JP3424054B2 - 押し船と艀との連結装置 - Google Patents
押し船と艀との連結装置Info
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- JP3424054B2 JP3424054B2 JP13094395A JP13094395A JP3424054B2 JP 3424054 B2 JP3424054 B2 JP 3424054B2 JP 13094395 A JP13094395 A JP 13094395A JP 13094395 A JP13094395 A JP 13094395A JP 3424054 B2 JP3424054 B2 JP 3424054B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐波性能の優れた押航
船団を構成できる3点支持固定連結方式による押し船と
艀との連結装置に関する。
船団を構成できる3点支持固定連結方式による押し船と
艀との連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】押し船
と艀とを連結するための連結装置としては、古くからの
ロープによるものの外、各種の機械的なものが発明・考
案されている。特に、機械的な連結装置の場合は、左右
方向の一本の回転軸まわりに押し船と艀の相対的回動を
可能として両船の相対的縦揺れを自由にしたものと、両
船を固定的に連結して相対運動を全く許さなくしたもの
とに二大別されるといってもよい。このうちの後者に属
するもので、艀の吃水変化に応じて各種の吃水関係で連
結できるようにしたものとしては、本出願人等のうちの
一人の発明に係る連結装置がある(特公昭51−403
52号公報)。
と艀とを連結するための連結装置としては、古くからの
ロープによるものの外、各種の機械的なものが発明・考
案されている。特に、機械的な連結装置の場合は、左右
方向の一本の回転軸まわりに押し船と艀の相対的回動を
可能として両船の相対的縦揺れを自由にしたものと、両
船を固定的に連結して相対運動を全く許さなくしたもの
とに二大別されるといってもよい。このうちの後者に属
するもので、艀の吃水変化に応じて各種の吃水関係で連
結できるようにしたものとしては、本出願人等のうちの
一人の発明に係る連結装置がある(特公昭51−403
52号公報)。
【0003】これは三点支持固定連結方式による連結装
置であるが、その連結装置では押し船から突き出される
舷側連結軸を艀側で受けるものが上下に並んだ孔になっ
ており、連結前に舷側連結軸が孔に丁度入るように吃水
調整をしておかないと、該連結軸が孔と孔との間に位置
するようになれば孔に嵌入できず、連結ができないとい
う不便がある。また、港で艀の積荷や揚荷を行なう場合
は、艀の吃水が変化するから、押し船は常に艀から切り
離しておかなければならない。
置であるが、その連結装置では押し船から突き出される
舷側連結軸を艀側で受けるものが上下に並んだ孔になっ
ており、連結前に舷側連結軸が孔に丁度入るように吃水
調整をしておかないと、該連結軸が孔と孔との間に位置
するようになれば孔に嵌入できず、連結ができないとい
う不便がある。また、港で艀の積荷や揚荷を行なう場合
は、艀の吃水が変化するから、押し船は常に艀から切り
離しておかなければならない。
【0004】これらの問題を解決するために、本出願人
等は多段歯選択噛み合い係止と摩擦係止を併用した三点
支持固定連結方式による連結装置を考案し、実用新案登
録出願をしている(実開平3−42492号公報)。そ
の連結装置は上記の諸問題をほぼ完全に解決した連結装
置で、これに加えて特にある程度の波があって押し船が
動揺している時でも連結が可能となるという利点を持つ
装置であるが、装置自体が複雑で高価であるという問題
があった。
等は多段歯選択噛み合い係止と摩擦係止を併用した三点
支持固定連結方式による連結装置を考案し、実用新案登
録出願をしている(実開平3−42492号公報)。そ
の連結装置は上記の諸問題をほぼ完全に解決した連結装
置で、これに加えて特にある程度の波があって押し船が
動揺している時でも連結が可能となるという利点を持つ
装置であるが、装置自体が複雑で高価であるという問題
があった。
【0005】上記実開平3−42492号公報に開示さ
れている連結装置の技術的複雑さは、波の影響下で困難
なく連結するために必要な摩擦係止と、波浪中の高耐航
性確保のための多段歯選択噛み合い係止を結合して、一
つの連結装置が構成されていることに起因している。と
ころが、大多数の貨物輸送においては、連結は波の影響
を事実上無視できる港内で出向直前に行なわれるだけで
あり、波の影響下で連結できるという性能は、このよう
な普通の貨物輸送の航路では概ね必要ではなく、絶対必
要なのは高度の耐航性である。
れている連結装置の技術的複雑さは、波の影響下で困難
なく連結するために必要な摩擦係止と、波浪中の高耐航
性確保のための多段歯選択噛み合い係止を結合して、一
つの連結装置が構成されていることに起因している。と
ころが、大多数の貨物輸送においては、連結は波の影響
を事実上無視できる港内で出向直前に行なわれるだけで
あり、波の影響下で連結できるという性能は、このよう
な普通の貨物輸送の航路では概ね必要ではなく、絶対必
要なのは高度の耐航性である。
【0006】また、これに加えて、出港直前に連結を行
なうに際して吃水調整の必要があっても、それが小幅で
短時間に行なえることと、港に停泊中も押し船が艀に連
結されたまま、荷役による艀の吃水変化に順応して押し
船の連結位置がなるべく自動的に調整されること、の二
つの性質を持つものであれば、上記の航路に使用する連
結装置としては必要かつ十分なものといえる。
なうに際して吃水調整の必要があっても、それが小幅で
短時間に行なえることと、港に停泊中も押し船が艀に連
結されたまま、荷役による艀の吃水変化に順応して押し
船の連結位置がなるべく自動的に調整されること、の二
つの性質を持つものであれば、上記の航路に使用する連
結装置としては必要かつ十分なものといえる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決したものであって、その特徴とする押し船と艀と
の連結装置は、押し船の船体に該押し船の両舷から横方
向へ向かって水平に突出自在である舷側連結軸を、また
船首端に該船首端から船体の長さ方向へ向かって水平に
突出自在である船首連結軸をそれぞれ液圧シリンダー等
に関係付けて設け、一方、艀の船尾には押し船の船首を
挿入できる凹所を形成して、舷側連結軸と船首連結軸に
より三点支持の形で押し船と艀の固定連結ができる押し
船と艀との連結装置において、上記凹所の両側壁には該
凹所に向かって開口し垂直方向に延びる溝を設け、この
溝には底面と艀の前後中心線とほぼ直角をなす後方面と
の角部に沿って上部から下部に向かってほぼ等間隔に多
段的に並べられ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記
舷側連結軸の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを有
する多段式噛み合い歯列を設けて、その多段式噛み合い
歯列の前面と溝の前方面との間には該前方面と上記前面
とに舷側連結軸の船外端部の前後両面がそれぞれ当接し
て嵌入できる間隔を形成し、一方、上記凹所の最奥端に
は垂直方向中心線に沿って上記多段式噛み合い歯列の凹
みと等しい間隔で上部から下部に向かって多段的に並べ
られ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記船首連結軸
の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを設けて成るも
のである。
を解決したものであって、その特徴とする押し船と艀と
の連結装置は、押し船の船体に該押し船の両舷から横方
向へ向かって水平に突出自在である舷側連結軸を、また
船首端に該船首端から船体の長さ方向へ向かって水平に
突出自在である船首連結軸をそれぞれ液圧シリンダー等
に関係付けて設け、一方、艀の船尾には押し船の船首を
挿入できる凹所を形成して、舷側連結軸と船首連結軸に
より三点支持の形で押し船と艀の固定連結ができる押し
船と艀との連結装置において、上記凹所の両側壁には該
凹所に向かって開口し垂直方向に延びる溝を設け、この
溝には底面と艀の前後中心線とほぼ直角をなす後方面と
の角部に沿って上部から下部に向かってほぼ等間隔に多
段的に並べられ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記
舷側連結軸の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを有
する多段式噛み合い歯列を設けて、その多段式噛み合い
歯列の前面と溝の前方面との間には該前方面と上記前面
とに舷側連結軸の船外端部の前後両面がそれぞれ当接し
て嵌入できる間隔を形成し、一方、上記凹所の最奥端に
は垂直方向中心線に沿って上記多段式噛み合い歯列の凹
みと等しい間隔で上部から下部に向かって多段的に並べ
られ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記船首連結軸
の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを設けて成るも
のである。
【0008】かかる構成の本発明では、溝の幅は多段式
噛み合い歯列の前面と溝の前方面との間に所定の間隔が
あるほど広く、舷側連結軸船外端部の前後両面間の寸法
より大きいから、舷側連結軸の先端(楔状先端)が多段
式噛み合い歯列の一つの凹みに嵌入しても、舷側連結軸
の溝内における前後位置は決まらないので、これを決め
る機能を船首連結軸に与え、正規の連結完了時に船首連
結軸を溝の後方面に押しつけて、これを保持できるよう
にした。
噛み合い歯列の前面と溝の前方面との間に所定の間隔が
あるほど広く、舷側連結軸船外端部の前後両面間の寸法
より大きいから、舷側連結軸の先端(楔状先端)が多段
式噛み合い歯列の一つの凹みに嵌入しても、舷側連結軸
の溝内における前後位置は決まらないので、これを決め
る機能を船首連結軸に与え、正規の連結完了時に船首連
結軸を溝の後方面に押しつけて、これを保持できるよう
にした。
【0009】そして、溝の前方面は艀の凹所に向かって
該溝の幅が次第に大きくなるような斜面に、また舷側連
結軸の船外端部の前面は上記前方面の斜面と平行な平面
にそれぞれ形成されていて、停泊中に両船の舷側連結軸
がそれぞれ溝に差し込まれた形で保持される時に、その
船外端部の前後面が溝の前方面と多段式噛み合い歯列の
前面とに同時に隙間なく接触して、舷側連結軸の上下方
向への滑りを許しながら前後方向位置をがたつきが生じ
ないように維持し、これにより艀の吃水変化に順応しつ
つ上下滑りを許した連結を維持できるようになってい
る。
該溝の幅が次第に大きくなるような斜面に、また舷側連
結軸の船外端部の前面は上記前方面の斜面と平行な平面
にそれぞれ形成されていて、停泊中に両船の舷側連結軸
がそれぞれ溝に差し込まれた形で保持される時に、その
船外端部の前後面が溝の前方面と多段式噛み合い歯列の
前面とに同時に隙間なく接触して、舷側連結軸の上下方
向への滑りを許しながら前後方向位置をがたつきが生じ
ないように維持し、これにより艀の吃水変化に順応しつ
つ上下滑りを許した連結を維持できるようになってい
る。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面を参照し
ながら説明する。図1乃至図8において、艀1の船尾に
は押し船3の船首4を挿入できる凹所2が設けられてお
り、この凹所2は、押し船3が艀1と連結された時に、
押し船3の船首4部分が凹所2に所要の間隙をもって挿
入される大きさに形成されている。凹所2の両側壁には
凹所2にかって開口し、垂直方向に延びる溝5が設けら
れている。
ながら説明する。図1乃至図8において、艀1の船尾に
は押し船3の船首4を挿入できる凹所2が設けられてお
り、この凹所2は、押し船3が艀1と連結された時に、
押し船3の船首4部分が凹所2に所要の間隙をもって挿
入される大きさに形成されている。凹所2の両側壁には
凹所2にかって開口し、垂直方向に延びる溝5が設けら
れている。
【0011】溝5は艀1の船尾側に当る垂直平面で艀1
の前後中心線とほぼ直角をなす後方面6と、同じく船首
側に当る垂直平面で、好ましくは溝5の幅がその開口側
に向かって次第に大きくなるような斜面をなした前方面
7と、後方面6と前方面7とを溝5の底でつなぎ艀1の
前後中心線とほぼ平行な垂直平面である底面8とから成
っている。
の前後中心線とほぼ直角をなす後方面6と、同じく船首
側に当る垂直平面で、好ましくは溝5の幅がその開口側
に向かって次第に大きくなるような斜面をなした前方面
7と、後方面6と前方面7とを溝5の底でつなぎ艀1の
前後中心線とほぼ平行な垂直平面である底面8とから成
っている。
【0012】また、溝5には、後方面6と底面8との角
部に沿って上部から下部に向かってほぼ等間隔に多段的
に並べられ、一つ一つは凹所2に向かって開口する同一
形状の凹み9,9′,9″....が設けられており、
これらの凹み9,9′,9″....の一つ一つの間の
凸出部とともに上下方向に延びる多段式噛み合い歯列1
0を形成している。この多段式噛み合い歯列10の前面
11と溝5の前方面7との間には所要の間隔12が残さ
れている。
部に沿って上部から下部に向かってほぼ等間隔に多段的
に並べられ、一つ一つは凹所2に向かって開口する同一
形状の凹み9,9′,9″....が設けられており、
これらの凹み9,9′,9″....の一つ一つの間の
凸出部とともに上下方向に延びる多段式噛み合い歯列1
0を形成している。この多段式噛み合い歯列10の前面
11と溝5の前方面7との間には所要の間隔12が残さ
れている。
【0013】一方、押し船3の両舷側には比較的長い舷
側軸受13が設けられ、この舷側軸受13に舷側連結軸
14が摺動可能に装着されている。舷側連結軸14の船
外端部における押し船3の船尾側に当る後面15は溝5
の後方面6と平行な平面をなし、また船首側に当る前面
16は溝5の前方面7と平行な平面をなしている。そし
て、舷側連結軸14の先端17は多段噛み合い歯列10
の凹み9,9′,9″....の一つに密着嵌入可能な
楔状をなしている。
側軸受13が設けられ、この舷側軸受13に舷側連結軸
14が摺動可能に装着されている。舷側連結軸14の船
外端部における押し船3の船尾側に当る後面15は溝5
の後方面6と平行な平面をなし、また船首側に当る前面
16は溝5の前方面7と平行な平面をなしている。そし
て、舷側連結軸14の先端17は多段噛み合い歯列10
の凹み9,9′,9″....の一つに密着嵌入可能な
楔状をなしている。
【0014】舷側連結軸14の船外端部の前面16と後
面15との間の寸法は、艀1の溝5の前方面7と多段噛
み合い歯列10の前面11との間の間隔12に該舷側連
結軸14の船外端部の部分を挿入できる大きさである
が、これらの相対する面が同時に接触した時に先端17
と溝5の底面8との間に僅かな間隙が残るようになって
いる。そして、図示の場合、舷側連結軸14は液圧シリ
ンダー18の作動により前進後退する。
面15との間の寸法は、艀1の溝5の前方面7と多段噛
み合い歯列10の前面11との間の間隔12に該舷側連
結軸14の船外端部の部分を挿入できる大きさである
が、これらの相対する面が同時に接触した時に先端17
と溝5の底面8との間に僅かな間隙が残るようになって
いる。そして、図示の場合、舷側連結軸14は液圧シリ
ンダー18の作動により前進後退する。
【0015】他方、艀1の凹所2の最奥端部分には、該
部分の垂直方向中心線に沿って、上部から下部に向かっ
て先の凹み9,9′,9″....と等しい間隔に多段
的に並べられ、かつ一つ一つは凹所2に向かって開口す
る同一形状の凹み19,19′,19″....が設け
られており、これに対応して押し船3の船首端寄りに
は、押し船3の中心線上に位置して、比較的長い船首軸
受20が設けられている。
部分の垂直方向中心線に沿って、上部から下部に向かっ
て先の凹み9,9′,9″....と等しい間隔に多段
的に並べられ、かつ一つ一つは凹所2に向かって開口す
る同一形状の凹み19,19′,19″....が設け
られており、これに対応して押し船3の船首端寄りに
は、押し船3の中心線上に位置して、比較的長い船首軸
受20が設けられている。
【0016】船首軸受20は船首連結軸21を摺動可能
に支持しており、この船首連結軸21の先端22は凹み
19,19′,19″....の一つに密着嵌入可能な
楔状をなしている。図示の場合、船首連結軸21は液圧
シリンダー23の作動によって前進後退する。この液圧
シリンダー23と先の液圧シリンダー18は船内に設け
た液圧源(図示せず)から送られる液圧により作動し
て、船首連結軸21と舷側連結軸14とをそれぞれ前進
後退させる。
に支持しており、この船首連結軸21の先端22は凹み
19,19′,19″....の一つに密着嵌入可能な
楔状をなしている。図示の場合、船首連結軸21は液圧
シリンダー23の作動によって前進後退する。この液圧
シリンダー23と先の液圧シリンダー18は船内に設け
た液圧源(図示せず)から送られる液圧により作動し
て、船首連結軸21と舷側連結軸14とをそれぞれ前進
後退させる。
【0017】そして、これら連結軸を前進させたままの
位置で、ポンプや蓄圧器等(図示せず)により逆止弁
(図示せず)を通して供給された液圧により外向きに押
し出す力を保持し、同時に外部からの力によってこれら
連結軸が押し戻されようとされても、逆止弁の働きでこ
れを阻止できる仕組となっている。なお、上記舷側連結
軸14と船首連結軸21を前進後退させる機構として
は、液圧シリンダー18,23によるものの外、回転モ
ータとネジ棒の組合わせ等、他の方式による装置を用い
ることもできる。
位置で、ポンプや蓄圧器等(図示せず)により逆止弁
(図示せず)を通して供給された液圧により外向きに押
し出す力を保持し、同時に外部からの力によってこれら
連結軸が押し戻されようとされても、逆止弁の働きでこ
れを阻止できる仕組となっている。なお、上記舷側連結
軸14と船首連結軸21を前進後退させる機構として
は、液圧シリンダー18,23によるものの外、回転モ
ータとネジ棒の組合わせ等、他の方式による装置を用い
ることもできる。
【0018】次に、上記実施例による本発明連結装置の
操作について説明する。連結を行なう前には、図1乃至
図3に示すように舷側連結軸14及び船首連結軸21は
それぞれ舷側軸受13と船首軸受20の中に引込まれ、
押し船3の船内に向かって後退した位置にある。また、
押し船3の船首4の先端部には通常軟質の防舷材4aが
取り付けてあり、押し船3の船首4を艀1の凹所2に挿
入して行くと、防舷材4aが凹所2の最奥端に接触した
ところで停止する。
操作について説明する。連結を行なう前には、図1乃至
図3に示すように舷側連結軸14及び船首連結軸21は
それぞれ舷側軸受13と船首軸受20の中に引込まれ、
押し船3の船内に向かって後退した位置にある。また、
押し船3の船首4の先端部には通常軟質の防舷材4aが
取り付けてあり、押し船3の船首4を艀1の凹所2に挿
入して行くと、防舷材4aが凹所2の最奥端に接触した
ところで停止する。
【0019】ここで、船首側の液圧シリンダー23に圧
液を送って船首連結軸21を前進させ、その先端22が
凹み19,19′,19″....のうち同一高さにあ
るものを自動的に選んでそれに嵌入した後、更に船首連
結軸21を若干前進させ、それにより押し船3が艀1と
相対的に後退して、舷側連結軸14の船外端部の後面1
5が艀1の溝5の後方面6の僅かに前にきたところで液
圧シリンダー23の作動を止める。
液を送って船首連結軸21を前進させ、その先端22が
凹み19,19′,19″....のうち同一高さにあ
るものを自動的に選んでそれに嵌入した後、更に船首連
結軸21を若干前進させ、それにより押し船3が艀1と
相対的に後退して、舷側連結軸14の船外端部の後面1
5が艀1の溝5の後方面6の僅かに前にきたところで液
圧シリンダー23の作動を止める。
【0020】そして、直ちに舷側の液圧シリンダー18
に圧液を送って、舷側連結軸14を、その先端17が多
段式噛み合い歯列10の凹み9,9′,9″....の
うち同一高さにあるものを自動的に選んでそれに嵌入し
終わるまで前進させ、停止した位置で保持する。次に再
度船首側の液圧シリンダー23を作動させて船首連結軸
21を更に前進させ、先端22を凹み19,19′,1
9″....のうちの嵌入したものに完全に嵌入し、更
に押し船3を後退させて、舷側連結軸14の船外端部の
後面15が艀1の溝5の後方面6に接触するまで液圧シ
リンダー23に作動を続けさせる。
に圧液を送って、舷側連結軸14を、その先端17が多
段式噛み合い歯列10の凹み9,9′,9″....の
うち同一高さにあるものを自動的に選んでそれに嵌入し
終わるまで前進させ、停止した位置で保持する。次に再
度船首側の液圧シリンダー23を作動させて船首連結軸
21を更に前進させ、先端22を凹み19,19′,1
9″....のうちの嵌入したものに完全に嵌入し、更
に押し船3を後退させて、舷側連結軸14の船外端部の
後面15が艀1の溝5の後方面6に接触するまで液圧シ
リンダー23に作動を続けさせる。
【0021】後面15が後方面6に接触したところで液
圧シリンダー23の作動は停止し、この段階で両液圧シ
リンダー18,23内の圧力をポンプや蓄圧器等によっ
て保持してやれば、図9に示すような状態で連結は完了
する。この状態で、押し船3は艀1の船体に両舷の舷側
連結軸14及び船首連結軸21の三個所で支持されて、
固定(剛)連結が形成されているから、波浪中を航行す
る場合、両船は一体物として運動し、両船間の相対運動
は起こらない。
圧シリンダー23の作動は停止し、この段階で両液圧シ
リンダー18,23内の圧力をポンプや蓄圧器等によっ
て保持してやれば、図9に示すような状態で連結は完了
する。この状態で、押し船3は艀1の船体に両舷の舷側
連結軸14及び船首連結軸21の三個所で支持されて、
固定(剛)連結が形成されているから、波浪中を航行す
る場合、両船は一体物として運動し、両船間の相対運動
は起こらない。
【0022】このような固定連結で航海した後に目的港
に到着し、荷役を行なう場合は、先ず船首側の液圧シリ
ンダー23を後退に作動させて船首連結軸21を引込
み、この船首連結軸21による連結を解除する。次に舷
側の液圧シリンダー18を後退に作動させて舷側連結軸
14をごく僅かに後退させて停止し、直ちに押し船3を
若干前進させ、舷側連結軸14の船外端部の前面16が
艀1の溝5の前方面7に接触して押し船3が停止した
ら、直ちに液圧シリンダー18を作動させて舷側連結軸
14を溝5の前方面7沿いに間隔12の中へ差し込んで
ゆく。
に到着し、荷役を行なう場合は、先ず船首側の液圧シリ
ンダー23を後退に作動させて船首連結軸21を引込
み、この船首連結軸21による連結を解除する。次に舷
側の液圧シリンダー18を後退に作動させて舷側連結軸
14をごく僅かに後退させて停止し、直ちに押し船3を
若干前進させ、舷側連結軸14の船外端部の前面16が
艀1の溝5の前方面7に接触して押し船3が停止した
ら、直ちに液圧シリンダー18を作動させて舷側連結軸
14を溝5の前方面7沿いに間隔12の中へ差し込んで
ゆく。
【0023】この舷側連結軸14の前進運動はその船外
端部の後面15が多段噛み合い歯列10の前面11に接
触したところで停止し、先端17と溝5の底面8との間
には僅かな間隙が残ることになる。この状態を図10に
示す。ここで、舷側連結軸14を上記のように停止した
位置で保持してやれば、艀1の吃水が荷役により変化す
るに従って舷側連結軸14の船外端部は溝5の前方面7
と多段式噛み合い歯列10の前面11との間の間隔12
に嵌入したまま上向きまたは下向きに滑り、押し船3は
艀1の凹所2内に保持されたまま自動的に吃水調整でき
ることになる。
端部の後面15が多段噛み合い歯列10の前面11に接
触したところで停止し、先端17と溝5の底面8との間
には僅かな間隙が残ることになる。この状態を図10に
示す。ここで、舷側連結軸14を上記のように停止した
位置で保持してやれば、艀1の吃水が荷役により変化す
るに従って舷側連結軸14の船外端部は溝5の前方面7
と多段式噛み合い歯列10の前面11との間の間隔12
に嵌入したまま上向きまたは下向きに滑り、押し船3は
艀1の凹所2内に保持されたまま自動的に吃水調整でき
ることになる。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記の如くであって、実開平3
−42492号公報に開示されている本出願人等の考案
に係る連結装置のような波の影響下での連結は困難であ
るが、波の影響が事実上無視できる港内での連結は何等
支障なく行ない得るもので、連結完了後は該公報に開示
されている連結装置と全く同じ対航性能を確保すること
ができる。また、入港後の荷役中は、押し船は艀に連結
したまま艀の荷役による吃水変化に人手を全く要しない
で自動的に順応できる。
−42492号公報に開示されている本出願人等の考案
に係る連結装置のような波の影響下での連結は困難であ
るが、波の影響が事実上無視できる港内での連結は何等
支障なく行ない得るもので、連結完了後は該公報に開示
されている連結装置と全く同じ対航性能を確保すること
ができる。また、入港後の荷役中は、押し船は艀に連結
したまま艀の荷役による吃水変化に人手を全く要しない
で自動的に順応できる。
【0025】そして、上記公報に開示されている連結装
置は押し船の艀に対する前後位置と方向が舷側連結軸2
本のみによって定められ、船首連結軸は単に押し船船首
の上下動を止める役割のみを果たしているのに対し、本
発明では船首連結軸が押し船の前後位置と方向を定める
上に不可欠な役割を担っており、これが構造の簡易化と
停泊荷役中の吃水変化への自動順応とを可能にするため
に役立っている。
置は押し船の艀に対する前後位置と方向が舷側連結軸2
本のみによって定められ、船首連結軸は単に押し船船首
の上下動を止める役割のみを果たしているのに対し、本
発明では船首連結軸が押し船の前後位置と方向を定める
上に不可欠な役割を担っており、これが構造の簡易化と
停泊荷役中の吃水変化への自動順応とを可能にするため
に役立っている。
【0026】更にまた、押し船の船首防舷材が艀の凹所
最奥端に接触した後は、船首連結軸を押し出す動作から
始まる一連の動作は総て液圧シリンダー等の動力装置に
よって順序を踏んで行なわれるため、連結のための人力
作業は直接必要とせず、操舵室よりの完全な遠隔操作に
より航海のための連結、荷役のための吃水調整可能な連
結への移行及び切離し等の作業を極めて容易かつ安全に
行なうことができる。
最奥端に接触した後は、船首連結軸を押し出す動作から
始まる一連の動作は総て液圧シリンダー等の動力装置に
よって順序を踏んで行なわれるため、連結のための人力
作業は直接必要とせず、操舵室よりの完全な遠隔操作に
より航海のための連結、荷役のための吃水調整可能な連
結への移行及び切離し等の作業を極めて容易かつ安全に
行なうことができる。
【図1】本発明の実施例を一部を切断して示す平面図で
ある。
ある。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図1に示す溝の部分拡大斜視図である。
【図5】図1に示す舷側連結軸の一部を示す側面図であ
る。
る。
【図6】図5に示すものの平面図である。
【図7】図1に示す船首連結軸の一部を示す側面図であ
る。
る。
【図8】図7に示すものの平面図である。
【図9】図1に示すものが三点支持固定連結を完了した
状態を示す平面図である。
状態を示す平面図である。
【図10】図1に示すものが自動吃水調整可能に連結さ
れた状態を示す平面図である。
れた状態を示す平面図である。
1は艀
2は凹所
3は押し船
4は船首
5は溝
6は後方面
7は前方面
8は底面
9,9′,9″は凹み
10は多段式噛み合い歯列
11は前面
12は間隔
14は舷側連結軸
15は後面
16は前面
17は先端
18は液圧シリンダー
19,19′,19″は凹み
21は船首連結軸
22は先端
23は液圧シリンダー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B63B 21/56
B63B 35/70
Claims (2)
- 【請求項1】 押し船の船体に該押し船の両舷から横方
向へ向かって水平に突出自在である舷側連結軸を、また
船首端に該船首端から船体の長さ方向へ向かつて水平に
突出自在である船首連結軸をそれぞれ液圧シリンダー等
に関係付けて設け、一方、艀の船尾には押し船の船首を
挿入できる凹所を形成して、舷側連結軸と船首連結軸に
より三点支持の形で押し船と艀の固定連結ができる押し
船と艀との連結装置において、上記凹所の両側壁には該
凹所に向かって開口し垂直方向に延びる溝を設け、この
溝には底面と艀の前後中心線とほぼ直角をなす後方面と
の角部に沿って上部から下部に向かってほぼ等間隔に多
段的に並べられ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記
舷側連結軸の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを有
する多段式噛み合い歯列を設けて、その多段式噛み合い
歯列の前面と溝の前方面との間には該前方面と上記前面
とに舷側連結軸の船外端部の前後両面がそれぞれ当接し
て嵌入できる間隔を形成し、一方、上記凹所の最奥端に
は垂直方向中心線に沿って上記多段式噛み合い歯列の凹
みと等しい間隔で上部から下部に向かって多段的に並べ
られ一つ一つは凹所に向かって開口し、上記船首連結軸
の先端を密着嵌入できる同一形状の凹みを設けて成るこ
とを特徴とする押し船と艀との連結装置。 - 【請求項2】 溝の前方面は艀の凹所に向かって該溝の
幅が次第に大きくなるような斜面に、また舷側連結軸の
船外端部の前面は上記前方面の斜面と平行な平面にそれ
ぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の押
し船と艀との連結装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13094395A JP3424054B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 押し船と艀との連結装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13094395A JP3424054B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 押し船と艀との連結装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08290797A JPH08290797A (ja) | 1996-11-05 |
JP3424054B2 true JP3424054B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=15046303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13094395A Expired - Fee Related JP3424054B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 押し船と艀との連結装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3424054B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110001880A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-07-12 | 达器船用推进器(江苏)有限公司 | 一种推轮、驳船液压联结系统装置 |
CN110979561B (zh) * | 2019-12-31 | 2021-01-15 | 威海海洋职业学院 | 船舶外板顶推加强结构 |
CN113895581A (zh) * | 2021-11-19 | 2022-01-07 | 上海船舶研究设计院(中国船舶工业集团公司第六0四研究院) | 顶推组合体驳船与推轮的快速链接方法 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP13094395A patent/JP3424054B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08290797A (ja) | 1996-11-05 |
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