JP3406588B2 - バレル装置 - Google Patents

バレル装置

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JP3406588B2
JP3406588B2 JP2001262981A JP2001262981A JP3406588B2 JP 3406588 B2 JP3406588 B2 JP 3406588B2 JP 2001262981 A JP2001262981 A JP 2001262981A JP 2001262981 A JP2001262981 A JP 2001262981A JP 3406588 B2 JP3406588 B2 JP 3406588B2
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物にたとえ
ばめっきなどの所定の処理をするためのバレル装置に関
する。 【0002】 【従来の技術】図6は、実用新案登録第3036531
号公報に開示されるバレル装置1の一部を切り欠いて示
す正面図である。このバレル装置1は、めっき槽2に貯
留されるめっき液に浸漬される回転バレル3と、チュー
ビングポンプ4と、前記チュービングポンプ4に接続さ
れるチューブ5とを有する。チュービングポンプ4によ
って、チューブ5を介して回転バレル4内にめっき液を
連続的に供給することで、バレル4内のめっき液のイオ
ン濃度を安定させる。 【0003】図7は、特開平10−195698号公報
に開示されるバレルめっき装置10を示す断面図であ
る。このバレルめっき装置10は、めっき液を貯留する
めっき槽11に浸漬され、上方に開放して鉛直方向に対
して傾斜するバレル12と、めっき液をバレル12に注
入するめっき液供給手段13とを有する。めっき液供給
手段13によって、バレル12内にめっき液を注入する
ことで、めっき処理中にバレル12内のめっき液のメタ
ル濃度低下を防止する。 【0004】図8は、実開平5−10471号公報に開
示される回転バレル装置20を示す断面図である。回転
バレル装置20は、電解液が貯留されるメッキ電解槽2
1に浸漬されるバレル22と、バレル22内に設けら
れ、圧送ポンプ23に接続される噴出管24とを有す
る。圧送ポンプ23によって電解液が、噴出管24から
バレル22内に流入される。これによって電解液を連続
的に入れ換え、電解液面に浮上する工作物をジェット沈
下しながら、めっき処理を行う。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】図6および図8に示す
実用新案登録第3036531号公報および実開平5−
10471号公報に開示されるバレル装置などの浸漬形
水平バレル装置では、閉じられた収容空間を有するバレ
ル本体内に被処理物を収容し、バレル本体を部分的に処
理液に浸漬することで収容される被処理物を処理液に全
浸漬して、バレル本体内に設けられる陰電極を被処理物
に接触させながら、バレル本体を軸線まわりに回転させ
てめっき処理を行うので、電解に伴って被処理物から発
生する水素ガスがバレル内に溜まりやすい。 【0006】さらに半導体製品などの小形の被処理物を
扱う場合、バレル本体に形成される複数の透孔の内径の
寸法が非常に小さく、この孔に比較的粘性の高い処理液
が入り込んで、透孔から水素ガスがバレル本体外に放出
されにくい。半導体製品の小形化が進むにつれて、バレ
ル本体の透孔の内径の寸法をさらに小さくする必要があ
り、このような透孔を介してバレル本体内の水素ガスが
バレル本体外に放出されにくくなる。このように水素ガ
スが放出されずにバレル本体内に溜まり、陰電極と被処
理物との間に発生する火花が水素ガスに引火して爆発
し、被処理物およびバレル本体を破損する危険性が考え
られる。 【0007】バレル本体内に溜まる水素ガスをバレル本
体外に放出するために、たとえばバレル本体に形成され
る透孔の内径を大きくすることが考えられるが、被処理
物が極めて小さく、その内径が被処理物よりも大きい場
合には、めっき処理中に被処理物がその透孔を通り抜け
たり、透孔を塞いだりする可能性がある。 【0008】また図7に示す特開平10−195698
号公報に開示されるバレルめっき装置10などの浸漬形
傾斜バレル装置では、上方に開放するバレル12を用い
るので、電解に伴って発生する水素ガスがバレル12内
に溜まることを防止できるが、バレル12が鉛直方向に
傾斜して回転するので、バレル12に収容される被めっ
き物を攪拌する能力が、閉じた収容空間を有する浸漬形
水平バレル装置に比べて低く、めっき処理の効率が悪
い。 【0009】したがって本発明の目的は、閉じた収容空
間を有するバレル本体を備え、そのバレル本体の収容空
間に溜まるガスを外部に放出することができるバレル装
置を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、被処理物に所定の処理をするための処理液が貯留さ
れる貯留槽と、被処理物を収容する閉じた収容空間が形
成され、被処理物が通過不可能な複数の透孔によって収
容空間が外部と連通され、貯留槽に貯留される処理液に
部分的に浸漬されるバレル本体と、バレル本体の収容空
間における処理液の液面よりも上方の領域で、バレル本
体外の処理液を、バレル本体の収容空間に、間欠的に吐
出する吐出手段とを含むことを特徴とするバレル装置で
ある。 【0011】本発明に従えば、閉じた収容空間に被処理
物を収容した状態で、バレル本体を貯留槽に貯留される
処理液に部分的に浸漬し、被処理物を効率よく攪拌しな
がら、処理液によって処理することができる。このよう
に被処理物を処理するとき、バレル本体外の処理液が、
吐出手段によってバレル本体の収容空間に間欠的に吐出
される。気体と処理液とで比較した場合、気体は、処理
液に比べて、粘性が低く、バレル本体の各透孔を通過し
やすいので、処理液が吐出されていない状態から処理液
が収容空間に吐出されると、収容空間の気体の一部が、
各透孔を介してバレル本体外に排出される。 【0012】このようにバレル本体外の処理液が収容空
間に吐出されると、収容空間の処理液が占める容積が増
加して、収容空間における処理液の液面が上昇し、バレ
ル本体外の処理液の液面よりも高くなる。この状態から
処理液の吐出が停止されると、液面が高くなった収容空
間の処理液は、その液面をバレル本体外の処理液の液面
と同一高さになるように、重力によってバレル本体の透
孔を介してバレル本体外に排出されて下降する。このよ
うに収容空間の処理液が排出されると、収容空間に各透
孔を介してバレル本体外から空気が吸入される。 【0013】このようにバレル本体外の処理液をバレル
本体の収容空間に間欠的に吐出することによって、バレ
ル本体の処理液と気体とが占める容積比を周期的に変化
させ、収容空間における気体を入換えることができると
ともに、収容空間内の処理液を入換ることができる。こ
れによって収容空間内の処理液の処理能力低下を防止す
ると同時に、処理液による被処理物の処理によって発生
した気体によって、バレル本体の収容空間が満たされて
しまうことを防ぐことができる。したがってたとえば処
理によって水素などの可燃ガスが発生しても、その可燃
ガスが収容空間に高い濃度で貯留されてしまうことを防
止することができ、この可燃ガスが何らかの要因によっ
て引火して、バレル本体および被処理物を破損する不具
合を未然に回避することができる。 【0014】また収容空間の処理液および気体の入換え
を、たとえば処理液を吐出する手段と気体を収容空間に
送入する手段とを個別に用いることなく、処理液を間欠
的に吐出する吐出手段1つを用いることによって実現す
ることができ、バレル装置の構成を簡略化して大形化を
防止することができる。 【0015】 【0016】またバレル本体外の処理液は、吐出手段に
よって、バレル本体の収容空間における処理液の液面よ
りも上方の気体が占める上層領域に吐出される。バレル
本体外の処理液が前記上層領域に直接吐出されると、吐
出された処理液は、気体だけを直接押圧するので、処理
液が占める下層領域に吐出する場合に比べて、収容空間
の気体の一部を、前記透孔を介して、バレル本体外に確
実に排出することができる。さらにこのように収容空間
の気体を排出しやすくすることによって、気体を排出す
るために必要とされる処理液の吐出流量を小さくかつ吐
出圧力を低くすることが可能であり、吐出手段を、定格
出力の小さい、小形の吐出手段によって実現することが
でき、バレル装置の大形化防止に寄与することができ
る。 【0017】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
バレル装置30を示す断面図である。図2は、図1の切
断面線S2−S2から見た断面図である。バレル装置3
0は、たとえばICチップなどの半導体製品を含む小物
製品と呼ばれる被処理物を、大量に一度にめっき処理す
るバレル法において用いられる浸漬形水平バレル装置で
ある。 【0018】バレル装置30は、バレルユニット31お
よび貯留槽90を含んで構成される。貯留槽90は、上
方に開放し、略直方体形状の貯留空間91を有し、前記
貯留空間91に、複数の小形の被処理物92の表面をめ
っき処理するための処理液93が貯留される。貯留槽9
0の一側部の貯留槽90の外部であって開口部よりも下
方に、モータ88が設置される。バレルユニット31
は、バレル本体32、液吐出手段50、枠体70、電極
78および駆動伝達機構80を含んで構成される。 【0019】図3は、バレル本体32を示す正面図であ
り、図4は、バレル本体32を示す側面図である。バレ
ル本体32は、周胴部33、第1端板34、第2端板3
5を有する。周胴部33は、複数の透孔36を有する6
枚の矩形状で平板状の板材によって構成され、前記板材
が互いに連結して、バレル軸線L32に垂直な断面形状
が正6角形の筒状となる。周胴部33のバレル軸線L3
2方向一端には、略円盤状の第1端板34が、バレル軸
線L32方向他端には、略円盤状の第2端板35が、そ
れぞれ同軸にして連結される。 【0020】第1および第2端板34,35には、各端
板34,35の軸線と同軸にして貫通するバレル軸受部
34a,35aがそれぞれ設けられる。また第1端板3
4の外周部には、歯溝37が全周にわたって形成され
る。このようにしてバレル本体32には、バレル軸線L
32に垂直な断面が正6角形状であって、被処理物92
を収容する大略的には閉じた収容空間38が形成され、
収容空間38は複数の透孔36によってバレル本体32
の外部と連通される。透孔36の内径の寸法は、被処理
物92が通過不可能となるように設定される。また周胴
部33を構成する板材の少なくともいずれか1つには、
収容空間38に被処理物92を挿入および離脱するため
の開口を形成する開口形成部が設けられる。 【0021】枠体70は、第1支持板71、第2支持板
72、連結部材73、第1係止部材74および第2係止
部材75を含んで構成される。第1および第2支持板7
1,72は、平板状の部材であって、互いに平行に配置
される状態で、第1および第2支持板71,72のそれ
ぞれの一端部71a,72aにおいて、連結部材73を
介して連結される。連結部材73には、後述するポンプ
51を載置するポンプ載置台76が設けられる。第1お
よび第2支持板71,72のそれぞれの他端部71b,
72bには、バレル本体32のバレル軸受部34a,3
5aの内径と同じ寸法の挿通孔71c,72cがそれぞ
れ設けられる。 【0022】枠体70の第1および第2支持板71,7
2の一端側には、互いに離反して突出する第1係止部材
74および第2係止部材75が、同軸にしてそれぞれ設
けられる。第1係止部材74は略円筒形状であり、第2
係止部材75は略円柱形状であり、第1係止部材74の
外径と第2係止部材75の外径とは、等しい寸法であ
る。バレルユニット31は、第1および第2係止部材7
4,75が、バレルユニット31を搬送する搬送手段
(図示せず)によって係止されて支持される。また第1
支持板71には、第1係止部材74の内周面と連通する
内周面を有する軸受77が設けられる。 【0023】バレル本体32と枠体70とは、バレル本
体32の第1端板34のバレル軸受部34aおよび第1
支持板71の挿通孔71cが同軸に配置される状態で、
略円柱形状の第1支持軸39を挿通して、第1支持軸3
9を第1支持板71に固定する。さらにバレル本体32
の第2端板35のバレル軸受部35aおよび第2支持板
72の挿通孔72cが同軸に配置される状態で、略円柱
形状の第1支持軸39を挿通して、第1支持軸39を第
1支持板71に固定する。これによって、バレル本体3
2が枠体70、ならびに第1および第2支持軸39,4
0に対してバレル軸線L32回りに回転自在にして連結
される。 【0024】電極78は、直流電源(図示せず)に接続
されて、電子を供給する陰電極であり、バレル本体32
の外部から第1および第2支持軸39,40を介して、
バレル本体32の収容空間38に挿入され、バレル本体
32の収容空間38に収容される被処理物92に接する
ようにして設けられる。また直流電源に接続される陽電
極(図示せず)は、貯留槽90のバレル本体32外の処
理液93の液面94Aよりも下方に設けられる。 【0025】駆動伝達機構80は、第1歯車81、第2
歯車82、第3歯車83、第4歯車84および回転軸8
6を含んで構成される。第1〜第4歯車81〜84は、
平歯車である。第1歯車81は、貯留槽90の上方を除
く外部に設置されるモータ88に連結され、モータ88
によって第1軸線L81まわりに回転する。回転軸86
は、枠体70の第1係止部材74および第1支持板71
の軸受77に、回転軸線L86まわりに回転自在にして
挿通される。また回転軸86の他端部は、後述するポン
プ51に連結される。モータ88は、貯留槽90の外部
であって、貯留槽90の開口部よりも下方に配置され
る。 【0026】第2歯車82は、回転軸86の一端部に、
回転軸線L86と同軸にして連結され、モータ88に連
結される第1歯車81に噛合する。第3歯車83は、第
1支持板71の第2支持板72に対向する面に臨み、枠
体70の第1係止部材74および第1支持板71の軸受
77に挿通される状態の回転軸86に、回転軸線L86
と同軸にして連結される。第4歯車84は、第1支持板
71の第2支持板72に対向する面に臨み、第1支持板
71に対して、バレル軸線L32と第1軸線L81と回
転軸線L86とに平行な第2軸線L84まわりに回転自
在にして第1支持板71に連結される。第4歯車84
は、第2歯車82とバレル本体32の第1端板34の歯
溝37とに噛合する。 【0027】吐出手段である液吐出手段50は、ポンプ
51、吸込管60および吐出管61を含んで構成され
る。吸込管60の一端部は、バレル本体32が貯留槽9
0に貯留される処理液93に部分的に浸漬される状態に
おいて、バレル本体32外の処理液93の液面94Aよ
りも下方に開口する開口部60aを有し、吸込管60の
他端部はポンプ51に接続される。吐出管61は、第2
支持軸39に挿通され、吐出管61の一端部は、バレル
本体32が貯留槽90に貯留される処理液93に部分的
に浸漬される状態において、バレル本体32の収容空間
38における処理液93の液面94よりも上方の第1領
域95に、第1端板34に対向して開口する開口部61
aを有し、吐出管61の他端部はポンプ51に接続され
る。 【0028】図5は、ポンプ51を示す正面図である。
本実施の形態において、ポンプ51は、2つのベローズ
ポンプ52A,52Bを含んで構成される2連式ベロー
ズポンプである。一方のベローズポンプ52Aは、ベロ
ーズ53、ポンプヘッド54、シャフト55、カム56
およびフレーム57を含んで構成される。ベローズ53
は、一方向に伸縮自在な中空状の可撓性および弾発性を
有する容器である。 【0029】ポンプヘッド54は、吸込ポート58、吐
出ポート59および一対の逆止弁(図示せず)を含んで
構成される。吸込ポート58は、一方の逆止弁を介し
て、ベローズ53の内部と接続される。吐出ポート59
は、他方の逆止弁を介して、ベローズ53の内部と接続
される。また吸込ポート58は吸込管60に接続され、
吐出ポート59は吐出管61に接続される。 【0030】シャフト55は、回転軸86の他端部と同
軸にして連結され、回転軸線L86まわりに回転自在で
ある。カム56は、シャフト55に連結され、回転軸線
L86のまわりに回転自在であり、ベローズ53の一端
部と連結される。フレーム57は、ベローズ53、ポン
プヘッド54およびシャフト55を支持する。 【0031】他方のベローズポンプ52Bは、一方のベ
ローズポンプ52Aと同様の構成であるので、説明は省
略する。他方のベローズポンプ52Bのカム56は、シ
ャフト55を介して一方のベローズポンプ52Aのカム
56に連結され、回転軸線L86のまわりに回転自在で
ある。 【0032】モータ88を駆動すると、その回転力は第
1および第2歯車81,82を介して、回転軸86に伝
達される。回転軸86に伝達した回転力は、第3および
第4歯車83,84を介してバレル本体32に伝達する
とともに、ポンプ51のシャフト55に伝達する。 【0033】ポンプ51の一方のベローズポンプ52A
のベローズ53が収縮して処理液93の出入の無い第1
状態で、モータ88を駆動してシャフト55を回転させ
ると、ベローズ53がカム56によって伸長されるとと
もに、ベローズ53の内部の圧力が外部の圧力よりも低
下して、一方の逆止弁が開き、吸込管60、吸込ポート
58および一方の逆止弁を介して、バレル本体32外の
貯留槽90の処理液93が、ベローズ53内に流入す
る。 【0034】シャフト55が前記第1状態から180度
角変位すると、ベローズ53の伸長が停止して、ベロー
ズ53からの処理液93の出入の無い第2状態となる。
この第2状態でモータ88を駆動してシャフト55を回
転させると、ベローズ53がカム56によって収縮され
るとともに、ベローズ53の内部から処理液93が押出
され、これによって他方の逆止弁が開き、他方の逆止
弁、吐出ポート59および吐出管61を介して、バレル
本体32の収容空間38の液面94よりも上方の第1領
域95に吐出される。シャフト55が前記第2状態から
180度角変位すると、ベローズ53が収縮して処理液
93の出入の無い第1状態となる。 【0035】一方のベローズポンプ52Aが第1状態で
あるときには、他方のベローズポンプ52Bが第2状態
となり、一方のベローズポンプ52Aが第2状態である
ときには、他方のベローズポンプ52Bが第1状態とな
るように、シャフト55において各ベローズポンプ52
A,52Bの各カム56が配置される。このようにして
バレル本体32外の処理液93は、液吐出手段50によ
って、バレル本体32の収容空間38の第1領域95
に、間欠的に第1端板34に向かう略水平方向に吐出さ
れる。本実施の形態において、処理液93は、たとえば
ニッケルめっき液であり、このニッケルめっき液は約4
5℃で用いられ、この温度におけるニッケルめっき液の
粘性係数は1.5Pa・s以上2.0Pa・s以下であ
る。処理液93は、ポンプ51から2.5秒に1回で、
1回の吐出量は55ml以上70ml以下で、吐出流量
は25ミリリットル/秒以上35ミリリットル/秒以
下、吐出圧力は49kPa以上69kPa以下(0.5
kgf/cm2以上0.7kgf/cm2以下)で吐出さ
れることが望ましい。 【0036】バレルユニット31は、搬送手段によっ
て、被処理物92を収容空間38に収容しているバレル
本体32のバレル軸線L32が略水平にして、バレル本
体32が貯留槽90に貯留される処理液93に部分的に
浸漬されるように支持される。詳細には、バレル本体3
2が貯留槽90に貯留される処理液93に浸漬されたと
きに、処理液93がバレル本体32の透孔36を介して
収容空間38に流入し、収容空間38内の処理液93の
液面94よりも上方の第1領域95の容積が、収容空間
38全体の容積の3%以上5%以下程度となるように、
バレルユニット31は支持される。このとき第1歯車8
1と第2歯車82とは噛合する。 【0037】このようにバレルユニット31が支持され
る状態において、モータ88を回転駆動して、バレル本
体32およびポンプ51のシャフト55を回転させると
ともに、電極78および陽電極を直流電源に接続する。
バレル本体32の収容空間38に収容される被処理物9
2は、電極78に接触して電子が供給され、この電子が
被処理物92の表面に接触する処理液93に含まれる金
属イオンに与えられて、被処理物92の表面に金属が析
出して、被処理物92は、めっき処理が施される。この
とき処理液93に含まれる水素イオンが、電極78から
電子を受け取って、気体の水素分子、すなわち水素ガス
となって浮上し、バレル本体32の収容空間38の処理
液93の液面94よりも上方の第1領域95に溜まる。 【0038】バレル本体32を回転して、被処理物92
を攪拌しながらめっき処理を行う。このときバレル本体
32外の貯留槽90に貯留される処理液93は、液吐出
手段50によってバレル本体32の収容空間38の処理
液93の液面94よりも上方の第1領域95に間欠的に
吐出される。詳細に述べると、バレル本体32外の処理
液93が収容空間38の第1領域95に吐出されると、
この吐出された処理液93によって第1領域95の気体
が押圧される。気体は処理液93に比べて粘性が低く
(空気の粘性係数は約1.0×10-5Pa・s)、バレ
ル本体32の各透孔36を通過しやすいので、処理液9
3が吐出されていない状態から処理液93が収容空間3
8に吐出されると、収容空間38の気体の一部は、第1
領域95に臨む各透孔36を介してバレル本体32外に
排出される。 【0039】このようにバレル本体32外の処理液93
が収容空間38に吐出されると、収容空間38の処理液
93の占める容積が増加して、収容空間38内の処理液
93の液面94が上昇して、バレル本体32外の液面9
4Aよりも高くなる。収容空間38に吐出された処理液
93は、収容空間38の処理液93の液面94を含む第
2領域96の上部かつ中央部に留まる。 【0040】この状態から処理液93の吐出が停止され
ると、液面94が上昇した処理液93のうち、収容空間
38の第2領域96に臨むバレル本体32の周胴部33
近傍に存在し、被処理物92に接する処理液93が、そ
の液面94をバレル本体32外の液面94Aと同じ高さ
になるように、重力によってバレル本体32の透孔36
を介してバレル本体32外に排出されて、収容空間38
の処理液93は下降する。このように収容空間38の処
理液93が排出されると、収容空間38に各透孔36を
介してバレル本体32外から気体が吸入される。 【0041】収容空間38の処理液93の液面94がバ
レル本体32外の処理液93の液面94Aと同じ高さに
なると、バレル本体32外の貯留槽90に貯留される処
理液93は、液吐出手段50によって、バレル本体32
の収容空間38の第1領域95に吐出される。 【0042】このようにバレル本体32外の処理液93
をバレル本体32の収容空間38に間欠的に吐出するこ
とによって、バレル本体32の収容空間38における水
素ガスを含む気体と収容空間38における処理液93と
が占める容積比を、周期的に変化させて、収容空間38
における気体を入換えるとともに、収容空間38におけ
る処理液93を入換える。 【0043】このように、処理液93を吐出することに
よって上昇したバレル本体32の収容空間38における
処理液93の液面94が降下して、バレル本体32外の
処理液93の液面94Aと同じ高さになる毎に、液吐出
手段50が、バレル本体32の収容空間38へ処理液9
3を吐出するように、処理液93を吐出する間隔を設定
する。これによって、収容空間38における処理液93
の占める容積の変化が最も大きくなり、第1領域95に
おける気体をバレル本体32外へ効率的に放出すること
ができる。 【0044】このように本実施の形態のバレル装置30
によれば、閉じた収容空間38に被処理物92を収容し
た状態で、バレル本体32を貯留槽90に貯留される処
理液93に部分的に浸漬し、被処理物92を効率よく攪
拌しながら、処理液93によって処理することができ
る。またバレル本体32外の処理液93をバレル本体3
2の収容空間38に間欠的に吐出することによって、バ
レル本体32の処理液93と気体とが占める容積比を周
期的に変化させ、収容空間38における気体を入換える
ことができるとともに、収容空間38内の処理液93を
入換ることができる。これによって収容空間38内の処
理液93の処理能力低下を防止すると同時に、処理液9
3による被処理物92のめっき処理によって発生した水
素ガスによって、バレル本体32の収容空間38が満た
されてしまうことを防ぐことができる。したがって、め
っき処理によって水素ガスのような可燃ガスが発生して
も、その水素ガスが収容空間38において高い濃度で貯
留されてしまうことを防止することができ、この水素ガ
スが、たとえば電極78と被処理物92との間に発生す
る火花によって引火して、バレル本体32および被処理
物92を破損する不具合を未然に回避することができ
る。 【0045】また収容空間38の処理液93および気体
の入換えを、たとえば処理液93を吐出する手段と気体
を収容空間38に送入する手段とを個別に用いることな
く、処理液93を間欠的に吐出する液吐出手段50だけ
を用いることによって実現することができ、バレル装置
30の構成を簡略化して大形化を防止することができ
る。 【0046】また本実施の形態のバレル装置30によれ
ば、バレル本体32外の処理液93は、液吐出手段50
によって、バレル本体32の収容空間38における処理
液93の液面94よりも上方の気体が占める第1領域9
5に吐出される。バレル本体32外の処理液93が第1
領域95に直接吐出されると、吐出された処理液93
は、気体だけを直接押圧するので、処理液93が占める
第2領域96に吐出する場合に比べて、収容空間38の
気体の一部を、透孔36を介して、バレル本体32外に
確実に排出することができる。さらにこのように収容空
間38の気体を排出しやすくすることによって、気体を
排出するために必要とされる処理液93の吐出流量を小
さくかつ吐出圧力を低くすることが可能であり、液吐出
手段50を、定格出力の小さい、小形の液吐出手段50
によって実現することができ、バレル装置30の大形化
防止に寄与することができる。 【0047】また本実施の形態のバレル装置30によれ
ば、開口部61aは、バレル本体32の収容空間38に
おける処理液93の液面94よりも上方の第1領域95
に、第1端板34に対向して開口して、開口部61aか
ら吐出した処理液93は、バレル本体32の収容空間3
8の第1領域95に、第1端板34に向かう略水平方向
に吐出されるので、吐出された処理液93が、第1領域
95に臨むバレル本体32の周胴部33に直接に散布さ
れて、その処理液93が第1領域95に臨むバレル本体
32の透孔36を塞いで、気体が通過するのを妨げるこ
とを防ぐことができる。 【0048】また本実施の形態のバレル装置30によれ
ば、収容空間38に吐出された処理液93は、収容空間
38の処理液93の液面94を含む第2領域96の上部
かつ中央部に留まり、バレル本体32外の処理液93が
吐出されることによって液面94が上昇した収容空間3
8の処理液93のうち、収容空間38の第2領域96に
臨むバレル本体32の周胴部33近傍に存在し、被処理
物92に接する処理液93が、バレル本体32の透孔3
6を介してバレル本体32外に排出される。これによっ
て、吐出された処理液93がめっき処理に貢献すること
なく収容空間38から排出されることを防ぐとともに、
被処理物92へのめっき処理によって金属イオンの濃度
が低下して、処理能力の低下した処理液93を確実に収
容空間38から排出することができる。これによって収
容空間38の処理液93の処理能力低下を、確実に防止
することができる。 【0049】また本実施の形態のバレル装置30によれ
ば、モータ88は、貯留槽90の外部であって、貯留槽
90の開口部よりも下方に配置されるので、めっき処理
中に処理液93の蒸気に曝されることがなく、腐食して
損傷する恐れがない。また本実施の形態のバレル装置3
0によれば、1つのモータ88によって、バレル本体3
2を回転するとともにポンプ51を駆動するので、バレ
ル装置30の構成を簡単にして、バレル装置30の大形
化防止に寄与することができる。 【0050】本実施の形態のバレル装置30において、
バレル本体32を略水平なバレル軸線L32まわりに回
転してめっき処理を行うとしたが、バレル本体32をバ
レル軸線L32に平行な軸線まわりに揺動して、めっき
処理を行うようにしてもよい。 【0051】本実施の形態のバレル装置30において、
バレル本体32は、バレル本体32には、バレル軸線L
32に垂直な断面が正6角形状であって、被処理物92
を収容する大略的には閉じた収容空間38が形成される
としたが、収容空間38は、バレル軸線L32に垂直な
断面が正8角形などの多角形状でも円でもよい。 【0052】また本実施の形態のバレル装置30におい
て、吐出管61の開口部61aは、バレル本体32が貯
留槽90に貯留される処理液93に部分的に浸漬される
状態において、バレル本体32の収容空間38における
処理液93の液面94よりも上方の第1領域95に、第
1端板34に対向して開口するように配置され、バレル
本体32外の処理液93は、第1領域95に吐出される
としたが、吐出管61の開口部61aは、収容空間38
における処理液93の液面94よりも下方の第2領域9
6に開口し、バレル本体32外の処理液93は、第2領
域96に吐出されるようにしてもよい。 【0053】また本実施の形態のバレル装置30におい
て、ポンプ51は、2つのベローズポンプ52A,52
Bを含んで構成される2連式ベローズポンプであるとし
たが、ベローズポンプに限らず、間欠的に処理液93を
吐出できるポンプであればよい。 【0054】 【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、閉じた
収容空間に被処理物を収容した状態で、バレル本体を貯
留槽に貯留される処理液に部分的に浸漬し、被処理物を
効率よく攪拌しながら、処理液によって処理することが
できる。またバレル本体外の処理液をバレル本体の収容
空間に間欠的に吐出することによって、バレル本体の処
理液と気体とが占める容積比を周期的に変化させ、収容
空間における気体を入換えることができるとともに、収
容空間内の処理液を入換ることができる。これによって
収容空間内の処理液の処理能力低下を防止すると同時
に、処理液による被処理物の処理によって発生した気体
によって、バレル本体の収容空間が満たされてしまうこ
とを防ぐことができる。したがってたとえば処理によっ
て水素などの可燃ガスが発生しても、その可燃ガスが収
容空間に高い濃度で貯留されてしまうことを防止するこ
とができ、この可燃ガスが何らかの要因によって引火し
て、バレル本体および被処理物を破損する不具合を未然
に回避することができる。 【0055】また収容空間の処理液および気体の入換え
を、たとえば処理液を吐出する手段と気体を収容空間に
送入する手段とを個別に用いることなく、処理液を間欠
的に吐出する吐出手段1つを用いることによって実現す
ることができ、バレル装置の構成を簡略化して大形化を
防止することができる。 【0056】またバレル本体外の処理液は、吐出手段に
よって、バレル本体の収容空間における処理液の液面よ
りも上方の気体が占める上層領域に吐出される。バレル
本体外の処理液が前記上層領域に直接吐出されると、吐
出された処理液は、気体だけを直接押圧するので、処理
液が占める下層領域に吐出する場合に比べて、収容空間
の気体の一部を、前記透孔を介して、バレル本体外に確
実に排出することができる。さらにこのように収容空間
の気体を排出しやすくすることによって、気体を排出す
るために必要とされる処理液の吐出流量を小さくかつ吐
出圧力を低くすることが可能であり、吐出手段を、定格
出力の小さい、小形の吐出手段によって実現することが
でき、バレル装置の大形化防止に寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態のバレル装置30を示す
断面図である。 【図2】図1の切断面線S2−S2から見た断面図であ
る。 【図3】バレル本体32を示す正面図である。 【図4】バレル本体32を示す側面図である。 【図5】ポンプ51を示す正面図である。 【図6】実登3036531号公報に開示されるバレル
装置1の一部を切り欠いて示す正面図である。 【図7】特開平10−195698号公報に開示される
バレルめっき装置10を示す断面図である。 【図8】実開平5−10471号公報に開示される回転
バレル20を示す断面図である。 【符号の説明】 30 バレル装置 32 バレル本体 36 透孔 38 収容空間 50 液吐出手段 51 ポンプ 52A,52B ベローズポンプ 61 吐出管 90 貯留槽 92 被処理物 93 処理液 94 液面 95 第1領域

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被処理物に所定の処理をするための処理
    液が貯留される貯留槽と、 被処理物を収容する閉じた収容空間が形成され、被処理
    物が通過不可能な複数の透孔によって収容空間が外部と
    連通され、貯留槽に貯留される処理液に部分的に浸漬さ
    れるバレル本体と、 バレル本体の収容空間における処理液の液面よりも上方
    の領域で、バレル本体外の処理液を、バレル本体の収容
    空間に、間欠的に吐出する吐出手段とを含むことを特徴
    とするバレル装置。
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