JP3406101B2 - ディスクプレーヤのモード切換装置 - Google Patents

ディスクプレーヤのモード切換装置

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JP3406101B2
JP3406101B2 JP33817094A JP33817094A JP3406101B2 JP 3406101 B2 JP3406101 B2 JP 3406101B2 JP 33817094 A JP33817094 A JP 33817094A JP 33817094 A JP33817094 A JP 33817094A JP 3406101 B2 JP3406101 B2 JP 3406101B2
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  • Feeding And Guiding Record Carriers (AREA)
  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用コンパクトディ
スク(CD)プレーヤや家庭用のCDプレーヤ、あるい
は車載用または家庭用のミニディスク(MD)プレーヤ
などにおいて、ディスクの導入に伴ってこのディスクの
クランプ動作と非クランプ動作の切換えを行うディスク
プレーヤのモード切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクプレーヤでは、コンパクトディ
スク(CD)などの露出されて導入されるディスクの中
心部をクランプし、またはミニディスク(MD)などの
カートリッジに収納された状態で導入されたディスクの
中心部をクランプする動作が必要であり、このクランプ
動作はモータの動力により行われるのが通常である。
【0003】図10と図11は、この種の従来のディス
クプレーヤの一例として、車載用CDプレーヤの概略構
造を示す側面図である。このCDプレーヤでは、筐体1
の前面に設けられたノーズ部にスリット状の挿入口2が
開口しており、ディスクDはこの挿入口2から筐体1内
に挿入される。挿入口2の内側には、送りローラ4と、
この送りローラ4を支持するローラ支持部材3が設けら
れ、送りローラ4の上方にはガイド部材5が設けられて
いる。挿入口2から挿入されたディスクDは、送りロー
ラ4とガイド部材5とで挟持され、送りローラ4の回転
力により筐体1内に送り込まれる。
【0004】筐体1内には、ダンパーなどにより弾性浮
上支持された機構シャーシ6が設けられ、この機構シャ
ーシ6には、スピンドルモータ7と、このスピンドルモ
ータ7により回転駆動されるターンテーブル8および光
ヘッドなどが搭載されている。機構シャーシ6上には、
支持軸9を介してクランプアーム10が回動自在に支持
され、クランプアーム10の先端には、ディスクDをタ
ーンテーブル8に設置してクランプするクランパ11が
回転自在に支持されている。
【0005】上記クランプアーム10をクランプまたは
非クランプ方向へ駆動するものとして、筐体1には軸1
2を支点として回動する回動レバー13が設けられ、こ
の回動レバー13はスプリング14により反時計方向へ
付勢されている。この回動レバー13に設けられたピン
15は、クランパ10の基部に形成されたカム穴10a
内に挿入されている。
【0006】上記回動レバー13を動作させるものとし
て、(イ)−(ロ)方向へ移動する切換部材16が設け
られている。図10に示すように、切換部材16が
(イ)方向へ駆動されると、この切換部材16に押され
て回動レバー13が時計方向へ回動し、クランプアーム
10が反時計方向へ回動させられ、クランパ11がター
ンテーブル8から離れた非クランプ状態となる。切換部
材16が(ロ)方向へ駆動されると、回動レバー13が
スプリング14の付勢力により反時計方向へ回動し、図
11に示すように、クランプアーム10が時計方向へ回
動して、ターンテーブル8上に導かれたディスクDの中
心部がクランパ11によりクランプされる。
【0007】また、上記切換部材16の(ロ)方向への
移動に伴って、図11に示すようにローラ支持部材3が
反時計方向へ駆動されて、送りローラ4が図示下方へ退
避する。また図10に示す状態では、ダンパーなどに支
持されている機構シャーシ6が筐体1に対してロック状
態であり、切換部材16が(ロ)方向へ駆動され、ディ
スクDがクランプされると、前記ロックが解除され、機
構シャーシ6は、筐体1に対してダンパーなどで弾性浮
上状態に支持される。
【0008】上記のようにこの種のディスクプレーヤで
は、モータにより切換部材16が(イ)−(ロ)方向へ
駆動され、この切換部材16の移動に伴って、クランプ
と非クランプの切換え、および送りローラ4の退避、さ
らには機構シャーシ6のロックおよびロック解除動作が
行われる。よって、ディスクDの導入および排出にタイ
ミングを合せて切換部材16を移動させることが必要に
なる。
【0009】従来は、図10に示すように、クランパ1
1がターンテーブル8から離れている待機状態におい
て、挿入口2からのディスクDの挿入が検知されると、
ソレノイドが動作してモータから切換部材16への動力
伝達経路が接続され、切換部材16が(ロ)方向へ駆動
され、図11に示すようなディスクDのクランプ完了状
態になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のソレノイドを使
用して、モータの動力を切換部材16に伝達する構造で
は、ディスクDの挿入検知出力とソレノイドの励磁など
のタイミングを制御することにより正確なモード切換え
動作を行うことが可能である。ただし、ソレノイドを使
用したモード切換装置では、ソレノイドを設ける分だけ
部品数が増加してコスト高になるのみならず、ソレノイ
ドの電磁石を駆動するために消費電力が多くなる欠点が
ある。
【0011】また、上記ソレノイドを使用しない方式と
しては、切換部材16にラックを設け、ディスクDが送
り込まれる力を利用して切換部材16を強制的に移動さ
せ、モータにて駆動されている駆動歯車にラックを噛み
込ませ、その後は駆動歯車の回転動力により切換部材1
6を駆動する構造が考えられる。ただしこの場合には、
切換部材16の移動距離の制御のためにモータの駆動時
間を制御しなくてはならなくなり、回路構成が複雑にな
る。
【0012】また、例えばディスクDのクランプが完了
した時点で、モータを停止させたときに、駆動歯車と前
記ラックとが噛合い続けていると、回路上の誤動作など
によりモータが所定のタイミングで停止せずに暴走した
場合に、機構がロック状態となって故障の原因になり、
さらにモータに過大電流が流れて回路故障の原因にな
る。
【0013】本発明は上記従来の課題を解決するするも
のであり、ソレノイドなどの電気的なトリガー手段を設
けることなく、ディスクの導入にタイミングを合せて切
換部材を駆動し、ディスククランプ動作などを行えるよ
うにしたディスクプレーヤのモード切換装置を提供する
ことを目的としている。
【0014】また、本発明は、モータの動力を切換部材
に伝達しているときは、モータの正転時と逆転時の双方
において、切換部材への動力の伝達を継続できるように
し、またディスクの設置を完了したときには、モータか
ら切換部材への動力伝達経路を遮断して、モータの暴走
などに備えることができるようにすることを目的として
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によるディスクプ
レーヤのモード切換装置は、ディスクを回転駆動部に設
置するクランプ機構と、往復移動の一方向への移動力に
より前記クランプ機構をクランプ状態に動作させる切換
部材と、モータからの動力により正逆両方向に回転する
駆動歯車と、前記駆動歯車の回転力を往復移動力に変換
して前記切換部材に伝達する動力伝達機構と、前記動力
伝達機構での前記駆動歯車から前記切換部材への動力の
伝達を断続する断続機構とを有し、ディスクが前記回転
駆動部に設置可能な位置へ移動したときにこのディスク
によって押されて動作する検知レバーが設けられてお
り、前記検知レバーがディスクに押されて移動したとき
にこの検知レバーにより前記断続機構が動作させられて
前記駆動歯車から前記切換部材へ動力が伝達される状態
に設定され、前記切換部材の移動力により前記クランプ
機構が前記クランプ状態とされることを特徴とするもの
である。
【0016】上記において、動力伝達機構は、駆動歯車
の回転力を切換部材に設けられたラックに伝達する歯車
と、前記歯車の噛合いを断続する伝達部材とを有する構
造とし、断続機構は、検知レバーがディスクに押された
ときに移動する断続部材と、この断続部材に形成された
もので前記伝達部材を歯車の噛合い方向へ案内する案内
部とを有する構造とすることが可能である。
【0017】また、上記案内部には、検知レバーがディ
スクにより押された直後に駆動歯車から切換部材への動
力の伝達状態を保持する保持案内部と、ディスクの回転
駆動部への設置が完了したときに、駆動歯車から切換部
材への動力を断つ解除案内部とを有するものとすること
が好ましい。
【0018】また、動力伝達機構に設けられた歯車を、
駆動歯車に常に噛合う遊星歯車とし、伝達部材は、前記
歯車を遊星移動させてラックとの噛合い方向へ移動させ
るものとすることができる。
【0019】
【作用】上記手段では、クランプ機構が非クランプ状態
でディスクが挿入され、このディスクが搬送機構により
送り込まれ、例えばディスクが搬送の最終位置へ移動す
ると、ディスクにより検知アームが押される。検知アー
ムが押されると、断続機構が動作して、駆動歯車から切
換部材への動力伝達経路が接続される。その後はモータ
の動力により切換部材が移動し、前記クランプ機構がク
ランプ動作し、ディスクが回転駆動部に設置されてクラ
ンプされる。またはこのクランプの後に、切換部材の移
動力に伴って、ディスク回転駆動部を有する機構シャー
シのロックが解除されて弾性浮上する状態になり、さら
には前記搬送機構を構成する送りローラがディスクから
離れた位置に退避する。
【0020】上記クランプ機構は、CDプレーヤなどの
場合には、クランパとこのクランパを支持するクランプ
アームとから構成され、クランパと回転駆動部(ターン
テーブル)とでディスクが挟持されてクランプされる。
またMDプレーヤなどの場合でのクランプ機構は、回転
駆動部(クランプテーブル)をカートリッジ内に入り込
ませる機構となり、ディスクの中心部はクランプアーム
に磁気吸着されてクランプされる。
【0021】上記動力伝達機構は、例えば駆動歯車の回
転力を切換部材に設けられたラックに伝達する歯車と、
前記歯車の噛合いを断続する伝達部材とを有する構造と
なる。駆動歯車からラックまでの伝達経路にあるいずれ
かの歯車を噛合わせあるいは噛合いを外すことにより、
切換部材へ動力が伝達され、または遮断される。また前
記歯車を駆動歯車に常に噛合う遊星歯車とし、伝達部材
はこの遊星歯車を支持し且つ駆動歯車と同軸にて回動す
る伝達レバーとすることが可能である。また、断続機構
は、検知レバーがディスクに押されたときに回動しまた
はスライドして移動する断続部材と、この断続部材に形
成されたもので前記伝達部材を歯車の噛合い方向へ案内
する案内部とにより構成される。
【0022】上記案内部は例えば案内溝であり、伝達部
材(伝達レバー)に設けられた突起が案内溝に案内さ
れ、断続部材の移動動作に連動して、前記歯車の噛合い
およびその解除が行われる構造にできる。また上記案内
部に保持案内部を設けると、この保持案内部により伝達
部材を保持しているときには駆動歯車から切換部材に動
力が伝達され続ける。よって駆動歯車を逆転させること
が可能であり、モータの逆転によりディスクを排出しま
たは再導入させるなどの動作も可能になる。また案内部
に解除案内部を設けることにより、ディスクが回転駆動
部に設置されたときに駆動歯車から切換部材への動力が
断たれる。よってディスクが回転駆動部に設置された後
のモータの暴走によって、機構がロック状態になった
り、あるいは回路上の故障が生じるおそれもない。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。以下の実施例は車載用CDプレーヤを示すもので
あり、図1はCDプレーヤの分解斜視図、図2は図1の
II矢視方向の側面図、図3は検知レバーの動作を示す
図1のIII矢視平面図、図4は動力伝達機構および断
続機構の構造を示す側面図、図5(A)(B)(C)
(D)は動力伝達機構と断続機構の動作を示す側面図、
図6と図7はクランプ機構のクランプ動作と非クランプ
動作を示す側面図、図8と図9は、機構シャーシのロッ
ク動作およびロック解除動作を示す側面図である。
【0024】図1に示す符号20は筐体である。この筐
体20は板金により折曲げ形成されたものであり、図1
には筐体20の底板21と側板22が図示されている。
筐体20の図示右側には合成樹脂材料により形成された
ノーズ部が固定されており、このノーズ部にディスクD
の挿入口(導入部)23がスリット状に開口している
(図6参照)。
【0025】筐体20の内部には、機構シャーシ24が
設けられている。機構シャーシ24は板金材料により折
曲げ形成されたものであり、この機構シャーシ24の複
数箇所がダンパー25により底板21上に支持されてい
る。ダンパー25は可撓性の袋体内にシリコンオイルな
どが封入されたものであり、機構シャーシ24がロック
されていない状態では、筐体20の底板21上にて、機
構シャーシ24は、ダンパー25により弾性浮上状態に
支持される。
【0026】機構シャーシ24の上面には回転駆動部
(ターンテーブル)26が回転自在に支持されており、
機構シャーシ24の底部には、回転駆動部26を回転駆
動するスピンドルモータ27が搭載されている。また機
構シャーシ24には光ヘッドおよびこの光ヘッドを移動
させるための機構などが搭載されている。
【0027】機構シャーシ24の側部には、折曲げられ
た側片24bと24cが設けられている。一方の側片2
4bには、垂直な向きで側方へ突出するロック加圧片2
4dが折曲げ形成されている。また側片24bと24c
双方には、(イ)方向へ切り込まれたロック溝24eと
24fが形成されている。
【0028】機構シャーシ24の後端両側部には支持片
24aが折曲げ形成されて、この支持片24aに支持軸
28が設けられている。機構シャーシ24の上にはクラ
ンプアーム31が設けられており、このクランプアーム
31の左右両側部の折曲片31aに支持穴31bが穿設
されている。この支持穴31bが前記支持軸28に支持
され、クランプアーム31は機構シャーシ24に対して
回動自在となっている。クランプアーム31の先部には
クランパ32が回転自在に支持されている。前記クラン
プアーム31はスプリング33により図6などにおいて
時計方向へ付勢され、クランパ32は常に回転駆動部2
6に圧接する方向へ付勢されている。この実施例では、
クランプアーム31とクランパ32とで、ディスクDを
回転駆動部26に設置するためにクランプ機構30が構
成されている。
【0029】図6に示すように、筐体20の前記挿入口
23の内側には、搬送機構を構成するガイド部材34と
送りローラ35とが設けられている。ガイド部材34は
合成樹脂などの摩擦係数の小さい材料により形成された
ものであり、このガイド部材34は筐体20の側板22
などに固定されている。送りローラ35は合成ゴムなど
の摩擦係数の大きい材料により形成されており、この送
りローラ35はローラ軸36に固定されている。
【0030】ローラ支持部材37は、板金材料により折
曲げ形成されたものであり、その両側には支持片37a
が折曲げ形成されている。前記ローラ軸36は、この支
持片37aに回動自在に支持されている。また図1に示
されているローラ軸36の一端にはローラ歯車38が固
定されている。支持片37aのアーム上端には支持穴3
7bが穿設され、筐体20の側板22に設けられた支持
軸22aに前記支持穴37bが挿通され、ローラ支持部
材37は支持軸22aに対して回動自在に支持されてい
る。図6に示すように、上記ローラ支持部材37は、ス
プリング39により付勢されており、この付勢力により
送りローラ35がガイド部材34に圧接されるものとな
っている。
【0031】筐体20の底板21上で且つ側板22の内
側には切換部材40が設けられている。この切換部材4
0は、筐体20の底板21または側板22に設けられた
ガイド機構により(イ)−(ロ)方向へ摺動自在に支持
されている。図6に示すように、ディスクDの導入を待
機しているときには切換部材40が(イ)方向へ移動し
ており、図7に示すようにディスクDが機構シャーシ2
4の回転駆動部26上に設置されたときには、切換部材
40が(ロ)方向へ移動している。
【0032】上記切換部材40の往復移動動作により、
前記クランプ機構30が制御され、またローラ支持部材
37の位置が制御され、さらに機構シャーシ24のロッ
クおよびロック解除が行われる。上記クランプ機構30
の制御および機構シャーシ24のロック制御のために、
制御カム50が用いられている。この制御カム50は中
心穴51を支点として回動する。筐体20の底部にはブ
ラケットが切り起こし成形されて、このブラケットに支
持軸が設けられ、前記中心穴51はこの支持軸に回転自
在に支持されている。制御カム50の回転中心となる中
心穴51の位置は図6ないし図9に示される。
【0033】制御カム50には、ピン52aと52bが
一体に突出形成されている。このピン52aと52bは
前記中心穴51を中心とする円弧軌跡上に並んでいる。
一方、前記切換部材40の筐体20の内方に向く部分に
は、一対の駆動溝41aと41bが凹形成されている。
図6に示すように、切換部材40が(イ)方向へ移動し
ているときには、ピン52aが駆動溝41a内に嵌合さ
れており、制御カム50は時計方向へ回動した状態であ
る。図6の位置から切換部材40が(ロ)方向へ移動す
ると、まず駆動溝41aからピン52aに作用する移動
力により、制御カム50が反時計方向へ回動させられ
る。切換部材40が所定距離移動すると、ピン52aが
駆動溝41aから抜け出ると同時にピン52bが駆動溝
41b内に嵌合し、今度は駆動溝41bからピン52b
に作用する移動力により制御カム50が反時計方向へ回
動し続ける。図7に示すように、切換部材40が(ロ)
方向への最終位置へ移動するまでの間、制御カム50は
反時計方向へほぼ150〜160度程度の角度だけ回動
する。
【0034】制御カム50には、クランプ駆動部53が
設けられている。このクランプ駆動部53は制御カム5
0の半径方向へカム形状にて突出形成されたものであ
る。前記クランプ機構30を構成するクランプアーム3
1の折曲片31aの先端には当接片31cが設けられて
おり、スプリング33の力により前記当接片31cは制
御カム50の前記クランプ駆動部53に圧接されてい
る。したがって、図6に示すように、制御カム50が時
計方向へ最も回動した状態では、クランプ駆動部53に
より当接片31cが押し上げられ、クランプアーム31
は反時計方向へ回動させられ、クランパ32が回転駆動
部26から離れて、ディスクDが非クランプ状態とな
る。図6の状態から制御カム50が反時計方向へわずか
に回動すると、クランプ駆動部53は当接片31cから
外れ、クランプアーム31はスプリング33の付勢力に
より時計方向へ回動させられ、クランパ32によりディ
スクDが回転駆動部26上に設置される。
【0035】筐体20の底板21上で、側板22から離
れた位置にはロック部材60が設けられている。ロック
部材60は、底板21上にて(イ)−(ロ)方向へ摺動
自在に支持されている。ロック部材60の底部には嵌合
溝61が形成され、またロック部材60の側板22に対
向する面には、前記嵌合溝61と連続する円弧面62が
形成されている。図8に示すようにロック部材60が
(イ)方向へ最も移動したときに、前記円弧面62は、
制御カム50の中心穴51(制御カム50の回転中心)
に対して一定の半径の円弧軌跡面となる。また、ロック
部材60の前記嵌合溝61と並ぶ位置にはストッパ溝6
3が形成されている。
【0036】また、ロック部材60の機構シャーシ24
に向く面には、くさび状の一対のロック突起64aと6
4bが形成されている。前記制御カム50のロック部材
60に向く面には、駆動突起54とストッパ突起55が
一体に突出形成されている。また、制御カム50の外周
には、ロック部56が形成されている。このロック部5
6は、中心穴51から一定半径の円弧面状のカム面であ
る。
【0037】図8に示すように、制御カム50が時計方
向へ最も回動しているときには、制御カム50に設けら
れた駆動突起54が、ロック部材60に形成された嵌合
溝61から離れて円弧面62に当たっており、またスト
ッパ突起55が、ロック部材60のストッパ溝63に嵌
合している。そして、ロック部材60は(イ)方向へ駆
動された位置にあり、ロック突起64aと64bが機構
シャーシ24のロック溝24eと24fに嵌合し、さら
に制御カム50に設けられたロック部56が機構シャー
シ24のロック加圧片24dを加圧し、これにより機構
シャーシ24が筐体20内でロックされている。
【0038】図8の状態から制御カム50が反時計方向
へ回動すると、まず、ストッパ突起55がストッパ溝6
3から外れる。次に駆動突起54が円弧面62を摺動す
るが、このときロック部材60は動かない。制御カム5
0が反時計方向へ回動して、ロック部56がロック加圧
片24dから外れるのとほぼ同時に、駆動突起54が嵌
合溝61に嵌合し、その後の制御カム50の反時計方向
への回動力が駆動突起54から嵌合溝61に伝達され、
ロック部材60が(ロ)方向へ移動する。そして、ロッ
ク突起64aと64bがロック溝24e,24fから離
れて、機構シャーシ24のロックが解除される。なお、
駆動突起54の回転力が嵌合溝61に確実に伝達される
ように、図8と図9においてロック部材60をスプリン
グにより(イ)方向へ付勢しておいてもよい。
【0039】切換部材40の図示右端部にはローラ制御
溝42が形成されており、前記ローラ支持部材37の支
持片37aの内側に固定された拘束軸43が前記ローラ
制御溝42に嵌合できるようになっている。図6に示す
ように、切換部材40が(イ)方向へ移動していると、
拘束軸43がローラ制御溝42からの拘束を断たれ、送
りローラ35はスプリング39の力によりガイド部材3
4に圧接され、送りローラ35とガイド部材34とでデ
ィスクDを挟み、ディスクDに送り力を与えることがで
きるようになる。図7に示すように、切換部材40が
(ロ)方向へ移動すると、拘束軸43がローラ制御溝4
2内に保持され、ローラ支持部材37が反時計方向へ回
動させられ、送りローラ35がガイド部材34から離れ
た位置へ退避させられる。
【0040】次に、上記切換部材40を(イ)−(ロ)
方向へ駆動制御する駆動歯車71、動力伝達機構80お
よび断続機構90の構造を説明する。筐体20の側板2
2の内側には大径歯車70が設けられている。大径歯車
70の中心穴70aは、側板22の内側に固定された歯
車軸22bに対して回動自在に支持されている。また大
径歯車70にはピッチ径が小径の駆動歯車71が一体に
設けられている。
【0041】図2に示すように、筐体20の底板21上
にはモータ72が固定されている。このモータ72の出
力軸にはウオーム歯車73が固定されている。このウオ
ーム歯車73の回転力は、伝達軸74に固定された歯車
に伝達され、伝達軸74が回転駆動される。伝達軸74
にはピニオン歯車75が固定され、このピニオン歯車7
5が大径歯車70と噛合っており、モータ72の動力に
より、大径歯車70と駆動歯車71とが減速されて正逆
両方向へ駆動される。また、前記ローラ軸36に固定さ
れたローラ歯車38は、少なくとも図6に示す状態のと
きに前記大径歯車70と噛合う。図6の状態のときに
は、モータ72の動力が大径歯車70を介してローラ歯
車38に伝達され、送りローラ35が正逆両方向へ駆動
される。
【0042】大径歯車70には動力伝達機構80が組み
合わされている。この動力伝達機構80は、伝達部材
(伝達レバー)81と遊星歯車82とから構成されてい
る。動力伝達部材81は薄い板材料により形成され、支
点穴81aが前記歯車軸22bに揺動自在に支持されて
いる。すなわち伝達部材81は大径歯車70および駆動
歯車71と同軸に揺動できるように設けられている。伝
達部材81の一端には加圧片81bが一体に形成され
て、この加圧片81bが大径歯車70の表面に弾圧され
ており、これにより伝達部材81と大径歯車70および
駆動歯車71との間には、互いに回動摩擦力が作用して
いる。あるいは、伝達部材81が剛性を有する板材によ
り形成され、大径歯車70が板ばねなどにより装置内方
から伝達部材81側に弾圧され、この板ばねなどの弾性
力により、大径歯車70および駆動歯車71との間に回
動摩擦力が作用する構造でもよい。
【0043】遊星歯車82は、軸83により前記伝達部
材81に回動自在に支持されている。また遊星歯車82
は前記駆動歯車71と常に噛合っている。上記伝達部材
81には折曲げられた一対のストッパ片81c,81c
が設けられ、このストッパ片81c,81cが、筐体2
0の側板22に穿設されたストッパ穴22c内に入り込
んでいる。ストッパ片81c,81cが、ストッパ穴2
2cの両端部に当たる範囲にて、伝達部材81の揺動範
囲が規制されている。
【0044】一方、前記切換部材40にはラック45が
形成されており、図5(A)から(C)までに図示する
動作範囲では、遊星歯車82がラック45に噛合い、駆
動歯車71の回転動力が遊星歯車82を介して切換部材
40に伝達される。上記遊星歯車82とラック45との
間の動力の断続は、断続機構90を構成する断続部材9
1により制御される。断続部材91の下端に穿設された
支持穴91aは、筐体20の側板22に固定された支持
軸22dに挿通され、断続部材91は支持軸22dに回
動自在(揺動自在)に支持されている。
【0045】断続部材91には案内部としての案内溝9
2が形成されており、前記伝達部材81に固定された案
内ピン84が前記案内溝92内に挿入されている。図4
に示すように、案内溝92は、ロック部92aと、揺動
案内部92bと、保持案内部92cとが連続して形成さ
れており、保持案内部92cから先は溝が開放された解
除案内部92dとなっている。
【0046】上記断続部材91の姿勢は、検知レバー9
3と前記切換部材40の双方により制御される。検知レ
バー93の基部の上下端には支持軸93a,93aが一
体に形成される。この支持軸93a,93aが筐体20
の底板21、および底板21上に所定距離を開けて設け
られたブラケット(図示せず)に支持され、検知レバー
93は水平方向へ回動自在に支持されている。検知レバ
ー93の先端には検知部93bが一体に形成されてい
る。図3に示すように、検知レバー93は、機構シャー
シ24とクランプアーム31との間のディスク搬入経路
内に延びており、ディスクDが最終位置のわずか手前の
位置まで搬送されたときに、ディスクDが検知部93b
に当たるようになっている。
【0047】検知レバー93の基部には連結ピン93c
が一体に形成されて、この連結ピン93cが、断続部材
91に形成された長穴91bに挿入されている。この連
結により、検知レバー93が(ハ)方向へ回動すると
(図3参照)、断続部材91が(二)方向へ回動させら
れる(図2参照)。また図3に示すように、検知レバー
93はスプリング94により常に(ホ)方向へ付勢され
ており、その結果断続部材91も(へ)方向へ付勢され
ている。
【0048】断続部材91には制御ピン95が一体に設
けられ、この制御ピン95は、前記切換部材40の図示
左端部分に形成された制御溝44内に挿入されている。
図4に示すように、制御溝44は、ほぼ垂直に延びる自
由部44aと、ほぼ水平に延びる拘束部44bと、この
拘束部44bよりもさらに図示上側にてほぼ水平に延び
る解除部44cとが連続形成されたものである。
【0049】次に上記車載用CDプレーヤの一連の動作
について説明する。図4と図6と図8は、ディスクDの
挿入を待つ待機状態である。この待機状態では、切換部
材40が(イ)方向へ移動しており、図6に示すよう
に、切換部材40に形成された駆動溝41a内に、制御
カム50のピン52aが嵌合して制御カム50は時計方
向へ回動している。よって、制御カム50のクランプ駆
動部53により、当接片31cが持ち上げられ、クラン
プアーム31が反時計方向へ回動し、クランパ32は回
転駆動部26から離れている。
【0050】また制御カム50が時計方向へ回動してい
るため、図8に示すように制御カム50の駆動突起54
がロック部材60の円弧面62に位置し、ロック部材6
0が(イ)方向へ移動させられている。よって、ロック
部材60に設けられたロック突起64aと64bが、機
構シャーシ24のロック溝24e,24fに嵌合してい
る。また制御カム50に形成されたロック部56が、機
構シャーシ24のロック加圧片24dに加圧され、機構
シャーシ24が筐体20に対してロックされている。
【0051】上記ロック部56がロック加圧片24dに
加圧され、且つ駆動突起54が円弧面62に当たってい
ることにより、制御カム50とロック部材60と機構シ
ャーシ24とが全て動くことのないロック状態になって
いる。また制御カム50が時計方向へ回動したロック状
態であるため、切換部材40も(イ)方向へ移動した状
態に保持されている。切換部材40が(イ)方向へ移動
していると、図6に示すように、ローラ支持部材37に
設けられた拘束軸43はローラ制御溝42から抜け出て
おり、送りローラ35はスプリング39の付勢力により
ガイド部材34に圧接されている。
【0052】また、図3にて実線で示すように、検知レ
バー93はスプリング94の付勢力により(ホ)方向へ
回動して(i)の位置にあり、よって断続部材91は
(へ)方向へ回動している。このとき、図4に示すよう
に、断続部材91に設けられた制御ピン95は切換部材
40の制御溝44の自由部44a内に位置している。ま
た、伝達部材81に設けられた案内ピン84は、断続部
材91に形成された案内溝92のロック部92a内に位
置している。よって伝達部材81は反時計方向へ揺動し
ており、遊星歯車82はラック45から離れている。
【0053】図4は、動力伝達機構80において、駆動
歯車71からラック45すなわち切換部材40への動力
が断たれた状態である。上記の待機状態にて、挿入口2
3からディスクDが挿入され、この挿入が図示しない検
知機構により検知されると、図2に示すモータ72が始
動し、大径歯車70および駆動歯車71が時計方向へ回
転駆動される。図6に示すように、大径歯車70の回転
力はローラ歯車38に伝達され、送りローラ35が反時
計方向へ駆動される。ディスクDの先部はガイド部材3
4と送りローラ35とで挟持され、送りローラ35の回
転力により、ディスクDは機構シャーシ24の上面に向
けて搬送される。ただし、図4に示すように、動力伝達
機構80では、駆動歯車71の回転力がラック45に伝
達されないため、この時点では切換部材40は動かな
い。
【0054】搬送機構により搬送されるディスクDがそ
の搬送経路のほぼ終端近くまで移動すると、図3にて
(i)に示す位置にある検知レバー93の検知部93b
にディスクDの外周部が当たり、検知レバー93が押さ
れる。ディスクDの押し力により検知レバー93が
(ハ)方向へ回動し、検知レバー93に連結されている
断続部材91が支持軸22dを支点として(二)方向へ
回動させられる。すなわち、図4に示す状態では、断続
部材91に設けられた制御ピン95が、切換部材40の
制御溝44の自由部44a内に位置しているため、断続
部材91が(二)方向へ回動することが可能となってい
る。
【0055】断続部材91が(二)方向へ回動すると、
図5(A)に示すように、伝達部材81に設けられた案
内ピン84が、断続部材91の案内溝92のロック部9
2aから外れ、案内ピン84が揺動案内部92b内に至
る。案内ピン84が揺動案内部92b内に至ったとき
に、伝達部材81が揺動可能になる。このとき大径歯車
70と駆動歯車71は時計方向へ駆動され続けているた
め、大径歯車70と伝達部材81との間の摩擦力によ
り、伝達部材81が時計方向へ回動させられる。そして
図5(A)に示すように、遊星歯車82がラック45に
噛合う。遊星歯車82がラック45と噛合うと、動力伝
達機構80では、駆動歯車71の回転力が遊星歯車82
を介してラック45に伝達され切換部材40が(ロ)方
向へ駆動され始める。
【0056】切換部材40が(ロ)方向へ駆動された直
後に、図5(B)に示すように、断続部材91に設けら
れた制御ピン95が、切換部材40の制御溝44の拘束
部44bに入る。よってその後に、切換部材40が図5
(B)の位置から同図(C)の位置に移動する間、断続
部材91の姿勢は固定されたままである。断続部材91
が固定されたこの期間では、伝達部材81に設けられた
案内ピン84が、断続部材91の案内溝92の保持案内
部92c内に位置している。よって案内ピン84は保持
案内部92cに保持されたままとなり、伝達部材81が
揺動できず、遊星歯車82はラック45に噛合ったまま
保持される。
【0057】したがって、図5(B)から同図(C)に
示す区間では、大径歯車70および駆動歯車71が反時
計方向へ回動しても、伝達部材81が反時計方向へ揺動
することがなく、駆動歯車71の正逆両方向の回転力が
常にラック45に伝達される。よって、上記と逆方向の
一連の動作によりディスクDが排出されるときには、駆
動歯車71の反時計方向へ回動力が、遊星歯車82を介
して切換部材40に伝達され、切換部材40が(イ)方
向へ駆動されることになる。またディスクDを送り込ん
でいるときに、例えばディスクDに負荷がかかり、ディ
スクDを一旦挿入口23の方向へ送り帰し、再度ディス
クDを機構シャーシ24上に送り込む必要が生じた場
合、駆動歯車71の正逆両方向の回動力が常に切換部材
40に伝達され、切換部材40がディスクDの送り方向
に追従して(イ)−(ロ)方向へ移動することになる。
【0058】説明を基に戻すと、切換部材40が(ロ)
方向へ移動して図5(B)に示す位置から同図(C)に
示す位置へ移動する間、まず切換部材40に形成された
ローラ制御溝42により、ローラ支持部材37に設けら
れた拘束軸43が拘束され、図7に示すようにローラ支
持部材37が反時計方向へ回動し、既に機構シャーシ2
4上の最終端位置へ送り込まれたディスクDから送りロ
ーラ35が離れ、搬送機構からディスクDへの送り力が
断たれる。
【0059】また切換部材40が(ロ)方向へ移動する
とき、図6から図7に示すように、制御カム50のピン
52aと52bが切換部材40の駆動溝41aと41b
に順番に嵌合し、制御カム50が反時計方向へ回動させ
られる。この回動動作の初期において、制御カム50に
形成されたクランプ駆動部53が、当接片31cから離
れ、スプリング33の弾性力により直ちにクランプアー
ム31が時計方向へ回動し、ディスクDの中心部がクラ
ンパ32により回転駆動部26上に押し付けられ、ディ
スクDがクランプされる。このディスクDのクランプ動
作と、送りローラ35が下降する退避動作はほぼ同時か
あるいは、送りローラ35の下降退避動作の方がわずか
に早く設定されている。
【0060】図8に示すように、制御カム50が反時計
方向へ回動し始める初期の状態では、制御カム50に設
けられた駆動突起54が、ロック部材60の円弧面62
に沿って移動するため、ロック部材60に移動力が作用
しない。すなわち、前述のディスクDのクランプ動作が
行われているとき、ロック部材60は移動しない。そし
てディスククランプ動作が完了し、駆動突起54が円弧
面62内を移動し終わって嵌合溝61に嵌合した時点
で、ロック部材60に(ロ)方向への移動力が作用し、
ほぼ同時に制御カム50に形成されたロック部56が機
構シャーシ24のロック加圧片24dから外れる。
【0061】さらに駆動突起54の反時計方向への回動
力が嵌合溝61を介してロック部材60に作用し、ロッ
ク部材60が(ロ)方向へ駆動される。そのため、ロッ
ク部材60に形成されたロック突起64aと64bが機
構シャーシ24のロック溝24eと24fとから外れ
る。よって、機構シャーシ24はダンパー25により弾
性的に浮上支持されることになる。機構シャーシ24が
弾性浮上支持されるため、ディスクDがディスク駆動部
材により駆動される間、車体振動がディスク再生動作に
悪影響を与えなくなる。
【0062】なお、切換部材40が(ロ)方向の終端に
至ると、図5(D)に示すように、断続部材91の制御
ピン95が、切換部材40の制御溝44の解除部44c
内に移行し、断続部材91は図5(C)の状態からさら
に(二)方向へ回動させられる。よって、伝達部材81
に設けられた案内ピン84が、断続部材91の案内溝9
2の保持案内部92cから抜け出て解除案内部92dに
移行する。解除案内部92dでは、伝達部材81の時計
方向への回動規制が解除される。この時点では大径歯車
70と駆動歯車71が時計方向へ回動しているため、摩
擦を有している伝達部材81は時計方向へ回動し、遊星
歯車82がラック45から離れ、切換部材40に対する
(ロ)方向への移動力の伝達が断たれる。
【0063】また、断続部材91が図5(D)に示す位
置まで回動すると、検知レバー93は図3にて(ii)
で示す位置まで回動し、回転駆動部26により回転駆動
されるディスクDから検知部93bが大きく離れる。す
なわち、図5(D)の状態では、ディスク装填の全ての
動作が完了し、切換部材40への動力の伝達が断たれ、
且つ検知レバー93がディスクDから離れることにな
る。
【0064】また、図5(D)の状態に至ったときに
は、遊星歯車82がラック45から離れ、駆動歯車71
の回転力がどこにも伝達されない状態となり、また伝達
部材81の時計方向への揺動は、側板22に形成された
ストッパ穴22cにより規制されている。そのため、モ
ータ72の停止タイミングの精度は必要とされず、例え
ば切換部材40が(ロ)方向への終端に位置したことを
検知し、あるいは送りローラ35が退避位置に下降した
ことを検知した後に所定時間を計測し、モータ72を停
止させればよい。また回路上の誤動作によりモータ72
が暴走しても、切換部材40などに動力が伝達されず、
機構ロックやモータへ過大電流が流れるなどの不都合は
生じない。
【0065】ディスクDの排出動作は、上記と逆であ
り、図5(D)の状態で、モータ72を始動し、大径歯
車70と駆動歯車71を反時計方向へ回動させると、伝
達部材81が反時計方向へ揺動して、遊星歯車82がラ
ック45に噛合い、切換部材40が(イ)方向へ駆動さ
れる。図5(C)から同図(B)に向かう過程で、機構
シャーシ24がロックされ、その後にディスクDのクラ
ンプが解除され、また送りローラ35が図6に示す位置
へ上昇する。そして、大径歯車70からローラ歯車38
に動力が伝達され、送りローラ35が時計方向へ駆動さ
れて、ディスクDが挿入口23から排出される。さら
に、切換部材40が図4に示す位置へ移動すると、遊星
歯車82がラック45から離れ、切換部材40への動力
の伝達が断たれる。
【0066】なお、上記実施例では、断続部材91が支
持軸22dを支点として回動するものであるが、この断
続部材91が検知レバー93の回動に同期して水平に移
動するものであってもよい。また、動力伝達機構80で
は、駆動歯車71からラックまでに複数の歯車が設けら
れ、このいずれかの歯車が、伝達部材81により移動さ
せられるものであってもよい。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ディスク
が導入されたことを検知レバーにより検知し、この検知
タイミングに合せて、駆動歯車の回転力を切換部材に対
して機械的に伝達させる構造であるため、常にディスク
の移送状態に時期を合せて切換部材を駆動し、ディスク
のクランプ動作を行うことができる。
【0068】また断続機構に設けられた断続部材に、伝
達部材を移動させる案内部を設けると、駆動歯車から切
換部材への動力の伝達と遮断を常に適正な時期に設定で
きる。また案内部に保持案内部を設けることにより、切
換部材が移動しているときは、駆動歯車の回転方向がど
ちらであっても切換部材に動力を伝達し続けることがで
き、ディスクの導入方向への移送と排出方向への移送の
際に切換部材を常に駆動できるものとなる。また前記案
内部に解除案内部を設け、ディスクが完全に設置された
ときに、駆動歯車から切換部材への動力を断つようにす
れば、モータの停止時間の制御をラフにでき、またモー
タが暴走しても、機構や回路の故障を生じさせない。
【0069】すなわち、本発明では、ソレノイドなどの
電気的なトリガー手段を設けなくても、例えば遊星歯車
を使用することにより、切換部材の動作タイミングを常
に適正に設定し、ディスクのクランプ動作、さらには機
構シャーシのロック動作や、送りローラの退避動作を確
実に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として車載用CDプレーヤの
構造を部分的に示す分解斜視図、
【図2】図1に示すII矢視方向の部分側面図、
【図3】検知レバーとディスクとの関係を示すものであ
り、図1のIII矢視の部分平面図、
【図4】駆動歯車と、動力伝達機構と、断続機構の構造
を示す側面図、
【図5】(A)(B)(C)(D)は、ディスクが挿入
されて送り込まれるときの切換部材への動力伝達動作を
順に示す図4と同様の側面図、
【図6】ディスクのクランプ解除状態を示す側面図、
【図7】ディスクがクランプされた状態を示す側面図、
【図8】機構シャーシがロックされた状態を示す側面
図、
【図9】機構シャーシのロックが解除された状態を示す
側面図、
【図10】従来の車載用CDプレーヤにおいて、ディス
クのクランプが解除された状態を示す側面図、
【図11】図10の従来例においてディスクがクランプ
された状態を示す側面図、
【符号の説明】 20 筐体 21 底板 22 側板 24 機構シャーシ、 24d ロック加圧片 24e,24f ロック溝 25 ダンパー 26 回転駆動部 31 クランプアーム 32 クランパ 35 送りローラ 37 ローラ支持部材 38 ローラ歯車 40 切換部材 42 ローラ制御溝 44 制御溝 45 ラック 50 制御カム 53 クランプ駆動部 54 駆動突起 56 ロック部 60 ロック部材 61 嵌合溝 62 円弧面 64a,64b ロック突起 70 大径歯車 71 駆動歯車 72 モータ 80 動力伝達機構 81 伝達部材 82 遊星歯車 84 案内ピン 90 断続機構 91 断続部材 92 案内溝 92a ロック部 92b 揺動案内部 92c 保持案内部 92d 解除案内部 93 検知レバー D ディスク

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクを回転駆動部に設置するクラン
    プ機構と、往復移動の一方向への移動力により前記クラ
    ンプ機構をクランプ状態に動作させる切換部材と、モー
    タからの動力により正逆両方向に回転する駆動歯車と、
    前記駆動歯車の回転力を往復移動力に変換して前記切換
    部材に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構での
    前記駆動歯車から前記切換部材への動力の伝達を断続す
    る断続機構とを有し、 ディスクが前記回転駆動部に設置可能な位置へ移動した
    ときにこのディスクによって押されて動作する 検知レバ
    ーが設けられており、前記検知レバーがディスクに押さ
    れて移動したときにこの検知レバーにより前記断続機構
    が動作させられて前記駆動歯車から前記切換部材へ動力
    伝達される状態に設定され、前記切換部材の移動力に
    より前記クランプ機構が前記クランプ状態とされること
    を特徴とするディスクプレーヤのモード切換装置。
  2. 【請求項2】 動力伝達機構は、駆動歯車の回転力を切
    換部材に設けられたラックに伝達する歯車と、前記歯車
    の噛合いを断続する伝達部材とを有し、断続機構は、検
    知レバーがディスクに押されたときに移動する断続部材
    と、この断続部材に形成されたもので前記伝達部材を歯
    車の噛合い方向へ案内する案内部とを有している請求項
    1記載のディスクプレーヤのモード切換装置。
  3. 【請求項3】 案内部には、検知レバーがディスクによ
    り押された直後に駆動歯車から切換部材への動力の伝達
    状態を保持する保持案内部と、ディスクの回転駆動部へ
    の設置が完了したときに、駆動歯車から切換部材への動
    力を断つ解除案内部とを有している請求項2記載のディ
    スクプレーヤのモード切換装置。
  4. 【請求項4】 動力伝達機構に設けられた歯車は、駆動
    歯車と常に噛合う遊星歯車で、伝達部材は、前記歯車を
    遊星移動させてラックとの噛合い方向へ移動させるもの
    である請求項2または3記載のディスクプレーヤのモー
    ド切換装置。
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