JP3427495B2 - 複合容器 - Google Patents

複合容器

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JP3427495B2
JP3427495B2 JP17251394A JP17251394A JP3427495B2 JP 3427495 B2 JP3427495 B2 JP 3427495B2 JP 17251394 A JP17251394 A JP 17251394A JP 17251394 A JP17251394 A JP 17251394A JP 3427495 B2 JP3427495 B2 JP 3427495B2
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正男 小林
美和 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製容器に
関するもので、特に省資源のために薄肉化を図り、その
強度を補強するために紙筒を装着してなる複合容器であ
る。座屈強度に優れているためポンプディスペンサーが
装着可能でありシャンプー・リンス等の粘性の高い内容
物の吐出にも適している。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンやポリプロピレン等
のプラスチック樹脂をブロー成形等によってボトル形状
にした容器が多用されている。ところが最近では環境保
護の見地からこれらの容器のプラスチック樹脂使用量の
低減や分別回収の要請がされるようになってきた。そこ
でプラスチック樹脂の使用量を低減するには容器を薄肉
化させることが考えられるが、この場合一般的に容器が
柔らかくなってしまい自立しにくくなったり掴みにくく
なる。
【0003】他方、容器の周囲を紙箱等で覆ったものが
各種提案されており、例えば実開昭59−106873
号公報に開示されたものは、ボトルの注出口下方に鍔部
を環状に形成し、このボトルを厚紙製の箱に収納し、こ
の箱に設けられた上フラップを鍔部の上に位置させて、
さらに別体のプラスチック製の掛止リングを注出口に装
着して上方から上フラップを締めつけるようにしてボト
ルと箱とを固定したものである。このものはボトルのほ
ぼ全体が紙筒によって保護されるものの、掛止リングが
プラスチック製であるためいま一つプラスチック樹脂の
使用量の低減を図る上で好ましくないという問題があ
る。
【0004】また、出願人が提案した実願平5−483
59号のものは、プラスチックボトル形成された突起部
に紙筒の開口部を係合させるものである。しかし、この
ものはボトルの胴部に突起部が形成されているため、内
容液が減るに従ってボトルが変形した場合に突起部と紙
筒の開口部との係合がはずれる恐れがあり、こうした事
故を防止するためには突起部を大きく形成しなければな
らずデザイン上の制約が生じるという問題がある。また
このものは肩部が露出しているため、肩部の強度が不十
分であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はプラ
スチック樹脂使用量の低減並びにプラスチック製品の分
別回収に寄与するという環境保護の見地に立って、容器
本体の外観上大きな制約を与えることなく、容器本体の
胴部が変形しても紙筒との係合が緩むことがなく、かつ
容器本体の肩部を補強した複合容器を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る発明は、薄肉のプラスチッ
クからなる容器本体の肩部と胴部との境界付近に係合部
が形成され、容器本体の胴部及び肩部の周面を保持する
紙筒には、係合部に対応して係合する係合孔部が形成さ
れ、係合孔部より上部の紙筒が小フラップとして形成さ
れ、前記容器本体の肩部の周面に前記小フラップが密着
していることを特徴とする複合容器である。
【0007】
【0008】また前記容器本体の胴部周面に縦方向に延
びる凹部が形成されていることが好ましい。
【0009】薄肉のプラスチックからなる容器本体の材
料としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂や、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル
を主成分とする共重合体等のハイバリアー性樹脂や、あ
るいは熱可塑性樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合ケン
化物や芳香族ナイロン等のガスバリアー性樹脂をブレン
ドまたは積層したもの等を使用できる。
【0010】紙筒の材料としては、300〜400g/
2 程度の厚さの板紙で、再生紙または耐水加工した紙
等を目的に応じて使用できる。
【0011】
【作用】本発明によれば、薄肉のプラスチックからなる
容器本体の肩部と胴部との境界付近に凸リブを形成し、
紙筒の切り欠き部を嵌合して固定するので、紙筒の装着
が極めて容易である。しかも紙筒の小フラップによって
容器本体の肩部が保護され強度が補強される。また、容
器本体の胴部周面に縦方向に延びる凹部を形成すれば、
内容液充填時に胴部が膨らみ変形するのを防止すること
ができると共に、容器本体に紙筒を被せる際にも容器本
体の胴部の壁面が密着して滑りにくくなるのを防止しス
ムーズに被せることができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。本実施例の容器本体は、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を用いて射出延伸ブロー成形法により作製した半
透明の薄肉ボトルである。まず図2〜図3を用いて薄肉
ボトルを説明する。薄肉ボトル1は螺子部を有する口部
2と、肩部3と、胴部4と底部5とから構成される。
【0013】成形手順としてはまず射出成形により図2
に示すような試験管状の成形品(以下プリフォーム12
と呼ぶ)を成形する。このプリフォーム12は口部13
と筒部14とで構成され、ボトルの胴部4と底部5とは
筒部14を縦横に延伸させて形成される。次いでこのプ
リフォーム12をブロー金型内に挿入して延伸ブロー
し、縦方向及び横方向に十分延伸して薄肉ボトル1を形
成した。このように射出延伸ブロー成形法を用いること
によって、ガスバリア性や保香性、強度等が向上するた
め、使用する樹脂量を大幅に削減することができる。
【0014】成形された薄肉ボトル1は断面略四角形
で、図3に示すように肩部3と胴部4との境界の稜線に
沿って凸リブ3aが4カ所形成され、紙筒の切り欠き部
を嵌合できるようになっている。そして胴部4には縦方
向に延びる凹部4aが複数本形成されており、この凹部
4aによって内容液充填時に自重により胴部が膨らみ変
形するのを防止することができると共に、容器本体の下
方から紙筒を被せる際に容器本体の胴部の壁面が密着し
て滑りにくくなるのを防止しスムーズに被せることがで
きるようになる。もちろん、凸リブ3aは薄肉ボトルの
下方にも補助的に形成しておくことができる。
【0015】この薄肉ボトル1の大きさや肉厚を測定し
たところ、使用した樹脂量は35gであり、満注容量は
1550ml、口部2及び底部5の肉厚は3mmであり
十分な厚みを有し、これに対して胴部3の肉厚は100
μm〜200μmと極めて薄肉に形成されていた。
【0016】当業者間において、ブロー成形容器の容器
の満注容量(V)と使用樹脂量(W)との間の関係を表
す式としてW=α×V2/3 (α値は樹脂の種類や容器形
状等により多少かわる係数)という関係式が用いられて
おり、従来のボトルではこのα値が0.6程度のものが
多く、近年の薄肉容器をみても0.4程度が限界であっ
た。しかしながら本実施例においては、α値を0.26
とすることができた。このことから、本実施例では従来
に比べて格段に使用樹脂量を低減することができたこと
がわかる。
【0017】即ち、従来の薄肉ボトルはブロー成形法に
より成形されており、ブロー成形法によって成形する際
には厚みの均一なパリソンを金型に挟み込みエアーを吹
き込んで容器が作られるため、横方向はブロー比に応じ
て延伸されるものの、縦方向はほとんど延伸されない。
このため螺子部があることから極度に薄くできない口部
に肉厚をある程度確保した上で胴部を薄肉化しようとす
ると、ブロー比を大きくするために口部の口径を小さく
しなければならないし、希望する口径で薄肉化しようと
すればブロー比が大きくならないので薄肉化に限界があ
ったためである。
【0018】他実施例として、上記実施例と同じ成形法
によってポリプロピレン樹脂を20g使用して満注容量
1030mlのボトルを作製した。この場合のα値が
0.20であり、上記実施例と同様に薄肉のボトルが得
られた。
【0019】紙筒6は再生紙を含有した板紙で300〜
400g/m2 の厚さのものを用いて印刷加工と表面処
理を施し、図6に示すように折り曲げ線L2によって連
設された4枚の側面板7の上端にそれぞれ上方に向かっ
て狭まる台形状の小フラップ9を連結し、この側面板7
と小フラップ9との境界部分の折り曲げ線L1上に長方
形の切り欠き部10を4ヵ所穿設してブランクスを形成
した。側面板7は薄肉ボトル1の胴部4を覆い、小フラ
ップ9は肩部3を覆うものである。また一側面板7の側
端部にはのりしろ7aが連設されていて他端の側面板7
の裏面に貼着し筒状に形成される。そして小フラップ9
の裏面には感熱性接着剤や粘着剤等が塗布された固定部
8が形成され、容器本体に接着する際に加熱または加圧
により接着される。
【0020】こうして作製した薄肉ボトル1にシャンプ
ー液を充填した後、図1に示すように薄肉ボトル1の下
方から紙筒6を挿入し凸リブ3aに切り欠き10を嵌合
固定すると共に小フラップ9を肩部3に被せ、小フラッ
プ9を加熱して肩部3に接着固定した。手に持ってこの
複合容器11を逆さにし少量ずつ注出を繰り返したが、
最後まで薄肉ボトル1が変形することもなく使用でき
た。使用後は紙筒6の小フラップ9を肩部3から剥が
し、切り欠き10を凸リブ3aから外した上で薄肉ボト
ルから分離し、紙筒6を畳むと共に、手で薄肉ボトル1
の胴部3を潰して廃棄した。よって廃棄容量は従来より
も大幅に小さくすることができた。
【0021】次に、薄肉ボトル1にシャンプー液を充填
し、薄肉ボトル1の口部2に図示しない周知のポンプデ
ィスペンサーのコンテナーキャップを螺着し、ノズルヘ
ッドを上から押してシャンプー液を吐出させた。シャン
プー液が吐出されるに従って薄肉ボトル1内部が減圧状
態となり、胴部4の凹部4aが内側にへこみ潰れていっ
た。しかし肩部3が肉厚であったので潰れず、ボトルの
凸リブ3aと切り欠き10とが確実に固定され、かつ小
フラップ9が肩部3に固着されていたので胴部4の凹み
にも係わらず両者の固定が緩まず、従って薄肉ボトル1
が紙筒によって上下に補強されており倒れることもなく
最後までポンプディスペンサーを上下動させて吐出する
ことができた。吐出し終わった後でポンプディスペンサ
ーを取り外し、紙筒6と薄肉ボトル1とを潰して廃棄し
た。よって廃棄容量は従来よりも大幅に小さくすること
ができた。なお、ポンプディスペンサーは再利用され
る。
【0022】なお、上記実施例は薄肉ボトルに凸リブを
形成し、ここに紙筒の小フラップを嵌合させたものであ
るが、本発明はこの組合せに限定されるものではなく、
薄肉ボトルに凹部を形成し、ここに紙筒の差し込み片を
折り込んで固定するものをも包含するものである。
【0023】また、上記実施例は紙筒が筒状のものであ
るが、本発明はこれに限定されるものではなく有底筒状
のものをも包含するものである。ただし筒状の紙筒を使
用すれば、容器本体の上下いずれからも装着が可能であ
るので容器本体の凸リブの突出具合いや小フラップの自
立力に応じて適宜装着の方向を選択することができ、よ
り適している。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、薄肉のプラスチックか
らなる容器本体の肩部と胴部との境界付近に係合部を形
成し、紙筒の係合部材を係合して固定するので、内容物
の注出に伴い内部が減圧しても肩部付近が変形しないた
め両者の係合が弛みにくいと共に、装着が極めて容易で
ある。しかも小フラップによって容器本体の肩部が保護
され強度が補強されると共に紫外線等を遮断して内容物
の変質を防止できるという効果を奏する。
【0025】また、容器本体の胴部周面に縦方向に延び
る凹部を形成すれば、内容液充填時に胴部が膨らみ変形
するのを防止することができる。そして容器本体に紙筒
を被せる際にも容器本体の胴部の壁面が密着して滑りに
くくなるのを防止しスムーズに被せることができるとい
う利点がある。このように本発明はプラスチック樹脂使
用量の低減並びにプラスチック製品の分別回収に寄与で
きる、実用上優れた複合容器である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合容器の一実施例を示す斜視図である。
【図2】薄肉ボトルの一実施例を示す正面図である。
【図3】図2の薄肉ボトルの斜視図である。
【図4】図1の複合容器の縦中央断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】紙筒の一実施例を示すブランクスの展開図であ
る。
【符号の説明】
1…薄肉ボトル 2…口部 3…肩部 3a…凸リブ 4…胴部 4a…凹部 5…底部 6…紙筒 7…側面板 7a…のりしろ 8…固定部 9…小フラップ 10…切り欠き部 L1…折り曲げ線 L2…折り曲げ線 11…複合容器 12…プリフォーム 13…口部 14…筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−139438(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 77/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄肉のプラスチックからなる容器本体の肩
    部と胴部との境界付近に係合部が形成され、容器本体の
    胴部及び肩部の周面を保持する紙筒には係合部に対応し
    て係合する係合孔部が形成され、係合孔部より上部の紙
    筒が小フラップとして形成され、前記容器本体の肩部の
    周面に前記小フラップが密着していることを特徴とする
    複合容器。
  2. 【請求項2】前記容器本体の胴部周面に縦方向に延びる
    凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    複合容器。
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