JP3440644B2 - 手動作認識装置 - Google Patents

手動作認識装置

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JP3440644B2
JP3440644B2 JP19634095A JP19634095A JP3440644B2 JP 3440644 B2 JP3440644 B2 JP 3440644B2 JP 19634095 A JP19634095 A JP 19634095A JP 19634095 A JP19634095 A JP 19634095A JP 3440644 B2 JP3440644 B2 JP 3440644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手動作認識装置に関
し、特に、センサや彩色された手袋などを用いることな
く人間の身振りや手振りの認識を行ない、認識結果に基
づいて人間と機械の間のインターフェースを行ない、指
示装置や手話認識などに利用可能な手動作認識装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】人間の手振り、身振りを理解する方法と
して、身体にセンサを付けて各状態を測定する方法があ
る。文献では、「手振り認識方法とその応用」(電子情
報通信学会論文誌D‐2 Vol.J73-D-2 No.12、199
0、高橋友一他)などがある。また、カメラを使う手法
では、輪郭情報を抽出し、あらかじめ用意されているモ
デルとの対比で状態を推定する方法や、彩色した手袋を
使い、色情報によって指の動きなどをとらえる方法があ
る。文献では、「色情報による手形状認識に関する考
察」(電子情報通信学会技術研究報告 PRU94‐5
2、1994、吉野和芳他)などがある。また、認識結
果とデータベースの照合では、1対1の対応をとってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の手動作認識装置
では、動作者が「右」に動かしているつもりでも、実際
は右前方に動いていて、それをそのままコード化して手
動作単語データベースと照合すると「右」としてデータ
ベースに入っている単語に特定できないということがあ
り、動きによるずれや位置のずれを伴ったコードの照合
は、単純な照合では、十分でないということがあった。
【0004】そこで、本発明では、入力データから作成
されたコードと手動作単語データベースに入っているコ
ードに動きや位置のずれがあったとしても手動作の認識
が可能な手動作認識装置を提供することを目的とする。
【0005】また従来は、動作者が「右」に動かしてい
るつもりでも、サンプリング間隔ごとに移動方向を見て
いくと「右」、「右前方」となっていたりすることがあ
り、動きのずれに対応した動きのコード化ができていな
いということがあった。
【0006】そこで、本発明では、サンプリング間隔ご
との動きのずれがある場合でも手動作の認識を可能にす
る事を目的とする。
【0007】さらに従来の手動作認識装置では、動作者
が口元で、右に指を動かすという動きをしたときに、動
きの距離閾値を10cmなどと固定にしておくと動きが
なかったものとして判定されてしまい、動きの大きさに
対して適応性のある動きのコード化ができないという課
題があった。
【0008】そこで、本発明では、異なる大きさの動き
であっても手動作の認識を可能とすることを目的とす
る。
【0009】また従来は、手のひらの座標が出てきただ
けでは、左右の手の区別がつかない。また、手のひらが
隠れてしまう場合にも対応できていなかった。
【0010】そこで、本発明では、入力画像から、左右
の手の区別を行なう。さらに、隠れた手のひらの抽出を
も可能とすることを目的とする。
【0011】また従来は、動いていない手に対しては動
きコードを与えておらず、片手の動かない両手動作の動
きコードの照合に適していなかった。
【0012】そこで、本発明では、片手の動かない両手
動作の動きコード照合を可能とすることを目的とする。
【0013】また従来は、繰り返しの動作に対応した動
きコードを用意しておらず、不必要に長い動きコードが
出てくることがあった。
【0014】そこで、本発明では、繰り返しの動作に対
して、動きコードの短縮をはかることを可能とすること
を目的とする。
【0015】また従来は、コード化する動きの開始は判
断していたが、終了を判定しておらず、動作の切り出し
がされていなかった。
【0016】そこで、本発明では、動作の切り出しを可
能とすることを目的とする。また従来は、光学式カメラ
を用いていたため、周囲の明るさや色などの影響を受け
やすかった。
【0017】そこで、周囲環境の影響を受けにくい手動
作の認識を可能とすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明は、少なくとも操作者の上半身を撮影する
撮影手段と、撮影された画像より右手首より先の部分
(以下右手のひらと称する)と、左手首の先の部分(以
下左手のひらと称する)を手のひら抽出手段と、手のひ
ら抽出手段で抜き出された右、左手のひらの空間位置を
計算する空間位置計算手段と、計測された一定時間ごと
の移動距離を基に、手動作の動きコードを作成する動き
コード作成手段と、手のひらが移動した時の開始位置を
求める開始位置コード作成手段と、手動作の開始位置基
準コード、動き基準コードの組合わせが記憶された手動
作単語記憶手段と、動きコード作成手段によって求めら
れた動きコードを動き近傍コードを参照しつつ、手動作
単語記憶手段に記憶されている各手動作の動き基準コー
ドと比較をおこない動きコードの類似度を求める動きコ
ード照合手段と、開始位置近傍コードと開始位置コード
作成手段によって求められた開始位置コードを比較する
ことにより、開始位置コードの類似度を求める開始位置
コード照合手段と、動きコード照合手段と開始位置コー
ド照合手段で求められた類似度をもとに手動作単語を特
定する手動作特定手段を備えた手動作認識装置である。
【0019】また、上記構成における、動きコード作成
手段を移動量計算手段によって計測された移動方向と移
動距離を基に同一の移動方向が続く間の累積移動距離を
動き判定手段で判定し、近傍非圧縮動きコードを作成す
る近傍非圧縮動きコード作成手段と、移動量計算手段に
よって計測された移動方向と移動距離を基に近傍の移動
方向が続く間の累積移動距離を動き判定手段で判定し、
近傍圧縮動きコードを作成する近傍圧縮動きコード作成
手段とで置き換え、さらに動きコード照合手段を、近傍
非圧縮動きコードと近傍圧縮動きコードを動き近傍コー
ドを参照しつつ、手動作単語記憶手段の基準動きコード
と比較をおこない類似度を求める複合動きコード照合手
段とで置き換えて構成される手動作認識装置である。
【0020】また、上記構成における、動き判定手段に
移動量計算手段によって計測された移動距離を基に動き
コードを与えるかどうかを判定する距離閾値を可変にす
る距離閾値可変手段を付加して構成される手動作認識装
置である。
【0021】また、上記構成における、手のひら抽出手
段を、記憶手段で記憶された画像から手のひらを代表す
る特定色を抽出する特定色抽出手段と、特定色抽出手段
で抽出された領域の中で手のひらの領域を判定する手の
ひら判定手段と、動き予測によって左右の手の区別が可
能かどうかを判定する動き予測判定手段と、記憶手段で
記憶された画像から手および腕の動き領域を抽出する動
き領域抽出手段と、動き領域のそれぞれについて解析を
行なう動き領域解析手段と、動き領域をグループにまと
める動き領域グループ化手段と、動き領域グループ化手
段で作ったグループを下腕で近似する下腕部近似手段
と、下腕部近似手段で近似した2つの下腕部の位置関係
から左右の手の区別を行なう左右判定手段と、時間的な
動きの軌跡から、動きを予測して左右の手の区別を行な
う動き予測手段に置き換えて構成される手動作認識装置
である。
【0022】また、上記構成における、動きコード作成
手段または、近傍非圧縮動きコード作成手段に、動きが
なかったことを意味する固定動きコードを与える固定動
きコード作成手段を付加して構成される手動作認識装置
である。
【0023】また、上記構成における、動きコード作成
手段または近傍非圧縮動きコード作成手段または近傍圧
縮動きコード作成手段に、繰り返しの動きがあったこと
を意味する繰り返し動きコードを与える繰り返し動きコ
ード作成手段を付加して構成される手動作認識装置であ
る。
【0024】また、上記構成における、手動作静動判定
手段に、動作が終了したことを意味する終了通知手段を
付加して構成される手動作認識装置である。
【0025】また、上記構成における、空間位置計算手
段の前に、赤外線カメラを使って、少なくとも操作者の
上半身を撮影する赤外線撮影手段と、前記赤外線撮影手
段で撮影された画像を記憶する赤外線記憶手段と、前記
赤外線記憶手段で記憶された画像から、左右の手のひら
を抽出する赤外線手のひら抽出手段を付加して構成され
る手動作認識装置である。
【0026】
【作用】本発明の手動作認識装置によれば、操作者の上
半身を撮影して記憶し、左右の手のひらを抽出し、それ
らの空間位置を基に動きコードと開始位置コードを求
め、近傍コードを使って類似度を計算することにより、
人の曖昧性を吸収して手の動作を認識することができ
る。
【0027】また、動きコードの作成において、近傍非
圧縮動きコードと近傍圧縮動きコードの2種類を作成
し、各々で類似度を計算し、両方の類似度を用いて照合
することにより、人の曖昧性を吸収した動きのコード化
を行なって手の動作を認識することができる。
【0028】また、動き判定の距離閾値を可変にするこ
とにより、異なる大きさの動きにも対応した手の動作を
認識することができる。
【0029】また、手動作の動き部分から下腕部を推定
することにより、その関係から左右の手の区別ができ
る。さらに、動き予測を用いて、隠れた手のひらの座標
も予測ことにより、確実な手のひらの抽出ができる。
【0030】また、一方の手が動いているときに、もう
一方の手が動いていない場合は、固定コードを与えるこ
とにより、片手の動かない両手動作の動きコード照合が
できる。
【0031】また、繰り返しの動作に対応した動きコー
ドを与えることにより、動きコードの短縮をはかること
ができる。
【0032】また、動きの終了を意味する動きを認識し
て、これを通知することにより、動作の切り出しができ
る。
【0033】また、赤外線カメラを用いて手の動き部分
を抽出することにより、周囲環境の影響を受けにくい手
動作の認識ができる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)本発明の手動作認識装置について記述す
る。図1は発明の第1の実施例のシステム構成図であ
る。図1を参照して本実施例の構成について説明する。
【0035】左右のカメラの画像を撮影する撮影装置
1、撮影がおこなわれた左右のカメラの画像を記憶する
記憶装置2、画像の中の左右の手のひらを抽出する手の
ひら抽出装置3、左右のてのひらの空間における絶対座
標を求める空間位置計算装置4、空間位置計算装置4に
よって求められた値を記憶する空間位置記憶装置5、空
間位置を基に一定時間ごとの移動方向と移動距離を計算
する移動量計算装置17と、移動距離を基に動きとして
認められる距離として設定した距離閾値を用いて動きコ
ードを与えるかどうかを判定する動き判定装置18と、
移動量計算装置17で求めた移動方向と移動距離をもと
に動きコードを作成する動きコード作成装置7、空間位
置記憶装置5に入っている手のひらの空間座標をもとに
判定する手動作静動判定装置6、記憶装置2より領域コ
ードのテーブルを作成する領域コードテーブル作成装置
16、手動作静動判定装置6で手のひらが移動を開始し
た時の開始位置を領域コードテーブル作成装置16を用
いて求める開始位置コード作成装置8、動きコードの近
傍である動き近傍コードを記憶している動き近傍コード
記憶装置9、領域コードの近傍である領域コード近傍グ
ループを記憶している領域コード近傍グループ記憶装置
10、手動作の開始位置基準コード、動き基準コードの
組合わせが記憶された手動作単語記憶装置11、動きコ
ード作成装置7によって求められた動きコードを動き近
傍コードを参照しつつ、手動作単語記憶装置11に記憶
されている各手動作の動き基準コードと比較をおこない
動きコードの類似度を求める動きコード照合装置12、
手動作単語記憶装置11に記憶されている各手動作の開
始位置基準コードを基に領域コード近傍グループ記憶装
置10より各手動作の開始位置近傍コードを作成する開
始位置近傍コード作成装置13、開始位置近傍コード作
成装置13で求めた開始位置近傍コードと開始位置コー
ド作成装置によって求められた開始位置コードを比較す
ることにより、開始位置コードの類似度を求める開始位
置コード照合装置14、動きコード照合装置12と開始
位置コード照合装置14で求められた類似度をもとに手
動作単語を特定する手動作特定装置15により構成され
る。
【0036】次に、本実施例の具体的な動作について、
図4のフローチャートと、図1を用いて説明する。
【0037】図1のように、左右両方向から対象を撮影
するカメラのような撮影装置1によって操作者の上半身
を撮影し、その画像を記憶装置2に蓄える。記憶装置2
は標準ではNTSCの規格である1/30秒のサンプリ
ング間隔で格納されるが記憶装置2のパラメータを変更
することによりサンプリング周期の変更、例えば1/1
0秒もしくは1/5秒への変更が可能である(ステップ
100)。
【0038】手のひら抽出装置3では、最初の画像にお
いて、色情報を使って肌色を抜き出す。その抜き出され
たものが、大きさや形状から手のひらと特定し、位置関
係などから左右の区別を行なう。2枚目以降について
は、手のひらの追跡を行ないながら、手のひらの抽出を
行なっていく(ステップ101)。
【0039】空間位置計算装置4では、各左右のカメラ
の画像において、手のひらの注目点(例えば重心)の座
標を求め、その視差を利用して空間位置座標を計算す
る。左右の手のひらについて求め、各サンプリング点ご
とに計算していった結果を空間位置記憶装置5に格納し
ていく(ステップ102)。なお、空間位置はデータグ
ローブからの計測データおよびキーボードからの指定で
も作成できる。
【0040】移動量計算装置17では、移動方向と移動
距離を求める。空間位置として記憶されている一定サン
プリング間隔のフレームごとの3次元座標の連続する2
点の座標を(x0,y0,z0),(x1,y1,z
1)とすると2点間の移動距離は、(数1)で計算され
る。
【0041】
【数1】
【0042】また、XY平面上への投影角度は(数
2)、YZ平面上への投影角度は(数3)、ZX平面上
への投影角度は(数4)で計算される。
【0043】
【数2】
【0044】
【数3】
【0045】
【数4】
【0046】さらにこれら3種類の投影角度の組合せに
より図7に示す26方向のうちの一つを移動方向として
決定する。これらの計算をすべてのフレーム間について
おこなう。ここでは、5点が計測され空間位置座標は、
図8のようになり、各フレーム間で計算された移動方向
と移動距離は図9のようになったとする(ステップ10
3)。
【0047】動き判定装置18では、動き判定の距離閾
値を10cmとしておく。このとき、動きコード作成装
置7では、同じ移動方向で累積距離が距離閾値を越えた
場合に、動きコードを与える。図9を用いて、動きコー
ドの作成を行なう。サンプリング点間(t0,t1)で
は、移動距離が5cmしかないので、動きコードとしな
い。サンプリング点間(t1,t2)では、移動距離が
11cmで動き判定の距離閾値を越えているので、動き
コードとして「右前方」が与えられる。同様にサンプリ
ング点間(t2,t3)では、動きコードとして「下」
が与えられる。サンプリング点間(t3,t4)では、
移動距離が2cmしかないので、動きコードとしない。
この結果、動きコードは、(右前方、下)となる(ステ
ップ104)。
【0048】動き近傍コード記憶装置9には、ある動き
コードを基準としたときの近傍コードが記憶されている
とする。その基準動きコードがX、Y、Z軸上のとき
に、各軸方向に45度ずれた動きを近傍動きコードとす
る。また、XY平面、XZ平面、YZ平面上にある基準
動きコードに関しては、平面を構成している座標軸の方
向と残りの座標軸方向に45度ずれた動きを近傍動きコ
ードとする。また、XY平面、XZ平面、YZ平面上に
ない基準動きコードに関しては、各平面に投影された動
きを近傍動きコードとする。図10にその一部を示す。
また、手動作単語記憶装置11には、各手動作単語に対
する基準動きコードと基準開始位置コードが入ってい
る。手動作単語「司会」の場合であると、顔の前より動
作が始まり、右に動かして下に動かすという動作である
ので、図11のように登録されている。ここで、動きコ
ード照合装置12では、手動作単語記憶装置11の基準
動きコードと動きコードを項ごとに比較していく。この
とき、お互いがすべて一致していて項数も合えば類似度
100%となる。また、基準動きコードからみて動きコ
ードが、動き近傍コード記憶装置9に格納されている近
傍動きコードになっている場合は、近傍の類似度比を乗
算する。なお、基準動きコードに比べて、動きコードの
項数が少ない場合の「欠け」や動きコードの項数が多い
場合の「混入」、円弧動作における動きコードの「ず
れ」などを考慮した類似度比を与えるということも有効
である。図12に類似度計算のための項ごとの比較結果
を示す。その結果を基に、図13で定義した類似度比を
もとに、類似度を計算する。第1項目は近傍、第2項目
は一致しているので、類似度は、100%×90%=9
0%となる(ステップ105)。
【0049】領域コードテーブル作成装置16では、右
カメラ、左カメラで撮影された体の上半身が記憶されて
いる記憶装置2より領域コードのテーブルを作成する。
記憶装置2に格納された体の上半身部分の画像のエッジ
を取ることにより、右、左カメラで撮影された体の上半
身部分を抜き出す。なお抜き出す方法としては、人物が
写っていない写真との差分によって取り出しても、また
手で体の上半身部分の外形をなぞって切り出してもよ
い。(図14)図14で求めた外形線とY軸と平行な線
が接する線をFRL,FLLとし、外形線とX軸と平行
な線が接する線をHULとする。前記FRLを垂直に伸
ばし、外形線と交わった点をfrlpとする。frlp
より外形線に接した線SHDLを求める。SHDLと外
形線の差分が閾値を越えた点をshpとする。shpを
通り、X軸に平行な線をSUL、Y軸に平行な線をSH
RLとする。また、FRLとFLLの中線をMCLとす
る。MCLとSHRLとの差分距離だけSHRLより左
に移動した線をERLとする。MCLを軸中心としてS
HRLと線対称な線をSHLL、ERLに対称な線をE
LLとする。またSULとHULの3/4の位置にある
X軸に平行な線をNEL、SULとX軸との中線をBM
Lとする。(図15)前記SHDL,SHRL,FR
L,MCL,FLL,SHLL,ELL,HUL,NE
L,SUL,BMLを使って右カメラ、左カメラ画像の
領域を分割する。(図16)次に前記の線分によって生
じた交点を求める。(図17)右カメラ画像と左カメラ
画像での同じ交点番号を左右の対応点とする。交点番号
0の画像上の座標値を(Xr0,Yr0),(Xl0,
Yl0)とすると数5に代入し、空間位置を計算する。
【0050】
【数5】
【0051】同様に全ての交点においても空間位置の計
算をおこなう。その結果に基づいて領域コード(0〜2
4)を定義する。領域コード(0〜24)からMCLと
SHRLの距離だけ人物の前方にある領域を領域コード
(25〜49)と定義する。さらに前方の領域にある領
域を領域コード(50〜74)と定義し、それぞれの定
義された領域は領域コードテーブルとして空間の座標値
を格納する。図18に検出された領域コードテーブルの
作成結果を示す。このことにより被験者自身の部位に沿
った領域(顔、首、胸、腹、顔の横等)の分割が可能と
なり、領域コードが被験者自身の部位との対応づけを示
すことになる。なおこの領域コードはデータグローブか
らの計測データ及びキーボードからの指定でも作成でき
る(ステップ106)。
【0052】手動作静動判定装置6では空間位置記憶装
置5に記憶されている各フレームの空間位置の差分を取
り、図19に示すように一定時間の停止後、閾値(10
cm)以上の移動がある時に、動作が開始したと判定
し、その時の空間位置を開始位置コード作成装置8に渡
す(ステップ107)。
【0053】開始位置コード作成装置8では手動作静動
判定装置6により渡された空間位置と領域コードテーブ
ル作成装置16に格納されている座標をもとに開始位置
コードを決定する。空間位置が(Xw,Yw,Zw)=
(20,160,10)の時、領域コードテーブル作成
装置8で作成された図18より開始位置コードが11と
検出される(ステップ108)。
【0054】領域コード近傍グループ記憶装置10はあ
る領域コードのX軸,Y軸,Z軸に一つずれた26近傍
の領域コードを記憶する。ある開始位置コードに対する
これら領域群を領域コードの領域コード近傍グループと
定義する。例えば領域コード36の領域コード近傍グル
ープは図20に示すように5,6,7,10,11,1
2,15,16,17,30,31,32,35,3
7,40,41,42,55,56,57,60,6
1,62,65,66,67となる。開始位置近傍コー
ド作成装置13では領域コード近傍グループ記憶装置1
0の領域近傍グループと手動作単語記憶装置11の中の
開始位置基準コードを使用して開始位置近傍コードを作
成する。例えば顔の前より動作が始まり、右に動かし下
に動かす動作は手話では「司会」となる。この動作は手
動作単語記憶装置11の中に、開始位置基準コードとし
て36、動き基準コードとして(右,下)と登録されて
いる。上記動作の開始位置基準コードに対する領域近傍
グループは図20に示されている領域コードとなる。開
始位置基準コードとの距離に応じて図21に示すように
位置に対する類似度を開始位置近傍コードとして作成す
る。なおこの開始位置近傍コードに格納されている類似
度は動作によって可変にしても良い(ステップ10
9)。
【0055】開始位置コード照合装置14では開始位置
コード作成装置8で検出された開始位置コードと開始位
置近傍コード作成装置13で作成された開始位置近傍コ
ードをもとに空間位置における類似度を照合させる。上
記の例では(ステップ108)で検出された開始位置コ
ード11は図21と比較すると開始位置近傍コードに作
成されている類似度は89%となっている。つまりこの
検出された動きは手動作「司会」に対して位置において
類似度89%と検出される。これら操作を手動作単語記
憶装置11の登録語全てに対しておこない、結果は手動
作単語特定装置15へと送る(ステップ110)。
【0056】手動作単語特定装置15では、動きコード
照合装置12によって得られた各手動作単語の動きコー
ドの類似度と、開始位置コード照合装置14によって得
られた各手動作単語の開始位置コードの類似度の演算を
おこなう。この結果、最も高い類似度を示した手動作単
語に特定する。例えば、手動作単語「A」、「司会」の
各類似度が次のようだったとする。(動きコード類似
度、開始位置コード類似度)=「A」(90%、20
%)=「司会」(90%、89%)このとき、演算とし
て積算を用いたとすると、(総合類似度)=「A」(1
8%)=「司会」(80%)となり、結果として手動作
単語「司会」の方の類似度が高いため、この場合手動作
単語「司会」に特定する。これにより、入力データから
作成されたコードと手動作単語データベースに入ってい
るコードに動きや位置のずれがあったとしてもそれを吸
収した形の照合が可能となった。なお、演算は、積算以
外に、加算、各類似度の順位比較などが適用できる(ス
テップ111)。
【0057】このように、照合の時に近傍を考慮した類
似度計算を用いることで、入力データから作成されたコ
ードと手動作単語データベースに入っているコードに動
きや位置のずれがあったとしてもそれを吸収した形の照
合が可能となる。
【0058】(実施例2)本発明の第2の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例を置換した部分のみ説明す
る。
【0059】図2は、本発明の第2の実施例の手動作認
識装置の構成を示す図である。図2には、本発明の第2
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0060】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る動きコード作成装置7を、移動量計算装置17で求め
た移動方向と移動距離を基に、同一の移動方向が続く間
の累積移動距離を動き判定装置18で判定し、近傍非圧
縮動きコードを作成する近傍非圧縮動きコード作成装置
20と、移動方向と移動距離を基に、近傍の移動方向が
続く間の累積移動距離を動き判定装置18で判定し、近
傍圧縮動きコードを作成する近傍圧縮動きコード作成装
置21とで置き換え、さらに動きコード照合装置12
を、近傍非圧縮動きコードと近傍圧縮動きコードを動き
近傍コードを参照しつつ、基準動きコードと比較をおこ
ない類似度を求める複合動きコード照合装置22とで置
き換えて構成される。
【0061】次に、本実施例の具体的な動作について、
図5に示すフローチャートと、図2を用いて説明する。
【0062】図4のステップ103までは、第1の実施
例と同様である。図5のステップ200から説明する。
【0063】移動量計算装置17で求めた移動方向と移
動距離は、図9のようになり、動き判定装置18での動
き判定の距離閾値を10cmとしておく。このとき近傍
非圧縮動きコード作成装置20では、同じ移動方向で累
積距離が距離閾値を越えた場合に、動きコードを与え
る。図9を用いて、動きコードの作成を行なう。サンプ
リング点間(t0,t1)では、移動方向が次のサンプ
リング点間(t1,t2)の移動方向と異なり、移動距
離が5cmしかないので、動きコードとしない。サンプ
リング点間(t1,t2)では、移動方向が次のサンプ
リング点間(t2,t3)の移動方向と異なり、移動距
離が11cmで動き判定の距離閾値を越えているので、
動きコードとして「右前方」が与えられる。同様にサン
プリング点間(t2,t3)では、動きコードとして
「下」が与えられる。サンプリング点間(t3,t4)
では、移動距離が2cmしかないので、動きコードとし
ない。この結果、動きコードは、(右前方、下)となる
(ステップ200)。
【0064】近傍圧縮動きコード作成装置21では、動
き近傍コード記憶装置9を参照して近傍を見ていき、近
傍の移動方向が続く間の累積距離が距離閾値を越えた場
合に、動きコードを与える。図9を用いて、動きコード
の作成を行なう。サンプリング点間(t0,t1)で
は、図10の動き近傍コード定義表を参照すると移動方
向が次のサンプリング点間(t1,t2)の移動方向と
近傍の関係にあり、サンプリング点間(t0,t2)で
再び移動量計算装置17を用いて移動方向と移動距離を
求める。この結果、移動方向は「右」、移動距離が16
cmとなるので、動きコードとして、「右」が与えられ
る。サンプリング点間(t2,t3)では、動き近傍コ
ードが続かず、移動距離が15cmで動き判定の距離閾
値を越えているので、動きコードとして「下」が与えら
れる。サンプリング点間(t3,t4)では、動き近傍
コードが続かず、移動距離が2cmしかないので、動き
コードとしない。この結果、動きコードは、(右、下)
となる(ステップ201)。
【0065】複合動きコード照合装置22では、手動作
単語記憶装置11の基準動きコードと近傍非圧縮動きコ
ードを項ごとに比較していく。このとき、お互いがすべ
て一致していて項数も合えば類似度100%となる。ま
た、基準動きコードからみて近傍非圧縮動きコードが、
動き近傍コード記憶装置9に格納されている近傍動きコ
ードになっている場合は、近傍の類似度比を乗算する。
なお、基準動きコードに比べて、近傍非圧縮動きコード
の項数が少ない場合の「欠け」や近傍非圧縮動きコード
の項数が多い場合の「混入」、円弧動作における近傍非
圧縮動きコードの「ずれ」などを考慮した類似度比を与
えるということも有効である。図12に類似度計算のた
めの項ごとの比較結果を示す。その結果を基に、図13
で定義した類似度比をもとに、類似度を計算する。第1
項目は近傍、第2項目は一致しているので、近傍非圧縮
動きコードの類似度は、100%×90%=90%とな
る。同様に、近傍圧縮動きコードについても、項ごとに
比較していくと、2つの項が共に一致するので、近傍圧
縮動きコードの類似度は、100%×100%=100
%となる。ここで、2つの類似度の比較を行ない、高い
値を出した近傍圧縮動きコードの類似度100%の方が
類似度となる。これらの操作を手動作単語記憶装置11
の登録語すべてに対して行ない、結果は、手動作単語特
定装置15へと送る(ステップ202)。
【0066】このように、近傍圧縮動きコードを用いる
ことで、サンプリング間隔ごとの動きのずれを吸収した
形の動きのコード化が可能となる。
【0067】(実施例3)本発明の第3の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第2の実施例に付加した部分のみ説明す
る。
【0068】図3は、本発明の第3の実施例の手動作認
識装置の構成を示す図である。図3には、本発明の第3
の実施例の説明に必要な、第2の実施例の装置を残して
ある。
【0069】図2の本発明の第2の実施例の構成におけ
る移動量計算装置20と動き判定装置21の間に、移動
量計算装置20で計算された移動距離を基に動きコード
を与えるかどうかを判定する距離閾値を可変にする距離
閾値可変装置30を付加して構成される。
【0070】次に、本実施例の具体的な動作について、
図6に示すフローチャートと、図3を用いて説明する。
【0071】距離閾値可変装置30では、まず最低距離
閾値を設定する。閾値移動量計算装置20で算出された
フレーム間ごとの移動距離のうち、最低距離閾値ものを
すべて抜きだし、これらの平均値をもって、動き判定の
距離閾値とする。なお、モードやメジアンといった他の
統計処理値を使っても良い。例えば、最低距離閾値を1
cmとする。また、5点の各フレーム間で計算された移
動距離が、(2cm)、(7cm)、(0cm)、(6
cm)だったとする。ここで、最低距離閾値を越えるの
は、(2cm)、(7cm)、(6cm)の3つであ
る。これら3つの平均値は5cmであるのでこれを動き
判定の距離閾値とする(ステップ300)。
【0072】この動き判定の距離閾値を用いれば、この
ような小さい動きに対しても適当な動き判定の距離閾値
を与えることができる。
【0073】(実施例4)本発明の第4の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例を置換した部分のみ説明す
る。
【0074】図22は、本発明の第4の実施例の手動作
認識装置の構成を示す図である。図には、本発明の第4
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0075】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る手のひら抽出装置3を、手のひらを代表する特定色を
抽出する特定色抽出装置40と、抽出された領域の中で
手のひらの領域を判定する手のひら判定装置41と、動
きの中で、左右の手の区別が可能かどうかを判定する動
き予測判定装置42と、手および腕の動きの領域を抽出
する動き領域抽出装置43と、抽出された動き領域のそ
れぞれについて解析を行なう動き領域解析装置44と、
動き領域をグループにまとめる動き領域グループ化装置
45と、グループを下腕で近似する下腕部近似装置46
と、2つの下腕部の関係から左右の手の区別を行なう左
右判定装置47と、時間的な動きの軌跡から、動きを予
測して左右の手の区別を行なう動き予測装置48とで置
き換えて構成される。
【0076】次に、本実施例の具体的な動作について、
図27に示すフローチャートと、図22を用いて説明す
る。
【0077】図27のステップ100までは、第1の実
施例と同じである。図27のステップ400から説明す
る。
【0078】特定色抽出装置40では、記憶装置2に蓄
えられている画像に対して、手のひらを代表する特定色
だけを抽出する。ここでは、手のひらに青色で着色した
手袋をはめていたとする。取り込み画像が赤緑青のよう
な色成分の和として表されているとすると、青の成分を
多く含む領域だけ抽出すれば、手のひらの領域が抽出で
きる。なお、特定色が肌色であったとしても、その各色
成分に対する比率の組合せで抽出できる。(ステップ4
00) 手のひら判定装置41では、抽出された領域に対して、
その縦と横の長さなどから判断して、手のひら領域とみ
なされるものだけを選択する。例えば、手のひらの大き
さの判断基準として画像上の縦の長さが50画素以上1
00画素以下であり、横の長さも50画素以上100画
素以下である領域のみ手のひら領域とする。手のひら領
域に関しては、その位置を算出して記憶しておく。例え
ば重心座標をその領域の代表点とする。ここで出てき
た、2つもしくは1つの代表点がでてくる。1つの代表
点しか出てこないというのは片手動作の場合や、両手動
作では重なっている場合である。(ステップ401) 動き予測判定装置42では、動き予測可能でないのか、
可能なのかを判定する。ここでいう動き予測は、連続す
る2フレームの代表点を使って、その差分から次のフレ
ームの代表点を予測するというものである。今処理対象
となっているフレームの前に左右の手の区別がついてい
るフレームが0枚または1枚の時は、動き予測が不可能
である。この場合は、下腕の交差状況などから左右の手
の区別を判断する必要があるので、ステップ403、4
04、405に進む。今処理対象となっているフレーム
の直前の2フレームで左右の手の区別がついている場合
は、動き予測だけで左右の手の区別が行なえる。この場
合は、ステップ406に進む。(ステップ402) 動き領域抽出装置43では、今処理対象となっているフ
レームと直前のフレームとの輝度成分の差をとり、動い
た部分を取り出す。さらに、小ノイズ除去などの画像処
理をかけることによりもっとも大きく動く下腕部を構成
する領域のみを抽出する。さらに、動き領域解析装置4
4では、抽出された動き領域の各々についてその領域の
最大の長さを取る2点の座標、傾きおよびその長さなど
の解析を行なう。図29に解析する特徴の項目を図示す
る。(ステップ403) 動き領域グループ化装置45では、抽出された動き領域
の解析データについて、それぞれの位置や傾きの近いグ
ループにまとめていく。(ステップ404) できた動き領域のグループの数が1つなら片手動作と判
断し、手のひらの代表点を右の手のひらの代表点として
空間位置記憶装置4に格納する。グループの数が2つな
ら両手動作と判断し、左右の手の区別を行なうため、ス
テップ406に進む。(ステップ405) 下腕部近似装置46では、下腕の両端のうち、手のひら
の代表点に近い方を手のひらとする。2つの手のひらの
代表点のそれぞれを2本の下腕のそれぞれに割り当て
る。手のひらの反対側の点を肘とする。これにより、手
のひらと肘の位置の決まった2本の下腕を決定する。図
30に動き領域のグループが下腕近似されている様子を
示す。ここで、人の体の拘束条件である右肘と左肘の左
右は入れ替わらないということを利用する。左右判定装
置47では、2本の下腕の両肘の座標を比較して、左に
ある方が左下腕で右にある方を右下腕とする。これによ
り、手のひらの左右も決まる。左右の手のひらの領域は
空間位置記憶装置4に格納する。(ステップ406) ここでは、動き予測ができる場合の左右の手の区別を行
なう。動き予測装置48では、左右の手のひらの各々に
ついて、今処理対象となっているフレームの2つ前のフ
レームと1つ前のフレームの動きの差分から処理対象フ
レームの手のひらの位置を予測する。算出した動き予測
値とステップ401で出てきた手のひらの代表点を比較
して、左の動き予測値に近い方を左手のひらの代表点と
し、右の予測値に近い方を右手のひらの代表点として、
空間位置記憶装置4に格納する。この動き予測を使え
ば、手のひらの代表点が1点しか抽出されていなくて
も、左右それぞれについて予測値が算出されているの
で、その2点の距離の差から両手が重なっているのか一
方の手が隠れているのかの区別もつく。隠れている場合
は、隠れている方の手の代表点を予測点で代用すること
も可能となる。(ステップ407) このように、手動作の動き部分から下腕部を推定するこ
とにより、その関係から左右の手の区別を可能とする。
さらに、動き予測を用いて、隠れた手のひらの座標も予
測することにより、確実な手のひらの抽出が可能とな
る。
【0079】(実施例5)本発明の第5の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例および第2の実施例に付加し
た部分のみ説明する。
【0080】図23は、本発明の第5の実施例の手動作
認識装置の構成を示す図である。図には、本発明の第5
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0081】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る動きコード作成装置7に、または、図2の本発明の第
2の実施例の構成における近傍非圧縮動きコード作成装
置20に、動きがなかったことを意味する固定動きコー
ドを与える固定動きコード作成装置50を付加して構成
される。
【0082】次に、本実施例の具体的な動作について、
図23を用いて説明する。動きコード作成装置7におい
て、動きコードを与えるに十分な移動距離がなかった場
合、固定動きコードを与える。固定動きコード作成装置
50では、動きコードを与えられなかった方の手のひら
の各サンプリング間隔ごとの移動距離をみていく。すべ
てのフレーム間で動き判定の距離閾値を越えていない場
合は、動きコードとして(固定)を与える。
【0083】このように、一方の手が動いているとき
に、もう一方の手が動いていない場合は、固定コードを
与えることにより、片手の動かない両手動作の動きコー
ド照合が可能となる。
【0084】(実施例6)本発明の第6の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例および第2の実施例に付加し
た部分のみ説明する。
【0085】図24は、本発明の第6の実施例の手動作
認識装置の構成を示す図である。図には、本発明の第6
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0086】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る動きコード作成装置7に、または、図2の本発明の第
2の実施例の構成における近傍非圧縮動きコード作成装
置20に、または、図2の本発明の第2の実施例の構成
における近傍圧縮動きコード作成装置21に、繰り返し
の動きがあったことを意味する繰り返し動きコードを与
える繰り返し動きコード作成装置60を付加して構成さ
れる。
【0087】次に、本実施例の具体的な動作について、
図28に示すフローチャートと、図24を用いて説明す
る。
【0088】図28のステップ104までは、第1の実
施例と同じである。図28のステップ600から説明す
る。
【0089】動きコード作成装置7において、反復的な
動きをコード化したときに、(右、左、右、左、・・
・)のように出てきたとする。
【0090】繰り返し動きコード作成装置60では、ま
ず、動きコードを2つスタックに蓄積する。この場合、
スタックに(右、左)が入る。(ステップ600) 次に、スタックに入っている(右、左)のコードが、繰
り返される間はそのままで、違うコードが来るか最後ま
で来たら、そこまで繰り返された動きコードの代表コー
ドの後に繰り返しであることを意味する(繰り返し)コ
ードを入れる。この場合、動きコードとして(右、左、
繰り返し)を作成する。(ステップ601) このように、繰り返しの動作に対応した動きコードを与
えることにより、動きコードの短縮をはかることが可能
となる。
【0091】(実施例7)本発明の第7の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例に付加した部分のみ説明す
る。
【0092】図25は、本発明の第7の実施例の手動作
認識装置の構成を示す図である。図には、本発明の第7
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0093】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る手動作静動判定装置6に、動作が終了したことを意味
する終了通知装置70を付加して構成される。
【0094】次に、本実施例の具体的な動作について、
図25を用いて説明する。手動作静動判定装置6では、
動作の開始点を見つけたが、終了通知装置70では、両
方の手で動きが止まった時に終了と判断する。ここで
は、両手について、サンプリング間隔ごとの移動距離を
見ていき、動き判定の距離閾値以下のフレームが一定時
間(例えば1秒)続いた場合などに終了と判断し、撮影
装置1などに対して終了を判断した時から1秒前が動作
の終了フレームだったことを通知する。なお、終了と判
断する時間は何秒でも良いし、終了動作としては口を開
けるなどの動作でも良い。図31に終了の通知のタイミ
ング図を示す。
【0095】このように、動作の終了を意味する動きを
認識して、これを通知することにより、的確な動作の切
り出しが可能となる。
【0096】(実施例8)本発明の第8の実施例の手動
作認識装置について、以下図面を参照しながら説明す
る。本発明の第1の実施例に付加した部分のみ説明す
る。
【0097】図26は、本発明の第8の実施例の手動作
認識装置の構成を示す図である。図には、本発明の第8
の実施例の説明に必要な、第1の実施例の装置を残して
ある。
【0098】図1の本発明の第1の実施例の構成におけ
る空間位置計算装置4の前に、赤外線カメラを使って、
少なくとも操作者の上半身を撮影する赤外線撮影装置8
0と、撮影された画像を記憶する赤外線記憶装置81
と、記憶された画像から、左右の手のひらを抽出する赤
外線手のひら抽出装置82を付加して構成される。
【0099】次に、本実施例の具体的な動作について、
図26を用いて説明する。赤外線撮影装置80では、左
右両方向から対象を撮影する赤外線カメラで動作者の上
半身を撮影し、その画像を赤外線記憶装置81に蓄え
る。サンプリング間隔も1/30秒や1/5秒など動作
速度に応じて変更可能である。赤外線手のひら抽出装置
82では、温度差の違いによる色の違いを使って手のひ
らを抜き出す。また、第4の実施例で説明したように、
位置関係などから左右の手の区別を行なう。この結果は
空間位置計算装置4に送られる。
【0100】このように、赤外線カメラを用いて手の動
き部分を抽出することにより、周囲環境の影響を受けに
くい手動作の認識が可能となる。
【0101】
【発明の効果】照合の時に近傍を考慮した類似度計算を
用いることで、入力データから作成されたコードと手動
作単語データベースに入っているコードに動きや位置の
ずれがあったとしてもそれを吸収した形の照合が可能と
なる。
【0102】また、入力データから動きコードを作成す
るときに近傍の移動方向が続く間はまとめて一つの移動
方向とする動きコードを用いることで、サンプリング間
隔ごとの動きのずれを吸収した形の動きのコード化が可
能となる。
【0103】また、可変的な動き判定のための距離閾値
を用いることで、異なる大きさの動きに対応した動きの
コード化が可能となる。
【0104】また、手動作の動き部分から下腕部を推定
することにより、その関係から左右の手の区別を可能と
する。さらに、動き予測を用いて、隠れた手のひらの座
標も予測することにより、確実な手のひらの抽出が可能
となる。
【0105】また、一方の手が動いているときに、もう
一方の手が動いていない場合は、固定コードを与えるこ
とにより、片手の動かない両手動作の動きコード照合が
可能となる。
【0106】また、繰り返しの動作に対応した動きコー
ドを与えることにより、動きコードの短縮をはかること
が可能となる。
【0107】また、動作の終了を意味する動きを認識し
て、これを通知することにより、的確な動作の切り出し
が可能となる。
【0108】また、赤外線カメラを用いて手の動き部分
を抽出することにより、周囲環境の影響を受けにくい手
動作の認識が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の手動作認識装置の構成
を示す図
【図2】本発明の第2の実施例の手動作認識装置の構成
を示す図
【図3】本発明の第3の実施例の手動作認識装置の構成
を示す図
【図4】第1の実施例の手動作認識装置の処理手順の流
れ図
【図5】第2の実施例の手動作認識装置の処理手順の流
れ図
【図6】第3の実施例の手動作認識装置の処理手順の流
れ図
【図7】第1の実施例の移動量計算装置で移動方向を決
めるために使われる方向を示す図
【図8】第1の実施例の空間位置記憶装置に格納されて
いる空間位置座標を示す図
【図9】第1の実施例の移動量計算装置で求めた移動量
を示す図
【図10】第1の実施例の動き近傍コード記憶装置に格
納されている動き近傍コードを示す図
【図11】第1の実施例の手動作単語記憶装置に格納さ
れている基準コードを示す図
【図12】第1の実施例の動きコード照合装置および第
2の実施例の複合動きコード照合装置の類似度計算のた
めの項ごとの比較を示す図
【図13】第1の実施例の動きコード照合装置および第
2の実施例の複合動きコード照合装置のパラメータであ
る類似度比を示す図
【図14】第1の実施例の右、左の上半身の写った画像
より実施例の人物の外形を抜きだした図
【図15】第1の実施例の領域コードテーブル作成装置
の人物の外形線より領域分割のための線を示す図
【図16】第1の実施例の領域コードテーブル作成装置
の人物の外形線より人物の部位に沿った領域分割を示す
【図17】第1の実施例の領域コードテーブル作成装置
の領域分割した時の領域の端点を示す図
【図18】第1の実施例の領域コードテーブル作成装置
の領域コードの空間コードを示す図
【図19】第1の実施例の手動作静動判定装置の動作開
始の判定タイミングを示す図
【図20】第1の実施例の領域コード近傍グループ記憶
装置に記憶されている領域近傍グループを示す図
【図21】第1の実施例の開始位置近傍コード作成装置
に記憶されている開始位置近傍コードを示す図
【図22】本発明の第4の実施例の手動作認識装置の構
成を示す図
【図23】本発明の第5の実施例の手動作認識装置の構
成を示す図
【図24】本発明の第6の実施例の手動作認識装置の構
成を示す図
【図25】本発明の第7の実施例の手動作認識装置の構
成を示す図
【図26】本発明の第8の実施例の手動作認識装置の構
成を示す図
【図27】第4の実施例の手動作認識装置の処理手順の
流れ図
【図28】第6の実施例の手動作認識装置の処理手順の
流れ図
【図29】第4の実施例の解析する動き領域の特徴の要
素を示す図
【図30】第4の実施例の下腕近似の説明図
【図31】第7の実施例の終了通知のタイミング図
【符号の説明】
x0,y0,z0 空間位置座標の始点 x1,y1,z1 空間位置座標の終点 t0,t1,t2,t3,t4 サンプリング点 Xw 空間位置のX座標 Yw 空間位置のY座標 Zw 空間位置のZ座標 ERL(ElbowRightLine) 右肘を示す
線 SHRL(ShoulderRighitLine)
右肩を示す線 FRL(FaceRightLine) 顔の右側を示
す線 MCL(MiddleCenterLine) 体の中
心を表す線 FLL(FaceLeftLine) 顔の左側を示す
線 SHLL(ShoulderLeftLine) 左肩
を示す線 ELL(ElbowLeftLine) 左肘を示す線 HUL(HeadUpperLine) 頭の上を示す
線 NEL(NeckLine) 首の位置を示す線 SUL(ShoulderUpperLine) 肩の
上部を示す線 BML(BodyMiddleLine) 体の中心
(胸と腹の境界)を示す線 shp(ShoulderPoint) 肩の位置を示
す点 frlp(FaceRightLinePoint)
FRLを垂直方向に伸ばし外形線と交わった点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−144675(JP,A) 特開 平7−282235(JP,A) 松尾英明外3名,非接触による手話動 作の認識アルゴリズム,Human I nterface News and Report,社団法人計測自動制御学 会,1995年 1月23日,Vol.10,N o.1,pp.41−46 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00 - 7/60 G06T 1/00 G09B 21/00 JSTPlusファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも操作者の上半身を撮影する撮影
    手段と、 前記撮影手段で撮影された画像を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段で記憶された画像より右手首より先の部分
    (以下右手のひらと称する)と、左手首の先の部分(以
    下左手のひらと称する)を抽出する手のひら抽出手段
    と、 前記手のひら抽出手段で抜き出された右、左手のひらの
    空間位置を計算する空間位置計算手段と、 前記空間位置計算手段で計算された空間位置を記憶する
    空間位置記憶手段と、 前記空間位置記憶手段を基に一定時間ごとの移動方向と
    移動距離を計算する移動量計算手段と、 前記移動量計算手段によって計測された前記移動距離を
    基に動きとして認められる距離として設定した距離閾値
    を用いて動きコードを与えるかどうかを判定する動き判
    定手段と、 前記空間位置記憶手段によって手動作の動きコードを作
    成する動きコード作成手段と、 前記空間位置記憶手段に記憶された値の差分を取ること
    によりてのひらが空間中に静止しているか、移動してい
    るかを判定する手動作静動判定手段と、 前記記憶手段より領域コードのテーブルを作成する領域
    コードテーブル作成手段と、 前記手動作静動判定手段で求めた手のひらが移動した時
    の開始位置を、前記領域コードテーブル作成手段を用い
    て求める開始位置コード作成手段と、 前記動きコードの近傍である動き近傍コードを記憶して
    いる動き近傍コード記憶手段と、 前記領域コードの近傍であるコードを記憶している領域
    コード近傍グループ記憶手段と、 手動作の開始位置基準コード、動き基準コードの組合わ
    せが記憶された手動作単語記憶手段と、 前記動きコード作成手段によって求められた前記動きコ
    ードを前記動き近傍コードを参照しつつ、前記手動作単
    語記憶手段に記憶されている各手動作の前記動き基準コ
    ードと比較をおこない動きコードの類似度を求める動き
    コード照合手段と、前記手動作単語記憶手段に記憶され
    ている各手動作の前記開始位置基準コードを基に前記領
    域コード近傍グループ記憶手段より各手動作の開始位置
    近傍コードを作成する開始位置近傍コード作成手段と、 前記開始位置近傍コード作成手段で求めた開始位置近傍
    コードと前記開始位置コード作成手段によって求められ
    た開始位置コードを比較することにより、開始位置コー
    ドの類似度を求める開始位置コード照合手段と、 前記動きコード照合手段と前記開始位置コード照合手段
    で求められた類似度をもとに手動作単語を特定する手動
    作特定手段を備えた手動作認識装置。
  2. 【請求項2】動きコード作成手段を、移動量計算手段に
    よって計測された移動方向と移動距離を基に同一の前記
    移動方向が続く間の累積移動距離を動き判定手段で判定
    し、近傍非圧縮動きコードを作成する近傍非圧縮動きコ
    ード作成手段と、移動量計算手段によって計測された移
    動方向と移動距離を基に近傍の前記移動方向が続く間の
    累積移動距離を動き判定手段で判定し、近傍圧縮動きコ
    ードを作成する近傍圧縮動きコード作成手段とで置き換
    え、 さらに動きコード照合手段を、前記近傍非圧縮動きコー
    ドと前記近傍圧縮動きコードを動き近傍コードを参照し
    つつ、手動作単語記憶手段の基準動きコードと比較をお
    こない類似度を求める複合動きコード照合手段とで置き
    換えた請求項1記載の手動作認識装置。
  3. 【請求項3】動き判定手段に、移動量計算手段によって
    計測された移動距離を基に動きコードを与えるかどうか
    を判定する距離閾値を可変にする距離閾値可変手段を付
    加した請求項1または2記載の手動作認識装置。
  4. 【請求項4】手のひら抽出手段を、 記憶手段で記憶された画像から手のひらを代表する特定
    色を抽出する特定色抽出手段と、 前記特定色抽出手段で抽出された領域の中で手のひらの
    領域を判定する手のひら判定手段と、 動き予測によって左右の手の区別が可能かどうかを判定
    する動き予測判定手段と、 記憶手段で記憶された画像から手および腕の動き領域を
    抽出する動き領域抽出手段と、 前記動き領域のそれぞれについて解析を行なう動き領域
    解析手段と、 前記動き領域をグループにまとめる動き領域グループ化
    手段と、 前記動き領域グループ化手段で作ったグループを下腕で
    近似する下腕部近似手段と、 前記下腕部近似手段で近似した2つの下腕部の位置関係
    から左右の手の区別を行なう左右判定手段と、 時間的な動きの軌跡から、動きを予測して左右の手の区
    別を行なう動き予測手段とで置き換えた請求項1から3
    いずれかに記載の手動作認識装置。
  5. 【請求項5】動きコード作成手段または、近傍非圧縮動
    きコード作成手段に、動きがなかったことを意味する固
    定動きコードを与える固定動きコード作成手段を付加し
    た請求項1から4いずれかに記載の手動作認識装置。
  6. 【請求項6】動きコード作成手段または近傍非圧縮動き
    コード作成手段または近傍圧縮動きコード作成手段に、
    繰り返しの動きがあったことを意味する繰り返し動きコ
    ードを与える繰り返し動きコード作成手段を付加した請
    求項1から5いずれかに記載の手動作認識装置。
  7. 【請求項7】手動作静動判定手段に、動作が終了したこ
    とを意味する終了通知手段を付加した請求項1から6い
    ずれかに記載の手動作認識装置。
  8. 【請求項8】空間位置計算手段の前に、赤外線カメラを
    使って、少なくとも操作者の上半身を撮影する赤外線撮
    影手段と、前記赤外線撮影手段で撮影された画像を記憶
    する赤外線記憶手段と、前記赤外線記憶手段で記憶され
    た画像から、左右の手のひらを抽出する赤外線手のひら
    抽出手段を付加した請求項1から7いずれかに記載の手
    動作認識装置。
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