JP3417868B2 - 航空機用座席装置 - Google Patents

航空機用座席装置

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JP3417868B2
JP3417868B2 JP08714799A JP8714799A JP3417868B2 JP 3417868 B2 JP3417868 B2 JP 3417868B2 JP 08714799 A JP08714799 A JP 08714799A JP 8714799 A JP8714799 A JP 8714799A JP 3417868 B2 JP3417868 B2 JP 3417868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の客室に設
置される座席装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機の客室内に設置されるこの種の座
席装置(以下、シートともいう)としては、バックレス
トを後方に傾倒させ傾斜角度を変えることができるリク
ライニング式のシートが一般的である。また、最近で
は、ファーストクラスの客室用として、例えば特開平8
−258796号公報に開示されたシートが提案されて
いる。
【0003】このシートは、長時間の飛行において乗客
にゆとりや快適さを与えるために、バックレストが略直
立(実際には後方に僅かに傾斜している)した状態(通
常状態)と、これよりさらに前方にずれることにより後
方に所定角度傾倒したリクライニング状態と、さらに大
きく傾倒して略水平になった状態(ベッド状態)の3つ
の態様をとることができるような構造を採っている。し
たがって、リクライニングシートであるとともに、ベッ
ドとしても機能するシートを形成している。また、この
シートは乗客のプライバシーを守るためにシートの後方
および両側方を覆うバックシェルを備えている。
【0004】バックレストを略直立した通常状態からリ
クライニング状態に傾倒させ、さらに最終的には略水平
なベッド状態に傾倒させる構造としては、座部を大き
く前進させると同時にバックレストを前方へ連動させて
座部の座面とバックレストの背当て面とを略水平な同一
面にする構造と、座部は前進させず単にバックレスト
のみを傾倒させリクライニング状態を経て最終的にベッ
ド状態にする構造の二つの構造がある。
【0005】このうちの構造においては、べッド状態
では座部が大きく前進するため、シートの前方に広いス
ペースが必要になる。一方、の構造においても、バッ
クレストが後方へ大きく傾倒するため、シートの後方に
広いスペースが必要になり、後部シートに座っている乗
客に不快感を与える。そのため、いずれの構造において
も座席を設置するときに大幅な制約を受けることにな
る。
【0006】また、人間工学的にの構造においては、
座部が前方へ移動し、リクライニング状態になると、腰
部とバックレストとの間に空間が生じ易く背骨が曲がり
易い状態となり、不快感を感じるという問題があった。
また、の構造において、リクライニング状態よりバッ
クレストが後方に大きく傾倒するため、頭が下がること
により、不快感を感じるという問題がある。
【0007】そこで、バックレストをリクライニング状
態にした後に座部を前進させ、これに連動してリクライ
ニング状態のバックレストを前方へ移動させつつ傾倒さ
せて略水平な状態にすると、移動時の安定感を高めるこ
とができる。また、座部を移動させるとき、その向き
(角度)を変えて腰部(大腿部)を回転中心として傾動
させると、移動時の安定感をさらに高めることができ
る。
【0008】ところで、従来の航空機用シートのうち、
前記の構造を採用したシートにおいては、通常座部に
キャスター付きの脚を設けたりトロリー(特開平8−2
58796号公報)を座部に設け、脚またはトロリーと
一体に座部を前方に引き出すようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のシート、特に座部が前後に移動可能なシートにおいて
は、座部にキャスター付きの脚またはトロリーを設け、
脚またはトロリーと一体に座部を前方に引き出すように
していた。しかしながら、座部にキャスター付きの脚や
トロリーを設けると、座部の下方に十分な空間を確保す
ることができない。
【0010】そのため、座部、バックレスト、レッグレ
スト等をそれぞれ駆動するための駆動装置を座部の下方
空間に取付けるための取付空間を確保することが難し
く、駆動装置と被駆動部材間を複雑なリンク等で連結し
なければならない。したがって、駆動装置自体やその取
付けに大きな制約を受けるばかりか、キャスター用のレ
ールを設ける必要があり、部品点数および組付工数が増
加するという問題があった。また、脚やトロリーが床面
または床に敷設されているカーペットを傷つけないよう
にするための対策を講じる必要もあった。
【0011】本発明はこのような問題点を解決するため
のものであり、座部の下方に十分な空間を形成すること
ができ、駆動装置を簡単な構造とし、座部の下方空間に
容易に取付けることができ、また床面または床に敷設さ
れているカーペットを傷つけることなく座部を移動させ
ることができる航空機用座席装置を提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による航空機用座席装置は、前後方向
に移動可能な座部と、この座部を前後方向に進退自在に
支持するスライド機構と、前記座部とともに座部下側に
空間を形成するように前記スライド機構を上部に支持し
かつ客室床部材に固定された脚部材を設け、前記座部よ
り下方に配置された座部用駆動装置により、前記座部を
前後方向に進退させるようにしたものである。そして、
前記座部用駆動装置を、支持レバーにより前端が前記座
部の下方の客室床面から離間した位置であってかつ前記
スライド機構の下方に隣接した位置で上下方向に回動自
在に支持された駆動部と、前端が前記座部の前部に接続
され、前記駆動部の駆動に応じて前後方向に進退するこ
とにより前記座部を進退させるロッドとから構成したも
のである。
【0013】また、前記客室床部材を構成するとともに
かつ客室床面に機体の長手方向に延在しかつこの長手方
向と交差する方向に離間して並設されたシートトラック
と前記脚部材との間に位置調整手段を設け、前記シート
トラックの延在する方向と交差する方向に前記脚部材の
取り付け位置を調整するようにしたものである。
【0014】また、前記位置調整手段として、前記前後
方向と交差して延在しかつこの前後方向に互いに平行配
置されるとともに、複数の前記シートトラックに交差し
て固定される複数のパイプを設け、取り付け手段により
これらパイプに脚部材を調整可能に固定するようにした
ものである。
【0015】また、前記脚部材として、前記前後方向に
延在しかつ互いに対向するように前記前後方向と直交す
る方向に離間して並設された2つの側支持部材を設けた
ものである。
【0016】また、前記スライド機構として、前記座部
を前記前後方向に案内するスライドフレームに固定され
たスライダーと、このスライダーを前記前後方向に進退
自在に支持する中間スライダーと、前記脚部材に固定さ
れるガイド部材とを設け、このガイド部材により、前記
中間スライダーを前記前後方向に進退自在に支持するよ
うにしたものである。
【0017】また、前記支持レバーを、前記脚部材を客
室床面に固定するため当該脚部材の前端側に設けられた
パイプに取り付けるようにしたものである。
【0018】また、前記座部を、前端側が連結棒を介し
て互いに連結された左右一対のスライドフレームと、こ
れらスライドフレーム上に設置されたシート本体と構成
し、前記脚部材を、前記前後方向に延在しかつ互いに対
向するように前記前後方向と直交する方向に離間して並
設された2つの側支持部材から構成し、前記スライド機
構を、前記座部のスライドフレームの内側面に固定され
たスライダーと、このスライダーを前記前後方向に進退
自在に支持する中間スライダーと、前記脚部材の側支持
部材の外側面上部に固定されるとともに、前記中間スラ
イダーを前記前後方向に進退自在に支持するガイド部材
とから構成したものである。
【0019】また、前記座部に、前記スライドフレーム
の前部に前側下部を支点として上下方向に回動自在に支
持されたボトムフレームを備えるとともに、このボトム
フレームの後部に、前記前後方向に延在して前記脚部材
に設けられたガイド手段と係合する係合手段をその後部
に設け、前記スライドフレームの移動に伴って前記係合
手段が前記ガイド手段に沿って移動することにより、前
記支点を中心として上下方向に回動するようにしたもの
である。
【0020】また、前記座部の前部に設けられ、後部を
支点として上下方向に回動自在に支持されたレッグレス
トを備え、前記座部が後方に位置する場合に前記レッグ
レストを下方に折り畳み、座部が前方に進出する際に
は、これに先だって前記支点を中心として略水平位置ま
で前記レッグレストを上昇回動させるようにしたもので
ある。
【0021】また、前記座部の前部に後側を支点として
上下方向に回動自在に支持されたレッグレストと、前記
座部に下端が連結され略直立した状態からリクライニン
グ状態を経て略水平な状態に傾倒するバックレストと、
このバックレストの後方に傾倒自在に設けられ、前記バ
ックレストが略直立した状態およびリクライニング状態
においてはバックレストの高さより低く形成されたバッ
クシェルとを備え、前記バックシェルは、前記バックレ
ストが最大角度傾倒して略水平になった状態において、
傾倒してリクライニング位置に保持され、上面高さがバ
ックレストより高くなるようにしたものである。
【0022】また、座部、バックレストおよびレッグレ
ストをベッド状態にするモードを選択したときは、前記
バックレストがリクライニング状態になり、この状態か
らバックレストおよび座部が前進し、この座部の前進以
前に前記レッグレストが上昇回動して略水平な状態にな
るように制御するようにしたものである。
【0023】また、バックレストは、略直立した状態か
らリクライニング状態を経て略水平な状態に傾倒可能
で、後側にバックシェルを備え、このバックシェルは、
前記バックレストが略直立した状態に保持されていると
きその後方を覆い、略水平な状態に傾倒するとバックレ
ストの後方および両側方を覆う形状に形成したものであ
る。
【0024】また、前記座部に隣接配置されたサイドコ
ンソールを備え、このサイドコンソールは、前記各パイ
プに固定されているものである。
【0025】また、前記各パイプは、前記座部に隣接配
置される他の座席装置を固定するための延長部を有する
ものである。
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る座
席装置が設置された航空機のファーストクラスの客室を
示す平面図、図2は同座席装置の一脚を左斜め前方から
見た外観斜視図、図3は同座席装置を右斜め後方から見
た外観斜視図、図4は同座席装置の平面図、図5は同座
席装置の主要構成部材の分解斜視図である。
【0028】また、図6は通常状態における座部、バッ
クレスト、レッグレスト、フットレストおよび駆動装置
の状態を示す図、図7はリクライニング状態における座
部、バックレスト、レッグレスト、フットレストおよび
駆動装置の状態を示す図、図8はベッド状態における座
部、バックレスト、レッグレスト、フットレストおよび
駆動装置の状態を示す図である。
【0029】また、図9はスライド機構の動作を示す説
明図であり、(a)はリクライニング状態を示す平面
図、(b)はリクライニング状態における断面図(AA
断面)、(c)はベッド状態を示す平面図、(d)はベ
ッド状態における断面図(BB断面)である。図10は
スライド機構を示す断面図および平面図である。
【0030】本実施の形態においては、航空機のファー
ストクラスの客室用に開発された一人掛け用でベッド兼
用のシートに適用した例について説明する。また、本実
施の形態においては、前記の構造、すなわち座部とバ
ックレストを前方へ移動させてベッド状態にする構造を
採用している。さらに、乗客のプライバシーを保護する
ためにシートの後方および両側方を覆うバックシェルを
備えている。
【0031】図1において、航空機1のファーストクラ
スの客室2には、その機体壁1Aに沿って複数個のシー
ト3が前後に所定の間隔を保って配列されている。これ
らのシート3は機内向き、すなわち乗客が着座した状態
で機首の方を向くように機体中心線に対して斜めに設置
されている。また、シート3は千鳥状に配列され、一側
にサイドコンソール5を備えている。
【0032】このサイドコンソール5はシート3の内側
と外側に交互に位置するように千鳥状に配列されてい
る。したがって、サイドコンソール5の前方には前列の
シート3が位置し、真後には後列のシート3が位置して
いる。
【0033】このようにシート3とサイドコンソール5
を千鳥状に配列した理由は、シート3をベッド状態にし
後述するフットレスト130の一部と、乗客が足を伸ば
して横になったときに乗客の足を前方に位置するサイド
コンソール5の収納部6内に後方から差し込めるように
するためで、これにより前後のシート間隔を相対的に小
さくすることができる。なお、サイドコンソール5につ
いては後述する。
【0034】主として図5〜図8において、前記シート
3は、前記客室2の床面に敷設されたシートトラック1
0に2本のパイプ11(11a,11b)を介して前後
方向に移動調整可能にかつ着脱可能に固定されている。
したがって、パイプ11をシートトラック10から外す
と、シート3をサイドコンソール5とともに交換するこ
とができる。
【0035】図1に示したように、客室床部材を構成す
るシートトラック10は、シート3とサイドコンソール
5の下方に位置するように左右方向に所定の間隔をおい
て平行に敷設され、機体の長手方向に延在している。前
記2本のパイプ11は、アルミニウム合金等の押出形材
によって形成され、前記シートトラック10に対して略
直交しかつ固定金具12を介して床面から僅かに離間し
て固定されている。
【0036】これら2本のパイプ11および固定金具1
2(取付手段)により、シートトラック10の延在する
方向と交差する方向にバルクヘッド13の取り付け位置
を調整するための位置調整手段が構成されている。そし
て、2本のパイプ11には、シート3の脚部材を構成す
る左右一対のバルクヘッド13(側支持部材)が、前記
シートトラック10に対向して固定されている。なお、
パイプ11としては、断面形状が円形のものを用いた
が、これに限らず適宜な形状のものを使用することも可
能である。
【0037】前記一対のバルクヘッド13は、アルミニ
ウム合金等によって左右対称な板体に形成され、座部1
5の脚部材を構成するとともに左右のアームレスト16
のフレーム部材として用いられることにより、シート3
の強度部材を構成している。すなわち、バルクヘッド1
3は、前記パイプ11に固定され座部15を前後方向に
移動自在に保持することにより座部15の脚として機能
する。なお、脚部材としては、前述したバルクヘッド1
3のような板体の他、パイプなどの柱部材から構成され
た枠体であってもよく、座部15の前後方向に延在して
スライド機構38を支持する部材、すなわち側支持部材
であればよい。
【0038】また、インナーパネルユニット18とサイ
ドパネルユニット19によって覆われ、さらにその外側
がフロントカバー20、リアーカバー21、アウトサイ
ドパネル22およびインサイドパネル23によって覆わ
れ、上面にアームキャップ24(図5参照)が取付けら
れることにより、これらとともにアームレスト16を形
成する。そして、このアームレスト16には、引き出し
自在なテーブル25、灰皿26等が組み込まれている。
【0039】前記各バルクヘッド13の前端側と後端側
の下端部には、厚み方向に貫通する嵌合孔30が形成さ
れ、これらの嵌合孔30に前記各パイプ11を側方から
嵌合し、かつ取付金具31によって強固に固定すること
により、2本のパイプ11とバルクヘッド13を一体的
に結合している。
【0040】前記座部15は、左右一対からなるスライ
ドフレーム33と、これらのスライドフレーム33上に
設置されたシート本体34とを備えている。前記一対の
スライドフレーム33は、前端側が上下2本の連結棒3
6によって互いに連結され、後端側には後述するバック
レスト70の下端が回動自在に枢着されている。
【0041】前記連結棒36には、複数個の連結プレー
ト37が軸線方向に適宜間隔をおいて取付けられてい
る。そして、一対のスライドフレーム33は、前記バル
クヘッド13の外側にこれと平行に対向するように配置
され、後述するスライド機構38によって前後方向に移
動自在に支持されている。
【0042】前記シート本体34は、ボトムフレーム4
0と、このボトムフレーム40上に配置されたクッショ
ン41およびこのクッション41を覆う布42等で構成
されている。前記ボトムフレーム40は平板状に形成さ
れ、前端部下面が前記連結棒36の上面によって支持さ
れ、後端側にはローラ等の回転時自在な転動子44(係
合手段)が設けられている。
【0043】この転動子44は、前記バルクヘッド13
の内側面上縁部に沿って形成したガイド溝43(ガイド
手段)に摺動自在に挿入され、前記バックレスト70が
略直立した通常状態においてはガイド溝43の後方側終
端部に位置し、座部15がバックレスト70とともに前
方へ引き出されると、ガイド溝43の前方側終端部に後
述する所定の軌跡をとって移動する。
【0044】前記ガイド溝43は、前半部が上方に緩や
かな曲線を描くように凸状に湾曲し、後半部が下方に緩
やかな曲線を描くように凸状に湾曲し、全体として略S
字状に形成されている。これは、前記バックレスト70
をリクライニング状態から略水平なベッド状態に移行さ
せるとき、その初期においてシート本体34の後端を通
常時の高さよりも下げることによりシート本体34を床
面に対して傾斜させ、ベッド状態に近くなると元の高さ
に戻り床面と略平行になるようにするためである。
【0045】このようにシート本体34の移動時にその
角度(向き)を変えるようにすると、乗客の腰部を回転
中心として傾動させることができるため、乗客に不安定
感を与えることなく快適に傾倒させることができる。
【0046】図9,図10に示すように、前記座部15
のスライド機構38は、前記バルクヘッド13の外側面
上部にベースプレート50を介して取付けた2個のガイ
ド部材51と、これらのガイド部材51に対応して前記
スライドフレーム33の内側面にベースプレート52を
介して取付けた2個のスライダー53と、前記ガイド部
材51とスライダー53との間に介在された中間スライ
ダー54等で構成されている。
【0047】前記ガイド部材51は、板状に形成されて
上下端部に互いに対向する半円形に湾曲したボール受部
51aを一体に有することにより断面形状が縦長C字状
とされる。前記スライダー53は、ガイド部材51と同
一形状に形成されることにより、断面形状が縦長C字状
で、上下端部に互いに対向する半円形に湾曲したボール
受部53aを一体に有している。
【0048】ガイド部材51とスライダー53のボール
受部51a,53aは、外側面が凸曲面で、内側面が凹
曲面となるように形成されている。前記中間スライダー
54は、プレート56と、このプレート56の両面に上
下二列に固定されたボール受部材57と、複数個のボー
ル55と、このボール55を前記ボール受部材57とと
もに回転自在に保持する保持器58と、前記プレート5
6の表面に固定された補強板59等で構成されている。
【0049】ボール受部材57の上下端部には、前記ガ
イド部材51、スライダー53のボール受部51a,5
3aと同一の曲率半径を有する円弧状に湾曲したボール
受部57aが一体に設けられている。このボール受部5
7aは、外側面が凹曲面で内側面が凸曲面となるように
形成され、前記ガイド部材51のボール受部51aまた
はスライダー53のボール受部53aとともに前記ボー
ル55を回転自在に収容する筒状の空間を形成してい
る。
【0050】前記保持器58は、薄い金属板によって形
成され、前記ボール受部材57に対して非接触で、図示
しない固定金具により前記補強板59にねじ止めされて
いる。また、この保持器58の上下端部には、前記ボー
ル受部51aとボール受部57aまたはボール受部53
aとボール受部57aとの間に挿入される略水平な折曲
部58aが形成され、この折曲部58aに前記ボール5
5が挿入される複数個の孔が保持器58の長手方向に一
定の間隔をおいて形成されている。
【0051】したがって、図9に示すように、スライド
機構38によって座部15をスライド自在に支持する
と、中間スライダー54がガイド部材51に沿って前方
へ移動し、さらにスライダー53が中間スライダー54
に沿って前方へ移動するので、バックレスト70を傾倒
させて略水平なベッド状態にするとき、座部15を前方
へ大きく引き出すことができる。また、座部15をキャ
スター付きの脚やトロリーで支持する必要がないので、
キャスター用のレールを取付ける必要がなく、座部15
の下方空間を有効に利用することができる。
【0052】したがって、後述する座部用駆動装置6
0、レッグレスト用駆動装置120等を簡単な構造とす
ることができ、部品点数、組付工数を削減することがで
きる。また、これら駆動装置の取付けも容易である。さ
らに、座部15をスライド機構38によって保持してい
るから、床面に接触するものがないので、座部15が移
動しても床面または床に敷設されているカーペットを傷
つけることもない。
【0053】図5〜図9において、前記座部15の下方
空間には、前記座部用駆動装置60と前記レッグレスト
用駆動装置120が配設されている。特に、前記座部用
駆動装置60は、客室床面(シートトラック10)から
離間した位置であって、スライド機構38に隣接した位
置に設けられており、これにより駆動力が効率よくスラ
イドフレーム33に伝達される。
【0054】座部用駆動装置60は、駆動モータ61
と、進退自在な出力ロッド62と、前記駆動モータ61
の回転を減速して前記出力ロッド62に伝達する図示し
ない減速歯車機構とを備えている。駆動モータ61は、
前端側が支持レバー64の上端部に連結ピン65を介し
て上下方向に回動自在に軸支され、後端側は何等支持さ
れていない。
【0055】したがって、この連結ピン65をトルク供
給点として出力ロッド62が進退することになる。この
ように、トルク供給点を前記下方空間の前部であって、
かつスライド機構38の下方に隣接して配置すことによ
り、駆動モータ61の駆動力が効率よくスライドフレー
ム33に伝達される。
【0056】前記支持レバー64は、前記一対のパイプ
11のうち前方側に位置するパイプ11aに設けたブラ
ケット63に取付けられている。前記出力ロッド62は
ねじ棒からなり、前端が前記連結棒36に取付けた複数
個の連結プレート37のうちの1つのプレート37aの
下端に連結ピン39を介して回動自在に枢着されてい
る。
【0057】前記連結プレート37aは、図6に示すよ
うに異形の菱形に形成され、前後両端と下端の三箇所が
連結部として用いられる。なお、座部用駆動装置60の
減速歯車機構は、出力ロッド62が螺合する従動歯車を
有し、出力ロッド62を回転を伴わないで軸線方向に進
退移動させる。従動歯車としては、ねじ孔と外歯を有す
る歯車を用いればよい。
【0058】前記駆動モータ61を駆動して出力ロッド
62を前進移動させると、連結プレート37aが前方へ
押圧されるため、スライドフレーム33は前記スライド
機構38に沿って前方へ移動する。したがって、シート
本体34はスライドフレーム33と一体的に前進移動
し、もって座部15がバルクヘッド13の前方へ引き出
される。この時、前記転動子44はバルクヘッド13の
ガイド溝43に沿って前方へ移動する。
【0059】前記バックレスト70は、左右一対のフレ
ーム73と、これらのフレーム73間に設けられたバッ
クシート74と、ヘッドレスト75等を備えている。前
記フレーム73は、側面視形状が「く」字状の板体から
なり、下端部の両側面に固定された連結金具76が前記
スライドフレーム33の後端に連結ピン77を介して前
後方向に傾倒自在に枢着されている。
【0060】また、背面の下端部寄りが前記ボトムフレ
ーム40に2本のリンク78,79を介して連結され、
さらにこれらのリンク78,79より上方部分が後述す
るバックシェル90の強度部材を形成するフレーム91
に転動子80とガイド溝83を介して支承されている。
【0061】前記連結ピン77は、前記スライドフレー
ム33の後端部上面に突設した三角形の突出部33aに
よって軸支されている。前記転動子80は、前記フレー
ム73の後面に取付けた三角形のブラケット84の頂部
に取付けられ、前記フレーム91に形成したガイド溝8
3に転動自在に挿入されている。
【0062】前記バックシェル90は、シート3を使用
している乗客のプライバシー保護と通路を歩行している
乗務員や乗客の安全性を確保するためにバックレスト7
0の後方に設けられたもので、前記一対のフレーム91
と、これらのフレーム91を連結する複数本の連結部材
92と、前記フレーム91に取付けられ前記バックレス
ト70の後方および側方を覆うバックシェルカバー93
等で構成されている。
【0063】前記一対のフレーム91は、下端部が前記
一対のバルクヘッド13間に位置し、回動軸95によっ
て前後方向に傾動自在に軸支され、通常は図6に示すよ
うに後方に略40°程度傾斜した状態に保持されてい
る。各フレーム91の内側面には上縁に沿って前記ガイ
ド溝83が直線状に形成されている。
【0064】前記転動子80は、バックレスト70が略
直立した状態に保持されている通常状態において、図6
に示すようにガイド溝83の上側終端部に位置してい
る。この状態より前記バックシェル90を後述するバッ
クシェル用駆動装置100によって後方へ所定角度傾倒
させると、これに連動してバックレスト70も傾倒され
てリクライニング状態(図7)となり、さらに座部15
の前進方向への移動に連動して大きく傾倒されると沈み
込んで略水平な状態(図8)に保持される。
【0065】このとき、バックレスト70は、転動子8
0がガイド溝83に沿って前方へ移動することにより、
後方へ傾倒しつつ前方へ沈み込むように押し出される。
そして、バックレスト70が後方へ最大角度傾倒して略
水平な状態になると、転動子80はガイド溝83の下側
終端部に移動する。
【0066】前記バックシェル用駆動装置100は、駆
動モータ101と、進退自在な出力ロッド102と、前
記駆動モータ101の回転を減速して前記出力ロッド1
02に伝達する図示しない減速歯車機構とを備え、前記
一対のパイプ11のうち後方側のパイプ11bと前記連
結部材92との間の空間に取付けられている。前記駆動
モータ101の下端は、前記パイプ11bに取付けたブ
ラケット104に連結ピン105を介して回動自在に連
結されている。
【0067】出力ロッド102はねじ棒からなり、上端
が側面視形状が凹形の金具106を介して前記連結部材
92に下方から係合している。出力ロッド102は、通
常時において上方に最大寸法突出されることによりバッ
クシェル90を略直立した状態に支持しており、この状
態より駆動モータ101の駆動によって下方に引き下げ
られる。
【0068】そのため、バックシェル90は、自重およ
びバックレスト70の重量により、回動軸95を回動中
心として後方に所定角度傾倒し、図7、図8に仮想線で
示す位置、すなわちリクライニング位置で停止する。な
お、バックシェル用駆動装置100の減速歯車機構は、
前記座部用駆動装置60の減速歯車機構と同様に、出力
ロッド102が螺合する従動歯車を有し、出力ロッド1
02を回転を伴わないで軸線方向に進退移動させる。
【0069】ここで、バックシェル90は、リクライニ
ング位置に傾倒してもバックシェルカバー93の高さが
大きく変化せず、略直立した状態およびリクライニング
状態におけるバックレスト70の上面高さより幾分低
く、バックレスト70が略水平なベッド状態になったと
き、図8に示すようにバックレスト70の上面高さより
高くなるような高さに設計されている。また、バックレ
スト70を後方に傾倒させるとともに前方へ移動させる
ようにしているため、バックシェル90が傾倒した時の
後方への移動量も僅かである。
【0070】このようにシート3の使用態様に拘わらず
バックシェル90の高さを略一定に保つと、客室の通路
を乗務員や乗客が歩行しているときに、自然な姿勢でバ
ックシェル90を触れながら歩行することができるの
で、機体が揺れたり傾いたりしても転倒するようなこと
がない。また、バックシェル90は、シート3の通常状
態またはリクライニング状態においてバックレスト70
の後方に位置しているだけであるため、乗客に閉塞感や
孤立感を与えることがない。
【0071】特に、バックレスト70が略水平なベッド
状態になると、その後方および側方を覆うので、乗客が
横になったとき他の乗客から視認されることが少なく、
乗客のプライバシーを保護することができる。また、傾
倒したときの移動量も少ないので、後のシートの乗客に
不快感を与えることもない。
【0072】前記座部15の前端部下方には、前記レッ
グレスト110が取付けられている。このレッグレスト
110は、上方に開放するコ字状のフレーム111と、
このフレーム111を覆うレッグレスト本体112等で
構成されている。前記フレーム111は、両端部が前記
一対のスライドフレーム33の前端部に連結ピン114
を介して回動自在に枢支されている。
【0073】前記レッグレスト本体112は、垂下した
状態において下面となる面が開放する箱型に形成されて
表面側にクッションが設けられ、内部にはフットレスト
130と、このフットレスト130をレッグレスト11
0に連動して出没させる後述する引出し機構140の一
部構成部材が収納されている。このようなレッグレスト
110は、通常略垂直な状態(垂下状態)に保持される
ことにより座部15の前端部下方に位置している。
【0074】そして、シート3をリクライニング状態に
切り替えるときに、レッグレスト用駆動装置120によ
って上方へ回動されることにより図7に示すようにバッ
クレスト70と略同一角度傾斜した状態に保持され、ベ
ッド状態に切り替えられると、図8に示すようにさらに
上昇に回動して略水平な状態に保持され、座部15およ
びバックレスト70とともに略同一面を形成する。
【0075】なお、ベッド状態において、レッグレスト
70、座部15、レッグレスト110およびフットレス
ト130は、床面に対して平行ではなく、約3°以上前
傾した寝台面を形成する。これは、機体が通常の巡航飛
行のとき、大体3°の機首上がりとなっているので、頭
が足よりも高くなる状態で乗客が横たわれるようにする
ためである。
【0076】前記レッグレスト用駆動装置120は、駆
動モータ121と、進退自在な出力ロッド122と、前
記駆動モータ121の回転を減速して前記出力ロッド1
22に伝達する図示しない減速歯車機構とを備え、前記
座部用駆動装置60とともに座部15の下面とパイプ1
1との間の空間に配設されている。駆動モータ121
は、前端が前記連結棒36に取付けた前記プレート37
aの後端に連結ピン123を介して回動自在に連結さ
れ、後端側は支持されていない。
【0077】出力ロッド122はねじ棒からなり、前端
が前記レッグレスト110の背面側に連結ピン125を
介して回動自在に連結されており、通常時においては図
6に示すように後方に最大長さ分後退した状態に保持さ
れている。この状態において、駆動モータ121の駆動
によって出力ロッド122を前進移動させると、レッグ
レスト110は後方から押圧されるため、連結ピン11
4を回動中心として徐々に上昇回動する。
【0078】これにより、出力ロッド122が前方へ最
大長さ分突出すると略水平な状態となり、座部15と略
同一面を形成する(図8)。なお、レッグレスト用駆動
装置120の減速歯車機構は、前記座部用駆動装置60
の減速歯車機構と同様に、出力ロッド122が螺合する
従動歯車を有し、出力ロッド122を回転を伴わないで
軸線方向に進退移動させる。
【0079】次に、図11〜14を参照して、フットレ
スト130に設けられたレッグレスト110について説
明する。図11は通常状態におけるレッグレストと引出
し機構の状態を示す図、図12はリクライニング状態に
おけるレッグレストと引出し機構の状態を示す図、図1
3はベッド状態におけるレッグレストと引出し機構の状
態を示す図、図14は引出し機構の側面図である。
【0080】前記フットレスト130は、図6〜図8、
図11〜図14に示すように、前記レッグレスト110
のレッグレスト本体112内に引出し自在に収納された
板状の本体131を備えている。この本体131は、レ
ッグレスト本体112内に設けたガイドレール132に
沿って摺動するスライダ133を有している。
【0081】前記フットレスト130の引出し機構14
0は、前記レッグレスト110の背面側に設けた駆動ア
ーム141と、前記レッグレスト本体112内に組み込
まれた中継リンク142を備えている。前記駆動アーム
141の上端は、前記連結プレート37aの前端側角部
に連結ピン143を介して回動自在に連結されている。
【0082】この連結ピン143は、通常前記フレーム
111の回動中心(連結ピン114の中心)の下方に位
置しており、フットレスト130が垂下した状態から回
動して水平な状態になるときに、図7に示すようにレッ
グレスト本体112に対して相対的に後方へ移動する。
【0083】前記中継リンク142は、前記レッグレス
ト本体112内に回動自在に配設され、一端142aが
前記駆動アーム141の下端141aに長孔145とピ
ン146を介して連結され、他端142bが連結ピン1
47を介して前記本体131に連結されている。前記連
結ピン147は、前記本体131に突設され、前記中継
リンク142の他端部142bに設けた長孔148を貫
通し、前記レッグレスト本体112の内面に形成した縦
溝149に摺動自在に挿入されている。
【0084】前記駆動アーム141は、レッグレスト本
体112が垂下状態にあるとき、図6に示すように略垂
下した状態に保持され、下端141aが図11に示すよ
うに最下位置に保持されている。一方、中継リンク14
2は、図11に示す状態で右上がりに傾斜している。
【0085】この状態において、レッグレスト本体11
2が上昇回動すると、駆動アーム141も回動して下端
141aがレッグレスト本体112の回動支点側に移動
する。そのため、中継リンク142は図13に示すよう
に時計方向に回動して本体131をレッグレスト本体1
12の前方へ押し出す。
【0086】図2および図3において、前記サイドコン
ソール5は、上面高さが前記アームレスト16の上面よ
り若干高い略箱型に形成されたコンソール本体151を
備えている。このコンソール本体151は、前記各パイ
プ11の一端に延設した延長部11A(図4)に図示し
ない取付金具を介して固定されることにより前記シート
3に一体的に結合されている。コンソール本体151の
内部は後方に開放することにより前記収納部6を形成し
ている。
【0087】この収納部6は、後のシートにおける乗客
が鞄等の手荷物を挿入したり、あるいは横になって寝て
いるとき前記フットレスト130の一部および足を収容
するために利用される。また、この収納部6の下方には
靴等を収納するための収納部152が設けられている。
【0088】コンソール本体151の上面側には、TV
モニタ153と、コントロールパネル154とリーディ
ングライト155が設けられている。コントロールパネ
ル154は、上記した各駆動装置60,100,120
を動作させたり、前記TVモニタ153、リーディング
ライト155等をON、OFFさせるための各種コント
ロールスイッチを備えている。さらに、コンソール本体
151の上面後端部には、後方の視界を遮り乗客のプラ
イバシーを保護するためのスクリーン157が立設され
ている。
【0089】次に、図15〜18を参照して、上記した
シートの動作について説明する。図15は本発明による
座席装置の制御系を示すブロック図、図16は座席装置
の状態と制御動作を示すシーケンス図、図17はシート
を通常状態からリクライニング状態にするときのフロー
チャート、図18はシートをリクライニング状態からベ
ッド状態にするときのフローチャートである。
【0090】図15に示すように、座席装置の制御系
は、機内から供給される機内電源から制御系の各部で用
いる電源を生成出力する電源部320と、コンソール5
のスイッチパネル154からの操作信号あるいは各駆動
装置に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて
各駆動装置を制御するコントロールボックス310から
構成される。
【0091】電源部320には、機内から供給される機
内電源(AC)を直流化して比較的高い電圧の駆動用電
源を出力するAC/DCコンバータ321と、この駆動
用電源を比較的低い電圧の回路動作用電源を出力するD
C/DCコンバータ322が設けられている。コントロ
ールボックス310には、バックシェル用駆動装置10
0、レッグレスト用駆動装置120および座部用駆動装
置60をそれぞれ制御する制御回路部が設けられてい
る。
【0092】制御回路部としては、コントロールパネル
154からの操作信号や各駆動装置のセンサからの検出
信号を取り込む信号入力部313と、これら信号に基づ
いて各駆動装置を制御するとともに、コントロールパネ
ル154の表示を制御する制御部311と、この制御部
311からの制御信号に基づき各駆動装置に対する駆動
用電源の供給制御を行う駆動部312と、制御部311
からの制御信号に基づきコントロールパネル154の表
示を制御する表示信号を出力する信号出力部314が設
けられている。
【0093】また、コントロールパネル154には、利
用者の操作を検出するスイッチや動作状態を示す表示部
(例えばLEDなど)の他に、これらスイッチからの信
号を操作信号に変換してコントロールボックス310へ
出力するとともに、コントロールボックス310からの
表示信号を変換して各表示部を制御する信号変換部33
1と、電源部320からの回路用電源から信号変換部3
31を動作させるための制御用電源を生成するDC/D
Cコンバータ332が設けられている。なお、表示部の
電源としては電源部320からの回路用電源が用いられ
ている。
【0094】各駆動回路には、それぞれ出力ロッドを進
退させる駆動モータと、出力ロッドの進退位置に応じて
動作するセンサ(位置検出スイッチ)が設けられてい
る。また、図示していないが、過電流保護回路や温度ヒ
ューズ、さらには各センサのうち、特定のセンサの検出
出力でそれぞれの駆動モータへの駆動電源を遮断するリ
ミッタスイッチなどの保安機構が設けられている。
【0095】特に、バックシェル用駆動装置100に
は、ロッド102の進退位置を検出するセンサとして、
センサUPLIGHTとセンサRECLINEが設けら
れている。センサUPLIGHTは、図16に示すよう
に、出力ロッド102がほぼ最大進出したこと(MAX
位置)を検出し、これによりシートが通常状態であると
判断される。また、センサRECLINは、出力ロッド
102がほぼ最大後退したこと(MIN位置)を検出
し、これによりバックシェル90の傾倒が完了したと判
断される。
【0096】レッグレスト用駆動装置120には、セン
サSEAT、センサRELAX、およびセンサBEDが
設けられている。センサSEATは、出力ロッド122
がほぼ最大後退したこと(MIN位置)を検出し、これ
によりシートが通常状態であると判断される。センサR
ELAXは、出力ロッド122が中間位置まで進出した
ことを検出し、これによりリクライニング状態であると
判断される。センサBEDは、出力ロッド122が最大
進出したこと(MAX位置)を検出し、これによりレッ
グレスト110がほぼ水平位置まで上昇したと判断され
る。
【0097】また、座部用駆動装置60には、センサS
TOWとセンサEXTENDが設けられている。センサ
STOWは、出力ロッド62がほぼ最大後退したこと
(MIN位置)を検出し、レッグレスト110がほぼ水
平位置まで上昇したと判断される。センサEXTEND
は、出力ロッド62がほぼ最大進出したこと(MAX位
置)を検出し、シートがベッド状態であると判断され
る。
【0098】これらセンサからの検出信号は、図15に
示すように、信号入力部313を介して制御部311に
入力され、ここでソフトウェアにより判断処理が行われ
てシートの状態が認識され、各駆動装置の駆動モータに
対する正転、逆転および停止を指示する制御信号が駆動
部312に出力される。駆動部312では、この制御信
号に基づき電源部320からの駆動用電源の出力制御が
行われ、各駆動装置の駆動モータについて正転、逆転お
よび停止が制御される。
【0099】次に、図17を参照して通常状態からリク
ライニング状態に移行する場合の動作について説明す
る。シート3の通常状態において(ステップ200)、
バックレスト70およびバックシェル90は図6に示す
ように略直立した状態に保持されている。また、レッグ
レスト110は垂下状態に保持され、フットレスト13
0はレッグレスト110内に完全に収納されている。
【0100】この通常状態よりシート3をリクライニン
グ状態に切り替えるには、モード選択し、コントロール
パネル154に設けられているリラックススイッチを操
作してバックシェル用駆動装置100の駆動モータ10
1を動作させる(ステップ201)。これにより出力ロ
ッド102が引き下げられるため、フレーム91は回動
軸95を回動中心として後方へ徐々に傾倒する。
【0101】このため、バックシェル90は図6に仮想
線で示す状態から図7に仮想線で示すように後方に所定
角度傾斜したリクライニング状態に移行する。この時、
バックレスト70はバックシェル90に連動して後方に
傾倒し、同じくリクライニング状態になる。
【0102】すなわち、バックシェル90のフレーム9
1が回動軸95を回動中心として後方に回動すると、バ
ックレスト70のフレーム73は連結ピン77を回動中
心として傾倒し、転動子80が前記フレーム91のガイ
ド溝83に沿って斜め下方でかつ前方に向かって移動す
る。その結果、バックレスト70は、後方に所定角度傾
倒しリクライニング状態となる。
【0103】このように、シート3の通常状態からリク
ライニング状態への切替え操作は、バックシェル用駆動
装置100によリバックシェル90を介してバックレス
ト70を後方へ所定角度傾倒させることで行われる。こ
の時、レッグレスト用駆動装置120の駆動モータ12
1も駆動して出力ロッド122がレッグレスト110を
前方に押圧するため、レッグレスト110は連結ピン1
14を回動中心として上昇回動し所定角度傾斜した状態
になる。
【0104】レッグレスト110が回動すると、駆動ア
ーム141が中継リンク142の一端142aを後方に
引っ張るようになるため、中継リング142の他端部1
42bが図12に示すようにピン147を回動中心とし
て同図において時計方向に回動する。この時、ピン14
7は長溝149に沿ってレッグレスト110の前端側へ
移動する。
【0105】この結果、フットレスト130は、レッグ
レスト110から前方に所定量突出し、もってシート3
がリクライニング状態となる(ステップ203)。この
時、座部用駆動装置60は駆動しないため、座部15お
よびバックレスト70は前方へ移動することはない。
【0106】シート3をリクライニング状態から略直立
した通常状態に戻すには、モード選択してバックシェル
用駆動装置100を駆動し、出力ロッド102を上昇さ
せてフレーム91を押上げ、バックレスト70を起立さ
せればよい。この時、レッグレスト用駆動装置120も
駆動する。そのため、レッグレスト110は引き下げら
れて元の垂下状態に戻り、フットレスト130が引出し
機構140によりレッグレスト110内に収容される。
【0107】図18はシート3をリクライニング状態か
らベッド状態に移行させるときのフローチャートであ
る。図7に示すリクライニング状態(ステップ203)
から図8に示すベッド状態に移行させるには、コントロ
ールパネル154のベッドスイッチを操作する(ステッ
プ204)。このベッドスイッチを操作すると、先ずレ
ッグレスト用駆動装置120が動作してレッグレスト1
10を傾斜した状態から上方にさらに回動させて図8に
示す略水平な状態にし、座部15と略同一面にする。
【0108】この時、フットレスト130は、引出し機
構140によってレッグレスト110からさらに引き出
され、レッグレスト110の前方に突出する(ステップ
205)。次に、座部用駆動装置60が駆動して座部1
5を前方へ移動させる(ステップ206)。
【0109】この時、スライドフレーム33は、図10
に示すスライド機構38によって前方へ直線的に移動す
る。一方、シート本体34は、上記した通り、転動子4
4がバルクヘッド13のS字状ガイド溝43に沿って移
動するため移動ストロークの前半において向きを変えな
がら前進移動し、一定距離前進するとそれ以降は元の略
水平な状態に戻る。
【0110】座部15が前進移動すると、バックレスト
70は座部15に引きずられて前方へ移動すると同時に
後方へ最大角度傾倒し、略水平な状態となる。すなわ
ち、バックレスト70は、連結ピン77によってスライ
ドフレーム33に連結されているので、座部15の前進
移動に伴ってスライドフレーム33と一体的に前方へ移
動する。
【0111】また、転動子80はガイド溝83に沿って
下方に移動するため、バックレスト70は連結ピン77
を回動中心として後方に傾倒する。この結果、バックレ
スト70、座部15、レッグレスト110およびフット
レスト130は、略同一面を形成し、ベッド状態となる
(ステップ207)。
【0112】ここで、リクライニング状態からベッド状
態に切り替えるには、座部15とレッグレスト110、
フットレスト130の動作に時間差をもたせている。す
なわち、レッグレスト110およびフットレスト130
が略水平な状態になった後、座部15を前進移動させる
ようにしている。
【0113】このように時間差をもって動作させると、
レッグレスト110の前方の床面に手荷物等が置かれて
いても、レッグレスト110やフットレスト130が動
作するときに障害とならず、シート3を確実にベッド状
態にすることができる。
【0114】ベッド状態からリクライニング状態に戻す
には、モード選択をして上記したベッドスイッチを操作
すればよい。この時は、上記とは逆に先ず座部用駆動装
置60の駆動モータ61が駆動して出力ロッド62を後
退させるため、座部15が後方へ移動して元の通常位置
に復帰するとともにバックレスト70が座部15に連動
して後退する。
【0115】また、バックシェル用駆動装置100も駆
動してフレーム91を介してバックレスト70を回動さ
せリクライニング状態にする。次に、レッグレスト用駆
動装置120が駆動してレッグレスト110を下方に所
定角度回動させ、これに連動してフットレスト130が
後退してレッグレスト110内に略半分収容される。
【0116】すなわち、レッグレスト110が略水平な
状態から下方に回動すると、駆動アーム141が図13
に示す状態よりレッグレスト110に対して相対的に前
進し、中継リンク142の一端部142aを前方へ押圧
するため、中継リンク142が図13において反時計方
向に回動してピン147が長溝149に沿って左方へ移
動し、フットレスト130を後方へ移動させる。
【0117】この結果、フットレスト130は、レッグ
レスト110内に略半分収容され、ベッド状態からリク
ライニング状態に切り替わる。なお、ベッド状態から直
接略直立した通常状態に切り替えるには、モード選択し
てベッドスイッチを操作すればよい。
【0118】この時は、バックレスト70がリクライニ
ング位置で一時停止することなく回動して略直立した状
態に戻る。また、レッグレスト110も下方に回動して
垂下状態となり、フットレスト130がレッグレスト1
10内に完全に収容される。この結果、ベッド状態から
略直立した通常状態に直ちに切り替わる。
【0119】略直立した通常状態から直接ベッド状態に
切り替えるときも、モード選択し、ベッドスイッチを操
作すればよい。この時は、先ずバックシェル用駆動装置
100が駆動してバックレスト70を所定角度傾倒さ
せ、次いでレッグレスト用駆動装置120が駆動してレ
ッグレスト110およびフットレスト130を略水平な
状態にする。
【0120】その後、座部用駆動装置60が駆動して座
部15を前進移動させてバックレスト70をさらに後方
へ大きく傾倒させ略水平な状態にする。この結果、バッ
クレスト70、座部15、レッグレスト110およびフ
ットレスト130は、略同一面を形成し、略直立した通
常状態から略水平なベッド状態に切り替わる。
【0121】このように本発明にかかるシート3におい
ては、座部15をスライド機構38によって進退移動自
在に支持したので、バックレスト70を傾倒させてリク
ライニング状態から略水平なベッド状態にするとき、座
部15を前方へ所定ストローク引き出すことができる。
また、座部15をキャスター付きの脚やトロリーで支持
する必要がなく、キャスター用のレールを設置する必要
がなく、座部15の下方空間を有効に利用することがで
きる。
【0122】したがって、座部用駆動装置60やレッグ
レスト用駆動装置120を簡単な構造とすることがで
き、部品点数、組付工数を削減することができる。ま
た、これら駆動装置60,120の取付けも容易であ
る。さらに、座部15とスライド機構38は、床面に接
触するものがないので、座部15が移動しても床面また
は床に敷設されているカーペットを傷つけることもな
い。
【0123】また、スライド機構38をガイド部材51
と、スライダー53と中間スライダー54で構成し、バ
ルクヘッド13とスライドフレーム33との間の空間に
配設しているので、他の機構、部材等の取付けや乗客に
影響を及ぼすことがなく、座部15の移動ストロークが
大きいシートを得ることができる。
【0124】さらにシート3は、通常の略直立した状
態、リクライニング状態およびベッド状態の三つの態様
に切り替えることができるので、長時間の飛行中におい
て、単に座っているだけでなく、身体を後に倒したり、
横になって睡眠をとることができ、乗客にゆとりや快適
さを与えることができる。
【0125】なお、本実施の形態においては、前後一対
のパイプ11をシートトラック10に固定し、このパイ
プ11に左右一対のバルクヘッド13を平行に対向させ
て立設した例を示したが、本発明はこれに何等特定され
るものではなく、4本の脚を備えた脚部材に座部15を
進退移動自在に配設したシートにも適用することができ
る。また、本実施の形態においては、スライド機構38
を、ガイド部材51と、スライダー53と、このスライ
ダー53と前記ガイド部材51の間に介在された中間ス
ライダー54とで構成したが、これに限らず、座部15
の移動ストロークが短い場合は、ガイド部材とスライダ
ーで構成したものであってもよい。
【0126】このように本実施の形態においては、バッ
クシェル90によって乗客のプライバシーを保護すると
ともに、通路を歩行している歩行者の安全性を向上させ
ることができる。すなわち、バックレスト70が最大角
度傾倒して略水平な状態になったとき、バックシェル9
0はリクライニング位置まで傾倒してバックレスト70
の後方および両側方を覆うため、シート3に横になると
他の乗客から見え難く、シート3に横になっている乗客
のプライバシーを保護することができる。
【0127】一方、通常はバックレスト70の後方に位
置し、側方を覆っていないので、乗客に閉塞感または孤
立感を与えることがなく、乗客に快適さを与えることが
できる。また、バックシェル90は、略直立した通常状
態から傾倒したリクライニング状態になっても、高さが
大きく変化しないので、客室の通路を歩行している乗務
員や乗客が自然な歩行姿勢でバックシェル90を触りな
がら歩行することができる。
【0128】したがって、機体が揺れたり傾いたりして
も転倒するようなことがない。さらに、傾倒時の移動量
も少ないので、後のシートにおける他の乗客に不快感を
与えることもない。また、座部15はレッグレスト11
0が上昇回動して完全に略水平な状態になった後に動作
して前進するので、シート3の前方の床面に手荷物等が
置かれていても、レッグレスト110が手荷物等に当た
って破損したり故障することがない。
【0129】また、バックレスト70はバックシェル9
0に連動して傾倒することによりリクライニング状態と
なり、その後、座部15が前進移動するとこれに連動し
て前方へ移動しつつさらに大きく傾倒して略水平な状態
になるので、人間工学的に移動時における安定感を有す
る。また、シート3は、通常の略直立した状態、リクラ
イニング状態およびベッド状態の三つの態様に切り替え
ることができるので、長時間の飛行中において、単に座
っているだけでなく、身体を後に倒したり、横になって
睡眠をとることができ、乗客にゆとりや快適さを与える
ことができる。
【0130】このように本実施の形態においては、前後
一対のパイプ11を床面に敷設されているシートトラッ
ク10に固定し、このパイプ11に左右一対のバルクヘ
ッド13を平行に対向させて立設したので、パイプ11
を利用して座部15とパイプ11との間の空間に座部用
駆動装置60およびレッグレスト用駆動装置120、さ
らにはバックシェル用駆動装置100を配設することが
できる。そのため、これらの駆動装置60,100,1
20の取付け作業が容易で、床面から離して設置するこ
とができる。
【0131】また、パイプ11は左右のバルクヘッド1
3を連結する連結部材として用いられるので、シート3
の取付強度を増大させることができる。この場合、一対
のバルクヘッド13は、下端側のみがパイプ11に強固
に固定されているだけで、上端側は互いに連結されてい
ないが、上端間の間隔は、座部15のスライドフレーム
33、バックレスト70のフレーム73、バックシェル
90のフレーム91、回動軸95等によって一定に保持
されているので、側方からの外力に対して十分耐え得る
ものである。
【0132】ここで、上記実施の形態においては、乗客
のプライバシーを保護するためにバックシェル90を設
け、バックシェル用駆動装置100によってバックシェ
ル90を傾倒させ、これに連動してバックレスト70を
傾倒させるように構成した例を示したが、バックシェル
90を備えないシートにおいては、前記駆動装置100
でバックレスト70を直接傾倒させるようにすればよ
い。その場合は、この駆動装置100を座部15の下方
空間に前記パイプ11を利用して配設するようにする
と、シート3の後方空間を有効に利用することができ
る。
【0133】また、シート3は、通常の略直立した状
態、リクライニング状態およびベッド状態の三つの態様
に切り替えることができるので、長時間の飛行中におい
て、単に座っているだけでなく、身体を後に倒したり、
横になって睡眠をとることができ、乗客にゆとりや快適
さを与えることができる。
【0134】また、バックシェル90は、シート3のベ
ッド状態において、バックレスト70の後方および両側
方を覆うので、他の乗客から見え難く、乗客のプライバ
シーを保護することができる。したがって、乗客により
一層快適さを与えることができる。また、バックシェル
90は、ベッド状態においても後方に僅かに傾倒するだ
けであるため、後のシートにおける他の乗客に不快感を
与えることも少ない。
【0135】また、サイドコンソール5は、後方に開放
する収納部6を有しているので、この収納部6に後部シ
ートの乗客が手荷物を収容したり、横になったとき足を
差し込むことができる。したがって、前後のシート間隔
を相対的に小さくすることができる。
【0136】なお、上記した実施の形態においては、バ
ックシェル90、レッグレスト110およびフットレス
ト130を備えたファーストクラス用のシート3に適用
した例を示したが、本発明はこれに何等特定されるのも
のではなく、バックシェル90を備えないファーストク
ラス用、バックシェル90、レッグレスト110および
フットレスト130を備えないビジネスクラスあるいは
エコノミークラス用のシートにも適用することができ
る。また、シングルタイプのシートに限らず、サイドコ
ンソール5の代わりに複数のシートをパイプ11によっ
て一体的に連結したシートにも適用することができる。
【0137】また、本実施の形態においては、シートを
乗客が着座した状態で機首の方を向くように機体中心線
に対して斜めに設置したが、これに限らず、機体壁に向
くように設置したものであってもよく、さらに機体中心
線に対して垂直に、シートどうしを平行に設置したもの
であってもよい。さらに、上記した実施の形態において
は、傾倒自在なバックシェル90を備えたシート3を示
したが、バックシェル90が傾倒せず、固定されている
ものであってもよい。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる航
空機用座席装置は、座部をスライド機構によって進退移
動自在に支持したので、バックレストをリクライニング
状態から略水平なベッド状態にするとき、座部を前方へ
所定ストローク引き出すことができる。また、座部をキ
ャスター付きの脚やトロリーで支持する必要がなく、キ
ャスター用のレールも必要がないので、座部の下方空間
を広く利用することができ、座部用駆動装置やレッグレ
スト用駆動装置を簡単な構造とすることができ、部品点
数、組付工数を削減することができる。また、これら駆
動装置の取付けも容易である。さらに、座部とスライド
機構は、床面に接触するものがないので、座部が移動し
ても床面または床に敷設されているカーペットを傷つけ
ることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る座席装置が設置された航空機の
ファーストクラスの客室を示す平面図である。
【図2】 同座席装置を一部破断して左斜め前方から見
た外観斜視図である。
【図3】 座席装置を右斜め後方から見た外観斜視図で
ある。
【図4】 同座席装置の平面図である。
【図5】 同座席装置の主要構成部材の分解斜視図であ
る。
【図6】 通常状態における座部、バックレスト、レッ
グレスト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す図
である。
【図7】 リクライニング状態における座部、バックレ
スト、レッグレスト、フットレストおよび駆動装置の状
態を示す図である。
【図8】 ベッド状態における座部、バックレスト、レ
ッグレスト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す
図である。
【図9】 スライド機構の動作を示す説明図である。
【図10】 スライド機構を示す断面図および平面図で
ある。
【図11】 通常状態におけるレッグレストと引出し機
構の状態を示す図である。
【図12】 リクライニング状態におけるレッグレスト
と引出し機構の状態を示す図である。
【図13】 ベッド状態におけるレッグレストと引出し
機構の状態を示す図である。
【図14】 引出し機構の側面図である。
【図15】 本発明による座席装置の制御系を示すブロ
ック図である。
【図16】 座席装置の状態と制御動作を示すシーケン
ス図である。
【図17】 シートを通常状態からリクライニング状態
にするときのフローチャートである。
【図18】 シートをリクライニング状態からベッド状
態にするときのフローチャートである。
【符号の説明】
3…シート、10…シートトラック、13…バルクヘッ
ド、15…座部、16…アームレスト、33…スライド
フレーム、38…スライド機構、51…ガイド部材、5
3…スライダー、54…中間スライダー、60…座部用
駆動装置、70…バックレスト、90…バックシェル、
100…バックシェル用駆動装置、110…レッグレス
ト、120…レッグレスト用駆動装置、130…フット
レスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−258796(JP,A) 特開 昭63−297195(JP,A) 特開 平10−236397(JP,A) 実開 昭58−123736(JP,U) 実開 平5−48747(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64D 11/06 A47C 1/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の客室に設置される航空機用座席
    装置において、 前後方向に移動可能な座部と、 この座部を前後方向に進退自在に支持するスライド機構
    と、 前記座部とともに座部下側に空間を形成するように前記
    スライド機構を上部に支持し、かつ客室床部材に固定さ
    れた脚部材と、 前記座部より下方に配置され、かつ前記座部を前後方向
    に進退させる座部用駆動装置とを備え 前記座部用駆動装置は、支持レバーにより前端が前記座
    部の下方の客室床面から離間した位置であってかつ前記
    スライド機構の下方に隣接した位置で上下方向に回動自
    在に支持された駆動部と、前端が前記座部の前部に接続
    され、前記駆動部の駆動に応じて前後方向に進退するこ
    とにより前記座部を進退させるロッドとを有する ことを
    特徴とする航空機用座席装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記客室床部材を構成するとともにかつ客室床面に機体
    の長手方向に延在しかつこの長手方向と交差する方向に
    離間して並設されたシートトラックと前記脚部材との間
    に設けられ、かつ前記シートトラックの延在する方向と
    交差する方向に前記脚部材の取り付け位置を調整する位
    置調整手段を備えることを特徴とする航空機用座席装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記位置調整手段は、 前記前後方向と交差して延在しかつこの前後方向に互い
    に平行配置されるとともに、複数の前記シートトラック
    に交差して固定される複数のパイプと、 これらパイプに脚部材を調整可能に固定する取付手段と
    を備えることを特徴とする航空機用座席装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記脚部材は、 前記前後方向に延在しかつ互いに対向するように前記前
    後方向と直交する方向に離間して並設された2つの側支
    持部材からなることを特徴とする航空機用座席装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記スライド機構は、 前記座部を前記前後方向に案内するスライドフレームに
    固定されたスライダーと、 このスライダーを前記前後方向に進退自在に支持する中
    間スライダーと、 前記脚部材に固定されるとともに、前記中間スライダー
    を前記前後方向に進退自在に支持するガイド部材とを備
    えることを特徴とする航空機用座席装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、前記支持レバーは、前記脚部材を客室床面に固定するた
    め当該脚部材の前端側に設けられたパイプに取り付けら
    れている ことを特徴とする航空機用座席装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、前記座部は、前端側が連結棒を介して互いに連結された
    左右一対のスライドフレームと、これらスライドフレー
    ム上に設置されたシート本体とからなり、 前記脚部材は、 前記前後方向に延在しかつ互いに対向するように前記前
    後方向と直交する方向に離間して並設された2つの側支
    持部材からなり、 前記スライド機構は、 前記座部のスライドフレームの内側面に固定されたスラ
    イダーと、 このスライダーを前記前後方向に進退自在に支持する中
    間スライダーと、 前記脚部材の側支持部材の外側面上部に固定されるとと
    もに、前記中間スライダーを前記前後方向に進退自在に
    支持するガイド部材とからなる ことを特徴とする航空機
    用座席装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記座部は、 前記スライドフレームの前部に前側下部を支点として上
    下方向に回動自在に支持されたボトムフレームを備え、 このボトムフレームは、前記前後方向に延在して前記脚
    部材に設けられたガイド手段と係合する係合手段をその
    後部に有し、前記スライドフレームの移動に伴って前記
    係合手段が前記ガイド手段に沿って移動することによ
    り、前記支点を中心として上下方向に回動することを特
    徴とする航空機用座席装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、 前記座部の前部に設けられ、後部を支点として上下方向
    に回動自在に支持されたレッグレストを備え、 このレッグレストは、前記座部が後方に位置する場合に
    下方に折り畳まれ、座部が前方に進出する際には、これ
    に先だって前記支点を中心として略水平位置まで上昇回
    動することを特徴とする航空機用座席装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の航空機用座席装置にお
    いて、 前記座部の前部に後側を支点として上下方向に回動自在
    に支持されたレッグレストと、 前記座部に下端が連結され略直立した状態からリクライ
    ニング状態を経て略水平な状態に傾倒するバックレスト
    と、 このバックレストの後方に傾倒自在に設けられ、前記バ
    ックレストが略直立した状態およびリクライニング状態
    においては前記バックレストの高さより低く形成された
    バックシェルとを備え、 前記バックシェルは、前記バックレストが最大角度傾倒
    して略水平になった状態において、傾倒してリクライニ
    ング位置に保持され、上面高さが前記バックレストより
    高いことを特徴とする航空機用座席装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の航空機用座席装置に
    おいて、 前記座部、前記バックレストおよび前記レッグレストを
    ベッド状態にするモードを選択したときは、前記バック
    レストがリクライニング状態になり、この状態からバッ
    クレストおよび座部が前進し、この座部の前進以前に前
    記レッグレストが上昇回動して略水平な状態になるよう
    に制御されることを特徴とする航空機用座席装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の航空機用座席装置に
    おいて、 バックレストは、略直立した状態からリクライニング状
    態を経て略水平な状態に傾倒可能で、後側にバックシェ
    ルを備え、 このバックシェルは、前記バックレストが略直立した状
    態に保持されているときその後方を覆い、略水平な状態
    に傾倒するとバックレストの後方および両側方を覆う形
    状に形成されていることを特徴とする航空機用座席装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項3記載の航空機用座席装置にお
    いて、 前記座部に隣接配置されたサイドコンソールを備え、 このサイドコンソールは、前記各パイプに固定されてい
    ることを特徴とする航空機用座席装置。
  14. 【請求項14】 請求項3記載の航空機用座席装置にお
    いて、 前記各パイプは、 前記座部に隣接配置される他の座席装置を固定するため
    の延長部を有することを特徴とする航空機用座席装置。
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