JP3420393B2 - 両面摺動部材 - Google Patents

両面摺動部材

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JP3420393B2
JP3420393B2 JP16284495A JP16284495A JP3420393B2 JP 3420393 B2 JP3420393 B2 JP 3420393B2 JP 16284495 A JP16284495 A JP 16284495A JP 16284495 A JP16284495 A JP 16284495A JP 3420393 B2 JP3420393 B2 JP 3420393B2
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貴浩 郡司
尚樹 高山
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両面摺動部材、特に、軸
部外周面と軸受部の軸受孔内周面との間に軸線回りに摺
動自在に設けられ、前記軸部外周面側および前記軸受孔
内周面側の一方から他方へ潤滑油を供給すべく、油孔を
備えた両面摺動部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種両面摺動部材としては、エ
ンジンの可変圧縮比装置において、クランク軸のクラン
クピン(軸部)外周面と、コンロッドにおける大端部
(軸受部)の大端孔(軸受孔)内周面との間に設けられ
る偏心輪が知られている(例えば特開昭62−1218
37号公報参照)。この場合、潤滑油はクランクピン外
周面側から大端孔内周面側へ供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記偏心輪の耐焼付き
性を向上させるためには、偏心輪の内周面側からその外
周面側への給油を円滑に行い、また内,外周面における
潤滑油保持性、つまり保油性を良好にして、偏心輪に荷
重変動が生じた場合にも油膜切れが発生しないようにす
ることが必要である。
【0004】本発明は、前記要求を満足し得る前記両面
摺動部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸部外周面と
軸受部の軸受孔内周面との間に軸線回りに摺動自在に設
けられ、前記軸部外周面側および前記軸受孔内周面側の
一方から他方へ潤滑油を供給すべく、油孔を備えた両面
摺動部材において、環状断面を有する部材本体と、その
部材本体の内周面に形成された内周側摺動面構成層と、
前記部材本体の外周面に形成された外周側摺動面構成層
とよりなり、前記内周側および外周側摺動面構成層はそ
れぞれ金属結晶の集合体より構成され、前記内周側およ
び外周側摺動面構成層の両摺動面における角錐状金属結
晶の面積率Aが60%≦A≦100%であり、潤滑油を
供給する側の前記摺動面における前記角錐状金属結晶の
平均粒径d1 が0.3μm≦d1 <1μmであり、潤滑
油を供給される側の前記摺動面における前記角錐状金属
結晶の平均粒径d2 が1μm≦d2 ≦5μmであること
を特徴とする。
【0006】
【作用】角錐状金属結晶の面積率Aを前記のように設定
すると、相隣る両角錐状金属結晶は相互に食込んだ状態
を呈し、したがって両摺動面は、多数の微細な山部と、
それら山部の間に形成された多数の微細な谷部と、山部
相互の食込みに因る多数の微細な沢部とからなる入組ん
だ様相を呈する。
【0007】この場合、潤滑油を供給する側の一方の摺
動面においては、角錐状金属結晶の平均粒径d1 が小さ
いことから前記谷部が浅く、これに起因して一方の摺動
面における潤滑油の流動抵抗が低減されるので、その一
方の摺動面全体に潤滑油が均一に行渡ると共に一方の摺
動面から他方の摺動面への給油が油孔を通じて円滑に行
われる。
【0008】また、一方の摺動面は潤滑油を供給する側
にあり、しかも前記のように入組んだ様相を呈するの
で、良好な保油性を有する。
【0009】潤滑油を供給される側の他方の摺動面にお
いては、角錐状金属結晶の平均粒径d2 が大きいことか
ら前記谷部が深く、これに起因して他方の摺動面におけ
る潤滑油の流動抵抗が増し、しかもその他方の摺動面が
前記のように入組んだ様相を呈するので、他方の摺動面
は良好な保油性を有する。
【0010】これにより、両面摺動部材に荷重変動が生
じても、両摺動面における油膜切れを回避して、内,外
周側摺動面構成層の耐焼付き性を向上させることができ
る。
【0011】なお、角錐状金属結晶の面積率AがA<6
0%では両摺動面が単純化傾向となるので保油性が低下
する。
【0012】一方の摺動面における角錐状金属結晶の平
均粒径d1 がd1 <0.3μmでは、その一方の摺動面
が平滑化傾向となるため保油性が低下し、またd1 ≧1
μmでは潤滑油の流動抵抗が増加傾向となるため他方の
摺動面への給油性が悪化する。
【0013】他方の摺動面における角錐状金属結晶の平
均粒径d2 がd2 <1μmでは潤滑油の流動抵抗が低下
傾向となるため保油性が低下し、またd2 >5μmでは
他方の摺動面の摩擦係数が高くなるため、内周側または
外周側摺動面構成層が焼付きを発生し易くなる。
【0014】
【実施例】図1,2はエンジンの可変圧縮比装置の一例
を示し、その装置に両面摺動部材の一実施例である偏心
輪が備えられている。両図面において、内燃機関のクラ
ンク軸1は、図示しないクランクケースの軸受部に支承
されるクランクジャーナル1J と、その端部に一体に連
なるクランクピン(軸部)1P とを有し、回転中心O周
りに矢印A方向に回転する。このクランクピン1P によ
りコンロッド2の大端部(軸受部)2B が支承され、そ
の小端部2S には、シリンダブロックのシリンダボア3
内を摺動するピストン4がピストンピン5を介して連接
される。
【0015】コンロッド2の大端孔(軸受孔)2a内周
面とクランクピン1P 外周面との間に偏心輪6がクラン
クピン軸線周りに摺動自在に嵌装される。この偏心輪6
において、クランクピン1P の外周面に摺擦する内周側
摺動面6I の中心(クランクピン中心)O1 と、大端孔
2aの内周面に摺擦する外周側摺動面6O の中心(大端
孔中心)O2 との間に偏心量εが存在する。
【0016】偏心輪6に、これをクランクピン1P に連
結した第1の連結状態(図1の状態)と、コンロッド2
の大端部2B に連結した第2の連結状態(図2の状態)
とに制御する連結切換手段7が設けられ、以下、その手
段7について詳述する。
【0017】偏心輪6の最薄肉部、即ち内、外周側摺動
面6I ,6O の最近接部に、半径方向に延びるピン孔8
が穿設され、このピン孔8に、それよりも長い連結ピン
9が摺動自在に嵌合される。またクランクピン1P の外
周面および大端孔2aの内周面に、連結ピン9の内端部
および外端部がそれぞれ嵌合、離脱し得る第1および第
2連結孔10,11がそれぞれ設けられ、大端孔2a側
の第2連結孔11には、ボール12と、このボール12
を偏心輪6側へ付勢する戻しばね13と、ボール12の
第2連結孔11への最進入深さを規定するストッパ14
とが収められる。
【0018】連結ピン9の長さ、第1,第2連結孔1
0,11の深さおよびストッパ14の長さは、連結ピン
9が第1連結孔10に確実に嵌合したとき、その外端が
第2連結孔11から脱出して前記第1の連結状態とな
り、また連結ピン9がボール12をストッパ14に押し
当てるまで第2連結孔11に確実に嵌合したとき、その
内端が第1連結孔10から離脱して前記第2の連結状態
となるように設定される。
【0019】一方、クランクピン1P に、第1連結孔1
0の底部に下流端を開口する油路15が設けられ、この
油路15の上流側には、それに適時作動油圧を供給し得
る油圧ポンプ等の油圧供給源(図示せず)が接続され
る。油路15に作動油圧を供給すると、その油圧が連結
ピン9を半径方向外方へ押圧する。
【0020】クランクピン1P の外周面に、第1連結孔
10からクランクピン1P の自転方向へ略90°の範囲
に亘り連結ピン9の内端が摺動し得る第1ガイド溝16
が設けられ、その溝深さは、第1連結孔10に向って零
から漸増する。また大端孔2aの内周面に、第2連結孔
11からクランクピン1P の反自転方向へ略90°の範
囲に亘り連結ピン9の外端が摺動し得る第2ガイド溝1
7が設けられ、その溝深さは、第2連結孔11に向って
零から漸増する。
【0021】前記可変圧縮比装置において、油路15の
上流側で作動油圧を解放したとすれば、図1に示すよう
に、連結ピン9は戻しばね13の弾発力をもって第1連
結孔10に嵌合して第1の連結状態となる。したがっ
て、偏心輪6は、その最薄肉部をクランク軸1の回転中
心Oに向けた状態でクランクピン1P に連結される。そ
の結果、図3に示すように、クランク軸1の回転に伴い
偏心輪6はクランクピン1P と一体となって、その外側
摺動面6O を大端孔2a内周面に摺擦させながらクラン
ク軸1の回転中心O周りに矢印A方向に回転し、コンロ
ッド2の大端部2B に円運動を与えてピストン4を昇降
させる。これが高圧縮比運転状態であって、このときの
ピストン4のストロークLL はLL =2r+2ε(ただ
し、rはクランク・スロウ、εは偏心量)となる。
【0022】このような高圧縮比運転状態にあるとき、
油路15に作動油圧を供給すれば、その油圧は連結ピン
9の内端に作用して、それを半径方向外方へ押圧する。
連結ピン9は、第2連結孔11と整合しない間は、大端
孔2aの内周面に外端を摺接させながらクランクピン1
P および偏心輪6と共に回転するが、第2連結孔11に
整合する(このときピストン4は下死点にくる)と、上
記油圧によりボール12を戻しばね13の力に抗して後
退させながら第2連結孔11に嵌合すると共に、第1連
結孔10から離脱し、偏心輪6は第2の連結状態とな
る。この場合、連結ピン9は第2連結孔11の手前略9
0°の位置から第2ガイド溝17に係合し、これにより
第2連結孔11へと誘導されるため、連結ピン9の切換
作動はスムーズに行われる。
【0023】偏心輪6の第2の連結状態では、偏心輪6
は最薄肉部をコンロッド2の小端部2S 側へ向けた状態
で大端部2B に結合されるので、今度は図4に示すよう
に、クランク軸1の回転に伴いクランクピン1P が、そ
の外周面を偏心輪6の内側摺動面6I に摺擦させながら
偏心輪6および大端部2B に円運動を与えてピストン4
を昇降させる。これが低圧縮比運転状態であり、このと
きのピストン4のストロークLS は、LS =2r(ただ
し、rはクランク・スロウ)となる。
【0024】低圧縮比運転状態から油路15の油圧を再
び解放すれば、戻しばね13の弾発力をもって半径方向
内方へ付勢される連結ピン9は、第1連結孔10と整合
しない間は、内端をクランクピン1P の外周面に摺接す
るが、第1連結孔10の手前略90°の位置から第1ガ
イド溝16に係合し、これにより第1連結孔10へと誘
導されるため、第1連結孔10と整合したとき(このと
きもピストン4は下死点にくる)、それにスムーズに嵌
合することができ、これによって再び高圧縮比運転状態
が始まる。
【0025】図1,2に示すように、クランクピン1P
には潤滑油路18が形成され、その潤滑油路18の両下
流端はクランクピン1P の外周面に開口する。偏心輪6
に複数の油孔19が形成され、各油孔19の一端は内周
側摺動面6I に、また他端は外周側摺動面6O にそれぞ
れ開口する。これにより、クランクピン1P の外周面側
から、大端孔2aの内周面側、したがって偏心輪6の内
周側摺動面6I から外周側摺動面6O へ複数の油孔19
を通じて潤滑油を供給することができる。
【0026】図5〜7において、偏心輪6は、環状断面
を有する鋼製環状本体(部材本体)20と、その環状本
体20の内周面にメッキ処理により形成された内周側摺
動面構成層21と、環状本体20の外周面にメッキ処理
により形成された外周側摺動面構成層22とよりなる。
両層21,22の厚さは3〜40μmに設定される。
【0027】内,外周側摺動面構成層21,22は、実
施例では図8に示すように体心立方構造(bcc構造)
を持つ金属結晶の集合体より構成される。それら集合体
は、図7に示すように、環状本体20の内,外周面より
柱状に成長し、且つミラー指数で(hhh)面を、内,
外周側摺動面6I ,6O に向けた多数の(hhh)配向
性金属結晶23,24、または環状本体20より柱状に
成長し、且つミラー指数で(2hhh)面を内,外周側
摺動面6I ,6O に向けた多数の(2hhh)配向性金
属結晶の少なくとも一方を有する。
【0028】図9に示すように、内周側摺動面構成層2
1において、bcc構造を持つ金属結晶の集合体がミラ
ー指数で(hhh)面を内周側摺動面6I 側に向けた多
数の(hhh)配向性金属結晶23を有する場合、それ
ら(hhh)配向性金属結晶23の先端部を、内周側摺
動面6I において六角錐状金属結晶25にすることがで
きる。同様に外周側摺動面構成層22においても(hh
h)配向性金属結晶24の先端部を六角錐状金属結晶2
6(図7参照)にすることができる。また前記両先端部
を三角錐状金属結晶にすることも可能である。六角錐状
金属結晶25,26は、三角錐状金属結晶に比べて平均
粒径が小さく、且つ粒径も略均一である。六角錐状金属
結晶25,26等において、粒径と高さとの間には相関
関係があり、したがって粒径が略均一である、というこ
とは高さも略等しいということである。
【0029】またbcc構造を持つ金属結晶の集合体が
ミラー指数で(2hhh)面を内,外周面側摺動面
I ,6O 側に向けた多数の(2hhh)配向性金属結
晶を有する場合、それら(2hhh)配向性金属結晶の
先端部を小角錐状金属結晶にすることができる。
【0030】六角錐状金属結晶25,26、三角錐状金
属結晶および小角錐状金属結晶といった角錐状金属結晶
の、内、外周側摺動面6I ,6O における面積率Aは6
0%≦A≦100%に設定される。
【0031】また内周側摺動面6I における六角錐状金
属結晶25等の平均粒径d1 は0.3μm≦d1 <1μ
mに設定され、また外周側摺動面6O における六角錐状
金属結晶26等の平均粒径d2 は1μm≦d2 ≦5μm
に設定される。
【0032】内周側摺動面6I において、例えば六角錐
状金属結晶25の面積率Aを前記のように設定すると、
図9に示すように、相隣る両六角錐状金属結晶25は相
互に食込んだ状態を呈し、したがって内周側摺動面6I
は、多数の微細な山部28と、それら山部28の間に形
成された多数の微細な谷部29と、山部28相互の食込
みに因る多数の微細な沢部30とからなる入組んだ様相
を呈する。これは外周側摺動面6O においても同じであ
る。
【0033】この場合、内周側摺動面6I においては、
六角錐状金属結晶25の平均粒径d1 が小さいことから
各谷部29が浅く、これに起因して内周側摺動面6I
おける潤滑油の流動抵抗が低減されるので、その内周側
摺動面6I 全体に潤滑油が均一に行渡ると共に内周側摺
動面6I から外周側摺動面6O への給油が各油孔19を
通じて円滑に行われる。
【0034】また内周側摺動面6I は潤滑油を供給する
側にあり、しかも前記のように入組んだ様相を呈するの
で、良好な保油性を有する。
【0035】一方、外周側摺動面6O においては、六角
錐状金属結晶26の平均粒径d2 が大きいことから各谷
部29が深く、これに起因して外周側摺動面6O におけ
る潤滑油の流動抵抗が増し、しかもその外周側摺動面6
O が前記のように入組んだ様相を呈するので、外周側摺
動面6O は良好な保油性を有する。
【0036】これにより、偏心輪に荷重変動が生じて
も、内周側および外周側摺動面6I ,6O における油膜
切れを回避して、内,外周側摺動面構成層21,22の
耐焼付き性を向上させることができる。
【0037】図10に示すように、内,外周側摺動面6
I ,6O に沿う仮想面31に対する(hhh)面の傾き
は六角錐状金属結晶25,26および三角錐状金属結晶
の傾きとなって現われるので、内,外周側摺動面構成層
21,22の保油性に影響を与える。そこで、(hh
h)面が仮想面31に対してなす傾き角θは0°≦θ≦
15°に設定される。この場合、(hhh)面の傾き方
向については限定されない。傾き角θがθ>15°にな
ると、内,外周側摺動面構成層21,22の保油性が低
下する。この傾き角θは(2hhh)面についても同じ
である。
【0038】bcc構造を持つ金属結晶としては、F
e、Cr、Mo、W、Ta、Zr、Nb、V等の単体ま
たは合金の結晶を挙げることができる。
【0039】内,外周側摺動面構成層21,22を形成
するためのメッキ処理において、電気Feメッキ処理を
行う場合のメッキ浴条件は、表1の通りである。
【0040】
【表1】
【0041】通電法としては、主としてパルス電流法が
適用される。パルス電流法においては、図11に示すよ
うに、メッキ用電源の電流Iは、その電流Iが最小電流
Imin から立上って最大電流Imax に至り、次いで最小
電流Imin へ下降するごとく、時間Tの経過に伴いパル
ス波形を描くように制御される。
【0042】そして、電流Iの立上り開始時から下降開
始時までの通電時間をTONとし、また先の立上り開始時
から次の立上り開始時までを1サイクルとして、そのサ
イクル時間をTC としたとき、通電時間TONとサイクル
時間TC との比、即ち、時間比TON/TC はTON/TC
≦0.45に設定される。最大陰極電流密度CDmax
はCDmax≧2A/dm2 に、また平均陰極電流密度C
DmはCDm≧1A/dm2 にそれぞれ設定される。
【0043】このようなパルス電流法を適用すると、メ
ッキ浴内において電流が流れたり、流れなかったりする
ことに起因して陰極近傍のイオン濃度が均一化され、こ
れにより内,外周側摺動面構成層21,22の組成を安
定化させることができる。
【0044】前記電気Feメッキ処理において、メッキ
浴条件および通電条件を変えることによって(hhh)
配向性Fe結晶または(2hhh)配向性Fe結晶の析
出、その存在量等を制御する。この制御は、パルス電流
法の適用下では容易であり、したがって内,外周側摺動
面6I ,6O を狙い通りの形態に形成し易くなる。また
同一メッキ浴条件および同一通電条件において、メッキ
処理時間を調整することによって角錐状Fe結晶の平均
粒径d1 ,d2 を変化させることができる。
【0045】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりW、Moメッキを行う場合の条件
は、例えばAr圧力 0.2〜1Pa、平均Ar加速電
力 直流1〜1.5kW、母材温度 150〜300℃
である。この場合、前記同様にメッキ処理時間を調整す
ることによって角錐状W結晶等の平均粒径を変化させる
ことができる。CVD法によりWメッキを行う場合の条
件は、例えば原材料 WF6 、ガス流量2〜15cc/mi
n 、チャンバ内圧力 50〜300Pa、母材温度 4
00〜600℃、ArFエキシマレーザの平均出力 5
〜40Wである。この場合も前記同様にメッキ処理時間
を調整することによって角錐状W結晶の平均粒径を変化
させることができる。
【0046】この実施例では、図5,6に明示するよう
に、偏心輪6はピン孔8および複数の油孔19を有する
薄肉の第1半環状体32と、ピン孔8に対向し、且つ複
数の油孔19を有する厚肉の第2半環状体33とを輪状
に組合わせて構成されている。第1半環状体32のクラ
ンクピン軸線方向への抜止めは、連結ピン9が第1連結
孔10または第2連結孔11に嵌合することによってな
され、また第1半環状体32からの第2半環状体32の
前記方向への抜止めは、第2半環状体33の各合せ面3
4に形成された凸部35が、第1半環状体32の各合せ
面36に形成された凹部37に嵌合することによってな
される。
【0047】以下、電気Feメッキ処理により内、外周
側摺動面構成層21,22を形成された偏心輪6の実施
例について具体的に説明する。
【0048】電気Feメッキ処理は、第1,第2半環状
体32,33に対応し、且つ環状本体20を構成する各
半体38,39(図5,6参照)について行われるが、
以下の説明では、便宜上、「環状本体20に電気Feメ
ッキ処理を施す」旨の表現が採用される。
【0049】電気Feメッキ処理に当っては、一方の半
体38のピン孔8ならびに各半体38,39の各油孔1
9および各合せ面34,36にマスキングが施される。 〔A〕 六角錐状Fe結晶の面積率Aと耐焼付き性との
関係について 鋼(JIS SUJ2)よりなる複数の環状本体20の
内,外周面に、それぞれ電気Feメッキ処理を施すこと
によりFe結晶の集合体より構成された内,外周側摺動
面構成層21,22を形成して複数の偏心輪6を製造し
た。この場合、内周側摺動面構成層21の厚さは7μm
に、また外周側摺動面構成層22の厚さは20μmにそ
れぞれ設定された。
【0050】表2は、偏心輪の例1〜5に関する電気F
eメッキ処理条件を示す。表2において、例えば、内周
側−1aとは内周側摺動面構成層の例1aを意味し、ま
た外周側−1bとは外周側摺動面構成層の例1bを意味
する。これらは、他例2〜5,および後述する各表の各
例において同じである。
【0051】
【表2】
【0052】表3は例1の内周側−1a、外周側−1b
等に関する内,外周側摺動面の結晶形態、内,外周側摺
動面における六角錐状Fe結晶の面積率Aおよび平均粒
径d 1 ,d2 、各配向性Fe結晶の存在率Sならびに断
面における硬さをそれぞれ示す。
【0053】
【表3】
【0054】六角錐状Fe結晶の面積率Aは、内,外周
側摺動面の面積をb、その内,外周側摺動面において全
部の六角錐状Fe結晶が占める面積をcとしたとき、A
=(c/b)×100(%)として求められた。また六
角錐状Fe結晶の粒径は、頂点を挟んで相対向する両角
部間の距離、即ち、三本の対角線の長さの平均値であ
り、多数の六角錐状Fe結晶の前記平均値より平均粒径
1 ,d2 が求められた。
【0055】各配向性Fe結晶の存在率Sは、内周側−
1a、外周側−1b等のX線回折図(X線照射方向は
内,外周側摺動面に対して直角方向)に基づいて次式か
ら求められた。図12は内周側−1aの、また図13は
外周側−1bのX線回折図をそれぞれ示す。なお、例え
ば{110}配向性Fe結晶とは、{110}面を内,
外周側摺動面側に向けた配向性Fe結晶を意味する。 {110}配向性Fe結晶:S110 ={(I110 /IA110 )/T}×100、 {200}配向性Fe結晶:S200 ={(I200 /IA200 )/T}×100、 {211}配向性Fe結晶:S211 ={(I211 /IA211 )/T}×100、 {310}配向性Fe結晶:S310 ={(I310 /IA310 )/T}×100、 {222}配向性Fe結晶:S222 ={(I222 /IA222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222
IA222 )である。
【0056】図14は内周側−1aにおける内周側摺動
面の結晶構造を示す顕微鏡写真であり、多数の六角錐状
Fe結晶が観察される。この場合、表3に示すように、
六角錐状Fe結晶の面積率AはA=95%、その平均粒
径d1 はd1 =0.8μmである。この六角錐状Fe結
晶は(hhh)面、したがって{222}面を内周側摺
動面側に向けた{222}配向性Fe結晶であり、その
{222}配向性Fe結晶の存在率Sは、表3、図12
に示すように、S=92.4%である。
【0057】図15は外周側−1bにおける外周側摺動
面の結晶構造を示す顕微鏡写真であり、多数の六角錐状
Fe結晶が観察される。この場合、表3に示すように、
六角錐状Fe結晶の面積率AはA=96%、その平均粒
径d2 はd2 =3μmである。この六角錐状Fe結晶
は、前記同様に{222}面を外周側摺動面側に向けた
{222}配向性Fe結晶であり、その存在率Sは、表
3、図13に示すように、S=94.3%である。
【0058】次に、偏心輪の例1を、SOHC直列4気
筒、排気量2156ccのエンジンに組込んでモータリ
ングテストを行い、内周側−1aおよび外周側−1bの
耐焼付き性を調べた。
【0059】このモータリングテストにおいて、内周側
−1aの耐焼付き性を調べる場合には、図2に示すよう
に偏心輪6を連結ピン9により大端部2B に固定し、一
方、外周側−1bの耐焼付き性を調べる場合には、図1
に示すように偏心輪6を連結ピン9によりクランクピン
P に固定した。
【0060】モータリングテストにおいては、エンジン
回転数を低回転域より上昇させると共に内周側−1aの
耐焼付き性を調べる場合には、クランクピン内に形成さ
れて先端部がクランクピン外周面近傍まで達する盲孔内
に熱電対を設置してクランクピンの外周面温度を測定
し、一方、外周側−1bの耐焼付き性を調べる場合に
は、クランクピンおよび偏心輪に一連に形成されて先端
部が偏心輪外周面近傍に達する盲孔内に熱電対を設置し
て偏心輪の外周面温度を測定し、各外周面温度が急激に
上昇したときを焼付き発生時とし、またその時のエンジ
ン回転数Neを求めた。
【0061】次いで、例2〜5についても、前記同様の
テストを行った。
【0062】表4はテスト結果を示す。
【0063】
【表4】
【0064】図16は、表3,4に基づいて六角錐状F
e結晶の面積率Aと焼付き発生時のエンジン回転数Ne
との関係を、内周側−1a〜5aと外周側−1b〜5b
とに分けてグラフ化したものである。図中、(1)〜
(5)は例1〜5に、また点(1a)〜(5a)は内周
側−1a〜5aに、さらに点(1b)〜(5b)は外周
側−1b〜5bにそれぞれ対応する。
【0065】図16から明らかなように、内周側−1a
〜3aの如く、六角錐状Fe結晶の平均粒径d1 がd1
=0.8μmにおいて、その面積率AをA≧60%に設
定すると、焼付き発生時のエンジン回転数Neを大いに
高めることができる。また外周側−1b〜3bの如く、
六角錐状Fe結晶の平均粒径d2 がd2 =3μmにおい
て、その面積率AをA≧60%に設定すると、焼付き発
生時のエンジン回転数Neを大いに高めることができ
る。
【0066】この事実から、偏心輪の例1〜3は優れた
耐焼付き性を有することが明らかであり、このような摺
動特性を有するためには、内,外周側摺動面における六
角錐状Fe結晶の面積率AをA≧60%に設定すること
が必要である。 〔B〕 六角錐状Fe結晶の平均粒径d1 ,d2 と耐焼
付き性との関係について 鋼(JIS SUJ2)よりなる複数の環状本体20の
内周面に、電気Feメッキ処理を施すことによりFe結
晶の集合体より構成された厚さ7μmの各種内周側摺動
面構成層21を形成した。次いで、各環状本体20の外
周面に、前記〔A〕項で述べた外周側−1bと同様の外
周側摺動面構成層22を前記と同様の方法で形成した。
【0067】表5は、偏心輪の例6〜9に関する電気F
eメッキ処理条件を示す。
【0068】
【表5】
【0069】表6は例6の内周側−6aおよび外周側−
1b等に関する内,外周側摺動面の結晶形態、内,外周
側摺動面における六角錐状Fe結晶の面積率Aおよび平
均粒径d1 ,d2 、各配向性Fe結晶の存在率Sならび
に断面における硬さをそれぞれ示す。
【0070】
【表6】
【0071】また鋼(JIS SUJ2)よりなる複数
の環状本体20の外周面に、電気Feメッキ処理を施す
ことによりFe結晶の集合体より構成された厚さ20μ
mの各種外周側摺動面構成層22を形成した。次いで、
各環状本体20の内周面に、前記〔A〕項で述べた内周
側−1aと同様の内周側摺動面構成層21を前記と同様
の方法で形成した。
【0072】表7は、偏心輪の例10〜14に関する電
気Feメッキ処理条件を示す。
【0073】
【表7】
【0074】表8は例10の外周側−10bおよび内周
側−1a等に関する内,外周側摺動面の結晶形態、内,
外周側摺動面における六角錐状Fe結晶の面積率Aおよ
び平均粒径d1 ,d2 、各配向性Fe結晶の存在率Sな
らびに断面における硬さをそれぞれ示す。
【0075】
【表8】
【0076】表6,8において、六角錐状Fe結晶の面
積率A、その平均粒径d1 ,d2 および各配向性Fe結
晶の存在率Sの求め方は前記と同じである。
【0077】次に偏心輪の例6〜14について、前記と
同様のモータリングテストを行い、内周側−6a〜9a
および外周側−10b〜14bの耐焼付き性を前記同様
にエンジン回転数Neにて評価した。
【0078】表9はテスト結果を示す。なお、表9には
内周側−1aおよび外周側−1bに関するデータも掲載
した。
【0079】
【表9】
【0080】図17は、表6,8,9に基づいて六角錐
状Fe結晶の平均粒径d1 ,d2 と焼付き発生時のエン
ジン回転数Neとの関係を、内周側−6a〜9a,1a
と外周側−10b〜14b,1bとに分けてグラフ化し
たものである。図中、点(6a)〜(9a),(1a)
は内周側−6a〜9a,1aに、さらに点(10b)〜
(14b),(1b)は外周側−10b〜14b,1b
にそれぞれ対応する。
【0081】図17から明らかなように、内周側摺動面
構成層の場合、内周側−6a,1aの如く、六角錐状F
e結晶の面積率AがA≧95%において、その平均粒径
1をd1 <1μmに設定すると、焼付き発生時のエン
ジン回転数Neを大いに高めることができる。また外周
側摺動面構成層の場合、外周側−11b,12b,1b
の如く、六角錐状Fe結晶の面積率AがA≧94%にお
いて、その平均粒径d2 を1μm≦d2 ≦5μmに設定
すると、焼付き発生時のエンジン回転数Neを大いに高
めることができる。
【0082】この事実から、偏心輪の例6,11,12
は優れた耐焼付き性を有することが明らかであり、この
ような摺動特性を有するためには、内周側摺動面におい
ては六角錐状Fe結晶の平均粒径d1 を0.3μm≦d
1 <1μmに設定し、一方、外周側摺動面においては六
角錐状Fe結晶の平均粒径d2 を1μm≦d2 ≦5μm
に設定することが必要である。
【0083】図18は偏心輪6の他例を備えた可変圧縮
比装置を示す。この偏心輪6においては、その最肉厚部
に連結ピン9を摺動自在に貫通させるピン孔8が穿設さ
れている。可変圧縮比装置において、その他の構成は、
図1のものと同じであるから、図18において、図1と
対応する部分には、それと同一の符号を付して詳細な説
明は省略する。
【0084】この場合、偏心輪6をクランクピン1P
連結した第1の連結状態により低圧縮比運転状態が得ら
れ、また偏心輪6をコンロッド2の大端部2B に連結し
た第2の連結状態により高圧縮比運転状態が得られる。
低圧縮比運転状態におけるピストン4のストロークLS
は、LS =2r−2εとなり、一方、高圧縮比運転状態
におけるピストン4のストロークLL は、LL =2rと
なる。
【0085】なお、本発明に係る両面摺動部材には、前
記偏心輪6の外に、タービン等の高速軸受の発熱量低減
に用いられる浮動ブッシュ軸受等も含まれる。また本発
明は軸受孔内周面側から軸部外周面側へ潤滑油を供給す
る場合にも適用される。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、内周側摺動面および外周側摺動面の一方
から他方への給油を円滑に行うと共にそれら内,外周側
摺動面が良好な保油性を具備し、これにより優れた耐焼
付き性を発揮し得る両面摺動部材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの可変圧縮比装置における一例の要部
破断正面図で、高圧縮比運転状態を示す。
【図2】エンジンの可変圧縮比装置における一例の要部
破断正面図で、低圧縮比運転状態を示す。
【図3】高圧縮比運転状態の説明図である。
【図4】低圧縮比運転状態の説明図である。
【図5】偏心輪の断面図で、図6、5−5線断面に相当
する。
【図6】偏心輪の要部拡大断面図で、図5の6−6線断
面に相当する。
【図7】偏心輪の構造を示す要部概略断面図である。
【図8】体心立方構造およびその(hhh)面、(2h
hh)面を示す斜視図である。
【図9】図7の9矢視図である。
【図10】体心立方構造における(hhh)面の傾きを
示す説明図である。
【図11】電気メッキ用電源の出力波形図である。
【図12】内周側摺動面構成層のX線回折図である。
【図13】外周側摺動面構成層のX線回折図である。
【図14】内周側摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真で
ある。
【図15】外周側摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真で
ある。
【図16】六角錐状Fe結晶の面積率Aと焼付き発生時
のエンジン回転数Neとの関係を示すグラフである。
【図17】六角錐状Fe結晶の平均粒径d1 ,d2 と焼
付き発生時のエンジン回転数Neとの関係を示すグラフ
である。
【図18】エンジンの可変圧縮比装置における他例の要
部破断正面図で、低圧縮比運転状態を示す。
【符号の説明】
P クランクピン(軸部) 2B 大端部(軸受部) 2a 大端孔(軸受孔) 6 偏心輪(両面摺動部材) 6I 内周側摺動面 6O 外周側摺動面 19 油孔 20 環状本体 21 内周側摺動面構成層 22 外周側摺動面構成層 25,26 六角錐状金属結晶(角錐状金属結晶)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−323110(JP,A) 特開 平6−174052(JP,A) 特開 平6−316785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 7/00 F16C 33/10 F16C 33/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部(1P )外周面と軸受部(2B )の
    軸受孔(2a)内周面との間に軸線回りに摺動自在に設
    けられ、前記軸部(1P )外周面側および前記軸受孔
    (2a)内周面側の一方から他方へ潤滑油を供給すべ
    く、油孔(19)を備えた両面摺動部材において、環状
    断面を有する部材本体(20)と、その部材本体(2
    0)の内周面に形成された内周側摺動面構成層(21)
    と、前記部材本体(20)の外周面に形成された外周側
    摺動面構成層(22)とよりなり、前記内周側および外
    周側摺動面構成層(21,22)はそれぞれ金属結晶の
    集合体より構成され、前記内周側および外周側摺動面構
    成層(21,22)の両摺動面(6I ,6O )における
    角錐状金属結晶(25,26)の面積率Aが60%≦A
    ≦100%であり、潤滑油を供給する側の前記摺動面
    (6I )における前記角錐状金属結晶(25)の平均粒
    径d1 が0.3μm≦d1 <1μmであり、潤滑油を供
    給される側の前記摺動面(6O )における前記角錐状金
    属結晶(26)の平均粒径d2 が1μm≦d2 ≦5μm
    であることを特徴とする両面摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記金属結晶は体心立方構造を有し、前
    記角錐状金属結晶(25,26)は、ミラー指数で(h
    hh)面を前記摺動面(6I ,6O )側に向けた(hh
    h)配向性金属結晶、またはミラー指数で(2hhh)
    面を前記摺動面(6I ,6O )側に向けた(2hhh)
    配向性金属結晶の少なくとも一方である、請求項1記載
    の両面摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記金属結晶はFe結晶であり、前記角
    錐状金属結晶(25,26)は、ミラー指数で(hh
    h)面を前記摺動面(6I ,6O )側に向け、且つ六角
    錐状をなす(hhh)配向性Fe結晶である、請求項1
    または2記載の両面摺動部材。
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