JP3398265B2 - タンピング施工方法 - Google Patents

タンピング施工方法

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JP3398265B2
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恭男 森川
美治 松村
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大淀ヂーゼル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レール道床表面に
蒔いた砂利をレール内外両側から枕木下方に入り込ませ
て突き固めるタンピング施工方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】鉄道のレールはその下の道床に砂利(バ
ラス)を敷き詰めて緩衝作用を持たせ、電車等の動揺を
除去して乗り心地を良くし、且つ、レールや車両の傷み
軽減及び速度アップを図っているが、上記砂利道床は古
くなると、緩衝作用が低下するため、定期的に道床に砂
利を補充している。その際、レール道床表面に蒔いた当
初の砂利は枕木下方まで入り込まず、弛みが生じるた
め、それをレール内外両側から枕木下方に入り込ませて
突き固めるタンピング施工を実施する必要がある。上記
タンピング施工に際しては、つるはしで人為的に作業し
ていた初期の頃から現在では安全性、作業効率等の向上
及び経費や労力の削減を図るため、マルチプルタイタン
パと称する保守機械による機械的作業に移行してきてお
り、そのタンピング施工方法の一例を図5〜図9を参照
して次に示す。まず図5(a)はレール(R)上を走行
するタンピング車両(レール保線機械)(C)の一例を
示し、そのフレーム下部にタンピングユニット(1)が
搭載されてレール(R)上を移動する。 【0003】上記タンピングユニット(1)は、図5
(b)に示すように、突き固め作業用タンピング治具
(2)…を各枕木(T)を挟んで、且つ、レール(R)
片側の内外両側に各2列ずつ、従って、一本の枕木
(T)につきレール(R)片側で通常8本、左右両側で
16本、砂利道床に挿入可能に設けたものである。又、タ
ンピング治具(2)は、図6(a)に示すように、長さ
(Lo)が約420〜425mの2本の突き固め作業用
タンピングツール(3)(3)を支持アーム(4)の根
元部に取り付け・保持したもので、それを上述のように
枕木(T)を挟んで一対ずつ略平行に対向配置する。
尚、図7に示すユニット例では、一対のものを2列に配
置し、隣り合う枕木(Ta)(Tb)を2本一度に突き固め
る2丁突きダブル構造を示しており、図示しないが、一
列に配置した一丁突きシングル構造のものもある。そし
て、図7に示すように、ユニット全体を下降させてタン
ピングツール(3)を砂利道床の枕木(Ta)(Tb)の下
方、例えばツール下端面が枕木下面から約80cmの深
さに到達するまで挿入する。且つ、タンピングツール
(3)自体を振動させつつモータ(M)によって軸
(5)を中心に連続的に枕木(Ta)(Tb)に対して開閉
揺動させ、対向するタンピングツール(3)により枕木
(Ta)(Tb)の下のツール先端間の砂利を抱き抱えるよ
うにして突き固める。又、タンピングツール先端間の開
度はシリンダ(6a)(6b)によって調整し、タンピング
ユニット(1)の全体は車台と共に昇降用シリンダ
(7)によって垂直方向に上下動される。 【0004】この時、レール(R)には直線部だけでな
く、右及び左カーブ部等があり、車両がカーブ部等で遠
心力で外に力が加わるのを抑制して安全に走行出来るよ
うにカーブ部で左右レール(R)に勾配を設けている。
更に、図8に示すように、車両の速度アップに伴い、レ
ール(R)に対する力を抑制するため、レール(R)の
内側に脱線防止用ガードレール(G)を配設してレール
(R)とガードレール(G)との間を車輪が通過するよ
うにしている箇所がある。尚、(W)はガードレール保
持金具で、ガードレール(G)と共にパッド(P)を介
してレール(R)が埋設される。 【0005】そうすると、タンピング治具(2)による
施工時、特にカーブ部においてタンピングツール(3)
及び支持アーム(4)のガードレール側がガードレール
(G)と干渉し、特にレール内側2列の内、一列のタン
ピング治具(2)が使用不能になる。そのため、従来、
タンピング治具(2)により施工する際、カーブ部にお
いてガードレール(G)を一旦、撤去し、施工終了後に
元の位置に復旧していた。或いは、タンピング治具
(2)をレール内側で片側一列(両側2列)にして、一
台のタンピング車両(C)でレール直線部及びカーブ部
を施工する。 【0006】又は、図6(c)に示すように、図6
(a)の点線部分(M)に沿って支持アーム(4)の根
元部の片側を削り取って支持アーム(4c)を形成する。
そして、図9に示すように、一個の支持アーム(4c)に
つき一本のタンピングツール(3)を取り付け・保持し
たタンピング治具(2c)によりレール内側の片側2列
(両側4列)でレール直線部とカーブ部を一台のタンピ
ング車両(C)にてタンピング施工する。 【0007】或いは、図6(b)に示すように、支持ア
ーム(4)の片側を斜めに削り取って支持アーム(2b)
を形成する。そして、同様に一個の支持アーム(4b)に
つき一本のタンピングツール(3)を保持したタンピン
グ治具(2b)によりレール内側の片側2列で一台のタン
ピング車両(C)でレール直線部とカーブ部をタンピン
グ施工しても良い。この場合、図6(c)に示すタンピ
ング治具(2c)の支持アーム(4c)に比し支持アーム
(4b)の機械的強度の方がやや大きくなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、レール(R)のカーブ部におけるタンピング施工の
際、ガードレール(G)の撤去及び復旧作業が面倒で労
力及び復旧時間が掛かり、且つ、コストも増加し、更
に、タンピング治具(2)をレール内側で一列にして一
台の車両でレール直線部及びカーブ部を施工した場合、
タンピング能力が低下して施工時間が増大する点であ
る。又、支持アーム(4)の片側を削り取ったタンピン
グ治具(2b)(2c)の場合、支持アーム(4b)(4c)の
機械的強度が低下し、且つ、タンピングツール数が大幅
に減少するため、前記同様、タンピング能力及び作業効
率が低下して施工時間が増大するという不具合がある。
そこで、本発明はレール(R)の直線部及びカーブ部で
ガードレール(G)の撤去及び復旧作業を不要にし、且
つ、支持アームの機械的強度及びツール数の低下を防止
したタンピング施工方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、タンピング施
工方法としてレール道床表面に砂利を蒔いた後、複数の
タンピングツールを支持アームに取り付け・保持したタ
ンピング治具によりレール内外両側から多列でタンピン
グ施工し、枕木下方に砂利を入り込ませて突き固めるに
あたり、上記タンピングツール長を施工時にカーブ部の
レール内側に配設した脱線防止用ガードレールの頭部を
越える長さに設定して支持アームとガードレールとの干
渉を防止し、レール直線部で全タンピングツールを支持
アームに取り付け・保持して施工すると共に、カーブ部
で上記ガードレールと干渉するタンピングツールを支持
アームから選択的に取り外して施工することを特徴と
し、又、タンピング治具としてレール道床表面に蒔いた
砂利をレール内外両側から多列でタンピング施工して枕
木下方に入り込ませて突き固めるタンピングツールを複
数本、支持アームに取り付け・保持したタンピング治具
において、上記タンピングツール長を施工時にカーブ部
のレール内側に配設した脱線防止用ガードレールの頭部
を越える長さに設定して支持アームとガードレールとの
干渉を防止したことを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明に係るタンピング施工方
実施の形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。
まず図1はタンピング施工時の本発明に係るタンピング
治具(8)の正面図、図2(a)(b)(c)は本発明
に係るタンピングツール(9a)の正面図と平面図とA−
A線側断面図、図3(a)(b)(c)は本発明に係る
タンピングツール(9b)の正面図と平面図とB−B線各
側断面図を示す。本発明の特徴は、図1に示すように、
タンピングツール長(L)をタンピング施工時に脱線防
止用ガードレール(G)の頭部を越える長さに設定した
ことで、例えば図2及び図3各(a)(b)に示すタン
ピングツール長(L)を従来の約420mから535
まで長くする。これにより、図1に示すように、タ
ンピングツール(9)を支持アーム(10)に取り付け・
保持した時、タンピング施工時に支持アーム(10)がレ
ール(R)のカーブ部でガードレール(G)の頭部を越
えて上方にずれ、支持アーム(10)とガードレール
(G)との干渉を防止する。 【0011】例えば図4に示すように、枕木(Ta)(T
b)を2丁突きするダブル構造の場合、図4のハッチン
グ部分(Ha)に示すタンピングユニット(11)のカーブ
部の内側各一列において、図1に示すように、ガードレ
ール(G)と干渉するタンピングツール(9)を支持ア
ーム(10)から各一本ずつ選択的に取り外して施工す
る。尚、実際には、図1に示すように、レール外側でも
ガードレール取り付け具(Q)があるため、図4のハッ
チング部分(Hb)に示すように、その部分で干渉するタ
ンピングツール(9)を支持アーム(10)から取り外し
ておく。更に、ツール同士、干渉し合う場合、例えばタ
ンピング治具(8a)(8b)等に示すように、その各配設
位置をずらせておく。 【0012】上記構成によれば、タンピング施工の際、
レール(R)の直線部で全タンピングツール(9)…を
支持アーム(10)に取り付け・保持して施工する。一
方、カーブ部でガードレール(G)と干渉するタンピン
グツール(9)を選択的に取り外して施工し、直線部及
びカーブ部共に一台のタンピング車両(C)により連続
的に施工出来る。そうすると、レール直線部で2本のタ
ンピングツール(9)を有するタンピング治具(8)の
全タンピングツール(9)を用いて施工出来るため、タ
ンピング能力及び作業効率が向上して施工時間を短縮出
来る。又、カーブ部ではタンピングツール(9)を支持
アーム(10)から選択的に取り外すだけで良いため、ガ
ードレール(G)の撤去及び復旧作業が不要になって作
業が簡略化され、同様に施工時間を大幅に短縮出来る。
又、支持アーム(10)の取り付け部を斜めに削り取らな
くても良いため、支持アーム(10)の機械的強度低下を
防止出来る。又、枕木下方にタンピングツール(9)を
挿入する深さを随時、大きくしてタンピング能力を向上
させることが出来る。 【0013】 【発明の効果】本発明によれば、レール道床表面に蒔い
た砂利を複数のタンピングツールを支持アームに取り付
け・保持したタンピング治具によりレール内外両側から
多列でタンピング施工し、枕木下方に砂利を入り込ませ
て突き固める際、タンピングツール長を施工時にカーブ
部のレール内側に配設した脱線防止用ガードレールの頭
部を越える長さに設定して支持アームとガードレールと
の干渉を防止し、レール直線部で全タンピングツールを
支持金具に取り付け・保持して施工すると共に、カーブ
部でガードレールと干渉するタンピングツールを支持ア
ームから選択的に取り外して施工したから、ガードレー
ルを取り外すことなく、一台のタンピング車両によりレ
ール直線部及びカーブ部をタンピング施工出来、且つ、
タンピングツール数の大幅な減少及び支持アームの機械
的強度低下を防止出来るため、タンピング能力及び作業
効率が向上し、タンピング施工時間を大幅に短縮出来
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るタンピング施工方法の実施の形態
を示す要部正面図である。 【図2】(a)(b)(c)は本発明に係るタンピング
ツールの実施例を示す正面図と平面図とA−A線側断面
図である。 【図3】(a)(b)(c)は本発明に係るタンピング
ツールの他の実施例を示す正面図と平面図とB−B線側
断面図である。 【図4】本発明に係るタンピング施工方法の実施例を示
すタンピング治具の配置図である。 【図5】(a)はタンピング車両の一例を示す側面図で
ある。(b)は従来のタンピングユニットタンピング治
具の配置例を示す平面図である。 【図6】(a)(b)(c)は従来のタンピング治具の
各具体例を示す要部正面図である。 【図7】従来のタンピングユニット例を示す2丁突きダ
ブル構造の側面図である。 【図8】レールのカーブ部に配設した脱線防止用ガード
レールの正面図である。 【図9】図6(c)に示す従来のタンピング治具による
タンピング施工例を示す正面図である。 【符号の説明】 8 タンピング治具 9 タンピングツール 10 支持アーム L タンピングツール長 G 脱線防止用ガードレール R レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平1−35961(JP,B2) 実公 昭61−26401(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 27/12 - 27/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 レール道床表面に砂利を蒔いた後、複数
    のタンピングツールを支持アームに取り付け・保持した
    タンピング治具によりレール内外両側から多列でタンピ
    ング施工し、枕木下方に砂利を入り込ませて突き固める
    にあたり、上記タンピングツール長を施工時にカーブ部
    のレール内側に配設した脱線防止用ガードレールの頭部
    を越える長さに設定して支持アームとガードレールとの
    干渉を防止し、レール直線部で全タンピングツールを支
    持アームに取り付け・保持して施工すると共に、カーブ
    部で上記ガードレールと干渉するタンピングツールを支
    持アームから選択的に取り外して施工することを特徴と
    するタンピング施工方法。
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