JP3428206B2 - 電解精製法および該電解精製法で用いる測定装置 - Google Patents

電解精製法および該電解精製法で用いる測定装置

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JP3428206B2
JP3428206B2 JP01650795A JP1650795A JP3428206B2 JP 3428206 B2 JP3428206 B2 JP 3428206B2 JP 01650795 A JP01650795 A JP 01650795A JP 1650795 A JP1650795 A JP 1650795A JP 3428206 B2 JP3428206 B2 JP 3428206B2
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electrolytic
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孝治 安藤
直行 土田
廣志 古味
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解精製法および該電
解精製法で用いる測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】銅などの金属の従来の電解精製法におい
ては、一定間隔をおいて2つの並列して配置したブスバ
ー(電極)上に交互に並べられ、電解槽中浸せきした多
数のアノードとカソードに一定電流を並列に給電して行
う。ブスバーは、一定間隔で絶縁部が設けられており、
アノードとカソードは、ブスバーに載置されるとき、各
アノードの両端は、一方のブスバーの絶縁部と、他方の
ブスバーの非絶縁部(導電部)に載置され、そして、各
カソードの両端は、他方のブスバーの絶縁部と、一方の
ブスバーの非絶縁部に載置されるので、電流は、各アノ
ードから電解液を通って各カソードに流れる。これによ
り、銅などの金属の電解精製が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】並列した電極(ブスバ
ー)に電流を流すことから、アノードとブスバーの導電
部の接点、カソードと(具体的には、カソードを支持す
るためのクロスビームと)ブスバーの導電部の接点にお
ける抵抗のバラツキによって、特定のカソードに電流が
流れ過ぎることがある。この場合、電流の流入が多いカ
ソードの表面に粒、瘤などが生じ、外観評価の低下、不
純物混入などの品質上の問題が生じる。さらに、カソー
ドの位置が隣接する2枚のアノードの位置に対して電気
的に中間に位置しなければ、そのカソードの両面への電
流の流れが不均一となる。
【0004】即ち、そのカソードの位置に隣接する2枚
のアノードの片方がカソードに電気的に近ければ、近い
方のアノードに対向するカソードの面に多くの電流が流
れ、粒、瘤が生じ、またショートの原因となる。
【0005】また、電解精製における種板電解工程な
ど、1枚のカソードの両面の電着板を剥ぎ取る操業を行
う工程においては、両面の電着量が等しくなることが重
要である。
【0006】このような理由から、カソードの装入位置
を正しく管理することが、操業管理、品質管理上、重要
である。しかしながら、装入位置の調整作業は、作業者
の熟練によること以外に方法がなく、省力化上の大きな
問題となっていた。
【0007】また、並列した電極に電流を流すことか
ら、特定のカソードに電流が流れすぎるとその流れ過ぎ
たカソードの表面に粒、瘤などが生じ、外見評価の低
下、不純物混入などの品質上の問題が生じる。
【0008】特定のカソードに電流が流れ過ぎるのを防
止するためには、各カソードのクロスビームと電極の各
接点の接触状態を研磨等により良好に保つことが必要で
ある。カソードに流れる電流は、カソードと接点の間に
分流器を挿入することによって、または、電流が流れる
ことで生じる磁気量をガウスメータ等で測定することで
知ることできる。しかし、すべてのカソードのクロスビ
ームと接点の間に分流器を挿入することは費用と手間が
かかりすぎ、また操業上の障害となり、実用的でない。
また、ガウスメータは高価な上に、周囲の磁気の影響を
受け易いため誤差が大きく、精度的に非常に大きなバラ
ツキしか発見できないという欠点がある。このように、
カソードに流れる電流はカソードの各面での電流値を知
ることが必要であるにもかかわらず、適当な電流測定装
置がないのが現状である。
【0009】したがって、本発明の第1の目的は、電解
精製を行うにあたり、カソードの装入位置のずれを検出
し、その検出に基づいて調整作業を容易に行うことがで
きる電解精製法を提供することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、電解精製を
行う際、複数のカソードのそれぞれのアノードに面した
2つの面に流れる電流値を容易に測定できる測定装置を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の第1の目的を達成
するために、本発明は、複数のアノードとカソードを電
解槽に交互に配置して電解精製を行う電解精製法におい
て、カソード両面に流入する各電流を測定し、各電流が
等しくなるようにカソードの位置をアノードに対して調
整することを特徴とする電解精製法を採用するものであ
る。
【0012】前述の第2の目的を達成するために、本発
明は、複数のアノードとカソードを電解槽に交互に配置
して電解精製を行う電解精製法で用いる測定装置におい
て、カソードの両側に等距離に配置されるプローブを有
し、該プローブの各々は、一定間隔に配置された2本の
参照電極を有し、2本の参照電極間の電位差を測定する
ことを特徴とする測定装置を採用するものである。
【0013】
【作用】カソードは2枚のアノードの間に装入されるた
め、仮にカソードがアノードの中間(カソードの両面に
流入する電流が等しい中間位置)に装入されておらず、
偏った位置に装入されていれば、カソード1枚に流入す
る電流値が通常の値であっても、片面の電流が高くな
り、電着量が多くなりすぎたり、粒が発生することがあ
る。
【0014】カソード表面の電位は電流による電位差と
して現れる。このため、カソードの両面における電位を
測定し、両面の電位を比較することによって電流の差を
知ることができる。しかし、電位には、同時に添加剤の
影響による分極による影響も加わる。添加剤は経時変化
し易いため、電位としては不安定であると考えられる。
【0015】そこで、本発明においては、カソードの両
面の各々の電位測定に2本の参照電極を用い、参照電極
間の電位差を測定するものである。参照電極の間隔を一
定にすることにより、電位差は、そのまま電流差に変換
できる。
【0016】このため、参照電極を用いてカソードの両
面の電位差、即ち電流差を測定し、電流差がなくなるよ
うな位置に、カソードの装入を調整するまたは位置を再
調整することによってカソードの両面の電着量をほぼ等
しくできる。電位差の測定は数が多い方が望ましく、カ
ソードの位置のずれを確実に検出するためには、最低4
ケ所の測定が必要である。
【0017】さらに,参照電極を2本用いる理由を説明
すると、1つの参照電極とアノードあるいはカソードと
の電位差(ECRi)、液抵抗(ECi)、アノードあ
るいはカソード分極による電位差(EA)の間には、以
下の1式が成立し、また2本の参照電極間に流れる電流
(I)、その場合の各参照電極とアノードあるいはカソ
ードとの電位差(ECR1)および(ECR2)、2本
の参照電極の間隔(d)、測定場所の液の比抵抗(R)
の間には、以下の2式が成立する。
【0018】 ECRi=ECi+EA ・・・・ (1) I=(ECR1−ECR2)/(d・R) ・・・・ (2)
【0019】1式から解かるように、1式では、分極に
よる電位差EAがある。分極による電位差は電流や電極
板の表面状態などで変動するため、この電位から電流を
正確に求めることはできない。一方、2式で示すよう
に、2本の参照電極の電位の差を求めると、共通な分極
による電位差EAはう打ち消され、参照電極のカソード
からの位置の差による電位差(ECR1−ECR2)の
みが残ることになる。
【0020】したがって、2本の参照電極の間隔dを一
定とした場合、電流値は液の比抵抗Rがわかると、電位
差から2式に基づく換算から求めることができる。ま
た、比抵抗は、例えば、測定しようとする場所の電解液
を既知の一定電流で通電し、その時点の電位値を測定す
ることで、容易に決定できる。
【0021】
【実施例】次に、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。最初に電解精製法に用いる測定装置に関して説
明する。本発明の電解精製法で用いるアノード、カソー
ドおよび電位差(または電流)測定装置(以下単に測定
装置という場合もある)の配置を図1に示し、測定装置
の端子の構造を図2に示し、測定装置の主な電気回路ブ
ロックを図3に示す。
【0022】図1は本発明の電解精製法で用いる主要部
品であるアノード、カソードおよび測定装置の配置を示
す概略斜視図である。図1において、符号10は、アノ
ードを示し、12はカソードを示し、アノード10およ
びカソード12は、電解槽(図示せず)内に交互に複数
個配列されている。14は、カソード12を支持するク
ロスビームを示す。16は、測定装置を概略的に示し、
この測定装置16は図2、図3を参照して詳細に後述す
る。18は、ブスバー24(点線で示す)とアノードま
たはカソードの接点を示す。即ち、2本のブスバー24
に対してアノード10と、カソード12を支持するクロ
スビーム14が載置され交互に接点が配置されている。
なお、22は分流器である。このような構成は、測定装
置を除いて、従来と同様であるので、さらに詳しい説明
は省略する。
【0023】次に、図2を参照すると、測定装置16の
端子部分の詳細が示されている。測定装置16は、絶縁
性の例えばPVC製の支持板16aを有し、支持板16
aの中央には、カソード12(図1参照)と接触するた
めの、具体的には、カソード12を支持するクロスビー
ム14と接触するための接点16が設けられている。こ
の接点16bからはカソード電位を電気回路に導くため
のリード線16iが接続されている。なお、この実施例
では、カソードに対する測定装置のプローブの電位差を
測定するために、接点16bが設けられているが、これ
に限定されるものではなく、例えば、アノードに対する
測定装置のプローブの電位差を測定するようにしてもよ
い。なお、測定装置16全体は、接点16bを、カソー
ドを支持するクロスビーム14の任意の位置で接触する
ように、クロスビーム14に沿って移動できるものであ
る。また支持板16aの接点16bから等距離の支持板
16aの両端には、垂直方向に配列されたプローブが支
持されている。これらのプローブは左右対象であるの
で、各構成部分は図面上同一の符号で示し、その一方だ
けを以下に説明する。また、各プローブは、以下に説明
するように、それぞれ2本の参照電極を構成している。
【0024】プローブは導電性の例えばステンレス製の
中空パイプ16cとその下端に取付けられた絶縁性の例
えばエポキシ樹脂先端部16dを有する。導電性の例え
ば銅製の線16eと16fが、これらの間隔が一定であ
るようにエポキシ樹脂内に埋め込まれており、そしてエ
ポキシ樹脂の下端は斜めに形成されている。したがっ
て、これらの導線16eと16fは、前述した2本の参
照電極を構成し、また導線間の距離は前述した間隔dを
表す。これらの導線16eと16fからそれそれシール
ド線16gと16hがエポキシ樹脂の中空パイプ16d
とステンレス製の中空パイプ16cの内側を通して上方
に導かれており、参照電極で得られた電位を電気回路に
伝達するようになっている。なお、図面中の数字は、寸
法を表す(単位:mm)。また、符号a〜eは、電位測
定箇所を示す。
【0025】次に、図3を参照すると、各電位測定箇所
から得られた電位を処理する電気回路プロックが示され
ている。一方の2本の参照電極で測定された電位、即
ち、箇所aで測定された電位、箇所bで測定された電
位、他方の2本の参照電極で測定された電位、即ち、箇
所dで測定された電位、箇所eで測定された電位は、そ
れぞれ、差動増幅器OP1〜4の一方の端子に入力さ
れ、箇所cで測定されたカソード電位は、差動増幅器O
P1〜4の一方の端子に入力されている。このため、各
差動増幅器OP1〜4は、カソード電位に対する各測定
箇所で測定された電位の差(電位差)を出力する。差動
増幅器OP1とOP2の出力は差動増幅器OP5の入力
端子に入力される。このため、差動増幅器OP5の出力
として、一方のプローブで測定される2本の参照電極間
の電位差が得られる。同様に、差動増幅器OP6の出力
として、他方のプローブで測定される2本の参照電極間
の電位差が得られる。差動増幅器OP5の出力と差動増
幅器OP6の出力は差動増幅器OP7の入力端子に入力
されているので、差動増幅器OP7の出力として、どち
らのプローブで測定された電位差が大きいか、即ち、電
流値が大きいかが判別できる。
【0026】(実験例)次に、図4〜図6を参照して、
測定装置に関して行った実験例について説明する。図4
は測定装置における電位と電流の校正を行う方法を説明
するための側面図であり、図5は、図4の測定装置おけ
る電位と電流の校正に用いられたプローブの側面図であ
り、図6は測定装置測定値と分流器測定値の関係を示す
グラフである。
【0027】図5に示すように、測定装置のプローブ
は、直径1ミリの銅線を、2本の参照電極の間隔が一定
となるようにそれらの先端部をエポキシ樹脂で埋め込
み、研磨して電極先端部のみが液に接するように形成し
た。この場合、プローブの先端が水平であると、電解液
の流れを妨げることによる影響や電極表面への気泡の付
着、あるいは周囲のノイズを拾ってしまうことなどで電
位が不安定となる。そこで、本発明の測定装置では、プ
ローブの下端を斜めに形成した構造(傾けた構造)とす
ることで、前述の問題を解決した。斜めの面が向く方向
は2本の参照電極との電位差を測定しようとするアノー
ドあるいはカソードが存在する方向となる。例えば、カ
ソードとの電位差を測定する場合には、カソードに参照
電極の斜めの面が向くようにする。傾きの角度は、液の
流れを乱さず、しかも参照電極の深さ方向の位置がずれ
過ぎないようにすることが必要である。
【0028】プローブからの銅線は下端部以外の場所の
磁場の影響を防止するためにシールド線などに接続し、
電解液から保護するためにステンレス・塩ビなどのパイ
プに通されている。
【0029】次に、図4を参照すると、符号30は、小
型の電解槽30を示し、32はウーターバスを示し、3
4は温度調節器を示し、40、42は電子電圧計を示
し、44は定電流源を示し、46は電圧計を示す。
【0030】小型電解槽の大きさは、幅100mm、長
さ150mm、深さ100mmであり、この中に測定し
よとする場所と同じ組成の電解液を1リットル入れた。
電極面積40×50mmの純銅圧延板を2枚入れ、アノ
ードとカソードとした。液温は測定点と同じ(60°
C)とした。
【0031】通電電流密度は、100〜300A/m2
に変化させた。所定の電流密度に設定後、電位が安定し
たら、カソードと2本の参照電極R1(16f、16
h)、R2(16e、16g)間の電位をそれぞれ測定
した。
【0032】電位差と電流密度の間には、この実験例の
場合には、以下の3式および表1に示す関係がある。 y=11.61x ・・(3) (yは電流密度A/m
2 、xは電位差mV)
【0033】なお、図4において、2本の参照電極間の
電位差R1、R2は、電子電圧計40、42を用いて各
参照電極のカソードに対する電位差を直接測定した後2
本の参照電極間の電位差を算出した値と全く等しいこと
が見いだされた。したがって、電位の測定数を減らすこ
とができる。即ち、各参照電極のカソードに対する電位
差を測定する代わりに、2本の参照電極間の電位差を測
定すればよいものである。
【0034】一般には、電位差計の入力インピーダンス
には1010〜1011オーム程度のものが用いられる。し
かしながら、本発明の測定装置では、106 オームの市
販のテスタ(例えば、日置電気株式会社製3218型)
を使用しても図4に示す測定装置で使用した電位差計
(北斗電工株式会社製HA−151型)での値と何ら変
わることなく、そのまま使用できることがわかった。
【0035】電解槽内に、縦930mm、横1030m
m、厚さ38mmの大きさのアノードを25枚をアノー
ド−アノード間の距離が105mmになるように装入し
た。また、縦1050mm、横1070mm、厚さ0.
7mmの銅カソード24枚をアノード間に装入した。電
解液は液温は60°C、銅45g/l(リットル)、硫
酸190g/l(リットル)の組成の液とし、カソード
電流密度250A/m 2 で通電した。
【0036】図5に示すプローブ(2本の参照電極)を
2本用意し、図1、図2に示すように、カソードの両側
に各プローブが位置するように挿入し、電位差を測定し
た。測定位置はカソードとアノードの中央となるように
した。2本の、プローブによるカソードの両面の電位差
を平均した。同時にカソードと接点間に分流器を取付け
カソードに流れる電流を測定した。
【0037】この結果を図6に示す。図6では、横軸
に、電位を3式により換算した電流値をとり、縦軸に分
流器による電流値を取ったときの関係を示す。この場
合、電位を3式により換算した電流値をyとし、分流器
により測定したカソードの電流をxとすると、以下の4
式が成立する。 y=1.018x ・・・・ (4) 4式からわかるように、電位差の測定によりカソード電
流を測定することができることが確かめられた。
【0038】次に、前述の測定装置を用いた本発明の電
解精製法を説明する。図1に示すように配列された電解
槽内のアノードとカソード間に電力を供給して電解精製
を行う。しかし、電解精製中、従来の技術で述べたよう
に、カソードがアノードの間に電気的な中間位置にない
場合には、カソードの一方の面に多くの電流が流れるこ
とになる。このような電流の不均衡が発生しているか否
かを測定装置で測定する。測定装置では、例えば、差動
増幅器OP7の出力からカソードのどちらの面に多く電
流が流れているかを判別できる。この判別結果を基に、
電流差がなくなるようにカソードの位置をアノードに対
して調整する。この調整によって、カソードの各面に対
して流れる電流値を均衡させて良好な電解精製を行う。
なお、電流値の差の測定は、カソードに沿って少なくと
も4か所ほどの測定を行い、最良の位置を求めるように
することが望ましい。
【0039】(実験例)以下に本発明の電解精製法の実
験例を説明する。電解槽内に、縦930mm、横103
0mm、厚さ38mmの大きさのアノードを26枚をア
ノード−アノード間の距離が105mmになるように装
入した。また、縦1050mm、横1070mm、厚さ
3mmのステンレス(SUS304L)製カソード25
枚をアノード間に装入した。電解液は液温は60°C、
銅48g/l(リットル)、硫酸160g/l(リット
ル)の組成の液とし、カソード電流密度250A/m2
で24時間通電した。添加剤はにかわ80g/電着量
t、チオ尿素60g/tとした。
【0040】カソードの装入は、人手で短絡のないよう
に簡単な位置あわせをした後、通電を行った。通電2時
間後に各カソードとアノードとの間に測定装置を挿入
し、電位差を測定し、各カソードの電位差の平均値が一
定になるようにカソードの接点を研磨した。それと同時
に、カソード両面での電位差が最小となるようにカソー
ドの装入位置を調整した。
【0041】なお、電位の測定は、カソード中央部およ
び両端から150mmの位置とし、上端から500mm
の位置とした。測定装置としては、図2で示した構造の
ものを用いた。なお、測定においては、電位差や電位差
の大小だけでなく、電位差と電流値の関係から電流値を
電位差から換算した(図3の回路の例えば差動増幅器O
P5、OP6の出力(電位差の値を出力)から換算し
た)。
【0042】24時間通電後に電解槽への給電を停止
し、カソードを引上げ、その両面に電着した電着板をは
ぎ取り、単重を測定した。また、比較例として、実施例
と同一条件であるが、人手で短絡のないように、簡単に
位置合わせした後に、通電した。
【0043】通電2時間後に各カソードとアノードとの
電解槽に測定装置を挿入し、電位差を測定し、そのまま
調整することなく、24時間通電し、剥ぎ取り後単重を
測定した。
【0044】以下の表2にカソードあたりの電着量の変
化を示す。電流値を測定し、電流が低いカソードの接点
を研磨することにより、カソード電着量のばらつきが減
少した。 表 2 最大値(kg) 最小値(kg) ばらつき(σ) 実施例 調整あり 16.51 13.93 0.69 比較例 調整なし 16.67 11.54 1.23
【0045】以下の表3にカソードの両面から剥ぎ取っ
た種板単重の平均とばらつきを示す。また以下の表4に
示すように、位置調整を実施することでカソード両面の
単重比も位置調整により小さくなった。 表 3 最大値(kg) 最小値(kg) 平均(kg) ばらつき(σ) 実施例 調整あり 9.06 6.57 7.82 0.596 比較例 調整なし 9.62 5.60 7.62 0.834
【0046】上記のように電位差を測定することで、装
入調整が確実に実施でき、電着量ばらつきが減少し、製
品品質が向上することが確認できた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電解槽内におけるカソード面上の電流を容易に測定でき
る測定装置が得られ、また、その測定装置を電解精製法
に用いることによって、良好な電解精製結果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電解精製法で用いる主要部品
であるアノード、カソードおよび測定装置の配置を示す
概略斜視図である。
【図2】図2は、測定装置の端子部分を拡大した示す断
面図である。
【図3】図3は、電気回路ブロックを含めた測定装置全
体を示す図である。
【図4】図4は測定装置における電位と電流の校正を行
う方法を説明するための側面図である。
【図5】図5は、図4の測定装置おける電位と電流の校
正に用いられたプローブの側面図である。
【図6】図6は測定装置測定値と分流器測定値の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 アノード 12 カソード 14 クロスバー 16 測定装置 18 接点 22 分流器 24 ブスバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25C 1/00 301 C25C 7/02 302 G01N 27/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアノードとカソードを電解槽に交
    互に配置して電解精製を行う電解精製法において、カソ
    ード両面に流入する各電流を測定し、各電流が等しくな
    るようにカソードの位置をアノードに対して調整するこ
    とを特徴とする電解精製法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電解精製法において、前
    記各電流の値は、それぞれ、2本の参照電極間の電位差
    を測定することによって得られることを特徴とする電解
    精製法。
  3. 【請求項3】 複数のアノードとカソードを電解槽に交
    互に配置して電解精製を行う電解精製法で用いる測定装
    置において、カソードの両側に等距離に配置されるプロ
    ーブを有し、該プローブの各々は、一定間隔に配置され
    た2本の参照電極を有し、2本の参照電極間の電位差を
    測定することを特徴とする測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の測定装置において、前記
    電位差からアソードに流入する電流値が換算によって得
    られることを特徴とする測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の測定装置において、2本
    の参照電極は先端が電解液に露出するように包囲する包
    囲体を有し、該包囲体は2本の参照電極の露出位置が水
    平方向の高さが異なるように斜めに形成されていること
    を特徴とする測定装置。
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