JP3429005B2 - Fm無線機における搬送波周波数補償装置、その方法、及びdspに使用可能な媒体 - Google Patents

Fm無線機における搬送波周波数補償装置、その方法、及びdspに使用可能な媒体

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JP3429005B2 JP54241897A JP54241897A JP3429005B2 JP 3429005 B2 JP3429005 B2 JP 3429005B2 JP 54241897 A JP54241897 A JP 54241897A JP 54241897 A JP54241897 A JP 54241897A JP 3429005 B2 JP3429005 B2 JP 3429005B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願 この出願は本出願人の出願に関わる以下の出願に関連
する。
米国出願番号97/07460(出願人整理番号RA9−96−03
4)「FM無線受信器における搬送波周波数補償装置、そ
の方法、及びDSPに使用可能な媒体」 米国出願番号97/07538(出願人整理番号RA9−95−07
8)「FM無線送信器における搬送波周波数補償装置、そ
の方法、及びDSPに使用可能な媒体」 技術分野 本発明はディジタル制御による無線通信装置に関する
ものであり、更に具体的にはFMラジオの搬送波周波数に
おけるエラー補償に関するものである。
背景技術 殆どの無線用モデムはアンテナを介して空気インタフ
ェースからデータ信号を受信し、また空気インタフェー
スへデータ信号を送信するのに用いる局部発振器周波数
を発生するためにクリスタル制御発振器を利用してい
る。クリスタル制御発振器は法令により必要とされる場
合、(例えば放送用および市民バンド送信器)、少数の
周波数においてだけ運用されるものと予期される場合、
およびスペースが問題となる場合(すなわち、スペース
を取る同調回路を都合良く使用できないためよりコンパ
クトなクリスタルと置き換える事ができる場合)に用い
られる。クリスタル部品の特性変動のため特定のクリス
タル部品に関して通常は周波数のずれがある。
FM無線送信器や受信器が大量に製造される場合、クリ
スタル発振器部品のばらつきのためクリスタルに本来相
違があるので各装置の搬送波周波数が変動することにな
る。送信器の場合、これは送信信号の周波数を離調させ
る。FM無線送信器を用いる無線データ・モデムでは搬送
波周波数に誤差が生じるとデータ・エラー・マージンを
失わせ、ビット・エラー率が高くなって、より多くのデ
ータ・フレームがエラーのある状態で送信されることに
なって、より大くの再試行を必要とし、無線データ・モ
デムのユーザにスループットが遅く感じられる結果とな
る。このエラー・マージンの損失はRD−LAPのような4
レベルデータ符号化システムにおいて特に重大である。
受信器においては受信器の周波数と送信基地の周波数
が一致しないと受信された復調信号がDCバイアスのオフ
セットを持つようになる。周波数の不一致は送信器、受
信器、またはそれら両者のクリスタル発振器部品のばら
つきにより生じることがある。FM無線受信器を用いる無
線データ・モデムでは、搬送波周波数と受信器の局部発
振器周波数との不一致があると、データ・エラー・マー
ジンの損失が生じ、ビット・エラー率が高くなってより
多くのデータ・フレームがエラーのある状態で送信され
ることになり、より多くの再試行を必要とし、無線デー
タ・モデムのユーザにスループットが遅く感じられる結
果となる。このエラー・マージンの損失はRD−LAPのよ
うな4レベルデータ符号化システムにおいて特に重大で
ある。
この問題は送信器においてハードウエア手法を用いて
クリスタル安定化およびツイーキング(tweaking)した
り、周波数変動が少ないより正確なかつより高価な発振
器部品を指定したりすることによってこれまでは低減さ
れてきた。同様にこの問題は受信器においてハードウエ
ア手法を用いてクリスタル安定化およびツイーキングし
たり、周波数変動が少ないより正確なかつより高価な発
振器部品を指定したりすることによってこれまでは低減
されてきた。ツイーキングは通常手作業で行われるので
費用がかさみ、時間がかかり、エラーを生じがちなプロ
セスである。周波数のずれが小さいクリスタル発振器部
品を使用するとそのコストが高くなり、無線データ・モ
デムのコストを増大させる。
搬送波周波数のエラーの問題は受信器において自動周
波数追跡能力を組み込むことによっても低減されてい
る。これらの手法はある時間にわたって受信信号の内容
を解析して受信器を補償するように調整する。しかしな
がらこれらの手法は問題を完全には解決しない。それは
フレームの最初のデータがエラー状態で受信されるかま
たは全く受信されないことがあり、その一方で追跡手段
は受信された搬送波周波数信号にロックまたは整定しよ
うとするからである。このため最初のデータ・フレーム
が失われてデータ・スループットを低下させることにな
る。
この分野においてこれらの未解決の問題および欠点は
明らかに認識されており、これらは以下に述べる態様で
本発明により解決される。
発明の開示 上述の問題解決の必要性は搬送波周波数補償装置、方
法、及びDSPに使用可能な媒体を提供することにより本
発明により満たされる。FM信号はアンテナから受信さ
れ、受信されたFM信号は受信器に与えられる。受信器は
FM信号を搬送波周波数で取り込みベースバンド信号を出
力する。このベースバンド信号はDSPにより処理され
て、このDSPが搬送波周波数補償およびデコードを行っ
てデータ・ストリームを生じ、このデータ・ストリーム
がマイクロプロセッサによりホスト装置に与えられる。
FM搬送波周波数とFM信号を復調するのに用いた周波数と
の周波数差が得られたベースバンド信号のシフトを与え
ることがある。DSPは受信補償値を使用しそれを受信さ
れた各信号サンプルに適用することによってこの周波数
差を補償する。送信に当たって送信すべきデータはマイ
クロプロセッサを介してホスト装置からDSPに与えられ
る。DSPはデータのエンコードおよび搬送波周波数補償
を行ってベースバンド信号を送信器に与え、送信器はベ
ースバンド信号を変調して所望の搬送波周波数のFM信号
を発生する。所望のFM搬送波周波数とベースバンド信号
を変調するのに用いた周波数との周波数差は受信システ
ムにおけるエラーを生じる可能性がある。DSPは送信補
償値を用いてこれをエンコードされた各信号サンプルに
適用することによってこの周波数差を補償する。
本発明の目的はエラーを生じる可能性が低いFM通信を
提供することにある。
本発明の目的の1つは送信再試行の回数を低減したFM
通信を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は高いスループットを与える
FM通信を提供することにある。
本発明の更にもう1つの目的は無線システムを低コス
トで作ることを可能ならしめる搬送波周波数エラー補償
を提供することにある。
本発明の更にもう1つの目的は通信時間に与える影響
を最小にしたFM通信を提供することにある。
本発明の更にもう1つの目的は自動周波数補正機構へ
の依存度が少ない搬送波周波数エラー補償を提供するこ
とにある。
本発明の更にもう1つの目的は、フレームの最初にあ
るデータがより少ないエラーで受信されるようにした自
動周波数補正機構への依存度が少ない搬送波周波数エラ
ー補償を提供することにある。
本発明の更にもう1つの目的は、より大きな許容誤差
の低コストの部品でFM無線データ・モデムを大量に製造
することを可能にする搬送波周波数エラー補償を提供す
ることにある。
図面の簡単な説明 第1図は、送信および受信搬送波周波数補償を与える
無線データ・モデムを有するコンピュータ・システムを
表す図である。
第2図は、FM無線信号を受信するときにおける搬送波
周波数エラーの補償を表す図である。
第3図は、FM無線信号を送信するときにおける搬送波
周波数エラーの補償を表す図である。
第4図は、汎用DSPにおけるディジタル信号処理をよ
り詳細に示す図である。
第5図は、FM無線信号を受信及び送信するときに搬送
波周波数エラーの補償を与えるFM無線データ・モデムを
表す図である。
第6図は、本発明によりFM無線信号を受信する方法を
表す図である。
第7図は、本発明によりFM無線信号を送信する方法を
表す図である。
第8図は、FM無線に関して補償値を決定して格納する
ための構成を表す図である。
第9図は、局部発振器クリスタルの周波数エラーを表
す図である。
第10図は、ベースバンド信号シフトと搬送波周波数と
の間の関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 第1図にホスト装置100および無線モデム101の概略が
示されている。無線モデム101はコンピュータまたは他
の装置が外部データ源からのデータを送信または受信で
きるようにする点において有線モデムと類似している。
ホスト装置100はラップトップ、パームトップ、パーソ
ナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、PC、メイン
フレーム、ベース・ステーション・スイッチ、またはそ
の他の処理装置等のコンピュータであって良い。無線モ
デム101はPCMCIAスロットのようなアダプタ・カードま
たはスロットとして内蔵されても良く、または独立した
ハウジングに収納されても良い。本発明は無線通信に用
いられる搬送周波数に周波数補償を与える。周波数補償
は無線システムが信号を送信または受信しているときに
適用されても良い。本発明は、セルラー・ディジタル・
パケット・データ(CDPD)、AMPSデータ、セルラー・デ
ータ、ラジオ・データ・リンク・アクセス・プロトコル
(RDLAP)、およびモトローラ・データ通信(MDC)を含
む任意のFM無線システムで使用されうるが、これらに限
られるものではない。
好適な実施例において無線モデムは3つの主要要素、
すなわちマイクロプロセッサ103、ディジタル信号プロ
セッサ(DSP)105およびアンテナを含む無線機107から
成る。メモリ(すなわち好適な実施例ではスタティック
・ランダム・アクセス・メモリRAM(SRMA)、フラッシ
ュ・メモリ、DRAMの何れかまたはすべて)および付随す
る回路を含むマイクロプロセッサ103はホスト・コンピ
ュータ100またはデータの送受信を望む他の装置とのイ
ンタフェースの役割を持つ。マイクロプロセッサ103
は、バッファ作用、モデム管理機能、DSPコンフィギュ
レーション、ブーティングまたはスタートアップ、無線
機コンフィギュレーション、ブーティングまたはスター
トアップ、およびメッセージ作製、プロトコル管理等の
その他の機能を与えることもできる。マイクロプロセッ
サ103又はチャネルおよび周波数割り振りを制御し、ク
リスタルを用いた周波数シンセサイザまたは発生器を制
御してRF信号の変調および復調に必要な周波数で信号を
与えさせる。マイクロプロセッサ103は又CDPD MAC(メ
ディア・アクセス・コントロール)レイヤー、RD−LAP
サービス・サブレイヤー等プロトコル・スタックの追加
のレイヤーも与える。マイクロプロセッサ・インタフェ
ースはモデムがホスト装置からデータ及びコマンドを受
信し、ホスト装置にデータ及びステータス情報を与える
ことを可能にする。
DSP105は送信される信号のエンコードおよび搬送波周
波数補償を含む送信機能を与える。DSP105は又受信され
る信号のデコードおよび搬送波周波数補償を含む受信機
能を与える。好適な実施例においてDSP105は送信された
信号および受信された信号に搬送波周波数補償を与える
処理を行う。DSP機能はDSPパイプラインにおけるデータ
またはデータ・ストリームに対してDSPが行う1つ以上
の命令である。これらの命令はDSPに付随するメモリま
たは無線モデムに付随するメモリから得ることができ
る。マイクロプロセッサは非揮発性メモリから揮発性メ
モリまたはDSPメモリへDSP命令をロードするのを援助
し、またホスト装置から命令をロードすることさえも行
うことができる。従って、DSP命令はソフトウエア命令
を担持する任意の媒体に配分されうる。DSP命令は無線
モデムまたはDSP内に載置された非揮発性メモリ、ある
いはDSPによりアクセス可能なROM,EEPROM、フラッシュ
メモリ、またはその他任意のメモリに格納されうる。DS
P105の機能は以下に詳細に説明される。
好適な実施例において無線機107は信号を変調するた
めの送信器および信号を復調するための受信器から成
る。送信器及び受信器は2重化装置を介して共通のアン
テナを共用する事ができる。送信器はベースバンド信号
及び局部発振器信号を用いて搬送波周波数でFM信号を発
生する役割を持つ(すなわち、ベースバンド信号に従っ
て搬送波周波数を変調する)。受信器は局部発振器信号
を用いてFM信号からベースバンド信号を発生する役割を
持つ(すなわち、変化する搬送波周波数を用いてFM信号
を復調してベースバンド信号を発生する)。無線機107
または通信回路はネットワークまたは接続(すなわち、
好適な実施例の無線またはセルラー・ネットワーク)へ
の物理的アクセスを与える。無線機107はセルラー・モ
デムにおいて一般に行われているように自分自身のバッ
テリを持っていても良い。空気インタフェースから電磁
波通信を送受信するためにアンテナが用いられる。送信
器及び受信器は以下に説明される。
好適な実施例において無線モデムはホスト装置のPCMC
IAスロットに挿入される。従って、無線モデムはモデム
に外部インタフェースを与えるためのPCMCIAコネクタ及
びPCMCIAインタフェース・ロジックから成る。モデムの
種々の要素(例えば、バッテリ、アンテナ、無線機)は
PCMCIAカードの外部に置かれても良い事に注意された
い。また受信器及び送信器の両方に指定周波数の局部発
振器信号が示されていることに注意されたい。しかしな
がら、信号クリスタルは複数の周波数及びチャネルのた
めの局部発振器信号を発生するのにも用いられ得る事に
注意されたい。本発明はただ1つのRF段で図示されてい
るが、例えばスーパーヘテロダイン受信器において普通
に行われように複数の段が用いられても良いことにも注
意されたい。従って、IF段、フィルタ及び増幅器は図示
されず、また説明もされない。
周波数変調(FM)はベースバンド信号の平均値に比例
して搬送波周波数、または中間周波数(多重チャネルの
場合)を変化させる。FMを用いて搬送波周波数はベース
バンド信号により変調される。殆どの無線モデムはアン
テナを介して空気インタフェースへと、またこれからデ
ータ信号を送受信するのに用いられる局部発振器周波数
を発生するクリスタル制御発振器を利用している。クリ
スタル部品のばらつきのために個々のクリスタル発振器
要素には周波数変動が通常付随する。第9図に示される
ように所与のクリスタル部品はΔcで示される周波数の
ずれを持つ。クリスタル部品は多くの周波数の信号を発
生するのに用いることができる。従って、1つのクリス
タルを種々の周波数の複数の局部発振器信号を与えるの
に用いることができる。周波数のずれを最小にするため
に同調型の要素で回路を作ってこの回路が周波数のずれ
を最小にするように手作業で同調できるようにされる。
これは装置毎のクリスタル毎に周波数のずれが異なるよ
うなFM無線機要素を大量生産する場合にも行われる。ク
リスタル部品のコストはずれの両(すなわちΔcの大き
さ)に直接的に依存する。Δcが小さいほどコストは高
くなる。クリスタル部品のコストにくわえて同調型要素
のコストに労働集約的なツイーキング工程が付加されな
ければならない。
受信信号に対する搬送波周波数補償 本発明は変調に用いられる周波数とFM信号を復調する
のに用いられる周波数との間のどのような差をも補償す
る。従って、受信されたFM信号の搬送波周波数と無線モ
デムの局部発振器周波数との間の差の補償が与えられ
る。第2図はFM信号の受信のための信号経路を示してい
る。FM信号はアンテナ109から受信され、受信されたFM
信号は受信器201に与えられる。受信器201は搬送波周波
数でFM信号を取り込み、ベースバンド信号を出力する。
このベースバンド信号は次にDSP105で処理されてデータ
・ストリームを作り出し、これはマイクロプロセッサ10
3によりホスト装置に与えられる。受信器201は搬送波周
波数でFM信号を取り込み、ベースバンド信号を出力す
る。これは第2図においてミキサ及び局部発振器を用い
て図示されているが増幅器及びフィルタは図を明瞭にす
るために省略されている。受信されたFM変調信号からベ
ースバンド信号を生成するためにその他の手法が用いら
れ得ることに注意されたい。従って、1以上のベースバ
ンド信号を生成する事ができる中間周波数(IF)処理に
より複数のミキサ段が用いられ得る。IF段、増幅器及び
フィルタは図を明瞭にするために省略されている。
搬送周波数でFM信号を受信するとき、FM搬送波周波数
と局部発振器周波数との差はこの2つの周波数の差に比
例する電圧を生成する事に注意されたい。FM信号を復調
するとFM信号の変化する搬送波周波数からベースバンド
信号が回復される。これがFM変調である。しかしなが
ら、受信用局部発振器周波数(すなわち、復調するのに
用いられる周波数)が送信用局部発振器により用いられ
る周波数(すなわち、変調するのに用いられる周波数)
と同じでないならばベースバンド信号に予期しない差ま
たはシフトが生じ、これは送信器の局部発振器と受信器
と局部発振器との間の周波数差に比例する。これは第10
図に示されている。FM信号が搬送波周波数fc(すなわ
ち、送信器の局部発振器によりfcで発生される)である
ものとすると、受信器の局部発振器周波数次第によりFM
受信器により発生されるベースバンド信号はシフトされ
ることがある(すなわち、予期しないDCバイアスを持
つ)。第10図に示されるようにfLO=fcであるならばベ
ースバンド信号Cが発生される。fLO=fc+Δc/2であ
るならば、ベースバンド信号はAで示されるようにシフ
トされる。fLO=fc−ΔC/2であるならば、ベースバン
ド信号はBで示されるようにシフトされる。送信器の局
部発振器信号と受信器の局部発振器信号との間に周波数
差があるとベースバンド信号にDCオフセットが生じる
(ベースバンド信号をシフトする)。
本発明はこのようなシフトを補償する。好適な実施例
においてこれは受信補償値を用いてDSPで行われる。DSP
は搬送波周波数と受信器の局部発振器周波数とのあいだ
の周波数誤差を調整する。受信補償値はDSPまたはDSPに
付随するメモリ或いはDSPによりアクセス可能な非揮発
性(NVM)メモリに格納され得る。受信補償値の決定に
ついて以下に説明される。第4図は搬送波周波数補償を
有するFM信号送信及び受信のためのDSP機能を図示す
る。第4図に示されるように受信器からのベースバンド
信号はA/D変換器415により1以上のディジタル・サンプ
ルに変換される。ディジタル・サンプルは任意のビット
長であって良いが典型的には8または16ビットであり、
これは受信補償値によって調整される。受信補償値は無
線システムに使用されているクリスタルの特性に応じて
各サンプルに加えられるかまたはこれから差し引かれて
も良い。この調整を行うのに任意の形式の2進演算が使
用されうる事に注意されたい。この調整は受信されたFM
信号を復調するのに用いられる局部発振器周波数とFM信
号を変調するのに用いられる局部発振器との間の周波数
差の如何に関わらずベースバンド信号を所望の範囲にシ
フトするものと考えることができる(すなわち、第10図
のC)。補償されたディジタル・サンプルは次に第4図
のデコーダ419に示される標準的なデコード機能を用い
てデコードされる。シンボル・クロック421及びRx獲得
/定常状態423は共に作用して装置のシンボル・クロッ
クを基地局(送信器)のシンボル・クロックに同期させ
る。DC見積もり器425は受信信号を追跡しある時間のわ
たる平均dcバイアス・レベルを与える。検出器429はデ
ィジタル・データを出力し、これは伝送エラー及び無線
伝送のために付加された順方向エラー補正エンコーディ
ング/フレーミング情報をすべて除去するように処理さ
れる。データはマイクロプロセッサにより次いでホスト
装置に与えられる。
FM信号を受信して処理する方法が第6図に示されてい
る。搬送波周波数を有するFM信号は局部発振器信号を用
いてステップ601において復調され、ベースバンド信号
を生成する。ステップ603においてベースバンド信号が
ディジタル化または変換されて1以上のディジタル・サ
ンプルにされる。ステップ605において各ディジタル・
サンプルが受信補償値により調整される。ステップ607
において補償されたディジタル・サンプル・ストリーム
がデコードされてディジタル・データ・ストリームを出
力する。
送信信号に対する搬送波周波数補償 受信したFM信号の搬送波周波数補償が上で述べられ
た。搬送波周波数補償は送信されるFM信号に対しても行
うことができる。送信器に送られるベースバンド信号の
dcバイアス・レベルは通常は設計点または所望のレベル
に固定される。しかしながらDCバイアス・レベルは局部
発振器と送信されるFM信号の所望の搬送波周波数との間
の周波数差に基づいて調整されうる。第3図は本発明の
FM無線モデムを介して送信されるFM信号の信号経路を示
す。送信されるべきデータはホスト装置から無線モデム
に与えられ、更にマイクロプロセッサまたはマイクロ・
コントローラ103に与えられる。マイクロプロセッサ103
はこのデータをDSP301に与える。マイクロプロセッサは
メッセージ・フォーマット化及びフレーム化機能を与え
るものでも良い。DSP301はエンコード及び搬送波周波数
補償機能を実行してアナログ形式のベースバンド信号を
与える。送信器303はアナログ・ベースバンド信号を局
部発振器周波数の局部発振器信号で変調または混合し搬
送波周波数のFM信号を生成し、これがアンテナ109から
放射される。
DSP301は所望の送信搬送波周波数と局部発振器周波数
との周波数誤差を調整する。送信補償値はDSPまたはDSP
に付随するメモリ、或いはDSPまたはマイクロコントロ
ーラによりアクセス可能なNVMに格納されて良い。送信
補償値の決定について以下に述べる。上述のようにFM信
号を搬送波周波数で送信するとき実際に送信されるFM搬
送周波数とチャネルの所望のFM周波数との差は受信器に
おいてこれら2つの周波数の差に比例する電圧を発生す
る事ができる。従って、受信システムがFcの搬送周波数
を期待しているが送信器がfc+Δまたはfc−Δで送
信しているならば(すなわちこれらの周波数の局部発振
器を用いて)受信器においてエラーまたはエラー・マー
ジンの損失が生じる。これは受信器が搬送波周波数エラ
ー補償を与えるときに生じることがある。それは、受信
補償は反応するのに時間をとり、その間にデータが失わ
れることがあるためである。
しかしながら、送信器の局部発振器周波数が所望の搬
送波周波数と同じ周波数でないならば、アナログ・ベー
スバンド信号のDCバイアス値が所望の周波数で送信する
ように調整されうる。ベースバンドを送信器の局部発振
器周波数と所望の搬送波周波数との周波数差に比例して
シフトすることによって所望の搬送波周波数でFM信号が
発生される。これは第10図に示されている。従って、送
信器が所望の搬送波周波数に等しい局部発振器周波数を
用いるならばfLO=fcとなり、ベースバンド信号は何ら
の補償またはシフトなしに用いられる。送信器が所望の
搬送波周波数より高い局部発振器周波数を用いているな
らばfLO=fc+Δc/2となる。この場合、ベースバンド
信号はAで示されるようにシフト・ダウンされ、このた
めベースバンド信号のDCバイアスは減少し、発生される
FM信号は予期した搬送波周波数を持つようになる。送信
器が所望の搬送波周波数より低い局部発振器周波数を用
いているならば(すなわちfLO=fc−Δc/2)、ベース
バンド信号はBで示されるようにシフト・アップされ、
このためベースバンド信号のDCバイアスは増加し、発生
されるFM信号は予期した搬送波周波数を持つようにな
る。DCバイアス信号を加えたり差し引いたりすることに
よりベースバンド信号をシフトする事によって送信され
る搬送波周波数に周波数シフトが与えられる。
好適な実施例において搬送波周波数補償は送信補償値
を用いてDSPにおいてなされる。送信補償値はそれを決
定する1つの手法と共に以下に説明される。第4図に示
されるように送信のためのデータはマイクロプロセッサ
からエンコーダ400に与えられる。第4図に示されるエ
ンコーダは、ヘッダー及び巡回冗長コード(CRC)をデ
ータに付加させるフレーミング401を含む。シンボル同
期及びフレーム同期などの一定のパターンが受信器にお
けるデコード動作を助けるために付加されても良い。チ
ャネル・ステータス・データがデータに埋め込まれても
良い。順方向エラー補正403(例えばリード・ソロモ
ン)が利用されるか、或いは他のエラー検出・訂正情
報、エラー検出情報またはエラー訂正情報がデータ/シ
ンボル・ストリームに付加されても良い。所望の通信プ
ロトコルに応じてトレリス・コーディング(コンボリュ
ーション・コーディング)またはその他のコーディング
方法が利用されても良い。所望の波形整形を行うために
データ/シンボル・ストリームにディジタル・フィルタ
ー405が適用される。ディジタル・サンプルは任意のビ
ット長であって良いが典型的には8または16ビットであ
り、これは補償器409において送信補償値により調整さ
れる。送信補償値は無線モデムに用いられるクリスタル
の特性に応じて各サンプルに対し加減されうる。この調
整を行うのに任意の形式の2進演算が使用されうる事に
注意されたい。この調整は受信された局部発振器周波数
と所望の送信器搬送波周波数との間の周波数に基づいて
ベースバンド信号を所望の範囲にシフトするものと考え
ることができる。ディジタル・サンプルは次いでD/A変
換器411に与えられる。補償されたディジタル・サンプ
ルが適当なDCバイアス・レベルを有するアナログ・ベー
スバンド信号に変換されて所望の送信搬送波周波数を発
生する。ベースバンド信号は次に局部発振器信号を用い
て送信器により変調され所望の搬送周波数のFM信号を生
成し、これがアンテナにより放射される。
FM信号を送信する方法が第7図に示されている。送信
されるべきデータはステップ701で入力される。データ
はステップ703でエンコードされて信号サンプルを生成
する。各サンプルはステップ705で送信補償値により補
償される。ステップ707においてサンプルはアナログ・
ベースバンド信号に変換される。ベースバンド信号は次
にステップ709で局部発振器信号を変調するのに用いら
れ、FM信号がステップ711で送信される。
トランシーバ動作 本発明は上述のようにFM信号を送受信するときに搬送
波周波数差を補償するために用いられ得る。本発明がFM
信号を送受信する間に搬送波周波数補償を行う無線モデ
ムにおいても利用できることに注意すべきである。この
両方を行うDSPが第4図に示されている。2重化装置を
用いてアンテナを共用するか、または送信器と受信器が
別々のアンテナを使用するようにすることができる。好
適な実施例において搬送波周波数補償は送信信号及び受
信信号の両方に対して行われることに注意されたい。搬
送波周波数補償値(すなわち受信補償値及び送信補償
値)は好適な実施例では別のものである。
補償値の決定 FM通信信号を送受信するために補償値を使用すること
が以上に述べられた。無線モデムにおいてこれらの値を
決定し、これらの値を格納する1つの手法について以下
に記述する。
第8図は無線モデムにおいて補償値を決定しこれを保
存するためのテスト・ステップを示す。テスト環境は送
受信器801及びテスト・コントローラ805を含み、テスト
・コントローラは好適な実施例において適当な装備を有
するPCである。テスト・コントローラ805は無線モデム
のメモリに書き込み、メモリから読み出しすることがで
き、ホスト装置としてデータを送受信することができ
る。図に示されたようにテスト・コントローラ805は送
受信器801を制御するためにも使用されうる。送受信器8
01はテストされる装置(DUT)803のためにFM信号を発生
し、FM無線信号をDUT803から受信するのに用いられる。
DUTがFM信号を送信するときに用いられる送信補償値
を決定するために、以下の手順が実施される。
1)テスト・コントローラがDUTにテスト信号の送信を
指令する。
2)テスト受信器がDUT搬送波周波数を測定する。
3)送信周波数が正しいものとなったことをテスト受信
器が検出するまで(またはテスト・コントローラに示す
か決定するまで)テスト・コントローラがDUTのDSPにお
いて送信補償値を変化させる。
4)テスト・コントローラがDUTの非揮発性メモリに送
信補償値を保存する。
DUTがFM信号を受信するときに用いられる受信補償値
を決定するために、以下の手順が実施される。
1)テスト送信器がテスト搬送波周波数でFM信号を発生
する。
2)テスト・コントローラがDUTのDSPにあるDC見積もり
器から補正値を読み出す。
3)テスト・コントローラが補正値読みとりが0になる
までDUTのDSPにおいて受信補償値を変化させる。
4)テスト・コントローラがDUTの非揮発性メモリに受
信補償値を保存する。
上記説明から判るように校正及び補償決定手順は無線
モデムが製造されるときにモデムに都合良く適用され
る。周波数誤差が一旦決められると、補償値が決定され
DSPがアクセスできるように格納される。補償値(すな
わちDCバイアス・レベル)は製造される各装置毎に決定
されうる。補償値は次いで各無線の搬送周波数における
誤差またはオフセットを補償するために用いられる。従
って、本発明は搬送波周波数の変動がより少ない無線モ
デムを提供する。更に、発振器の要素が広い周波数範囲
にわたって動作する場合でも周波数誤差補償がこのよう
にして行われるので、低コストの発振器部品を使用する
ことができる。この手法はより不正確でより廉価なクリ
スタル発振器部品を仕様に指定した上でより正確な製品
を大量に製造することを可能にする。更に、この手法は
搬送周波数の源(すなわち送信器側)、送信先(すなわ
ち受信側)またはその両方(送信器及び受信器)で搬送
波周波数変動を除去する。正しい周波数で送信すること
により受信器において自動周波数補正機構への依存度が
低くなり、送信されたフレームの最初にあるデータがよ
り少ないエラーで受信される。同様に、どのような搬送
周波数誤差に対しても受信信号を補償することにより受
信器における自動周波数補正機構への依存度が低くな
り、送信されたフレームの最初にあるデータがより少な
いエラーで受信される。
本発明は特定の好適な実施例に従って詳細に説明され
たが、当業者がこれに変更を加えることができることは
勿論である。従って、本明細書の特許請求の範囲はこの
ような変更及び修正のすべてが本発明の真の精神及び範
囲に含まれる事を意図するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/38 - 1/58 H04B 1/02 - 1/04 H04B 1/16 H04B 1/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FM信号を受信してこれを第1の局部発振器
    周波数で復調して受信ベースバンド信号を与える受信器
    と、 FM信号を送信するために、送信ベースバンド信号を第2
    の局部発振器周波数で変調して送信FM信号を与える送信
    器と、 前記受信器及び送信器に結合され、受信ベースバンド信
    号をディジタル・サンプルの第1のストリームに変換
    し、該第1のストリームの各サンプルを受信補償値によ
    って周波数補償し、該補償された第1のストリームのデ
    ィジタル・サンプルをデコードして受信ディジタル・デ
    ータ・ストリームを与え、かつ送信ディジタル入力スト
    リームを受け取り、送信ディジタル入力ストリームをエ
    ンコードしてディジタル・サンプルの第2のストリーム
    を生成し、該第2のストリームの各サンプルを送信補償
    値によって周波数補償し、該補償された第2のストリー
    ムのディジタル・サンプルを送信ベースバンド信号に変
    換するDSPとを含み、 前記受信補償値は、所望の受信搬送波周波数と前記第1
    の局部発振器周波数との間の差に関係するものであり、
    前記送信補償値は、所望の送信搬送波周波数と前記第2
    の局部発振器周波数との間の差に関係するものである、 無線データ・モデム。
  2. 【請求項2】前記無線モデムにインタフェースを与える
    マイクロプロセッサを更に含む請求の範囲第1項記載の
    無線データ・モデム。
  3. 【請求項3】前記送信器、受信器及びアンテナがDSP及
    びマイクロプロセッサを含むPCMCIAカードの外部に所在
    する請求の範囲第2項記載の無線データ・モデム。
  4. 【請求項4】FM無線周波数信号を送信し、受信する方法
    であって、 局部発振器により第1の局部発振器周波数で発生される
    信号で受信されたFM信号を復調して受信ベースバンド信
    号を生成するステップと、 該受信ベースバンド信号をディジタル化して複数の受信
    ディジタル・サンプルを生成するステップと、 該受信ディジタル・サンプルを受信補償値によって周波
    数補償するステップと、 補償された受信ディジタル・サンプルをデコードして受
    信ディジタル・データ・ストリームを生成するステップ
    と、 受信ディジタル・データ・ストリームを出力するステッ
    プと、 送信ディジタル・データ・ストリームをエンコードして
    エンコードされたデータ・サンプルを生成するステップ
    と、 エンコードされたデータ・サンプルの各々を送信補償値
    で周波数補償するステップと、 補償されエンコードされたデータ・サンプルを送信ベー
    スバンド信号に変換するステップと、 送信ベースバンド信号を第2の局部発振器周波数の局部
    発振器信号により変調して送信周波数変調信号を生成す
    るステップと、 送信周波数変調信号を放射するステップとを含み、 前記受信補償値は、所望の受信搬送波周波数と前記第1
    の局部発振器周波数との間の差に関係するものであり、
    前記送信補償値は、所望の送信搬送波周波数と前記第2
    の局部発振器周波数との間の差に関係するものである、 FM無線周波数信号の送受信方法。
  5. 【請求項5】DSPが読み取り可能なプログラムを内蔵す
    るDSPにより使用可能な媒体であって、前記DSPが読み取
    り可能なプログラムはDSPにおいて実行されるとき、DSP
    に、 第1の局部発振器周波数を使用して得られた受信ベース
    バンド信号を1以上の受信ディジタル・データ・サンプ
    ルに変換するステップと、 各受信ディジタル・データ・サンプルを受信補償値によ
    って周波数補償するステップと、 前記受信ディジタル・データ・サンプルをデコードして
    受信データ・ストリームを生成するステップと、 送信ディジタル・データ・ストリームをエンコードして
    エンコードされたデータ・サンプルのストリームを生成
    するステップと、 各エンコードされたデータ・サンプルを送信補償値によ
    って周波数補償するステップと、 前記補償されエンコードされたディジタル・データ・サ
    ンプルを、第2の局部発振器周波数を使用して送信され
    る送信ベースバンド信号に変換するステップを実行さ
    せ、 前記受信補償値は、所望の受信搬送波周波数と前記第1
    の局部発振器周波数との間の差に関係するものであり、
    前記送信補償値は、所望の送信搬送周波数と前記第2の
    局部発振器周波数との間の差に関係するものである、 DSPに使用可能な媒体。
  6. 【請求項6】PCMCIAインタフェースを更に含む請求の範
    囲第2項記載の無線データ・モデム。
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