱気水室と試薬室とに仕切る仕切り部材と
して、ピストンを用いていたが、この実施形態は、袋状
を成したシートを用いている点で、以上の各実施形態と
大きく異なっている。
【0060】この実施形態の試薬シリンジ10dは、図
7に示すように、シリンジケーシング11dと、前述し
たシート20dとを有している。シリンジケーシング1
1dは、中空円筒状を成し、一方の端部に吐出口13d
が形成され、他方の端部に開口14dが形成されている
シリンジケーシング本体12dと、このシリンジケーシ
ング本体14dの開口14dを塞ぐ栓15dと、シリン
ジケーシング本体12dの開口14d及びこれを塞いで
いる栓15dを蓋う受け座16dとを有している。この
試薬シリンジ10dも、以上の各実施形態の試薬シリン
ジと同様に、吐出口13dを上にした状態で使用する。
【0061】袋状のシート20dは、厚さ0.3mmの
ポリエチレン樹脂製で、この袋の開口は、シリンジケー
シング本体12dの開口14dの大きさとほぼ同じであ
る。袋状シート20dの開口縁21dは、シリンジケー
シング本体12dの開口14d近傍の内周面に接着され
ている。シリンジケーシング11dは、この袋状シート
20dにより、吐出口側の試薬室19dと開口側の脱気
水室18dとの二室に仕切られる。
【0062】栓15d及び受け座16dには、それぞ
れ、脱気水流入口15y,17dが形成されている。栓
15dの下部は、栓15dの中心軸に連れて次第に下方
に突出した略円錐状を成し、シリンジケーシング本体1
2dの開口14dを栓15dが塞いでいる状態で、この
円錐状の部分がシリンジケーシング本体12dから突出
している。
【0063】この実施形態では、受け座16dを除い
て、シリンジケーシング本体12dと、この試薬室19
dに封入されている試薬と、栓15dと、袋状シート2
0dと有するものを試薬シリンジとして、販売又は輸送
することを前提としている。この際、袋状シート20d
は、ペチャンコで、その内容積がほぼゼロの状態であ
る。つまり、脱気水室18dの容積がほぼゼロで、試薬
室19の容積が最大で、そこに試薬が充填されている。
【0064】この販売又は輸送形態の試薬シリンジを実
際に使用する際には、栓15dの脱気水流入口17dか
ら脱気水室18d内を真空吸引してから、内容積がほぼ
ゼロの脱気水室18d内に、栓15dの脱気水流入口1
7dから脱気水を入れると共に、受け座16d内にも脱
気水を満たしておく。そして、シリンジケーシング本体
12dを受け座16dに装着し、脱気水室18d内に気
泡が混入しないようにする。この試薬シリンジ10dか
ら試薬を吐出させる際には、以上の各実施形態と同様
に、受け座16dの脱気水流入口17dから脱気水室1
8d内に脱気水を流入させる。すると、脱気水の流入量
分だけ、脱気水室18d内の容積が増加する一方で、試
薬室19d内の容積が減少するので、試薬室19d内の
試薬は、吐出口13dから吐出される。
【0065】とろこで、袋状シートの大きさは、その内
容積が最大、つまり脱気水室の容積が最大のとき、袋状
シートの外面(試薬室側の面)がシリンジケーシング本
体12dの内周面に密着する、大きさ場合、試薬の吐出
過程で、図8に示すように、袋状シート20xの外面の
一部がシリンジケーシング本体12dの内周面に密着し
て、シリンジケーシング本体12d内の中間部に孤立し
た試薬溜り19xが形成される恐れがある。もし、試薬
溜り19xが形成されると、そこの試薬が吐出口13d
側へ移動しづらくなり、試薬をスムーズに吐出させるこ
とができなくなる。そこで、この実施形態では、図9に
示すように、袋状シート20dの大きさは、その内容積
が最大のとき、袋状シート20dの外面とシリンジケー
シング本体12dの内周面との間に0.05mmの隙間
dが存在し得る、大きさになっている。また、この他の
方法として、シリンジケーシング本体側壁に、上下方向
に伸びる複数の溝を形成しても、試薬溜りの形成を防ぐ
ことができる。これは、たとえ、袋状シート20dの外
面の一部がシリンジケーシング本体の内周面の一部に密
着したとしても、試薬は溝内を伝って吐出口側へ移動で
きるからである。つなわち、試薬溜りの形成を防ぐため
には、袋状シート20dの内容積が最大のとき、袋状シ
ート20dの外面とシリンジケーシング本体12dの内
周面とが密着しないように、しておけばよい。
【0066】このように、袋状シート20dの内容積が
最大のとき、袋状シート20dの外面とシリンジケーシ
ング本体12dの内周面とが密着しないようにすれば、
試薬溜りの形成を防ぐことができるが、新たな問題とし
て、試薬室19dの容積が最小になったときでも、試薬
室19dの容積がゼロではなく、比較的大きく、そこに
溜っている試薬を無駄にしてしまうという問題が発生す
る。そこで、ここでは、袋状シート20dの内容積が最
大になったときに、袋状シート20dの外面に接して、
袋状シート20dを破る針(シート破損手段)12xを
ケーシング本体12dの内周面に設けている。袋状シー
ト20dの内容積が最大になり、袋状シート20dが針
12xで破られると、脱気水室18d内の脱気水は、試
薬室19d内に流入する。この結果、試薬室19d内の
試薬が試薬室19dから吐出されて、試薬の無駄を少な
くすることができる。なお、試薬の無駄を少なくする他
の方法として、脱気水室18d内の圧力が予め定められ
た値以上になると、袋状シート20dの一部が破れてる
よう、その一部に予め傷を付けておく方法もある。
【0067】この実施形態の試薬シリンジ10dを用い
る試薬分注装置は、図7に示すように、基本的に、第1
の実施形態と同じである。しかしながら、この実施形態
では、仕切り部材を成す袋状シート20dの変形量を正
確に検出することは実質的に不可能であるために、袋状
シート20dの変形量から試薬の吐出量を把握すること
ができない。そこで、この実施形態では、脱気水シリン
ジ44を動作させるプランジャ47の動作量から試薬の
吐出量を認識するようにしている。また、同様の理由
で、袋状シート20dの変形量から試薬シリンジ10d
内の試薬切れを把握することができないので、この実施
形態では、圧力検出器66からの信号を制御装置70に
取込み、この圧力検出器66で検出された脱気水の圧力
が予め定められた値以上になったとき、制御装置70が
試薬切れであることを認識できるようにしている。
【0068】
【発明の効果】本発明では、複数の試薬に対して、試薬
の数量分の試薬ライン及び試薬の数量分の試薬シリンジ
を用いる、ディスペンサ方式であるので、試薬間のコン
タミネーションある、分注サイクルタイムが長い等、の
ピペッティング方式の多くの欠点を解消することができ
る。また、本発明では、試薬が存在し得る箇所に弁が存
在しないので、各種試薬に対する耐薬品性や耐摩耗性の
ある高価な弁を必要としない。また、試薬をスイッチバ
ックさせていないので、三方弁又は三方流路切換器も不
要になる。さらに、複数の試薬シリンジに対して、その
駆動源となる動作流体シリンジが一つである。したがっ
て、本発明によれば、比較的安価な部品を用いることが
できると共に、部品点数が少なく全体構成が比較的単純
化されるので、製造コストを低減することができる。
【0069】また、本発明では、試薬が存在し得る箇所
に弁が存在しないので、弁の動作部分に試薬結晶が形成
されることによる作動不良がなく、継続的に安定操作す
ることができる。
【0070】さらに、本発明では、ある特定の試薬が存
在する又は通る箇所は、動作流体や他の試薬が存在し得
ない、専用の試薬ライン及び専用の試薬室であり、しか
も、動作流体と試薬とは、試薬シリンジの仕切り部材に
より、それぞれの存在箇所が明確に仕切られているの
で、基本的に洗浄水を必要とせず、水によって試薬が薄
まることもない。従って、本発明によれば、洗浄用の純
水の消費量を極端に少なくすることができる上に、試薬
ダミーが不要になることから、ランニングコストを抑え
ることもできる。さらに、ある試薬から他の試薬へ切り
替える間に、洗浄を行う必要がないので、分注サイクル
タイムをより短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としての試薬分注
装置の系統図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態としての試薬シリ
ンジの要部断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としての自動分析
装置の斜視図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態としての試薬シリ
ンジの要部断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態としての試薬シリ
ンジの要部断面図である。
【図6】本発明に係る第4の実施形態としての試薬シリ
ンジの要部断面図である。
【図7】本発明に係る第5の実施形態としての試薬分注
装置の系統図である。
【図8】本発明に係る第5の実施形態に対する比較例と
しての試薬シリンジの断面図である。
【図9】本発明に係る第5の実施形態としての試薬シリ
ンジの断面図である。
【符号の説明】
10,10d…試薬シリンジ、11,11c,11d…
シリンジケーシング、12,12c,12d…シリンジ
ケーシング本体、12x…針、13,13d…試薬吐出
口、14,14c,14d…(シリンジケーシング本体
の)開口、15c…ピストン本体移動領域、15d…
栓、16,16c,16d…受け座、17,17c,1
7d,15y…脱気水流入口、18,18c,18d…
脱気水室、19,19c,19d…試薬室、20,20
a,20b,20c…ピストン、20d…袋状シート、
21,21a,21b,21d…ピストン本体、21d
…(袋状シートの)開口縁、24,24c…フィン状シ
ール、24b…フィン、25,25a,25b,25c
…リップ状シール、26,26a,26b,26c…空
洞、27c…栓部、30…試薬ライン、31…試薬ノズ
ル、40…脱気水供給ライン、44…脱気水シリンジ、
50…脱気水分岐ライン、51…分配器、52…脱気水
吸込口、53…脱気水吐出口、54…脱気水放出口、5
5…開閉電磁弁、60…脱気水放出ライン、61…脱気
水主放出ライン、62…脱気水放出ノズル、65…脱気
水副放出ライン、66…圧力検知器、67…圧力リリー
フ弁、70…制御装置、71…表示装置、72…磁気セ
ンサ、80…検体ターンテーブル、81…スライドベー
ス、82…ラック、83…ノズルプレート。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−20010(JP,A) 特開 平5−45365(JP,A) 特開 昭60−225064(JP,A) 特開 平4−160367(JP,A) 特開 平6−43173(JP,A) 実開 昭62−7073(JP,U) 特公 平5−31001(JP,B2) 特公 平1−50859(JP,B2) 特公 平1−19103(JP,B2) 特公 平1−26509(JP,B2) 特公 平6−103311(JP,B2) 実公 平6−45255(JP,Y2) 実公 昭63−41360(JP,Y2) 特許2506147(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01N 1/00 - 1/44 JICSTファイル(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の試薬をそれぞれ目的の位置に分注す
    る試薬分注装置において、 複数の前記試薬がそれぞれ充填されている複数の試薬シ
    リンジと、 複数の前記試薬シリンジ毎に設けられ、該試薬シリンジ
    内の試薬を目的の位置に導く複数の試薬ラインと、 動作流体を吸い込む吸込口、及び、複数の前記試薬シリ
    ンジにそれぞれ接続され、該動作流体を吐出する複数の
    吐出口を有する分配器と、 前記分配器を介して、複数の前記試薬シリンジに、前記
    動作流体を目的量供給する動作流体シリンジと、 前記分配器の複数の前記吐出口と複数の前記試薬シリン
    ジとをそれぞれ接続する複数の動作流体分岐ラインと、 複数の前記動作流体分岐ラインにそれぞれ設けられてい
    る複数の開閉弁と、 を備え、 複数の前記試薬シリンジは、それぞれ、試薬吐出口及び
    動作流体流入口が形成されているシリンジケーシング
    と、該シリンジケーシング内を前記試薬吐出口側の試薬
    室と前記動作流体流入口側の動作流体室との二室に仕切
    り、該シリンジケーシング内を移動又は該シリンジケー
    シング内で変形して、二室の容積を変える仕切り部材
    と、を有し、該試薬吐出口は前記試薬ラインに接続さ
    れ、該動作流体流入口は前記動作流体分岐ラインに接続
    されていることを特徴とする試薬分注装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の試薬分注装置において、 前記仕切り部材は、自身の外周面が前記試薬シリンジケ
    ーシングの内周面に接しつつ、該試薬シリンジケーシン
    グ内を移動するピストンであることを特徴とする試薬分
    注装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の試薬分注装置において、 前記ピストンの断面積をSp、該ピストンが移動して前
    記試薬シリンジケーシングの前記試薬吐出口から前記試
    薬が吐出しているときの前記試薬室内の圧力をPo、該
    ピストンが移動しているときの該ピストンの外周面と前
    記シリンジケーシングの内周面との摩擦力をFpとした
    とき、 5×Fp<Sp×Po の関係が成立することを特徴とする試薬分注装置。
  4. 【請求項4】請求項2及び3のいずれか一項に記載の試
    薬分注装置において、 前記ピストンは、試薬シリンジケーシングの内径よりも
    小さい外径のピストン本体と、前記試薬室側及び前記動
    作流体室側に該ピストン本体の外周面からそれぞれ突出
    したシール部とを有し、 前記シリンジケーシングの内周面と前記ピストン本体の
    外周面と前記試薬室側の前記シール部と前記動作流体室
    側の前記シール部とのに囲まれた空間内に、グリースが
    充填されていることを特徴とする試薬分注装置。
  5. 【請求項5】請求項2から4のいずれか一項に記載の試
    薬分注装置において、 前記試薬シリンジは、前記試薬吐出口が上方に位置し、
    前記動作流体流入口が下方に位置するよう配され、前記
    ピストンの移動方向は、上下方向であり、 前記ピストンには、その外周面又はその下部に、下方に
    向かうに連れて次第に側方に広がるフィンが設けられて
    いることを特徴とする試薬分注装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の試薬分注装置において、 前記フィンの先端部は、前記試薬シリンジケーシングの
    内周面に接触し、前記試薬室と前記動作流体室との間の
    シールとしての役目を担っていることを特徴とする試薬
    分注装置。
  7. 【請求項7】請求項2から6のいずれか一項に記載の試
    薬分注装置において、 前記試薬シリンジの前記ピストンの移動量を検出する検
    出手段と、 前記検出手段からの出力を、試薬の吐出量、試薬の残
    量、又は試薬吐出可能回数の少なくともいずれか一つに
    換算する換算手段と、 前記換算結果を表示する表示手段と、 を備えていることを特徴とする試薬分注装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の試薬分注装置において、 前記仕切り部材は、可撓性を有し、袋状に形成されたシ
    ートであり、 袋状の前記シートの開口縁は、前記試薬シリンジケーシ
    ングの内周面に接着されていることを特徴とする試薬分
    注装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の試薬分注装置において、 袋状の前記シートが変形し、前記試薬室の容積が最小に
    なったときに、該シートの一部を破るシート破損手段を
    備えていることを特徴とする試薬分注装置。
  10. 【請求項10】請求項1から9のいずれか一項に記載の
    試薬分注装置において、 前記動作流体シリンジ内の圧力を検出する圧力検出手段
    と、 前記動作流体シリンジを動作させて、複数の試薬シリン
    ジのうち目的の試薬シリンジから試薬を吐出されている
    際に、前記圧力検出手段により検出された前記動作流体
    シリンジ内の圧力が予め定められた値以上になったとき
    に、前記目的の試薬シリンジ内の試薬が切れた旨を表示
    する表示手段と、 を備えていることを特徴とする試薬分注装置。
  11. 【請求項11】請求項1から10のいずれか一項に記載
    の試薬分注装置において、 前記分配器は、該分配器の前記吸込口及び前記吐出口よ
    りも上方に位置する放出口を有し、 前記分配器の前記放出口には、動作流体放出ラインが接
    続され、 前記動作流体放出ラインには、開閉弁が設けられている
    ことを特徴とする試薬分注装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の試薬分注装置におい
    て、 前記動作流体放出ラインの端部は、複数の前記試薬ライ
    ンの端部と同一高さに位置していることを特徴とする試
    薬分注装置。
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