JP3429255B2 - Ic化に適したカスコード発振回路 - Google Patents

Ic化に適したカスコード発振回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概してカスコード
発振回路に関し、特に、小型化および低電圧動作の可能
なIC(集積回路)化に適したカスコード水晶発振回路
および同回路の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル機器のクロック発生器・通信
機器・計測機器など高安定周波数の発生に広く用いられ
てきた水晶発振器は、近年、移動通信器などの普及に伴
い、その高性能化が必要となり、低電源電圧での動作、
水晶発振回路のIC化、高速起動等が要望されている。
しかし、現在使用頻度の高いカスコード水晶発振回路は
最も基本的な水晶発振回路であるコルピッツ水晶発振回
路に、バッファ段としてベース接地増幅回路が縦続接続
された形となっており、トランジスタを2段縦に重ねて
いることから電源電圧に余裕が無く、低電圧化は困難で
ある。また、ベースを接地するため回路中に値の大きな
容量が接続されておりIC化は難しく、初期電流がそこ
から流れ出てしまうこともあり水晶振動子に流れる初期
電流が小さくなり、起動も遅くなってしまう。従来のカ
スコード型発振回路の問題点を説明するに先立って、一
般的なコルピッツ型水晶発振回路の動作について少しく
詳細に説明する。
【0003】図18は、水晶発振回路の中でもっとも基
本的な回路である、コルピッツ型水晶発振回路の一例を
示すものであり、水晶発振回路は、1-1’の左側、水晶
振動子の部分と、右側、能動回路の部分とに分けて考え
る事ができる。水晶振動子側では、実際に振動子電流と
呼ばれる電流iχの発振が行われており、能動回路側で
は、発振した電流iχを安定なものにして、出力してい
る。周知の如く、水晶は電界を与えると機械的ひずみを
生じ、逆にひずみを与えると電荷を発生するという圧電
効果を有しており、結晶軸に対して適当な角度で切り出
した水晶片は機械振動子として極めてQが高く、温度変
化に対する振動周波数の変動も小さい。水晶片は切り出
す角度によってATカット・BTカット・SCカットな
ど様々なタイプに分類でき、それらに両側から電極をつ
けたものが水晶振動子で、いずれも高いQと高周波安定
度が得られる。水晶振動子の電気的等価回路は図20
(b)に示すように等価直列抵抗R1、等価直列リアク
タンスL1、等価直列容量C1の直列回路に等価並列容量
0が並列接続された形で表され、L1は数H、C1は0.1
pF以下、C0は数pF程度の値を持つ。水晶振動子は損失
が極めて小さく、ほぼ純粋なリアクタンス2端子とみな
せる。よってR1を省略してリアクタンス特性を求め図
示すると図19となる。図に示す等価回路において、水
晶振動子はC0≫C1であるから、 (fSは直列共振周波数、fPは並列共振周波数)が成立
する。fSとfPの間で水晶振動子のリアクタンスは誘導
性(L性とみなせる)で、その値もfSからfPの間で急
激に変化している。従って、水晶振動子をL性として使
用すれば、Lの変化に対応して周波数の変化が小さく、
安定な周波数の発振回路が実現できる。図20(b)の
水晶振動子をL性として使用し、直列回路に変形する
と、同図(c)に示すように、等価抵抗Reと誘導性リ
アクタンスXeで表せる。図20(c)が共振するため
には、Xeと並列にコンデンサを入れる必要がある。し
かし、図20(c)には、等価抵抗Reが含まれている
ため、共振が行われても、徐々に振幅が減衰していって
しまう。そこで、Reと同じ大きさで、マイナスの値を
持つ抵抗を入れてやると、回路は安定した発振を行う。
その様子を図21に示す。
【0004】マイナスの値を持つ抵抗の意味を、Re
よって減衰してしまった振幅を増幅するものと考える
と、前記図18に示す発振回路の等価回路を図22に示
すように表すことができる。図22におけるCSは、希
望の発振周波数が得られるよう、調整するための調整用
容量である。同図に示すように、能動回路側は負性抵抗
−Riと等価容量Ciとで表す事ができ、負性抵抗はさら
に、トランジスタの増幅作用による真性負性抵抗分−R
nと、バイアス抵抗やトランジスタ内部の等価抵抗等に
よる等価損失分Rpの直列回路からなり、次式が得られ
る。 −Ri=−Rn+Rp 水晶発振回路に電源電圧VCCが加えられた時、負性抵抗
|−Ri|が等価抵抗Reの大きさを十分に上まわると発
振が始まり、振動子電流iχの振幅が零から増加するの
に従って能動素子の非線形性により|−Rn|が小さく
なっていき、 Re=|−Ri| の条件を満たす時、回路は定常的な発振状態になる。ま
た、この時の周波数は、XeSiの共振周波数である
ため、次のようになる。 等価抵抗Reと誘導性リアクタンスXeは、水晶振動子に
よって決定されるものである。周知の通り、コンデンサ
にステップ電圧を投入した時、コンデンサに流れる電流
は∞となる。よってコルピッツ水晶発振回路に電源電圧
CCが加えられた時、電流はコンデンサを流れ、図23
の点線矢印のような経路をたどる。ただし、この図はコ
ルピッツ水晶発振回路のトランジスタを寄生素子で表し
たもので、CjB EとCjBCはそれぞれベース・エミッタ間
接合容量とベース・コレクタ間接合容量を表している。
A、CBに電流が流れると電荷が溜り、図24(a)
(b)に示すように、等価的にステップ関数が水晶振動
子に加えられたのと等しくなる。これにより水晶振動子
が振動を開始するが、振動子の抵抗R1のために徐々に
減衰するが、その頃にはトランジスタのベース・エミッ
タ間にトランジスタ動作可能な電圧が印加され、増幅回
路が機能し、減衰した振動子電流を増幅することによっ
て発振が継続する。以上、コルピッツ発振回路を例にそ
の発振起動のメカニズムについて説明したが、具体的な
発振回路においては、低電流化するために一般的にはカ
スコード型とする場合が多い。
【0005】図25は、カスコード発振回路の一例を示
す回路図である。図25のカスコード発振回路90は、
図18のコルピッツ水晶発振回路のnpn形トランジス
タQ 1のコレクタにnpn形トランジスタQ2を従属接続
し、このトランジスタQ2でベース接地増幅回路を構成
してQ1の発振回路の緩衝増幅器としたものである。即
ち、トランジスタQ1のベース・エミッタ間をコルピッ
ツ発振回路の分割容量の一方CAで接続し、Q1のエミッ
タとアースとの間は、分割容量の他方CBと抵抗REで接
続し、さらにQ1のベースは、周波数調整用の容量CS
水晶振動子Yとの直列接続と抵抗RBによりアースに接
続する。トランジスタQ1およびQ2のベース間は、抵抗
Aで接続し、Q2のベースは容量CCにより交流的に接
地し、Q2のベースおよびコレクタは、抵抗RCおよびR
Dによりそれぞれ直流電源VC Cでプルアップする。抵抗
C、RAおよびRBの間の接続点により、トランジスタ
2およびQ1のベースにバイアスを与えている。この回
路90の発振出力は、トランジスタQ2のコレクタから
得る。緩衝増幅器を容量CCによるベース接地としたの
は、ベース接地増幅器では、入力インピーダンスが低い
ため、トランジスタQ1でのミラー効果の影響を抑える
ことができるだけでなく、出力インピーダンスが大きい
ため、次段回路の入力インピーダンスの影響を抑えるこ
とができるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、交流的
にベース接地する目的で用いられる容量CCは、通常数
10nFと非常に大きな値を必要とする(因みに、CA
やCBは、数10〜数100pFである)。したがっ
て、このような容量CCを含む回路をIC化することは
事実上不可能である。また、上述のとおり、電源投入時
に電流が大容量のコンデンサCCを充電する間、電荷が
AおよびCBになかなか溜まらず、起動が遅れるという
問題点があった。図25のカスコード発振回路90にお
いてトランジスタQ2のベース接地用コンデンサCCを除
去した回路も存在するが、上述のような緩衝増幅器がベ
ース接地であるが故にもたらされる効果を得ることはで
きない。更に、カスコード水晶発振回路はトランジスタ
が2つ縦続接続してあるため、電圧に余裕がなく、低電
圧化には不向きである。詳しく述べれば、発振が開始す
ると、トランジスタQ1、Q2のコレクタ直流電流が徐々
に大きくなりRDEにかかる電圧が増加するが、図25
中V1での交流電圧振幅の上端は電源電圧であるVCC
上になることはなく、また、下端は動作点が決定されて
いるV2の電圧以下になることもできない。従ってV1
交流振幅のピークからピークまでがVCC−V2の電圧を
超えると、V1の交流振幅に押されV2の動作点が下がっ
てしまい、それに伴い、それぞれの電圧動作点やコレク
タ電流が低下する。同様の現象がV3においても生じ、
ピークからピークまでがV2の電圧を超えると、動作点
が低下する。図26は実際の各電圧波形の一例を示した
ものである。この図から明らかなように、V1の振幅値
がV2を超えて変化すると、V2の波形が歪み動作点も変
化し、波形が歪むと高周波の発生レベルが増大するとと
もに、本来ほぼ一定であるはずのコレクタ電流が低下す
るため、電源電圧安定度も悪くなってしまうおそれがあ
る。従って、従来のカスコード水晶発振回路では、ある
程度電源電圧に余裕が必要となり低電圧化に限度があっ
た。この点を考慮したものとして、低電圧動作に適し、
出力振幅が一定かつ比較的大きい水晶発振器が、特開平
8−186443号公報に開示されている。しかしなが
ら、この水晶発振器は、回路が複雑なうえ、緩衝増幅器
の負荷にLCタンク回路を用いるなどの点から、IC化
には不向きである。したがって、本発明の目的は、大容
量の接地用コンデンサを必要とせず、低電圧動作におい
ても満足な出力振幅が得られるようなIC化に適したカ
スコード発振回路および同カスコード発振回路を内蔵し
たICを提供することである。なお、本発明のカスコー
ド発振回路は、ベース接地コンデンサを用いないので、
起動時間が短いという特徴もある。
【0007】また、従来の水晶発振回路の設計は試作回
路を用いた実測により行われており、設計段階での評価
が出来なく、設計者の経験的な面に頼ることが多いた
め、開発期間が長くなるなどの難点があった。近年、回
路シミュレータの普及に伴い実測同様の解析がシミュレ
ーションにより求めることが可能となった。しかしなが
ら、水晶発振回路はQが極めて高い共振回路と非線形性
の強い能動回路から構成されているため、膨大な計算時
間が必要となる。そこで、近似計算により回路定数を決
める場合、先ず小信号動作時の値を近似的に求め、この
値から反復計算を用いて定常発振などの大信号動作の値
を求めていた。しかし、この方法では、回路の動作特性
と回路定数との間に見通しが立たないので非効率的であ
る。したがって、本発明のさらなる目的は、小信号動作
から大信号動作まで適用可能な代数近似式を用いること
により所望の回路条件を実現する回路設計方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1の発明は、第1のトランジスタで構成したコル
ピッツ発振回路と、前記第1のトランジスタのコレクタ
にエミッタが接続された第2のトランジスタと、前記第
1および前記第2のトランジスタのベースどうしを接続
する抵抗と、前記第2のトランジスタの前記ベースと電
源との間に接続されて一定の電圧を生じる定電圧源手段
と、前記第2のトランジスタのコレクタと前記電源との
間に接続された負荷抵抗とを供え、且つ前記第2のトラ
ンジスタ、前記定電圧源手段および前記負荷抵抗が接地
コンデンサを含まないベース接地増幅器を構成すること
を特徴とする。請求項2の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記定電圧源手段はダイオード接続された第3の
トランジスタを所要数だけ直列接続した回路であること
を特徴とする。請求項3の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記定電圧源手段は第3のトランジスタで構成し
た定電圧源を所要数だけ直列接続した回路であり、前記
定電圧源は前記第3のトランジスタと、前記第3のトラ
ンジスタのベース・コレクタ間に接続された抵抗と、前
記第3のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続され
た抵抗からなることを特徴とする。請求項4の発明は、
請求項2の発明において、前記コルピッツ発振回路が前
記第1のトランジスタのベース・エミッタ間に接続され
た第1の分割コンデンサと、前記第1のトランジスタの
エミッタとアースとの間に並列接続された第2の分割コ
ンデンサとエミッタ抵抗と、前記第1のトランジスタの
前記ベースと前記アースとの間に並列接続された共振手
段を含む枝路とブリーダ抵抗とを備えたことを特徴とす
る。請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明
において、前記電源の電圧が5[V]に満たないことを特
徴とする。
【0009】請求項6の発明は、請求項4の発明におい
て、前記共振手段が水晶振動子であることを特徴とす
る。このように、本発明のカスコード発振回路は、第1
のトランジスタで構成したコルピッツ発振回路と、第1
のトランジスタのコレクタにエミッタが接続された第2
のトランジスタと、前記の第1および第2のトランジス
タのベースどうしを接続する抵抗と、第2のトランジス
タのベースと電源との間に接続されて一定の電圧を生じ
る定電圧源手段と、第2のトランジスタのコレクタと前
記電源との間に接続された負荷抵抗とを供える。これら
の要素のうち第2のトランジスタ、定電圧源手段および
負荷抵抗が、カスコード発振回路のベース接地増幅器を
構成するる。定電圧源手段は交流的には第2のトランジ
スタのベースを接地することになるので、大容量の接地
用コンデンサを必要とせず、集積化に適する。第2のト
ランジスタのブリーダ抵抗の代わりに定電圧源手段を使
用した構成なので、動作点が安定し、比較的低い電源電
圧でも満足な出力振幅が得られる。また、大容量の接地
用コンデンサを使用しないので、起動時間が短いという
利点がある。請求項7の発明は、印加される電圧に応じ
て固有の周波数で共振する共振手段を接続するための共
振手段用端子を備え、前記端子に共振手段を外付けする
とコルピッツ発振器となるように第1のトランジスタで
構成された回路と、前記第1のトランジスタのコレクタ
にエミッタが接続された第2のトランジスタと、前記第
1および前記第2のトランジスタのベースどうしを接続
する抵抗と、一端が電源に接続されおり他端を前記第2
のトランジスタの前記ベースに接続した場合、前記第2
のトランジスタの前記ベースに一定の電圧を供給する定
電圧源手段と、前記第2のトランジスタのコレクタと前
記電源との間に接続された負荷抵抗とを供え、前記第2
のトランジスタ、前記定電圧源手段および前記負荷抵抗
が接地コンデンサを含まないベース接地増幅器を構成す
ることを特徴とする。請求項8の発明は、請求項7の発
明において、前記定電圧源手段はダイオード接続された
第3のトランジスタを所要数だけ直列接続した回路であ
り、前記集積回路が、前記他端、前記第3のトランジス
タ間の各接続点および前記第2のトランジスタの前記ベ
ースにそれぞれ接続された接続端子をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0010】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記回路が前記第1のトランジスタのベース・エミ
ッタ間に接続された第1の分割コンデンサと、前記第1
のトランジスタのエミッタとアースとの間に並列接続さ
れた第2の分割コンデンサとエミッタ抵抗と、前記第1
のトランジスタの前記ベースと前記アースとの間に並列
接続された、前記振動子用端子を含む枝路とブリーダ抵
抗とを備えたことを特徴とする。請求項10の発明は、
請求項7乃至9の何れかの発明において、前記電源の電
圧が5[V]に満たないことを特徴とする。このように本
発明は、カスコード発振回路内蔵の集積回路(IC)を
与えるという側面がある。本発明の集積回路は、水晶振
動子を接続するための振動子用端子を備え、前記端子に
水晶振動子を外付けするとコルピッツ発振器となるよう
に第1のトランジスタで構成された回路と、第1のトラ
ンジスタのコレクタにエミッタが接続された第2のトラ
ンジスタと、前記の第1および第2のトランジスタのベ
ースどうしを接続する抵抗と、一端が電源に接続されて
おり他端を第2のトランジスタのベースに接続した場
合、第2のトランジスタのベースに一定の電圧を供給す
る定電圧源手段と、第2のトランジスタのコレクタと前
記電源との間に接続された負荷抵抗とを含む。これらの
要素のうち第2のトランジスタ、定電圧源手段および負
荷抵抗が接地コンデンサを含まないベース接地増幅器を
構成する。この場合も、比較的低い電源電圧でも満足な
出力振幅が得られ、起動時間が短いという利点がある。
請求項11の発明は、目的の回路を構成する要素および
要素間の接続を決定するステップと、前記回路の小信号
動作時の等価回路を求めるステップと、小信号動作時の
トランジスタの第1の代数近似式を導出するステップ
と、変形ベッセル関数を用いてトランジスタの大信号近
似モデルを導くトランジスタ近似ステップと、大信号動
作時の交流等価回路を求めるステップと、大信号動作時
の第2の代数近似式からの能動回路側のインピーダンス
を合成することにより、負性抵抗、等価容量および小信
号負性抵抗の第3の代数近似式を求めるステップと、所
望の設計条件を設定する条件設定ステップと、前記第
1、第2および第3の代数近似式を用いて前記設定条件
を満足する回路定数を決定するステップを含むことを特
徴とする。
【0011】請求項12の発明は、請求項11の発明に
おいて、前記回路がカスコード発振回路であることを特
徴とする。請求項13の発明は、請求項11または12
の発明において、前記トランジスタ近似ステップが交流
コレクタ電流をGummel-Poonモデルの定義式を変形して
導出するステップと、前記定義式をベッセル級数展開し
て級数式とするステップと、前記級数式をコレクタ直流
電流を用いて表すステップを含むことを特徴とする。こ
のように本発明は、小信号から大信号まで表せる代数近
似式を用いて設定条件を満足する回路定数を決定する回
路設計方法を与えるという側面がある。この回路設計方
法は、目的の回路を構成する要素および要素間の接続を
決定するステップと、回路の小信号動作時の等価回路を
求めるステップと、小信号動作時のトランジスタの第1
の代数近似式を導出するステップと、変形ベッセル関数
を用いてトランジスタの大信号近似モデルを導くステッ
プと、大信号動作時の交流等価回路を求めるステップ
と、大信号動作時の第2の代数近似式からの能動回路側
のインピーダンスを合成することにより、負性抵抗、等
価容量および小信号負性抵抗の第3の代数近似式を求め
るステップと、所望の設計条件を設定するステップと、
前記の第1、第2および第3の代数近似式を用いて前記
設定条件を満足する回路定数を決定するステップを含
む。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例と添
付図面により本発明を詳細に説明する。なお、複数の図
面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
先ず、本発明によるIC化に適したカスコード発振回路
を開示する。次に、小信号動作時の代数近似式と変形ベ
ッセル関数を用いて導出した大信号動作時の代数近似式
により所望の設計条件を実現する回路設計方法を開示す
る。 (実施の形態1) IC化に適したカスコード発振回路 図1は、本発明の一実施例によるカスコード発振回路を
示す。図1のカスコード発振回路1は、図25のカスコ
ード発振回路90のブリーダ抵抗RCを定電圧源20で
置き換え、且つQ2のベース接地コンデンサCCを取り去
った回路である。換言すれば、カスコード発振回路1
は、第1のnpnトランジスタQ1で構成したコルピッ
ツ水晶発振回路10と、一端をQ1のベースに接続され
たブリーダ抵抗RAにベース端子が接続され且つQ1のコ
レクタにエミッタ端子が接続された第2のnpnトラン
ジスタQ2と、Q2のベースと電源VCCとの間に挿入され
た定電圧源20と、Q2のコレクタと電源VCCとの間に
接続されたプルアップ抵抗RDとを備える。
【0013】図から解るように、トランジスタQ2、定
電圧源20および抵抗RDが、コルピッツ水晶発振回路
10の緩衝増幅器30を構成する。詳細は後述するよう
に、本実施例においては、定電圧源20は、ダイオード
接続したnpnトランジスタを必要な個数だけ直列接続
した回路構成としたが、その他の構成も可能である。コ
ルピッツ水晶発振回路10は、ベースにブリーダ抵抗を
接続したnpnトランジスタで構成されるコルピッツ水
晶発振回路であれば、図1の回路10以外の構成も可能
であり、さらにはnpn型トランジスタをpnp型に置
換した回路あるいは各増幅素子をFETに置換した回路
でもよい。CCはトランジスタQ2のベースを交流的に接
地する目的で接続されていたが、RCのかわりにトラン
ジスタを用いた直流電圧源を入れると、Q3のインピー
ダンスはRA、RBに比べ非常に小さいため、交流的にQ
3は接地とみなせベースを接地することができCCが不要
となる。これにより、回路中に大きな容量が無いためI
C化が可能となり、また、初期電流が流出せずCA、CB
に溜る電荷も増え起動が速くなる。尚、説明の都合上、
第2のトランジスタQ2のコレクタ電圧をV1、第1のト
ランジスタQ1のコレクタ電圧をV2、そのエミッタ電圧
をV3、第2のトランジスタQ2及び第1のトランジスタ
1夫々のベース電圧をVA、VBとすると共に、水晶振
動子Yに流れる電流をiχと表記する。Q3は直流的に
3のベース・エミッタ間電圧と同じ値を持つ直流電圧
源と考えられるため、Q2のベース電位は固定され、V1
の振幅がV2を超えてもVAの動作点が下がることは無
く、その影響はトランジスタQ1におよばない。よって
図13の回路ではV3の電圧の振幅がV2を上回らない限
り、トランジスタのコレクタ電流が下がってきてしまう
ことは無い。通常ベース・エミッタ間直流電圧は0.7
[V]であるため、電源電圧の大きさによりトランジスタ
2のベース・コレクタ間電圧が順方向に大きくなりす
ぎないよう、RCのかわりに入れるトランジスタの数n
を調節すればいい。また、出力電圧のピークからピーク
までの大きさはほぼVCC−V2で表されるため、トラン
ジスタQ2のベース・エミッタ間直流電圧が0.7[V]とす
るとトランジスタの数nをかえることにより、出力電圧
の上限を設定することができる。ピークからピークまで
の大きさは次式で表される。 出力電圧=トランジスタQ3の数×0.7[V] +トランジスタQ2のベース・エミッタ間直流電圧0.7[V]・・・・ ・・(0) この式より、右辺が目的の出力電圧より大きくなるよう
にトランジスタQ3の数nを設定すればよい。
【0014】次に、従来のカスコード発振回路90と本
発明のカスコード発振回路1との動作特性を比較するた
め、図2の表に示した回路パラメータを用いた両発振回
路90および1のシミュレーション結果を図3および4
にそれぞれ示す。図3および4のグラフにおいて、横軸
は電源投入後の経過時間(μs)、縦軸は水晶振動子Y
の電流である。両者を比較すれば初期電流があきらかに
違うことが分かる。値としては、従来のカスコード水晶
発振回路の初期電流の振幅は1.7[pA]、IC用カスコー
ド水晶発振回路は14[nA]と桁違いに大きい。このことに
より、起動時間が従来のカスコード水晶発振回路より、
速くなることが分かる。次にV2の振幅がV3を超えて
も、トランジスタQ1に影響しないことを確認するため
図25、図1において水晶振動子のかわりにsin波の電
流源を用い、その振幅が変化した場合のトランジスタQ
1、Q2のコレクタ直流電流について考察する。図5およ
び図6に、従来のカスコード水晶発振回路90および本
発明のカスコード水晶発振回路1の結果をそれぞれ示
す。両図より、トランジスタQ2のコレクタ直流電流が
減少しても、従来のカスコード水晶発振回路と異なり、
その影響がトランジスタQ1におよばず、Q1のコレクタ
直流電流が低下しないことが分かる。したがって、本発
明の一実施例によるカスコード発振回路1におおいて
は、3[V]という低い電源電圧の下でも十分な出力振幅
を確保することができる。
【0015】(実施の形態2) カスコード発振回路1のIC化 図7は、図1のカスコード発振回路1を内蔵した本発明
の第2の実施例による集積回路2の構造を示す。集積回
路2は、図1に示したカスコード発振回路1から周波数
調整用コンデンサCCと水晶振動子Yとを除いた回路部
分を集積化したICである。図7において、トランジス
タQ1のベースは集積回路2の接続端子P5に接続さ
れ、接地(GND)線は接続端子P6に接続されてい
る。このようにすることにより、利用者が、所望の水晶
振動子Yおよび所望の容量のコンデンサCSを端子P5
およびP6間に接続することにより、所望のカスコード
発振回路1を構成することが可能となる。また、定電圧
源20用のダイオード接続された2個のトランジスタQ
31およびQ32は、直列に接続され、コレクタ側の端子は
CCに接続されるが、エミッタ側の端子はQ31およびQ
32の接続点と共に集積回路2の接続端子P3およびP2
にそれぞれ接続される。電源VCC導線およびトランジス
タQ2のベースは、集積回路2の接続端子P1およびP
4にそれぞれ接続される。P4とP1〜P3の何れかと
を接続することにより、定電圧源20の電圧を選択する
ことができる。集積回路2は、以上の構造のみを有する
簡単なカスコード発振器ICでもよい。また、上記の構
造のほかに種々のタイミング回路を組み込んだクロック
ICまたはタイミング発生回路ICでもよい。さらに、
大規模なシステムを集積したICでもよい。
【0016】(実施の形態3) 代数近似式を用いた回路設計方法 水晶発振回路では起動が開始すると振動子電流の振幅が
徐々に増加し、交流成分がほとんど無い小信号動作から
振幅が安定して大信号動作へと変化し、これにより、能
動回路側では交流電圧がベース・エミッタ間pn接合の
整流作用により、トランジスタの直流動作点を変化させ
てしまう。よって、水晶発振回路の解析には小信号動作
時の直流、大信号動作時の直流と交流について考える必
要がある。ここで、変形ベッセル関数を用いると、小信
号から大信号に至る広範囲での直流・交流の変化が代数
近似式で表せる。この事実に基づく本発明の回路設計方
法を図8に示す流れ線図にそって詳細に説明する。本発
明によれば、先ず図8のステップ101において、回路
の構造、即ち回路を構成する要素および要素間の接続を
決定する。この実施例では、図1のカスコード発振回路
1をそのまま使用するものとする。ステップ102にお
いて、回路の小信号動作時の等価回路を求める。小信号
では、 であるため、振動子側は無視し、コンデンサは開放と見
なされるため省略することができる。また、Q3は直流
において、ベース・エミッタ間直流電圧と同じ電圧を持
った直流電圧源と考えられ、通常その値は0.7[V]と近
似できるため、図1は図9となる。但し、図9中のn
は、図25のRCのかわりに入れるトランジスタQ3の数
である。よって、 VA=VCC−0.7n である。図9において、VBEはベース・エミッタ電圧、
BCはベース・コレクタ電圧、ICはコレクタ電流を表
す。これらの物理量を表す符号に続く下付き文字「O」
は、これらの物理量が小信号動作時の量であることを示
す。最後に下付き数字「i」(i=1、2または3)が
付加されているは、その量または要素がトランジスタQ
iに関する量または要素であることを示す。GD1および
D2は、トランジスタQ1およびQ2の各ベース・エミッ
タ間の等価ダイオードである。
【0017】次に、小信号動作時の等価回路のトランジ
スタの代数近似式を導出する(図8のステップ10
3)。図9において、キルヒホッフの法則を用いると、
次式が導出される。 但し、 である。式(1)、(2)よりVBとV3を導出し、V
BEO1について解くと、 となる。ここで、Gummel-Poonモデルの定義式を用いる
と、コレクタ電流ICOは次のように表せる。 但し、VT=kT/qであり、qは電子の電荷量、kはボ
ルツマン定数、Tは絶対温度とする。また、Isはトラ
ンジスタのコレクタ飽和領域を表す。
【0018】式(5)よりICO1について解くと次のよ
うになる。 途中経過は省略するが、以上のVBEO1およびICO1を初
めとする小信号動作点に関する方程式を解いて得られる
代数式を微小項を近似して表すと次のようになる。 このように、直流動作点電圧及び電流をニュートン法な
どの反復法を用いずに且つナレータモデルより格段によ
い精度で解析できる式はこれが初めてである。ここで、
上述した近似式の有効性を確かめるために、図10に示
す6種類の回路でシミュレーションと比較してみた。設
計条件としては、電源電圧VCC=3.0[V]、1.5[V]。但
し、3.0[V]の場合は電池として使用したトランジスタ
3の数nは1、1.5[V]の場合はn=0とした。発振周
波数f=12.8[MHz]、トランジスタは全て2SC3585、小信
号時のコレクタ直流電流はICO1=0.2[mA]、0.4[mA]、
0.6[mA]の3通り、計6通りの回路において近似式の計
算結果とシミュレーションとの比較を行った。
【0019】図示は省略するが、いずれも、設計条件で
あるそれぞれの電源電圧VCCでは、数%以内での一致が
得られ、近似式の有効性が確認された。なお、1.5[V]
におけるQ2の小信号ベース・コレクタ間直流電圧動作
において、Q2のベース・コレクタ間直流電圧VBCO2
値が0.7[V]付近で電源電圧によらず一定となってしま
う。ベース・コレクタ間直流電圧は本来逆バイアスで使
用するものであるが、順バイアスでもベース・コレクタ
間には固有障壁電圧があるため動作し、その限界が0.7
[V]付近と推測される。その影響で、トランジスタQ2
のベース・エミッタ間直流電圧動作点VBCO2とコレクタ
間直流電流動作点ICO2が変化してしまうので、このよ
うな状況では、電池として用いたトランジスタQ3の数
nを増やせばよい。大信号動作点の導出に先立ち、小信
号動作時の代数近似式と変形ベッセル関数を用いてトラ
ンジスタの大信号近似モデルを求める(ステップ10
4)。但し、以下の近似式において、図1中の周波数調
整用容量Csは能動回路の等価容量との直列容量として
考慮できるため短絡とした。更に、代数式において添字
に数字があるものは、その数字のトランジスタでの値を
示し、数字が無いものは、どのトランジスタでも成り立
つ式を表す。また、直流成分は大文字で、交流成分は小
文字で、小信号での値は添字に「O」を付加した。今、
ベース・エミッタ間に、次式で表されるベース・エミッ
タ間電圧υbe(t)が印加されたとする。 この時、通常動作領域におけるコレクタ電流ic(t)は、
式(6)で表されるGummel-Poonモデルの定義式より、 但し、υ=υbe/VTとする。
【0020】上記式のexp(υcosωt)をベッセル級数展
開し、それに基づいてコレクタ直流ICを計算すると となる。ここで、I0(υ)は0次の変形ベッセル関数を
表す。0次の変形ベッセル関数の特性から、I0(υ)は の時、 である。つまり、小信号動作時に式(16)は通常用い
られる線形化小信号解析の式と等しくなることが分か
る。小信号動作から大信号動作になると、υが増加して
いく。つまり、ベース・エミッタ間交流電圧υbeが増加
し、そのICに与える影響が、変形ベッセル関数項に表
れてくる。前記のexp(υcosωt)のベッセル級数展開と
式(16)から、式(15)は となる。但し、Ii(υ)はi次の変形ベッセル関数を表
す。よって、角周波数ωをもつ基本波成分のコレクタ交
流電流振幅icは、式(17)の右辺第2項から、次式
のように表される。 小信号動作時、I1(υ)/I0(υ)はυ/2と近似できる
ため、小信号線形解析におけるコレクタ交流電流の解析
式と一致する。また大信号動作時、I1(υ)/I0(υ)=
1と近似でき、パルス動作時にコレクタ電流基本波成分
が直流バイアス電流の2倍となる事実と一致する。
【0021】以上より、変形ベッセル関数を用いると、
代数式が小信号から大信号に至る広い範囲で表せること
が分かる。また、トランジスタのベース・エミッタ間電
圧とコレクタ電流を近似モデルで示すことにより、直流
信号と交流信号を近似的に分離して動作点を解析するこ
とが可能である。ここで、式(18)で表されるic
υ=υbe/VTであることから、実効的な伝達コンダク
タンスic/υbeとなる。ICのiχに対する変動は小さなものなので、
上式のICを小信号時の値ICOと近似すると、小信号動
作時における伝達コンダクタンスgm=ICO/VTを用い
て実効的な伝達コンダクタンスは次のようになる。 但し、 である。この規格化された変形ベッセル関数K(υ)は、
小信号動作時のgmが振動子電流によって動作点が変動す
ることによる、実効的なgmの減少を表している。K(υ)
は小信号動作、すなわちυ≪1であるときK(υ)=1、
大信号動作、すなわちυ≫1ではK(υ)=2/υと近似
することができる。次に、小信号動作時の代数近似式と
変形ベッセル関数を用いて、大信号動作時のトランジス
タQ1およびQ2の動作点を導く(ステップ105)。通
常、水晶発振回路のブリーダ抵抗RABはCABE
インピーダンスより大きく設計されているため、振動子
電流iχは、ほとんどQ1のトランジスタのベース側に
流れ込む。つまり、 となる。また、ベース・エミッタ間抵抗RBE1はCAのイ
ンピーダンスと比べて十分大きく、さらに、ベース・エ
ミッタ間容量CjBE1及びCdBE1のiχに対する変動は小
さいと考えられるため、これらの値は小信号動作時の値
で近似でき、ib1はほぼCA、CjBE1、CdBE1の並列合
成容量に流れる。よって、Q1のベース・エミッタ間交
流電圧の振幅υbe1は振動子電流iχと角周波数ωと並
列合成容量CA´を用いて となる。
【0022】また、大信号動作時のベース・エミッタ間
直流電圧は、式(16)をVBEについて解くことによ
り、次式のようになる。 但し、υ1=υbe/VTである。ここで、コレクタ電流I
C1はiχによる変動が小さいため、小信号動作時の値に
近似できる。よって右辺第1項はVTln(ICO1/Is)と
なる。これは式(6)により、小信号動作時のベース・
エミッタ間直流電圧に等しいことが分かる。よって、式
(23)は次のようになる。 さらに、iχが十分大きい時、式(24)の右辺第2項
は、 と近似できるため、VBE1は次式のようになる。 この式は、ベース・エミッタ間直流電圧が、小信号動作
時の値から、ベース・エミッタ間交流電圧によって、動
作点が減少することを示している。コレクタ直流電流I
C1については、それぞれのトランジスタの電流増幅率β
が十分大きいとすると、IC1は抵抗RDからREまで流れ
ると考えられ、キルヒホッフの電圧則を用いて次のよう
な関係式が得られる。 BE2、VBC2それぞれの近似式を代入すると、 となる。VBE2はiχによる変化が小さいため一定とす
ると、上式第1項は小信号コレクタ直流電流ICO1とな
る。よって、コレクタ直流電流IC1は次式となる。 χが十分大きい時、式(26)を用いて、 式(27)において、小信号動作時υbe1は0となるた
め、IC1は小信号コレクタ電流ICO1と一致する。
【0023】コレクタ交流電流ic1は式(18)より次
式のようになる。 ベース・コレクタ間直流電圧VBC1は式(12)の導出
を参考に、キルヒホッフの電圧則を用いると、 ここでVBE2は次小節で述べるが、トランジスタQ2のベ
ース・エミッタ間直流電圧である。また、VAはiχ
よる変化が小さいため、式(29)は次のようになる。 この式より、トランジスタQ1におけるベース・コレク
タ間直流電圧はトランジスタQ2のベース・エミッタ間
直流電圧の影響を、大きく受けていることが分かる。以
下、同様にしてQ2の動作点を表す近似式を求めること
ができるが、後述の回路設計では直接使用しないので、
ここでは省略する。以上の検討結果に基づいて負性抵抗
および等価容量の代数近似式を求めるために、図1の交
流等価回路を求める(ステップ106)。図1のトラン
ジスタQ3は交流的に接地とみなせ、また、直流的には
3のベース・エミッタ間直流電圧VBE3と同じ値を持つ
直流電圧源と考えられる。よって、前記図1は理想的に
は図11の回路となる。
【0024】図11のカスコード発振回路1aの等価回
路に使用するトランジスタモデルを図12に示す。図1
1のトランジスタQ1、Q3の動作モデルには、回路シミ
ュレーションに広く使われている変形Gummel-Poonモデ
ルに前述の近似解析を適用して得た図12(a)の等価
モデルを用いる。ここで、rE、rCはそれぞれエミッ
タ、コレクタ端子のオーミック抵抗、rbはベース広が
り抵抗を表すが、これらの抵抗は、他の回路素子との合
成により考慮できるため短絡とする。また、図11のト
ランジスタQ2には図12(b)のT型等価回路を用い
る。ここでのrbも他の回路素子との合成により考慮で
きるため短絡とする。Q2にT型等価回路を用いたの
は、Q2を含む回路がベース接地増幅回路であるからで
ある。ベース接地増幅回路は、入力をエミッタから出力
をコレクタから取ることになるため、π形等価回路では
コレクタ従属電流源が入力と出力の間に入ってしまい、
解析が困難となってしまう。よって、T型等価回路を用
いた。このように図12のトランジスタモデルを図11
のカスコード発振回路1aに適用すると、図13の交流
等価回路を得る。但し、CA″はCAと、大信号ベース・
エミッタ間拡散容量CdBE1と、大信号ベース・エミッタ
間接合容量CjBE1の並列容量である。つまりCA″=CA
+CdBE1+CjBE1とする。また、ZMはトランジスタQ1
のミラー効果を考慮した場合にでてくる等価的なインピ
ーダンスであり、RABはRAとRBの並列抵抗である。発
明者はこの近似が成り立つことを、シミュレーションを
用いて確認済みであり、その結果、図1と図11夫々の
負性抵抗−Riと等価容量Ciは次の式で表わされ、シミ
ュレーションと具体的素子値代入に基づく計算値とはほ
ぼ一致している。次に、負性抵抗、等価容量および小信
号負性抵抗を求める(ステップ107)。
【0025】図13において、CA″にインピーダンス
はトランジスタQ1のベース・エミッタ間抵抗RBE1のイ
ンピーダンスより小さく設計される。同様に、CBのイ
ンピーダンスはREのインピーダンスより小さいため、
12のインピーダンスは次式のように近似できる。 また、RAB、ZMのインピーダンスは、Z1、Z2のイン
ピーダンスに比べ十分大きいため、Z1に流入する電流
は振動子電流iχと近似できる。従って、Z1における
1のベース・エミッタ間交流電圧υbe1とiχの位相差
θは、式(34)より次式のようになる。
【0026】更に、Q2のコレクタ交流電流ic1はυbe1
と同位相であるため、iχとic1の位相角も式(36)
で与えられる。よって、Z2に流入する電流はiχ+i
c1ej θとなる。Z1とZ2の合成インピーダンスをZt
すると、Ztにかかる電圧はZtχは、Z1にかかる電
圧とZ2にかかる電圧の和であるため、次式が得られ
る。 両辺をiχで割ると、 となる。ここで、ベース・エミッタ間の合成容量CA
のインピーダンスは、Q1のベース・エミッタ間抵抗R
BE1によるインピーダンスより十分小さいことから、式
(36)より次式が導出される。 sinθ=−1 ・・・・・・(39) 式(38)、式(39)、式(40)よりZtを導出
し、その抵抗分をRt、容量分をCtとすると、それぞれ
次式で表される。 但し、 である。式(43)はベース・エミッタ間及びエミッタ
側での位相変化分を表している。
【0027】次に、トランジスタQ1のミラー効果によ
る等価的なインピーダンスZMを導出する。通常、トラ
ンジスタQ2のCπ 2のインピーダンスは、re2のインピ
ーダンスに比べ十分大きいためCπ 2は無視できる。よ
って、ZMは次式となる。 通常、re2は出力取り出し用抵抗RDと比べ小さく、ミ
ラー効果の影響がコルピッツ水晶発振回路より減ってい
ることが分かる。以上より、カスコード水晶発振回路の
能動回路側全体のインピーダンスを導出する。Ctと比
較してRABのインピーダンスは十分大きいことからRAB
を開放とし、また、Rtのインピーダンスは十分小さい
ことからRtを短絡すると、能動回路側の等価容量Ci
MとCtの並列容量となり、合成すると次式が得られ
る。 一方、RAB及びZMの合成インピーダンスを求めたうえ
で、RtとCtの直列回路で表し微小項を省略すると、負
性抵抗−Riは次式となる。 式(45)、式(46)より、負性抵抗と等価容量の代
数近似式は参考文献[8]からコルピッツ水晶発振回路の
ものとほぼ等しく、ミラー効果における影響のみコルピ
ッツ水晶発振回路の場合より減っていることが分かる。
【0028】一般に、小信号時の負性抵抗rnは、次の
ように与えられていることが知られている。 c1be1を表す式(20)へ、ベース・エミッタ間交
流電圧を表す式(22)を代入すると次式が得られる。 小信号動作時 となり、上式を負性抵抗を表す式(46)へ代入すると
小信号負性抵抗が導出され、式(47)と一致する。こ
こで、電源電圧3[V]コレクタ直流電流0.4[mA]の設計
において、RAとRBの比を変化させた場合の小信号負性
抵抗の変化を図14に示す。但し、図中実線は代数式で
破線はシミュレーション値である。図14よりRA/RB
が小さい程小信号負性抵抗が大きくとれることが分か
る。以上のように求めた代数近似式を用いれば、反復法
を用いることなく回路定数を効率的に決定することがで
きる。
【0029】回路の設計方法 以下、回路設計例を示す。先ず、所望の回路条件を設定
する(ステップ108)。本発明の水晶発振回路に求め
られていることは、低い電源電圧で動作できることであ
る。よって現在カスコード水晶発振回路において発振が
可能とされている電源電圧2.3[V]で設計を行ってみ
る。また、IC化には大きい容量が使えないため今回は
使用する容量を100[pF]以下として設計条件を例えば次
のように定める。即ち、 コレクタ直流電流 1.0[mA]以下 負性抵抗 −20[Ω] 小信号負性抵抗 −100[Ω]以上 振動子電流振幅 2[mA]以下 出力電圧 1[Vp−p]以上 周波数安定度 0.3[ppm]]以下 周波数 12.8[MHz] トランジスタ 2SC3585 とする。トランジスタQ3の数nは出力電圧を1[Vp−p]
以上とることから、式(0)より1つとする。次に、上
述の代数近似式を用いて、これらの設定条件を満足する
回路定数を決定する(ステップ109)。まず、回路の
設計において必要なことは、前述のように図1における
1、V3での交流電圧振幅が大きすぎて、それぞれの動
作点を変化させてしまわないことである。変化してしま
うと、求めた代数解析式が適用できなくなってしまうた
めである。本発明のカスコード水晶発振回路1を用いる
ことによりV1の電圧による動作点の変化は無視できる
が、V3での変化には対応できない。そこで、トランジ
スタQ1のベース・エミッタ間電圧がトランジスタQ2
ベース・エミッタ間電圧とほぼ等しいとすると、V3
の電圧はVBでの電圧、また電圧の上限はV2からVA
なり、VBでの電圧を評価することにより動作点が変化
してしまう点の見当がつく。VBでの直流電圧は電源電
圧VCC、トランジスタの数nとブリーダ抵抗RA、RB
比で次式のように表される。 よってVBの交流電圧振幅の上限は次のようになる。
【0030】また、能動回路側の等価回路は負性抵抗R
iと等価容量Ciの直列で表され、負性抵抗のインピーダ
ンスは等価容量のインピーダンスより十分小さいとし、
負性抵抗を無視するとVBの交流電圧振幅は振動子電流
χを用いて、 となる。従って、V3の電圧により動作点が変化しない
ためには次の条件が必要となる。 但し、この式は近似が多いため誤差が大きく目安程度で
ある。よって、動作点が変化する条件が等価容量Ci
AとRBの比によって決まり、Ciは大きければ大きい
程、RAとRBの比は1に近ければ近い程良いことが分か
る。設計条件よりCiは100[pF]以上にはできないため、
A、CBをそれぞれ100[pF]とする。等価容量は式(4
5)で表されるが、ミラー効果による等価的なインピー
ダンスは式(42)と比べ十分小さく、トランジスタQ
1のベース・エミッタ間容量(CdBE1+CjBE1)はCAと比
べ十分小さく、また、ベース・エミッタ間及びエミッタ
側での位相変化分を表す式(43)は1と比べ十分小さ
いと近似できるため、概略CAとCBの直列回路インピー
ダンスとなることから等価容量は50[pF]となる。表5よ
り値を代入すると、0.45<RA/RB<2.22の結果が出て
くる。しかし、図14から分かるようにRA/RBが大き
すぎると小信号負性抵抗が十分にとれなく、また、式
(52)での誤差の影響が出てもいいようにここではR
A/RB=0.6とした。
【0031】負性抵抗と小信号負性抵抗を表す式(4
6)式(49)において、等価損失分である第1項から
第3項までが真性負性抵抗より十分小さいとし省略する
と、2式の関係は以下のようになる。 となる。それぞれに値を代入するとiχ=2[mA]とな
る。次に、小信号コレクタ直流電流ICO1が(VB−V
BEO1)/REであると近似すると、式(49)よりRE
決定することにより小信号負性抵抗が決まる。小信号負
性抵抗が−100[Ω]となるように計算すると、RE=[1.2k
Ω]となる。これらの値を式(7)へ代入し小信号コレ
クタ直流電流ICO1を求めると、IC O1=0.2[mA]とな
る。ブリーダ抵抗に流れる電流はベース電流がトランジ
スタに流れ入っても変化しないほど十分大きくとるため
ベース電流の10倍とする。ベース電流はコレクタ電流
のおよそ1/100であるのでブリーダ抵抗には0.02[mA]の
電流が流れるとすると、RA+RB=80[kΩ]の条件が得
られる。RAとRBの比よりそれぞれの抵抗を求めるt、
A=30[kΩ]、RB=50[kΩ]が算出される。RDは、通
常水晶発振回路を使用する場合、次段回路の入力インピ
ーダンスが並列に入ってくることを考慮し、一般的な
値、例えば500[Ω]とすれば良い。ステップ109で求
めた回路定数でシミュレーションを行った結果の負性抵
抗、コレクタ直流電流および出力電圧を図15〜17に
示す。但し、図15および16において実線は式(4
6)の代数式のよって求めたものであり、破線はシミュ
レーションによる結果である。図15より、負性抵抗が
−20[Ω]の時の振動子電流iχがほぼ2[mA]であり、小
信号負性抵抗が−100[Ω]以上とれていることが読みと
れる。また、図16よりiχが2[mA]の時、コレクタ電
流が十分に大きいことが、さらに、図17より、出力電
圧のピークからピークまでが1[V]以上とれていること
が確認できる。以上により、ステップ108で設定した
設定条件が満たされ、本発明の代数近似式が回路の設計
に役立つことが分かる。
【0032】以上、本発明のカスコード発振回路1を例
にとって、回路設計方法を説明してきた。しかし、本発
明の回路設計方法は、トランジスタを用いた種々の回路
に適用可能である。また、本発明によって小信号動作点
の近似式と変形ベッセル関数を用いて導出した大信号動
作時の代数近似式は、回路定数の決定のみならず、回路
解析一般に利用することができる。図1および7の定電
圧源を構成する各トランジスタQ3、Q31およびQ32
図7(B)のように結線されている。しかし、この回路で
はE−C間の電圧0.7[V]以外の電圧に設定できない。
したがって、E−C間の電圧を任意の値に設定すること
が望まれる場合には、定電圧源を構成するトランジスタ
は図7(C)、(D)のような回路とすることが好ましい。
図7(C)の回路ではVBE=0.7[V]であるから、R2両端
の電圧も0.7[V]となる。トランジスタのベースに流れ
る電流は十分小さいのでR2を流れる電流がほぼそのま
まR1に流れるのでa−b間の電圧Vabは次のように近
似できる。 ここで、例えばR1=R2とすると、R1両端の電圧は、
0.7[V]となり、a−b間の電圧は1.4[V]となる。図7
(D)のように とすると、R1両端の電圧は0.35[V]となるためa−b
間の電圧は1.05[V]となる。つまり、R1とR2の設定次
第で定電圧源の電圧値を調整することが可能となる。も
ちろん、R1およびR2の値は、以上に限定されるもので
はなく、適切な値に設定することができる。また、図1
および7において、共振回路Yとして、水晶振動子を用
いたが、容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスとを
含む適切な共振回路であれば何でも良い。以上は、本発
明の説明のために実施の形態の例を掲げたに過ぎない。
したがって、本発明の技術思想または原理に沿って上述
の実施の形態に種々の変更、修正または追加を行うこと
は、当業者には容易である。故に、本発明は、以上述べ
た実施の形態に捕らわれることなく、ただ特許請求の範
囲の記載に従って判断するべきである。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、大容量のコンデンサを
必要とせず、比較的低い電源電圧で十分な出力振幅を与
えるIC化に適したカスコード発振回路を得ることがで
きる。本発明のカスコード発振回路は、起動時間が早
い。回路方程式を変形ベッセル関数を用いて近似するこ
とにより、小信号動作点と整合性のある大信号動作点代
数近似式が導出でき、また、小信号動作から大信号動作
まで適用可能な代数近似式を用いることにより、所望の
回路条件を実現する回路を反復法によることなく設計す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるIC化に適したカスコ
ード発振回路の構成を示す回路図である。
【図2】図25および図1のカスコード発振回路90お
よび1のシュミレーションに用いた回路パラメータの表
を示す図である。
【図3】図2の表のパラメータを用いた従来のカスコー
ド発振回路90の動作のシミュレーション結果を示すグ
ラフ図である。
【図4】図2の表のパラメータを用いた本発明のカスコ
ード発振回路1の動作のシミュレーション結果を示すグ
ラフ図である。
【図5】図25の従来のカスコード発振回路90におい
て水晶振動子Yの代わりに正弦波電流源(図示せず)を
用いて、この電流源の振幅を変化させた場合のコレクタ
直流電流の変化を示す図である。
【図6】図1の本発明のカスコード発振回路1において
水晶振動子Yの代わりに正弦波電流源(図示せず)を用
いて、この電流源の振幅を変化させた場合のコレクタ直
流電流の変化を示す図である。
【図7】図1のカスコード発振回路1を内蔵した本発明
の第2の実施例による集積回路2の構造を示す回路図で
ある。
【図8】小信号動作時の代数近似式と変形ベッセル関数
を用いて導出した大信号動作時の代数近似式により所望
の設計条件を実現する本発明のカスコード発振回路設計
方法の流れ線図である。
【図9】小信号動作の代数近似式を求めるための図1の
等価回路の図である。
【図10】図8のステップ103で求めた近似式の有効
性を行ったシミュレーションにおいて設定した6とおり
の設計条件を示す図である。
【図11】図1の回路1を理想化したカスコード発振回
路1aを示す図である。
【図12】図11の回路1aの等価回路に使用するトラ
ンジスタモデルを示すトランジスタ等価回路図である。
【図13】図11のカスコード発振回路1aの大信号動
作時の交流等価回路を示す図である。
【図14】ブリーダ抵抗比RA/RBと小信号負性抵抗の
関係を表すグラフ図である。
【図15】図8のステップ109で求めた回路定数を用
いた場合の振動子電流iχと負性抵抗Riとの関係を表
すグラフ図である。
【図16】図8のステップ109で求めた回路定数を用
いた場合の振動子電流iχとコレクタ直流電流ICとの
関係を表すグラフ図である。
【図17】図8のステップ109で求めた回路定数を用
いた場合の出力電圧波形を表すグラフ図である。
【図18】一般的なコルピッツ水晶発振回路を示す回路
図である。
【図19】水晶振動子のリアクタンス特性を示すグラフ
図である。
【図20】水晶振動子の等価回路を示す図である。
【図21】共振回路の動作を説明する図である。
【図22】水晶発振器の発振原理を説明する等価回路を
示す図である。
【図23】コルピッツ水晶発振回路の起動時の電流の流
れを示す図である。
【図24】電源投入直後の等価回路を示す図である。
【図25】従来技術のカスコード発振回路を示す図であ
る。
【図26】振動子電流と動作点の変化を示す図である。
【符号の説明】
1:IC化に適したカスコード発振回路 1a:理想的なIC化に適したカスコード発振回路 2:カスコード発振回路内蔵IC 90:従来技術のカスコード発振回路 10:コルピッツ発振回路部 20:定電圧源回路 30:緩衝増幅部 Y:水晶振動子 Q1,Q2、Q3、Q31,Q32:トランジスタ RA、RB,RC,RD,RE:抵抗 CA,CB,CC,CD、CS:コンデンサ P1〜P6:ICの接続端子 RBE1,re2、RAB:等価抵抗 Cπ 2、Cμ 2、CA″:等価容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 敏一 神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1 号 東洋通信機株式会社内 (72)発明者 保坂 公司 神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1 号 東洋通信機株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−68462(JP,A) 特開2000−151279(JP,A) 特公 昭55−35866(JP,B1) 特公 平7−112139(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03B 5/30 - 5/36 H03B 5/02 H03F 1/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のトランジスタで構成したコルピッツ
    発振回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミ
    ッタが接続された第2のトランジスタと、前記第1およ
    び前記第2のトランジスタのベースどうしを接続する抵
    抗と、前記第2のトランジスタの前記ベースと電源との
    間に直接に挿入接続されて前記第2のトランジスタのベ
    ースと電源との間の電位を一定に保つ為の定電圧源手段
    と、前記第2のトランジスタのコレクタと前記電源との
    間に接続された負荷抵抗とを備え、且つ前記第2のトラ
    ンジスタ、前記定電圧源手段および前記負荷抵抗が接地
    コンデンサを含まないベース接地増幅器であり、前記定
    電圧手段は、ダイオード接続された第3のトランジス
    タを所要数だけ直列接続した回路であることを特徴とす
    る集積化に適したカスコード発振回路。
  2. 【請求項2】前記第3のトランジスタと、前記第3のト
    ランジスタのベース・コレクタ間に接続された抵抗と、
    前記第3のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続さ
    れた抵抗からなることを特徴とする請求項1記載の集積
    化に適したカスコード発振回路。
  3. 【請求項3】前記コルピッツ発振回路が、前記第1のト
    ランジスタのベース・エミッタ間に接続された第1の分
    割コンデンサと、前記第1のトランジスタのエミッタと
    アースとの間に並列接続された第2の分割コンデンサと
    エミッタ抵抗と、前記第1のトランジスタの前記ベース
    と前記アースとの間に並列接続された共振手段を含む枝
    路とブリーダ抵抗とを備えたことを特徴とする請求項1
    記載の集積化に適したカスコード発振回路。
  4. 【請求項4】前記電源の電圧が5[V]に満たないことを
    特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の集積化に適
    したカスコード発振回路。
  5. 【請求項5】前記共振手段が、水晶振動子であることを
    特徴とする請求項3記載の集積化に適したカスコード発
    振回路。
  6. 【請求項6】印加される電圧に応じて固有の周波数で共
    振する共振手段を接続するための共振手段用端子を備
    え、前記端子に共振手段を外付けするとコルピッツ発振
    器となるよう第1のトランジスタで構成された回路と、
    前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが接続さ
    れた第2のトランジスタと、前記第1及び前記第2のト
    ランジスタのベースどうしを接続する抵抗と、一端が電
    源に直接に接続されており他端を前記第2のトランジス
    タの前記ベースに直接に接続した場合、前記第2のトラ
    ンジスタの前記ベースと電源間に一定の電圧を発生させ
    る定電圧源手段と、前記第2のトランジスタのコレクタ
    と前記電源との間に接続された負荷抵抗とを備え、前記
    第2のトランジスタ、前記定電圧源手段および前記負荷
    抵抗が接地コンデンサを含まないベース接地増幅器であ
    り、前記定電圧源手段は、ダイオード接続された第3の
    トランジスタを所要数だけ直列接続した回路であり、前
    記集積回路が、前記他端、前記第3のトランジスタ間の
    各接続点および前記第2のトランジスタの前記ベースに
    それぞれ接続された接続端子をさらに備えたことを特徴
    とするカスコード発振回路内臓の集積回路。
  7. 【請求項7】前記第1のトランジスタのベース・エミッ
    タ間に接続された第1の分割コンデンサと、前記第1の
    トランジスタのエミッタとアースとの間に並列接続され
    た第2の分割コンデンサとエミッタ抵抗と、前記第1の
    トランジスタの前記ベースと前記アースとの間に並列接
    続された、前記振動子用端子を含む枝路とブリーダ抵抗
    とを備えたことを特徴とする請求項6記載の集積回路を
    備えたカスコード発振回路。
  8. 【請求項8】前記電源が5[V]に満たないことを特徴と
    する請求項7乃至9の何れかに記載の集積回路または該
    集積回路を備えたカスコード発振回路。
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