JP3418166B2 - 塗装膜厚測定方法及び装置 - Google Patents

塗装膜厚測定方法及び装置

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JP3418166B2 JP2000291937A JP2000291937A JP3418166B2 JP 3418166 B2 JP3418166 B2 JP 3418166B2 JP 2000291937 A JP2000291937 A JP 2000291937A JP 2000291937 A JP2000291937 A JP 2000291937A JP 3418166 B2 JP3418166 B2 JP 3418166B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋳鉄管のような
管の内面に塗布された塗装膜厚を測定する方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダクタイル鋳鉄管(以下、鉄管と略称す
る)等については、一般に防錆処理のため鉄管内面にエ
ポキシ樹脂粉体塗装が施される。この塗装膜厚は、JI
S規格(JIS G 5528)では、0.3mm以上
とされ、最小膜厚は規定されているが最大膜厚の規定は
なく、経済的(必要最小限の塗料)な観点から最適な膜
厚が採用されている。従って、塗装膜厚を測定し適正な
塗装膜厚の確保が必要である。
【0003】塗装膜厚が適正か否かを測定する装置とし
ては、一般に電磁式の膜厚プローブを有する膜厚計が使
用されている。この電磁式膜厚計は、強磁性の磁芯にコ
イルを巻回したものから成り、このコイルに所定の電流
を流して磁芯先端を塗装された金属体の表面に近づける
と、その表面からの距離に応じてコイルの自己インダク
タンスが増減することを利用し、その変化を検出回路に
おいて検出して皮膜の厚さを測定するものである。この
ような測定原理を利用した膜厚計の1つとして「一極式
二点調整形電磁式膜厚計」が知られている。
【0004】この膜厚計は、一般に検査員が手に持って
被測定面に膜厚計の磁芯先端を押し当てて使用するもの
である。このため、上記膜厚計は、被測定体の表面での
測定に限定され、検査員の手が届く許容範囲内でしか使
用できない。特に、鋼管や鋳鉄管等の内面に防錆処理と
して塗布されている塗装面には手が届かず、視認するこ
とができない奥行き内での測定には全く対応できない。
このため、このような管内面の塗装膜の測定に対処でき
る膜厚測定方法及び装置が特開平10−300412号
公報で提案されている。
【0005】この特許公開公報による膜厚測定方法は、
上記測定原理による膜厚プローブと同様な膜厚プローブ
を有する膜厚計をロボットアームの先端に取り付けて管
内の奥行き方向及びこれと直交する方向に移動自在と
し、膜厚測定時には膜厚プローブの磁芯先端を管内の表
面に直角に押し当て磁芯先端が内壁に接し、測定可能状
態にあることを検出して回路を作動させ、膜厚を測定す
るというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特許公
開公報による膜厚測定方法は管内面の塗装膜厚を人手を
介することなく自動的に測定できるという点で優れた膜
厚測定方法であるが、この公報による膜厚測定装置を用
いて実際に管内面の塗装膜厚を測定するには、なお次の
ような問題がある。
【0007】上記膜厚測定方法では、前述のように、一
極式二点調整形の膜厚プローブが使用されており、この
二点調整形とは被測定体と同種の金属板を使用して膜厚
計の目盛りを「0点」に調整し、次に同じ金属板上に非
磁性材料の標準厚板を置くか、或は同じ金属板に既知の
厚さの被膜をコートした調整用素地板を固定してこれに
膜厚プローブ先端を当接させ、このときの厚さが2mm
であれば、膜厚計の測定値を2mmとすることにより予
め2点を調整した後実際の膜厚の測定を行なうものであ
る。
【0008】このようなゼロ調整と標準厚板(又は調整
用素地板)による調整作業は精度の高い測定を実施する
上で重要であるが、この他にも膜厚計を構成している膜
厚測定回路の電子部品等の各部の動作の経時変化や外部
から供給される電源電圧の変動、あるいは外部撹乱要因
等による影響を出来るだけ抑制することも重要である。
ここで、外部撹乱要因とは、測定対象物への当接時に膜
厚プローブの電磁コイルに対する磁気的変化が純粋に測
定対象物の物性に基づく以外の、地磁気の揺らぎのよう
な外的な要因による影響を受けて測定誤差を生じる要因
となることをいう。しかし、上記公報では上記影響をど
のようにして抑制するかについては具体的に説明されて
いない。
【0009】このような影響の抑制対策として、膜厚プ
ローブが測定対象から離れた間に上記影響を自動的に排
除する処理が一般に行なわれる。しかし、上記公報では
膜厚プローブを測定対象の管内面からどれだけの距離位
置へ離せば影響を排除して高精度の測定ができるかにつ
いては説明されておらず、ロボットアームで膜厚プロー
ブを被測定体内で奥行き方向及び直交方向に移動自在と
するとのみ原理的に説明している。公報には測定信号の
送信についてまで記載されていないが、測定時には膜厚
プローブの磁芯の先端が被測定面に正しく圧接し測定可
能な状態になると膜厚計内のスイッチが作動し、膜厚計
から外部の中央処理装置へ「プローブ圧接オン」の信号
を送信する。中央処理装置がこの信号を受信すると「測
定値入力待ち」の信号を膜厚計に送出し、膜厚計がこの
信号を受信すると直ちに測定値を中央処理装置に送信す
る。中央処理装置は、測定値を受信すると膜厚プローブ
を被測定面から離す指示を送り、膜厚プローブが所定の
距離以上被測定面から離れると「プローブ圧接オフ」の
信号を送信するような仕組みとなっている。
【0010】従って、膜厚プローブの磁芯の先端が被測
定面から離れると、膜厚計は「プローブ圧接オフ」の信
号を送信し、測定精度を低下させる要因を排除する処理
が行なわれるが、被測定面からの距離が近接したままで
あると磁芯から発生している磁気が撹乱されたまま処理
が行なわれるため測定精度が低下することとなる。
【0011】又、管内面の塗装膜厚を測定する場合、管
の長さ方向に複数箇所で、かつ各長さ方向の箇所毎に管
内周面に沿って複数点で膜厚を測定するのが一般的であ
るが、上記公報ではロボットアームの先端の膜厚計は、
管内で膜厚プローブが一定方向を向いたままであり、上
記のような管長さ方向の複数箇所あるいは管内周面の複
数点の測定箇所を測定する場合については具体的に説明
されていない。
【0012】この発明は、上記の問題に留意して、塗装
が内面に施された鋳鉄管や鋼管のような管の内面の塗装
膜厚を、測定時に膜厚プローブに及ぼす磁気的影響によ
る測定誤差を完全に排除するような処理をし、管内面の
所定位置で連続して効率よくかつ高精度で測定し得る塗
装膜厚測定方法及び装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、内面に塗装を施された管を回転
自在に支持し、管の端からその長手方向に電磁コイル
インダクタンスの変化により膜厚を測定する電磁式膜厚
プローブを所定長さ位置へ挿入し、膜厚計を管内の被測
定面へ移動、当接させて膜厚プローブが検出する磁気的
変化から膜厚計で塗装膜厚を測定する際に、膜厚プロー
ブで膜厚を測定した後膜厚プローブを被測定面から上昇
させて磁気的影響の及ばない所定の距離位置へ離反させ
ると共に、管を次の被測定面位置まで回転させ、その間
に磁気的影響のない状態で膜厚計に対する測定値の精度
を低下させる要因を排除する処理をした後次の膜厚測定
をし、上記測定を繰り返して管内複数箇所の塗装膜厚を
測定する塗装膜厚測定方法としたのである。
【0014】上記の測定方法を実施する装置として、内
面に塗装を施された管を回転自在に支持する回転支持手
段と、上記管の長手方向に移動自在な台車を配置し、こ
の台車上にアームとこのアームを昇降自在に保持する昇
降手段とを設け、アーム先端には電磁コイルのインダク
タンスの変化により膜厚を測定する電磁式膜厚を備えた
膜厚計を取付け、膜厚計は管内に挿入した後アームを下
降させて膜厚プローブを被測定面に当接させ、膜厚プロ
ーブが検出する磁気的変化の信号から塗装膜厚を測定す
るものとし、膜厚測定後昇降手段のアームを被測定面か
上昇させて膜厚プローブに対する磁気的影響の及ばな
い所定の距離位置へ離反させると共に、回転支持手段に
より管を次の被測定面位置まで回転させ、磁気的影響の
ない状態で膜厚計に対する測定値の精度を低下させる要
因を排除する処理をして次の膜厚測定をするように構成
した塗装膜厚測定装置を採用することができる。
【0015】上記膜厚測定方法及び装置によれば、管内
面に施された塗装膜厚が連続して測定される。膜厚計
は、管内面に管の長手方向に沿って移動して挿入され、
被測定面に対して直角方向に下降されて被測定面に当接
し、膜厚を測定する。測定が終わると膜厚計が離反して
上昇し、被測定面から磁気的影響の及ばない所定の距離
位置に停止する。この所定の距離位置に停止している間
に管を回転させて次の被測定位置を膜厚プローブに対向
させると共に、膜厚計に対する測定値の精度を低下させ
る要因を排除する処理を行った後、次の被測定面に対す
る測定を繰り返す。
【0016】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1は実施形態の塗装膜厚測定
装置の前後の工程の装置を含む概略配置図である。図示
の塗装膜厚測定装置Aは、上流側の鋳鉄管製造装置(図
示せず)で製造されたダクタイル鋳鉄管(以下、鉄管と
いう)の内面に塗装装置(図示せず)でエポキシ樹脂粉
体塗装を施した後、ストック台D上に多数並置された鉄
管をまずピンホール検査装置Bでピンホールの有無を検
査した後上記内面の塗装膜厚が正常であるかを測定する
ように設けられている。
【0017】又、図示の塗装膜厚測定装置Aの設置範囲
内には塗装膜不良品捺印装置S(点線で示す)が設けら
れている。さらに、測定装置Aの下流側には塗装膜不良
品搬送装置Cが設けられている。なお、上記ストック台
D〜ピンホール検査装置B〜塗装膜厚測定装置A〜塗装
膜不良品搬送装置Cの下方にはそれぞれの装置間に亘っ
て鉄管を搬送する別の搬送装置C0 が設けられている。
又、符号Rは再加工品の戻り経路である。
【0018】図2に塗装膜厚測定装置Aの(a)拡大平
面図、(b)拡大側面図を示す。図示の測定装置Aは、
前工程のピンホール検査を終了した複数本(図示の例で
は3本)の並行に送られて来る鉄管P,P,Pを図示の
位置に回転ローラで回転自在に支持する回転支持手段1
0と、台車上に設けたアーム先端に膜厚計を設けて鉄管
内面の被測定面に膜厚を測定する膜厚測定手段20とを
左右一対に設けて成る。回転支持手段10は、支持台1
1上に3本の鉄管P,P,Pのそれぞれを図3の矢視A
−Aからの断面図である図4に示すように、1対の回転
ローラ12、12の3組のそれぞれで回転自在に支持す
るように設けられている。
【0019】なお、図1では3本の鉄管P,P,Pを左
右一対の回転支持手段10、10で支持する際に鉄管
P,P,Pの左側端より右側端が回転支持手段10より
少し長く突出する状態で支持しているが、後で説明する
ように対象の鉄管Pには長さが4m、5mの2種類あ
り、長さの短い鉄管Pの左側端も来るように送り込まれ
るからであり、図示の鉄管Pは長い方の鉄管Pを支持し
た状態を示している。従って、左側の膜厚測定手段20
の移動距離より右側の膜厚測定手段20の方が長い移動
距離を動けるよう移動台は設置されている。長さの異な
る鉄管Pを受入れて支持する際、それぞれの長さの鉄管
の中央を左右の回転支持手段10と10の中央に一致す
るように支持し、左右の膜厚支持手段20、20の移動
距離も異なる長さの鉄管Pに対し左右対称に設計しても
よい。
【0020】片側の回転支持手段10には、図3に示す
ように、駆動部としてモータ13の出力をスプロケッ
ト、チェーンによる伝達手段14を介して2つの回転ロ
ーラ12、12へ伝達し、管を支持しながら回転させ
る。反対側(図2、図3の右側)の回転支持手段10は
駆動部がなく、回転ローラ12は鉄管Pの回転によりつ
れ回りする。一対の回転支持手段10と10の間に搬送
装置C0 の台車がレール上を車輪で走行するように設け
られ、その台車の上部の支持具で持上げて搬送して来た
鉄管Pを下ろして回転支持手段10、10上に鉄管Pを
載置するようになっている。
【0021】膜厚測定手段20は、図2の例では、搬送
装置C0 の台車とは別にこれと直角方向に移動する1台
の台車21上に3組の膜厚測定ユニット22が設けられ
て成る。台車21は、図5〜図7に示すように、固定台
21a上に2組の駆動源が設けられ、その上に昇降台2
1bが設けられ、固定台21aの下には走行用の車輪が
備えられている。駆動源の一方は車輪を回転させて自走
するため、もう一方は昇降台21bを昇降させるための
ものである。
【0022】昇降台21b上の膜厚測定ユニット22
は、昇降台21bに固定されたブラケット23に取り付
けた昇降ガイド24に角度調整手段25を介して保持さ
れるアーム26の先端に膜厚計27を取り付けて成る。
昇降ガイド24はブラケット23の垂直端に沿ってリニ
アガイドを設け、その移動部材24aを上端の油圧シリ
ンダで昇降させるように形成されている。移動部材24
aの端には角度調整手段25の水平部材25aが取り付
けられている。水平部材25aの中間位置にアーム26
の基部が回転自在に取り付けられ、かつばねとねじロッ
ドでアーム26の水平部材25aに対する角度を調整し
て設定するようになっている。上記昇降台21bと昇降
ガイド24とにより昇降手段が形成される。
【0023】又、水平部材25aの先端にはリミットス
イッチ25bが設けられ、アーム26の先端が鉄管内に
挿入中に誤操作などで移動部材24aを下げて角度が上
がり過ぎたときに移動部材の下降を停止するための信号
を出力し、誤操作による損傷を防止するようにしてい
る。角度調整手段25により、通常はアーム26の基部
寄りが水平に対して略4度上向きに設定され、これによ
り片持状のアーム26の先端が自重で下がっても先端位
置でアーム26の基部と同一レベル(水平)となるよう
に調整される。
【0024】図8に膜厚計27の概略構成を示す。この
膜厚計27の構成は、基本的に特開平10−30041
2号に開示されたものと同じであり、ここでは簡単に説
明する。膜厚計27内にはその先端寄り位置に強磁性材
の磁芯31とその周りに巻回されるコイル33から成る
電磁誘導式の膜厚プローブ30がコイルケース32と共
に固定部材34に対して昇降自在に設けられている。膜
厚プローブ30は、弾性部材37で押圧されて常時下方
に突出するように設けられ、磁芯31と反対側にコイル
取付台35を介して設けた端子台36が接続される(信
号の検出、処理、送信をする)測定回路38に対し、膜
厚プローブ30が被測定面に押圧されて固定部材34内
に没入するとプローブ圧接信号発生用のスイッチ39が
オンとなり、膜厚プローブ30のコイルの自己インダク
タンスの変化に基づいてコイル33に生じる電流又は電
圧の変化から被測定面の塗装膜厚さを測定する。
【0025】膜厚プローブ30で測定される膜厚信号は
測定回路へ送られ、そこで二値化信号に変換されて、さ
らに図示しない外部の中央処理装置のコンピュータへ送
られ、ここで膜厚が測定される。この膜厚プローブによ
る膜厚は、二点調整式の測定原理により測定されること
は、従来例で説明したのと同様である。
【0026】上記の構成の実施形態の塗装膜厚測定装置
により鉄管の内面の塗装膜厚が測定される。図示の塗装
膜厚測定装置Aにより測定される鉄管は、前述した鋳鉄
管製造ラインの直ぐ後方で塗装膜厚が測定されるが、こ
のラインでは鉄管の口径75、100、150、20
0、250φmmの5種類を対象としており、これら鉄
管は75、100φmmのものは長さ4m、150、2
00、250φでは長さ5mである。塗装膜厚の測定時
には3本の鉄管P,P,Pが支持台11の回転ローラ1
2上にそれぞれ載置されるが、支持台11と11の設置
間距離は一定であるから、前述したように4mの長さの
鉄管の場合より5mの長さの鉄管の測定時には鉄管の片
側端を基準として同位置に支持し他端が支持台11より
余分に1m突出した状態で測定される。
【0027】各鉄管Pの長さ方向の測定位置は、図9の
(a)図に示すように、管の両端から100、900m
m入った(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の位置であ
る。但し、鉄管の受口部側では受口長さPJIS入った
位置から100、900mmの位置が(イ)、(ロ)と
なる。そして各長さ位置では、(b)図に示すように管
の内径に沿って90°ずつ位相が異なる〜の4点に
ついて膜厚を測定する。測定点〜を測定する場合、
この実施形態では、膜厚計27を回転させるのではな
く、回転ローラ12を回転させることにより、鉄管Pを
回転させて膜厚測定器27が対向する被測定面を〜
の順に移動させる(但し、回転方向は図示の方向と反対
向きとしてもよく、任意である)。
【0028】支持台11、11の回転ローラ12、12
上に3本の鉄管P,P,Pがそれぞれ載置されると、待
機位置に待機していた膜厚測定手段20の台車21を鉄
管Pの両端に接近させてアーム26の端の膜厚計27を
管内に挿入し、所定の長さ位置に停止させる。この場
合、膜厚計27の突出端が鉄管内の被測定面より少なく
とも20mm以上の距離だけ離れた位置で鉄管の長さ方
向に沿って挿入する。上記鉄管内の被測定面に対し管径
が例えば大きいものから小さいものへと大きく変化する
場合、上記所定の距離位置となるように予め台車21の
昇降台車21bを昇降させて調整し、調整距離の小さい
範囲では昇降ガイド24によってアーム26の保持高さ
を調整する。
【0029】上記のようにして膜厚計27が鉄管内の被
測定面上に挿入されると、次に昇降ガイド24によりア
ーム26をさらに下降させて膜厚計27の突出端を被測
定面に対し直交する方向に(直角に)当接させて膜厚
を測定する。この場合、磁芯31が被測定面に当接して
コイルケース32の下端が固定部材34の下端内に押し
込まれると、スイッチ39がONとなり、測定回路38
が作動する。このため、コイル33に生じた自己インダ
クタンスの変化に基づいて測定される電流又は電圧変化
の信号が端子台36から測定回路38へ送られて膜厚が
測定される。膜厚の測定が二点調整データに基づいて行
われることは言うまでもない。
【0030】測定された膜厚測定信号は測定回路38で
二値化信号に変換され、この信号が外部の中央処理装置
へ送られて膜厚が測定されることは前述した通りであ
る。この測定が終了すると主測定回路からの制御信号が
昇降ガイド24へ送られ、アーム26の先端の膜厚計2
7が被測定面から上昇し離れる。離れる距離位置は、被
測定面から少なくとも20mm又はそれ以上の位置であ
り、この距離位置まで上昇して停止させることが重要で
ある。その理由は次の通りである。
【0031】膜厚計27の測定回路は、先端が被測定面
に接触し、さらに押し付け(押付け時のストローク5m
m)られた状態からわずかな距離(ストローク4mm以
下になると)でも反対に離れる方向に上昇すると、スイ
ッチ39が作動し膜厚計27は「プローブ圧接オフ」の
信号を中央処理装置へ送信する。プローブ30内のコイ
ル33には常時所定の電流が流れており、磁芯31から
は磁界が発生している。被測定対象物が磁芯31の近く
にあると被測定対象物より磁界が撹乱される。膜厚計2
7は磁芯31が被測定対象物から離れた時点で測定精度
を低下させる要因による影響を排除する処理を開始する
が、測定精度を高く保持するためにはこの処理を行なっ
ている間は磁界が撹乱されないことが前提である。従っ
て、磁界が撹乱されたままでこの処理が開始されると磁
気撹乱の影響が含まれたままとなり、測定精度が低下す
る。
【0032】このような影響を測定値に与えない程度に
低下させるために、膜厚プローブ30の磁芯31の先端
を被測定面から少なくとも20mm又はそれ以上の距離
位置に停止させるのであるが、測定精度の設定条件によ
っては10mm又はそれ以上としてもよい。しかし、実
際の膜厚測定時には鉄管の自重により曲がり、あるいは
製作誤差による部分的な曲がりなどが生じているため、
少なくとも10mm又はそれ以上の距離位置に離して設
定したとしても、実際には膜厚計27の先端が10mm
以下に接近している場合も予測される。このため、実際
の測定時の設定誤差を含めると少なくとも20mm又は
それ以上であれば安定して磁気撹乱の影響を遮断できる
として定められた数値である。
【0033】以上のように定められた所定距離位置へ膜
厚計27の先端が上昇して停止すると、回転ローラ1
2、12が回転し、測定点が膜厚プローブ30に対向
する位置へ鉄管Pが回転されて停止する。従って、鉄管
Pの回転は間歇動作である。測定点で上記と同様の
測定を行ない、再び膜厚プローブ30が上昇すると所定
距離位置で停止して配管Pを回転させ、次々と測定点
、の測定が行われる。
【0034】上記各測定点〜のいずれか1箇所でも
測定された膜厚が所定の厚さ(0.3mm)以下であれ
ば中央処理装置は不良品の判定をし、その判定に基づく
信号により塗装膜厚不良品捺印装置Sへ信号を送り、不
良品を示すマークを捺印する。又、上記の測定は、3本
で1組の鉄管P,P,Pのそれぞれについて図9の
(a)図の(イ)と(ハ)、(ロ)と(ニ)のそれぞれ
の長さ位置で左右ほぼ同時に並行処理される。
【0035】以上の膜厚測定処理において、長尺の鉄管
P,P,Pは直線状であることが前提であるが、これら
の鉄管のうち、例えば75φmmの小径管などでは製作
精度が悪く長さ方向にうねりを生じたものが含まれるこ
とがある。この場合、膜厚プローブ30を図10の
(a)図のように鉄管P内に挿入しても、(b)図に示
すようにうねりの生じている部分では膜厚プローブ30
が鉄管の中心より左右いずれかへ例えば10mm程度ず
れて位置することがある。
【0036】図示の膜厚プローブ30は、磁芯31が被
測定面に接触して膜厚計27内にストローク4mm押し
込まれると測定回路が作動し、ストローク5mm以上は
固定部材34により没入しないように設計されている。
従って、図10の(b)図のように、膜厚プローブ30
が鉄管Pの中心よりずれた状態であれば、膜厚プローブ
30を下降させても固定部材34のコーナ部が鉄管Pの
内面に当接し磁芯31が上記必要ストロークほど移動せ
ず、このため測定開始の信号が生じない。このような場
合は、中央処理装置はその鉄管を不良品として処理する
信号を出力する。なお、図9、図10の鉄管Pの内周の
太線は塗装面を示している。
【0037】上記実施形態では、管を2つの回転ローラ
で回転自在に支持して回転させるようにしたが、回転支
持手段は回転ローラ方式でなくてもよい。例えば、半割
り式の軸受手段、あるいは管の長手方向に嵌合される軸
受手段などを用いてもよい。又、膜厚計は上記実施形態
の膜厚計27に限定されず、二点調整形電磁式膜厚計で
あればよいことは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
の膜厚測定方法及び装置では電磁式の膜厚プローブを被
測定面に当接させて膜厚を測定し、その際磁気の影響の
及ばない位置へ膜厚計を離反させて膜厚計への磁気的影
響がない状態で測定精度低下の要因を排除する処理をす
るようにしたから、次々と連続的に管を回転させること
により効率よく膜厚を測定し、かつ磁気撹乱の影響なく
測定できるため各測定位置での測定が高精度で得られる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳鉄管製造ラインの塗膜厚測定装置付近の概略
配置図
【図2】塗膜厚測定装置の平面図及び側面図
【図3】図2の矢視III −III からの部分側面図
【図4】図3の矢視A−Aからの部分拡大断面図
【図5】膜厚測定手段の側面図
【図6】同上の正面図
【図7】同上の拡大斜視図
【図8】膜厚計外形図及びその拡大断面図
【図9】測定方法の説明図
【図10】測定方法の説明図
【符号の説明】
10 回転支持手段 11 支持台 12 回転ローラ 13 モータ 14 伝達手段 20 膜厚測定手段 21 台車 21b 昇降台 22 膜厚測定ユニット 23 ブラケット 24 昇降ガイド 25 角度調整手段 26 アーム 27 膜厚計 30 膜厚プローブ 31 磁芯 32 コイルケース 33 コイル 34 固定部材 35 上部フランジ 36 端子台 37 弾性部材 38 測定回路 39 スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−294239(JP,A) 特開 平10−300412(JP,A) 特開 昭57−125308(JP,A) 特開 昭62−225947(JP,A) 特開 昭62−118208(JP,A) 特開 昭60−114709(JP,A) 特開 昭63−285401(JP,A) 実開 昭60−42905(JP,U) 実開 昭61−74864(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に塗装を施された管を回転自在に支
    持し、管の端からその長手方向に電磁コイルのインダク
    タンスの変化により膜厚を測定する電磁式膜厚プローブ
    を備えた膜厚計を所定長さ位置へ挿入し、膜厚計を管内
    の被測定面へ移動、当接させて膜厚プローブが検出する
    磁気的変化から膜厚計で塗装膜厚を測定する際に、膜厚
    計で膜厚を測定した後膜厚計を被測定面から上昇させて
    磁気的影響の及ばない所定の距離位置へ離反させると共
    に、管を次の被測定面位置まで回転させ、その間に磁気
    的影響のない状態で膜厚計に対する測定値の精度を低下
    させる要因を排除する処理をした後次の膜厚測定をし、
    上記測定を繰り返して管内複数箇所の塗装膜厚を測定す
    る塗装膜厚測定方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の距離位置を少なくとも10m
    m以上としたことを特徴とする請求項1に記載の塗装膜
    厚測定方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の距離位置を少なくとも20m
    m以上としたことを特徴とする請求項2に記載の塗装膜
    厚測定方法。
  4. 【請求項4】 内面に塗装を施された管を回転自在に支
    持する回転支持手段と、上記管の長手方向に移動自在な
    台車を配置し、この台車上にアームとこのアームを昇降
    自在に保持する昇降手段とを設け、アーム先端には電磁
    コイルのインダクタンスの変化により膜厚を測定する電
    磁式膜厚プローブを備えた膜厚計を取付け、膜厚計は管
    内に挿入した後アームを下降させて膜厚プローブを被測
    定面に当接させ、膜厚プローブが検出する磁気的変化の
    信号から塗装膜厚を測定するものとし、膜厚測定後昇降
    手段のアームを被測定面から上昇させて膜厚プローブに
    対する磁気的影響の及ばない所定の距離位置へ離反させ
    ると共に、回転支持手段により管を次の被測定面位置ま
    で回転させ、磁気的影響のない状態で膜厚計に対する測
    定値の精度を低下させる要因を排除する処理をして次の
    膜厚測定をするように構成した塗装膜厚測定装置。
  5. 【請求項5】 前記昇降手段が、移動自在な台車を形成
    する固定台車に対して昇降自在に設けた昇降台車と、こ
    の昇降台車上に設けられたアームを昇降自在とするアー
    ム昇降ユニットとから成り、アームの昇降量を昇降台車
    とアーム昇降ユニットにより調整するように構成されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の塗装膜厚測定装
    置。
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