JP3441191B2 - 樹脂製品の製造方法 - Google Patents

樹脂製品の製造方法

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JP3441191B2
JP3441191B2 JP25678394A JP25678394A JP3441191B2 JP 3441191 B2 JP3441191 B2 JP 3441191B2 JP 25678394 A JP25678394 A JP 25678394A JP 25678394 A JP25678394 A JP 25678394A JP 3441191 B2 JP3441191 B2 JP 3441191B2
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紀久 根本
信明 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製の自動車内装材を
始めとして各種樹脂製内装材等に用いられる樹脂製品の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂製内装材として静電法あるい
はスプレー法等によってベースシート上に植毛を施した
ものや、例えば特開平4−293854号公報に示され
ているように表面シートに2種類以上の合成樹脂着色チ
ップを混在させて砂目模様を現出させたもの等が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらは何れもシート
表面を印刷したものと較べて風合いが増して装飾効果を
高めることができるが、前者の植毛によるものにあって
は摩擦等によって植毛した短繊維パイルが脱落してしま
うと却って見栄えを悪くしてしまう。
【0004】また、後者のものにあっては透明シートを
得る熱可塑性樹脂配合原料に着色した2種類以上の所定
粒度の合成樹脂チップを混合して、これをカレンダー加
工又は押出し加工によって表面シートを成形し、これを
着色した中間シートおよび最下層の裏打ち基材にこの順
にラミネート加工して成形するのであるが、合成樹脂チ
ップを混在させて砂目模様とするためソフトでかつ繊細
な布調の風合いを得ることはできない。
【0005】また、表面シートが薄いと混在した合成樹
脂チップが表面に突出して凹凸が生じて感触および見栄
えが悪化してしまう。
【0006】そこで、本発明はソフト感のある布調の風
合いが得られて装飾効果を一段と高めることができる樹
脂製品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にあっては、熱
可塑性樹脂配合原料に発泡剤と着色した短繊維パイルと
を混合する工程と、この短繊維パイルを混合した樹脂原
料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向へ送り出して短繊
維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向性を付与する工程
と、送り出された溶融樹脂を所要形状の中間材料に成形
する工程と、この中間材料を加熱発泡させて発泡ガスの
膨張圧により短繊維パイルを発泡樹脂層の表面より起立
させて起毛する工程とを包含している。
【0008】請求項2にあっては、請求項1に記載の樹
脂製品の製造方法において、短繊維パイルを混合した樹
脂原料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向へ送り出して
短繊維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向性を付与する
工程と、送り出された溶融樹脂を所要形状の中間材料に
成形する工程とを、射出成形法により行うようにしてい
る。
【0009】請求項3にあっては、請求項1に記載の樹
脂製品の製造方法において、短繊維パイルを混合した樹
脂原料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向へ送り出して
短繊維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向性を付与する
工程と、送り出された溶融樹脂を所要形状の中間材料に
成形する工程とを、押出し成形法により行うようにして
いる。
【0010】請求項4にあっては、請求項1に記載の樹
脂製品の製造方法において、短繊維パイルを混在した樹
脂原料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向へ送り出して
短繊維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向性を付与する
工程と、送り出された溶融樹脂を所要形状の中間材料に
成形する工程とを、ブロー成形法により行うようにして
いる。
【0011】請求項5にあっては、請求項1に記載の樹
脂製品の製造方法において、短繊維パイルと発泡剤とを
混合した樹脂原料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向へ
送り出して短繊維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向性
を付与する工程と、送り出された溶融樹脂を所要形状の
中間材料に成形する工程とを、カレンダー成形法により
行うようにしている。
【0012】請求項6にあっては、請求項1〜請求項5
の何れかに記載の樹脂製品の製造方法において、中間材
料を加熱発泡させて短繊維パイルを発泡樹脂層の表面よ
り起立させて起毛した後、発泡樹脂層の表側となる一側
表面を凹凸面に形成するようにしている。
【0013】請求項7にあっては、請求項1〜請求項6
の何れかに記載の樹脂製品の製造方法において、表面を
短繊維パイルで起毛した発泡樹脂層を透明な樹脂シート
として成形し、該樹脂シートを合成樹脂製の着色した基
材とラミネート加工して積層体を成形するようにしてい
る。
【0014】
【作用】請求項1によれば、着色した短繊維パイルと発
泡剤が混合された熱可塑性樹脂配合原料が加熱溶融さ
れ、所要の圧力が加えられて一方向へ送り出されること
により、短繊維パイルが溶融樹脂に混在して流動する過
程で、次第に該短繊維パイルの繊維の向きが溶融樹脂の
流れ方向に揃えられて、繊維向きが一様となる。
【0015】この送り出されてくる溶融樹脂を成形工程
で所要形状に成形することによって、樹脂層内に短繊維
パイルがその繊維向きを一方向に揃えて混入された中間
材料が得られる。
【0016】そして、この中間材料を加熱発泡すること
により、発泡ガスの膨張圧によって樹脂層内の短繊維パ
イルが表面側に向けて立上がるようになると共に、表面
部分では短繊維パイルが該表面より起立して起毛が行わ
れ、ソフト感のある布調の風合いを持つ樹脂製品が得ら
れる。
【0017】請求項2によれば、溶融樹脂の送り出しと
該溶融樹脂による中間材料の成形とを射出成形法により
行うため、射出成形機による射出過程で樹脂原料の加熱
溶融および溶融樹脂内での短繊維パイルの繊維向きの指
向性付与が連続して行われ、繊維向きが一様の短繊維パ
イルが混入された中間材料を容易に得ることができる。
【0018】請求項3によれば、溶融樹脂の送り出しと
該溶融樹脂の成形とを押出し成形法により行うため、押
出し成形機による押出し過程で樹脂原料の加熱溶融およ
び溶融樹脂内での短繊維パイルの繊維向きの指向性付与
が連続して行われ、繊維向きが一様の短繊維パイルが混
入された中間材料を容易に得ることができる。
【0019】とりわけ、この押出し成形法によれば溶融
樹脂の加圧流動に連続性があるため、短繊維パイルの繊
維向きがより一層溶融樹脂の流れ方向に沿うようになっ
て、短繊維パイルの繊維向きが一様の中間材料が得ら
れ、次工程の加熱発泡による起毛時の短繊維パイルの交
絡が少なく、起毛密度が高く布調の風合いにより一層深
みのある樹脂製品が得られる。
【0020】請求項4によれば、溶融樹脂の送り出しと
該溶融樹脂の成形とをブロー成形法により行うため、ブ
ロー成形機による押出し過程で樹脂原料の加熱溶融およ
び溶融樹脂内での短繊維パイルの繊維向きの指向性付与
が連続して行われ、繊維向きが一様の短繊維パイルが混
入された中間材料を容易に得ることができる。
【0021】また、このブロー成形法による場合もブロ
ー成形機の押出し機によって、溶融樹脂の加圧流動に連
続性が得られるから、短繊維パイルの繊維向きがより一
層溶融樹脂の流れ方向に沿うようになって、短繊維パイ
ルの繊維向きが一様の中間材料が得られ、次工程の加熱
発泡による起毛時の短繊維パイルの交絡が少なく、起毛
密度が高く布調の風合いにより一層深みのある樹脂製品
が得られる。
【0022】請求項5によれば、溶融樹脂の送り出しと
該溶融樹脂の成形とをカレンダー成形法により行うた
め、カレンダーロールによってシート状に圧延成形する
過程で、次第に短繊維パイルの繊維向きが樹脂シートの
圧延流れ方向に揃うようになって指向性が付与され、繊
維向きが一様の短繊維パイルが混入されたシート状の中
間材料を容易に得ることができる。
【0023】請求項6によれば、表面が短繊維パイルで
起毛された発泡樹脂層の表側となる一側表面を凹凸面に
成形するため、短繊維パイルの起毛と凹凸模様とが調和
してソフト感が強調され、布調の風合いが増した樹脂製
品が得られる。
【0024】請求項7によれば、表面を短繊維パイルで
起毛した発泡樹脂層を透明な樹脂シートとして成形し、
これを着色した基材にラミネートして積層体を成形する
ため、起毛の隙間を透して基材の色彩が現出されるか
ら、布調の風合いにより一層深みのある樹脂製品が得ら
れる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に詳述す
る。
【0026】図1は中間材料を射出成形法により成形す
る場合を示している。
【0027】射出成形機1の射出側のホッパー2に、予
め熱可塑性樹脂配合原料に発泡剤および短繊維パイルを
混合してペレット化された樹脂原料Pが供給される。
【0028】この樹脂原料Pは油圧モータ4によって回
転されるスクリュー3の回転に伴ってシリンダ5内の前
方へ送られ、ヒータ6により加熱されるシリンダ5から
の伝熱と、スクリュー3の回転によるせん断熱とによっ
て加熱溶融される。
【0029】この樹脂原料Pの加熱溶融によって、溶融
した樹脂内の短繊維パイルは溶融樹脂がシリンダ5内を
前方へ流動するのに伴って流れ抵抗により次第に繊維の
向きが該溶融樹脂の流れ方向に揃うようになって、繊維
向きが一様となる。
【0030】そして、射出シリンダ7によってスクリュ
ー3が前進し、溶融樹脂を加圧してノズル8から型締側
の金型9のキャビティ10内へ射出して所定形状に成形
することによって、図2,図3に示すように樹脂層12
内に短繊維パイル13がその繊維向きを一方向に揃えて
混入された中間材料11が形成される。
【0031】そして、このようにして得られた中間材料
11を次工程の加熱発泡工程で発泡炉14に送り込み、
発泡炉14内のバーナー15等の熱源で発泡剤の発泡温
度、例えば220℃程度に再加熱する。
【0032】この再加熱により中間材料11の樹脂層1
2が軟化溶融状態に戻ると共に、発泡剤がガス化して発
泡し、発泡ガスが膨張することによりこの膨張圧によっ
て樹脂層12内で略横向きに一様の流れ方向に混在して
いる短繊維パイル13が立上がるようになると共に、表
面部分ではこの発泡ガスの膨張圧で短繊維パイル13が
樹脂層12の表面より押し上げられて起立し、起毛が積
極的に行われて促進されて、図4に示すように感触がソ
フトで布調の風合いを持つ発泡樹脂製品11Tが得られ
る。
【0033】特に短繊維パイル13は中間材料11の成
形段階で、樹脂層12内で略横向きに一様の流れ方向に
繊維向きが揃えられて混在しているため、発泡時に短繊
維パイル13の交絡が少なく起毛状態が良好な布調の風
合いとして得られる。
【0034】また、短繊維パイル13の起毛はその根部
が発泡樹脂層12Aに埋め込まれている状態として得ら
れるから、摩擦等によってこの起毛が脱落することはな
く、品質の良い布調の風合いを持つ発泡樹脂製品を得る
ことができる。
【0035】ここで、前述のペレット状の樹脂原料Pは
PPパウダ,PVCパウダ等の樹脂パウダ,安定剤,可
塑剤,着色剤等の熱可塑性樹脂配合原料と、発泡剤およ
び着色した短繊維パイルとをバンバリミキサ等で混合,
混練して、これを押出し機(バンバリミキサ,押出し機
は図示省略)によりペレット状に押出し成形して得られ
る他、所定配合のペレット状樹脂原料と発泡剤および短
繊維パイルとを押出し機によって再加熱溶融して、ペレ
ット状に押出し成形して得られる。
【0036】短繊維パイル13は樹脂原料Pと同一色の
ものが用いられるが、場合によって樹脂原料と同系色又
は異なる色に着色したものを用いることができる。
【0037】また、この短繊維パイル13は中間材料1
1の樹脂層12内で繊維の流れ向きを一様にさせるため
には、太さが10デニール,長さが1〜3mm程度の合
成樹脂繊維を用いることが好ましい。
【0038】更に、この短繊維パイル13としては熱可
塑性樹脂配合原料よりも融点の高い合成樹脂繊維が用い
られ、前述の溶融樹脂の加圧流動過程、即ち、この実施
例ではシリンダ5内の前方への流動、およびノズル8か
ら金型9内への射出流動の過程で短繊維パイル13が略
直線状を維持したままその繊維向きに溶融樹脂の流れ方
向に沿う指向性が与えられ、次工程の加熱発泡時に短繊
維パイル13の交絡を回避できるようになる。
【0039】なお、この射出成形法によれば、ダブルイ
ンジェクションによって非発泡性の樹脂材とで多層に積
層した中間部材を成形することもできる。
【0040】また、金型9のゲート形式は成形する中間
材料の形状によってまちまちであるが、ファンゲートや
フイルムゲート等であれば、キャビティ10内での短繊
維パイル13の繊維の流れ向きが略一定となるので、次
工程の加熱発泡による短繊維パイル13の起毛に好都合
である。
【0041】図5〜図7はそれぞれ中間材料11の成形
の異なる実施例を示すものである。図5は押出し成形法
により中間材料11として樹脂シートを成形する場合を
示している。
【0042】この実施例では前述のように予め熱可塑性
樹脂配合原料に発泡剤と着色した短繊維パイルとを混合
してペレット化した樹脂原料Pを、押出し成形機20の
ホッパー21に供給し、スクリュー22の回転により該
樹脂原料Pをシリンダ23の前方へ送ってその過程でヒ
ータ24の加熱およびスクリュー22の回転によるせん
断熱で溶融すると共に、該スクリュー22の回転移送に
よって溶融樹脂をシリンダ23の端部のダイ25側へ加
圧流動すると、溶融樹脂内の短繊維パイル13の繊維の
向きが次第に該溶融樹脂の流れ方向に揃えられて、繊維
向きが一様となる。
【0043】そして、この溶融樹脂をダイ25よりシー
ト状に連続して押出すことによって、前記実施例の場合
と同様に樹脂層12内に短繊維パイル13がその繊維向
きを押出し方向に一方向に揃えて混入された樹脂シート
11が中間材料として得られる。
【0044】特に、この押出し成形法による場合、前記
実施例で述べた射出成形法と異なって、シリンダ23内
で加熱溶融された短繊維パイル13が混入した溶融樹脂
はダイ25から連続して押出され、溶融樹脂の加圧流動
に連続性があるため、短繊維パイル13の繊維向きがよ
り一層溶融樹脂の流れ方向に沿った樹脂シート11を得
ることができる。
【0045】図6はブロー成形法により中間材料11と
して樹脂シートを成形する場合を示している。
【0046】ブロー成形機30の押出しダイ31から円
筒状にパリソン11P が押出されるまでは、前記図5に
示した押出し成形法による場合と殆ど工程が同じである
ため具体的な説明は省略する。
【0047】押出しダイ31のダイヘッド31aから円
筒状に押出されるパリソン11P は、樹脂層12内に短
繊維パイル13がその繊維向きを押出し方向に一方向に
揃えて混入された状態となるから、これを図外のカッタ
ーで軸方向に裁断することによって中間材料としての樹
脂シート11が連続的に得られる。
【0048】図7はカレンダー成形法により中間材料1
1として樹脂シートを成形する場合を示している。
【0049】前述のように熱可塑性樹脂配合原料と発泡
剤および着色した短繊維パイルとをバンバリミキサ等で
混合,混練した樹脂原料Pを、カレンダーロール40に
供給して、各ロール40a,40b,40c,40dを
通過させることによって、次第に圧延されて樹脂シート
11が中間材料として連続的に得られる。
【0050】樹脂原料Pは前記ロール40a〜40dで
加工温度が160℃〜180℃に保たれ、これらロール
40a〜40dによる圧延過程で樹脂原料Pに混在した
短繊維パイル13は、該樹脂原料Pが圧延方向に加圧流
動するのに伴って流れ抵抗によって次第に繊維の向きが
樹脂原料Pの樹脂層12の流れ方向に、つまり、樹脂シ
ート11の圧延流れ方向に揃うようになって繊維向きが
一様となる。
【0051】そして、これら図5〜図7に示す方法によ
って得られる中間材料の樹脂シート11は次工程で加熱
発泡され、短繊維パイル13の起毛が行われる。
【0052】即ち、図8に示すようにロール状に巻取ら
れた樹脂シート11が、第1実施例で述べたように発泡
炉14に送り込まれ、発泡炉14内のバーナー15で発
泡剤の発泡温度に加熱されることにより、樹脂シート1
1の樹脂層12が再び軟化溶融状態に戻ると共に、発泡
剤がガス化して発泡し、この発泡ガスの膨張圧によって
短繊維パイル13がシート表面から起立して起毛が積極
的に行われ、ガイドローラ16を経由して巻取機17に
巻取られて、表面が短繊維パイル13で起毛されて感触
がソフトで、かつ、布調の風合いのある発泡樹脂シート
11S が連続的に得られる。
【0053】図9は本発明の第5実施例を示すもので、
本実施例では図10に示すように加熱発泡により表面を
短繊維パイル13で起毛した発泡樹脂層12Aを透明な
樹脂シートとして成形し、これを着色した合成樹脂製の
基材11B にラミネートして積層体を成形するようにし
ている。
【0054】透明な発泡樹脂層12Aを成形するため、
本実施例では発泡剤として無機発泡剤が用いられ、この
無機発泡剤と着色した短繊維パイル13とを混合した樹
脂原料を用いて、例えば図5〜図7に示した実施例の方
法によって短繊維パイル13で表面を起毛した透明な発
泡樹脂シート11S を連続的に成形する。
【0055】基材11B は例えば適宜の色に着色(表面
をプリント印刷したものを含む)した樹脂シートとして
成形する。
【0056】そして、ロール状に巻取られた発泡樹脂シ
ート11S と、同じくロール状に巻取られた基材シート
11B とを、ヒータ51と加熱ドラム52とからなるラ
ミネータ50に送り込み、例えば160℃程度に加熱し
てこれら透明な発泡樹脂シート11S と着色した基材シ
ート11B とを熱融着して積層する。
【0057】本実施例ではこの熱融着工程の直後で、絞
ロール53と圧着ロール54とによって、透明な発泡樹
脂シート11S の表面に絞模様を施して凹凸面に成形
し、ガイドローラ54を経由して巻取機56に巻取って
積層シートを連続的に得るようにしている。
【0058】このようにして得られた積層体11L は、
短繊維パイル13の起毛の隙間を透して基材シート11
B の色彩が現出されるから、布調の風合いに深みが増す
と共に、表面の絞模様の凹凸の柔かみと、短繊維パイル
13の起毛とが調和してソフト感が強調され、布調の風
合いをより一層増した樹脂製品を得ることができる。
【0059】なお、図8に示した実施例のようにして得
られた発泡樹脂シート11S の表面に絞模様を付して、
ソフト感を強調させるようにしてもよいことは勿論であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に列挙する効果
を奏せられる。
【0061】(1)着色した短繊維パイルと発泡剤が混
合された熱可塑性樹脂配合原料が加熱溶融され、所要の
圧力が加えられて一方向へ送り出されることにより、短
繊維パイルが溶融樹脂に混在して流動する過程で、次第
に短繊維パイルの繊維向きが溶融樹脂の流れ方向に揃え
られて繊維向きが一様となり、これを成形工程で所要形
状に成形することによって、樹脂層内に短繊維パイルが
その繊維向きを一方向に揃えて混入された中間材料が得
られるから、この中間材料を加熱発泡することにより、
発泡ガスの膨張圧によって樹脂層内の短繊維パイルが表
面側に向けて立上がるようになると共に、表面部では短
繊維パイルが該表面より起立して起毛が行われ、従っ
て、ソフト感のある布調の風合いを持つ樹脂製品を容易
に得ることかできる。
【0062】(2)短繊維パイルは中間材料の成形過程
で樹脂層内でその流れに沿って略横向きに一様の流れ方
向に繊維向きが揃えられて混在しているため、発泡時に
短繊維パイルの交絡が少なく起毛状態が良好な布調の風
合いとして得ることができる。
【0063】(3)短繊維パイルの起毛はその根部が発
泡樹脂層に埋め込まれている状態として得られるから、
摩擦等によってこの起毛が脱落することはなく、品質の
良い布調の風合いを持つ発泡樹脂製品を得ることができ
る。
【0064】(4)溶融樹脂の送り出しと該溶融樹脂の
成形とを射出成形法により行えば、射出成形機による射
出過程で樹脂原料の加熱溶融および溶融樹脂内での短繊
維パイルの繊維向きの指向性付与が連続して行われ、繊
維向きが一様の短繊維パイルが混入された中間材料を容
易に得ることができる。
【0065】(5)溶融樹脂の送り出しと該溶融樹脂の
成形とを押出し成形法により行えば、押出し成形機によ
る押出し過程で樹脂原料の加熱溶融および溶融樹脂内で
の短繊維パイルの繊維向きの指向性付与が連続して行わ
れ、繊維向きが一様の短繊維パイルが混入された中間材
料を容易に得ることができる。
【0066】(6)特に、この押出し成形法によれば溶
融樹脂の加圧流動に連続性があるため、短繊維パイルの
繊維向きがより一層溶融樹脂の流れ方向に沿うようにな
って、短繊維パイルの繊維向きが一様の中間材料が得ら
れ、次工程の加熱発泡による起毛時の短繊維パイルの交
絡が少なく、起毛密度が高く布調の風合いにより一層深
みのある樹脂製品が得られる。
【0067】(7)溶融樹脂の送り出しと該溶融樹脂の
成形とをブロー成形法により行えば、ブロー成形機によ
る押出し過程で樹脂原料の加熱溶融および溶融樹脂内で
の短繊維パイルの繊維向きの指向性付与が連続して行わ
れ、繊維向きが一様の短繊維パイルが混入された中間材
料を容易に得ることができる。
【0068】(8)また、このブロー成形法による場合
もブロー成形機の押出し機によって、溶融樹脂の加圧流
動に連続性が得られるから、短繊維パイルの繊維向きが
より一層溶融樹脂の流れ方向に沿うようになって、短繊
維パイルの繊維向きが一様の中間材料が得られ、次工程
の加熱発泡による起毛時の短繊維パイルの交絡が少な
く、起毛密度が高く布調の風合いにより一層深みのある
樹脂製品が得られる。
【0069】(9)溶融樹脂の送り出しと該溶融樹脂の
成形とをカレンダー成形法により行えば、カレンダーロ
ールによってシート状に圧延成形する過程で、次第に短
繊維パイルの繊維向きが樹脂シートの圧延流れ方向に揃
うようになって指向性が付与され、繊維向きが一様の短
繊維パイルが混入されたシート状の中間材料を容易に得
ることができる。
【0070】(10)加熱発泡により表面が短繊維パイ
ルで起毛された発泡樹脂層の表側となる一側表面を凹凸
面に成形すれば、短繊維パイルの起毛と凹凸模様とが調
和してソフト感が強調され、布調の風合いが増した樹脂
製品が得られる。
【0071】(11)加熱発泡により表面が短繊維パイ
ルで起毛された発泡樹脂層を透明な樹脂シートとして成
形し、これを着色した基材にラミネートして積層体を成
形すれば、起毛の隙間を透して基材の色彩が現出される
から、布調の風合いにより一層深みのある樹脂製品が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の第1実施例を示
す略示的断面説明図。
【図2】図1の装置で得られた中間材料の略示的平面
図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図1の装置で得られた樹脂製品の略示的断面
図。
【図5】中間材料を成形する装置の第2実施例を示す略
示的断面説明図。
【図6】中間材料を成形する装置の第3実施例を示す略
示的断面説明図。
【図7】中間材料を成形する装置の第4実施例を示す略
示的断面説明図。
【図8】シート状の中間材料の発泡工程を示す略示的断
面説明図。
【図9】本発明の第5実施例を示す略示的説明図。
【図10】本発明の第5実施例によって得られた樹脂製
品の略示的断面図。
【符号の説明】
1 射出成形機 3 スクリュー 5 シリンダ 6 ヒータ 8 ノズル 9 金型 11 中間材料 12 樹脂層 13 短繊維パイル 14 発泡炉 15 バーナー P 樹脂原料
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 101:12 B29K 101:12 105:04 105:04 105:12 105:12 (72)発明者 風間 憲男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−173224(JP,A) 特開 平8−118483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/16 B29C 43/00 - 43/30 B29C 47/00 - 47/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂配合原料に発泡剤と着色し
    た短繊維パイルとを混合する工程と、この短繊維パイル
    を混合した樹脂原料を加熱溶融し、所要の圧力で一方向
    へ送り出して短繊維パイルに溶融樹脂の流れ方向の指向
    性を付与する工程と、送り出された溶融樹脂を所要形状
    の中間材料に成形する工程と、この中間材料を加熱発泡
    させて発泡ガスの膨張圧により短繊維パイルを発泡樹脂
    層の表面より起立させて起毛する工程とを包含したこと
    を特徴とする樹脂製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、短繊維パイルを混合した樹脂原料を加熱溶融し、
    所要の圧力で一方向へ送り出して短繊維パイルに溶融樹
    脂の流れ方向の指向性を付与する工程と、送り出された
    溶融樹脂を所要形状の中間材料に成形する工程とを、射
    出成形法により行うことを特徴とする樹脂製品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、短繊維パイルを混合した樹脂原料を加熱溶融し、
    所要の圧力で一方向へ送り出して短繊維パイルに溶融樹
    脂の流れ方向の指向性を付与する工程と、送り出された
    溶融樹脂を所要形状の中間材料に成形する工程とを、押
    出し成形法により行うことを特徴とする樹脂製品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、短繊維パイルを混合した樹脂原料を加熱溶融し、
    所要の圧力で一方向へ送り出して短繊維パイルに溶融樹
    脂の流れ方向の指向性を付与する工程と、送り出された
    溶融樹脂を所要形状の中間材料に成形する工程とを、ブ
    ロー成形法により行うことを特徴とする樹脂製品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、短繊維パイルを混合した樹脂原料を加熱溶融し、
    所要の圧力で一方向へ送り出して短繊維パイルに溶融樹
    脂の流れ方向の指向性を付与する工程と、送り出された
    溶融樹脂を所要形状の中間材料に成形する工程とを、カ
    レンダー成形法により行うことを特徴とする樹脂製品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5の何れかに記載の樹
    脂製品の製造方法において、中間材料を加熱発泡させて
    短繊維パイルを発泡樹脂層の表面より起立させて起毛し
    た後、発泡樹脂層の表側となる一側表面を凹凸面に形成
    することを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6の何れかに記載の樹
    脂製品の製造方法において、表面を短繊維パイルで起毛
    した発泡樹脂層を透明な樹脂シートとして成形し、該樹
    脂シートを合成樹脂製の着色した基材とラミネート加工
    して積層体を成形することを特徴とする樹脂製品の製造
    方法。
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