JP3414044B2 - 座標入力装置およびその製造方法 - Google Patents

座標入力装置およびその製造方法

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JP3414044B2 JP10407495A JP10407495A JP3414044B2 JP 3414044 B2 JP3414044 B2 JP 3414044B2 JP 10407495 A JP10407495 A JP 10407495A JP 10407495 A JP10407495 A JP 10407495A JP 3414044 B2 JP3414044 B2 JP 3414044B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ上に表示
されるカーソルの位置制御等を行うポインティングデバ
イスとしての座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、グラフィック・ディスプレイ装
置等においては、マウスやトラックボール等のポインテ
ィングデバイスをキーボード入力装置とは別部品として
備えているが、その場合、ポインティングデバイス専用
の設置スペースが必要となり、グラフィック・ディスプ
レイ装置全体の設置面積が徒に広くなってしまうという
難点がある。
【0003】そこで従来より、多数のキースイッチを配
列したキーボード入力装置に組み込むポインティングデ
バイスとしての座標入力装置が、実開平4−12013
8号公報において提案されている。このようにポインテ
ィングデバイスを一体化したキーボード入力装置は、設
置面積を少なくできるという利点に加えて、持ち運びが
容易であるという利点を有し、携帯用パソコン等の小型
化が必須の分野において、その需要が増大する傾向にあ
る。
【0004】図5はこの種の従来のポインティングデバ
イスの断面図、図6は図5のポインティングデバイスの
正面図、図7は図5のポインティングデバイスの製造工
程を示す説明図である。図5のポインティングデバイス
は、基台1に対して立設された四角錐形状の柱状体2
と、フィルム状に形成され、該柱状体2の側面に貼着さ
れた4つの検知センサ3と、これら検知センサ3を被覆
するUV樹脂(紫外線硬化性樹脂)4と、前記検知セン
サ3からの検知信号を外部へ導出するフレキシブルケー
ブル5と、シリコンゴム等の軟質材料からなり、前記柱
状体2の頂部に装着されるキャップ6とを備えている。
【0005】従来、前記検知センサ3を柱状体2の側面
に貼着する際に、次のような方法が用いられている。す
なわち、まず図7の(a)に示すように、柱状体2の側
面にエポキシ接着剤などの熱硬化性樹脂7を塗布し、こ
の熱硬化性樹脂7を介してフィルム状の検知センサ3を
付着させ、これら検知センサ3を柱状体2の側面に対し
て治具8により押圧する。この状態で約110°Cで1
時間程度加熱して前記熱硬化性樹脂7を硬化させること
により、検知センサ3を柱状体2の側面に貼着させる。
次いで、この加熱状態を解除すると共に、図7の(b)
に示すように、治具8により押圧する状態を解除した
後、図7の(c)に示すように、UV樹脂4を検知セン
サ3の表面およびその周辺に塗布し、このUV樹脂4に
紫外線を15〜20秒間照射することにより、該UV樹
脂4を硬化させる。これによって、検知センサ3の表面
を静電気から保護する保護コート層が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のポインティングデバイスでは、検知センサ3を柱状
体2の側面に対して押圧するために治具8が必要である
ため、この治具8の製作費用が掛るという問題があっ
た。また、検知センサ3の保護コート層としてUV樹脂
4を塗布して紫外線を照射する工程が必要であり、この
点からも製造コストが増加するという問題があった。さ
らに、前記UV樹脂4は不透明であるため、該UV樹脂
4で覆われた状態では、検知センサ3に異物が付いてい
るか否か、あるいは検知センサ3が曲がっているか否か
等の不良を確認することができなかった。
【0007】なお、他の問題として前記ポインティング
デバイスを実際に使用する際、柱状体2の頂部にキャッ
プ6を装着するようになっているが、シリコンゴム製の
キャップ6をUV樹脂4上にはめこむと、このUV樹脂
4の表面が滑りやすいため、キャップ6が柱状体2の頂
部から抜けやすかった。そこで、柱状体2の先端を加熱
した治具(図示せず)により押圧することにより、周囲
に突出する突起2aを形成し、この突起2aをキャップ
6の内面に係合させることによりキャップ6の脱落を防
止していた。これによって、前記の突起2a形成用の治
具や工程が必要となるため、製造コストがさらに増加す
るという不具合があった。
【0008】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その第1の目的は、組立性が良好
で、かつ製造コストが安価な座標入力装置およびその製
造方法を提供することにあり、その第2の目的は、柱状
体の頂部にキャップを簡単に装着できる座標入力装置を
提供することにあり、その第3の目的は、検知センサの
貼着状態を容易に確認できる座標入力装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、本発明の座標入力装置は、基台に対して立設
された柱状体と、該柱状体の側面に貼着された複数の検
知センサと、これら検知センサを被覆する熱収縮性チュ
ーブと、前記検知センサからの検知信号を外部へ導出す
るフレキシブルケーブルとを備えたことを特徴としてい
る。
【0010】また前記第1の目的を達成するために、本
発明の座標入力装置の製造方法は、フィルム状に形成さ
れた複数の検知センサを、基台に対して立設された柱状
体の側面に熱硬化性樹脂で接着し、前記検知センサに熱
収縮性チューブを被せた後、加熱により前記熱硬化性樹
脂を硬化させると共に前記熱収縮性チューブを収縮さ
せ、該熱収縮性チューブにより前記検知センサを被覆
し、前記柱状体の頂部にキャップをはめることを特徴と
している。
【0011】さらに前記第2の目的を達成するために、
本発明の座標入力装置は、前記柱状体の頂部に装着され
るキャップを備え、このキャップの内側凹部に前記熱収
縮性チューブを嵌め込んだことを特徴としている。
【0012】さらに前記第3の目的を達成するために、
本発明の座標入力装置は、前記熱収縮性チューブが透明
であることを特徴としている。
【0013】
【作用】基台に対して立設された柱状体の側面に、フィ
ルム状に形成された複数の検知センサを貼着し、これら
検知センサに熱収縮性チューブを被せた後、加熱により
該チューブを収縮させると、該チューブにより前記検知
センサが柱状体の側面に対して押圧されると共に該検知
センサの表面が被覆される。これによって、前記検知セ
ンサの保護コート層としてUV樹脂などを塗布して紫外
線を照射する工程が不要であるため、組立性が良好であ
る。また、前記熱収縮性チューブが収縮することにより
該検知センサが柱状体の側面に対して押圧された状態に
保たれるので、該検知センサを押圧するための治具を要
せずに済み、製造コストを低減できる。
【0014】さらに、本発明の座標入力装置にあって前
記柱状体の頂部に装着されるキャップを備えたもので
は、このキャップの内側凹部に熱収縮性チューブが嵌め
込まれ、該キャップが柱状体の頂部から抜け出しにくく
なるため、柱状体の頂部に抜け出し防止用の突起を設け
る加工を要せずに、簡単にキャップを柱状体の頂部に対
して装着できる。
【0015】さらに、本発明の座標入力装置にあって前
記熱収縮性チューブが透明であるものでは、このチュー
ブを介して外側から内部を透視できるため、該チューブ
により検知センサを被覆した後に該検知センサの貼着状
態を容易に確認できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の一実施例に係るポインティングデバ
イスの断面図、図2は図1のポインティングデバイスの
正面図、図3は該ポインティングデバイスに備えられる
柱状体の側面に検知センサを貼着する工程図、図4は該
ポインティングデバイスの全体構成を示す斜視図であ
り、これら図1〜図4において前述した図5〜図7に示
すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0017】図1〜図4に示すように、本実施例に係る
ポインティングデバイスは、基台1に対して立設された
柱状体2と、フィルム状に形成され、該柱状体2の側面
に貼着された4つの検知センサ3と、これら検知センサ
3を被覆する熱収縮性チューブ9と、前記検知センサ3
からの検知信号を外部へ導出するフレキシブルケーブル
5と、柱状体2の頂部に装着されるキャップ6とからな
っている。すなわち、本実施例に係るポインティングデ
バイスは、前述した図5〜図7に示すUV樹脂4の代わ
りに、熱収縮性チューブ9を備えた点が主に異なってお
り、その他の構成は基本的に同様である。
【0018】前記の如く構成されたポインティングデバ
イスは、図4に示すように、前記基台1がメタルプレー
ト10上にメンブレンシート基板11を介して載置され
ており、これらメタルプレート10とメンブレンシート
基板11は、キーボード入力装置の内部に配置されるも
ので、メタルプレート10とメンブレンシート基板11
上には図示せぬ多数のキースイッチも実装されている。
【0019】また、前記検知センサ3およびフレキシブ
ルケーブル5は、図示せぬ共通のベースフィルム上に歪
みセンサを構成する抵抗体、および該抵抗体と電気的に
接続される配線を印刷形成することにより得られ、該ベ
ースフィルムの一端には、前記抵抗体が印刷形成される
と共に前記柱状体2に挿入するための十字状スリットが
設けられ、この十字状スリットにより4つの検知センサ
3の各部分がそれぞれ他の部分から区画されている。前
記ベースフィルムの他の部分には、前記配線が一端側か
ら他端側にわたって印刷形成されている。
【0020】前記検知センサ3を柱状体2に装着するに
際しては、該柱状体2を前記ベースフィルムの一端の十
字状スリットの部分に一致させて、該ベースフィルムの
一端を柱状体2の根元部まで挿入することにより、4つ
の検知センサ3が図4に示すように上方へ押し上げられ
た状態になり、この状態で各検知センサ3が熱硬化性樹
脂7を介して柱状体2の各外側面に貼着される。
【0021】また、前記熱収縮性チューブ9を形成する
に際しては、柔軟性ポリフッ化ビニリデン、ポリオレフ
ィン、PVC(ポリビニールクロライド)等の材料から
適当なものを選択して用いられ、常温下では該熱収縮性
チューブ9の内径寸法が柱状体2の外形寸法よりやや大
きく設定されており、したがって、常温下で熱収縮性チ
ューブ9に柱状体2を容易に挿入可能である。
【0022】次に、本実施例に係る座標入力装置の製造
方法を説明する。まず、柱状体2の側面にエポキシ接着
剤などの熱硬化性樹脂7を塗布し、検知センサ3を備え
た前記ベースフィルムの一端を該柱状体2の根元部まで
挿入することにより、図3の(a)に示すように、各検
知センサ3が柱状体2の側面に沿って上方へ押し上げら
れた状態となる。次いで、該検知センサ3に熱収縮性チ
ューブ9を被せた後、これを約110°Cで1時間程度
加熱すると、図3の(b)に示すように、前記熱収縮性
チューブ9が収縮して検知センサ3の表面が被覆される
と共に、該検知センサ3が柱状体2の側面に対して押圧
された状態に保たれ、この状態で前記熱硬化性樹脂7が
硬化することにより、この熱硬化性樹脂7を介して検知
センサ3が柱状体2の側面に貼着される。次いで、前記
の加熱状態を解除して冷却した後、図1に示すように前
記柱状体2の頂部にキャップ6を装着し、このキャップ
6の内側凹部に熱収縮性チューブ9を嵌め込む。
【0023】このように構成した上記実施例では、検知
センサ3の保護コート層としてUV樹脂などを塗布して
紫外線を照射する工程が不要であるため、組立性が良好
である。また、前記熱収縮性チューブ9が収縮すること
により、検知センサ3の表面を被覆すると共に該検知セ
ンサ3を柱状体2の側面に対して押圧できるので、検知
センサ3を押圧するための治具を特別に要せずに済み、
製造コストを低減できる。
【0024】また上記実施例では、キャップ6の内側凹
部に熱収縮性チューブ9が嵌め込まれ、該キャップ6が
柱状体2の頂部から抜け出しにくくなるため、柱状体2
の頂部に抜け出し防止用の突起を設ける加工を要せず
に、簡単にキャップ6を柱状体2の頂部に対して装着で
きる。
【0025】さらに上記実施例では、熱収縮性チューブ
9が透明であり、該チューブ9を介して外側から内部を
透視できるため、該チューブ9により検知センサ3を被
覆した後に該検知センサ3の貼着状態を容易に確認でき
る。
【0026】なお、本発明は上記した各実施例以外にも
種々の変形例が可能であり、例えば、柱状体2の側面に
貼着される前記検知センサ3として、歪みセンサを構成
する抵抗体を用いたが、この抵抗体の代わりに、他の検
知センサをベースフィルムに一体的に形成してもよく、
さらに、検知センサとして感圧ゴムを用いることもでき
る。また、柱状体2の形状は四角錐に限定されず、円錘
形状としてその周面に各検知センサを貼着してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の座標入力
装置およびその製造方法によれば、検知センサの保護コ
ート層としてUV樹脂などを塗布して紫外線を照射する
工程が不要であるため、組立性が良好である。また、熱
収縮性チューブが収縮することにより検知センサの表面
を被覆すると共に該検知センサを柱状体の側面に対して
押圧できるので、検知センサを押圧するための治具を要
せずに済み、製造コストを低減できる。
【0028】また、本発明の座標入力装置によれば、キ
ャップの内側凹部に熱収縮性チューブが嵌め込まれ、前
記キャップが柱状体の頂部から抜け出しにくくなるた
め、柱状体の頂部に抜け出し防止用の突起を設ける加工
を要せずに、簡単にキャップを柱状体の頂部に対して装
着できる。さらに、透明な熱収縮性チューブを介して外
側から内部を透視できるため、該チューブにより検知セ
ンサを被覆した後に該検知センサの貼着状態を容易に確
認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るポインティングデバイ
スの断面図である。
【図2】図1のポインティングデバイスの正面図であ
る。
【図3】該ポインティングデバイスに備えられる柱状体
の側面に検知センサを貼着する工程図である。
【図4】該ポインティングデバイスの全体構成を示す斜
視図である。
【図5】従来のポインティングデバイスの断面図であ
る。
【図6】図5のポインティングデバイスの正面図であ
る。
【図7】図5のポインティングデバイスの製造工程を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 基台 2 柱状体 3 検知センサ 5 フレキシブルケーブル 6 キャップ 7 熱硬化性樹脂 9 熱収縮性チューブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−125429(JP,A) 特開 平6−242920(JP,A) 特開 平7−302162(JP,A) 特開 平7−302163(JP,A) 特開 平7−334301(JP,A) 実開 平4−120138(JP,U) 1993最新機種情報,月刊アスキー,日 本,株式会社アスキー,1992年12月 1 日,第16巻 第12号,P.230−231 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/033 G05G 9/047 H01H 25/04 A63F 13/06 G01L 1/00 - 1/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台に対して立設された柱状体と、該柱
    状体の側面に貼着された複数の検知センサと、これら検
    知センサを被覆する熱収縮性チューブと、前記検知セン
    サからの検知信号を外部へ導出するフレキシブルケーブ
    ルとを備えたことを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 フィルム状に形成された複数の検知セン
    サを、基台に対して立設された柱状体の側面に熱硬化性
    樹脂で接着し、前記検知センサに熱収縮性チューブを被
    せた後、加熱により前記熱硬化性樹脂を硬化させると共
    に前記熱収縮性チューブを収縮させ、該熱収縮性チュー
    ブにより前記検知センサを被覆し、しかる後、前記柱状
    体の頂部にキャップをはめることを特徴とする座標入力
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の記載において、前記柱状体の
    頂部に装着されるキャップを備え、このキャップの内側
    凹部に前記熱収縮性チューブを嵌め込んだことを特徴と
    する座標入力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の記載において、前記熱収縮性
    チューブが透明であることを特徴とする座標入力装置。
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