JP3438916B2 - 流動物質の充填方法及び装置 - Google Patents

流動物質の充填方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不透明であるが検査光
の一部が透過可能な連続相に、該連続相よりも光透過率
が高い固形物が点在している流動物質を容器に充填する
際に使用する流動物質の充填方法及び装置に関する。本
発明は前記種類の流動物質に対して適用できるが、特
に、濃厚エマルション又は濃厚サスペンションにより形
成される連続相に、該連続相よりも光透過率が高い固形
物が点在している流動性の食品の充填方法及び装置にお
いて、食品が充填された容器の中の固形物の量を計測し
ながら、充填する際に有効に適用できる。
【0002】本明細書において「固形物の量」は、固形
物の重量のみならず、個数、又は、大きさ等、充填する
固形物に関する量的概念全般を包含するものとする。ま
た、「容器」は、検査光の一部が透過する不透明な連続
相(例えば、濃厚エマルション又は濃厚サスペンション
等)に該連続相よりも光透過率が高い固形物が点在して
いる流動物質(例えば流動性食品等)を充填する各種材
質及び形態の容器、袋等の包装材料である。また、「検
査光」は、不透明な連続相を一部が透過するとともに、
前記連続相中の固形物に対する透過率が前記連続相に対
する透過率よりも高い光であり、例えば、連続相が濃厚
エマルション又は濃厚サスペンション等の場合には近赤
外線領域の光である。また、「近赤外線領域の光」は、
波長範囲0.7〜3μm(好ましくは0.8〜2μm)の
電磁波である。また、「固形物検出パルス」は、固形物
が検出されているときに出力されるパルス状の電気信号
であり、「判定用情報」は、前記固形物検出パルスの持
続時間、間隔、位置、有無等、固形物検出パルスに直接
関連する種々の情報及びそれらの種々の情報に予め設定
された関係式を適用して得られる間接的な情報であっ
て、前記容器内の流動物質(例えば、流動性の食品)の
固形物の量に関連する情報、すなわち、容器内の固形物
の量の良否を判定するのに役立つ情報又は良否を判定し
た情報等を意味する。
【0003】
【従来の技術】近年、食品産業においては、消費者の嗜
好が高級化する傾向にあり、より高級感のある食品とし
て、例えば果実入りヨーグルト、果実入りゼリー、具入
りスープ等、比較的大型の具材を含む食品が好まれてい
る。以下、果実入りヨーグルトを例に、記載する。果実
入りヨーグルトは、例えば桃、蜜柑、苺、ぶどう等の果
肉、果実ジャム又は果実プレザーブ等(以下これらを総
称して果実と記載する)とヨーグルトのそれぞれ所定量
を同一の容器に充填した食品であり、連続相となるヨー
グルトの中に、固形物である果実が不連続に点在してい
る。このような連続相に固形物が点在している食品(以
下混合食品と記載することがある)を充填する方法とし
て、一般に次の(B1)及び(B2)の方法が知られてい
る。
【0004】(B1) 液体と固形物とを別個に充填
し、充填容器内部において混合食品とする方法(例え
ば、特開昭62−208304号公報等)。 (B2) 予め液体と固形物とを混合して混合食品とな
し、この混合食品を充填する方法。 前記(B2)の方法としては、固形物を均等に容器に充
填するため、次の(ア)、(イ)及び(ウ)が知られて
いる。 (ア) 混合食品のタンクの底部に、固形物を一旦堆積
させた後充填する(特開昭63−138901号公
報)。 (イ) 充填装置に混合食品を移送する際の移送距離を
短くする(特開平3−285666号公報)。 (ウ) 充填前の混合食品を予め充分に撹拌し、均一化
する(特開平4−201801号公報)。
【0005】一方光学的手段を用いて固形物を検出する
技術、特に異物検査を目的とした技術としては、次の
(エ)〜(キ)が知られている。 (エ) 充填された容器に光を照射し、TVカメラで容
器内部を撮影して画像処理する(特開平1−96540
号公報)。 (オ) 被検査物に光を照射し、被検査物を透過した光
を同一光軸上においてカメラによって連続的に受光し、
異物が通過した際に受光量が減少することを利用して異
物を検出する(特開昭58−173456号公報)。 (カ) 検査すべき流体の流路を偏平にすることによ
り、光の透過光量を増加し、この偏平流路を透過する光
を一次元イメージセンサカメラで捕らえる(特開平4−
54441号公報)。 (キ) 透過光ではなく散乱光、反射光を測定する(特
開昭61−195333号公報、特開平1−30534
3号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】混合食品の充填方法に
おいて、前記(B1)の方法は、液体と固形物とを別個
に計量して同一の容器に充填することから、計量する手
段及び充填する手段が、液体用と固形物用の双方に必要
となり、充填装置の構造及び制御が複雑となる。従っ
て、設備費及びランニングコストが高額となり、保守管
理においても多大な労力を要する欠点があった。このた
め、実際には前記(B2)の方法が一般的に採用されて
いるが、前記(B2)の方法には次に記載する問題があ
った。
【0007】充填する対象が混合食品であるため、充填
された個々の容器において、総量としては定量充填する
ことができるが、容器の内部の固形物の量に変動が生じ
易く、最悪の場合には、固形物が全く含まれない容器が
発生する。混合食品の充填において、固形物の量が少な
い容器、又は固形物が全く含まれない容器(以下これら
を不良品と記載する)が発生することは好ましくなく、
このために前記(ア)〜(ウ)の技術は、充填する前の
段階において前記問題を軽減し、固形物を可及的均等に
充填することを目的としている。
【0008】しかし、前記(ア)〜(ウ)の技術は、あ
くまでも前記の問題を予防又は緩和するための間接的な
技術であり、これらの技術を適用したとしても、不良品
を判別することができず、また容器内の固形物の量のバ
ラツキが所定の範囲内であることが保証されるわけでも
ない。従って、品質管理の点からは、全ての容器につい
て固形物を量を計数すること、また不良品のチェックを
行うことが必要とされていた。このため、従来から、前
記(エ)〜(キ)に例示される光学的手段を混合食品の
充填に転用し、これらの技術によって、固形物の量を把
握すること、又は不良品を判別することが検討されてき
た。
【0009】しかしながら、前記(エ)の技術は、容器
及び連続相の双方が透明であることを前提としており、
混合食品の連続相が光を透過し難い場合は、この技術を
適用できない。例えば、前記果実入りヨーグルトにおい
ては、連続相が濃厚エマルション又は濃厚サスペンショ
ンのヨーグルトであって、その色彩は白色又は乳白色で
あり、外部から照射された光を散乱し、ほとんど透過し
ないという光学的性質を有しているが、このような混合
食品には、前記(エ)の技術は適用できない。前記
(オ)の技術は、被検査物が透明でなくても、少なくと
も半透明状であれば適用できるが、専ら光が透過し易い
シート状の材料を対象としており、混合食品の流路に適
用することはもとより不可能である。
【0010】前記(カ)の技術は、混合食品、特に光が
透過し難い食品をも対象としているが、光の透過量を増
加するために流路を偏平としているため、広がった流路
を、一次元イメージセンサカメラを使用してカバーして
いる。しかし、特に食品分野において取り扱う混合食品
は、固形物が比較的大径であり、流路を偏平にすること
は、流路閉塞の危険があって好ましくなく、又、食品産
業においては少容量の容器を対象としているため、充填
装置の配管は、比較的小径で小流量の装置が多く、一次
元イメージセンサカメラ等の機器の設置スペースを必要
とするのは好ましくない。更に、前記(カ)の技術は、
本来異物検査を目的としており、単に固形物(異物)の
存在を検知するだけであって、固形物の量を判別するこ
とはできない。
【0011】尚、以上の(オ)及び(カ)の技術は、比
較的高い光透過率を有する連続相に対して、該連続相よ
りも光透過率が低い固形物について、この固形物が光を
遮断することを利用して検知するという共通の技術思想
に基づいている。前記(キ)の技術は、粉体、タバコ用
フィルター等、散乱光又は反射光を発する固体を対象と
しており、混合食品の流路に適用することはできず、例
えば、混合食品が前記果実入りヨーグルトである場合に
は、濃厚エマルション又は濃厚サスペンション(以下こ
れらを総じて分散系と記載することがある)からなる連
続相は外部から照射された光をほとんど散乱するため、
連続相の内部に埋没している固形物を高い精度で検出す
ることはできない。
【0012】結局、混合食品を充填する場合、特に混合
食品の連続相が分散系である場合は、前記(エ)〜
(キ)のような光学的手段を適用することはできず、従
来、このような場合は、容器を定時的に抜き取って内部
の固形物を人手によって計数し、容器中の固形物の量、
及び充填状態の良否を推測することしかできず、煩雑な
手間を要するばかりでなく、確実性に乏しく、品質管理
の面でも著しい不都合があった。
【0013】前述の各従来技術、すなわち、検査光を出
射する投光手段とこの投光手段から出射した検査光を受
光する受光手段との間に流動物質の流路を配置し、受光
手段の検出した透過光量により前記流動物質中の固形物
を検出する技術は、連続相が透明又は半透明なものに対
してのみ実施されており、連続相が検査光を散乱して不
透明である物質に対しては実施されていなかった。この
理由は、前記透過光量により固形物を検出する技術は連
続相が透明又は半透明の場合に適用できることは明らか
であるが、連続相が光を散乱して不透明な場合には適用
できないという固定観念があったためと考えられる。
【0014】本発明らは、前記従来技術の問題点を改善
するために鋭意研究を行った結果、次のことを見出し
た。 (1)連続相が入射した光(検査光)を散乱するため不
透明であっても検査光の一部が連続相を透過する場合、
連続相中に点在する固形物が、果実、ゼリー球等、連続
相よりも光透過率が高い場合には、固形物が光軸を通過
した際に透過する光量が増大し、これによって通過する
固形物を検出し得ること、(2)前記の着想を実用化す
るために、使用する光をある特定の波長の光にすれば固
形物を検出する精度をより向上し得ること、及び(3)
固形物が検査光を横切った際の光量の変動をパルスに変
換し、このパルスについて、特にその信号の持続時間す
なわちパルス幅を測定することにより、容器中の固形物
の量を検出し得ること、
【0015】本発明は前記発見に基づいて完成したもの
で、本発明の着想は、固形物が光を遮蔽して透過光量が
減少することを利用した前記(オ)及び(カ)とは全く
逆の技術思想に基づくものである。本発明は、不透明で
あるが検査光の一部が透過可能な連続相に、該連続相よ
りも光透過率が高い固形物が点在している流動物質であ
れば、食品以外の物質に対しても適用できる。本発明
は、下記の記載内容を課題とする。 (O01)不透明であるが検査光の一部が透過可能な連続
相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物が点在して
いる流動物質を容器に充填する際、容器の中の固形物の
量をオンラインで計測し得る充填方法を提供すること。 (O02)不透明であるが検査光の一部が透過可能な連続
相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物が点在して
いる流動物質を容器に充填する際、充填状態の良否を容
易に判別し得る充填方法を提供すること。 (O03)前記の充填方法を実施するための充填装置を提
供すること。
【0016】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0017】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の流動物質の充填方法は、不透明であ
るが検査光の一部が透過可能な連続相に、該連続相より
も光透過率が高い固形物が点在している流動物質を容器
(18)に充填する流動物質の充填方法において、前記
容器(18)に接続する流動物質の流路を横切る方向に
検査光を投光し、前記流動物質の流路を横切って透過し
た前記検査光の透過光量を検出し、その透過光量の検出
値を設定された閾値と比較して固形物検出パルスを形成
し、この固形物検出パルスから前記容器(18)内の固
形物の量に関連する判定用情報を取得することを特徴と
する。
【0018】(前記第1発明の補足説明)前記第1発明
において「判定用情報を取得する」の意味は、「判定用
情報をプリンタ等に出力すること」、「判定用情報を表
示装置に表示すること」、又は「プリンタに出力できる
状態又は表示装置に表示できる状態で記憶すること」等
を意味する。前記第1発明においては、前記容器(1
8)に接続する流動物質の流路にその流路を横切る方向
に検査光を投光する手段(T)、及び前記流動物質の流
路を横切って透過した前記検査光の透過光量を検出する
手段(J)が使用される。前記検査光が横切る流動物質
の流路の位置(以下検出箇所と記載することがある)と
しては、流動物質が充填される容器(18)に近いほど
望ましい。その理由は、固形物が検出箇所において検出
され、その後充填されるので、検出箇所と充填される場
所とが離れている場合、検出されてから充填されるまで
に時間を要し、検出箇所において検出された固形物と実
際に充填された固形物とが一致しなくなる場合が生じる
からである。このような場合には、例えば、判定用情報
を取得する際に、信号処理上の操作によって前記検出さ
れた固形物と前記充填された固形物とを一致させても良
いが、その場合でも、精度の上からは検出箇所と容器
(18)とは近いほど望ましい。
【0019】前記検査光を投光する手段(T)により投
光された検査光が、前記流動物質の流路を横切って透過
し、この透過した検査光を受光する手段(J)により受
光される。従って、前記投光手段(T)により投光され
た検査光を、前記受光手段(J)によりできるだけ多く
受光することが望ましく、このために、前記投光手段
(T)により投光される光は、できるだけ平行光線であ
ることが望ましい。前記投光手段(T)及び受光手段
(J)は、一対に限る必要はなく、複数対使用すること
もできる。
【0020】本発明において使用する検査光は、流動物
質の種類によって最も適切なものを採用することができ
る。流動物質として、例えば、濃厚エマルション又は濃
厚サスペンションからなる連続相に、該連続相よりも光
透過率が高い固形物が点在している流動性の食品である
場合には、近赤外線領域の光を採用するのが好ましい。
近赤外線領域の光は、波長が0.7〜3μmの電磁波、
特に0.8〜2μmの範囲のものが望ましい。前記濃厚
エマルション又は濃厚サスペンションからなる連続相を
有する流動性の食品において、近赤外線領域の光を使用
する理由は、可視光を使用した場合には、連続相又は固
形物の色彩によって透過光量が影響を受けるため、連続
相又は固形物の色が変動する場合、数種類の固形物が混
合されている場合等では、その都度透過光量が変動し、
検出の安定性が低下する。又、透過光として赤外線を使
用した場合には、流動物質の温度によって透過光量が影
響を受けるので、同様に検出の安定性が低下する。従っ
て、前記流動性の食品の場合においては3μmを超える
波長、及び0.7μm未満の波長の電磁波を使用するこ
とは好ましくなく、波長が0.7〜3μmの近赤外線領
域の光を使用する。
【0021】近赤外線領域の光を発光する投光手段
(T)の光源には、市販の光源(31a,31a′)を使
用することができ、受光手段(J)の受光量検出部(受
光センサ)(31b,31b′)には市販の光電管、光電
回路を使用することができる。また、前記透過光量の検
出値としては、受光手段(J)により検出された透過光
量の値そのものを採用することが可能であるが、検出さ
れた透過光量を前記投光手段(T)により投光した光量
で除した値すなわち光透過率の値を採用することも可能
である。また、透過光量の検出は、電流、電圧等のアナ
ログ信号又はデジタル信号に変換して検出することが可
能である。
【0022】本発明において、前記「透過光量の検出値
を設定された閾値と比較して固形物検出パルスを形成」
する操作は、例えば図4に示すような信号処理により行
う。図4Aは、透過光量の検出値(縦軸)と時間(横
軸)との関係を示し、図中の破線は設定された閾値を示
している。図4Bは透過光量の検出値を設定された閾値
と比較して形成した固形物検出パルスを示している。ま
た、図4Cは前記図4Bに示す固形物検出パルスを微分
して得られるパルスであり、図4Dは前記図4Cのパル
スの中でマイナス(−)のパルスを除去するとともにパ
ルス波形を成形したパルスである。この図4D及び前記
図4Bのパルス数の計数値は通過した固形物の数に対応
している。図4Bの固形物検出パルスのパルス幅は図4
A,4B,4Cにおいて、bc,de,fgの長さで示
される。図4Bの固形物検出パルスのパルス幅の積算値
すなわち(bcの長さ)+(deの長さ)+(fgの長
さ)の合計は検出箇所を通過した固形物の量に対応して
いる。
【0023】前記閾値(図4Aの破線参照)は、前記透
過光量の最大値と最小値との間で設定される値である。
前記図4Bに示す固形物検出パルスの立ち上がり又は立
ち下がりの時刻は前記図4Aに示す透過光量検出値が前
記閾値を跨ぐ時刻と対応している。すなわち、図4Bに
示すように透過光量の検出値が閾値より小さい値であっ
たものが、検出値が増大して閾値を超えた場合に固形物
検出パルスが発生し、透過光量の検出値が閾値よりも大
きい値であったものが、検出値が減少して閾値よりも小
さくなった場合に固形物検出パルスが消滅する。なお図
4Bでは、固形物検出パルスはプラス(+)のパルス信
号として示されているが、マイナス(−)のパルス信号
とすることも可能である。このような透過光量の検出値
を予め設定した閾値と比較して固形物検出パルスを出力
する手段は、従来公知である。
【0024】本発明において「判定用情報」は、前述し
たように、前記容器(18)内の流動物質の固形物の量
に関連する情報(すなわち、容器(18)内の固形物の
量の良否を判定するのに役立つ情報又は良否を判定した
情報)を意味する。前記固形物検出パルスから得られる
判定用情報としては例えば次のものが考えられる。 (J01)固形物検出パルスの数。 (J02)固形物検出パルスのパルス幅の積算値。 (J03)固形物検出パルスのパルス幅の積算値から予め
求めた相関式に基づく該流動物質中の固形物の量。 (J04)固形物検出パルスのパルス幅の積算値が予め設
定した基準範囲内に有るか否か。
【0025】前記固形物検出パルスから得られる(J0
1)の判定用情報、すなわち、固形物検出パルス数は次
のように利用できる。例えば、図4B又は図4Dに示す
ように、aからhまでの時間帯には3個のパルスが発生
している。従って図4B又は図4Dのパルス数を計数す
ることにより、図4Bに示す固形物検出パルスの数(情
報)が得られる。この情報すなわち固形物検出パルスの
数から、aからhまでの時間に検出箇所を固形物が3個
通過したことが分かる。例えば、aからhまでの時間が
容器(18)1個分の量の流動物質が流れた時間に対応
している場合は、この流動物質が充填された容器(1
8)には3個の固形物が入っていると判断できる。前記
(J01)の固形物検出パルスのパルス数(判定用情報)
は、流動物質中に固形物の数が少ない場合又は固形物の
大きさが均一な場合等に有効に利用することが可能であ
る。
【0026】前記固形物検出パルスから得られる(J0
2)の情報、すなわち、固形物検出パルスのパルス幅の
積算値は次のように利用できる。例えば、図4Bに示す
ように、aからhまでの時間帯には3個の固形物検出パ
ルスが発生している。この図4Bに示す固形物検出パル
スのパルス幅の積算値は、検出箇所を固形物が通過して
いる延べ時間である。この延べ時間すなわち前記パルス
数の積算値が大きい程多くの固形物が通過したことにな
る。従って、例えばaからhまでの時間が容器(18)
1個分の量の流動物質が流れた時間に対応している場合
は、前記パルス幅の積算値が大きい程この流動物質が充
填された容器(18)には多量の固形物が入っていると
判断できる。前記図4Bに示す各固形物検出パルスのパ
ルス幅を検出する方法は、従来公知(参考文献:中田孝
ら編、「自動制御機器便覧」、第IX−30頁、オーム
社、1962年)であるが、例えば、前記固形物検出パ
ルスとカウント用のクロックパルスとをAND回路に入
力し、そのAND回路から出力するクロックパルスをカ
ウントする方法を採用することができる。また、検出し
たパルス幅は、加算回路又はコンピータ等により容易に
積算することが可能である。
【0027】前記固形物検出パルスから得られる(J0
3)の情報、すなわち、固形物検出パルスのパルス数の
積算値から予め求めた相関式に基づく該流動物質中の固
形物の量は次のように利用できる。この(J03)の情報
は、検出箇所を通過した固形物の量そのものの値として
認識できる。従って前記(J02)の情報(固形物検出パ
ルスのパルス幅の積算値)よりも、より直観的に前記検
出箇所を通過した固形物の量を認識することができる。
なお、前記(J03)の相関式は、例えば後記する試験例
に例示するように、実験によって決定することができ
る。また、固形物の量を求める感度は、前記閾値の大き
さによって設定することができる。前記感度は、対象と
する流動物質の光学的性質、固形物の種類、大きさ、形
状等種々の条件に応じて決定される。
【0028】前記固形物検出パルスから得られる(J0
4)の判定用情報、すなわち、固形物検出パルスのパル
ス幅の積算値が予め設定した基準範囲内に有るか否かと
いう情報は次のように利用できる。前記パルス幅の積算
値が前記基準範囲外である場合、容器(18)中の固形
物の量が不足又は過剰であるとみなして、当該容器(1
8)を不良品であると決定する。この決定は、前記パル
ス幅の積算値が予め設定した基準範囲内に有るか否かと
いう情報に基づいて直ちに行うことができる。この決定
はコンピュータ等の電気機器によって自動的に行うこと
ができるが、人手によって行うことも可能である。前記
基準範囲は上限値、下限値、又はその両方等を設定する
ことが可能である。
【0029】前記固形物検出パルスから得られる判定用
情報(J01)〜(J04)は、1つだけを取得してそれを
単独で利用することも、また、複数取得してそれらを組
み合わせて利用することも可能である。前記本発明の
「判定用情報」を取得する手段(20)としては、市販
のパソコン、又はシーケンサ等を使用することが可能で
ある。
【0030】(第2発明)また、本出願の第2発明の流
動物質の充填方法は、前記第1発明の流動物質の充填方
法において、前記流動物質は、濃厚エマルション又は濃
厚サスペンションからなる連続相に、該連続相よりも光
透過率が高い固形物が点在している流動性の食品であ
り、前記検査光として近赤外線領域の光が採用されたこ
とを特徴とする。
【0031】(第3発明)また、本出願の第3発明の流
動物質の充填方法は、前記第1又は第2発明の流動物質
の充填方法において、前記判定用情報が前記固形物検出
パルスのパルス幅の積算値であることを特徴とする。
【0032】(第4発明)また、本出願の第4発明の流
動物質の充填方法は、前記第3発明の流動物質の充填方
法において、前記判定用情報が固形物検出パルスのパル
ス幅の積算値から予め求めた相関式に基づいて定まる該
流動物質中の固形物の量であることを特徴とする。
【0033】(第5発明)また、本出願の第5発明の流
動物質の充填方法は、前記第3発明の流動物質の充填方
法において、前記判定用情報は、固形物検出パルスのパ
ルス幅の積算値が予め設定した基準範囲内に有るか否か
を示す情報であることを特徴とする。
【0034】(第6発明)また、前記課題を解決するた
めに、本出願の第6発明の流動物質の充填装置は、不透
明であるが検査光の一部が透過可能な連続相に、該連続
相よりも光透過率が高い固形物が点在している流動物質
を容器(18)に充填する流動物質の充填装置におい
て、下記の要件(Y01)〜(Y04)を備えたことを特徴
とする、(Y01) 前記容器(18)に接続する流動物
質の流路を横切る方向に検査光を入射させる投光手段
(T)、(Y02) 前記流路を横切って透過した検査光
を受光して前記流動物質の透過光量を検出する受光手段
(J)、(Y03) 前記受光手段(J)による前記透過
光量の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パ
ルスを発生する固形物検出パルス出力手段(31c,3
1c′)、(Y04) 前記固形物検出パルスから前記容
器(18)内の固形物の量に関連する判定用情報を取得
する手段(20)。
【0035】(前記第6発明の補足説明)流動物質の流
路には検査光を発する投光手段(T)が配設され、配設
された場所が検出箇所となる。投光手段(T)の光を投
光する面は、流動物質の流路の内側方向に向けられ、投
光した光を流動物質に透過させる。検査光を投光する手
段(T)としては、流動物質の光透過特性、又は光反射
特性に応じて種々の光を採用することが可能であるが、
流動物質が濃厚エマルション又は濃厚サスペンションか
らなる連続相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物
が点在している流動性の食品である場合には、前記検査
光として近赤外線領域の光を投光する手段(T)が採用
される。投光手段(T)を、電気を光に変換する光源
(31a,31a′)と流路に配設された投光器(26,
26′)とに分割し、これらを光ファイバー(28,2
8′)で接続する形態が特に望ましい。この理由は、光
源(31a,31a′)は比較的広い設置スペースを必要
とするため、流動物質の流路から離して設置できれば機
器を配置する際の自由度が増加するためである。このよ
うな投光手段(T)には、市販の光ファイバー型光源装
置を利用することも可能である。
【0036】前記投光手段(T)が発した光を受光する
受光手段(J)は、流動物質の流路を挟んで前記投光手
段(T)と対向して流動物質の流路に配置される。前記
受光手段(J)は、前記投光手段(T)が発した光が流
動物質を透過した後の透過光量を検出する。前記受光手
段(J)が透過光量を検出する態様としては、光量を電
流、電圧等のアナログ信号に変化して検出する態様を採
用することが好ましい。受光手段(J)としては市販の
光電回路、光電管等を用いることができるが、受光手段
(J)が受光センサ(31b,31b′)と受光器(2
7,27′)とに分離され、前記受光器(27,2
7′)のみが流路に配設され、前記受光センサ(31
b,31b′)と受光器(27,27′)とが光ファイバ
ー(29,29′)で接続されている形態が特に望まし
い。この理由は、前記投光手段(T)の場合と同様であ
り、前記本体が比較的広い設置スペースを必要とするこ
とから、前記受光センサ(31b,31b′)本体を検出
箇所から離して設置できれば機器を配置する際の自由度
が増加するためである。
【0037】前記投光手段(T)及び受光手段(J)
は、一対に限らず複数対使用してもよく、この場合に各
々の前記投光手段(T)及び受光手段(J)を配設する
位置関係には種々の形態がある。例えば、前記投光手段
(T)及び受光手段(J)を2対配設する場合は、各々
が形成する2本の光軸が流路の中で互いに十字状に交差
する形態、又は流路の断面上を2本の光軸が共に平行に
位置する形態等があり、流路の径、固形物の種類、大き
さ、等によって自由に選択することができる。固形物検
出パルス出力手段(31c,31c′)は、検出箇所を固
形物が通過して透過光量が変動した際に、この変動を当
該固形物に対応したパルスすなわち固形物検出パルスに
変換し、出力する手段である。固形物検出パルス出力手
段(31c,31c′)としては、公知の電気回路、市販
の警報接点、警報回路、等を利用することが可能であ
る。
【0038】前記投光手段(T)、受光手段(J)及び
固形物検出パルス出力手段(31c,31c′)は、各々
別個に構成することも、一体として構成することも、あ
るいは一部重複して構成することも可能であるが、後記
の実施例では、前記受光手段(J)の透過光量検出部
(受光センサ)(31b又は31b′)と、前記投光手段
(T)の光源(31a又は31a′)と、固形物検出パル
ス出力手段(31c又は31c′)が、投受光アンプユニ
ット(31又は31′)として一体的に構成されてい
る。固形物検出パルス出力手段(31c,31c′)はパ
ルス伝送ケーブル(32,32′)により判定用情報取
得手段(20)と接続される。判定用情報取得手段(2
0)は、固形物検出パルス出力手段(31c,31c′)
から伝送される固形物検出パルスから前記容器(18)
内の流動物質の固形物の量に関連する情報すなわち、流
動物質の充填状態の良否判定に役立つ判定用情報又は良
否判定した情報等を取得する機能を有している。この判
定用情報としては、前述の(J01)〜(J04)等が考え
られる。そして、この判定用情報取得手段(20)は、
市販のシーケンサ、パーソナルコンピュータ等を利用す
ることができる。
【0039】(第6発明の実施態様1)前記本出願の第
6発明の流動物質の充填装置の実施態様1は、前記第6
発明において下記の要件(Y05)を備えたことを特徴と
する、(Y05) 前記判定用情報を取得する手段(2
0)は、前記固形物検出パルスのパルス数を出力するパ
ルス数出力手段により構成されたこと。
【0040】(第7発明)また、前記課題を解決するた
めに、本出願の第7発明の流動物質の充填装置は、前記
第6発明の流動物質の充填装置において、下記の要件
(Y06),(Y07)を備えたことを特徴とする、(Y0
6) 前記流動物質が濃厚エマルション又は濃厚サスペ
ンションからなる連続相に、該連続相よりも光透過率が
高い固形物が点在している流動性の食品であること、
(Y07) 前記検査光として近赤外線領域の光を採用し
たこと。
【0041】(第8発明)また、本出願の第8発明の流
動物質の充填装置は、前記第6又は第7発明の流動物質
の充填装置において、下記の要件(Y08)を備えたこと
を特徴とする、(Y08) 前記判定用情報を取得する手
段(20)は、前記固形物検出パルスのパルス幅の積算
値を出力するパルス幅積算値出力手段(20a)により
構成されたこと。
【0042】(第8発明の補足説明)前記本出願の第8
発明の流動物質の充填装置において、さらに次の要素
(Y09)又は(Y010)を設けることが可能である。 (Y09) 前記パルス幅積算値出力手段(20a)によ
って出力されたパルス幅の積算値から、予め求めた相関
式に基づいて充填された流動物質中の固形物の量を算出
する固形物量算出手段(20b)。 (Y010) 前記パルス幅積算値出力手段(20a)によ
って出力されたパルス幅の積算値が予め設定した基準範
囲内に有るか否かを示す判別信号を出力する判別信号出
力手段(20c)。 ところで、前記検査光が横切る流路を前記固形物が流れ
た時点から容器(18)に充填されるまでにはタイムラ
グを生じる場合がある。このタイムラグの長さは、充填
速度、検出箇所の位置によって変化するが、このタイム
ラグを考慮して、前記固形物量算出手段(20b)又は
判別信号出力手段(20c)が信号を処理し、それらの
信号状態と容器(18)内の流動物質の充填状態とを一
致させることも可能である。
【0043】前記固形物量算出手段(20b)又は判別
信号出力手段(20c)の出力信号は、表示装置、メー
タ、等に表示したり、プリンタで印字したり、連続相と
固形物との混合比を調節する制御装置又はパソコン等に
入力したりして使用される。また、前記判別信号出力手
段(20c)の出力する判別信号は、作業員に警告する
ための警報灯、警報器、又は自動的に不良品を除去する
装置等に出力して使用することができる。また、前記固
形物量算出手段(20b)又は判別信号出力手段(20
c)としては、市販のシーケンサ(S)、パーソナルコ
ンピュータ等を利用することができる。前記判別信号と
しては、常時オン、又は常時オフのいずれの信号でも使
用することができる。
【0044】(第8発明の実施態様1)前記本出願の第
8発明の流動物質の充填装置の実施態様1は、前記第8
発明において下記の要件(Y09)を備えたことを特徴と
する、(Y09) 前記パルス幅積算値出力手段(20
a)によって出力されたパルス幅の積算値から、予め求
めた相関式に基づいて充填された流動物質中の固形物の
量を算出する固形物量算出手段(20b)。
【0045】(第8発明の実施態様2)前記本出願の第
8発明の流動物質の充填装置の実施態様2は、前記第8
発明において下記の要件(Y010)を備えたことを特徴
とする、(Y010) 前記パルス幅積算値出力手段(2
0a)によって出力されたパルス幅の積算値が予め設定
した基準範囲内に有るか否かを示す判別信号を出力する
判別信号出力手段(20c)。
【0046】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (第1発明の作用)前記本出願の第1発明の流動物質の
充填方法は、不透明であるが検査光の一部が透過可能な
連続相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物が点在
している流動物質は流路を通って容器(18)に充填さ
れる。前記容器(18)に接続する流動物質の流路に
は、その流路を横切る方向に検査光が投光される。この
検査光は前記流路内の流動物質を横切って、その一部が
透過し、他の部分は流動物質により吸収又は反射され
る。流動物質中の固形物は連続相よりも光透過率が高い
ので、前記流路を流れる流動物質中に固形物が存在する
ときには、存在しないときに比べて、流動物質を透過し
た前記検査光の透過光量は多くなる。
【0047】この透過光量の検出値は設定された閾値と
比較されて固形物検出パルスが形成される。前記閾値を
適切に設定することにより、前記流路を流れる流動物質
中に固形物が存在するときのみ、固形物検出パルスを発
生させることができる。この固形物検出パルスの数は前
記流路を流れた固形物の数に対応し、固形物検出パルス
のパルス幅は前記流路を流れた固形物の大きさに対応す
る。従って、前記固形物検出パルスのパルス数及びパル
ス幅等から前記流路を流れて容器(18)内に充填され
た流動物質中の固形物の数及び固形物の大きさ等の情報
(すなわち、固形物の量に関連する情報(判定用情
報)、すなわち、容器(18)内の固形物の量の良否を
判定するのに役立つ情報又は良否を判定した情報)を取
得することができる。前記取得した判定用情報により、
前記容器(18)内の流動物質の充填状態の良否を容易
に判定することができる。
【0048】(第2発明の作用)前記本出願の第2発明
の流動物質の充填方法は、濃厚エマルション又は濃厚サ
スペンションからなる連続相に、該連続相よりも光透過
率が高い固形物が点在している流動性の食品は流路を通
って容器(18)に充填される。前記容器(18)に接
続する食品の流路には、その流路を横切る方向に近赤外
線領域の光が投光される。この近赤外線領域の光は、そ
の一部が前記流路内の食品を横切って透過し、他の部分
は食品により吸収又は反射される。食品中の固形物は連
続相よりも光透過率が高いので、前記流路を流れる食品
中に固形物が存在するときには、存在しないときに比べ
て、食品を透過した前記近赤外線領域の光の透過光量は
多くなる。
【0049】この透過光量の検出値は設定された閾値と
比較されて固形物検出パルスが形成される。前記閾値を
適切に設定することにより、前記流路を流れる食品中に
固形物が存在するときのみ、固形物検出パルスを発生さ
せることができる。この固形物検出パルスの数は前記流
路を流れた固形物の数に対応し、固形物検出パルスのパ
ルス幅は前記流路を流れた固形物の大きさに対応する。
従って、前記固形物検出パルスのパルス数及びパルス幅
等から前記流路を流れて容器(18)内に充填された食
品中の固形物の数及び固形物の大きさ等の情報(すなわ
ち、固形物の量に関連する情報(判定用情報)、すなわ
ち、容器(18)内の固形物の量の良否を判定するのに
役立つ情報又は良否を判定した情報)を取得することが
できる。前記取得した判定用情報により、前記容器(1
8)内の食品の充填状態の良否を容易に判定することが
できる。
【0050】(第3発明の作用)また、本出願の第3発
明の流動物質の充填方法では、前記判定用情報が前記固
形物検出パルスのパルス幅の積算値である。このパルス
幅の積算値は前記検査光(又は、近赤外線領域の光)が
横切る流路(容器(18)に接続する流路)を流れる固
形物の量に対応している。従って前記パルス幅の積算値
(判定情報)により、容器(18)に充填される流動物
質(又は食品)に含まれる固形物の量を推定することが
できる。
【0051】(第4発明の作用)また、本出願の第4発
明の流動物質の充填方法では、前記判定用情報が前記固
形物検出パルスのパルス幅の積算値から予め求めた相関
式に基づいて定まる該流動物質(又は食品)中の固形物
の量である。従ってこの固形物の量に関連する情報(判
定情報)により、容器(18)に充填される流動物質
(又は食品)に含まれる固形物の量を迅速に知ることが
できる。従って、前記容器(18)内の流動物質(又は
食品)の充填状態の良否を容易に判定することができ
る。
【0052】(第5発明の作用)また、本出願の第5発
明の流動物質の充填方法では、前記判定用情報が前記固
形物検出パルスのパルス幅の積算値が予め設定した基準
範囲内に有るか否かを示す情報である。従ってこのパル
ス幅の積算値が予め設定した基準範囲内に有るか否かを
示す情報(判定情報)により、前記容器(18)内の流
動物質(又は食品)の充填状態の良否を直ちに判定する
ことができる。
【0053】(第6発明の作用)前記本出願の第6発明
の流動物質の充填装置では、不透明であるが検査光の一
部が透過可能な連続相に、該連続相よりも光透過率が高
い固形物が点在している流動物質を容器(18)に充填
する流動物質は、前記容器(18)に接続する流動物質
の流路を流れて容器(18)に充填される。前記容器
(18)に接続する流路には、投光手段(T)によって
前記流路を横切る方向に検査光が入射する。この検査光
は、前記流路内の食品を横切ってその一部が透過し、他
の部分は流動物質により吸収又は反射される。流動物質
中の固形物は連続相よりも光透過率が高いので、前記流
路を流れる流動物質中に固形物が存在するときには、存
在しないときに比べて、流動物質を透過した前記検査光
の透過光量は多くなる。
【0054】受光手段(J)は、前記流路を横切って流
動物質を透過した検査光を受光して前記流動物質の透過
光量を検出する。固形物検出パルス出力手段(31c,
31c′)は、前記受光手段(J)による前記透過光量
の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パルス
を発生する。前記閾値を適切に設定することにより、前
記流路を流れる流動物質中に固形物が存在するときの
み、固形物検出パルスを発生させることができる。この
固形物検出パルスの数は前記流路を流れた固形物の数に
対応し、固形物検出パルスのパルス幅は前記流路を流れ
た固形物の大きさに対応する。従って、前記固形物検出
パルスのパルス数及びパルス幅等から前記流路を流れて
容器(18)内に充填された流動物質中の固形物の数及
び固形物の大きさ等の情報(すなわち、判定用情報)を
取得することができる。判定用情報取得手段(20)
は、前記固形物検出パルスから前記判定用情報を取得す
る。この取得された判定情報により、前記容器(18)
内の流動物質の充填状態の良否判定を容易に行うことが
できる。
【0055】(第6発明の実施態様1の作用)前記本出
願の第6発明の流動物質の充填装置の実施態様1では、
前記判定用情報を取得する手段は、前記固形物検出パル
スのパルス数を出力するパルス数出力手段により構成さ
れている。前記パルス数は前記流路を流れた固形物の数
に対応している。従って、前記パルス数出力手段の出力
するパルス数(取得した判定情報)により、容器(1
8)内の流動物質に含まれる固形物の数を容易に知るこ
とができる。従って、容器(18)内の流動物質の充填
状態の良否判定を容易に行うことができる。
【0056】(第7発明の作用)前記本出願の第7発明
の流動物質の充填装置では、濃厚エマルション又は濃厚
サスペンションからなる連続相に、該連続相よりも光透
過率が高い固形物が点在している流動性の食品は、前記
容器(18)に接続する食品の流路を流れて容器(1
8)に充填される。前記容器(18)に接続する流路に
は、投光手段(T)によって前記流路を横切る方向に近
赤外線領域の光が入射する。この近赤外線領域の光は、
その一部が前記流路内の食品(流動物質)を横切って透
過し、他の部分は食品により吸収又は反射される。食品
中の固形物は連続相よりも光透過率が高いので、前記流
路を流れる食品中に固形物が存在するときには、存在し
ないときに比べて、食品を透過した前記近赤外線領域の
光の透過光量は多くなる。
【0057】受光手段(J)は、前記流路を横切って食
品を透過した近赤外線領域の光を受光して前記食品の透
過光量を検出する。固形物検出パルス出力手段(31
c,31c′)は、前記受光手段(J)による前記透過光
量の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パル
スを発生する。前記閾値を適切に設定することにより、
前記流路を流れる食品中に固形物が存在するときのみ、
固形物検出パルスを発生させることができる。この固形
物検出パルスの数は前記流路を流れた固形物の数に対応
し、固形物検出パルスのパルス幅は前記流路を流れた固
形物の大きさに対応する。従って、前記固形物検出パル
スのパルス数及びパルス幅等から前記流路を流れて容器
(18)内に充填された食品中の固形物の数及び固形物
の大きさ等の情報(すなわち、判定用情報)を取得する
ことができる。判定用情報取得手段(20)は、前記固
形物検出パルスから前記容器(18)内の食品の充填状
態の良否判定に役立つ判定用情報を取得する。この取得
された判定情報により、前記容器(18)内の食品の充
填状態の良否判定を容易に行うことができる。
【0058】(第7発明の実施態様1の作用)前記本出
願の第7発明の流動物質の充填装置の実施態様1では、
前記判定用情報を取得する手段は、前記固形物検出パル
スのパルス数を出力するパルス数出力手段により構成さ
れている。前記パルス数は前記流路を流れた固形物の数
に対応している。従って、前記パルス数出力手段の出力
するパルス数(取得した判定情報)により、容器(1
8)内の食品に含まれる固形物の数を容易に知ることが
できる。従って、容器(18)内の食品の充填状態の良
否判定を容易に行うことができる。
【0059】(第8発明の作用)また、本出願の第8発
明の流動物質の充填装置では、前記判定用情報を取得す
る手段は、前記固形物検出パルスのパルス幅の積算値を
出力するパルス幅積算値出力手段(20a)により構成
されている。前記パルス幅の積算値は前記流路を流れた
固形物の量に対応している。従って、前記パルス幅積算
値出力手段(20a)の出力するパルス幅の積算値(取
得した判定情報)により、容器(18)内の流動物質
(又は食品)に含まれる固形物の量を間接的に推測する
ことができる。従って、容器(18)内の流動物質又は
食品)の充填状態の良否判定を容易に行うことができ
る。
【0060】(第8発明の実施態様1の作用)前記本出
願の第8発明の流動物質の充填装置の実施態様1では、
前記固形物量算出手段(20b)は、前記パルス幅積算
値出力手段(20a)によって出力されたパルス幅の積
算値から、予め求めた相関式に基づいて充填された流動
物質(又は食品)中の固形物の量を算出する。この固形
物の量(判定情報)により、容器(18)に充填される
流動物質(又は食品)に含まれる固形物の量を迅速に知
ることができる。従って、前記容器(18)内の流動物
質(又は食品)の充填状態の良否を容易に判定すること
ができる。
【0061】(第8発明の実施態様2の作用)前記本出
願の第8発明の流動物質の充填装置の実施態様2では、
判別信号出力手段(20c)は、前記パルス幅積算値出
力手段(20a)によって出力されたパルス幅の積算値
が予め設定した基準範囲内に有るか否かを示す判別信号
を出力する。従ってこのパルス幅の積算値が予め設定し
た基準範囲内に有るか否かを示す判別信号(判定情報)
により、前記容器(18)内の流動物質(又は食品)の
充填状態の良否を直ちに判定することができる。前記判
別信号は、不良品発生時の種々の対応手段、例えば、従
業員に警告するための警報灯、警報器、あるいは自動的
に不良品を除去する装置(例えば、コンベア上を搬送さ
れる容器(18)を除去する装置)に出力することがで
きるが、その出力により警報灯の点灯、警報器の鳴動、
不良品の除去等を行うことも可能である。
【0062】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例を
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0063】(実施例1)図1は本発明の流動性の食品
(流動物質)の充填装置の全体概略説明図、図2は前記
図1の要部の部分拡大断面図である。 (1)実施例1の構成 図1に示す充填装置は、流動性の食品(流動物質)を一
時的に貯溜するバッファタンク1(容積0.01立方
m)を有している。バッファタンク1の下端に設けられ
た食品流出口1aには切替弁2の入口2aが接続されてい
る。切替弁2はロータリー式バルブであり、前記入口2
aと、計量室接続口2bと、出口2cとを有している。こ
の切替弁2は、切替弁作動装置(図示せず、エアーシリ
ンダー、SMC社製、CMDN40−100)によっ
て、前記入口2a及び計量室接続口2bを接続する計量位
置(図1Aに示す位置)と、前記計量室接続口2b及び
前記出口2cを接続する充填位置(図1B参照)との間
で位置制御される。
【0064】前記切替弁2の計量室接続口2bは、シリ
ンダ3内部の計量室3aに接続されている。シリンダ3
内部にはピストン4が進退移動可能に収容されている。
シリンダ内部の前記計量室3aの内部容積は、前記ピス
トン4の進退移動によって増減するようになっている。
前記シリンダ3及びピストン4からシリンダ装置が構成
されている。前記ピストン4はピストン駆動装置6(エ
アーシリンダー、SMC社製、CMBN30−50B−
XC8)によって進退駆動されるようになっている。そ
して、前記計量室3aの最大容積はピストン4のストロ
ークを調節することにより自由に設定することができ
る。前記符号2〜6で構成された要素から、定量圧入充
填ユニット7が構成されている。
【0065】前記切替弁2の出口2cには食品の流路を
形成する充填管8が接続されている。充填管8は、前記
切替弁2の出口2cに接続されるセンサー配設管9とこ
のセンサー配設管9に接続され末端に充填口10aが形
成された弾力性のあるチューブ10(材質、シリコンゴ
ム、内径24mm、外径33mm)とから構成されてい
る。前記センサー配設管9は、内部管9a及び外部管9b
からなる二重円筒構造とし、内部管9aは半透明のテフ
ロン部材で、外部管9bはステンレスで製作する。前記
センサー配設管9の内部管9aの上端及び下端はクラン
プ接続構造になっており、また切替弁2の出口2cの下
端及びチューブ10の上端も同様のクランプ接続構造に
なっている。従って、センサー配設管9はクランプ12
及び13によって各々着脱自在に接続し得る。
【0066】前記チューブ10の下端部両側においてそ
のチューブ10を挟む方向に移動自在に配置された一対
の硬質材料製の閉塞部材(材質:デルリン、直径31m
m、長さ50mm)14及び15が配置されている。前
記一対の閉塞部材14及び15は、閉塞部材駆動装置1
6及び17(CKD社製、CSD2−50−25)によ
って、互いに接近した閉塞位置と離れた開放位置との間
で移動する。前記チューブ10の下方には食品が充填さ
れる容器18が配置されている。前記切替弁2の作動装
置、ピストン駆動装置6、閉塞部材駆動装置16及び1
7はこれらの作動を制御するシーケンサS(三菱電気社
製、MELSEC、A2N)に各々接続される。
【0067】このシーケンサSは、充填機構制御手段1
9及び判定用情報取得手段20の機能を有している。充
填機構制御手段19は、前記切替弁2の作動装置、ピス
トン駆動装置6、閉塞部材駆動装置16及び17の作動
を制御する機能を有しており、その機能はシーケンサS
のROMに記憶されたプログラムによって実現されてい
る。また、前記判定用情報取得手段20は、前記容器1
8内に充填された食品の固形物の量に関連する情報すな
わち、流動物質の充填状態の良否判定に役立つ判定用情
報又は良否判定した情報等を取得する機能を有してい
る。この実施例1の判定用情報取得手段20は、次の各
手段から構成されている。すなわち、(a) 入力され
る固形物検出パルス(後述)からパルス幅の積算値を出
力する手段(すなわち、パルス幅積算値出力手段)20
a、(b) 前記パルス幅積算値出力手段20aによって
出力されたパルス幅の積算値から、予め求めた相関式に
基づいて充填された流動物質中の固形物の量を算出する
固形物量算出手段20b、(c) 前記パルス幅積算値出
力手段20aによって出力されたパルス幅の積算値が予
め設定した基準範囲内に有るか否かを判定した信号(す
なわち、容器18内の固形物の量の良否を判定した情
報)を出力する判別信号出力手段20cから構成されて
いる。なお、前記判定用情報取得手段20において、前
記固形物量算出手段20b、判別信号出力手段20c等は
省略することも可能である。
【0068】次に、図2により本発明の食品の充填装置
の投光手段T、受光手段J等について説明する。前記セ
ンサー配設管9の外部管9bの円周方向の同一軸上にセ
ンサー孔21及び22を穿孔し、その近傍に投光器設置
板23及び受光器設置板24を固設する。この投光器設
置板23及び受光器設置板24に投光器26及び受光器
27(いずれもキーエンス社製、PS−201T)を各
々設置する。
【0069】投光器26及び受光器27は投光器26か
ら発した光が内部管9aを透過し、対向して配設された
受光器27に到達し、かつその光軸Xがセンサー配設管
9の中心軸Yと直交する位置に配置する。投光器26及
び受光器27は光ファイバー28及び29によって投受
光アンプユニット31(キーエンス社製、PS−X2
8)に接続される。投受光アンプユニット31は、光源
31a、受光センサ31b、及び固形物検出パルス出力手
段31cの機能を有している。前記光源31aは近赤外線
領域の光を出射する機能を有し、この光源31aから出
射した近赤外線領域の光は、前記光ファイバー28を通
って前記投光器26から前記センサー配設管9の内部管
9aを横切る方向に投光される。前記光源31a、光ファ
イバー28及び投光器26から投光手段Tが構成されて
いる。この投光手段Tの投光器26から投光された近赤
外線領域の光は、前記センサー配設管9の内部管9a及
びその内部を流れる食品を透過して前記受光器27に入
射し、前記光ファイバー29を通って投受光アンプユニ
ット31の前記受光センサ31bに入射するようになっ
ている。
【0070】前記受光センサ31bはフォトダイオード
等によって構成され、入射光量に応じた電気信号を出力
する機能を有している。前記受光器27、光ファイバー
29及び受光センサ31bから受光手段Jが構成されて
いる。前記受光手段Jの受光センサ31bから出力され
た信号は、前記投受光アンプユニット31の固形物検出
パルス出力手段31cに入力される。固形物検出パルス
出力手段31cは、前記受光手段Jによる前記透過光量
の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パルス
を発生する機能を有している。
【0071】投受光アンプユニット31の固形物検出パ
ルス出力手段31cから出力信号(固形物検出パルス)
は、パルス伝送ケーブル32により前記シーケンサSに
接続されている。シーケンサSの出力端子は、不良品判
別信号出力ケーブル33により外部警報器(図示せず)
に接続されている。
【0072】(1)実施例1の作用 (a)導入工程 図1Aは計量室3aに食品を導入する工程を示してい
る。切替弁2は入口2aと計量室3aとを導通する位置に
あり、また、閉塞部材14及び15はチューブ10の下
端を閉塞している。バッファタンク1に食品が貯溜され
ているが、この状態で計量室3aの容積を増大させる方
向にピストン4を駆動させ、食品を計量室3aに導入す
る。この結果、計量室3aには容器1個分の充填量に相
当する食品が計量される。
【0073】(b)充填工程 図1Bは上記食品を容器18に充填する工程を示してい
る。切替弁2を切り替えて、計量室3aと出口2cとを導
通させる。この状態で、計量室3aの容積を減少させる
方向にピストン4を駆動させ、食品を出口2cに押し出
し、ほぼ同時に、チューブ10の下端部両側の閉塞部材
14及び15を開放する。これにより計量室3aからチ
ューブ10の下端までが連通し、食品がピストン4によ
って押し出され、容器18に充填される。ピストン4が
停止する直前に、閉塞部材14及び15を閉塞し、チュ
ーブ10の下端から食品が垂下するのを防止する。以上
を1回の充填工程として、容器を交換しながらこれを反
復し、連続的に食品を充填する。充填量は、計量室3a
の最大容積によって設定する。尚、前記図1A及び図1
Bの工程はシーケンサSにより全て自動化されている。
【0074】前記図1Bに示す充填工程で、閉塞部材1
4及び15を開放している時間が1回の充填時間とみな
すことができ、食品はこの時間にセンサー配設管9を通
過する。センサー配設管9においては、投光器26によ
って連続的に近赤外線領域の光を投光し、これを受光器
27が連続的に受光している。固形物が通過し始めてか
ら通過し終わるまでの間は透過光量が増加し、受光器2
7の受光量が増加する。投受光アンプユニット31は予
め設定された閾値と受光量とを比較しており、受光量が
閾値より高くなった瞬間から元の状態に復帰するまでの
間、信号をパルスとして出力し、パルス伝送ケーブル3
2を介してシーケンサSに伝送する。
【0075】シーケンサSの前記パルス幅積算値出力手
段20aにより、パルスは次の手順で処理される。シー
ケンサSには内部カウンター及び10ms毎に1個のク
ロックパルスを発生するパルス発生器が付属している。
そして、その内部カウンターは、固形物検出パルス出力
手段31cの出力信号が固形物を検出している間(すな
わち固形物検出パルスがオンの間)、前記クロックパル
スをカウントするように構成されている。充填1回毎に
前記クロックパルスのカウント数の総和を検出し、この
カウント数の総和に10msを乗じた値が充填1回当た
りに固形物検出パルスの信号がオンしている時間の総
和、すなわち固形物検出パルスのパルス幅の積算値とな
る。後記する試験例において示すように、この固形物検
出パルスのパルス幅の積算値は充填された固形物の数、
重量等に相関している。シーケンサSの前記固形物算出
手段20bは、前記パルス幅積算値出力手段20aによっ
て出力されたパルス幅の積算値から、予め求めた相関式
に基づいて充填された流動物質中の固形物の量を算出
し、付属のメータS1に表示する。また、シーケンサS
の前記判別信号出力手段20cは、前記パルス幅積算値
出力手段20aによって出力されたパルス幅の積算値が
予め設定した基準範囲内に有るか否かを判定し(すなわ
ち、容器18内の固形物の量の良否を判定し)、基準範
囲外の場合には不良品判別信号を出力し、不良品判別信
号出力ケーブル33を通じて外部警報器(図示せず)を
作動させる。
【0076】(3)実施例1特有の効果 本実施例1においては、投光手段及び受光手段として光
ファイバー式の機器を採用しているため、装置が小型、
簡便になり、比較的小径の管にも配設することができ
る。また、センサー配設管9を二重円筒構造とし、内部
管9aを反透明のテフロン部材で構成したことにより、
耐蝕性、衛生面での利点がある。
【0077】(実施例2) (1)実施例2の構成 次に図3により、本発明の食品の充填装置の実施例2に
ついて説明する。図3は本発明の食品の充填装置の実施
例2の要部の説明図である。なお、この実施例2の説明
において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素
には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2では以下に説明する部分以外は前記実施例
1と同様に構成されている。この実施例2では、前記実
施例1の構成要素である投光器26、受光器27、光フ
ァイバー28及び29、投受光アンプユニット31、伝
送ケーブル32に加えて、第2の投光器26′、受光器
27′、光ファイバー28′及び29′、投受光アンプ
ユニット31′、伝送ケーブル32′(いずれも実施例
1と同一機種)を使用する。
【0078】本実施例においては、第2の投光器2
6′、受光器27′をセンサー配設管9に取り付ける
が、これらの光軸Zが、実施例1の投光器26の光軸X
及びセンサー配設管9の中心軸Yの交点を通り、かつ光
軸X及び中心軸Yによって形成される平面X−Yに垂直
に配置されている。第2の投光器26′及びこれと対向
して配設された受光器27′は、各々光ファイバー2
8′及び29′により第2の投受光アンプユニット3
1′と結線される。第2の投受光アンプユニット31′
はパルス伝送ケーブル32′を介してシーケンサSに接
続されるが、この際、パルス伝送ケーブル32′は前記
実施例1のパルス伝送ケーブル32が接続されている入
力端子に重複して接続される。シーケンサSの出力端子
は、実施例1と同様に不良品判別信号出力ケーブル33
により外部警報器(図示せず)と結線される。
【0079】(2)実施例2の作用 前記実施例1と同様に、固形物が光軸X,Zを横切って
通過するのに応じて投受光アンプユニット31及び3
1′から固形物検出パルスが出力される。両固形物検出
パルスは、パルス伝送ケーブル32及び32′によって
シーケンサSに伝送される。パルス伝送ケーブル32及
び32′は共に同一の端子に結線されているため、OR
回路(論理和回路)と同一の機能となり、少なくともど
ちらか一方の投受光アンプユニットがパルスの信号を出
力している場合に固形物が検出されていることになる。
以後の処理は実施例1と同様である。
【0080】(3)実施例2特有の効果 本実施例では、固形物を検出するための光軸を2本とな
し、かつそれらが直交しているため、固形物の形状、重
なりの影響を軽減することができ、より精度の高い固形
物の計数及び充填状態の良否判別が可能となる。
【0081】(試験例)前記実施例2の装置を使用して
苺入りヨーグルトを容器に充填し、その固形物量を測定
して本発明の充填装置の精度を試験した。 (1)試料の調整 混合食品試料として、果実入りヨーグルトを次の方法に
より調整した。脱脂粉乳17部(重量、以下同じ)、上
白糖3部及び水80部からなる加糖還元脱脂乳を用い、
以下常法により殺菌し、乳酸菌スターターを加え、38
°Cで3時間醗酵させてヨーグルトを得た。このヨーグ
ルトと市販の苺プレザーブ(長谷川香料社製)とを8対
2の重量比で混合し、苺入りヨーグルトを調整した(実
施例2の装置に使用する試料:試料1)。
【0082】(2)試験方法 (2−1)実施例2の装置による充填 実施例2の充填装置を実施例2に記載した通りに稼働
し、前記試料1をプラスチック製の容器に120gづつ
連続的に充填した。 (2−2)測定方法 実施例2の食品の充填装置による充填においては、苺が
通過した際の固形物検出パルスのパルス幅の積算値を測
定し、結果をシーケンサSの表示装置に表示させた。
又、充填終了後、無作為に100個の容器を抜き取り、
内容物を1mm角の孔を有するフィルターで分離した苺
の重量を天秤(メトラー社製)で測定し、個数を肉眼に
より計数した。
【0083】(3)試験結果 この試験の結果は、図5及び図6に示すとおりである。
図5は固形物検出パルスのパルス幅の積算値と充填され
た苺の重量との関係を示し、図中横軸及び縦軸は、それ
ぞれパルス幅の積算値及び苺の重量を示す。又、図6は
固形物検出パルスのパルス幅の積算値と充填された苺の
個数との関係を示し、図中横軸及び縦軸は、それぞれパ
ルス幅の積算値及び苺の個数を示す。図5及び図6から
明らかなように、パルス幅の積算値と充填された苺の重
量又は個数とは相関しており、これらの相関式を求めれ
ば次のとおりである。
【0084】図5のパルス幅の積算値(X)と充填され
た苺の重量(Y)との相関式は、 Y=0.38X−0.11 であり、相関係数は、0.80であった。図6のパルス
幅の積算値(X)と充填された苺の個数(Y)との相関
式は、 Y=0.15X+0.21 であり、相関係数は、0.78であった。
【0085】従って、前記相関式を予め求めておいて、
固形物検出パルスのパルス幅の積算値を測定することに
より容器中の固形物の重量又は個数を計数できることが
明らかになった。更に、例えば容器1個あたりに苺が1
0g入っている必要がある場合、図5から苺10gに対
応するパルス幅の積算値が20msであると認められる
から、実際の充填においてパルス幅の積算値が20ms
以下である容器が発生した場合には、この容器を不良品
と判別することができ、本発明の充填方法及び充填装置
によって充填状態の良否を判別することができることが
明らかになった。
【0086】
【発明の効果】前述の本発明によって奏される効果は、
次のとおりである。 (E01)分散系に固形物を含む不均一な流体を充填した
容器の、固形物量をオンラインで把握することができ
る。 (E02)容器に充填された内容物の充填の良否を容易に
判別することができ、品質管理上極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の流動性の食品(流動物質)の
充填装置の全体概略説明図で、図1Aは計量状態の説明
図、図1Bは充填状態の説明図である。
【図2】 図2は前記図1の要部の部分拡大断面図であ
る。
【図3】 図3は本発明の流動性の食品(流動物質)の
充填装置の実施例2の要部の説明図である。
【図4】 図4は固形物検出パルスの説明図で、図4A
は透過光量の検出値(縦軸)と時間(横軸)との関係を
示し、図中の破線は設定された閾値を示している。図4
Bは透過光量の検出値を設定された閾値と比較して形成
した固形物検出パルスを示している。また、図4Cは前
記図4Bに示す固形物検出パルスを微分して得られるパ
ルスであり、図4Dは前記図4Cのパルスの中でマイナ
ス(−)のパルスを除去するとともにパルス波形を成形
したパルスである。
【図5】 図5は固形物検出パルスのパルス幅の積算値
と苺の重量との関係を示す図である。
【図6】 図6は固形物検出パルスのパルス幅の積算値
と苺の個数との関係を示す図である。
【符号の説明】
J…受光手段、S…シーケンサ、T…投光手段、1…バ
ッファタンク、1a…食品流出口、2…切替弁、2a…入
口、2b…計量室接続口、2c…出口、3…シリンダ、3
a…計量室、4…ピストン、6…ピストン駆動装置、7
…定量圧入充填ユニット、8…充填管、9…センサー配
設管、9a…内部管、9b…外部管、10…チューブ、1
0a…充填口、12…クランプ、13…クランプ、14
…閉塞部材、15…閉塞部材、16…閉塞部材駆動装
置、17…閉塞部材駆動装置、18…容器、19…充填
機構制御手段、20…判定用情報取得手段、20a…パ
ルス幅積算値出力手段、20b…固形物量算出手段、2
0c…判別信号出力手段、21…センサー孔、22…セ
ンサー孔、23…投光器設置板、24…受光器設置板、
26,26′…投光器、27,27′…受光器、28,
28′…光ファイバー、29,29′…光ファイバー、
31,31′…投受光アンプユニット、31a,31a′
…光源、31b,31b′…受光センサ、31c,31c′
…固形物検出パルス出力手段、32,32′…パルス伝
送ケーブル、33…不良品判別信号出力ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中沼 浩 東京都東大和市南街1−37−19 森永南 街寮316 (72)発明者 柳原 憲邦 東京都東大和市南街1−37−19 森永南 街寮322 (56)参考文献 特開 平3−163335(JP,A) 実開 昭62−171402(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65B 3/04 B65B 3/26 G01F 22/00 G01N 21/59

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明であるが検査光の一部が透過可能
    な連続相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物が点
    在している流動物質を容器に充填する流動物質の充填方
    法において、前記容器に接続する流動物質の流路を横切
    る方向に検査光を投光し、前記流動物質の流路を横切っ
    て透過した前記検査光の透過光量を検出し、その透過光
    量の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パル
    スを形成し、この固形物検出パルスから前記容器内の固
    形物の量に関連する判定用情報を取得することを特徴と
    する流動物質の充填方法。
  2. 【請求項2】 前記流動物質は、濃厚エマルション又は
    濃厚サスペンションからなる連続相に、該連続相よりも
    光透過率が高い固形物が点在している流動性の食品であ
    り、前記検査光として近赤外線領域の光が採用されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の流動物質の充填方法。
  3. 【請求項3】 前記判定用情報は、固形物検出パルスの
    パルス幅の積算値である請求項1又は2記載の流動物質
    の充填方法。
  4. 【請求項4】 前記判定用情報は、固形物検出パルスの
    パルス幅の積算値から予め求めた相関式に基づいて定ま
    る該流動物質中の固形物の量である請求項3記載の流動
    物質の充填方法。
  5. 【請求項5】 前記判定用情報は、固形物検出パルスの
    パルス幅の積算値が予め設定した基準範囲内に有るか否
    かを示す情報である請求項3記載の流動物質の充填方
    法。
  6. 【請求項6】 不透明であるが検査光の一部が透過可能
    な連続相に、該連続相よりも光透過率が高い固形物が点
    在している流動物質を容器に充填する流動物質の充填装
    置において、下記の要件(Y01)〜(Y04)を備えたこ
    とを特徴とする流動物質の充填装置、(Y01) 前記容
    器に接続する流動物質の流路を横切る方向に検査光を入
    射させる投光手段、(Y02) 前記流路を横切って透過
    した検査光を受光して前記流動物質の透過光量を検出す
    る受光手段、(Y03) 前記受光手段による前記透過光
    量の検出値を設定された閾値と比較して固形物検出パル
    スを発生する固形物検出パルス出力手段、(Y04) 前
    記固形物検出パルスから前記容器内の固形物の量に関連
    する判定用情報を取得する手段。
  7. 【請求項7】 下記の要件(Y06),(Y07)を備えた
    ことを特徴とする請求項6記載の流動物質の充填装置、
    (Y06) 前記流動物質が濃厚エマルション又は濃厚サ
    スペンションからなる連続相に、該連続相よりも光透過
    率が高い固形物が点在している流動性の食品であるこ
    と、(Y07) 前記検査光として近赤外線領域の光を採
    用したこと。
  8. 【請求項8】 下記の要件(Y08)を備えたことを特徴
    とする請求項6又は7記載の流動物質の充填装置、(Y
    08) 前記判定用情報を取得する手段は、前記固形物検
    出パルスのパルス幅の積算値を出力するパルス幅積算値
    出力手段により構成されたこと。
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