JP3422358B2 - 静電容量形レベル測定装置 - Google Patents

静電容量形レベル測定装置

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JP3422358B2 JP09390298A JP9390298A JP3422358B2 JP 3422358 B2 JP3422358 B2 JP 3422358B2 JP 09390298 A JP09390298 A JP 09390298A JP 9390298 A JP9390298 A JP 9390298A JP 3422358 B2 JP3422358 B2 JP 3422358B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は静電容量形レベル測
定装置に係り、液体の液面レベル(液位)を測定する静
電容量形レベル測定装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体製造装置の洗浄槽における薬液レ
ベル測定、食料加工装置における液体食品のレベル測
定、一般的な工場における液体レベル測定には、例えば
静電容量形レベル測定装置が用いられる。従来、この種
の静電容量形レベル測定装置は、図7に示すように、被
測定液1の入った絶縁槽3内へ細長い補助電極5および
主電極7を液面上側から挿入し、信号源9から例えば補
助電極5に加えた交流電流を主電極7を介して出力さ
せ、この出力電流から被測定液1の液位を測定する構成
が良く知られている。 【0003】一般に、補助電極5と主電極7間に生じる
静電容量値は、それら補助電極5と主電極7間の距離が
一定であれば、それらの面積および介在物質の誘電率に
比例するから、補助電極5と主電極7間に介在する気体
や被測定液1の誘電率の差の変化、すなわち被測定液1
の液位変化に比例して静電容量値が変化し、この静電容
量値の変化に伴った交流電流が主電極7から出力され
る。そのため、主電極7から出力された交流電流を変換
部11で交流電圧に変換し、これを整流平滑部13で整
流平滑し、調整部15で基準点(零レベル点)と出力勾
配(フルスケール)を調整すれば、被測定液1の液位に
応じた測定信号を出力することが可能である。 【0004】もっとも、被測定液1が導電性である場合
には、補助電極5および主電極7が被測定液1に触れた
瞬間に短絡状態となって液位測定が困難となるので、補
助電極5および主電極7の外周を絶縁層17、19で均
一な厚さに被覆することが行われている。そして、絶縁
層17、19で被覆した補助電極5および主電極7を用
いる静電容量形レベル測定装置は、絶縁性の被測定液1
の液位レベル測定にも使用可能である。そこで、絶縁層
17、19で被覆した補助電極5および主電極7を用い
た静電容量形レベル測定装置において、導電性液体の液
位レベル測定の考え方を説明する。 【0005】図7において、気体(空気)で囲まれた絶
縁層17、19間の静電容量をCa、この静電容量Ca
に直列に形成される絶縁層17、19の静電容量をCe
1、Ce2、被測定液1で囲まれた絶縁層17、19間
の等価抵抗をR1、R2、これら等価抵抗R1、R2に
直列に形成される絶縁層17、19の静電容量をC1
1、Cl2、補助電極5および主電極7の下方先端の絶
縁層17、19で形成される静電容量をCs1、Cs
2、これら静電容量Cs1、Cs2間の被測定液1によ
る等価抵抗をR4、R5、等価抵抗R1とR2の直列回
路と等価抵抗R4とR5の直列回路間の等価抵抗をR3
とすれば、補助電極5および主電極7間の等価回路は図
8のようになる。 【0006】液位レベル測定を考えるうえで、便宜上、
等価抵抗R1〜R5は無視することが可能であるから、
図8の等価回路は図9Aのように書換えられる。さら
に、補助電極5および主電極7、絶縁層17、19が互
いに同一寸法であれば、 Cl1=Cl2=Cl、 Cs1=Cs2=Cs となり、静電容量Ce1、Ca、Ce2の直列回路をC
Aとしたとき、図9Aは更に同図Bのように簡略化され
る。 【0007】ここで、図7中の絶縁槽3内において、被
測定液1が空の場合、補助電極5と主電極7間の気体に
よる静電容量をCAo、補助電極5および主電極7の長
さLoに対する絶縁層17、19の各静電容量をCl
o、主電極7の液中高をLとした場合、 Cl=(L/Lo)Clo CA= 〔(Lo−L)/Lo〕CAo となり、補助電極5と主電極7間の合成静電容量Cは、 C=〔(Cl+Cs)/2〕+CA ={〔(L/2Lo)Clo〕+〔(Lo−L)/Lo)CAo〕 +(Cs/2)〕} ={(L/Lo)〔(Clo/2)−CAo〕}+CAo+(Cs/2) となる。 【0008】補助電極5および主電極7の位置および寸
法が絶縁槽17、19を含めて一定であれば、それら静
電容量CAoとCs/2は定数となるから、図5中の調
整部15により〔CAo+(Cs/2)〕を電気的に差
演算することにより、 C={(L/Lo)〔(Clo/2)−CAo〕}+CAo+(Cs/2)− 〔CAo+(Cs/2)〕 =(L/Lo)〔(Clo/2)−CAo〕 となり、被測定液1の液位レベルに比例した静電容量を
得ることができる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の静電容量式レベル測定装置では、上述した式
が成立するには、静電容量CAo、Cs1、Cs2が定
数であることが条件となるが、実際には、電極周囲の温
度変化等によって絶縁層17、19の伸びが発生した場
合、静電容量CAo、Cs1、Cs2が変化し、演算結
果に影響を及ぼして正確な液位レベルの測定が困難とな
る問題点があった。 【0010】もっとも、符号Cloは絶縁層17、19
の厚み方向の静電容量であることから、その変化率は静
電容量Cs1、Cs2の変化率に比べて比較的小さいこ
とが知られており、更に、補助電極5と主電極7間の間
隔変化が極めて小さいことから補助電極5と主電極7間
の気体(空気)の静電容量Caは殆ど変化しない。従っ
て、それら直列合成静電容量CAoの変化率は、静電容
量Cs1、Cs2の変化率に比べて比較的小さいことが
知られている。 【0011】ところが、棒状の補助電極5および主電極
7は、上部根本を固定することが一般的であり、主にそ
の材料として金属が用いられることから、温度変化等に
よる絶縁層17、19の伸びが発生した場合、長さ方向
の伸びが積算して表れる。そのため、補助電極5および
主電極7との伸び率の差により、補助電極5および主電
極7の先端部にて絶縁層17、19との間に空隙23が
発生し易く、電極先端部の静電容量Cs1、Cs2が大
きく変化し易く、測定結果に少なからず影響を及ぼして
いた。 【0012】もっとも、絶縁層17、19の伸び率を補
助電極5および主電極7をそれに合せて適当な金属材料
を組合せることも考えられるが、誘電率などの電気的諸
物性や耐食性等が重要素となる絶縁層17、19では、
その伸び率を補助電極5および主電極7に合わせるよう
に材料を選定することは極めて困難である。 【0013】そこで、従来から例えば図10に示すよう
に、電極先端から先の絶縁層17、19の厚さ(t)を
大きく選定し、主電極7の先端と絶縁層17、19の空
隙の発生による静電容量Cs1、Cs2への影響を小さ
くしていた。しかしながら、このような構成では、静電
容量Cs1、Cs2への影響を小さくしただけであるこ
とから、電極長さや計測範囲の程度によって影響の度合
いが変化し、必ずしも安定した対策とはならなかった。 【0014】また、液面レベルを極力容器底部まで計測
したい場合、絶縁層17、19の先端部の厚さtを小さ
くすることが困難となる問題があった。なお、図10の
被測定液体1が絶縁性の場合や絶縁層3が金属等の導電
性材質に置き換わった構成でも、液面レベル計測は可能
であるが、同様の問題があった。 【0015】本発明はそのような従来の欠点を解決する
ためになされたもので、周囲温度の変化等により主電極
や補助電極と絶縁層との間に発生する空隙の影響を受け
ることなく、液位レベルを測定できる静電容量形レベル
測定装置の提供を目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】そのような課題を解決す
るために本発明の静電容量形レベル測定装置は、被測定
液中へ下方に向けて挿入される細長い主電極と、この主
電極と一定の間隔を置いて並行な位置関係でその被測定
液中へ下方に向けて挿入される細長い補助電極と、この
補助電極に交流信号を印加する信号源と、その主電極の
先端に間隔を置き補助電極に沿って配置された同電位電
極と、それら主電極および同電位電極間の交流的な同電
位状態を形成する同電位形成部とを具備し、その主電極
からの出力信号によって被測定液の液位を測定するもの
である。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。なお、従来例と共通する部分には
同一の符号を付す。図1は本発明に係る静電容量形レベ
ル測定装置の実施の形態例を示す図である。図1におい
て、絶縁槽3は公知の絶縁材料から形成された容器であ
り、導電性の被測定液1が入れられている。 【0018】この絶縁槽3には、円柱状の補助電極5お
よび円筒状の主電極7が、下方向に向け所定の間隔dを
隔てて並行に被測定液1中に挿入され、絶縁槽3から上
端部が多少突出している。絶縁槽3内において、主電極
7の下方先端には、僅かな間隔を置いて短い棒状又は円
板状の同電位電極25が各々共軸的に配置され、主電極
7および同電位電極25が補助電極5に沿ってこれとほ
ぼ等長になっており、それら補助電極5、主電極7およ
び同電位電極25は図示しない保持手段にて保持されて
いる。 【0019】補助電極5は耐食性絶縁層で覆って円柱状
に形成され、主電極7および同電位電極25も別の耐食
性絶縁層で覆って円柱状に形成されている。補助電極5
の上側先端には、出力レベルの安定した例えば40KH
zの交流信号を発振出力する信号源9が接続されてい
る。主電極7の上側先端は、シールドケーブル27の芯
線27aを介してOP(オペ)アンプ29の反転入力端
子に接続され、同電位電極25は主電極7の中空部から
シールドケーブル27のシールド部27bを介してOP
アンプ29の非反転入力端子に接続されている。 【0020】OPアンプ29の非反転入力端子は零電位
(0V)に固定されており、その出力端子は帰還回路3
1を介して反転入力端子に接続される一方、整流平滑部
13に接続されている。そのため、OPアンプ29の出
力端子には、反転入力端子に加えられた電圧の逆極性の
電圧が出力され、帰還回路31を適当に選定して非反転
入力端子と反転入力端子が交流的に同一電位になってい
る。 【0021】従って、OPアンプ29は、帰還回路31
とともに主電極7を交流的に0電位と同一電位状態にす
る同電位形成部33として機能するとともに、主電極7
からの出力電流を電圧に変換する変換部(例えば図7中
の符号11)としての機能を有する。整流平滑部13
は、OPアンプ29からの出力信号を整流平滑するもの
で調整部15に接続されている。これら整流平滑部13
および調整部15の機能は従来例と同様である。 【0022】次に、このような構成の静電容量形レベル
測定装置の動作を説明する。まず、被測定液1が導電性
である場合を説明する。上述した図1において、補助電
極5と主電極7間の絶縁層17、19と気体(空気)を
介した静電容量をCa、補助電極5と被測定液1間にあ
って主電極7の液中高に相当する絶縁層17による静電
容量をCl1、主電極7と被測定液1間にあって主電極
7の液中高に相当するの絶縁層19による静電容量をC
l2、主電極7と同電位電極25間の静電容量をCk、
補助電極5と被測定液1間にあって同電位電極25の液
中高に相当する絶縁層17による静電容量をCh1、同
電位電極25と被測定液1間にあって同電位電極25の
液中高さに相当する絶縁層19による静電容量をCh
2、補助電極5先端と被測定液1間の絶縁層17による
静電容量をCs1、同電位電極25先端と被測定液1間
の絶縁層19による静電容量をCs2とすれば、被測定
液1が同電位電極25を超えた状態の等価回路は、導電
性液体中の抵抗値を便宜上短絡と見なした場合、図2の
ようになる。 【0023】また、主電極7と同電位電極25間は、同
電位形成部33によって電位差がないうえ共に0Vに固
定されているから、静電容量Ckには電流が流れず、図
2の等価回路は図3a、bおよび図4のように簡素化で
きるから、信号源9から印加された交流電圧をVoとす
れば、被測定液1の交流電位V1は次のようになる。 V1=Vo(Cl1+Cs1+Ch1)/(Cl1+Cs1+Ch1 +Cl2+Cs2+Ch2) …(1) 【0024】ここで、 α=(Cl1+Cs1+Ch1)/(Cl1+Cs1+
Ch1+Cl2+Cs2+Ch2) とすれば、被測定液1の交流電位V1は次のようにな
る。 V1=αVo …(2) 【0025】従って、補助電極5および主電極7の寸法
および材質が同じて、絶縁層17、19どうしの寸法お
よび材質が同じであれば、静電容量Cl1、Cl2、C
s1、Cs2、Ch1とCh2の間にはCl1=Cl
2、Cs1=Cs2、Ch1=Ch2の関係が成立し、
被測定液1の交流電位V1は常に1/2Voとなる。こ
の場合、符号Cl1、Cl2は被測定液1の液面高によ
って変化する静電容量値であって液位変化によって同率
で変化し、符号Cs1、Cs2、Ch1、Ch2は液面
高によって変化しないものの環境温度変化等によって変
化する静電容量値であり、同一寸法、同一材質の使用に
よりほぼ同率で変化するから、被測定液1の交流電位V
1の値は、変化率が分母、分子同率により打ち消されて
変化しない。 【0026】また、図1〜図4では省略したが、実際に
は補助電極5側の静電容量は主電極7側の主電極7と同
電位電極25の隙間分の高さ相当分だけ大きくなるか
ら、上述した符号αは1/2より幾分大きくなるもの
の、その場合の分子と分母の変化率はほぼ同率であり、
被測定液1の交流電位V1は変化しない。この条件は、
静電容量Cl1、Cs1、Ch1と静電容量Cl2、C
s2、Ch2の変化率が同率であれば符号αが一定値と
なり、補助電極5と主電極7、絶縁層17、19どうし
の寸法が相似で材質が同じであれば、同一の効果が得ら
れる。 【0027】このように、図1の構成では被測定液1の
交流電位V1が一定となるから、主電極7に入力される
交流電流i1は、印加交流電圧の角速度をωとすれば、 i1=ωαVoCl2+ωVoCa …(3) となる。 【0028】ここで、主電極7の全長Loが全て被測定
液中にあるとした場合の主電極7と被測定液1間の絶縁
層17による静電容量をClo、主電極7が全て気体
(空気)中にあるときの補助電極5と主電極7間の絶縁
層17、19と気体(空気)を介した静電容量をCa
o、主電極7の液中高をLとすると、被測定液1が同電
位電極25を超えた状態の交流電流i1は、 i1=ωαVo(L/Lo)Clo+ωVo[(Lo−L)/Lo]Cao =ωVo(L/Lo)(αClo−Cao)+ωVoCao …(4) となる。 【0029】ここで、ωVo、α、Clo、Caoはい
ずれも定数であるから、ωVo(αClo−Cao)を
「A」とし、ωVoCaoを「B」とすれば、主電極7
から出力される交流電流i1は、 i1=(L/Lo)A+B となる。 【0030】他方、同電位電極25からの交流電流i2
は、シールド部27bを介してOPアンプ29に流れ込
むものの測定信号に影響を与えないから、実質的に被測
定液1の液位にほぼ比例した測定信号がOPアンプ29
の出力端子から出力され、これを整流平滑部13で整流
平滑し、調整部15で調整すれば、環境温度変化等によ
って変化し易い、電極先端部のCs1、Cs2の変化に
影響されない被測定液1のレベル計測が可能となる。 【0031】次に、被測定液1が絶縁性である場合を説
明する。上述した図1の構成において、被測定液1が絶
縁性の場合では、補助電極5と主電極7間の絶縁層1
7、19と気体(空気)を介した静電容量をCa、補助
電極5と主電極7間にあって被測定液1中の絶縁層1
7、19と被測定液体1を介した静電容量をC1、主電
極7と同電位電極25間の静電容量をCk、補助電極5
と同電位電極25間にあって絶縁層17、19と被測定
液1を介した静電容量をCh、補助電極5先端と被測定
液1間の絶縁層17による静電容量をCs1、同電位電
極25先端と被測定液1間の絶縁層19による静電容量
をCs2、静電容量Cs1とCs2間にあって被測定液
体1の静電容量をCs3とすれば、その容量分布は図5
に示すようになる。 【0032】しかも、被測定液1が同電位電極25を超
えた状態の等価回路は、図6に示すようになる。そし
て、信号源9から補助電極5に印加された交流信号Vo
は、主電極7から交流電流i1としてシールドケーブル
27の芯線27aを介してOPアンプ29へ出力される
一方、同電位電極25から交流電流i2がそのシールド
部27bを介してOPアンプ29へ出力され、出力信号
が整流平滑部13にて整流平滑されて測定信号として出
力される。 【0033】ここで、被測定液1がある程度貯留された
状態の等価回路は、図6に示すようになり、同電位電極
25を流れる交流電流i2は、符号Voを信号源9から
の出力信号レベル、符号ωをその出力信号の角速度とす
れば、 i2=ωVo{Ch+(Cs1・Cs2・Cs3)/ (Cs1・Cs2+Cs1・Cs3+Cs2・Cs3)} …(1) となり、これがOPアンプ29の非反転入力端子へ流れ
るが、液位測定には無関係となる。 【0034】他方、主電極7から出力される交流電流i
1は、 i1=ωVo(Ca+Cl) … (2) となり、これがOPアンプ29の反転入力端子へ流れる
とともに、被測定液1の液位に比例して静電容量(Ca
+Cl)が変化するので、この交流信号が被測定液1の
液位に比例した出力値となる。 【0035】そして、主電極7と同電位電極25間に静
電容量Ckが形成されるものの、主電極7に対して同電
位電極25間が常に同電位(0V)に制御されてこの間
に電流が流れないから、同電位電極25によって形成さ
れる静電容量Ck、Ch、Cs1、Cs2、Cs3の存
在が除去される。そのため、図5に示すように、長さL
oの主電極7全体が気体(空気)に囲まれているときの
主電極7と同電位電極25間の絶縁層17、19と気体
(空気)を介した静電容量をCao、主電極7全体が被
測定液1に囲まれているときの主電極7と同電位電極2
5間の絶縁層17、19と被測定液1を介した静電容量
をClo、主電極7の液中高さをLとしたとき、主電極
7と補助電極5間に形成される合成静電容量Cは次のよ
うになる。 【0036】 C=Cl+Ca =(L/Lo)Clo+{(Lo−L)/Lo}Cao ={(L/Lo)(Clo−Cao)}+Cao そして、主電極7から出力される交流電流i1は次のよ
うになる。 i1=ωVo{(L/Lo)(Clo−Cao)+Cao} =(L/Lo)ωVo(Clo−Cao)+ωVoCao 【0037】ここで、ωVo、Clo、Caoはいずれ
も定数であるから、ωVo(Clo−Cao)を「A」
とし、ωVoCaoを「B」とすれば、主電極7から出
力される交流電流i1は、 i1=(L/Lo)A+B となる。 【0038】従って、被測定液1が絶縁性であっても導
電性の場合と同様に、OPアンプ29の出力端子から
は、実質的に被測定液1の液位にほぼ比例した測定信号
が出力され、これを整流平滑部13で整流平滑し、調整
部15で調整すれば、環境温度変化等によって変化し易
い電極先端部のCs1、Cs2の変化に影響されない被
測定液1のレベル計測が可能となる。 【0039】このように図1に示す静電容量形レベル測
定装置では、絶縁槽3内の被測定液1中へ間隔dを隔て
て並行に補助電極5および主電極7を配置し、この主電
極7の下方先端に僅かの間隔で同電位電極25を配置
し、補助電極5に信号源9から交流信号を加えて主電極
7から液位に比例した電流を出力させ、同電位形成部3
3にてそれら主電極7に対して同電位電極25を交流的
に同電位状態としたから、それら主電極7と同電位電極
25間に電流が流れない。そのため、環境変化、特に温
度変動等によって絶縁層17、19に伸びが発生しても
その影響を受け難くなり、被測定液1の液位レベルを再
現性良く測定できる。 【0040】なお、図5に係る静電容量形レベル測定装
置において、補助電極5、主電極7および同電位電極2
5の寸法は同一である必要性はなく、間隔が一定であれ
ば良い。図1および図5において、補助電極5および主
電極7の形状は円柱又は円筒状である必要はなく、四角
柱、多角柱、楕円柱等で実施可能であり、同電位電極2
5もそれに合せた形状で形成すれば良い。 【0041】本発明において、上述した各同電位形成部
33は、一例であってOPアンプ29と帰還回路31等
からなる構成に限定されず、同電位にする他の電子回路
で同様に実施可能である。本発明に係る静電容量形レベ
ル測定装置は、上述した各形態例のように絶縁槽3に被
測定液1を溜める構成に限らず、広く一般的な容器、水
処理等の貯水槽、自然界のダムや河川等々の液面レベル
測定に適用可能である。 【0042】 【発明の効果】以上説明したように本発明の静電容量形
レベル測定装置は、絶縁槽内の被測定液中へ間隔を隔て
て補助電極および主電極を並行配置し、この主電極の下
方先端に僅かの間隔で同電位電極を配置し、補助電極に
信号源から交流信号を加えて主電極から液位に比例した
電流を出力させ、同電位形成部にて主電極と同電位電極
間を交流的に同電位状態としてなるから、それら主電極
と同電位電極間に電流が流れず、温度変動等による環境
変化により、絶縁層の伸びが発生してもその影響を受け
難く、被測定液の液位レベルを再現性良く測定できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る静電容量形レベル測定装置の実施
の形態を示す図である。 【図2】図1の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図3】図1の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図4】図1の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図5】本発明の静電容量形レベル測定装置の他の実施
の形態を示す図である。 【図6】図5の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図7】従来の静電容量形レベル測定装置を示す図であ
る。 【図8】図7の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図9】図7の静電容量形レベル測定装置の等価回路図
である。 【図10】図7の静電容量形レベル測定装置の使用例を
説明する図である。 【符号の説明】 1 被測定液 3 絶縁槽 5 補助電極 7 主電極 9 信号源 11 変換部 13 整流平滑部 15 調整部 17、19 絶縁層 23 空隙 25 同電位電極 27 シールドケーブル 27a 芯線 27b シールド部 29 OPアンプ(オペアンプ) 31 帰還回路 33 同電位形成部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被測定液中へ下方に向けて挿入される細
    長い主電極と、 この主電極と一定の間隔を置いて並行な位置関係で前記
    被測定液中へ下方に向けて挿入される細長い補助電極
    と、 この補助電極に交流信号を印加する信号源と、 前記主電極の先端に間隔を置き前記補助電極に沿って配
    置された同電位電極と、 前記主電極および同電位電極間の交流的な同電位状態を
    形成する同電位形成部と、 とを具備し、 前記主電極からの出力信号によって前記被測定液の液位
    が測定されるものであることを特徴とする静電容量形レ
    ベル測定装置。
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