JP3416070B2 - マイクロ波可変減衰装置 - Google Patents

マイクロ波可変減衰装置

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JP3416070B2 JP06408999A JP6408999A JP3416070B2 JP 3416070 B2 JP3416070 B2 JP 3416070B2 JP 06408999 A JP06408999 A JP 06408999A JP 6408999 A JP6408999 A JP 6408999A JP 3416070 B2 JP3416070 B2 JP 3416070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大電力のマイク
ロ波電力の出力を可変するマイクロ波可変減衰装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6は特開昭58−24202号公報に
示された従来のマイクロ波可変減衰器を示す断面図であ
り、図6において、1はマイクロ波を伝送する導波管、
7は導波管1の磁界結合ポストに設けられた光導電材
料、8は小孔、9は小孔8を介して光導電材料7に照射
する光エネルギーを発生する光エネルギー発生装置であ
る。
【0003】次に図6の従来例の動作を説明する。導波
管1内部を伝送するマイクロ波電力は光導電材料7を通
過する時、光導電材料7が保有する抵抗により、減衰す
る。光導電材料7の抵抗率は、小孔8を介して照射され
る光エネルギーで可変する。従って、光エネルギー発生
装置9より照射する光エネルギーを制御することで、導
波管1内部を伝送するマイクロ波電力を可変できる。
【0004】また、特開平4−152569号公報に
は、マイクロ波集積回路の半導体層にレーザ光を照射し
てプラズマを発生させ、マイクロ波基板の半導体層の電
気的特性を変化させて、マイクロ波伝送特性を可変する
ようにした技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6の従来例(特開昭
58−24202号公報)では、電力容量が、光導電材
料7の耐電力性能で決定されるので、例えば、ジャイラ
トロン等で発生した数百KW以上の大電力を可変するこ
とができないという課題があった。また、特開平4−1
52569号公報に示された従来例は、マイクロ波基板
の電気的特性を変化させるものであり、そもそも基板の
耐電力が小さいため、大電力用には使用できないという
課題があった。
【0006】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、ジャイラトロン等で発生した数百
KW以上の大電力を可変できるマイクロ波可変減衰装置
を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】プラズマ中をマイクロ波
が伝送する場合、プラズマ密度やマイクロ波の周波数に
より、その状況は変化する。一般的な例として、地球上
空に存在する電離層はプラズマの一種であり、電離層に
到達するマイクロ波の周波数により、反射,吸収,透過
等の現象が発生する。この発明のマイクロ波可変減衰
は、プラズマ中をマイクロ波が伝送する場合、プラズ
マ密度やマイクロ波の周波数により、その状況は変化す
ることに着目し、マイクロ波を伝送する導波管内あるい
は導波管を介して伝送されてくるマイクロ波を放射する
アンテナの開口端側付近にプラズマ発生手段を設け、こ
のプラズマ発生手段により発生させるプラズマの密度を
可変調整するプラズマ密度可変調整手段を設けた。ま
た、プラズマ発生手段が導波管の延長方向に沿ってマイ
クロ波の波長の1/4の倍数の間隔を隔てて複数設けら
れ、各プラズマ発生手段毎にプラズマ密度可変調整手段
が設けられたものとした。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を説明する。この実施の形態1によるマイ
クロ波可変減衰装置は、プラズマ中をマイクロ波が伝送
する場合、プラズマ密度やマイクロ波の周波数により、
その状況は変化することに着目し、マイクロ波を伝送す
る導波管内にプラズマを発生させ、マイクロ波をプラズ
マに吸収させることにより、マイクロ波の出力を可変す
るマイクロ波可変減衰方法を使用したマイクロ波可変減
衰装置である。図1はこの発明の実施の形態1によるマ
イクロ波可変減衰装置を示す概略図である。図1におい
て、1はマイクロ波を伝送する導波管、2は導波管1の
内部に設けられたプラズマ発生手段としてのプラズマ電
極、3はプラズマ発生手段2に印加する電圧を変えてプ
ラズマ密度を可変調整するプラズマ密度可変調整手段と
しての可変電圧源である。図2は図1のプラズマ電極部
分の断面図において、マイクロ波Mと発生したプラズマ
Pとの関係を模式的に示したものである。即ち、対向す
るプラズマ電極2,2間に高周波の電圧を印加すること
によりプラズマを発生させ、プラズマ中にマイクロ波を
伝送してプラズマに吸収させる。尚、図2ではプラズマ
電極2,2を導波管1のE面に設けた例を示している
が、H面に設けてもよいし、E面及びH面の両方に設け
てもよい。
【0009】プラズマは、対向する導波管内部に設けた
電極間に高周波を印加して生成する。この場合、電極は
プラズマに曝される。導波管内に希ガスを用いてプラズ
マ発生を容易にする場合は、電極としては、アルミ、ス
テンレス、シリコン、カーボンなどの導体電極やアルミ
アルマイトなどの絶縁体が被覆された電極を用いればよ
い。要は、高周波を印加できる電極を用いればよい。但
し、使用するガス等が電極材料と反応する場合は電極材
料を選ぶ必要がある。
【0010】次に動作について説明する。可変電圧源3
によりプラズマ電極2,2に電圧を印加して導波管1内
にプラズマを発生させ、このプラズマ中にマイクロ波を
伝送させることで、プラズマにマイクロ波を直接吸収さ
せる。プラズマに吸収されるマイクロ波電力の量はプラ
ズマ密度により決定される。従って、導波管1を伝送す
るマイクロ波の周波数,必要な減衰量に応じて、導波管
1内に発生させるプラズマの密度を変化させることによ
り、マイクロ波の出力を細かく可変できる。
【0011】実施の形態1のマイクロ波可変減衰装置に
よれば、マイクロ波を伝送する導波管1内にプラズマを
発生させて、このプラズマ中にマイクロ波を吸収させる
ので、従来技術の光導電材料のような電力容量を制限す
るものがなく、また、マイクロ波可変減衰装置の耐電力
性能は、発生するプラズマに左右されることがなく、導
波管1の耐電力で決定されるため、大電力可変減衰器と
して使用できる。
【0012】尚、マイクロ波の出力を可変するには、プ
ラズマを発生させる状態と発生させない状態の2つの状
態を作れれば可能であるので、例えば、プラズマ電極
2,2に電圧供給オンオフスイッチを介して所定電圧源
を繋げるよう構成すれば、可変電圧源3(プラズマ密度
可変調整手段)を備えなくともよい。
【0013】実施の形態2.図3に示すように、導波管
1の延長方向に沿って、マイクロ波の波長の1/4の倍
数の間隔で複数のプラズマ電極2a,2bを設けるよう
にすれば、より細かな減衰量の調整が可能となるととも
に、導波管伝送路としても整合が得られる。尚、3a,
3bはプラズマ密度可変調整手段としての可変電圧源で
ある。
【0014】実施の形態3.図4に示すように、導波管
1の入力側に、出力側に無反射終端5を取り付けたサー
キュレータ4を設けるようにし、プラズマで吸収されず
反射されたマイクロ波を終端することにより、導波管伝
送路としても良好な整合が得られる。
【0015】実施の形態4.導波管を介して伝送されて
くるマイクロ波を放射するアンテナの開口端側付近にプ
ラズマを発生させ、マイクロ波をプラズマに吸収させる
ことにより、マイクロ波の出力を可変するマイクロ波可
変減衰方法を用い、図5に示すように、プラズマ電極2
を、マイクロ波を放射するアンテナ6の開口端6E側付
近に設けてマイクロ波可変減衰装置を構成すれば、アン
テナ6から放射するマイクロ波エネルギーを可変でき
る。尚、本実施の形態4において、図4に示すような、
導波管1の入力側に、出力側に無反射終端5を取り付け
たサーキュレータ4を設けるようにすれば、導波管1の
部分において良好な整合が得られる装置となる。
【0016】
【発明の効果】の発明に係るマイクロ波可変減衰装置
によれば、導波管あるいはマイクロ波を放射するアンテ
ナの開口端側付近にプラズマ発生手段を設け、このプラ
ズマ発生手段により発生させるプラズマの密度を可変調
整するプラズマ密度可変調整手段を設けたので、ジャイ
ラトロン等で発生した数百KW以上の大電力のマイクロ
波出力を細かく可変できる装置が得られる。即ち、導波
管を伝送するマイクロ波の周波数,必要な減衰量に応じ
て、プラズマ密度可変調整手段を調整することで、導波
管内あるいはアンテナの開口端側付近で発生させるプラ
ズマの密度を変化させることができ、これにより、マイ
クロ波の出力を細かく可変できるようになる。 また、プ
ラズマ発生手段が導波管の延長方向に沿ってマイクロ波
の波長の1/4の倍数の間隔を隔てて複数設けられ、各
プラズマ発生手段毎にプラズマ密度可変調整手段が設け
られたものとしたので、より細かな減衰量の調整が可能
となるとともに、導波管伝送路としても整合が得られ
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるマイクロ波可
変減衰装置の概略構成図である。
【図2】 図1のプラズマ電極部分の断面模式図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2によるマイクロ波可
変減衰装置の概略構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるマイクロ波可
変減衰装置の概略構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4によるマイクロ波可
変減衰装置の概略構成図である。
【図6】 従来技術の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 導波管、2,2a,2b プラズマ電極(プラズマ
発生手段)、3,3a,3b 可変電圧源(プラズマ密
度可変調整手段)、4 サーキュレータ、5無反射終
端、6 アンテナ、6E アンテナ開口端。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を伝送する導波管内あるいは
    導波管を介して伝送されてくるマイクロ波を放射するア
    ンテナの開口端側付近にプラズマ発生手段を設け、この
    プラズマ発生手段により発生させるプラズマの密度を可
    変調整するプラズマ密度可変調整手段を設けたことを特
    徴とするマイクロ波可変減衰装置
  2. 【請求項2】 プラズマ発生手段が導波管の延長方向に
    沿ってマイクロ波の波長の1/4の倍数の間隔を隔てて
    複数設けられ、各プラズマ発生手段毎にプラズマ密度可
    変調整手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記
    載のマイクロ波可変減衰装置
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