JP3413904B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

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JP3413904B2
JP3413904B2 JP25199393A JP25199393A JP3413904B2 JP 3413904 B2 JP3413904 B2 JP 3413904B2 JP 25199393 A JP25199393 A JP 25199393A JP 25199393 A JP25199393 A JP 25199393A JP 3413904 B2 JP3413904 B2 JP 3413904B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動焦点調節装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】将来の被写体位置を予測する技術として
特開昭60-214325 号公報、特開平4-133016号公報等に開
示されたものが知られている。また、最新の焦点検出結
果が過去の焦点検出で検出した被写体と同じであるかど
うかを判定して、違う被写体である場合に予測駆動を禁
止する技術が特開平1-167815号公報、特開平1-285908号
公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術の装
置では、同一被写体でないと判定したときは直ちに予測
駆動を禁止する。したがって、焦点検出領域から被写体
が一瞬だけはずれたり、被写体の手前を物体が横切り被
写体が隠れてしまったりした場合に、同一被写体でない
と判断して、直ちに予測駆動を禁止する。しかし、意図
的なパンニング等大きなフレーム移動でないかぎり、す
ぐに被写体が現れるので、また、予測駆動を再開するこ
とになる。このように、予測駆動が行われたり禁止され
たりすると、ハンチングを起こしてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では図1に示すよ
うな構成にした。焦点検出手段1Bは撮影レンズの焦点
整合状態を検出する。時間計測手段3Bは焦点検出を行
った時刻等の、各種イベントの発生した時刻を計測す
る。記憶手段2Bは焦点検出データを記憶する。焦点検
出データは、焦点検出手段1Bの焦点検出結果と時間計
測手段3Bで計測された焦点検出の時刻とレンズ位置と
に関するデータである。信頼度決定手段4Bは最新の焦
点検出結果と記憶手段2Bに記憶された焦点検出データ
による予測結果との偏差に基づいて過去に検出された被
写体と最新の焦点検出された被写体とが同一であるかど
うかの信頼度を計算する。像面移動速度算出手段5Bは
被写体の像面移動速度を、最新の焦点検出結果と焦点検
出時刻と記憶手段2Bに記憶された過去の焦点検出デー
タとに基づいて計算する。予測手段6Bは信頼度決定手
段4Bと記憶手段2Bに記憶された焦点検出データとに
基づいて所定時間後の被写体像面位置、または所定時刻
の被写体像面位置と像面移動速度を計算する。レンズ駆
動手段7Bは予測手段6Bの計算結果に基づいてレンズ
を駆動する。
【0005】
【作用】常に被写体像面位置を予測する予測計算を行う
ので、予測駆動によるハンチングを防ぐことが出来る。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 (第1実施例)図2は、本発明の第1実施例の簡単な構
成図である。図2において、撮影レンズ1を通った被写
体2からの光束の一部が、メインミラー3を通過し、サ
ブミラー4によりAFモジュール5へ導かれ、AFモジ
ュール5で撮影レンズ1の焦点調節状態を表す電気信号
に変換されるように構成されている。
【0007】AFモジュール5は、公知の焦点検出装置
で、再結像光学系とセンサー、センサー駆動回路6から
構成されている。電気信号に変換された焦点調節状態を
表す信号はCPU7でA/D変換され、CPU7内のメ
モリーに記憶される。レンズ情報記憶部8は、撮影レン
ズ1の焦点距離やデフォーカス量−レンズ駆動量変換係
数等のレンズに固有な情報を記憶している。CPU7内
に記憶されたデータとレンズ情報記憶部8に記憶されて
いるデフォーカス量−レンズ駆動量変換係数のデータと
に基づいてレンズ駆動量を計算し、このレンズ駆動量に
基づいてCPU7は、モーター制御回路9とエンコーダ
10でモーター11を駆動制御する。モーター11から
の駆動力はレンズ移動機構12に伝達され焦点調節を行
う。
【0008】操作部材13は、複数のスイッチから構成
されている。操作部材13には撮影レンズ1の焦点調節
を開始するSW1(以後半押しスイッチと呼ぶ)と半押
しスイッチの第2ストロークでオンになるSW2(以後
全押しスイッチと呼ぶ)等で構成されている。露光制御
部14は、操作部材13の全押しスイッチをオンにする
事によりメインミラー3とサブミラー4を光路中から退
出させて、シャッター15を走行させ露光を行う。
【0009】これらの制御はCPU7内のソフトウェア
により実行される。以下にその制御を説明する。図3
は、本発明の実施例におけるソフトウェアのメインフロ
ーチャートである。S101は使用するメモリーやフラ
グの初期化を行う。例えば過去に検出されたデフォーカ
ス量、蓄積中心時刻、動体フラグ、合焦フラグ等であ
る。
【0010】S102は半押しスイッチが" オン" にな
っているかどうかをテストし、" オン" になっていなけ
ればS101へ進み、" オン" になっていればS103
へ進む。S103はCCD蓄積制御のサブルーチンを実
行する。CCD蓄積制御のサブルーチンについては、後
に図4、図5を用いて説明する。
【0011】S104はCCDに蓄積された画像データ
をCPU1へ転送し、CPU1に内蔵されたA/D変換
器を用いてデジタル値に変換し、CPU1内のメモリー
に格納する。S105はメモリーに格納された画像デー
タに基づいて撮影レンズのデフォーカス量を計算するサ
ブルーチンを実行する。デフォーカス量算出のサブルー
チンについては、後に図6を用いて説明する。
【0012】S106は所定時間後の予測デフォーカス
量とその時の予測像面移動速度を計算する予測計算のサ
ブルーチンである。予測計算のサブルーチンについて
は、後に図7〜図16を用いて説明する。S107は合
焦判定のサブルーチンを実行する。合焦判定のサブルー
チンについては、後に図17を用いて説明する。
【0013】S108はレンズ駆動のサブルーチンを実
行する。レンズ駆動のサブルーチンについては、後に図
18、図19を用いて説明する。以後、このメインルー
チンを繰り返す。図4、図5は、図3におけるS103
のCCD蓄積制御のサブルーチンのフローチャート図で
ある。図4、図5を用いてCCD蓄積制御のサブルーチ
ンについて説明する。
【0014】図4において、S201は現在ミラーアッ
プ中であるかどうかをテストし、ミラーアップ中であれ
ば焦点検出できないのでミラーダウンするまで待つ。ミ
ラーアップ中でなければS202へ進む。S202はエ
ンコーダからのフィードバックパルスをモニターするカ
ウンターECOUNT の現在の値を変数LPM に格納し、現在
の時刻をカウントするフリーランニングタイマーA TIME
RAの現在の値をTIS に格納し、蓄積時間をカウントする
為の変数INTTに1を格納する。
【0015】S203はCCD蓄積を開始する。S20
4はフリーランニングタイマーB TIMERBの割り込みを許
可する。これは蓄積中のレンズ位置をモニターするため
に所定の時間間隔(例えば1ms毎)で割り込みがかかる
ようにするためである。S205はCCD蓄積が終了し
たかどうかテストし、終了していればS206へ進む。
CCD蓄積の終了はフリーランニングタイマーB TIMERB
の値が所定値になっているかどうかで判定しても良い
し、モニターフォトダイオードの出力レベルをテスト
(ハード AGC)して行っても良い。
【0016】S206はフリーランニングタイマーB TI
MERBの割り込みを禁止する。S207はレンズと通信を
行って、レンズデータを取得する。レンズデータはデフ
ォーカス量−レンズ駆動量変換係数やレンズの焦点距
離、開放F値等で構成されている。S208は蓄積中心
時刻TIM と蓄積中の平均レンズ位置LPM を計算する。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】図5は、図4におけるS204〜S206
の間で実行されるフリーランニングタイマーB TIMERBの
割り込みサブルーチンのフローチャート図である。フリ
ーランニングタイマーB TIMERBの割り込みがかかるとフ
リーランニングタイマーB TIMERBの割り込みのサブルー
チンを実行する。図5において、S301は現在のエン
コーダパルスをモニターするカウンター ECOUNT の値を
変数LPM に格納されている値に加える。
【0020】S302は蓄積時間をカウントするために
変数INTTを+1する。図6は、図3におけるS105の
デフォーカス量算出のサブルーチンのフローチャート図
である。図6を用いてデフォーカス量算出のサブルーチ
ンについて説明する。
【0021】図6において、S401は公知の相関演算
を行い、CCD画像データの像ズレ量を算出する。S4
02はS401で算出された像ズレ量をデフォーカス量
に変換する。S403はS402で計算されたデフォー
カス量の信頼度をテストし、信頼度があればS404へ
進み、信頼度がなければ、S406へ進む。
【0022】S404はデフォーカス量の信頼度がある
と判定されたので検出不能であることを示す検出不能フ
ラグをクリアする。S405は焦点検出が出来て、予測
計算に使用できるデータの個数を示す変数COUNT の値を
+1する。図7〜図16は、図3におけるS106の予
測計算のサブルーチンを説明するための図である。図7
〜図16を用いて予測計算のサブルーチンについて説明
する。
【0023】図7、図8は、予測計算のサブルーチンを
示すフローチャート図である。図7において、S501
は最新の蓄積による焦点検出が不能であったかどうかを
テストし、検出不能であれば最新の蓄積による焦点検出
結果は信頼度がないので過去の被写体との一致度を表す
同一被写体信頼度を計算しないのでS503へ進み、検
出不能でなければS502へ進む。
【0024】S502は最新の蓄積による焦点検出結果
が過去の焦点検出結果の時の被写体との一致度を表す同
一被写体信頼度を計算する被写体判定のサブルーチンで
ある。以下に図9を用いて被写体判定のサブルーチンを
説明する。図9において、S601は予測計算に使用で
きるデータの個数が2個より多い場合はS602へ進
む。2個以下の場合はS611へ進む。
【0025】S602は前回と前々回の焦点検出結果に
より、最新の焦点検出時の被写体の予測位置を計算し、
この予測位置と最新の焦点検出結果の偏差を計算する。
これについて図10を用いて説明する。図10おいてF0
は最新の焦点検出による被写体位置、F1は1回前の焦点
検出による被写体位置、同様にF2は2回前、F3は3回前
の被写体位置を示す。E1はF1、F2から1次式近似(予測
式1)を用いて最新の焦点検出時刻T0での位置を計算
し、その位置からの偏差である。偏差E1を式で表すと次
式のようになる。
【0026】
【数3】
【0027】ここで、被写体位置F0、F1、F2、F3はそれ
ぞれ時刻T0、T1、T2、T3における被写体位置を表し、こ
の値はそれぞれの時刻におけるデフォーカス量とエンコ
ーダパルス ECOUNT から求めることが出来る。S603
は今回の焦点検出結果が過去の焦点検出時の被写体と同
一であるかどうかの信頼度を計算する。信頼値J1は偏差
E1に基づいて図11に示す様な値を持つ。この実施例で
は、信頼値は0〜1までの実数値をとり、偏差の絶対値
が200μm 以下ならば信頼値は1で、1mm以上の場合
は0で、200μm 〜1mmまでは直線的に変化する。つ
まり、予測できる被写体位置から大きく外れると同一被
写体信頼度は低くなる。
【0028】S604は予測計算に使用できるデータの
個数が3より大きい場合はS605へ進み、3以下の場
合はS612へ進む。S605は1回前と3回前の焦点
検出検出結果から1次式近似(予測式2)を用いて最新
の焦点検出時の被写体像面位置を計算し、最新の焦点検
出結果との偏差E2を計算する。偏差E2は次式のようにな
る。
【0029】
【数4】
【0030】S606は偏差E2に基づいて、信頼値J2を
計算する。S603と同様に計算する。S607は予測
計算に使用できるデータの個数が4より大きい場合はS
608へ進み、4以下の場合はS613へ進む。S60
8は1回前と4回前の焦点検出検出結果から1次式近似
(予測式3)を用いて最新の焦点検出時の被写体像面位
置を計算し、最新の焦点検出結果との偏差E3を計算す
る。偏差E3は次式のようになる。
【0031】
【数5】
【0032】S609は偏差E3に基づいて、信頼値J3を
計算する。S603と同様に計算する。S610は信頼
値J1、J2、J3から最新の焦点検出結果が過去の焦点検出
における被写体と同一であるかどうかの信頼値JN0 を次
式のように計算する。
【0033】
【数6】
【0034】信頼値JN0 を計算すると被写体判定のサブ
ルーチンからリターンする。ここで、図11に示す信頼
度を表すグラフの数値はこれに限定されるものではな
い。図7において、S503はCOUNT が2以上かどうか
をテストし、2以上ならばS504へ進み、そうでなけ
ればS515へ進む。
【0035】S504は像面移動速度計算のサブルーチ
ンを実行する。以下に図12を用いて像面移動速度計算
のサブルーチンを説明する。図12において、S701
は焦点検出不能かどうかをテストし、焦点検出不能なら
ば像面移動速度は計算しないでリターンし、検出可能な
らばS702へ進む。
【0036】S702は予測計算に用いるデータの個数
が2個以上ならば、S703へ進み、そうでなければS
711へ進む。S703は前回の蓄積から今回の蓄積ま
でのレンズ移動量LMと像面移動量P とその間の時間間隔
T を次式で計算する。
【0037】
【数7】
【0038】
【数8】
【0039】
【数9】
【0040】ここで、LPM:最新の蓄積中心時刻でのレン
ズ位置、LPIM0:前回の蓄積中心時刻でのレンズ位置、DE
F:最新のデフォーカス量、DF0:前回のデフォーカス量、
TIM:最新の蓄積中心時刻、TIM0: 前回の蓄積中心時刻で
ある。式(7) の様に単位系が混ざっている式では単位系
を合わせるための変換式を説明を簡単にするために省略
している。
【0041】S704は最新の焦点検出結果と1回前の
焦点検出結果からスパンが1の像面移動速度SN1 を計算
する。スパンが1の像面移動速度SN1 は次式で計算され
る。
【0042】
【数10】
【0043】S705はCOUNT が3以上かどうかをテス
トし、3以上ならば、スパンが2の像面移動速度SN2 を
計算できるのでS706へ進み、そうでなければS71
1へ進む。S706はスパンが2の像面移動速度SN2 を
計算する。スパンが2の像面移動速度SN2 は次式で計算
される。
【0044】
【数11】
【0045】S707はCOUNT が4以上かどうかをテス
トし、4以上ならば、スパンが3の像面移動速度SN3 を
計算できるのでS708へ進み、そうでなければS71
1へ進む。S708はスパンが3の像面移動速度SN3 を
計算する。スパンが3の像面移動速度SN3 は次式で計算
される。
【0046】
【数12】
【0047】S709はCOUNT が5以上かどうかをテス
トし、5以上ならば、スパンが4の像面移動速度SN4 を
計算できるのでS710へ進み、そうでなければS71
1へ進む。S710はスパンが4の像面移動速度SN4 を
計算する。スパンが4の像面移動速度SN4 は次式で計算
される。
【0048】
【数13】
【0049】S711は前回までの焦点検出結果から計
算された像面移動速度S1をS2に格納する。S712は最
新の焦点検出結果と過去の焦点検出結果と焦点検出結果
の信頼値により像面移動速度S1を計算する。像面移動速
度S1は次式で計算する。
【0050】
【数14】
【0051】S713は像面移動速度S1の信頼度を表す
変数JS1 を次式で計算する。
【0052】
【数15】
【0053】つまり、最新の焦点検出結果が過去の焦点
検出で検出した被写体と異なる時は像面移動速度S1の信
頼度が低くなる。S714は最新の焦点検出時のデフォ
ーカス量PDF とその時の予測像面移動速度SSを前回計算
された像面移動速度S2と今回の像面移動速度S1から計算
する。従って、次式のように計算される。
【0054】
【数16】
【0055】
【数17】
【0056】ここで、計算された予測像面移動速度SSと
予測デフォーカス量PDF に基づいてレンズ駆動を行う。
予測像面移動速度SSと予測デフォーカス量PDF が計算さ
れたので像面移動速度計算のサブルーチンをリターンす
る。図7において、S505は判定レベル決定のサブル
ーチンを実行する。判定レベル決定のサブルーチンを図
14に示す。判定レベル決定のサブルーチンは最新の検
出デフォーカス量が大きい場合は像面移動速度計算にお
いて誤差を多く含むことが考えられるのでデフォーカス
量が所定値より大きい場合は動体判定のレベルを変更す
る。
【0057】図14において、S801は今回のデフォ
ーカス量が2mmより大きいかどうかをテストし、大きけ
ればS802へ進み、2mm以下ならばS803へ進む。
S802は今回のデフォーカス量が所定値以上なので動
体判定レベルを次式のように計算し、設定する。
【0058】
【数18】
【0059】S803は今回デフォーカス量が2mm 以下
なのでデフォーカス量に無関係な所定の判定レベルを設
定する。ここではSC1 ←5mm/S 、SC2 ←1.5mm/S 、SC3
←0.75mm/Sに設定される。しかしながらこれらの所定値
はここに示される値に限定されるものではない。動体判
定レベルが設定されると動体判定のサブルーチンをリタ
ーンする。図7において、S506は像面移動速度演算
のサブルーチンで予測像面移動速度SSがSC1 より大きい
かどうかテストし、大きければ像面移動速度が大きい被
写体なのでS507へ進み動体レベル Levelを1にセッ
トする。
【0060】S508は予測像面移動速度SSがSC2 より
大きいかどうかテストし、大きければ像面移動速度が中
くらいなのでS509へ進み動体レベル Levelを2にセ
ットする。S510は予測像面移動速度SSがSC3 より大
きいかどうかテストし、大きければ像面移動速度が小さ
い被写体なのでS510へ進み動体レベル Levelを3に
セットする。
【0061】S512は像面が移動しているので動体フ
ラグをセットする。S513は像面位置を予測する予測
時間設定のサブルーチンを実行する。以下に図15を用
いて予測時間設定のサブルーチンについて説明する。図
15において、S901は動体かどうかをテストし、動
体ならばS903へ進み、動体で無ければS902へ進
んで予測時間TPを0に設定する。予測時間を0にするの
は焦点検出のデータ数が不足していて像面移動速度が計
算できない場合と、像面の移動速度が所定値より小さい
場合である。
【0062】S903は動体レベルが1かどうかテスト
し、1ならばS904へ進み、像面移動速度が大きいの
で予測時間TPを標準予測時間TAの3倍にセットする。S
905は動体レベルが2かどうかテストし、2ならばS
906へ進み、像面移動速度が中くらいなので予測時間
TPを標準予測時間TAの2.5倍にセットする。そうでな
ければ像面移動速度が小さいので予測時間TPを標準予測
時間TAの2倍にセットする。予測時間の設定が終了する
と予測時間設定のサブルーチンをリターンする。図8に
おいて、S516は焦点検出データ更新のサブルーチン
を実行する。以下に図16を用いて焦点検出データ更新
のサブルーチンを説明する。
【0063】図16において、S1001は今回の焦点
検出が不能かどうかテストし、不能であればS1010
へ進み、検出可能であればS1002へ進む。S100
2は今回の焦点検出結果の信頼度J1が所定値JTH1以上か
どうかテストし、以上ならばS1003へ進み、そうで
なければS1013へ進む。つまり、今回の焦点検出結
果の信頼度が低い場合は焦点検出結果を記憶しないよう
にしている。信頼度の低い焦点検出結果を記憶しないよ
うにすることで以後の同一被写体判定における誤判定を
防ぐことが出来る。
【0064】S1003は今回の検出デフォーカス量を
DF0 に記憶し、前回の検出デフォーカス量をDF1 に記憶
する。S1004は今回の蓄積中心時刻をLPIM0 に、前
回の蓄積中心時刻をLPIM1 に記憶する。S1005は今
回の検出時間間隔をTIM0に、前回の検出時間間隔をTIM1
に記憶する。
【0065】S1006は記憶している焦点検出データ
を検出した時間間隔(TN1、TN2、TN3)を記憶する。ここ
で、TN1 は記憶した最新の焦点検出時刻とその1回前に
記憶した焦点検出時刻との時間間隔を記憶している。S
1007は像面移動量データ(PN1、PN2、PN3 )を記憶す
る。PN1 は時間間隔TN1 の間に被写体像面位置が移動し
た量である。
【0066】S1008は連続して焦点検出不能だった
回数を示すLCOUNTを0にする。更に、信頼度が低くて焦
点検出結果を記憶しなかった時の、信頼度の和を記憶す
る変数NGS を0にクリアする。これは今回の信頼値が所
定値以上であったので、信頼度の低いデータが連続した
ことを示す変数NGS をクリアする。S1009は2回連
続して検出不能であったかどうかテストし、連続してい
ればS1011へ進み、連続していなければS1010
へ進む。
【0067】S1010は検出不能であった回数を示す
変数LCOUNTを+1する。S1011は連続して2回検出
不能だったので、以前の焦点検出結果を無効にするため
に予測計算に使用できるデータの個数を表す変数COUNT
を0にクリアする。更に連続して検出不能であった回数
を表す変数LCOUNTを0にクリアし、信頼度の低いデータ
が連続したことを表す変数NGS を0にクリアする。
【0068】S1012は最新の焦点検出結果の信頼度
が所定値より小さいので以後の予測演算に誤差を与える
ことが考えられるのでこれらの結果を記憶しない。従っ
て、予測計算に使用するデータ数を表す変数COUNT を−
1する。S1013は連続して信頼度の低いデータを検
出したことを表す変数NGS を次式に基づいて計算し、記
憶する。
【0069】
【数19】
【0070】ここでJ1は最新の焦点検出結果の信頼度を
表す。S1014は連続して信頼度の低いデータを検出
したことを表す変数NGS が所定値NGSTH 以上かどうかを
テストし、以上ならばS1011へ進み以前の焦点検出
結果を無効にする。所定値より小さい場合はたまたま焦
点検出結果の信頼度が低かったと判断して、今回の焦点
検出結果だけを無効にする。焦点検出データ更新のサブ
ルーチンをリターンする。
【0071】以上で予測計算のサブルーチンをリターン
する。図17は、図3におけるS107の合焦判定のサ
ブルーチンのフローチャート図である。図17を用いて
合焦判定のサブルーチンを説明する。S1101は被写
体が動体であるかどうかテストし、動体ならば合焦判定
を行わないので、そのまま合焦判定のサブルーチンをリ
ターンする。動体で無ければS1102へ進む。
【0072】S1102はAFロック釦が押されている
かどうか判定し、押されていれば表示は変更しないので
合焦判定のサブルーチンをリターンする。AFロック釦
が押されていなければS1103へ進む。S1103は
合焦しているかどうかを判定し、合焦していればS11
04へ進み合焦表示を行う。合焦していなければS11
05へ進み非合焦表示を行う。合焦、非合焦の表示を行
うとこの合焦判定のサブルーチンからリターンする。図
18、図19は、図3におけるS108のレンズ駆動の
サブルーチンのフローチャート図である。図18、図1
9を用いてレンズ駆動のサブルーチンを説明する。
【0073】S1201はAFロック釦が押されている
かどうかをテストし、押されていればS1208へ進
み、押されていなければS1202へ進む。S1202
は最新の焦点検出が行われた時刻から現在の時刻までに
レンズが移動した量を補正するオーバーラップ補正を行
う。オーバーラップ補正に関しては公知の技術なので詳
細な説明は省略する。
【0074】S1203は動体かどうか判定し、動体な
らばS1205へ進み、動体で無ければS1204へ進
む。S1204は合焦中かどうかを判定し、合焦中であ
るならばレンズは駆動しないのでそのままレンズ駆動の
サブルーチンからリターンする。S1205はレンズ駆
動目標位置DPR を次式で計算する。
【0075】
【数20】
【0076】S1206はエンコーダカウント値ECOUNT
がDPR になるようにモーターに通電する電圧を変えてモ
ーターを回転させる。S1207はエンコーダカウント
がDPR になった時に割り込みがかかるレンズ駆動停止割
り込みを許可する。S1208はレンズ駆動中かどうか
をテストし、駆動中ならばS1209へ進み、モーター
にブレーキをかけてレンズを停止させる。
【0077】S1210はレンズ駆動停止割り込みを禁
止する。レンズ駆動のサブルーチンはレンズ駆動割り込
みのかかる目標値をセットし、レンズ駆動割り込みを許
可してリターンする。次に、レンズ駆動割り込みがかか
った時のサブルーチンを図19に基づいて説明する。
【0078】図19において、S1301はレンズ駆動
量が目標値に達したのでレンズ駆動停止割り込みを禁止
する。S1302はモーターを短絡してブレーキをかけ
る。 (第2実施例)第1実施例においては、被写体判定のサ
ブルーチンで被写体移動軌跡の近似関数に1次式を使用
したが、必ずしも1次式である必要はなく2次以上の高
次関数を用いても良い。2次関数を使う場合のデータの
使用方法に付いて図20に基づいて説明する。ただし、
被写体判定のサブルーチン以外は第1実施例と同じなの
で説明を省略する。
【0079】時刻T1、T2、T3での検出像面位置F1、F2、
F3を用いて2次関数近似式(予測式1)を決定する。
【0080】
【数21】
【0081】
【数22】
【0082】次に、時刻T1、T3、T5での検出像面位置F
1、F3、F5を用いて2次関数近似式(予測式2)を決定
する。予測式1、予測式2を用いて時刻T0における各予
測式での位置と時刻T0に検出された焦点位置との差をE
1、E2として計算する。第2実施例の被写体判定のサブ
ルーチンを図21に示す。S1401は予測計算に使用
するデータが3個より多いかどうか判定し、多い場合は
S1402へ進み、少なければS1411へ進む。
【0083】S1402は1、2、3回前の焦点検出結
果による2次式近似により予測式を算出し、その予測式
を用いて最新の焦点検出時の被写体位置を予測し最新の
検出結果との偏差E1を算出する。S1403は偏差E1か
ら図11に示すグラフに基づいて信頼度J1を算出する。
S1404はCOUNT が4より大きい場合にS1405へ
進み、小さければS1412へ進む。
【0084】S1405は1、3、5回前の焦点検出結
果による2次式近似により予測式を算出し、その予測式
を用いて最新の焦点検出時の被写体位置を予測し最新の
検出結果との偏差E2を算出する。S1406は偏差E2か
ら図11に示すグラフに基づいて信頼度J2を算出する。
S1407はCOUNT が5より大きい場合はS1408へ
進み、小さければS1413へ進む。
【0085】S1408は1、4、7回前の焦点検出結
果による2次式近似により予測式を算出し、その予測式
を用いて最新の焦点検出時の被写体位置を予測し最新の
検出結果との偏差E3を算出する。S1409は偏差E3か
ら図11に示すグラフに基づいて信頼度J3を算出する。
第2実施例では被写体判定のサブルーチンで使用する予
測式と予測計算に使用する予測式との次数を異ならせて
いるが必ずしも異ならせる必要はない。逆に被写体判定
の予測式を1次式にして予測計算の予測式を2次式にし
ても良い。
【0086】
【発明の効果】過去の焦点検出結果と最新の焦点検出結
による予測結果との偏差に基づいて過去に検出された
被写体と最新の焦点検出された被写体とが同一であるか
どうかの信頼度を判定し、この信頼度と被写体の像面移
動速度と過去の焦点検出結果とに基づいて将来の被写体
位置を予測するようにしたため、被写体が測距フレーム
を外れた場合や被写体の前を横切る他の被写体に対して
無闇に焦点調節をする等の間違った焦点調節を行わない
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の第1実施例の構成図である。
【図3】第1実施例のメインフローチャートである。
【図4】蓄積制御のサブルーチンである。
【図5】タイマーB割り込みのサブルーチンである。
【図6】デフォーカス量算出のサブルーチンである。
【図7】予測計算のサブルーチンである。
【図8】予測計算のサブルーチンである。
【図9】被写体判定のサブルーチンである。
【図10】被写体判定の原理を示す説明図である。
【図11】偏差と信頼値の関係を表す図である。
【図12】像面移動速度計算のサブルーチンである。
【図13】像面移動速度計算のサブルーチンである。
【図14】判定レベル決定のサブルーチンである。
【図15】予測時間設定のサブルーチンである。
【図16】焦点検出データ更新のサブルーチンである。
【図17】合焦判定のサブルーチンである。
【図18】レンズ駆動のサブルーチンである。
【図19】レンズ駆動停止割り込みのサブルーチンであ
る。
【図20】第2実施例における被写体判定の原理を示す
説明図である。
【図21】第2実施例における被写体判定のサブルーチ
ンである。
【符号の説明】
1…撮影レンズ 2…被写体 3…メインミラー 4…サブミラー 5…AFモジュール 6…センサー駆動回路 7…CPU 8…レンズ情報記憶回路 9…モーター制御回路 10…エンコーダ 11…モーター 12…レンズ移動機構 13…操作部材 14…露出制御部 15…シャッター

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検
    出手段と、 時間を計測する時間計測手段と、 前記撮影レンズの焦点状態を変化させるようにレンズ位
    置を変更するレンズ駆動制御手段と、 過去の焦点検出結果と過去の焦点検出時刻と過去のレン
    ズ位置とを記憶する記憶手段と、 前記焦点検出手段からの最新の焦点検出結果と前記記憶
    手段に記憶された過去の焦点検出結果による予測結果と
    の偏差に基づいて、過去に検出された被写体と最新の焦
    点検出された被写体とが同一であるかどうかの信頼度を
    決定する信頼度決定手段と、 前記最新の焦点検出結果と焦点検出時刻と前記記憶手段
    に記憶された過去のデータとに基づいて被写体の像面移
    動速度を算出する像面移動速度算出手段と、 前記信頼度決定手段の結果と前記像面移動速度算出手段
    の結果と前記過去のデータとに基づいて将来の被写体の
    位置を予測する予測手段とを具備する自動焦点調節装
    置。
  2. 【請求項2】 前記信頼度決定手段は、前記焦点検出手
    段の最新の焦点検出結果を除く過去の焦点検出結果に基
    づいて予測された被写体像面位置を算出し、算出された
    被写体像面位置と最新の焦点検出による被写体位置との
    差に基づいて前記信頼度を決定することを特徴とする請
    求項1記載の自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 前記予測手段は、前記信頼度決定手段で
    決定された信頼度に基づいた重み付けにより将来の被写
    体の移動を予測することを特徴とする請求項2記載の自
    動焦点調節装置。
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JP6431429B2 (ja) * 2015-04-02 2018-11-28 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法、プログラム、ならびに記憶媒体

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