JP3424860B2 - 内視鏡先端部 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、処置具挿通チャンネル
の出口に起立台が配置された内視鏡先端部の構造に関す
る。 【０００２】 【従来の技術】図６には、従来の側視型内視鏡（又は電
子内視鏡）の先端部の構成が示されており、この内視鏡
は保持具に吊るした状態の図である。図において、先端
部１の側面に、処置具挿通チャンネル２の出口としての
鉗子口３が配置されており、各種の処置具４は操作部か
ら上記処置具挿通チャンネル２を介して鉗子口３まで導
入される。この鉗子口３の先端側では、起立台５が軸６
により回動自在に本体７に取り付けられ、この起立台５
には操作部まで接続されたワイヤ８が取り付けられる。
また、先端部１にはキャップ９が被せられ、このキャッ
プ９によって上記起立台５の収納部１００が形成されて
おり、図の収納部１００の裏側の側面に、鉗子口３と並
ぶようにして観察窓、照射窓が配置される。 【０００３】上記構成の内視鏡によれば、操作部から鉗
子等の処置具４が処置具挿通チャンネル２を介して鉗子
口３まで導かれ、この処置具４はワイヤ８により起立す
る起立台５によって所定の位置まで起こされることにな
る。従って、側視型内視鏡においては、側面から垂直方
向に導出される処置具４にて各種の処置が行われること
になる。なお、この処置具挿通チャンネル２は鉗子口３
から被観察体内の不要物を吸引し、除去する役目もして
いる。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内視
鏡では、使い終わった後に洗浄を行い、ハンガー等の保
持具に吊るして保管されることになり、この保管時には
図６の状態となる。しかしながら、この図６の状態で
は、起立台５の収納部１００の底面となっている先端側
壁面Ｓに、処置具挿通チャンネル２及び鉗子口３内等に
残留した洗浄水等が溜まるという問題があった。これら
の残留水は、長時間が経過すると、上記壁面Ｓの上で固
形状となり、かえって不衛生となったり、場合によって
は起立台５の動作の障害ともなる。 【０００５】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、洗浄後の残留水が先端部内に溜ま
ることがなく、確実な衛生状態及び起立台のスムーズな
動作を確保できる内視鏡先端部を提供することにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、処置具挿通チャンネル出口の収納部に、
処置具を所定の方向へ導くための起立台が配置された内
視鏡先端部において、内視鏡を垂直方向に配置したとき
上記起立台収納部内の底面となる先端側壁面に、先端面
まで貫通する孔を設け、この孔には、内視鏡の垂直配置
時に開状態、処置具挿通チャンネルからの吸引動作時に
閉状態となる逆止弁を設けたことを特徴とする。 【０００７】 【作用】上記の構成によれば、内視鏡の保管時では、処
置具挿通チャンネル又は鉗子口等に残留した洗浄水等
が、収納部の先端側壁面に流れ落ちることになるが、こ
の先端側壁面に落ちた残留水は貫通孔から外部へ排出さ
れる。従って、先端部内へ溜まることはない。 【０００８】そして、上記のような孔が収納部の先端側
壁面に存在すると、被観察体内の不要物を吸引する時に
おいては、吸引効率を低下させるという問題があり、ま
た先端面が被観察体内の体壁に接触する場合には、孔か
ら体壁を吸引する状態になる。そこで、本発明は上記孔
に逆止弁を設け、吸引時ではこの孔が塞がれるようにし
たものである。 【０００９】 【実施例】図１には、第１実施例に係る側視型内視鏡先
端部の側面断面が示され、図２には図１の右側側面が示
され、図３には内視鏡の全体図が示されている。まず、
図３に示されるように、内視鏡１０は先端部１２、アン
グル部１３を有しており、操作部１４には、処置具挿通
チャンネルの導入口１５、アングルツマミ１６Ａ，１６
Ｂ、吸引釦を含む操作釦１７Ａ，１７Ｂ，１７Ｃ等が配
置されている。このような内視鏡１０は、光源装置側に
接続するためのケーブル１８を有しており、このケーブ
ル１８の付け根部分をハンガー２０に掛けることによっ
て、図示のように吊り下げられて保管される。 【００１０】図１に示されるように、上記先端部１２に
は、上記図６の場合と同様に、処置具挿通チャンネル
２、鉗子口３が設けられ、この鉗子口３の先端側に形成
された収納部１００（この収納部１００を含めて鉗子口
３であるということもできる）に起立台５が軸６によっ
て本体７に取り付けられ、この起立台５にはワイヤ８が
接続される。この先端部１２の後端部には、先端部１２
を曲げ操作するためのワイヤ２１Ａ，２１Ｂが取り付け
られており、このワイヤ２１Ａ，２１Ｂは上述したアン
グルツマミ１６によって引っ張り操作される。また、図
２に示されるように、起立台５の横隣には、観察窓２
２、照射窓２３が配置されている。 【００１１】更に、この先端部１２にはキャップ２４が
被せられ、このキャップ２４と上記本体７によって上記
起立台５の収納部１００が形成される。そして、このキ
ャップ２４内部の収納部１００の先端側壁面Ｓ1 に、先
端面まで貫通する排出孔２５が設けられる。この排出孔
２５は、上面開口が広くなった逆円錐形とされており、
これによって上側から流れ落ちてくる洗浄水等の残留水
を効率よく外部へ排出できるようになっている。また実
施例では、この排出孔２５の先端側壁面Ｓ1 の周辺は、
残留水が排出孔２５に集るように、緩やかな凹面とされ
ている。なお、この排出孔２５は、実施例では１個しか
設けられていないが、２個以上としてもよい。 【００１２】実施例は以上の構成からなり、内視鏡は使
用後に洗浄され、この洗浄が終了すると、図３に示され
るようにハンガー２０にケーブル１８の付け根部分が掛
けられて吊り下げられる。このとき、先端部１２は図１
のように垂直状態となり、処置具挿通チャンネル２及び
鉗子口３等から残留水が下へ流れ落ちる。しかし、この
残留水は先端側壁面Ｓ1 に形成された排出孔２５から外
部へ良好に排出されることになり、先端部内に溜まるこ
とが防止される。 【００１３】図４及び図５には、本発明の第２実施例の
構成が示されており、この第２実施例は上記排出孔に逆
止弁を設けたものである。即ち、図４の本体７に被せら
れるキャップ２８には、図５（Ａ）にも示されるよう
に、排出孔２９が設けられ、この排出孔２９にボール３
０を有する逆止弁３１が組み付けられる。この逆止弁３
１では、ボール３０が上下に移動可能とされ、このボー
ル３０で排出孔２９の上面開口を塞ぐことができるよう
に、排出孔２９の上部内面は円錐形に形成される。ま
た、逆止弁３１の下側の支持部３２には、図５（Ｂ）に
示されるように、残留水を通過させるための小孔３３が
形成される。なお、この逆止弁３１の先端側壁面Ｓ1 の
周辺は、残留水が排出孔２９に集るように、緩やかな凹
面とされる。従って、この逆止弁３１によれば、洗浄後
に先端部１２が垂直状態に配置されるときは、ボール３
０が下側へ移動して排出孔２９（上面開口）が開き、吸
引時に収納部１００（鉗子口３）内が負圧になるとき
は、ボール３０が上側に移動して排出孔２９を閉じるこ
とになる。 【００１４】上記第２実施例の構成によれば、洗浄後の
保管時に、上記逆止弁３１は図５（Ａ）の状態となり、
処置具挿通チャンネル２及び鉗子口３等から流れ落ちて
くる残留水は排出孔２９から弁内へ入り、小孔３３を介
して外部へ排出されることになる。一方、内視鏡の使用
時において、被観察体内に存在する不要物（生理食塩
水、内容物等）を除去する際に、吸引釦により処置具挿
通チャンネル２及び鉗子口３から吸引動作が行われるこ
とになるが、このときには、図４のように、吸引力によ
りボール３０が排出孔２９を塞ぐので、吸引効率が低下
することはない。また、吸引時に内視鏡１０の先端面が
被観察体内の体壁３４に接触する場合であっても、体壁
３４を吸引する状態になることもない。 【００１５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内視鏡を垂直方向に配置したとき上記起立台収納部内の
底面となる先端側壁面に、残留水を外部へ排出するため
の孔を設けたので、洗浄後の洗浄水等が先端部内に溜ま
ることがなく、衛生状態が確実に維持されると共に、起
立台のスムーズな動作も確保できるという利点がある。 【００１６】また、上記先端側壁面の孔には、吸引動作
時に閉状態となる逆止弁を設けたので、吸引効率の低下
が防止でき、吸引時に先端面が被観察体内の体壁に接触
してこれを吸引する状態になることもない。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の第１実施例に係る側視型内視鏡の先端
部を、内視鏡を吊り下げた状態で示す側面断面図であ
る。 【図２】図１の先端部の右側側面の構成を示す図であ
る。 【図３】実施例の内視鏡をハンガーへ吊り下げた状態を
示す図である。 【図４】第２実施例の構成を示す側面断面図である。 【図５】図４の逆止弁の詳細図であり、図（Ａ）は側面
断面図、図（Ｂ）は先端面から見た図である。 【図６】従来の側視型内視鏡の先端部を、内視鏡を吊り
下げた状態で示す側面断面図である。 【符号の説明】 １，１２ … 先端部、 ２ … 処置具挿通チャンネル、 ３ … 鉗子口、 ５ … 起立台、 ７ … 本体、 ９，２４，２８ … キャップ、 ２５，２９ … 排出孔、 ３０ … ボール、 ３１ … 逆止弁、 ３３ … 小孔、 １００ … 収納部、 Ｓ，Ｓ1 … 先端側壁面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 処置具挿通チャンネル出口の収納部に、
   処置具を所定の方向へ導くための起立台が配置された内
   視鏡先端部において、 内視鏡を垂直方向に配置したとき上記起立台収納部内の
   底面となる先端側壁面に、先端面まで貫通する孔を設
   け、この孔には、内視鏡の垂直配置時に開状態、処置具
   挿通チャンネルからの吸引動作時に閉状態となる逆止弁
   を設けたことを特徴とする内視鏡先端部。