JP3407910B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP3407910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収性物品に関するも
のであり、より詳細には、疎水性樹脂の表面に持続的に
親水性を付与して表面改質を行い、これを紙オムツ、及
び生理用ナプキンの表面材に用いた吸収性物品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
ポリオレフィン、ポリエステル、PVC等疎水性合成樹
脂は優れた機械強度、成形性、耐水性、耐薬品性を有し
ており、農業用フィルムや包装用フィルム等の各種フィ
ルム、更に不織布として医療、衛生材料の分野で幅広く
使用されてる。これらの樹脂成形品は疎水性であるた
め、水に濡れることが要求される衛生用品フィルム、不
織布等では、表面に親水性を付与することが強く要望さ
れている。
【0003】従来、親水性を付与する技法としては、疎
水性樹脂中に界面活性剤や親水性高分子化合物等を練り
込む方法又は樹脂成形品の表面にこれらを塗布する方法
が提案されている。例えば、内部練り込み型の界面活性
剤としては、多価アルコール(例えば、ソルビトール、
グリセリン、ペンタエリスリトール)の部分エステルが
代表的なものとして知られている。また、表面塗布型の
界面活性剤としては、 ポリオキシエチレンアルキル
アミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン多価アルコールアルキルエステル等のエーテル型
又はエステル型の非イオン性界面活性剤、 ポリオキ
シエチレンアルキルホスフェート塩、アルキルスルホネ
ート塩、アルキルサルフェート塩等のアニオン性界面活
性剤、及び アルキルアミン塩、第4級アンモニウム
塩等のカチオン性界面活性剤が知られている。更に、親
水性高分子化合物は、疎水性の合成樹脂との相溶性が乏
しい上に高分子量の為、移行性が乏しく内部練り込みに
適さず、専ら表面塗布型として使用される。その例とし
ては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルフォン
酸、ポリアルキルポリアミン酸等が知られている。
【0004】具体的に、特開昭63−309604号公
報では、HLB4.7〜11.0の脂肪酸エステル系又
は脂肪酸エーテル系加工剤を0.05〜2.0重量部付
着させてなる疎水性繊維の親水化が提案されている。ま
た、特開平3−50030号公報では、特定のアルキロ
ールアミド型化合物50〜95重量%及び界面活性剤5
〜50重量%からなる処理剤をポリオレフィン系繊維に
0.05〜0.7重量%付与させてなるポリオレフィン
系繊維の親水性付与方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法による親水化繊維は、低分子量の界面活性
剤のみで塗工しても繊維の交絡部に溜まっているため
に、疎水性繊維の一時的な濡れ性が付与されるものの、
フィルム面の半永久的な親水化に用いる場合にはその効
果が著しく低い。
【0005】また、特公昭61−28685号公報で
は、特定のアクリレートと直鎖状のエチレンランダム共
重合体が、ポリエチレンの特性を保持しつつ、親水性、
帯電防止性に優れていることを提案しているが、この記
載にはその組成物及びその製造方法が具体的に示されて
いない。更に、特開平3−287644号公報では、特
定のアクリレートとエチレンの共重合体が親水性樹脂組
成物として提案されている。しかし、高分子量物をポリ
オレフィンに30重量%混合したとしても、その濡れ張
力(dyn/cm) が無添加のポリエチレン31に対して44
になる程度で、疎水性樹脂の表面親水化としては不十分
である。また混合比を更に増やしていくと濡れ張力は大
きくなるがポリオレフィンの特性が著しく低下する。更
にまた、特開昭63−238861号公報では、水性流
体に不溶であるが表面が親水性を有するゴム質材料を塗
被した表面親水性物品が提案されている。これは、ジブ
ロックオリゴマー成分の存在下にスチレン、ブタジエ
ン、ジビニルベンゼン等のモノマーを重合させることに
よって得られたゴム質材料を塗被しているため、耐水性
が良好であるがスチレン等のモノマーの残留により皮膚
刺激が強く、衛生用物品等には適さない。
【0006】つまり、これらの従来公知の界面活性剤や
親水性高分子化合物はいずれも下記のような難点があっ
て、樹脂成形品の実用に供するのに困難があり、改良が
望まれている。 〔表面塗布型〕 界面活性剤及び親水性高分子化合物ともに疎水性樹脂
成形品の表面に対する濡れが悪く、いわゆるハジキ現象
を起こし、均一に塗布するのが困難である。 塗布液濃度を高くしても、乾燥後の被膜が不均一で、
塗布表面が多量の界面活性剤により、ベトツキを生ず
る。シートを重ね合わせたロールの状態ではブロッキン
グを起こす。 界面活性剤のHLB、高分子化合物の親水度を共に低
くすると、被膜形成性は良くなるが、表面親水性に劣り
実際的でない。 界面活性剤は疎水性樹脂表面では凝集し易く、大気中
の水分によって被膜が破壊され親水度の耐久性が低下す
る。 スチレン等皮膚刺激性モノマーを用いる場合には重合
物を完全に精製すると共に、分解によるモノマーの生成
を防止する手段が必要である。 〔内部練り込み型〕 界面活性剤は疎水性樹脂表面に凝集し、親水性を発揮
するが、上記と同様に親水度の耐久性に劣る。 親水性高分子化合物は、高分子故に、疎水性樹脂中で
移動し難いので多量に添加しなければならないが、その
結果、親水性樹脂の物性に影響を与えてしまう。
【0007】また、従来の樹脂成形品を吸収性物品等の
衛生用物品に使用した場合、その機能、例えば液透過
性、液戻り防止性、装着性等の改良が上記樹脂成形品と
相まって更に望まれている。従って、本発明の目的は、
疎水性樹脂の持つ優れた特性を損なうことなく、成形品
としての表面にのみ、その初期及び経時的においても親
水性に優れている樹脂成形品を表面材として用いて、液
透過性、液戻り防止性、装着性等を十分に有する吸収性
物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、上記目的に鑑み鋭意研究した結果、特定の界面活性
剤と親水性高分子化合物が所定の混合比からなる特定の
組成物被膜を疎水性樹脂成形品の表面に形成したとき、
被膜保型性に優れ、凝集等による経時変化がなく、所望
の表面親水性を半永久的に持続し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいて成されたもので、多数の
穴部を有し、該穴部に液透過用の開口部を有するフィル
ムに、親水性且つ水不透過性被膜を形成してなる表面材
(樹脂成形品)と、液不透過性の裏面材と、それらの間
に設けられた吸収体とからなる吸収性物品であって、該
被膜はC 8 〜C 18 のアルキルグルコシド、脂肪酸C 8 〜C
18 のソルビタンエステルから選択される非イオン界面活
性剤と親水性高分子化合物を含む混合物を塗布して形成
されていることを特徴とする吸収性物品を提供すること
により上記目的を達成したものである。また、上記混合
物は、界面活性剤と親水性高分子化合物の混合比が9
9.9/0.1〜20/80であることを特徴とするも
のである。
【0009】上記特定の混合物を溶媒で溶解、若しくは
分散させた溶液、又は懸濁液を疎水樹脂成形品の表面に
塗布すると、低エネルギー表面でも容易に均一塗布が出
来、乾燥過程においてもいわゆるハジキ等を起こさず均
一な被膜層を形成し、要求される親水性を発現する。し
かも上記親水性被膜層は疎水性樹脂固有の良好な特性を
維持しつつ表面のみに親水性を発現し、且つ長期にわた
って保持している。従って、このような樹脂成形品を吸
収性物品の表面材に用いた場合、親水性による液透過性
を十分に発揮するとともに、維持される疎水性の特性に
よって、表面でのべたつき、体液残り、及び液広がりが
極めて少なくなる。
【0010】以下、本発明に係る樹脂成形品を表面材に
用いた吸収性物品について詳述する。本発明に係る樹脂
成形品は、その樹脂が疎水性の合成樹脂素材からなり、
また、親水性且つ水不溶性被膜は、界面活性剤〔成分
(a)〕及び親水性高分子化合物〔成分(b)〕からな
る。尚、水不溶性被膜には、成分(a)及び成分(b)
以外に本発明の目的に逸脱しない範囲でその他の成分を
添加することができる。
【0011】〔成分(a)〕 上記成分(a)の界面活性剤としては、C 8 〜C 18 のア
ルキルグルコシド、脂肪酸C 8 〜C 18 のソルビタンエス
テルから選択される非イオン界面活性剤の中から要求さ
れる性能に併せて単独又は2種以上の混合系が選択され
る。
【0012】〔成分(b)〕上記成分(b)の親水性高
分子化合物としては、分子量が5000以上で水(水単
独又は親水性溶媒との混合系)又は界面活性剤との混合
系で溶解又は乳化、更には懸濁するものである。好まし
い親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリスチレンスルフォン酸、ポリアルキルポリアミン塩
(酸化ポリエチレンのアルカリ金属塩)等が用いられ
る。中でも、鹸化度30%〜100%、分子量1000
0〜100000のポリビニルアルコール、メトキシ基
が25〜35%、2%水溶液粘度が10〜10000c
pのメチルセルロース、又は酸価20〜60の酸化ポリ
エチレンのアルカリ金属塩が特に好ましい。
【0013】〔界面活性剤と親水性高分子化合物との比
率〕上記界面活性剤の低エネルギー表面での凝集に対
し、親水性高分子化合物は高分子量のため、被膜形成能
があり、且つ互いの絡みもあって移行し難い。また、被
膜形成能はイオン性高分子化合物より非イオン性高分子
化合物の方が優れているのに対し、親水性はその逆を呈
する。従って、親水性はやや劣るが被膜形成/保持性の
優れる非イオン性高分子化合物と被膜形成/保持性は劣
るが親水性に優れた界面活性剤の混合から成る組み合わ
せが望ましく、本発明においてはこのような組み合わせ
が用いられる。また非イオン性高分子化合物と非イオン
性界面活性剤は互いに相溶が良く、その組成物を被膜化
したとき、濡れ性と持続性の両者の優れた被膜が形成さ
れる。尚、イオン性高分子化合物でも酸化ポリエチレン
のアルカリ金属塩のように疎水性部の比率の高いものは
被膜形成能に優れている。このような親水性高分子化合
物と混合される界面活性剤は親水性の高いものと組み合
わされた時、最も好ましいものが得られる。界面活性剤
と親水性高分子化合物との比率(重量比)は99.9/
0.1〜20/80の範囲が重要であり、親水性高分子
化合物が0.1未満では界面活性剤の凝集防止効果が劣
り、80を上回ると、その混合物の親水性が劣ると共
に、その被膜の強度がベースの疎水性樹脂との接着強度
より強くなるため被膜層が剥離又は脱落し易くなる。
【0014】〔疎水性樹脂〕本発明に係る樹脂成形品に
用いられる疎水性樹脂は、エチレン、プロピレン等のα
−オレフィン及びその他のオレフィンモノマーとのホモ
及びコポリマー、塩化ビニル等のビニル系モノマーのホ
モ及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の通常
疎水性樹脂と呼ばれる樹脂等が挙げられる。また成形品
は、上記樹脂から形成されるフィルム、シート、フィラ
メント等に成形されたもの等である。
【0015】また、樹脂成形品の疎水性樹脂として、特
に後述する吸収性物品の表面材に用いる場合は低密度ポ
リエチレン(LD−PE)及び/又は線状低密度ポリエ
チレン(L−LD−PE)とポリプロピレンとの樹脂組
成物が望ましい。低密度ポリエチレン(LD−PE)は
エチレンを高圧/高温で重合して得られる密度0.90
5〜0.935、MFR1〜50のポリマー等で、少量
の酢酸ビニル、アクリル酸ビニル等のビニル系モノマー
とのコポリマーも含まれていてよい。線状低密度ポリエ
チレン(L−LD−PE)は、エチレンとα−オレフィ
ンの共重合で得られる密度0.890〜0.940、M
FR1〜50の線状ポリマー等で、50%以下のLD−
PEを含む通称L−LD−PEと呼ばれているブレンド
系も含まれていてもよい。ポリプロピレン(PP)とは
プロピレンの重合体で硬度(R)90〜115、MF
R.2〜50のホモポリマーで、該ポリマーには、少量
のエチレン及び他のα−オレフィンとのコポリマーも含
まれる。
【0016】上記樹脂組成物は、LD−PE及び/また
はL−LD−PE100重量部に対しポリプロピレン
(PP)が0.1〜50重量部配合された組成からな
る。PPの配合量が上記範囲に制限されるのは、PPの
配合量が増加すると共に、縦裂け強度及びMD方向の引
っ張り強度が向上する。しかし、50重量部を超えると
縦裂け強度、引っ張り強度は更に向上するが、本発明の
表面材の感触(前記装着性)が低下する為である。PP
の更に好ましい配合量は、2〜20重量部である。ま
た、表面材の感触の点からはホモポリマーよりコポリマ
ー(例えば、1〜15%のエチレン等のα−オレフィン
を共重合したもの)の方が好ましく、表面材を製造する
際の溶融真空穿孔性の点からはPPのMFRがLD−P
E及び/またはL−LD−PEのMFRより高い方が好
ましい。
【0017】LD−PEとL−LD−PEの比率は特に
制限されないが柔軟性、縦裂け強度からはL−LD−P
Eが多いほど好ましく、溶融樹脂の押出成形性、真空吸
引穿孔性からは、LD−PEが多い程好ましい。両者の
バランスからLD−PE/L−LD−PEが10〜70
/9030が好ましく、20〜50/80〜50がよ
り好ましい。
【0018】尚、吸収性物品の表面材としてその他の
配合物を樹脂に添加することがきる。例えば、表面材
は、遮蔽性の観点から不透明であることが好ましい。そ
の手段として、上記樹脂組成物に、酸化チタン、酸化亜
鉛、等の白色顔料、炭酸カルシウム、タルク、クレー、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム等のフィラーを単独また
は併用して添加する手段が一般的である。
【0019】また、表面材は、皮膚接触時のドライ感を
与える上で、その表面にミクロの凹凸があることが好ま
しい。表面材の表面への凹凸の付与は、表面材の成形条
件を変えたり、後処理を施すことによっても行い得る
が、上記樹脂組成物に、例えば上述の無機フィラーの比
較的粗い(2〜20μ)粒子を添加したり、高融点また
は不流動有機粒を添加することによって行うことができ
る。更に、必要に応じて離型性、親水性、帯電防止性を
表面材に付与する為、各々公知の添加剤を、又、着色の
為に着色剤を、上記樹脂組成物に添加することができ
る。
【0020】以上のような疎水性樹脂から成る成形品に
対し、上記混合物を塗工する方法としては、グラビアロ
ールによる方法、スプレー方法、ディッピング方法等が
あり、特に制限されることはないが、上記表面材には、
開孔底部及び/または壁部に優先的に形成されているこ
とが好ましく(後述の図5C及び図5D)、その為に該
表面材の裏側から塗布することが好ましい。また、必要
に応じてコロナ放電処理、フレーム処理等で表面を活性
化して塗工性を高めてもよい。このように製造される樹
脂成形品は、その被膜層が疎水性樹脂固有の良好な特性
を維持しつつ表面のみに親水性を発現し、且つ長期にわ
たってそれを保持している。
【0021】次に、本発明に係る吸収性物品の好ましい
態様を図を参照しながら以下に詳述する。図1はスパイ
ラル編み金網を用いて製造された本実施態様例の吸収性
物品を一部切欠して示した斜視図、図2Aは上記実施態
様例の表面材の部分拡大平面図、図2Bは図2Aに示す
表面材を表面側から視た部分拡大斜視図、図2Cは図2
Aに示す表面材の一穴部を示す部分拡大縦断面図であ
る。図3Aは、表面材の製造方法に用いられるスパイラ
ル編み金網(表面材成形用型)の一部を示す拡大平面
図、図3Bは、その部分拡大斜視図である。本実施の好
まし例としての吸収性物品1は、上記樹脂成形品に多数
の穴部4を形成し且つ該穴部4に液透過用の開孔部を形
成してなる液透過性の表面材2(図1及び図2参照)
と、液不透過性の裏面材2’と、それらの間に設けられ
た吸収体3とからなる。具体的な表面材2は、前述の樹
脂組成物からなる溶融樹脂を、右巻き又は左巻きの同方
向スパイラル編み金網11(図3A及び図3B参照)の
表面形状に沿った形状で且つ上記スパイラル編み金網1
1の線材11a間の空間に対応する位置に穴部4を有す
るシート状に成形したものである。更に詳しく説明する
と、表面材2は、図2A〜図2Cに示す如く、裏側が空
隙となっている凸状曲面からなる多数の頂部5と、多数
の開孔底部6と、該頂部5及び該開孔底部6をそれぞれ
連結する筒状壁部7とを具備しており、上記各穴部4
は、隣り合う複数の上記頂部5と、一個の上記開孔底部
6と、それらを連結する一個の筒状壁部7とからそれぞ
れ形成され、該開孔底部6により液透過用の上記開孔部
を構成している、連通孔構造からなっている。しかし
て、図5A〜図5Dに示す如く、上記表面材2に上記混
合物の被膜20が施されている。特に、上記表面材2の
上記壁部7内面(場合によっては、開孔底部6も含
む。)に上記混合物の被膜20が施されていることが好
ましい(図5C〜図5D)。
【0022】〔表面材の形状/物性〕図4は本発明の吸
収性物品の表面材の物性の一測定例及び測定結果の概略
を図示した説明図で、図4Aは該表面材をその上部から
平板で押圧する際の要部を示す縦断側面図、図4B〜図
4Eは平板と該平板に押し付けられた表面材の頂部との
接触面の外周をそれぞれ示す平面図で、図4Bは無負荷
時、図4Cは低負荷時、図4Dは中負荷時、図4Eは高
負荷時の上記接触面の外周をそれぞれ示す。
【0023】本実施の態様例の表面材2(この表面材2
の頂部5は丸みのある非真円形凸状である)は、図4A
に示すように、その上部から平板Yで押圧すると、その
負荷に応じて、図4C〜図4Eに示す如く平板Yと上記
項部5との接触面の外周Zが非真円状に長くなり、無負
荷の時は、図4Bに示す如く点又は線に近い接触面を呈
する形状/物性を有している。そして、本発明の表面材
は、上記の如き物性の測定法において、0.5g/cm 2
負荷の時、平板に接触した1頂部の接触面の外周が0.
1mm〜5mm、50g/cm2 負荷の時、0.3mm〜15mm
となるものが好ましい。
【0024】また、本実施態様例では、上記各穴部4
は、4個の上記頂部5によって囲まれて形成されてお
り、穴部4を挟んで相対向する頂部間の距離は0.05
mm〜8mmの範囲に設定することが好ましく、特に0.2
mm〜5mmの範囲に設定することがより好ましい。上記各
穴部は、穴部の略中央を上記表面材の厚さ方向に通る軸
を含む異なる任意の縦断面の形状がそれぞれ左右非対称
形又は異形液透過用の開孔底部6の周囲長さは0.1mm
〜15mmが好ましく、0.5mm〜5mmがより好ましい。
【0025】穴部4の密度(表面材の単位面積当り穴部
の数)は、液透過性及び液戻り防止性のバランスを考慮
して決められるもので、開孔底部6の開口面積及び穴部
4の連通孔構造の形態の差異により変わるが、2個/c
2 〜200個/cm2 にするのが好ましい。開孔底部
6の開口面積が小さく且つ穴部4の密度が低い場合には
実質的に液透過性が劣り、また頂部5間の開口面積が大
きくなるにしたがってシート形成性が劣るので、これら
を考慮し2個/cm2 〜200個/cm2 、特に2個/
cm2 〜100個/cm2 にするのが好ましい。また、
穴部4の大きさは、その頂部5間の開口面積が0.02
〜10mm2 となるようにするのが好ましい。
【0026】尚、表面材2は、上述の実施例に制限され
るものではなく、肌接触面に凹凸がなく平板状のもの、
孔部が先細のもの、あるいは厚みが小さくネット状のも
の等でもよい。このような吸収性物品では、血液等の液
が排泄される場合には、疎水性を維持している樹脂成形
品である表面材2が液を表面層に保留することはなく、
さらに遮蔽効果のある酸化チタンなどを配合すれば、経
血の遮蔽効果もあり、使用後の視覚的な清潔感を与える
大きな効果がある。更に、界面活性剤と親水性高分子化
合物の被膜により、液が自由に移行できる液透過性を長
期にわたって維持し、一旦吸収された液が肌側に戻るお
それのない液戻り防止性が上記穴部の構成により付与さ
れる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の構成及び効果をより具体的に
するため、実施例等を挙げるが、本発明は該実施例に限
定されるものではない。
【0028】(実施例1〜6並びに比較例1〜5) (1)実施例に係る樹脂成形品及び比較例に係る樹脂成
形品の製造 10cm×10cmの低密度ポリエチレンフィルムに、〔表
1〕に記載した各親水性被膜形成剤(実施例及び比較
例)をワイヤーコーターで塗布(各々固形分で0.2g
/m2 となるよう調整)し、23℃/60%RHで24
Hr保存して得た。
【0029】〔親水性被膜層形成剤の調整〕 界面活性剤:AG10 ;デシルグルコシド(日本精化(株)製、HL
B16)AG12 ;ドデシルグルコシド(日本精化(株)製、H
LB9)SP−L10 ;ソルビタンモノラウレート(花王(株)
製、HLB8.6) 親水性高分子化合物:15cp ;メチルセルロース(和光純薬工業(株)製、
2%水溶液粘度15cp)#210 ;ポリビニルアルコール(クラレ(株)、鹸化
度88%、重合度1000) 界面活性剤及び親水性高分子化合物は各々2%水溶液と
し、両者の単独または混合して調製した。
【0030】
【表1】
【0031】(2)各実施例及び各比較例の評価 塗膜/被膜形成性 上記コーターで塗布直後の塗膜形成状態及び上記乾燥後
の被膜層形成状態を肉眼判定した。 ◎ 均一膜形成 ○ ややムラあるが連続膜形成 △ 穴のある連続膜形成 × 膜形成剤が点在 親水性の評価 上記試料を中心を起点に縦/横2cm間隔に9点の位置の
濡れ性をイオン交換水の接触角で測定した。 耐久性の評価 上記試料を23℃/60%RHの室内に保存、1ヶ月
後、3ヶ月後の試料を上記の親水性の評価法で濡れ性
を測定した。 耐水性の評価 上記試料を45度の斜面にセットし、5cc/secで1
5sec間散水した後、50℃で1Hr熱風乾燥し、2
3℃/60%RHで24Hr保存した試料を上記の親
水性の評価法で濡れ性を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明に用いられる樹脂成形品は、疎水
性樹脂の持つ優れた特性を損なうことなく、成形品とし
ての表面にのみ、その初期及び経時的においても親水性
を維持し優れていることから、本発明の吸収性物品は、
上記樹脂成形品を表面材として用いて、液透過性、液戻
り防止性、装着性等を十分に有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の表面材を具備した吸
収性物品の一部切欠して示す斜視図である。
【図2】図2Aは上記実施例の表面材の部分拡大斜視
図、図2Bは図2Aに示す表面材を表面側から視た部分
拡大斜視図、図2Cは図2Aに示す表面材の一穴部を示
す部分拡大斜視図である。
【図3】図3Aは本発明の表面材の製造方法に用いられ
るスパイラル編み金網(表面材成形用型)の一部を示す
拡大平面図、図3Bはその部分拡大斜視図である。
【図4】図4は本発明の吸収性物品の表面材の物性の一
測定側及び測定結果の概略を図示した説明図で、図4A
は該表面材をその上部から平板で押圧する際の要部を示
す縦断側面図、図6B〜図6Eは平板と該平板に押し付
けられた表面材の頂部との接触面の外周をそれぞれ示す
平面図であり、図4Bは無負荷時、図4Cは低負荷時、
図4Dは中負荷時、図4Eは高負荷時の上記接触面の外
周をそれぞれ示す。
【図5】図5A〜図5Dは、表面材に被膜を形成したと
きの一穴部を示す部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品 2 表面材 4 孔部 3 吸収体 5 頂部 6 開孔底部 7 筒状壁部 20被膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−71770(JP,A) 特開 昭53−14771(JP,A) 特開 昭63−309604(JP,A) 特開 平5−111509(JP,A) 特開 昭63−238861(JP,A) 特公 昭36−10989(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 13/00 - 13/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の穴部を有し、該穴部に液透過用の
    開口部を有するフィルムに、親水性且つ水不透過性被膜
    を形成してなる表面材と、液不透過性の裏面材と、それ
    らの間に設けられた吸収体とからなる吸収性物品であっ
    て、 該被膜はC 8 〜C 18 のアルキルグルコシド、脂肪酸C 8
    18 のソルビタンエステルから選択される非イオン 界面
    活性剤と親水性高分子化合物を含む混合物を塗布して形
    成されていることを特徴とする吸収性物品
  2. 【請求項2】 上記混合物は、界面活性剤と親水性高分
    子化合物の混合比が99.9/0.1〜20/80であ
    ることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品
  3. 【請求項3】 上記表面材は、裏側が空隙となっている
    凸状曲面からなる多数の頂部と、多数の開孔底部と、該
    頂部及び該開孔底部をそれぞれ連結する筒状壁部とを具
    備し、 上記各穴部は、隣り合う複数の上記頂部と、一個の上記
    開孔底部と、それらを連結する一個の筒状壁部とからそ
    れぞれ形成され、該開孔底部により液透過用の上記開孔
    部を構成している、連通孔構造からなることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 上記表面材の開孔底部及び/又は上記壁
    部に上記混合物の被膜が施されていることを特徴とする
    請求項記載の吸収性物品。
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