JP3401597B2 - 皮膚保護剤組成物 - Google Patents

皮膚保護剤組成物

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は皮膚保護剤組成物に係
り、その目的は皮膚表面に塗布してもべたつき感や突っ
張り感などがなく、塗布時の使用感が良好であるととも
に、塗布後の水や洗剤液などによる洗い落ちが殆どな
く、皮膚表面での残留率が高く、水仕事や薬剤施術によ
る肌荒れから皮膚を良好に保護することができる皮膚保
護剤組成物の提供にある。 【0002】 【発明の背景】生体の皮膚表面は、皮脂と汗により形成
された皮脂膜によって被覆されており、この皮脂膜が生
理的に外界の刺激や乾燥から皮膚を保護するとともに皮
膚角質層に柔軟性や弾力性を与えるなどのエモリエント
効果をも果たしている。すなわち、皮脂膜には撥水性及
び緩衝作用があるため、水や有害物質の皮膚内部への侵
入を防ぐとともに、酸やアルカリがその抵抗力を超えな
い程度に付着した場合には、酸やアルカリを中和し、こ
れらの刺激による皮膚炎の発生を予防し、保護する役割
を果たしている。また皮脂膜は、皮膚最外層の角質層に
含まれている水分の蒸発を抑制し、皮膚の柔軟性や弾力
性を維持させる役割も果たしている。しかしこのように
皮膚の保護作用やエモリエント作用を有する皮脂膜は、
常に充分に補給され、形成されているとは限らず、一般
に温度が低下するに従って皮脂の分泌は低下し、特に乾
燥性の皮膚では冬季において皮脂の分泌量が不足しがち
になる。また年齢の増加によって、皮脂の分泌量は次第
に低下し、皮膚表面での皮脂膜の形成が不充分となる。
従って、低温時、或いは年齢の増加に伴って、皮脂膜に
よる保護作用やエモリエント作用が期待できなくなって
しまい、皮膚表面が乾燥し、肌あれやひび、あかぎれな
どが生じやすくなっている。一方、日常生活においても
外界の刺激によって皮脂膜の形成が不充分となったり、
皮脂膜が破壊されてしまう場合が多い。つまり、家庭の
主婦では、日々繰り返される水仕事の際の洗剤の使用に
より皮脂が失われやすく、皮脂膜の形成が不充分となっ
て、ひび、あかぎれなど肌あれを起こしやすくなってい
る。また看護婦や理容師、美容師などの職業に従事して
いる人では、薬品等との接触により皮脂膜の保護機能が
破壊され、皮膚炎や肌あれを引き起こしやすくなってい
る。すなわち、看護婦では、ホルマリンや化学薬品等を
日常的に取り扱うため、これらの薬剤との接触によっ
て、また美容師、理容師では、パーマ施術時に使用され
るパーマネントウエーブ用剤、あるいはヘアダイ(酸化
染毛剤)などの毛髪処理剤との接触により皮膚表面に刺
激を与え、皮膚炎や肌あれを起こしやすくなっている。
そこで、このような皮脂分泌の低下、あるいは外因的な
表皮での脱脂作用、皮脂膜の破壊などから皮膚を保護す
るためにクリームなどの保護剤を皮膚表面に塗布するこ
とがよく行われている。この保護剤は、保湿剤によって
水分維持を図るとともに皮膚表面に油性皮膜を形成し、
この皮膜による閉塞作用によって、皮膚表面での水分の
過度の蒸散を抑制するものである。 【0003】 【従来の技術】洗剤による皮膚面の脱脂、肌あれを保護
する皮膚保護剤としては、一般にハンドクリームがよく
利用されている。一般的なハンドクリームは、通常、皮
膚に適度な水分と油分とを与える保湿剤と皮膚表面上で
の水分の蒸散を防ぐ柔軟剤、及びこれらの成分を乳化均
質化する乳化剤と香料等他の添加剤からなるものであ
る。保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、可溶性コラーゲン、ヒア
ルロン酸、乳酸ナトリウムなどの親水性のものがよく使
用されており、一方、柔軟剤としてはスクワラン、ラノ
リン、ホホバ油、脂肪酸エステル、オレンジラフィー油
などの油分がよく使用されている。しかしながら、前記
した構成からなるハンドクリームでは、配合されている
保湿剤や柔軟剤による効果が一次的な物理的効果であ
り、持続的に効果が発現されるものではなく、且つ水洗
等によって容易に洗い流されてしまうといった問題が存
在した。また、保湿剤や柔軟剤による効果を充分に発現
させようと、その配合量を増加させてハンドクリームを
処方すると、逆にべたつきやほてり感を生じさせ、使用
性が悪くなるとともに、皮膚表面の柔軟剤等の被覆によ
り、皮膚の正常な新陳代謝が妨げられてしまうといった
問題があった。 【0004】このような実情に照らし、前記した保湿剤
や柔軟剤に代わって、新たに外界の刺激から皮膚を保護
する成分と高分子量シリコーンやアクリル系ポリマーな
どを主成分とした耐水性の高いハンドクリームも創出さ
れるようになってきた。一般にシリコーン類、特に分子
量の大きいジメチルポリシロキサンなどのシリコーン
は、撥水性や耐薬品性に優れているため水をはじきやす
く、化学品などによる刺激から皮膚を保護することがで
き、しかも無味無臭であるため化粧品、医薬品として処
方しやすいため、外的要因から皮膚を保護し、肌あれを
防ぐ皮膚保護剤への適用に着目されるようになってきて
いる。一方、アクリル系ポリマーも従来より良好な耐水
性を示す化合物としてよく知られており、耐水性を要求
される化粧料への適用に着目されるようになってきてい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た高分子量シリコーンでは、良好な撥水性は発現される
が、同時にべたつき感が強く、接触物への付着が著し
く、使用感が悪いといった課題が存在した。また、高分
子量シリコーンによって形成される皮膜は、柔らかく、
摩擦に対する抵抗力が乏しいといった課題が存在した。
一方、アクリル系ポリマーにおいては、その形成する皮
膜が逆に硬すぎて、皮膚表面へ塗布する際に伸びにく
く、また体の動きや外力により剥離しやすいといった課
題が存在した。しかも、アクリル系ポリマーによる皮膜
は、皮膚表面への塗布時に突っ張り感や痛みを伴い、使
用性が悪いといった課題が存在した。従って業界では、
作用の持続性に優れ、且つ洗浄等によって容易に洗い流
されたりすることのない良好な撥水性、耐水性を示し、
しかも使用時にべたつきや突っ張り感などの不快感を生
じさせることのない優れた皮膚保護剤組成物の創出が望
まれていた。 【0006】 【発明による解決手段】この発明では平均分子量が20
万以上のジメチルポリシロキサンとオクチルアクリルア
ミド・アクリル樹脂とが必須成分として含有されて
り、前記ジメチルポリシロキサンとオクチルアクリルア
ミド・アクリル樹脂との配合量が重量比で100:0.
5〜10:100とされてなることを特徴とする皮膚保
護剤組成物を提供することにより上記従来の課題を悉く
解消する。 【0007】 【作用】平均分子量が20万以上のジメチルポリシロキ
サンとオクチルアクリルアミド・アクリル樹脂とを重量
比で100:0.5〜10:100となるように組み合
わせて配合することにより、極めて優れた撥水性、耐水
性を発揮し、水や洗剤、化学薬品など外界の刺激に対す
る抵抗性が顕著に増大し、特に界面活性剤水溶液による
洗い落ちに対し、優れた残留効果を示す。また使用時に
は突っ張り感や痛み、或いはべたつき感などの不快感が
なく、サッパリとしてよく延びる良好な使用感を発現す
る。 【0008】 【発明の構成】以下、この発明に係る皮膚保護剤組成物
の構成について詳述する。この発明では平均分子量が2
0万以上、より望ましくは40万以上のジメチルポリシ
ロキサンが必須成分の一つとして配合される。この理由
は、ジメチルポリシロキサンの平均分子量が20万未満
であると、撥水性、耐水性が良好ではなく、水がはじき
にくくなるとともに、特に界面活性剤水溶液に対して洗
い流されやすくなるため好ましくないからである。一
方、ジメチルポリシロキサンの分子量が大きくなるほど
べたつかず、さっぱりした使用感が得られるため、より
好ましいからである。 【0009】また、この発明ではオクチルアクリルアミ
ド・アクリル樹脂も必須成分の一つとして配合される。
この発明では、前記した平均分子量20万以上のジメチ
ルポリシロキサン100重量部に対し、オクチルアクリ
ルアミド・アクリル樹脂の配合量は0.5重量部以上、
より望ましくは2重量部以上とされることが好ましい。
この理由はオクチルアクリルアミド・アクリル樹脂の配
合が、ジメチルポリシロキサン100重量部に対して
0.5重量部未満であると、この発明の所期の目的であ
る優れた耐水性が発現されず、水流や洗剤溶液により洗
い流されてしまいやすくなるため好ましくないからであ
る。一方、オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂10
0重量部に対し、ジメチルポリシロキサンの配合量は1
0重量部以上、より望ましくは50重量部以上とされる
ことが好ましい。この理由は、ジメチルポリシロキサン
の配合量がオクチルアクリルアミド・アクリル樹脂10
0重量部に対して10重量部未満であると、オクチルア
クリルアミド・アクリル樹脂の有する欠点である突っ張
り感が現れてしまい、使用感が著しく悪くなるとともに
耐水性も悪くなってくるため好ましくないからである。 【0010】以上のような必須成分が配合されたこの発
明に係る皮膚保護剤組成物は、化粧品、医薬品、医薬部
外品等皮膚表面に用いられる全てのものに適用可能であ
り、またその剤型も任意であるが、好適な実施例として
はローションなどの化粧水型やエアゾール型を例示する
ことができる。但し、ローション型とする場合には、ジ
メチルポリシロキサンとオクチルアクリルアミド・アク
リル樹脂との相溶性を考慮して、これら両者を共に溶解
させることが可能な溶媒を用いることが必要とされる。
具体的には、例えば軽質流動イソパラフィンや環状シリ
コンに代表されるような揮発性油とイソプロパノールを
併用することなどが有用な手段として例示される。ま
た、エアゾール型に製剤化する場合では、液化石油ガ
ス、ジメチルエーテル、フロンガス等の通常の噴射剤を
用いることができ、またこれらの噴射剤に加えて炭酸ガ
ス、窒素ガスを用いてもよく、しかもこれらのガスは単
独でも、或いは2種以上を混合して用いても良い。 【0011】尚、この発明による皮膚保護剤組成物では
上記した必須成分の以外に、目的に応じてこの発明の効
果を損なわない範囲内で、アルコール類、水溶性高分
子、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、金属イオ
ン封鎖剤、増粘剤、非イオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、抗菌
剤、防腐剤、消炎剤、ビタミン、ホルモン、清涼剤、色
素、香料などの通常の皮膚保護剤組成物に使用される他
の成分を適宜好適に配合することができる。 【0012】(処方例)以下、処方例によりこの発明に
係る皮膚保護剤組成物の具体的事例を挙げるがこの発明
は本処方により何ら限定されるものではない。 (処方例1:ローション型) 重量部 ジメチルポリシロキサン 12.5 (平均分子量50万) オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂 0.5 軽質流動イソパラフィン 47.0 イソプロパノール 39.8 香 料 0.1 酢酸トコフェロール 0.1 100.0 (処方例2:エアゾール型) 重量部 ジメチルポリシロキサン 2.0 (平均分子量20万) オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂 0.1 軽質流動イソパラフィン 10.0 イソプロパノール 9.8 LPG 38.0 ジメチルエーテル 40.0 香 料 0.1 100.0 【0013】 【実施例】以下、この発明に係る皮膚保護剤組成物の効
果を実施例を挙げて、一層明確なものとする。 【0014】(実施例1及び比較例1〜2) 平均分子量20万以上のジメチルポリシロキサン及び
クチルアクリルアミド・アクリル樹脂とを両方とも配合
した場合と、いずれか一方のみを配合した場合の性能の
相違を試験するため、表1に示す処方に従って実施例1
及び比較例1〜2の皮膚保護剤組成物を調製した。 【表1】 【0015】(実施例2及び比較例3)平均分子量の異
なるジメチルポリシロキサンを配合した場合の性能の相
違を試験するため、表2に示す処方に従って実施例2及
び比較例3の皮膚保護剤組成物を調製した。 【表2】 【0016】(実施例3〜4及び比較例4〜5)オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂 の配合量の相違
が性能に与える影響について試験するため、表3に示す
処方に従って実施例3〜4及び比較例4〜5の皮膚保護
剤組成物を調製した。 【表3】【0017】(実施例5〜6及び比較例6〜7)平均分
子量が20万以上のジメチルポリシロキサンの配合量の
相違が性能に与える影響について試験するため、表4に
示す処方に従って実施例5〜6及び比較例6〜7の皮膚
保護剤組成物を調製した。 【表4】 【0018】(実施例7〜8及び比較例8〜9)平均分
子量の異なるジメチルポリシロキサンを配合した場合の
性能の相違を試験するため、表5に示す処方に従って実
施例7〜8及び比較例8〜9の皮膚保護剤組成物を調製
した。 【表5】 【0019】 【試験例】前記実施例1〜8及び比較例1〜9で調製さ
れた皮膚保護剤を用いて、以下に示す水流による洗い
落ち試験、中性洗剤による洗い落ち試験、肌荒れと
使用感における官能試験に供した。 【0020】(試験例1)水流による洗い落ち試験 前記実施例1及び比較例1〜2で得られた皮膚保護剤を
用いて、塗布後の水流による洗い落ちを試験した。試験
方法としては、FT−IR・ATR法を採用し、塗布
後、塗布部分を水流中に浸漬し、残留したシリコンの定
量を測定することによって行った。試験手順は次のA〜
Cに示す。 A.前腕部への試料の塗布 測定部位となる前腕部の汚れや皮脂をエタノールで良く
拭き取り、エタノールが蒸発した後、この部分に前記実
施例及び比較例で得られた皮膚保護剤組成物0.2mlを
塗布し、充分延ばす。この後、塗布した皮膚保護剤組成
物が乾くまで20分間放置した。 B.洗い落としとFT−IR測定 恒温水槽に水を6リットル入れ、この水槽内で水を循環
させながら、水温を37℃に保持させておいた。この水
槽内に前記皮膚保護剤組成物を塗布した前腕部を5分間
浸漬させた後、乾いたタオルを軽く押し当て、水滴を取
り除く。そのまま2〜3分間風乾し、前腕部塗布部をA
TR法のクリスタル部に押し当てて残留シリコンを測定
した。 C.数値処理 アミドII(1543.7cm-1)のピークの吸光度(A amid)を
内部標準に定め、これと皮膚残留化合物に特徴的なピー
クにおける吸光度(A sample)との比を吸光度比とし
た。この試験においては、シリコンの残留を調べるた
め、シリコンに特徴的な1012.5cm-1のピークを用いた。
なお、2100cm-1における吸光度(A base)をベースライ
ンと定めた。(但し、シリコンを含まない比較例2の皮
膚保護剤ではアクリル系ポリマーに特徴的な1150cm -1
のピークを用いた。) 吸光度比=(Asample−Abase) /(A amid −A bas
e ) 次に残留率として、処理前の吸光度比と処理後の吸光度
比との比率を算出し、この数値を皮膚残留の指標とし
た。 残留率(%)=(処理後の吸光度比/処理前の吸光度
比)×100 この水流による洗い落ち試験では、「B.洗い落としと
FT−IR測定」を一つの試料に対して7回繰り返し、
1・3・5・7回目の洗い落とし後の残留率をそれぞれ
測定した。この結果を表6に示す。 【表6】 【0021】(試験例2)中性洗剤による洗い落ち試験 前記実施例1及び比較例1〜2、さらに実施例2及び比
較例3で得られた皮膚保護剤を用いて、塗布後の中性洗
剤による洗い落ちを試験した。試験方法としては、前記
試験例1と同様のFT−IR・ATR法を採用し、塗布
後、塗布部分を中性洗剤中に浸漬し、残留したシリコン
及びアクリル系ポリマーの定量を測定することによって
行った。試験手順は次のA〜Cに示す。 A.前腕部への試料の塗布 測定部位となる前腕部の汚れや皮脂をエタノールで良く
拭き取り、エタノールが蒸発した後、この部分に前記実
施例及び比較例で得られた皮膚保護剤組成物0.2mlを
塗布し、充分延ばす。この後、塗布した皮膚保護剤組成
物が乾くまで20分間放置した。 B.洗い落としとFT−IR測定 市販の中性洗剤約1mlに対し水10mlを加えて泡立てる。
これを用いて実施例及び比較例の皮膚保護剤組成物を塗
布した部位を20回こすり洗浄する。その後37℃の水2リ
ットル(l) で中性洗剤を良く洗い流し、乾いたタオルを
軽く押し当て、水滴を取り除く。そのまま2〜3分間風
乾し、前腕部塗布部をATR法のクリスタル部に押し当
てて残留シリコンを測定した。 C.数値処理 前記試験例1と同様に、アミドII(1543.7cm-1)のピー
クの吸光度(A amid)を内部標準に定め、これと皮膚残
留化合物に特徴的なピークにおける吸光度(Asample)
との比を吸光度比とした。この試験においては、シリコ
ンの残留を調べるため、シリコンに特徴的な1012.5cm-1
のピーク及びアクリル系ポリマーに特徴的な1150cm -1
のピークを用いた。なお、2100cm-1における吸光度(A
base)をベースラインと定めた。(但し、シリコンを含
まない比較例2の皮膚保護剤ではアクリル系ポリマーに
特徴的な1150cm -1 のピークを用いた。) 吸光度比=(Asample−Abase) /(A amid −A bas
e ) 次に残留率として、処理前の吸光度比と処理後の吸光度
比との比率を算出し、この数値を皮膚残留の指標とし
た。 残留率(%)=(処理後の吸光度比/処理前の吸光度
比)×100 実施例1及び比較例1〜2の皮膚保護剤組成物では、中
性洗剤による洗い落としを2回繰り返し、1回目、2回
目の各々の残留率を測定した。この結果を表7に示す。
また、実施例2及び比較例3の皮膚保護剤組成物では、
中性洗剤による洗い落としは1回だけ行い、その際の残
留率を測定した。この結果を表8に示す。 【表7】 【表8】 【0022】(試験例3)肌荒れと使用感における官能評価 前記実施例3〜4及び比較例4〜5、並びに実施例5〜
6及び比較例6〜7、さらに実施例7〜8及び比較例8
〜9で得られた皮膚保護剤組成物を用いて、それぞれ肌
荒れと使用感について試験した。試験方法は、水仕事に
よる肌荒れに悩んでいるパネラーを各々20名選び、こ
れらパネラーによる官能試験方法を採用した。前記実施
例及び比較例で得られた皮膚保護剤組成物0.5mlを前
記パネラーにそれぞれ水仕事前に毎回塗布してもらい、
塗布時の使用感と1カ月間継続使用した後の肌荒れ
回復の各項目について、次の基準に従って評価をしても
らった 。使用感 各パネラーに対し、べたつく、突っ張るなど塗布時の使
用感を総合評価として、良いを5点、まあまあ良いを4
点、普通3点、少し悪い2点、悪い1点との5段階で点
数をつけてもらった。各々の官能評価における平均点を
求め、1〜2点を×、2〜3点を△、3〜4点を〇、4
〜5点を◎と評価とし、これを塗布時の使用感の指標と
した。 肌荒れ回復 各パネラーに対し肌荒れ回復の進み具合が、著しく回復
したものを4点、回復したもの3点、少し回復したもの
2点、回復しないものを1点との4段階で点数をつけて
もらい、各々の官能評価における平均点を求め、1〜2
点を×、2〜3点を△、3〜4点を〇と評価し、これを
塗布時の使用感の指標とした。実施例3〜4及び比較例
4〜5の結果を表9に、実施例5〜6及び比較例6〜7
の結果を表10に、実施例7〜8及び比較例8〜9の結果
を表11にそれぞれ示した。 【表9】 【表10】 【表11】 【0023】表6乃至表7の結果から明らかな如く、平
均分子量が20万以上のジメチルポリシロキサンとオクチ
ルアクリルアミド・アクリル樹脂とを配合した皮膚保護
剤組成物(実施例1)では、ジメチルポリシロキサン又
オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂のいずれかを
配合しない皮膚保護剤組成物(比較例1又は2)と比べ
て、水洗いや洗剤洗い後の塗布部での残留率が極めて高
いことが判る。表8の結果から、分子量の小さいジメチ
ルポリシロキサンを配合した皮膚保護剤組成物(比較例
3)では、高分子のものを用いた場合(実施例2)と比
べると洗剤洗い後の塗布部での残留率が著しく低いこと
が判る。表9及び表10の結果から明らかな如く、平均分
子量が20万以上のジメチルポリシロキサンとオクチルア
クリルアミド・アクリル樹脂とを配合した皮膚保護剤組
成物(実施例3〜6)では、ジメチルポリシロキサンと
オクチルアクリルアミド・アクリル樹脂との配合比が重
量比で100:0.5〜10:100の以外の範囲であ
る皮膚保護剤組成物(比較例4〜7)と比べると、塗布
時の使用感や肌荒れ回復に効果があることが判る。表11
の結果から明らかな如く、分子量の大きいジメチルポリ
シロキサンを配合したものほど、使用感や肌はれ回復に
対して優れた効果を示すことが判る。 【0024】 【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は平均分子
量が20万以上のジメチルポリシロキサンとオクチルア
クリルアミド・アクリル樹脂とが必須成分として重量比
で100:0.5〜10:100含有されてなることを
特徴とする皮膚保護剤組成物であるから、前記実施例、
試験例の結果からも明らかな如く、皮膚表面に塗布して
もべたつき感や突っ張り感などの不快感がなく、しかも
水流や洗剤溶液など外界の刺激による抵抗性が強く、こ
れら刺激によって容易に洗い流されたりすることがない
ため、水仕事や薬剤施術による肌荒れから皮膚を良好に
保護することができる皮膚保護剤となる優れた効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 延規 大阪市中央区十二軒町5番15号 株式会 社マンダム中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−151314(JP,A) 特開 平5−262618(JP,A) 特表 平6−505504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 CA(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均分子量が20万以上のジメチルポリ
    シロキサンとオクチルアクリルアミド・アクリル樹脂と
    が必須成分として含有されてなり、前記ジメチルポリシ
    ロキサンとオクチルアクリルアミド・アクリル樹脂との
    配合量が重量比で100:0.5〜10:100とされ
    なることを特徴とする皮膚保護剤組成物。
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