JP3438038B2 - 電子放出陰極およびその製造方法 - Google Patents

電子放出陰極およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空下で電子を放
出する電子放出陰極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットディスプレイ、特に、真空中で
電界をかけることで陰極から電子を引き出し、陽極に塗
布した蛍光体に衝突させて発光させるFED(Field Em
issionDisplay)は、従来のブラウン管ディスプレイに
比べて薄型で軽量の表示装置が実現できるため研究が盛
んに行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このFEDの電子放出
陰極として、例えばダイヤモンド薄膜などを用いるもの
があるが、かかる従来例では、均一なダイヤモンド薄膜
の形成が困難であるなどの理由から放出電流密度も高々
1mA/cm2程度と実用レベルの要求に程遠く、ま
た、均一な電子放出が得られず、その電子放出サイト密
度も102〜5/cm2程度と低いものであった。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、FEDに好適な均一で高放出電流密度を示
し、かつ高い電子放出サイト密度をもつ電子放出陰極お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のよう構成している。
【0006】すなわち、本発明の電子放出陰極は、ナノ
メートルオーダから百ナノメートルオーダの範囲内の特
定のサイズの超微粒子に、該特定のサイズよりもサイズ
の大きな超微粒子が混在されて配置された基板に、電子
伝導性膜が形成されてなる。
【0007】ここで、ナノメートルオーダから百ナノメ
ートルオーダの範囲内とは、1nm〜999nmの範囲
をいう。好ましくは、5nm〜99nmの範囲である。
【0008】特定のサイズとは、前記範囲内において、
例えば設計的に指定可能なサイズである。
【0009】前記サイズの大きな超微粒子は、特定のサ
イズの超微粒子よりも1桁以上サイズが大きいのが好ま
しく、例えば、前記特定のサイズの超微粒子の平均粒径
が、数nmであり、前記サイズの大きな超微粒子の平均
粒径が、数十nmである。
【0010】本発明によると、ナノメートルオーダから
百ナノメートルオーダの範囲内の特定のサイズの超微粒
子に、それよりもサイズの大きな超微粒子を設計的に混
在させるので、サイズの大きな超微粒子は、他の超微粒
子に比べて基板上に高く突出するために、これらサイズ
の大きな超微粒子の上に形成された電子伝導性膜は、突
起状に形成されることとなり、この部分に電界が集中し
て電子が放出されることになり、設計に従った均一で高
い電子放出サイト密度、例えば、10 6 〜10 7 /cm 2
の電子放出陰極が実現できる。
【0011】本発明の一つの実施態様においては、前記
基板が、ガラス基板であり、前記超微粒子が、ダイヤモ
ンドであり、前記電子伝導性膜が、非晶質炭素膜であ
る。
【0012】本発明によると、親水性のダイヤモンド超
微粒子のコロイド溶液を用いてガラス基板を処理するこ
とにより、ガラス基板に、ダイヤモンドの超微粒子を高
密度に配置できる。
【0013】本発明の電子放出陰極の製造方法は、基板
上に超微粒子を配置する第1の工程と、超微粒子が配置
された基板に、有磁場マイクロ波プラズマCVD法によ
って電子伝導性膜を形成する第2の工程とを含み、前記
第2の工程は、前記電子伝導性膜を全面に形成する全面
形成工程と、この全面形成工程よりも低温で前記電子伝
導性膜を、前記超微粒子上に選択的に形成する選択形成
工程とを含むものである。
【0014】前記有磁場マイクロ波プラズマCVD法に
代えて熱フィラメント法またはカソードアーク法を用い
てもよい。
【0015】本発明によると、有磁場マイクロ波プラズ
マCVD法、熱フィラメント法またはカソードアーク法
によって超微粒子の上に、電子伝導性膜を選択的に突出
形成することができ、この部分に電界が集中して電子が
放出されることになり、均一で高い電子放出サイト密度
をもつ電子放出陰極を実現できる。
【0016】また、本発明の電子放出陰極の製造方法
は、基板上に超微粒子を配置する第1の工程と、超微粒
子が配置された基板に電子伝導性膜を形成する第2の工
程とを含み、前記第1の工程は、ナノメートルオーダか
ら百ナノメートルオーダの範囲内の特定のサイズの前記
超微粒子のコロイド溶液を前記基板に塗布する工程また
は前記コロイド溶液に前記基板を浸漬する工程を含み、
前記コロイド溶液は、前記特定のサイズの超微粒子に、
該特定のサイズよりもサイズの大きな超微粒子を混在さ
せたものである。
【0017】前記サイズの大きな超微粒子は、特定のサ
イズの超微粒子よりも1桁以上サイズが大きいのが好ま
しく、例えば、前記特定のサイズの超微粒子の平均粒径
が、数nmであり、前記サイズの大きな超微粒子の平均
粒径が、数十nmである。
【0018】本発明によると、特定のサイズの超微粒子
に、それよりもサイズの大きな超微粒子を設計的に混在
させるので、サイズの大きな超微粒子は、他の超微粒子
に比べて基板上に高く突出するために、これらサイズの
大きな超微粒子の上に形成された電子伝導性膜は、突起
状に形成されることとなり、この部分に電界が集中して
電子が放出されることになり、設計に従った均一で高い
電子放出サイト密度の電子放出陰極が実現できる。
【0019】本発明の一つの実施態様においては、前記
基板が、ガラス基板であり、前記超微粒子が、ダイヤモ
ンドであり、前記電子伝導性膜が、非晶質炭素膜であ
る。
【0020】本発明によると、ガラス基板を用いて比較
的低温で電子伝導性膜を形成することができ、熱応力に
よる歪みを大幅に低減して均一で高い電子放出サイト密
度の電子放出陰極を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0022】(実施の形態1) 図1は、本発明の一つの実施の形態に係る電子放出陰極
の製造方法を示す図である。
【0023】先ず、図1(a)に示されるように基板
上、この実施の形態では、ガラス基板1上に、ダイヤモ
ンドの超微粒子2を配置する。このダイヤモンドの超微
粒子2は、例えば、特許第2691884号の親水性ダ
イヤモンド微粒子の製造方法によって得られるものであ
る。
【0024】すなわち、ナノメートルオーダから百ナノ
メートルオーダの範囲内の特定のサイズ、例えば、平均
粒径が数十nm、例えば30nmのダイヤモンドの超微
粒子を選択して洗浄し、精製後のダイヤモンドの超微粒
子を、精製水に分散し、分散液を遠心分離し、上澄みの
コロイド溶液にアルコールを加えて全量を調整する。さ
らに、フッ化水素を0.2%加えて遠心分離し、上澄み
液を微粒子ダイヤモンドコロイド溶液である処理液とす
る。
【0025】この処理液3に、図2(a)に示されるよ
うにガラス基板2を数分間浸し、図2(b)に示される
ように乾燥することによって、図1(a)に示されるガ
ラス基板1上に数十nmの選択された粒子サイズ自形面
を有するダイヤモンドの超微粒子2が配置形成される。
【0026】なお、本発明の他の実施の形態として、ガ
ラス基板1を回転させて上記処理液3を滴下してもよい
し、ガラス基板1に、処理液3を吹き付けてもよい。
【0027】上記特許第2691884号の親水性ダイ
ヤモンド微粒子のコロイド溶液、すなわち、処理液3
は、液中において、ダイヤモンドの超微粒子が、ほぼ単
粒子の形で互いに集合することなく分散して懸濁してい
るので、かかる処理液3でガラス基板1を処理すること
により、ダイヤモンドの単粒子を高密度に形成できる。
すなわち、数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子
2を、数十nmの間隔で配置形成できることになる。
【0028】次に、図1(b)に示されるように、例え
ば、有磁場マイクロ波CVD法を用いて低温で電子伝導
性膜、この実施の形態では、非晶質炭素膜(DLC:Di
amond Like Carbon)4を形成する。
【0029】例えば、次のような合成条件で非晶質炭素
膜4を成膜する。なお、合成条件は、これに限らないの
は勿論である。
【0030】 マイクロ波パワー 1.2kW 磁界 87.5mT バイアス電圧 +40V 基板温度 150〜500°C 反応ガス CH3OH 15ml/min+H2 85ml/min 次、図1(c)に示されるように、例えば、水素プラズ
マエッチングによってダイヤモンドの超微粒子2上の非
晶質炭素膜4を除去して本発明に係る電子放出陰極を得
るものである。
【0031】この電子放出陰極は、FEDの冷陰極とし
て真空(10-7Torr程度)中で蛍光体を塗布した陽
極に対向して配置され、電圧が印加されることで真空中
に電子が引き出されて加速されて蛍光体に衝突して励起
発光させるものである。
【0032】この実施の形態の電子放出陰極は、数十n
mのサイズのダイヤモンドの超微粒子2間の数十nmの
間隔に埋め込まれた非晶質炭素膜4に電界が集中して電
子放出サイトとなって電子を放出させることができる。
【0033】このため、電子放出サイト密度は、例えば
106〜107/cm2、電流密度は、例えば数十〜百m
A/cm2となり、電子放出サイト密度が102〜5/c
2、電流密度が1mA/cm2以下の従来例に比べて均
一で高い電子放出サイト密度と高放出電流密度をもつ電
子放出陰極を得ることができる。
【0034】また、電界は、遮蔽効果により、或る電子
放出サイトからの放出電流が減ると別の電子放出サイト
に電界が集中することになるため、電子放出源として作
用するサイトの数が極めて多いので、長寿命化が保証さ
れる。
【0035】しかも、ガラス基板を用いて400°C程
度の比較的低温で製造できるので、電子放出陰極として
ダイヤモンド薄膜を用いる従来例のように、これらダイ
ヤモンド薄膜を合成する温度である750〜1000°
Cといった高温にする必要がない。
【0036】このため、従来例に比べて、熱応力によっ
て歪みが生じるのが大幅に低減され、デバイス作成(ガ
ラス封止)工程での歩留まりを極端に上昇せしめること
となる。 すなわち、電子放出陰極は、FEDとして封
止やパッケージが、ガラス材料を用いて400°C程度
の温度で行われるので、400°C程度の低温で製造で
きる本発明の電子放出陰極は、熱履歴による熱応力や基
板の反りなどの歪みを大幅に低減して寸法精度を高める
ことができることになる。
【0037】この実施の形態では、超微粒子のサイズ
は、その平均粒径が数十nm、例えば30nmであった
けれども、数十nmに限るものではなく、本発明の超微
粒子のサイズは、その平均粒径が、1nm〜9nmのナ
ノメートルオーダであってもよく、100nm〜999
nmの百ナノメートルオーダであってもよく、また、μ
m(1000nm)程度であってもよく、要は、高い密
度で電子を放出できればよい。
【0038】すなわち、本発明における超微粒子の粒子
サイズの範囲は、数nmから数μmまでの広範囲に亘る
ものであり、その範囲内の特定のサイズ、例えば、上述
のように30nmの超微粒子を使用する。
【0039】(実施の形態2) 図3は、本発明の他の実施の形態の電子放出陰極の製造
方法を示す図であり、上述の実施の形態に対応する部分
には、同一の参照符号を付す。
【0040】先ず、上述の実施の形態と同様にして、図
3(a)に示されるように、ガラス基板1上に、例え
ば、数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子2を、
数十nmの間隔で配置形成する。
【0041】次に、有磁場マイクロ波CVD法などを用
いて電子伝導性膜である非晶質炭素膜4を形成するので
あるが、先ず、400°C程度の比較的高温で成膜を、
図3(b)に示されるように全面に行う。
【0042】その後、図3(c)に示されるように20
0°C程度の比較的低温で成膜処理を行うと、ダイヤモ
ンドの超微粒子2の上に、突起状の非晶質炭素膜4が形
成される。
【0043】かかる超微粒子2上における選択的な成膜
は、結晶成長理論によって説明されるものである。
【0044】この実施の形態の電子放出陰極も、上述の
実施の形態の電子放出陰極と同様に、均一で高い電子放
出密度を得ることができるとともに、熱履歴による熱応
力や歪みを大幅に低減できることになる。
【0045】さらに、この実施の形態の電子放出陰極
は、ダイヤモンドの超微粒子2上に、非晶質炭素膜4を
突起状に形成しているので、この突起状の部分に電界が
集中して電子を放出できることになる。
【0046】なお、本発明の他の実施の形態として、図
4(a)に示されるように、ガラス基板1上に、ダイヤ
モンドの超微粒子2を配置形成した後、先ず、図4
(b)に示されるように、有磁場マイクロ波CVD法な
どを用いて200°C程度の比較的低温で電子伝導性膜
である非晶質炭素膜4をダイヤモンドの超微粒子2上を
主として選択的に成膜して突起状の非晶質炭素膜4を形
成し、その後、図4(c)に示されるように、400°
C程度の比較的高温で非晶質炭素膜4の成膜を全面に行
うようにしてもよい。
【0047】(実施の形態3) 図5は、本発明のさらに他の実施の形態の電子放出陰極
の製造方法を示す図であり、上述の実施の形態に対応す
る部分には、同一の参照符号を付す。
【0048】この図5は、上述の各実施の形態の図1,
図3よりも縮小した図となっている。 上述の各実施の
形態では、特定のサイズの超微粒子として、平均粒径が
数十nmのほぼ等しいサイズのダイヤモンドの超微粒子
2を用いたのに対して、この実施の形態では、特定のサ
イズとしての平均粒径が数nmのサイズのダイヤモンド
の超微粒子2の中に、サイズの大きな、例えば平均粒径
が数十nmのダイヤモンドの超微粒子2’を設計的に混
在させたダイヤモンドの超微粒子を用いている。 すな
わち、上述の図2の超微粒子のダイヤモンドコロイド溶
液である処理液として、平均粒径が数nmのサイズのダ
イヤモンドの超微粒子2の中に、サイズの大きな、例え
ば平均粒径が数十nmのダイヤモンドの超微粒子2’を
設計に従った混合比で混合した溶液を用いるものであ
る。
【0049】数nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子
2に対する数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子
2’を混合させる割合は、例えば、10%程度としてい
るが、この混合割合は、設計的に任意に選択すればよ
い。
【0050】この実施の形態では、サイズの異なるダイ
ヤモンドの超微粒子を設計的に混合させた処理液でガラ
ス基板を処理することにより、図5(a)に示されるよ
うにガラス基板1上に、サイズの大きな超微粒子を含む
ダイヤモンドの超微粒子2,2’を配置形成することが
できる。なお、混合させる粒子同士のサイズ関係は、広
範囲に亘り、その決定は設計方針に依存する。
【0051】次に、図5(b)に示されるように、有磁
場マイクロ波CVD法などを用いて電子伝導性膜である
非晶質炭素膜4を、例えば400°C程度の比較的高温
で全面に成膜する。
【0052】この実施の形態の電子放出陰極も、上述の
実施の形態の電子放出陰極と同様に、均一で高い電子放
出密度を得ることができるとともに、熱履歴による熱応
力や歪みを大幅に低減できることになる。
【0053】さらに、この実施の形態の電子放出陰極
は、サイズの大きなダイヤモンドの超微粒子2’を設計
的に混在させているので、このサイズの大きなダイヤモ
ンドの超微粒子2’上の非晶質炭素膜4が、他の部分よ
りも高く突起状となって電界が集中して電子を設計的に
放出できることになる。
【0054】この電界が集中する部分の数や間隔は、サ
イズの異なるダイヤモンドの超微粒子の混合割合によっ
て設計・規定することができる。
【0055】この実施の形態では、サイズの大きな超微
粒子は、平均粒径が数十nmであったけれども、数十n
mに限るものではなく、電界が集中できれば、それより
も小さいサイズであってもよいし、あるいは、大きなサ
イズであってもよいが、1桁以上サイズの大きな超微粒
子であることが好ましい。
【0056】この実施の形態では、サイズの異なるダイ
ヤモンドの超微粒子を混合したコロイド溶液で処理した
けれども、本発明の他の実施の形態として、例えば、サ
イズの小さなダイヤモンドの超微粒子のコロイド溶液で
処理した後、サイズの大きなダイヤモンドの超微粒子の
コロイド溶液で処理して基板上に、サイズの異なるダイ
ヤモンドの超微粒子を混在させて配置してもよい。
【0057】(その他の実施の形態) 本発明の他の実施の形態として、図6に示されるように
基板1上に、ITO膜5やカーボン膜あるいは非晶質炭
素膜(DLC膜)などを形成し、その上にダイヤモンド
の超微粒子2を配置形成してもよい。
【0058】上述の各の実施の形態では、基板として、
ガラス基板を用いたけれども、ガラス基板に限らず、シ
リコン基板、セラミックス基板、モリブデン基板やその
他の基板を用いてもよく、特に、高い電子伝導度を示す
基板、例えば、n+シリコン、グラファイト、金属など
を用いて電界放出電子の供給源とすることもできる。
【0059】上述の各実施の形態では、超微粒子として
ダイヤモンドを用いたけれども、本発明の他の実施の形
態として、ダイヤモンドの超微粒子にフラーレン(商品
名)のような球状又は粒子状グラファイトを混合して用
いてもよいし、あるいは、ダイヤモンドの超微粒子に代
えて、球状又は粒子状グラファイト、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、金、ニッケルあるいはパラジウム等の
超微粒子を用いてもよい。 上述の各実施の形態では、
電子伝導性膜として非晶質炭素膜(DLC膜)を形成し
たけれども、本発明の他の実施の形態として、SP2
分の多いDLC膜やグラファイト膜を形成してもよい。
【0060】上述の各実施の形態では、主として有磁場
マイクロ波プラズマCVD法を用いて電子伝導性膜を形
成したけれども、熱フィラメント法やカソードアーク法
その他の方法を用いてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ナノメー
トルオーダなどの所要のサイズの超微粒子が設計的に配
置された基板に、非晶質炭素膜などの電子伝導性膜が形
成されて電子放出陰極が構成されるので、均一、かつ長
寿命の高い電子放出サイト密度をもつ電子放出陰極が実
現できる。
【0062】また、ガラス基板を用いて低温度で製造で
きるので、熱履歴による熱応力や歪みを大幅に低減して
寸法精度を高めることができることになる。
【0063】また、超微粒子の上に、電子伝導性膜を突
起状に形成し、あるいは、サイズの大きな超微粒子を設
計的に混在させることにより、突起状あるいはサイズの
大きな超微粒子上の電子伝導性膜の部分に電界が集中し
て電子が放出されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態の製造方法を示す図で
ある。
【図2】図1のガラス基板上のダイヤモンド超微粒子の
形成方法を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の製造方法を示す図で
ある。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の製造方法を示
す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の製造方法を示す図で
ある。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態の製造方法を示
す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2,2’ ダイヤモンドの超微粒子 3 処理液 4 非晶質炭素膜 5 ITO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/30 H01J 9/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナノメートルオーダから百ナノメートル
    オーダの範囲内の特定のサイズの超微粒子に、該特定の
    サイズよりもサイズの大きな超微粒子が混在されて配置
    された基板に、電子伝導性膜が形成されてなる電子放出
    陰極。
  2. 【請求項2】 前記サイズの大きな超微粒子は、前記特
    定のサイズの超微粒子よりも1桁以上サイズが大きい
    求項1記載の電子放出陰極。
  3. 【請求項3】 前記特定のサイズの超微粒子の平均粒径
    が、数nmであり、前記サイズの大きな超微粒子の平均
    粒径が、数十nmである請求項2記載の電子放出陰極。
  4. 【請求項4】 前記基板が、ガラス基板であり、前記超
    微粒子が、ダイヤモンドであり、前記電子伝導性膜が、
    非晶質炭素膜である請求項1ないし3のいずれかに記載
    の電子放出陰極。
  5. 【請求項5】 基板上に超微粒子を配置する第1の工程
    と、超微粒子が配置された基板に、有磁場マイクロ波プ
    ラズマCVD法によって電子伝導性膜を形成する第2の
    工程とを含み、 前記第2の工程は、前記電子伝導性膜を全面に形成する
    全面形成工程と、この全面形成工程よりも低温で前記電
    子伝導性膜を、前記超微粒子上に選択的に形成する選択
    形成工程とを含むことを特徴とする電子放出陰極の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記有磁場マイクロ波プラズマCVD法
    に代えて、熱フィラメント法またはカソードアーク法を
    用いる請求項5記載の電子放出陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に超微粒子を配置する第1の工程
    と、超微粒子が配置された基板に電子伝導性膜を形成す
    る第2の工程とを含み、 前記第1の工程は、ナノメートルオーダから百ナノメー
    トルオーダの範囲内の特定のサイズの前記超微粒子のコ
    ロイド溶液を前記基板に塗布する工程または前記コロイ
    ド溶液に前記基板を浸漬する工程を含み、 前記コロイド溶液は、前記特定のサイズの超微粒子に、
    該特定のサイズよりも サイズの大きな超微粒子を混在さ
    せたことを特徴とする電子放出陰極の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記サイズの大きな超微粒子は、前記特
    定のサイズの超微粒子よりも1桁以上サイズが大きい請
    求項7記載の電子放出陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記特定のサイズの超微粒子の平均粒径
    が、数nmであり、前記サイズの大きな超微粒子の平均
    粒径が、数十nmである請求項8記載の電子放出陰極の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基板が、ガラス基板であり、前記
    超微粒子が、ダイヤモンドであり、前記電子伝導性膜
    が、非晶質炭素膜である請求項5ないし8のいずれかに
    記載の電子放出陰極の製造方法。
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