JP3413724B2 - シールド電気コネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、電気コネ
クタに係り、より詳細には、絶縁ハウジングと、これを
全体的に包囲するシールドとを有し、このシールドがハ
ウジングに確実にロックされる電気コネクタに係る。

【０００２】

【従来の技術】プラグコネクタに係合するためのソケッ
トコネクタが知られている。例えば、ユニバーサル・シ
リアル・バス（ＵＳＢ）コネクタが、コンピュータの周
辺装置を接続するために広く使用されている。多数のＵ
ＳＢソケットを含む従来のソケットコネクタは、複数の
導電性端子を保持する内部絶縁ハウジングと、外部導電
性シールドとを備えている。このシールドは、堅牢な外
部構造を与えると共に、電磁干渉を減少するためにハウ
ジングの一部分を包囲する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のコネクタでは、
シールドが上面、下面及び側面パネルを含み、前部開口
及び後部開口を画成する。前部開口は、端子に接触する
嵌合プラグコネクタを受け入れるように構成される。各
端子は全体的にＬ字型であり、回路板に接続するために
後部開口から下方に突出する。端子は、シールドの後部
開口によりコネクタの後部に露出される。不都合なこと
に、従来のコネクタのシールドは、位置がずれてハウジ
ングに対して望ましからぬ位置をとり、導電性端子を短
絡することがある。更に、後部シールドがないために、
コネクタは、電磁放射による干渉ノイズを受ける。

【０００４】そこで、相対的な位置ずれを防止するよう
にシールドがハウジングに確実に取り付けられたコネク
タが要望される。又、端子がシールドにより短絡される
ことのないコネクタも要望される。更に、特にコネクタ
の後部において端子のシールド効果を改善したシールド
を有するコネクタも要望される。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、公知の欠点を
克服する改良された電気コネクタを提供する。本発明の
コネクタは、絶縁ハウジングと、複数の導電性端子と、
外部導電性シールドとを備えている。絶縁ハウジング
は、ベース部分と、このベース部分から延びる少なくと
も１つの取付ブロックとを有する。ハウジングは、導電
性端子が取り付けられる複数の端子空洞を有する。各端
子のテール部分は、ハウジングのベース部分から突出す
る。シールドは、後部開口をもつ内部空洞を画成する複
数のパネルを有し、ハウジングはこの内部空洞に嵌合さ
れる。シールドをハウジングに位置固定するために、シ
ールドの少なくとも１つのパネルは、少なくとも１つの
取付ブロックに当接するための支持縁を有する。

【０００６】ハウジングの少なくとも１つの取付ブロッ
クは、端子のテール部分からシールドを離間保持する。
これは、好都合にも、導電性シールドの側面のパネルと
後面のパネルとの間に取付ブロックが挟み込まれること
で、導電性シールドが導電性端子に接触して短絡するの
を防止する。また、各支持縁が、取付ブロックを受け入
れる形状にされたパネルの各ノッチにより形成される。
１つの実施形態では、ハウジングは、ベース部分から後
方に延びるリップを含み、このリップは複数のスロット
を含み、そして各スロットは、端子の各テール部分を支
持する。

【０００７】１つの実施形態では、少なくとも１つの取
付ブロックが導電性端子の後方に突出し、そして後面パ
ネルが取付ブロックに当接して、後面パネルを端子から
離間する。１つの実施形態では、後面パネルは、そこか
ら延びる少なくとも１つのロックフランジを備えてい
る。このロックフランジは、他のパネルの１つにロック
係合し、後面パネルを閉じた位置に保持する。

【０００８】１つの実施形態では、少なくとも１つのロ
ックフランジが少なくとも１つのロックホールを有し、
他のパネルの１つは、このロックホールに係合するため
の少なくとも１つの対応する突起を備えている。この突
起は、傾斜した形状にされ、後面パネルが後部開口を閉
じるように移動されたときにスナップ嵌合により対応ロ
ックホールに係合する。１つの実施形態では、少なくと
も１つのロックフランジが後面パネルからほぼ垂直に突
出し、他のパネルに対してほぼ平らな位置をとる。

【０００９】本発明の効果は、改良された電気コネクタ
を提供することである。本発明の別の効果は、組立が簡
単で且つ安価な電気コネクタを提供することである。本
発明の更に別の効果は、ハウジングにしっかりとロック
状態で取り付けられる導電性シールドを有する電気コネ
クタを提供することである。本発明の更に別の特徴及び
効果は、以下の詳細な説明、添付図面及び特許請求の範
囲から容易に明かとなろう。

【００１０】

【発明の実施の形態】同様の部品が同じ参照番号で示さ
れた添付図面を参照すれば、図１には従来のＵＳＢソケ
ットコネクタ１０が示されている。この従来型コネクタ
１０は、複数の導電性端子１４を保持する内部絶縁ハウ
ジング１２を備え、このハウジング１２は、導電性シー
ルド１６によって部分的に包囲される。各端子１４は、
全体的にＬ字型であり、接点部分１８と、テール部分２
０と、これら接点部分１８とテール部分２０との間に角
度を与える中間ブリッジ部分２１とを有する。各端子１
４は、ハウジング１２に形成された複数の端子空洞２２
の各々に接点部分１８を前方に挿入することによりハウ
ジング１２に組み立てられる。シールド１６の前部開口
２４は、嵌合プラグコネクタ（図示せず）を協働受け入
れするように構成される。シールド１６の後部開口２６
は、端子１４をコネクタ１０の後部に露出したまま、ハ
ウジング１２を受け入れる。

【００１１】従来型コネクタ１０は、図１に示すよう
に、後方のベース部分２７と、このベース部分２７から
前方に突出する端子プラットホーム２８とを備えてい
る。ベース部分２７は、後方に突出する上部リップ３０
及び下部リップ３２を有する。下部リップ３２は、複数
のスロット３４を含む。各スロット３４は、各テール部
分２０を受け入れて保持する形状及び配置にされる。シ
ールド１６は、上部リップ３０及び下部リップ３２の外
部にスライドしてベース部分２７上に嵌合される。不都
合なことに、シールド１６は、ベース部分２７に挿入し
過ぎることがある。これは、導電性シールド１６が端子
１４に接触して短絡を引き起こし得るので望ましくな
い。

【００１２】図２ないし図５には、本発明によるソケッ
トコネクタ４０が示されている。図示されたように、コ
ネクタ４０は、ＵＳＢ型のコネクタであるが、本発明
は、これに限定されるものではない。図４を参照すれ
ば、コネクタ４０は、絶縁ハウジング４２と、該ハウジ
ング４２に実装された複数の導電性端子４４と、ハウジ
ング４２を包囲する導電性シールド４６とを備えてい
る。図３に示すように、シールド４６は、嵌合プラグコ
ネクタ（図示せず）を受け入れる形状にされた前部開口
４８を画成する。又、ここに示す実施形態では、コネク
タ４０は、プリント回路板（図示せず）に取り付けるよ
うに構成される。

【００１３】図４を参照すれば、ハウジング４２は、後
方ベース部分５０と、このベース部分５０から前方に突
出した端子プラットホーム５２とを含む。この端子プラ
ットホーム５２は、嵌合プラグコネクタに対応的に接触
するように端子４４を保持する構成にされる。より詳細
には、ハウジング４２に複数の端子空洞５４が形成さ
れ、その中に導電性端子４４が嵌合される。各端子４４
の接点部分５６は、嵌合プラグコネクタに接触するよう
に端子プラットホーム５２に配置される。又、各端子４
４のテール部分５８は、プリント回路板のような別の要
素に接触するために、ハウジング４２から後方及び下方
に突出する。

【００１４】電磁干渉を減少するために、シールド４６
がハウジング４２を包囲する。この実施形態では、シー
ルドは、シートから一体成形される。図２ないし図４に
示すように、シールド４６は、上面パネル６０と、この
上面パネル６０から下方に延びる側面パネル６２、６４
とを含む。図示されたように、シールド４６は、側面パ
ネル６２、６４から内方に延びる一対の下面半パネル６
６、６８を含む。これらの半パネル６６、６８は、中央
で合流する。この半パネル６６、６８に代わって単一の
下面パネルを設けることもできる。図４を参照すれば、
シールド４６は、ハウジング４２を全体的に受け入れる
形状にされた内部空洞７０を画成する。更に、この実施
形態では、シールド４６は、以下に詳細に述べる後面パ
ネル７２を備えている。

【００１５】組立のために内部空洞７０にアクセスする
ため、シールド４６は、図４に示すように、後部開口７
４を有している。ハウジング４２は、図２及び図３に示
すように、シールド４６の後部開口７４を経て組立位置
へと前方に挿入することができる。更に、シールド４６
は、挿入されたプラグコネクタに接触バイアスを与える
ための接触スプリング７６と、コネクタ４０をプリント
回路板に取り付けるための下方に突出する取付脚７８の
ような素子を含むことができる。

【００１６】シールド４６へのハウジング４２の挿入移
動を制限すると共に、ハウジング４２に対してシールド
４６の位置を固定するために、ハウジング４２は、ここ
に示す実施形態では、ベース部分５０及び一対の互いに
逆方向に突出する取付ブロック８２を有しているが、本
発明は、２つの取付ブロックを伴う構成に限定されるも
のではない。各取付ブロック８２は、ベース部分５０の
各側から外方に延びる。図４を参照すれば、シールド４
６をハウジング４２に位置固定するために、シールド４
６の各側面パネル６２、６４は、後部開口７４付近に後
方を向いた支持縁８４、８６を形成するノッチを有す
る。これら支持縁８４、８６の各々は、取付ブロック８
２の前部に当接して、ハウジング４２に対するシールド
４６の更なる後方移動を防止し、これにより、端子をシ
ールドの下面パネルから離間した状態に保つ。

【００１７】図４及び図５に示すように、ハウジング４
２は、ベース部分５０の下部領域から後方に延びるリッ
プ８８を含む。このリップ８８は、複数のスロット９０
を含む。各スロット９０は、各端子４４のテール部分５
８を受け入れて支持するサイズ及び配置にされる。コネ
クタ４０の端子テール部分５８に対して電磁シールドを
与えるために、シールド４６は、後面パネル７２を備え
ている。例えば、ここに示す実施形態では、後面パネル
７２は、図２及び図４に示すように、上面パネル６０と
一体的である。後面パネル７２は、上面パネル６０の後
縁から延びる。図４に示すようにシールド４６をハウジ
ング４２に組み立てる前は、後面パネル７２は、上面パ
ネル６０と同一平面において後方に突出している。ハウ
ジング４２をシールド４６に挿入してシールド４６が取
付ブロック８２に当接した後、後面パネル７２は、図２
及び図３に示すように、取付ブロック８２に対して下方
に折り曲げられる。

【００１８】端子４４の短絡を回避するために、ハウジ
ング４２の取付ブロック８２は、シールド４６を端子４
４のテール部分５８から離間保持する寸法にされる。よ
り詳細には、ここに示す実施形態では、各取付ブロック
８２は、導電性端子４４の後方に突出し、そして後面パ
ネル７２は、各取付ブロック８２の後面に当接する。従
って、取付ブロック８２は、後面パネル７２を端子４４
から離間保持する。

【００１９】後面パネル７２を図２及び図３の閉じた位
置に保持するために、後面パネル７２は、その両側縁か
ら垂直に延びた一対のロックフランジ９２、９４を含
む。各ロックフランジ９２、９４は、各側面パネル６
２、６４にロック係合して、後面パネル７２を取付ブロ
ック８２に対して閉じた位置に保持する。ここに示す実
施形態では、各フランジ９２、９４は、少なくとも１つ
のロックホール９６を含み、そして各側面パネル６２、
６４は、このロックホール９６にロック式に受け入れら
れる少なくとも１つの対応突起９８を含む。これら突起
９８には傾斜が付けられ、フランジ９２、９４は、これ
ら突起９８上を移動して、対応するロックホール９６に
突起９８がパチンと入り、後面パネル７２が閉じる。

【００２０】図６は、別の実施形態によるコネクタ１４
０を示す。このコネクタ１４０は、図２ないし図５のコ
ネクタ４０の場合より長い距離後方に延びる取付ブロッ
ク１８２を備えている。図示されたように、取付ブロッ
ク１８２は、シールド１４６の後面パネル１７２と端子
１４４との間にスペース１００を形成し、短絡の危険性
を更に少なくする。好適な実施形態を参照して本発明を
説明したが、本発明は、これに限定されるものでないこ
とが明らかである。種々の置き換え及び変更が当業者に
明らかであろう。本発明の精神及び範囲から逸脱せずに
なされ得るこれらの置き換えや変更は、請求の範囲によ
って網羅されるものとする。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のＵＳＢソケットコネクタを示す分解斜視
図である。

【図２】本発明によるソケットコネクタを組立状態で示
す斜視図である。

【図３】図２のコネクタを異なる角度から見た斜視図で
ある。

【図４】図２及び３のコネクタの分解斜視図である。

【図５】図２ないし４のコネクタの下面図である。

【図６】本発明の別の実施形態によるコネクタの下面図
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−67365（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−195457（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−149960（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−196225（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−115280（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01R 13/658 H01R 23/68 H01R 23/02

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベース部分、複数の端子空洞、及びベー
   ス部分から延びる少なくとも１つの取付ブロックを含む
   絶縁ハウジングと、 上記端子空洞に取り付けられた複数の導電性端子であっ
   て、そのテール部分が上記絶縁ハウジングの上記ベース
   部分から突出する導電性端子と、 上記絶縁ハウジングが嵌合する内部空洞を画成する複数
   のパネルを含む導電性外部シールドであって、少なくと
   も１つの側面パネルの後端には上記取付ブロックを受け
   入れるノッチを形成した支持縁が形成され、上記コネク
   タの後面にわたって延びる後面パネルと上記支持縁との
   間に上記取付ブロックを挟み支持することで上記導電性
   端子から離間される導電性外部シールドとを備えたこと
   を特徴とする電気コネクタ。
2. 【請求項２】 上記絶縁ハウジングは、上記ベース部分
   から延びるリップを含み、このリップは複数のスロット
   を含み、各スロットは上記導電性端子の各テール部分を
   支持する請求項１に記載の電気コネクタ。
3. 【請求項３】 上記取付ブロックは、上記導電性端子の
   後方に突出する請求項１に記載の電気コネクタ。
4. 【請求項４】 ベース部分、該ベース部分の各側から各
   々延びる一対の取付ブロック、及び複数の端子空洞を含
   む絶縁ハウジングと、 上記端子空洞に各々取り付けられた複数の導電性端子で
   あって、その各テール部分が上記絶縁ハウジングのベー
   ス部分の後部から突出する導電性端子と、 上記絶縁ハウジングが嵌合する内部空洞を画成する複数
   のパネルを含む導電性外部シールドであって、上記パネ
   ルの対面する２つは、各々の後端に上記各取付ブロック
   を受け入れるノッチを形成した支持縁が形成され、上記
   対面する２つのパネルの間を閉塞するパネルと上記支持
   縁との間に上記各取付ブロックを挟み支持することで上
   記導電性端子から離間される導電性外部シールドとを備
   えたことを特徴とする電気コネクタ。