JP3422201B2 - 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置 - Google Patents

内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置

Info

Publication number
JP3422201B2
JP3422201B2 JP00151897A JP151897A JP3422201B2 JP 3422201 B2 JP3422201 B2 JP 3422201B2 JP 00151897 A JP00151897 A JP 00151897A JP 151897 A JP151897 A JP 151897A JP 3422201 B2 JP3422201 B2 JP 3422201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
preignition
ignition
occurrence
ion current
generation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00151897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10196506A (ja
Inventor
元希 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP00151897A priority Critical patent/JP3422201B2/ja
Publication of JPH10196506A publication Critical patent/JPH10196506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3422201B2 publication Critical patent/JP3422201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレイグニッショ
ンが起きたときに発生するイオンによってイオン電流を
生じさせ、そのイオン電流に基づきプレイグニッション
を検出してその発生位置を検出する内燃機関のプレイグ
ニッション発生位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用エンジン等の内燃機関
は、そのシリンダブロック内にピストンが往復移動可能
に設けられ、ピストンはコンロッドを介して内燃機関の
クランクシャフト(出力軸)に連結されている。そし
て、ピストンの往復移動は、コンロッドによりクランク
シャフトの回転へと変換されるようになっている。又、
シリンダブロックにはシリンダヘッドが取り付けられ、
シリンダヘッドとピストンの頭部との間には燃焼室が設
けられている。更に、シリンダヘッドには、燃焼室に連
通する吸気通路及び排気通路と、燃焼室内へ向けて燃料
を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内の混合ガスに対し点
火を行なうための点火プラグとが設けられている。
【0003】そして、内燃機関の吸気行程においては、
吸気通路を介して燃焼室へ空気が吸入されるとともに、
燃料噴射弁から燃焼室へ向かって燃料が噴射され、その
空気と燃料とからなる混合ガスが燃焼室に充填される。
その後、内燃機関の圧縮行程において、ピストンの移動
により燃焼室内の混合ガスが圧縮される。圧縮された混
合ガスは点火プラグにより点火されて爆発し、その爆発
力によりピストンが前記と逆方向に移動して内燃機関は
爆発行程に移る。その後、内燃機関の排気行程におい
て、ピストンの移動により燃焼室内の排気ガスが排気通
路を介して外部へ排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
内燃機関においては、点火プラグの点火時期よりも前に
燃焼室内の混合ガスが自然着火し、いわゆるプレイグニ
ッションと呼ばれる異常燃焼が発生する場合がある。こ
うしたプレイグニッションを検出するための装置として
は、例えば特開昭61−187558号公報に記載され
たものが知られている。
【0005】同装置は、プレイグニッションの発生を検
出するためのイオンセンサを備えている。このイオンセ
ンサは、プレイグニッションが起きたときに発生するイ
オンによってイオン電流が流れる構成となっており、同
イオン電流が流れたときに検出信号を出力する。そし
て、上記公報に記載の装置では、イオンセンサからの検
出信号に基づいてプレイグニッションの発生を検出して
いる。
【0006】しかし、上記装置では、プレイグニッショ
ンの発生を検出することはできても、燃焼室内において
プレイグニッションが発生する位置を特定することはで
きない。そのため、プレイグニッションが発生する内燃
機関の修理に際しては、プレイグニッション発生の原因
を探るため、とりあえず点火プラグを交換して様子を見
るなどの作業が必要になる。また、プレイグニッション
発生の原因が分からないときには、シリンダヘッドを新
しいものに交換したり、場合によっては内燃機関自体を
新しいものに交換したりすることもあり、プレイグニッ
ション発生の解消に多大な時間や費用を費やすこととな
る。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃焼室内におけるプレイグ
ニッションの発生位置を好適に特定することのできる内
燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼室内でプ
レイグニッションが起こってイオンが発生したとき、そ
のイオンによって生じたイオン電流を検出するイオン電
流検出手段と、前記イオン電流検出手段の検出結果に基
づき、プレイグニッションの発生頻度を測定する発生頻
度測定手段と、前記発生頻度測定手段の測定結果に基づ
き、前記燃焼室内におけるプレイグニッションの発生位
置を判定する発生位置判定手段とを備えた。
【0009】同構成にあっては、プレイグニッションに
伴い発生するイオンがイオン電流検出手段に到達すると
イオン電流が流れ、イオン電流検出手段によって当該イ
オン電流が検出される。そして、イオン電流検出手段の
検出結果に基づき、発生頻度測定手段はプレイグニッシ
ョンの発生頻度を測定する。更に、発生頻度測定手段の
測定結果に基づき、発生位置判定手段は燃焼室内におけ
るプレイグニッションの発生位置を判定する。従って、
同構成によれば、この判定によりプレイグニッションの
発生位置を知り、内燃機関において交換が必要な部品を
特定することができるようになる。又、上記部品交換の
みでプレイグニッション発生解消のための内燃機関の修
理が完了するため、その修理は効率よく行われることと
なる。
【0010】請求項2記載の発明では、前記発生位置判
定手段は、前記発生頻度測定手段の測定結果に基づき、
プレイグニッションの発生頻度が大きいほど前記イオン
電流検出手段から離れた位置でプレイグニッションが発
生していると判定するものとした。
【0011】同構成によれば、プレイグニッションの発
生頻度が大きくなるほど、イオン電流検出手段から離れ
た位置でプレイグニッションが発生していると判定され
る。こうしたプレイグニッションは、その発生初期には
発生頻度が小さいとともに発生時期が遅く、その後に発
生頻度が徐々に大きくなるととともに発生時期が徐々に
早くなるといういう特性がある。そして、イオン電流検
出手段の近傍でプレイグニッションが発生している場合
には、プレイグニッションの発生頻度が小さく且つ発生
時期が遅くても、同プレイグニッションによって生じる
イオンがイオン電流検出手段に到達するのは、点火プラ
グにて着火された混合ガスの燃焼によって生じるイオン
がイオン電流検出手段に到達するよりも早くなる。従っ
て、プレイグニッションの発生頻度が小さいことに基づ
き、プレイグニッションの発生位置は、イオン電流検出
手段の近傍であることが的確に判定される。又、イオン
電流検出手段から離れた位置でプレイグニッションが発
生している場合には、プレイグニッションの発生頻度が
大きく且つ発生時期が早くならないと、同プレイグニッ
ションによって生じるイオンのイオン電流検出手段への
到達は、点火プラグにて着火された混合ガスの燃焼によ
って生じるイオンのイオン電流検出手段への到達よりも
早くならない。従って、プレイグニッションの発生頻度
が大きいことに基づき、プレイグニッションの発生位置
は、イオン電流検出手段から離れた位置であることが的
確に判定される。
【0012】請求項3記載の発明では、前記発生頻度測
定手段は、点火プラグによる点火回数をカウントすると
ともに、前記イオン電流検出手段の検出結果に基づきイ
オン電流の発生回数をカウントし、前記点火回数と前記
イオン電流発生回数とに基づいてプレイグニッションの
発生頻度を測定するものとした。
【0013】同構成によれば、点火回数とプレイグニッ
ションによるイオン電流発生回数とに基づいて、同プレ
イグニッションの発生頻度が測定されるため、その測定
を確実に行なうことができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるプレイグニ
ッション発生位置検出装置を自動車用エンジンに適用し
た一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0015】図1に示すように、エンジン11のシリン
ダブロック11aにはピストン12が往復移動可能に設
けられ、ピストン12はコンロッド13を介してエンジ
ンの出力軸であるクランクシャフト14に連結されてい
る。ピストン12の往復移動は、このコンロッド13に
よりクランクシャフト14の回転へと変換されるように
なっている。
【0016】シリンダブロック11aには、エンジン1
1における冷却水の温度を検出するための水温センサ1
1bが設けられている。又、シリンダブロック11aの
上端にはシリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッ
ド15とピストン12との間には燃焼室16が設けられ
ている。シリンダヘッド15には燃焼室16と連通する
吸気ポート17及び排気ポート18が設けられ、それら
吸気ポート17及び排気ポート18には、それぞれ吸気
バルブ19及び排気バルブ20が設けられている。
【0017】シリンダヘッド15には、吸気バルブ19
及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸気カムシャ
フト21及び排気カムシャフト22が回転可能に支持さ
れている。これら吸気及び排気カムシャフト21,22
はタイミングベルトを介してクランクシャフト14に連
結され、同ベルトによりクランクシャフト14の回転が
吸気及び排気カムシャフト21,22へ伝達されるよう
になっている。そして、吸気カムシャフト21が回転す
ると、吸気バルブ19が開閉駆動されて、吸気ポート1
7と燃焼室16とが連通・遮断される。又、排気カムシ
ャフト22が回転すると、排気バルブ20が開閉駆動さ
れて、排気ポート18と燃焼室16とが連通・遮断され
るようになっている。
【0018】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれインテークマニホールド30及びエキゾースト
マニホールド31が接続されている。このインテークマ
ニホールド30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、エキゾーストマニホールド31内及び排
気ポート18内は排気通路33となっている。インテー
クマニホールド30の上流部には、スロットルバルブ3
5が設けられている。スロットルバルブ35の開度は自
動車のアクセル操作に基づき調節され、このスロットル
バルブ35の開度調節により燃焼室16内へ吸入される
空気の量が調節されるようになっている。
【0019】又、インテークマニホールド30には、ス
ロットルバルブ35よりも下流側に位置する吸気通路3
2内の圧力を検出するための吸気圧センサ37が設けら
れている。更に、インテークマニホールド30における
燃焼室16側の端部には、燃焼室16内へ向かって燃料
を噴射するための燃料噴射弁38が設けられている。こ
の燃料噴射弁38は、空気が吸気通路32を通って燃焼
室16へ吸入されるとき、燃焼室16へ向けて燃料を噴
射し、燃料及び空気からなる混合ガスを形成するように
なっている。
【0020】一方、シリンダヘッド15には、点火プラ
グ39aが設けられている。そして、その点火プラグ3
9aにより燃焼室16内に充填された混合ガスに対して
点火が行われると、混合ガスは爆発して排気ガスになり
排気通路33へ送り出されるようになっている。点火プ
ラグ39aは、エンジン11に設けられたディストリビ
ュータ39を介して、イグナイタ40に接続されてい
る。そして、ディストリビュータ39には、エンジン1
1の回転に連動して回転する図示しないロータと、その
ロータの回転からエンジン11の回転数を検出する回転
数センサ41とが設けられている。
【0021】又、イグナイタ40はディストリビュータ
39を介して点火プラグ39aへ高電圧を印加するよう
になっており、点火プラグ39aの点火時期はイグナイ
タ40が出力する高電圧の出力タイミングによって決定
される。更に、イグナイタ40は、点火プラグ39aへ
高電圧を出力していないときには、その点火プラグ39
aへ低電圧を印加するようになっている。そして、点火
プラグ39aに低電圧が印加されているとき、燃焼室1
6内でプレイグニッションが起きてイオンが発生し、そ
のイオンが点火プラグ39aの電極に到達すると、同イ
オンにより点火プラグの電極間にイオン電流が流れるよ
うになっている。
【0022】次に、本実施形態におけるプレイグニッシ
ョン発生位置検出装置の電気的構成を図2に基づいて説
明する。このプレイグニッション発生位置検出装置は、
エンジン11の運転にかかる燃料噴射量や点火時期等を
制御するための電子制御ユニット(以下「ECU」とい
う)61を備えている。そして、ECU61は、ROM
62、CPU63、RAM64及びバックアップRAM
65等を備える論理演算回路として構成されている。
【0023】ここで、ROM62は各種制御プログラム
や、その各種制御プログラムを実行する際に参照される
マップ等が記憶されるメモリであり、CPU63はRO
M62に記憶された各種制御プログラムやマップに基づ
いて演算処理を実行する。又、RAM64はCPU63
での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時
的に記憶するメモリであり、バックアップRAM65は
エンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶する不
揮発性のメモリである。そして、ROM62、CPU6
3、RAM64及びバックアップRAM65は、バス6
6を介して互いに接続されるとともに、入出力インター
フェース67と接続されている。
【0024】入出力インターフェース67には回転数セ
ンサ41、吸気圧センサ37、水温センサ11b、イグ
ナイタ40、燃料噴射弁38及びエンジンチェックラン
プ42が接続されている。このエンジンチェックランプ
42は、プレイグニッションの発生を知らせるために自
動車の計器パネル等に設けられる。
【0025】次に、このように構成されたECU61を
通じて実行される制御態様について図4を参照して説明
する。この図4は、プレイグニッションの発生位置を検
出するための処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。同処理ルーチンは、ECU61を通じて点火プラグ
39aによる点火毎に実行される。
【0026】尚、プレイグニッションが発生した場合に
は、図3(b)に示すように、点火プラグ39aによる
点火よりも前に混合ガスに対し自然着火がなされる。そ
して、同混合ガスのプレイグニッションによる異常燃焼
に起因してイオンが発生し、そのイオンが点火プラグ3
9aに到達することにより同点火プラグ39aの電極間
にイオン電流が流れることとなる。これに対し、正常に
混合ガスの燃焼が行われた際には、図3(a)に示すよ
うに、点火プラグ39aによる点火が行われてから混合
ガスが燃焼してイオンが発生し、そのイオンが点火プラ
グ39aに到達することにより同点火プラグ39aの電
極間にイオン電流が流れることとなる。従って、ECU
61によるプレイグニッションの発生検出は、点火プラ
グ39aによる点火の前に発生したイオン電流を検出す
ることによって行われる。
【0027】さて、ECU61は、図4の処理ルーチン
におけるステップS101の処理として、上記の検出方
法を用いて今回の点火プラグ39aによる点火の際にプ
レイグニッションを検出したか否かを判断する。そし
て、プレイグニッションを検出していない場合にはステ
ップS104に進み、プレイグニッションを検出した場
合にはステップS102に進む。このステップS102
において、ECU61は、プレイグニッション発生フラ
グXPREとして「1」をバックアップRAM65にセ
ットする。続いて、ステップS103に進んでプレイグ
ニッションカウンタCPREを「1」だけカウントアッ
プし、更にステップS104に進む。尚、プレイグニッ
ションカウンタCPREのカウントアップは、プレイグ
ニッションによるイオン電流の発生に伴って行われる。
【0028】ECU61は、ステップS104の処理と
して、プレイグニッション発生フラグXPREが「1」
か否かを判断する。そして、「XPRE=1」でない場
合にはこの処理ルーチンを一旦終了させ、「XPRE=
1」である場合にはステップS105に進む。このステ
ップS105において、ECU61は、点火回数カウン
タCSPKを「1」だけカウントアップする。続いて、
ステップS106に進み、点火回数カウンタCSPKが
「100」以上か否かを判断する。そして、「CSPK
≧100」でない場合にはこの処理ルーチンを一旦終了
させ、「CSPK≧100」である場合にはステップS
107に進む。
【0029】ECU61は、ステップS107の処理と
して、プレイグニッションカウンタCPREのカウント
値の、点火回数カウンタCSPKのカウント値に対する
比率に基づいて、プレイグニッション発生頻度PSRを
算出する。その後、ステップS108に進み、プレイグ
ニッション発生頻度PSRが「10%」よりも多いか否
かを判断する。このステップS108の処理により、プ
レイグニッションの発生位置が点火プラグ39aの近傍
であるのか、或いは点火プラグ39aから離れて位置す
る排気バルブ20等の近傍であるのかが判定される。
【0030】即ち、「PSR>10%」である場合に
は、点火プラグ39aから離れた位置、例えば排気バル
ブ20の近傍でプレイグニッションが発生しいていると
判定され、ステップS109へ進む。そして、ステップ
S109においてECU61は、排気バルブプレイグニ
ッションフラグXPEXVとして「1」をバックアップ
RAM65にセットする。又、「PSR>10%」でな
い場合には、点火プラグ39aの近傍でプレイグニッシ
ョンが発生していると判定され、ステップS110へ進
む。そして、ステップS110においてECU61は、
点火プラグプレイグニッションフラグXPPRGとして
「1」をバックアップRAM65にセットする。
【0031】ECU61は、排気バルブプレイグニッシ
ョンフラグXPEXV、又は、点火プラグプレイグニッ
ションフラグXPPRGが「1」にセットされると、エ
ンジンチェックランプ42を点灯させる。このエンジン
チェックランプ42の点灯により、運転者はプレイグニ
ッションの発生を知ることができる。又、上記フラグX
PEXV,XPPRGが「1」にセットされると、EC
U61は、例えば燃料噴射弁11を制御して燃料噴射量
を多くすることにより、ピストン12等の温度を下げて
プレイグニッションを抑制する。
【0032】以上詳述した処理が行なわれる本実施形態
によれば、下記(a)〜(d)に示す効果が得られるよ
うになる。 (a)プレイグニッションは、その発生初期には発生頻
度が小さいとともに発生時期が遅く、その後に発生頻度
が徐々に大きくなるとともに発生時期が徐々に早くなる
という特性がある。
【0033】そして、点火プラグ39aの近傍でプレイ
グニッションが発生している場合には、プレイグニッシ
ョンの発生頻度が小さく且つ発生時期が遅くても、同プ
レイグニッションによって生じるイオンが点火プラグ3
9aに到達するのは、点火プラグ39aによって点火が
行われる前となる。これはプレイグニッションの発生位
置と点火プラグ39aとの距離が短いためである。そし
てその結果、点火プラグ39aの電極間に流れるイオン
電流の波形が図3(b)に示すようになるため、プレイ
グニッションの発生時期が遅くても、上記イオン電流に
基づいてプレイグニッションの発生を確実に検出するこ
とができる。従って、プレイグニッションの発生頻度P
SRが例えば10%以下と小さいことに基づき、プレイ
グニッションの発生位置が点火プラグ39aの近傍であ
ることを的確に判定することができる。
【0034】(b)点火プラグ39aから離れた位置、
例えば排気バルブ20の近傍でプレイグニッションが発
生している場合、プレイグニッションの発生頻度が小さ
く且つ発生時期が遅いときには、同プレイグニッション
によって発生するイオンが点火プラグ39aに到着する
前に、点火プラグ39aによる点火が行われる。これは
プレイグニッションの発生位置と点火プラグ39aとの
距離が長いためであり、その状態では発生したイオン電
流がプレイグニッションによるものなのか、通常の燃焼
によるものなのか判断できない。
【0035】そして、プレイグニッションの発生頻度が
大きく且つ発生時期が早くなると、同プレイグニッショ
ンによって生じるイオンの点火プラグ39aへの到達
が、点火プラグ39aによって点火が行われる前とな
る。その結果、点火プラグ39aの電極に流れるイオン
電流の波形が図3(b)に示すようになるため、上記イ
オン電流に基づいてプレイグニッションの発生を確実に
検出することができる。従って、プレイグニッションの
発生頻度PSRが例えば10%よりも大きいことに基づ
き、プレイグニッションの発生位置が点火プラグ39a
から離れている排気バルブ20の近傍であることを的確
に判定することができる。
【0036】(c)プレイグニッションの発生位置が点
火プラグ39aの近傍であることが判定されると、点火
プラグプレイグニッションフラグXPPRGとして
「1」がバックアップRAM65にセットされる。又、
プレイグニッションの発生位置が点火プラグ39aから
離れた位置、例えば排気バルブ20の近傍であることが
判定されると、排気バルブプレイグニッションフラグX
PEXVとして「1」がバックアップRAM65にセッ
トされる。そのため、プレイグニッションが発生したエ
ンジン1を修理する際には、バックアップRAM65に
セットされたフラグXPPRG,XPEXVを読み出す
ことにより、プレイグニッションの発生位置が点火プラ
グ39aの近傍であるか、或いは排気バルブ20の近傍
であるかを容易に知ることができる。
【0037】従って、点火プラグプレイグニッションフ
ラグXPPRGが「1」にセットされている場合には、
点火プラグ39aに異常があると判断することができる
ため、同点火プラグ39aを交換することによりエンジ
ン1の修理が完了する。又、排気バルブプレイグニッシ
ョンフラグXPEXVが「1」にセットされている場合
には、排気バルブ20に異常があると判断することがで
きるため、同排気バルブ20を交換することによりエン
ジン1の修理が完了する。そのため、プレイグニッショ
ン発生を解消するためのエンジン1の修理が容易にな
る。
【0038】(d)点火プラグ39aによる点火回数は
点火回数カウンタCSPKによってカウントされ、プレ
イグニッションによるイオン電流の発生回数はプレイグ
ニッションカウンタCPREによってカウントされる。
そして、点火回数カウンタCSPKのカウント値と、プ
レイグニッションカウンタCPREのカウント値とに基
づいてプレイグニッション発生頻度PSRを算出するこ
とにより、同発生頻度PSRの測定が完了する。従っ
て、そのプレイグニッション発生頻度PSRの測定を確
実に行なうことができる。
【0039】尚、本実施形態は、例えば以下のように変
更することもできる。 (1)本実施形態では、点火プラグ39aの電極間にイ
オン電流を発生させ、そのイオン電流の発生に基づきプ
レイグニッションを検出するようにしたが、本発明はこ
れに限定されない。即ち、点火プラグ39aと別途にイ
オンセンサを設け、そのイオンセンサをプレイグニッシ
ョンが起きたときに発生するイオンに基づきイオン電流
が流れる構成とする。そして、イオンセンサに流れるイ
オン電流に基づいてプレイグニッションを検出するよう
にしてもよい。
【0040】(2)本実施形態では、プレイグニッショ
ン発生頻度PSRが10%より大きい場合と、10%以
下の場合とでプレイグニッションの発生位置を判定した
が、本発明はこれに限定されない。即ち、プレイグニッ
ション発生頻度PSRを更に細かく区別して、プレイグ
ニッションの発生位置を一層細かく判定できるようにし
てもよい。
【0041】(3)本実施形態では、プレイグニッショ
ンが検出されたとき、同プレイグニッションを抑制する
ために燃料噴射量を多くしたが、これに代えて燃料カッ
ト、点火カット又は点火時期の遅延等の処置を講じても
よい。
【0042】(4)プレイグニッションが検出されたと
き、必ずしもプレイグニッションの抑制を行なう必要は
ない。プレイグニッションの抑制を行なわない場合に
は、ECU61を通じて実行される制御構成を簡単なも
のにすることができる。
【0043】(5)エンジンチェックランプ42を省略
し、プレイグニッションの発生をバックアップRAM6
5からフラグXPEXV,XPPRGを読み出すことの
みによって知るようにしてもよい。
【0044】(6)本実施形態では、点火プラグ39a
による点火毎に図4に示す処理ルーチンを実行したが、
エンジン11がプレイグニッションの起き易い運転状態
にあるときのみ、上記処理ルーチンを実行してもよい。
ここで、プレイグニッションが起き易いエンジン1の運
転状態とは、例えばエンジン回転数が3000rpm以
上の場合や、機関負荷が最大状態の60%以上の場合
や、エンジン12の冷却水温が高い場合等のことであ
る。
【0045】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)内燃機関の燃焼室内でプレイグニッションが起こ
ってイオンが発生したとき、そのイオンによって生じる
イオン電流を検出するとともに、同イオン電流の検出に
基づいてプレイグニッションの発生頻度を測定し、その
プレイグニッションの発生頻度に基づき前記燃焼室内に
おけるプレイグニッションの発生位置を判定する内燃機
関のプレイグニッション発生位置検出方法。この場合、
プレイグニッション発生位置の検出に基づき、プレイグ
ニッションが発生した内燃機関の修理を効率よく行なう
ことができる。
【0046】(ロ)上記(イ)に記載の内燃機関のプレ
イグニッション発生位置検出方法において、プレイグニ
ッションの発生頻度が大きいほどイオン電流検出位置か
ら離れた位置でプレイグニッションが発生していると判
定する内燃機関のプレイグニッション発生位置検出方
法。この場合、プレイグニッションの発生位置を的確に
検出することができる。
【0047】(ハ)上記(イ)又は(ロ)に記載の内燃
機関のプレイグニッション発生位置検出方法において、
点火プラグによる点火回数をカウントするとともに、プ
レイグニッションによる前記イオン電流の発生回数をカ
ウントし、前記点火回数と前記イオン電流発生回数とに
基づいてプレイグニッションの発生頻度を測定する内燃
機関のプレイグニッション発生位置検出装方法。この場
合、プレイグニッションの発生頻度を確実に測定するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、プレイグ
ニッションの発生頻度に基づき、燃焼室内におけるプレ
イグニッションの発生位置が判定される。そして、この
判定によりプレイグニッションの発生位置を知り、内燃
機関において交換が必要な部品を特定することができ
る。従って、上記部品交換のみでプレイグニッション発
生解消のための内燃機関の修理が完了するため、その修
理を効率よく行うことができるようになる。
【0049】請求項2記載の発明によれば、プレイグニ
ッションの発生頻度が小さいことに基づき、プレイグニ
ッションの発生位置は、イオン電流検出手段の近傍であ
ることが的確に判定される。又、プレイグニッションの
発生頻度が大きいことに基づき、プレイグニッションの
発生位置は、イオン電流検出手段から離れた位置である
ことが的確に判定される。従って、プレイグニッション
の発生頻度から、同プレイグニッションの発生位置を的
確に判定することができるようになる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、点火回数と
プレイグニッションによるイオン電流発生回数とに基づ
いて、同プレイグニッションの発生頻度が測定されるた
め、その測定を確実に行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるプレイグニッション発生位
置検出装置の構成を示す断面図。
【図2】同装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】点火プラグの電極間に発生するイオン電流の波
形を示す波形図。
【図4】プレイグニッションの発生位置を検出するため
の処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、16…燃焼室、39a…点火プラグ、
40…イグナイタ、61…電子制御ユニット(EC
U)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室内でプレイグニッション
    が起こってイオンが発生したとき、そのイオンによって
    生じたイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、 前記イオン電流検出手段の検出結果に基づき、プレイグ
    ニッションの発生頻度を測定する発生頻度測定手段と、 前記発生頻度測定手段の測定結果に基づき、前記燃焼室
    内におけるプレイグニッションの発生位置を判定する発
    生位置判定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のプレイグニッショ
    ン発生位置検出装置。
  2. 【請求項2】前記発生位置判定手段は、前記発生頻度測
    定手段の測定結果に基づき、プレイグニッションの発生
    頻度が大きいほど前記イオン電流検出手段から離れた位
    置でプレイグニッションが発生していると判定するもの
    である請求項1記載の内燃機関のプレイグニッション発
    生位置検出装置。
  3. 【請求項3】前記発生頻度測定手段は、点火プラグによ
    る点火回数をカウントするとともに、前記イオン電流検
    出手段の検出結果に基づきプレイグニッションによるイ
    オン電流の発生回数をカウントし、前記点火回数と前記
    イオン電流発生回数とに基づいてプレイグニッションの
    発生頻度を測定するものである請求項1又は2記載の内
    燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置。
JP00151897A 1997-01-08 1997-01-08 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置 Expired - Fee Related JP3422201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00151897A JP3422201B2 (ja) 1997-01-08 1997-01-08 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00151897A JP3422201B2 (ja) 1997-01-08 1997-01-08 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10196506A JPH10196506A (ja) 1998-07-31
JP3422201B2 true JP3422201B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=11503727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00151897A Expired - Fee Related JP3422201B2 (ja) 1997-01-08 1997-01-08 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3422201B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275663A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP5584166B2 (ja) * 2011-05-20 2014-09-03 株式会社日本自動車部品総合研究所 燃料噴射制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10196506A (ja) 1998-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3264854B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
US6539930B2 (en) Ignition apparatus for internal combustion engine
CN107917032B (zh) 火花塞状态监测
US20160010616A1 (en) Ignition control apparatus for internal combustion engine (as amended)
US9127638B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
US11802534B2 (en) Control device for internal combustion engine
US10961973B2 (en) Spark plug electrode wear rate determination for a spark-ignited engine
JP2009299662A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
WO2021106520A1 (ja) 内燃機関用制御装置
JP3422201B2 (ja) 内燃機関のプレイグニッション発生位置検出装置
US6691555B2 (en) Firing state discrimination system for internal combustion engines
US11015568B2 (en) Dynamic ignition energy control
JP4005815B2 (ja) 失火検出装置
US20160333800A1 (en) Detecting actuation of air flow control valve of internal combustion engine and corresponding control thereof
JP4337247B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US20030005914A1 (en) Plug-hole-installed ignition coil unit for internal combustion engines
JPH10238446A (ja) イオン電流検出装置
JP2017044068A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2000161192A (ja) 直噴火花点火式内燃機関の点火制御装置
JP6252201B2 (ja) 異常燃焼検出装置
JP3478027B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JPH05222989A (ja) 空燃比制御装置
US20220145844A1 (en) Internal-combustion-engine controller
KR100189187B1 (ko) 차량 가솔린엔진의 실화검출방법
JP5904768B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態判定装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees