JP3403549B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP3403549B2
JP3403549B2 JP15538995A JP15538995A JP3403549B2 JP 3403549 B2 JP3403549 B2 JP 3403549B2 JP 15538995 A JP15538995 A JP 15538995A JP 15538995 A JP15538995 A JP 15538995A JP 3403549 B2 JP3403549 B2 JP 3403549B2
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潤一 田川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレコンファレンスシ
ステム等におけるエコー打ち消しの信号処理時の演算量
削減を行うことのできるエコーキャンセラに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】テレコンファレンスシステムにおいて、
エコーの打ち消しを行うためにエコーキャンセラが設け
られたものがある。その1つの方法として入力信号を複
数のサブバンドに分割し、夫々のサブバンドに含まれる
エコー成分を、各サブバンドエコーキャンセラにより抑
圧するものがある。例えば1990年電子情報通信学会の秋
季全国大会講演論文集の1-255 頁から1-256 頁にその一
例が報告されている。
【0003】上述したサブバンド構成の従来のエコーキ
ャンセラについて図面を参照しつつ説明する。図6は従
来例のサブバンド構成のエコーキャンセラの全体構成を
示すブロック図である。本図において、受信入力信号3
1は遠隔地点に設置されたマイクロホンで収音され、伝
送経路を介して受信した信号である。受信出力信号32
は当地点に設置されたスピーカ35に入力される信号で
ある。送信入力信号33は当地点に設置されたマイクロ
ホン36で収音された信号である。送信出力信号34は
遠隔地点のスピーカに対して送信される信号であり、伝
送経路を介して遠方の音響空間に放射される。
【0004】マイクロホン36には当地点で発生した近
端騒音信号322が混入するものとする。第1のフィル
タバンク分析手段37は、受信入力信号31が入力さ
れ、第1のサブバンド受信入力信号38〜第Nのサブバ
ンド受信入力信号310のN個のサブバンド受信入力信
号に分割する手段である。第2のフィルタバンク分析手
段311は、送信入力信号33を第1のサブバンド送信
入力信号312〜第Nのサブバンド送信入力信号314
のN個のサブバンド送信入力信号に分割する手段であ
る。
【0005】第1のサブバンドエコーキャンセラ315
は第1のサブバンド受信入力信号38と第1のサブバン
ド送信入力信号312とが入力されると、第1のサブバ
ンド送信入力信号312に含まれるエコー成分を除去
し、第1のサブバンド送信出力信号318を出力するも
のである。同様に第2のサブバンドエコーキャンセラ3
16は第2のサブバンド受信入力信号39と第2のサブ
バンド送信入力信号313とが入力されると、第2のサ
ブバンド送信入力信号313に含まれるエコー成分を除
去し、第2のサブバンド送信出力信号319を出力する
ものである。
【0006】同じく、第Nのサブバンドエコーキャンセ
ラ317は第Nのサブバンド受信入力信号310と第N
のサブバンド送信入力信号314とが入力されると、サ
ブバンド送信入力信号314に含まれるエコー成分を除
去し、第Nのサブバンド送信出力信号320を出力する
ものである。フィルタバンク合成手段321は第1のサ
ブバンド送信出力信号318〜第Nのサブバンド送信出
力信号320が入力されると、これらの信号を合成して
送信出力信号34を出力する手段である。
【0007】図7はサブバンドエコーキャンセラ315
〜317の具体的な構成を示すブロック図である。本図
において、サブバンド受信入力信号41は図6の第1の
フィルタバンク分析手段37の出力する各バンドの信号
である。サブバンド送信入力信号42は第2のフィルタ
バンク分析手段311の出力する各バンドの信号であ
る。適応フィルタ43は当地点のスピーカ35からマイ
クロホン36に至る音響経路の当該サブバンド帯域のイ
ンパルス応答を適応的に推定し、サブバンド受信入力信
号41に対して推定したインパルス応答を畳み込むこと
により、エコーレプリカ44を生成するものである。減
算手段45はサブバンド送信入力信号42からエコーレ
プリカ44を減算し、サブバンド送信出力信号46を出
力するものである。
【0008】以上のように構成された従来のエコーキャ
ンセラの動作について説明する。具体例として、フィル
タバンク分析手段37、311及びフィルタバンク合成
手段321にDFTフィルタバンクを利用した回路で説
明する。DFTフィルタバンクの構成については、例え
ば、Ronald E. Crochiere, Lawrece R. Rabiner : Mult
irate Digital Signal Processing : Prentice-Hall, p
p.289-400 に記載されている。ここで、サンプリング周
波数を16kHz とし、フィルタバンクの分割バンド数を3
2とする(N=32)。
【0009】図6において第1のフィルタバンク分析手
段37は受信入力信号31を第1〜第32のサブバンド
信号に分割する。第2のフィルタバンク分析手段311
も送信入力信号33を第1〜第32のサブバンド信号に
分割する。第1のサブバンドとは0Hz〜250Hz、
第2のサブバンドは250Hz〜750Hz、これ以上
の各サブバンドは帯域幅500Hzに分割する。
【0010】第1のサブバンドエコーキャンセラ315
は、0Hz〜250Hzの帯域の送信入力信号に含まれ
るエコー成分を除去するように動作する。このとき図7
に示すサブバンドエコーキャンセラの適応フィルタ43
は、第1の音響空間におけるスピーカ35からマイクロ
ホン36に至る音響エコー経路のうち、0〜250Hz
の帯域でのインパルス応答を適応的に推定すべくフィル
タ係数の更新を行う。適応フィルタの係数更新には、複
素学習同定法(CNLMS法)を利用する。
【0011】時刻をm、サブバンドの番号をk、適応フ
ィルタのタップ番号をjで表し、サブバンド受信入力信
号をXk(m)、適応フィルタ係数をHjk(m) 、サブバンド
送信出力信号をEk(m)、ステップゲインをγとする。C
NLMS法による適応フィルタ係数の更新は(1)式に
より行う。
【数1】 Xk(m)、Hjk(m) 、Ek(m)はそれぞれ複素数である。
【0012】他のバンドについても同様に、各サブバン
ドエコーキャンセラはサブバンド送信入力信号に含まれ
るエコー成分を除去するように動作する。エコー成分が
除去された各サブバンド送信出力信号はフィルタバンク
合成手段321により合成され、もとの広帯域信号に復
元される。こうして送信出力信号34が第2の音響空間
に出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受信入
力信号31が音声信号の場合、各サブバンド受信入力信
号38〜310のパワーが夫々異なる。このためパワー
の小さいサブバンドでは、送信入力信号に含まれるエコ
ー信号に対して、近端騒音信号が占める割合が大きくな
る。この場合適応フィルタ係数の更新を行っても、イン
パルス応答が正しく推定されず、フィルタ収束速度及び
エコー打ち消し量の低下を引き起こすという問題があっ
た。
【0014】一方、適応フィルタの係数更新にかかる演
算量は各サブバンドとも同じであり、またサブバンドエ
コーキャンセラ全体の演算において大きな割合を占めて
いる。このためパワーの小さいサブバンドにおいては、
適応フィルタの係数更新演算がフィルタの収束及びエコ
ー打ち消しに貢献しないことになる。
【0015】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、適応フィルタの収束やエコー打
ち消しへの寄与が少ないサブバンドの適応フィルタ係数
の更新を停止することにより、エコー打ち消し量及び収
束速度の低下を抑えることができ、且つ信号処理の演算
量を削減することのできるエコーキャンセラを実現する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、マイクロホンとスピーカが設けられた第1の音響空
間と、第1の音響空間と隔たった所に位置し、マイクロ
ホンとスピーカとが設けられた第2の音響空間との間
で、送信信号及び受信信号を用いて音声情報を授受する
テレコンファレンスシステムに用いられるエコーキャン
セラであって、第2の音響空間に位置するマイクロホン
から出力される受信入力信号をN個のサブバンド受信入
力信号に分割する第1のフィルタバンク分析手段と、第
1の音響空間に位置するマイクロホンから入力される送
信入力信号をN個のサブバンド送信入力信号に分割する
第2のフィルタバンク分析手段と、前記N個のサブバン
ド受信入力信号の短時間パワー信号を算出する第1〜第
Nの短時間パワー算出手段と、前記第1〜第Nの短時間
パワー算出手段の出力信号に、あらかじめ定めた重み係
数を夫々掛け合わせる第1〜第Nの重み係数乗算手段
と、前記第1〜第Nの重み係数乗算手段の各出力信号の
大小を比較する短時間パワー比較手段と、前記短時間パ
ワー比較手段の比較結果に基づいて、前記重み係数乗算
手段の出力信号が大きい順にK個のサブバンドについて
は更新を継続し、残りの(N−K)個のサブバンドにつ
いては更新を一時停止するフィルタ更新制御信号を出力
するフィルタ係数更新制御手段と、前記サブバンド受信
入力信号と前記サブバンド送信入力信号と前記フィルタ
更新制御信号とを入力し、前記フィルタ更新制御信号が
更新継続を示すときは、第1の音響空間に位置するスピ
ーカを介してマイクロホンに入力されるときのサブバン
ド帯域のインパルス応答を適応的に推定して適応フィル
タの係数を更新することにより、前記サブバンド受信入
力信号からエコーレプリカを生成し、前記フィルタ更新
制御信号が更新一時停止を示すときは、適応フィルタの
係数を更新せずにエコーレプリカを生成し、前記サブバ
ンド送信入力信号から前記エコーレプリカを減算してエ
コー信号を除去する第1〜第Nのサブバンドエコーキャ
ンセラと、前記第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセ
ラの出力信号を合成し、合成結果を送信出力信号として
前記第2の音響空間のスピーカに送出するフィルタバン
ク合成手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0017】本願の請求項4の発明は、マイクロホンと
スピーカが設けられた第1の音響空間と、第1の音響空
間と隔たった所に位置し、マイクロホンとスピーカとが
設けられた第2の音響空間との間で、送信信号及び受信
信号を用いて音声情報を授受するテレコンファレンスシ
ステムに用いられるエコーキャンセラであって、第2の
音響空間に位置するマイクロホンから出力される受信入
力信号をN個のサブバンド受信入力信号に分割する第1
のフィルタバンク分析手段と、第1の音響空間に位置す
るマイクロホンから入力される送信入力信号をN個のサ
ブバンド送信入力信号に分割する第2のフィルタバンク
分析手段と、前記N個のサブバンド受信入力信号の短時
間パワー信号を算出する第1〜第Nの短時間パワー算出
手段と、前記第1〜第Nの短時間パワー算出手段の出力
信号に、あらかじめ定めた重み係数を夫々掛け合わせる
第1〜第Nの重み係数乗算手段と、前記第1〜第Nの重
み係数乗算手段の各出力信号の大小を比較する短時間パ
ワー比較手段と、前記短時間パワー比較手段の比較結果
に基づいて前記重み係数乗算手段の出力信号が大きい順
にK個のサブバンドについては処理を継続し、残り(N
−K)個のサブバンドについては処理を停止するエコー
キャンセラ制御信号を出力するサブバンドエコーキャン
セラ制御手段と、前記サブバンド受信入力信号と前記サ
ブバンド送信入力信号と前記エコーキャンセラ制御信号
とを入力し、前記エコーキャンセラ制御信号が処理継続
を示すときは、第1の音響空間に位置するスピーカを介
してマイクロホンに入力されるときのサブバンド帯域の
インパルス応答を適応的に推定して適応フィルタの係数
を更新することにより、前記サブバンド受信入力信号か
らエコーレプリカを生成すると共に、前記サブバンド送
信入力信号から前記エコーレプリカを減算して出力し、
前記エコーキャンセラ制御信号が処理停止を示すとき
は、前記適応フィルタの係数を更新せず前記サブバンド
受信入力信号を出力する第1〜第Nのサブバンドエコー
キャンセラと、前記短時間パワー比較手段の出力信号に
基づいて前記重み係数乗算手段の出力信号が大きいもの
から順にK個のサブバンドについては動作を停止し、残
り(N−K)個のサブバンドについては処理を示す制御
信号を出力する非線形変換制御手段と、前記サブバンド
エコー キャンセラの信号と前記非線形変換制御手段の制
御信号とを入力し、前記制御 信号が停止を示す場合は前
記サブバンドエコーキャンセラの信号を出力し、前記制
御信号が処理を示す場合は前記サブバンドエコーキャン
セラの信号の絶対値が規定値以下のとき0を出力し、規
定値を越えるとき前記サブバンドエコーキャンセラの信
号をそのまま出力する第1〜第Nの非線形変換手段と、
前記第1〜第Nの非線形変換手段の出力信号を合成し、
合成結果を送信出力信号として前記第2の音響空間のス
ピーカに送出するフィルタバンク合成手段と、を具備す
ることを特徴とするものである。
【0018】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1〜3
発明によれば、第1のフィルタバンク分析手段は第2の
音響空間に位置するマイクロホンから出力される受信入
力信号をN個のサブバンド信号に分割する。又、第2の
フィルタバンク分析手段は第1の音響空間に位置するマ
イクロホンから入力される送信入力信号をN個のサブバ
ンド信号に分割する。第1〜第Nの短時間パワー算出手
段は、第1のフィルタバンク分析手段により分割された
各サブバンド信号の短時間パワーを算出する。第1〜第
Nの重み係数乗算手段は、第1〜第Nの短時間パワー算
出手段の出力信号に、あらかじめ定めた重み係数を夫々
掛け合わせる。次に短時間パワー比較手段は、第1〜第
Nの重み係数乗算手段の各出力信号の大小を比較する。
一方、第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラは、第
1のフィルタバンク分析手段における各サブバンドの出
力信号を受信入力信号とし、第2のフィルタバンク分析
手段における各サブバンドの出力信号を送信入力信号と
して、受信入力信号に対して畳み込み演算を行なう。そ
して送信入力信号に対するエコーレプリカの信号を生成
する。このときフィルタ係数更新制御手段は、短時間パ
ワー比較手段の比較結果に基づいて、各サブバンドエコ
ーキャンセラにおける畳み込み演算の適応フィルタ係数
を更新するか否かを制御する。こうして各サブバンドに
含まれるエコー信号が除去される。フィルタバンク合成
手段は、第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラの出
力信号を合成し、この合成信号を送信出力信号として第
2の音響空間のスピーカに送出する。
【0019】このような特徴を有する本願の請求項4〜
の発明によれば、第1のフィルタバンク分析手段は第
2の音響空間に位置するマイクロホンから出力される受
信入力信号をN個のサブバンド信号に分割する。又、第
2のフィルタバンク分析手段は第1の音響空間に位置す
るマイクロホンから入力される送信入力信号をN個のサ
ブバンド信号に分割する。第1〜第Nの短時間パワー算
出手段は、第1のフィルタバンク分析手段により分割さ
れた各サブバンド信号の短時間パワーを算出する。第1
〜第Nの重み係数乗算手段は、第1〜第Nの短時間パワ
ー算出手段の出力信号に、あらかじめ定めた重み係数を
夫々掛け合わせる。次に短時間パワー比較手段は、第1
〜第Nの重み係数乗算手段の各出力信号の大小を比較す
る。一方、第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラ
は、第1のフィルタバンク分析手段における各サブバン
ドの出力信号を受信入力信号とし、第2のフィルタバン
ク分析手段における各サブバンドの出力信号を送信入力
信号として、受信入力信号に対して畳み込み演算を行な
う。そして送信入力信号に対するエコーレプリカの信号
を生成する。一方、第1〜第Nの非線型変換手段は、第
1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラの信号が夫々入
力されると、入力信号の絶対値が規定値以下のとき0を
出力し、入力信号の絶対値が規定値を越えるとき入力信
号をそのまま出力する。非線型変換制御手段は、短時間
パワー比較手段の出力信号を用いて第1〜第Nの非線型
変換手段の動作を行うか否かを制御する。サブバンドエ
コーキャンセラ制御手段は、短時間パワー比較手段の出
力信号を用いてサブバンドエコーキャンセラにおける畳
み込み演算の適応フィルタ係数の更新をするか否か、及
びエコー打ち消し処理を行うか否かを制御する。そして
フィルタバンク合成手段は、第1〜第Nの非線型変換手
段の出力信号を合成し、この合成信号を送信出力信号と
して前記第2の音響空間のスピーカに送出する。
【0020】このようにサブバンドで適応フィルタの係
数更新を行うと、近端騒音信号の影響でサブバンドエコ
ーキャンセラの適応フィルタ係数が乱れることが無くな
る。このためエコー打ち消し量及び収束速度の低下を抑
えつつ、演算量を削減することができる。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例におけるエコーキャンセ
ラについて図1を参照しながら説明する。図1は第1実
施例におけるエコーキャンセラの全体構成を示すブロッ
ク図であり、従来例と同一部分は同一の符号をつけて詳
細な説明は省略する。具体例として、従来例と同様にフ
ィルタバンクのサブバンド数を32(N=32)とし、
サンプリング周波数を16kHzとする。またフィルタ
バンク分析手段及びフィルタバンク合成手段にはDFT
フィルタバンクを用い、またサブバンドエコーキャンセ
ラの適応フィルタの係数更新にはCNLMS法を利用す
るものとする。
【0022】本実施例には、従来と異なり第1のフィル
タバンク分析手段37の出力する各バンドの信号に対
し、第1の短時間パワー算出手段111、第2の短時間
パワー算出手段112、・・・第Nの短時間パワー算出
手段113を設けている。そして第1の短時間パワー算
出手段111の出力を第1の重み係数乗算手段114に
与え、第2の短時間パワー算出手段112の出力を第2
の重み係数乗算手段115に与え、第Nの短時間パワー
算出手段113の出力を第Nの重み係数乗算手段116
に与えるようにしている。さらにこれらの第1〜第Nの
重み係数乗算手段114〜116の各出力を短時間パワ
ー比較手段117に与える構成としている。
【0023】第1〜第Nの短時間パワー算出手段111
〜113は、各バンドの短時間パワーを算出する手段で
ある。ここでの短時間パワーの算出は(2)式により行
う。
【数2】 (2)式において、p(n)は時刻nから所定サンプル
数過去に遡った期間における平均パワーであり、x
(n)は受信入力の値である。又β1は立ち上がりを、
β2は立ち下がりの傾斜を決定する係数であり、ここで
はβ1=0.3 、β2=0.03とする。(2)式は図4に示
すような重みを持つ窓をかけて瞬時パワーを累積加算
し、短時間パワーを演算することと等価である。
【0024】又(2)式は当地点のエコー経路のインパ
ルス応答のパワー減衰特性の概略を模擬したものであ
り、この式で短時間パワーを算出することにより、受信
入力信号を用いてエコー信号の短時間パワーをおおよそ
推定することができる。第1〜第Nの重み係数乗算手段
114〜116は、各短時間パワー信号に対して夫々の
重み係数で乗算する手段である。ここでの重み係数とし
ては、図3(a)に示すような特性を持つ値を、夫々の
バンドの重み係数として用いる。
【0025】第2のフィルタバンク分析手段101は、
マイクロホン36から送信入力信号33が与えられる
と、その信号を第1のサブバンド送信入力信号〜第Nの
サブバンド送信入力信号のN個のサブバンド送信入力信
号に分割する手段である。N個に分割された各サブバン
ド送信入力信号は、第1のサブバンドエコーキャンセラ
119、第2のサブバンドエコーキャンセラ120、・
・・第Nのサブバンドエコーキャンセラ121に与えら
れる。
【0026】第1のサブバンドエコーキャンセラ119
は、第1のフィルタバンク分析手段37から第1のサブ
バンド受信入力信号を取り込み、フイルタ係数更新制御
手段118の更新制御信号に基づいてエコーレプリカを
生成し、第1のサブバンドにおけるエコーキャンセルを
行うものである。このエコーキャンセラの内部構成は図
7に示すものと同様である。
【0027】以下同様に第2のサブバンドエコーキャン
セラ120は、第1のフィルタバンク分析手段37から
第2のサブバンド受信入力信号を取り込み、フイルタ係
数更新制御手段118の更新制御信号に基づいてエコー
レプリカを生成し、第2のサブバンドにおけるエコーキ
ャンセルを行うものである。第Nのサブバンドエコーキ
ャンセラ121は、第1のフィルタバンク分析手段37
から第Nのサブバンド受信入力信号を取り込み、フイル
タ係数更新制御手段118の更新制御信号に基づいてエ
コーレプリカを生成し、第Nのサブバンドにおけるエコ
ーキャンセルを行うものである。フィルタバンク合成手
段122は第1のサブバンド送信出力信号〜第Nのサブ
バンド送信出力信号が入力されると、それらの信号を合
成し、送信出力信号34として出力する手段である。
【0028】さて、音声信号の長時間平均スペクトラム
は一般に図3(b)のような特性をもっており、パワー
の分布が周波数により異なる。音声信号の長時間スペク
トラムの性質については、例えば、電子通信学会の出版
誌「新版聴覚と音声」のpp.329-332にその内容が詳しく
記載されている。このスペクトラムの傾斜は各サブバン
ドの短時間パワーにも反映している。特に約4kHzか
ら8kHzまでの高い周波数においては、短時間パワー
が平均的に小さい。このため、短時間パワー比較手段1
17により各サブバンドの短時間パワーの大小を比較
し、パワーの大きいサブバンドから順に適応フィルタ更
新を行う場合、高い周波数のサブバンドでは低い周波数
のサブバンドと比較して適応フィルタ係数の更新頻度が
小さくなる。このことはフィルタ収束速度の低下を意味
する。
【0029】そこで、図3(a)に示すような重み係数
を短時間パワー信号に掛け合わせることにより、音声信
号の長時間平均スペクトラムの傾斜に起因する各サブバ
ンドの短時間パワー信号のレベル差を補正する。短時間
パワー比較手段117は重み係数乗算手段114〜11
6の出力信号の大小を比較し、その結果をフィルタ係数
更新制御手段118へ出力する。短時間パワー比較手段
117でパワーが小さいと判断されたサブバンドに対し
ては、フィルタ係数更新制御手段118はエコー信号の
パワーも小さいと推定する。
【0030】エコー信号のパワーが小さく、送信入力信
号に占める近端騒音信号の割合が大きい場合は、適応フ
ィルタ係数の更新を行ってもインパルス応答が正しく推
定されず、フィルタ収束速度及びエコー打ち消し量の低
下を引き起こす場合がある。そこで、受信入力信号の短
時間パワーが小さいサブバンドについては、フィルタ係
数更新制御手段118は適応フィルタ係数の更新を停止
するように、サブバンドエコーキャンセラ119〜12
1のうち、特定のものに指示を出す。こうして各バンド
の適応フィルタの係数更新を継続させるか、一時停止さ
せるかの制御を行うことにより、適応フィルタの収束速
度の低下及びエコー打ち消し量の低下を抑えることがで
きる。また、適応フィルタ係数更新にかかる信号処理量
を削減することができる。
【0031】また、適応フィルタの係数更新を行うか否
かの判定に、受信入力信号の短時間パワーが大きいサブ
バンドをK個だけ選択するようにして、フィルタ係数更
新制御手段118を動作させることにより、受信入力信
号のスペクトラムにかかわらず、適応フィルタの係数更
新にかかる演算量を一定に保つことができる。
【0032】このように本実施例によれば、各サブバン
ドの重み係数乗算手段の出力信号の大小を比較し、その
出力信号が小さいサブバンドについては、適応フィルタ
の係数更新を停止する。こうするとエコー打ち消し効果
及び適応フィルタの収束速度の低下を抑えつつ、適応フ
ィルタ係数の更新にかかる演算量を削減することができ
る。
【0033】次に本発明の第2の実施例におけるエコー
キャンセラについて図2を参照しながら説明する。本実
施例は、前述した第1実施例の短時間パワー比較手段1
17の出力部にノンリニアプロセッサ制御手段(以下、
NLP制御手段という)130と、サブバンドエコーキ
ャンセラ制御手段131を付加したことが特徴である。
またサブバンドエコーキャンセラ119〜121の出力
部に、第1、第2、第Nのノンリニアプロセッサ(以
下、NLPという)132、133、134を夫々設け
ている。
【0034】NLP132〜134は、NLP制御手段
130の制御信号がオンの場合、入力信号の絶対値が規
定値以内のときは出力信号の値を0とし、入力信号の絶
対値が規定値を超えるときは、入力信号をそのまま出力
信号として出力し、制御信号がオフの場合スルーとなる
非線形変換手段である。図5にNLP132〜134の
入力レベルと出力レベルの関係を示す。ここでは閾値α
が規定値として設定されている。NLP制御手段130
は、第1のNLP132〜第NのNLP134に対して
非線形の信号変換を指示する制御信号を発生する非線形
変換制御手段であり、短時間パワー比較手段117での
比較結果に基づいて出力される。
【0035】サブバンドエコーキャンセラ制御手段13
1は、第1実施例のフィルタ係数更新制御手段118の
代わりに設けられたもので、各サブバンドエコーキャン
セラ119〜121の適応フィルタ係数の更新と、エコ
ー打ち消し処理の制御を行うものである。その他の構成
は図1と同一であり、同一部分は同一の符号を付け、そ
れらの説明は省略する。
【0036】さて短時間パワー比較手段117でパワー
が小さいと判断されたサブバンドでは、エコー信号のパ
ワーも小さいと推定される。エコー信号のパワーが小さ
く、送信入力信号に占める近端騒音信号の割合が大きい
場合は、適応フィルタ係数の更新を行ってもインパルス
応答が正しく推定されず、フィルタ収束速度及びエコー
打ち消し量の低下を引き起こす場合がある。
【0037】そこで、受信入力信号の短時間パワーが小
さいサブバンドについては、サブバンドエコーキャンセ
ラ制御手段131は適応フィルタ係数の更新を停止する
よう、サブバンドエコーキャンセラ119〜121のい
ずれかに制御信号を与える。こうして適応フィルタの係
数更新を制御することにより、適応フィルタの収束速度
の低下、及びエコー打ち消し量の低下を抑えて、適応フ
ィルタ係数更新にかかる処理量を削減する。
【0038】また、エコー信号が小さい場合は、NLP
132〜134のいずれかを動作(オン)させることに
よりそのエコーを抑圧する。サブエコーキャンセラのエ
コー打ち消し処理、即ち図7の適応フィルタ43による
エコーレプリカの生成、及び減算手段45によるサブバ
ンド送信入力信号からサブバンド受信入力信号の減算処
理を停止することにより、エコー打ち消し量の低下を抑
える。こうすると、エコー打ち消し処理にかかる演算、
即ち適応フィルタ43におけるエコーレプリカの生成と
減算手段45にかかる演算量を削減することができる。
【0039】また、適応フィルタ係数の更新、及びNL
Pをオフにするサブバンドを、重み係数乗算手段114
〜116の出力の大きい順に、K個選ぶようにサブエコ
ーキャンセラ制御手段131を動作させる。こうする
と、受信入力信号のスペクトラムにかかわらず、適応フ
ィルタの係数更新及びエコー打ち消し処理にかかる演算
量を一定に保ことができる。
【0040】以上のように本実施例によれば、各サブバ
ンドの重み係数乗算手段114〜116の出力信号の大
小を、短時間パワー比較手段117により比較する。重
み係数乗算手段114〜116の出力信号が小さいサブ
バンドでは、適応フィルタの係数更新、及びエコー打ち
消し処理を停止するようにサブバンドエコーキャンセラ
の制御を行う。また同時にサブバンドエコーキャンセラ
によりエコー打ち消し処理を行わないバンドについて
は、NLP制御手段130により当該バンドのNLPを
動作させる。こうすると、エコー打ち消し量及び適応フ
ィルタの収束速度の低下を抑えつつ、適応フィルタ係数
更新及びエコー打ち消し処理にかかる演算量を削減する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本願請求項1に記載の発明
によれば、各サブバンドの重み係数乗算手段の出力信号
の大小を短時間パワー比較手段により比較し、その比較
結果を用いて各サブバンドエコーキャンセラの適応フィ
ルタ係数の更新を行うか行わないかを制御するようにし
ている。このためエコー打ち消し量及び適応フィルタの
収束速度の低下を抑えることができ、適応フィルタ係数
の更新にかかる演算量を削減することができる。また適
応フィルタ係数の更新を行うバンド数をあらかじめKバ
ンドに制限し、重み係数乗算手段の出力信号の大きな順
にフィルタ係数の更新を行うように制御している。この
ため本エコーキャンセラにおけるフィルタ係数更新処理
にかかる演算量を一定に保つことができる。
【0042】
【0043】本願請求項の発明によれば、請求項1の
発明の効果に加えて、短時間パワー信号に重み係数乗算
手段の係数として音声信号の長時間スペクトラムの逆特
性を掛け合わせて補正するようにしている。このため、
音声信号の長時間平均スペクトラムの傾斜に起因するサ
ブバンド間の適応フィルタ係数更新頻度の偏りを軽減す
ることができ、エコーキャンセラ全体としての収束速度
を向上することができる。
【0044】本願請求項の発明によれば、請求項1の
発明の効果に加えて、短時間パワー信号を前サンプルの
短時間パワー信号と現サンプルにおける瞬時パワーより
再帰的に算出することにより、受信入力信号からエコー
信号のパワーを推定することができる。
【0045】又本願請求項の発明によれば、各サブバ
ンドの重み係数乗算手段の出力信号の大小を短時間パワ
ー比較手段により比較し、その短時間パワー比較手段の
出力信号を用いて各サブバンドエコーキャンセラの適応
フィルタ係数の更新を行うか行わないかを制御してい
る。また同時にサブバンドエコーキャンセラによりエコ
ー打ち消し処理を行わないサブバンドについては、非線
形変換制御手段により当該バンドの非線形変換手段を動
作させる。こうするとエコー打ち消し効果及び適応フィ
ルタの収束速度の低下を抑えることができ、適応フィル
タ係数更新及びエコー打ち消し処理にかかる演算量を削
減することができる。また適応フィルタ係数の更新及び
エコー打ち消し処理を行うサブバンドエコーキャンセラ
の数をK個に制限し、重み係数乗算手段の出力信号の大
きな順にK個のサブバンドについてフィルタ係数の更新
及びエコー打ち消し処理を行なうように制御を行う。同
時に、サブバンドエコーキャンセラでエコー打ち消し処
理を行わない(N−K)個のサブバンドについては、非
線形変換手段を動作させるように制御を行うことによ
り、本エコーキャンセラにおけるフィルタ係数更新及び
エコー打ち消し処理にかかる演算量を一定に保つことが
できる。
【0046】
【0047】本願請求項の発明によれば、請求項
発明の効果に加えて、短時間パワー信号に重み係数乗算
手段の係数として音声信号の長時間スペクトラムの逆特
性を掛け合わせて補正を行うことにより、音声信号の長
時間平均スペクトラムの傾斜に起因するサブバンド間の
適応フィルタ係数更新頻度の偏りを軽減し、エコーキャ
ンセラ全体としての収束速度を向上することが可能とな
る。
【0048】本願請求項の発明によれば、請求項
発明の効果に加えて、短時間パワー信号を前サンプルの
短時間パワー信号と現サンプルにおける瞬時パワーより
再帰的に算出することにより、受信入力信号からエコー
信号のパワーを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるエコーキャンセラ
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例におけるエコーキャンセラ
の全体構成を示すブロック図である。
【図3】第1及び第2実施例における重み係数乗算手段
の動作特性を示す図であり、(a)は重み係数の周波数
特性を示し、(b)は音声信号の長時間パワースペクト
ラムを示す。
【図4】第1及び第2実施例において、短時間パワー算
出手段によって算出された短時間パワー信号の時間包絡
を示す説明図である。
【図5】第2実施例におけるノンリニアプロセッサの入
力レベルと出力レベルの関係を示す説明図である。
【図6】従来例のサブバンド構成のエコーキャンセラの
全体構成を示すブロック図である。
【図7】サブバンドエコーキャンセラの具体的な構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
31 受信入力信号 32 受信出力信号 33 送信入力信号 34 送信出力信号 35 スピーカ 36 マイク 37 第1のフィルタバンク分析手段 41 サブバンド受信入力信号 42 サブバンド送信入力信号 43 適応フィルタ 44 エコーレプリカ 45 減算手段 46 サブバンド送信出力信号 101 第2のフィルタバンク分析手段 111 第1の短時間パワー算出手段 112 第2の短時間パワー算出手段 113 第Nの短時間パワー算出手段 114 第1の重み係数乗算手段 115 第2の重み係数乗算手段 116 第Nの重み係数乗算手段 117 短時間パワー比較手段 118 フィルタ係数更新制御手段 119 第1のサブバンドエコーキャンセラ 120 第2のサブバンドエコーキャンセラ 121 第Nのサブバンドエコーキャンセラ 122 フィルタバンク合成手段 130 ノンリニアプロセッサ制御手段(NLP制御手
段) 131 サブバンドエコーキャンセラ制御手段 132 第1のノンリニアプロセッサ(第1のNLP) 133 第2のノンリニアプロセッサ(第2のNLP) 134 第Nのノンリニアプロセッサ(第NのNLP)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−132442(JP,A) 特開 平3−143035(JP,A) 特開 昭61−121625(JP,A) 特表 平6−508482(JP,A) 特表 平7−504075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/00 - 3/44

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロホンとスピーカが設けられた第
    1の音響空間と、第1の音響空間と隔たった所に位置
    し、マイクロホンとスピーカとが設けられた第2の音響
    空間との間で、送信信号及び受信信号を用いて音声情報
    を授受するテレコンファレンスシステムに用いられるエ
    コーキャンセラであって、 第2の音響空間に位置するマイクロホンから出力される
    受信入力信号をN個のサブバンド受信入力信号に分割す
    る第1のフィルタバンク分析手段と、 第1の音響空間に位置するマイクロホンから入力される
    送信入力信号をN個のサブバンド送信入力信号に分割す
    る第2のフィルタバンク分析手段と、前記N個のサブバンド受信入力信号の短時間パワー信号
    を算出する第1〜第Nの短時間パワー算出手段と、 前記第1〜第Nの短時間パワー算出手段の出力信号に、
    あらかじめ定めた重み係数を夫々掛け合わせる第1〜第
    Nの重み係数乗算手段と、 前記第1〜第Nの重み係数乗算手段の各出力信号の大小
    を比較する短時間パワー比較手段と、 前記短時間パワー比較手段の比較結果に基づいて、前記
    重み係数乗算手段の出力信号が大きい順にK個のサブバ
    ンドについては更新を継続し、残りの(N−K)個のサ
    ブバンドについては更新を一時停止するフィルタ更新制
    御信号を出力するフィルタ係数更新制御手段と、 前記サブバンド受信入力信号と前記サブバンド送信入力
    信号と前記フィルタ更新制御信号とを入力し、前記フィ
    ルタ更新制御信号が更新継続を示すときは、第1の音響
    空間に位置するスピーカを介してマイクロホンに入力さ
    れるときのサブバンド帯域のインパルス応答を適応的に
    推定して適応フィルタの係数を更新することにより、前
    記サブバンド受信入力信号からエコーレプリカを生成
    し、前記フィルタ更新制御信号が更新一時停止を示すと
    きは、適応フィルタの係数を更新せずにエコーレプリカ
    を生成し、前記サブバンド送信入力信号から前記エコー
    レプリカを減算してエコー信号を除去する第1〜第Nの
    サブバンドエコーキャンセラと、 前記第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラの出力信
    号を合成し、合成結果を送信出力信号として前記第2の
    音響空間のスピーカに送出するフィルタバンク合成手段
    と、を具備することを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】 前記第1〜第Nの重み係数乗算手段は、 統計的に導きだされた長時間音声信号のスペクトラムの
    逆特性を重み係数とするものであることを特徴とする請
    求項1記載のエコーキャンセラ。
  3. 【請求項3】 前記第1〜第Nの各短時間パワー算出手
    段は、 サンプリング時刻をn、サブバンドの番号をm、前記第
    1のフィルタバンク分析手段のm番目のサブバンドの現
    時刻の出力値をxm(n)、前時刻におけるm番目のサブバ
    ンドの短時間パワーをpm(n-1)とするとき、現時刻にお
    けるm番目のサブバンドの短時間パワーpm(n)を、 pm(n)=pm(n-1)+β{x2m(n) −pm(n-1)} 但し β= β1 (x2m(n) ≧pm(n-1)) β2 (x2m(n) <pm(n-1)) (β1>β2) により算出するものであることを特徴とする請求項1記
    載のエコーキャンセラ。
  4. 【請求項4】 マイクロホンとスピーカが設けられた第
    1の音響空間と、第1の音響空間と隔たった所に位置
    し、マイクロホンとスピーカとが設けられた第2の音響
    空間との間で、送信信号及び受信信号を用いて音声情報
    を授受するテレコンファレンスシステムに用いられるエ
    コーキャンセラであって、 第2の音響空間に位置するマイクロホンから出力される
    受信入力信号をN個のサブバンド受信入力信号に分割す
    る第1のフィルタバンク分析手段と、 第1の音響空間に位置するマイクロホンから入力される
    送信入力信号をN個のサブバンド送信入力信号に分割す
    る第2のフィルタバンク分析手段と、前記N個のサブバンド受信入力信号の短時間パワー信号
    を算出する第1〜第Nの短時間パワー算出手段と、 前記第1〜第Nの短時間パワー算出手段の出力信号に、
    あらかじめ定めた重み係数を夫々掛け合わせる第1〜第
    Nの重み係数乗算手段と、 前記第1〜第Nの重み係数乗算手段の各出力信号の大小
    を比較する短時間パワー比較手段と、 前記短時間パワー比較手段の比較結果に基づいて前記重
    み係数乗算手段の出力信号が大きい順にK個のサブバン
    ドについては処理を継続し、残り(N−K)個のサブバ
    ンドについては処理を停止するエコーキャンセラ制御信
    号を出力するサブバンドエコーキャンセラ制御手段と、 前記サブバンド受信入力信号と前記サブバンド送信入力
    信号と前記エコーキャンセラ制御信号とを入力し、前記
    エコーキャンセラ制御信号が処理継続を示すときは、第
    1の音響空間に位置するスピーカを介してマイクロホン
    に入力されるときのサブバンド帯域のインパルス応答を
    適応的に推定して適応フィルタの係数を更新することに
    より、前記サブバンド受信入力信号からエコーレプリカ
    を生成すると共に、前記サブバンド送信入力信号から前
    記エコーレプリカを減算して出力し、前記エコーキャン
    セラ制御信号が処理停止を示すときは、前記適応フィル
    タの係数を更新せず前記サブバンド受信入力信号を出力
    する第1〜第Nのサブバンドエコーキャンセラと、 前記短時間パワー比較手段の出力信号に基づいて前記重
    み係数乗算手段の出力信号が大きいものから順にK個の
    サブバンドについては動作を停止し、残り(N−K)個
    のサブバンドについては処理を示す制御信号を出力する
    非線形変換制御手段と、 前記サブバンドエコーキャンセラの信号と前記非線形変
    換制御手段の制御信号とを入力し、前記制御信号が停止
    を示す場合は前記サブバンドエコーキャンセラの信号を
    出力し、前記制御信号が処理を示す場合は前記サブバン
    ドエコーキャンセラの信号の絶対値が規定値以下のとき
    0を出力し、規定値を越えるとき前記サブバンドエコー
    キャンセラの信号をそのまま出力する第1〜第Nの非線
    形変換手段と、 前記第1〜第Nの非線形変換手段の出力信号を合成し、
    合成結果を送信出力信号として前記第2の音響空間のス
    ピーカに送出するフィルタバンク合成手段と、を具備す
    ることを特徴とするエコーキャンセラ。
  5. 【請求項5】 前記第1〜第Nの重み係数乗算手段は、 統計的に導きだされた長時間音声信号のスペクトラムの
    逆特性を重み係数とするものであることを特徴とする請
    求項記載のエコーキャンセラ。
  6. 【請求項6】 前記第1〜第Nの各短時間パワー算出手
    段は、 サンプリング時刻をn、サブバンドの番号をm、前記第
    1のフィルタバンク分析手段のm番目のサブバンドの現
    時刻の出力値をxm(n)、前時刻におけるm番目のサブバ
    ンドの短時間パワーをpm(n-1)とするとき、現時刻にお
    けるm番目のサブバンドの短時間パワーpm(n)を、 pm(n)=pm(n-1)+β{x2m(n) −pm(n-1)} 但し β= β1 (x2m(n) ≧pm(n-1)) β2 (x2m(n) <pm(n-1)) (β1>β2) により算出するものであることを特徴とする請求項
    載のエコーキャンセラ。
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