JP3416060B2 - 弁の軸封部構造 - Google Patents

弁の軸封部構造

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JP3416060B2
JP3416060B2 JP29433198A JP29433198A JP3416060B2 JP 3416060 B2 JP3416060 B2 JP 3416060B2 JP 29433198 A JP29433198 A JP 29433198A JP 29433198 A JP29433198 A JP 29433198A JP 3416060 B2 JP3416060 B2 JP 3416060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕切弁等の弁棒貫
通部における止水技術に係り、弁の軸封部構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の仕切弁における軸封部の構造とし
ては、例えば図7に示すようなものがある。図7におい
て、弁箱の弁体収納部に設ける弁箱蓋1の内部には、弁
棒2との螺合によって軸心方向に出退する弁体3を配置
しており、弁棒2の鍔部2aをスラストカラー4によっ
て弁箱蓋1で受け止めている。弁棒2の鍔部2aより先
端側にはブッシュ5を嵌装しており、ブッシュ5を覆っ
てパッキン箱6を配置している。ブッシュ5には、内周
面および外周面に設けた環状溝5a,5bに、弁棒2と
の間およびパッキン箱6との間を止水するOリング7を
配置している。パッキン箱6はフランジ部6aにおいて
固定ボルト8で弁箱蓋1に固定しており、パッキン箱6
と弁箱蓋1との間にガスケット6bを介装している。ま
た、パッキン箱6には弁棒2との間をシールするダスト
シール9を設け、弁棒2の先端にはキャップ10を設け
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成では、ブ
ッシュ5を保持するためのパッキン箱6を固定ボルト8
で弁箱蓋1に固定する構造であるために、パッキン箱6
および弁箱蓋1に固定ボルト8を配置するためのフラン
ジ部6aを要しており、パッキン箱6および弁箱蓋1の
形状が必然的に大きくなり、延いては弁全体の小型化を
図る上で阻害要因となっていた。また、弁箱蓋1は、全
面塗装によって防錆の信頼性を向上させているが、固定
ボルト8のネジ孔部は塗装を行なうことができず、この
部分の養生に手間がかかる問題があった。
【0004】本発明は、上記した課題を解決するもので
あり、弁箱側部材においてブッシュを保持することがで
き、塗装箇所におけるネジ加工のいらない弁の軸封部構
造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、請求項1に係る本発明の弁の軸封部構造は、弁
箱に装着する弁箱蓋の天蓋部に弁棒を挿通する貫通孔を
形成するとともに、貫通孔の周縁部を弁棒に形成した鍔
部を受け止める座部に形成し、弁棒の鍔部より先端側に
ブッシュを嵌合装着し、ブッシュを囲んで配設するブッ
シュ収納部を天蓋部に一体に形成し、ブッシュの内周お
よび外周に弁棒とブッシュ収納部に対するシール材を配
置し、ブッシュの周縁部に径方向外側に突出する可動舌
部を設け、ブッシュ収納部の開口周縁部に、径方向内側
に突出して軸心方向において可動舌部に係合する固定舌
部と、軸心方向において可動舌部の通過を許容する潜り
部を設けたものである。
【0006】上記した構成により、ブッシュを保持する
ブッシュ収納部が天蓋部と一体の構造をなし、可動舌部
と固定舌部の係合によりブッシュの抜け止めを行ない、
ネジ孔等の機械加工を必要とする部位をブッシュに集約
することにより、天蓋部に結合手段としてのネジ構造が
なくなり、ネジを配置するためのフランジ部等のスペー
スが不要となり、形状の小型化を図ることができるとと
もに、ネジ部等の非塗装部を残すことなく天蓋部を容易
に全面塗装して防錆に対する信頼性を高めることができ
る。また、ブッシュ収納部の一体化によって弁としての
高さ寸法も低く抑えることができる。
【0007】請求項2に係る本発明の弁の軸封部構造
は、可動舌部に廻止ボルトを設け、固定舌部に、ブッシ
ュの軸方向において廻止ボルトの通過を許容し、径方向
において係止する切欠部を形成したものである。
【0008】この構成により、ブッシュが弁棒と供回り
することを防止する。請求項3に係る本発明の弁の軸封
部構造は、弁棒の周囲においてブッシュとブッシュ収納
部に囲まれた閉塞空間を外部に連通する通気孔を、弁
棒、ブッシュ、ブッシュ収納部の何れに形成し、通気孔
の開口部に栓体を着脱自在に設けたものである。
【0009】この構成において、ブッシュの装着時に
は、栓体を取り外した状態で、ブッシュ収納部に挿入す
る。このとき、閉塞空間の空気は通気孔を通して外部に
流出するので、閉塞空間内の空気圧に阻害されることな
く容易に装着できる。
【0010】使用時にブッシュは可動舌部がブッシュ収
納部の固定舌部に係合することにより抜け止めされてお
り、弁棒の周囲において漏洩する弁箱内圧力を受けて可
動舌部が固定舌部に圧接している。このため、ブッシュ
収納部からブッシュを引き出す場合には、栓体を取外
し、弁棒の周囲においてブッシュとブッシュ収納部に囲
まれた閉塞空間の圧力を、通気孔を通して外部に逃が
し、可動舌部と固定舌部との圧接状態を解除することに
より、ブッシュの回動を容易にし、可動舌部と固定舌部
との係合を解除してブッシュを引き出す。
【0011】請求項4に係る本発明の弁の軸封部構造
は、ブッシュ収納部の天頂部に、弁棒の周囲における開
口を被うカバーを着脱自在に冠着したものである。この
構成により、ブッシュ収納部の開口部から異物が侵入す
ることを防止して防塵性を高め、軸封部の信頼性を高め
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図2において、弁箱の天蓋
部を構成する弁箱蓋11は、弁箱の弁体収納部の開口を
覆って配置すするものであり、弁箱蓋11の内側に弁体
12を配置している。
【0013】弁箱蓋11には、弁棒13を挿通するため
の貫通孔14を形成しており、貫通孔14の周縁部に、
弁棒13に形成した鍔部13aを受け止める座部15を
形成するとともに、座部15にスラストカラー15aを
配置している。弁棒13の鍔部13aより先端側にはブ
ッシュ16を嵌合装着しており、ブッシュ16を囲んで
収納保持するブッシュ収納部17を弁箱蓋11に一体に
形成している。
【0014】ブッシュ16は、内周面および外周面に環
状溝18aを有し、各環状溝18aに弁棒13およびブ
ッシュ収納部17との間をシールするOリング19aを
配置している。またブッシュ16は上端側の内周面に形
成した環状溝18bにダストシール19bを配置してい
る。
【0015】ブッシュ16の上端の周縁部には、径方向
外側に突出する可動舌部20を設けており、ブッシュ収
納部17の開口周縁部には、径方向内側に突出して軸心
方向において可動舌部20に係合する固定舌部21と、
軸心方向において可動舌部20の通過を許容する潜り部
22を設けている。
【0016】可動舌部20には、六角孔付の廻止ボルト
23を螺合装着し、固定舌部21には、ブッシュ16の
軸方向において廻止ボルト23の通過を許容し、径方向
において廻止ボルト23を係止する切欠部24を形成し
ている。弁棒13の先端にはキャップ25を装着してい
る。
【0017】上記した構成における作用を説明する。ブ
ッシュ16を装着するには、キャップ25および廻止ボ
ルト23を外した状態で、弁棒13を嵌合挿入して軸心
方向に押進め、ブッシュ収納部17の開口において可動
舌部20を潜り部22において通過させ、ブッシュ収納
部17にブッシュ16を配置する。その後に、ブッシュ
16を軸心廻りに回転させて可動舌部20を固定舌部2
1に軸心方向において重ねて配置し、固定舌部21の切
欠部24を通して廻止ボルト23を可動舌部20に装着
固定する。
【0018】この状態で、弁棒13に係るスラスト力は
弁箱蓋11の座部15において受け止め、可動舌部20
と固定舌部21の軸心方向における係合によりブッシュ
16を抜け止めする。また、廻止ボルト23を切欠部2
4が係止することにより、ブッシュ16の廻り止めを行
なう。
【0019】図3は、本発明の他の実施の形態を示すも
のであり、弁棒13の周囲においてブッシュ16とブッ
シュ収納部17に囲まれた閉塞空間Aを外部に連通する
通気孔31をブッシュ16に形成し、通気孔31の開口
部に栓体32を着脱自在に設けている。
【0020】この構成により、ブッシュ16の装着時に
は、栓体32を取り外した状態で、ブッシュ収納部17
に挿入する。このとき、閉塞空間Aの空気は通気孔31
を通して外部に流出するので、閉塞空間Aの内部の空気
圧に阻害されることなくブッシュ16を容易に装着でき
る。
【0021】使用時において、ブッシュ16は可動舌部
20がブッシュ収納部17の固定舌部21に係合するこ
とにより抜け止めされており、弁棒13の周囲において
漏洩する弁箱内圧力を受けて可動舌部20が固定舌部2
1に圧接している。
【0022】不断水状態で、つまり弁箱の内部に水圧が
作用する状態で、パッキン19aを交換する場合には、
弁体12を全開し、弁体12を弁箱蓋11の内側上面に
当接させ、鍔部13aによりスラストカラー15aを座
部15に押圧して止水する。このとき、閉塞空間Aには
弁箱内の圧力が残存しており、可動舌部20が固定舌部
21に圧接する状態にあり、ブッシュ16を回動するこ
とが困難である。
【0023】このために、ブッシュ収納部17からブッ
シュ16を引き出す場合には、栓体32を取外し、閉塞
空間Aの圧力を通気孔31を通して外部に逃がし、ブッ
シュ16を押し下げて可動舌部20と固定舌部21との
圧接状態を解除する。このことにより、ブッシュ16の
回動を容易にし、可動舌部20と固定舌部21との係合
を解除してブッシュ16を引き出す。
【0024】通気孔31は、図4に示すように、ブッシ
ュ収納部17に設けても良く、あるいは図5に示すよう
に、弁棒13に設けても良い。図6は、本発明の他の実
施の形態を示すものであり、ブッシュ収納部17の天頂
部に、弁棒13の周囲における開口を被うカバー33を
着脱自在に冠着している。カバー33は、樹脂もしくは
ゴムからなり、下端周縁部の内側面に突起部34を有
し、ブッシュ収納部17の外周面に設けた溝部35に係
合している。
【0025】この構成により、カバー33がブッシュ収
納部17の開口部から異物が侵入することを防止して防
塵性を高めており、異物によって軸封部における止水性
が阻害されることを防止し、軸封部の信頼性を高めてい
る。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ブ
ッシュを保持するブッシュ収納部が弁箱蓋と一体の構造
をなし、可動舌部と固定舌部の係合によりブッシュの抜
け止めを行ない、ネジ孔等の機械加工を必要とする部位
をブッシュに集約することにより、弁箱蓋において結合
手段としてのネジ構造を無くすことができ、ネジを配置
するためのフランジ部等のスペースが不要となり、形状
の小型化を図ることができるとともに、ネジ部等の非塗
装部を残すことなく弁箱蓋を容易に全面塗装して防錆に
対する信頼性を高めることができる。
【0027】また、弁棒の周囲においてブッシュとブッ
シュ収納部に囲まれた閉塞空間を外部に連通する通気孔
を設けることにより、ブッシュの着脱を容易に行なえ
る。さらに、ブッシュ収納部の天頂部にカバーを着脱自
在に冠着することにより、ブッシュ収納部の開口部から
異物が侵入することを防止して防塵性を高め、軸封部の
信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における軸封部構造を示す縦
断面図である。
【図2】同軸封部の平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態における軸封部構造を示
す縦断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態における軸封部構
造を示す縦断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態における軸封部構
造を示す縦断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における軸封部構
造を示す縦断面図である。
【図7】従来の軸封部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 弁箱蓋 12 弁体 13 弁棒 13a 鍔部 14 貫通孔 15 座部 16 ブッシュ 17 ブッシュ収納部 18a 環状溝 19a Oリング 20 可動舌部 21 固定舌部 22 潜り部 23 廻止ボルト 24 切欠部 31 通気孔 32 栓体 33 カバー 34 突起部 35 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵屋 利光 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 宮崎 隆行 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 永 義仁 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開 昭62−283279(JP,A) 特公 昭54−10066(JP,B2) 実公 平2−28309(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 41/00 - 41/08 F16K 27/00 F16J 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱に装着する弁箱蓋の天蓋部に弁棒を
    挿通する貫通孔を形成するとともに、貫通孔の周縁部を
    弁棒に形成した鍔部を受け止める座部に形成し、弁棒の
    鍔部より先端側にブッシュを嵌合装着し、ブッシュを囲
    んで配設するブッシュ収納部を天蓋部に一体に形成し、
    ブッシュの内周および外周に弁棒とブッシュ収納部に対
    するシール材を配置し、ブッシュの周縁部に径方向外側
    に突出する可動舌部を設け、ブッシュ収納部の開口周縁
    部に、径方向内側に突出して軸心方向において可動舌部
    に係合する固定舌部と、軸心方向において可動舌部の通
    過を許容する潜り部を設けたことを特徴とする弁の軸封
    部構造。
  2. 【請求項2】 可動舌部に廻止ボルトを設け、固定舌部
    に、ブッシュの軸方向において廻止ボルトの通過を許容
    し、径方向において係止する切欠部を形成したことを特
    徴とする請求項1に記載の弁の軸封部構造。
  3. 【請求項3】 弁棒の周囲においてブッシュとブッシュ
    収納部に囲まれた閉塞空間を外部に連通する通気孔を、
    弁棒、ブッシュ、ブッシュ収納部の何れに形成し、通気
    孔の開口部に栓体を着脱自在に設けたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の弁の軸封部構造。
  4. 【請求項4】 ブッシュ収納部の天頂部に、弁棒の周囲
    における開口を被うカバーを着脱自在に冠着したことを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弁の軸封部構
    造。
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DE202006001106U1 (de) * 2006-01-25 2006-04-06 Wenig, Frank Schieberhaube
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