JP3425469B2 - ジェットインジェクション経皮吸収装置 - Google Patents

ジェットインジェクション経皮吸収装置

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大介 小林
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットインジェクシ
ョンの道具を用いて薬物を含む溶液等を皮膚透過させる
ことにより経皮吸収させる装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】ジェットインジェクション法は、水圧を利
用して薬液を体内に送り込む無針注射方法で、カナダの
メディカルテクノロジー社において開発・製造され、日
本ではプレシジェット(小玉薬品工業株式会社の商品
名)を用いたインスリンの皮下注射に臨床応用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のジェットインジェクションによる薬剤投与方法
は、直接皮膚に穴をあけ薬液注入するものであるため、
即効性に優れるものの、持続性、徐放性に不向きであ
る。そこで本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑みなさ
れたもので、ジェットインジェクションを用い、持続性
及び徐放性に優れたジェットインジェクション経皮吸収
装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、薬
物の経皮吸収性あるいは皮膚移行性を上昇させ、経口投
与不能患者あるいは薬物の体内濃度を長期にわたり維持
する必要のある患者の治療に的する新規経皮吸収促進法
及び皮膚適用製剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】これまでジェットインジ
ェクションにより皮膚に形成された穴を通しての薬物経
皮吸収性あるいは薬物皮膚移行性上昇については応用さ
れた例はない。また経皮吸収製剤等があるが、皮膚に穴
をあけた上から薬剤を経皮吸収させるという考え方のも
のは知られていない。そこでジェットインジェクション
により皮膚にあけた穴から薬剤を透過させるリザバー
(容器)を貼着させることを考えたものである。皮膚透
過速度がリザバー中の溶媒の皮膚を介した流速に依存し
ているので、薬物の経皮吸収速度が予め予測できる。こ
のような吸収速度の予測の高さは従来の促進機能を有す
る皮膚適用製剤又は経皮吸収型製剤では期待できない。
ジェットインジェクション部に薬物を含むか含まない溶
液を仕込み、薬物リザバー上から皮膚に射出して、薬物
の透過ルートとなる小孔を形成し、その部位に皮膚適用
製剤を投与するという吸収促進法及び皮膚適用製剤であ
る。ここでリザバーとしては、底部と天井部に開放部を
有する箱状ケーシングと該ケーシングの底部の開放部を
閉塞する薬剤透過性の粘着剤層とケーシングの天井部開
放部を閉塞するラバーとで構成した。ラバーは、特に限
定しないが例えば医療用シリコーンゴムを使用すること
ができる。また天井部開放部を円形とし該周縁に半円球
状のラバーの接着すると良い。
【0005】
【作用】ジェトインジェクタから薬物リザバーを介して
皮膚に向けてジェット射出すると、皮膚表面に孔があ
く。射出に際して、リザバーのラバーの上から射出する
と、溶液の射出時に形成されるラバーの小孔は瞬時にふ
さがり、該ラバーから薬液が漏れないようになる。一方
皮膚に面した粘着剤層及び皮膚の角質層にも穴があくが
粘着剤層は粘着性を有しているために塞がれる。尚、射
出に際して薬物や溶解液の拡散はないように工夫しなけ
ればならない。
【0006】ジェットインジェクションからの射出は数
回にわたって可能である。すなわち、薬物リザバー部の
ジェットインジェクション部側は、前述したようにシリ
コーンラバー等を用いることができるが、更なる吸収促
進を期待する場合などこの方法を利用できる。尚。吸収
速度は皮膚にあけた小孔の数に比例する。ラバーの部分
を半円球にすることにより、皮膚の場所を少しずらして
小孔をあけることができる。
【0007】本発明において、皮膚適用リザバー部に充
填薬剤の形態は特に限定されず、例えば軟膏剤、クリー
ム剤、液剤、ローション剤、リニメント剤、ゲル剤、等
の種々の形態とすることができる。吸収速度を最大限に
高めるためには液剤で、かつ表面張力が低いものが望ま
しい。
【0008】さらに薬物リザバー中での薬物溶解性を上
昇させるための手段としては、pHの調節剤、アルコー
ル類及びグリコール類の添加又は植物油の添加等が好ま
しい。 またジェットインジェクション部としてはプレ
ジェットの他、水圧により比較的非浸襲的に皮膚角質層
に孔を形成することが可能なものが好ましい。一般的な
注射器もこの方法に応用できる。なお、ジェットインジ
ェクション部は不要時取り外すことも可能である。
【0009】
【実施例】
実施例1 図1に示すようにその天井部に円形穴及び底部に開口を
有する箱状のケーシング1と、該天井部の円形穴の周縁
に下凸となるように接着した半球状のシリコンラバー2
と、前記底部開口を閉塞するアクリル系の粘着剤層3に
よりリザバー4を形成し、該リザバー4のシリコンラバ
ー2の上からプレシジェット(小玉薬品の商品名)5を
射出させるように構成した経皮吸収促進のための装置を
作成した。尚6は、粘着剤層を被覆するライナーであ
る。次に前記リザバー4内に30%硫酸ゲンタマイシン
水溶液を充填した。体重約200gのヘアレスラット
(WBN/ILA−Ht)を背位に固定した後に、左右
の足の固定位置を入れ替えて臀部を上に向け、前述リザ
バー4を皮膚に貼着した。このリザバー4のシリコンラ
バーの上から60μlの整理食塩水を仕込んだプレシジェ
ットを密着させ、最小圧力に調節して、液を射出した。
ラットの両足の位置を元に戻して固定した後、経時的に
採血を行い血漿中の硫酸ゲンタマイシンの量を測定し
た。結果は図2に示す通りである。硫酸ゲンタマイシン
は、FPIA法で測定した。
【0010】実施例2 同様の方法で30%硫酸ゲンタマイシン水溶液の代わり
に2%塩酸ニカルジピン/10%エタノール水溶液、1
%テオフィリン/10%エタノール水溶液又はpHを
9.3にしてテオフィリンの溶解度を上昇させた10%
のアミノフィリン水溶液をそれぞれリザバー4に充填
し、ヘアレスラット(WBN/ILA−Ht)を背位に
固定した後に、左右の足の固定位置を入れ替えて臀部を
上に向け、前述リザバー4を皮膚に貼着した。このリザ
バー4のシリコンラバーの上から60μlの整理食塩水を
仕込んだプレシジェットを密着させ、最小圧力に調節し
て、液を射出した。ラットの両足の位置を元に戻して固
定した後、経時的に採血を行い血漿中の各薬剤の量を測
定したところ、それぞれ図3、図4及び図5に示す通り
となった。尚、テオフィリン及びアミノフィリンは、F
PIA法で塩酸ニカルジピオンはHPLC法で測定し
た。いずれの薬物においても実験時間24時間にわたっ
て血中濃度の持続が認められ、また静脈注射の結果から
得られる血漿中濃度推移を用いてデコンボリューション
演算を行い、角薬物の経皮吸収速度を体積流の単位で求
めた値は、薬物種に無関係にほぼ0.42μl/hであ
った。
【0011】実験例3 実験例1と同様な方法で分子量3万の卵胞刺激ホルモン
についてもリザーバー4に充填した後にヘアレスラット
に貼着固定し、このリザバー4のシリコンラバーの上か
ら60μlの整理食塩水を仕込んだプレシジェットを密着
させ、最小圧力に調節して、液を射出した。ラットの両
足の位置を元に戻して固定した後、経皮吸収の実験を行
った。卵胞刺激ホルモンとしてはセローノジャパン社の
メトロジンを用い、750IU/mlの水溶液1mlを適用し
た。定量はセロザイムにて行った。血漿中濃度推移の結
果は図6に示す通りである。吸収速度は体積流として約
0.011μl/hである。
【0012】
【効果】経皮吸収促進装置としての本発明は、通常の物
理的あるいは化学的促進法では経皮吸収が困難と考えら
れる高分子薬物においても経皮吸収が認められ、また低
分子のものではその吸収速度は体積流としてほぼ一定で
あるため、血中濃度の予測性に優れ、適用基剤への薬物
溶解性を上昇させることで、多くの薬物に応用が可能で
ある。また血漿中濃度の維持においても優れた持続性を
示すものである。リザバー中の薬物溶解度を50%まで
上昇させることができれば現在臨床的に経口投与されて
いる薬物のうち、一日の常用量が5mg以下のものについ
ては応用可能である。また初回通過効果によって前進循
環系に至るまでに失活する薬物に対してはそれ以上の用
量も応用できると解釈できる。さらに高分子であるペプ
チドホルモンには極めて微量で作用するものが多いた
め、吸収速度が低くなっても、本法を用いることで経皮
的に効果を得る可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる経皮吸収促進装置を示す一部
破断正面図ある。
【図2】 実施例1の薬物の血漿中の濃度推移を示すグ
ラフである。
【図3】 実施例2の薬物(塩酸ニカルジピン酸)の血
漿中の濃度推移を示すグラフである。
【図4】 実施例2の薬物(テオフィリン)の血漿中の
濃度推移を示すグラフである。
【図5】 実施例2の薬物(アミノフィリン)の血漿中
の濃度推移を示すグラフである。
【図6】 実施例3の卵胞刺激ホルモンの血漿中の濃度
推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 シリコンラバー 3 粘着剤層 4 リザバー 5 インジェクタ(プレシジェット) 6 ライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 直子 埼玉県比企郡鳩山町松ケ丘一丁目5番9 号 (56)参考文献 特開 平3−151982(JP,A) 特開 昭57−55157(JP,A) 特表 平6−504215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/30 A61M 37/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水圧により皮膚の角質層に穴をあけるジェ
    ットインジェクタと、リザバーとからなり、該リザバー
    が底部と天井部に開放部を有する箱状ケーシングと該ケ
    ーシングの底部の開放部を閉塞する薬剤透過性の粘着剤
    層とケーシングの天井部開放部を閉塞するラバーとから
    なるジェットインジェクション経皮吸収装置。
  2. 【請求項2】 前記ジェットインジェクタが前記リザバ
    ーから取り外し可能であることを特徴とする請求項1に
    記載のジェットインジェクション経皮吸収装置。
  3. 【請求項3】 前記ラバーがシリコンラバーで構成さ
    れ、粘着剤層を構成する粘着剤がゴム系又はアクリル系
    のもので構成されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載のジェットインジェクション経皮吸収装置。
  4. 【請求項4】 ケーシング天井部の開放部が円形の穴で
    形成され、それを閉塞するラバーが半球状のもので構成
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載のジェ
    ットインジェクション経皮吸収装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のジェットインジェクショ
    ン経皮吸収装置のリザバー。
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