JP3396298B2 - 濾過脱塩装置 - Google Patents

濾過脱塩装置

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JP3396298B2 JP16131894A JP16131894A JP3396298B2 JP 3396298 B2 JP3396298 B2 JP 3396298B2 JP 16131894 A JP16131894 A JP 16131894A JP 16131894 A JP16131894 A JP 16131894A JP 3396298 B2 JP3396298 B2 JP 3396298B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、供試流体を濾過・脱塩
し浄化を行う濾過脱塩装置に係わり、特に、粒子が付着
した状態のエレメントに供試流体を通じて濾過・脱塩を
行う濾過脱塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、粒子を用いて供試流体を濾過・
脱塩する濾過脱塩装置においては、浄化の前に、樹脂な
どの粒子を含む流体を容器に供給し、樹脂の粒子をエレ
メントの表面に付着させて樹脂層を形成するプリコ−ト
を行なう。このプリコ−ト過程においては、樹脂層によ
るイオン交換容量をより多く確保する観点から、容器内
のすべてのエレメントに樹脂粒子をなるべく均一に付着
させる必要がある。
【0003】樹脂粒子をエレメントに均一に付着させる
構成を備えた濾過脱塩装置の公知技術例として、例え
ば、以下のものがある。 特開昭59−139989号公報 この公知技術は、容器内へ供給した流体を循環させて容
器内上部における速度を増加させることにより、エレメ
ント上部における樹脂粒子の付着を向上させ、付着の均
一化を図るものである。
【0004】特開昭62−106888号公報 この公知技術は、容器内に多孔整流板を設け、エレメン
ト下端における局所的な高流速をなくして速度分布を均
一化することにより、樹脂粒子の付着の均一化を図るも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題が存在する。すなわち、公知技術
においては、エレメント上部での樹脂層の厚さを増加
させることによってエレメントの上下方向における付着
を均一化することが主眼とされており、径方向に多数配
置された複数のエレメント相互間における樹脂層の厚さ
の均一化、すなわち径方向への付着の均一化については
あまり配慮されていない。よって、装置全体のイオン交
換容量の増大効果が不十分であった。
【0006】また、公知技術は、整流板を用いて径方
向の速度分布を均一にすることにより、径方向への付着
の均一化にも配慮されている。しかしこの整流板によれ
ば巨視的な速度均一化は図られるものの、開口部では流
体が加速される一方で開口部でない部分では流体の速度
が0となって新たに微視的な速度の不均一が生じてい
る。そしてこの公知技術においては整流板とエレメン
トとの距離が短いので、この微視的な速度の不均一は解
消されずエレメント下端での均一化は十分でない。すな
わち、この公知技術を適用した場合、径方向速度を十
分に均一化して径方向への粒子付着を均一化しイオン交
換容量を十分増大させるには、整流板とエレメントとの
間に十分な混合距離を取る必要が生じるので、容器を上
下方向に大型化しなければならなかった。
【0007】ところでまた、一般に、容器壁面の影響等
により径方向のすべての位置において速度分布を完全に
均一化することは困難である。したがって、径方向の速
度分布が局所的にある程度不均一であったとしても全体
としてイオン交換容量を増大できるような構成があれば
濾過脱塩装置の構成として好ましいが、公知技術を含
み従来の濾過脱塩装置においては、かかる点について特
に考慮されていなかった。
【0008】本発明の第1の目的は、全体のイオン交換
容量を十分に増大できる濾過脱塩装置を提供することで
ある。
【0009】本発明の第2の目的は、容器を上下方向に
大型化せずプリコート過程での供給流体の径方向の速度
分布を均一化し、複数のエレメント相互間における樹脂
層の厚さ分布を均一化することにより、全体のイオン交
換容量を十分に増大できる濾過脱塩装置を提供すること
である。
【0010】本発明の第3の目的は、プリコート過程に
おける供給流体の径方向の速度分布が局所的にある程度
不均一であっても、複数のエレメント相互間における樹
脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容量を十
分に増大できる濾過脱塩装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明の第1の概念によれば、容器
と、前記容器内に配置され濾過・脱塩機能を備えた粒子
を付着させる複数のエレメントと、前記粒子を含む流体
を前記容器内に導く流体供給管と、前記容器内の前記複
数のエレメントの下方に略水平方向に配置され前記流体
供給管からの流体を前記容器内に流出させる第1の流体
整流器とを有し、浄化する供試流体を前記粒子が付着し
た状態の前記複数のエレメントに通じることにより前記
供試流体の浄化を行なう濾過脱塩装置において、前記第
1の流体整流器は、前記粒子を含む流体を前記容器内に
分散して流出させる複数の第1の流出口を備えており、
その複数の第1の流出口は、開口面積の合計が前記容器
の水平方向横断面積の0.049倍以上0.14倍以下で
あるとともに、前記粒子を含む流体の全流量の少なくと
も50%以上を水平方向より下向きに流出させることを
特徴とする濾過脱塩装置が提供される。
【0012】好ましくは、前記濾過脱塩装置において、
前記複数の第1の流出口の開口面積の合計は、前記容器
の水平方向横断面積の0.07倍であることを特徴とす
る濾過脱塩装置が提供される。
【0013】また上記第1及び第2の目的を達成するた
めに、本発明の第2の概念によれば、容器と、前記容器
内に配置され濾過・脱塩機能を備えた粒子を付着させる
複数のエレメントと、前記粒子を含む流体を前記容器内
に導く流体供給管と、前記容器内の前記複数のエレメン
トの下方に略水平方向に配置され前記流体供給管からの
流体を前記容器内に流出させる第1の流体整流器とを有
し、浄化する供試流体を前記粒子が付着した状態の前記
複数のエレメントに通じることにより前記供試流体の浄
化を行なう濾過脱塩装置において、前記第1の流体整流
器は、前記粒子を含む流体を前記容器内に分散して流出
させる複数の第1の流出口を備えており、その複数の第
1の流出口は、プリコート過程におけるすべての第1の
流出口の流出速度を平均した平均流出速度は0.27m
/s以上0.75m/s以下であるとともに、前記粒子
を含む流体の全流量の少なくとも50%以上を水平方向
より下向きに流出させることを特徴とする濾過脱塩装置
が提供される。
【0014】好ましくは、前記濾過脱塩装置において、
前記複数の第1の流出口は、前記流出する流体の平均流
出速度が0.5m/sであることを特徴とする濾過脱塩
装置が提供される。
【0015】また好ましくは、前記濾過脱塩装置におい
て、前記第1の流体整流器は、プリコート過程での前記
流体の前記エレメント下端での平均上昇速度が0.01
9m/s以上0.053m/s以下となるように、前記
流体を流出させることを特徴とする濾過脱塩装置が提供
される。
【0016】さらに好ましくは、前記濾過脱塩装置にお
いて、前記複数のエレメントのそれぞれは、中心軸が略
鉛直方向となるように配置されており、かつ上端近傍に
設けられ下方から導かれた流体の通過が阻まれる流入防
止領域を有することを特徴とする濾過脱塩装置が提供さ
れる。
【0017】また好ましくは、上記第1〜第3の目的を
達成するために、前記濾過脱塩装置において、前記複数
のエレメントのそれぞれの下端に設けられた流線形の整
流部材をさらに有し、かつ、前記複数のエレメントのそ
れぞれは中心軸が略鉛直方向となるように配置されてい
ることを特徴とする濾過脱塩装置が提供される。
【0018】さらに好ましくは、前記濾過脱塩装置にお
いて、前記容器の水平方向横断面形状は円形であり、前
記複数のエレメントのそれぞれは、中心軸が略鉛直方向
となるように配置され、前記中心軸と前記容器の鉛直方
向の中心軸との距離が前記円形横断面の半径の0.87
5倍以下であるように配置されていることを特徴とする
濾過脱塩装置が提供される。
【0019】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明の第3の概念によれば、容器と、前記容器
内に配置され濾過・脱塩機能を備えた粒子を付着させる
複数のエレメントと、前記粒子を含む流体を前記容器内
に導く流体供給管と、前記容器内の前記複数のエレメン
トの下方に略水平方向に配置され前記流体供給管からの
流体を前記容器内に流出させる第1の流体整流器とを有
し、浄化する供試流体を前記粒子が付着した状態の複数
のエレメントに通じることにより前記供試流体の浄化を
行なう濾過脱塩装置において、前記第1の流体整流器
は、前記粒子を含む流体を前記容器内に分散して流出さ
せる複数の第1の流出口を備えており、前記複数のエレ
メントのそれぞれは中心軸が略鉛直方向になるように配
置されるとともに、それぞれのエレメントの中心軸と前
記容器の鉛直方向の中心軸との距離が前記容器の半径の
0.875倍以下であるように配置されていることを特
徴とする濾過脱塩装置が提供される。
【0020】好ましくは、前記濾過脱塩装置において、
前記流体供給管に接続され少なくとも一部分が前記第1
の流体整流器に取り囲まれるようにその第1の流体整流
器の内側に配置された第2の流体整流器をさらに有し、
その第2の流体整流器は前記流体供給管から供給された
流体を前記第1の流体整流器の内部に流出させる複数の
第2の流出口を備えており、前記複数の第1の流出口の
開口面積の合計は、前記複数の第2の流出口の開口面積
の合計よりも大きいことを特徴とする濾過脱塩装置が提
供される。
【0021】また好ましくは、前記濾過脱塩装置におい
て、前記複数の第1の流出口は、前記粒子を含む流体を
水平方向及び水平より上向きの方向のうち少なくとも一
方に流出させる複数の上方流出口と、前記粒子を含む流
体を水平方向より下向きの方向に流出させる複数の下方
流出口とを備えており、その複数の下方流出口から流出
する前記粒子を含む流体の全流量は、前記上方流出口か
ら流出する全流量よりも多いことを特徴とする濾過脱塩
装置が提供される。
【0022】さらに好ましくは、前記濾過脱塩装置にお
いて、前記複数の第1の流出口のそれぞれは、スリット
及び孔のうち少なくとも一方であることを特徴とする濾
過脱塩装置が提供される。
【0023】
【作用】以上のように構成した本発明の第1の概念の濾
過脱塩装置においては、第1の流体整流器に備えられた
複数の第1の流出口で流体供給管からの流体を容器内に
分散して流出させることにより、容器内に流体が分散さ
れて供給されるので、流体供給管から直接容器へ供給す
る場合よりも、容器内の巨視的な径方向の速度分布が生
じにくい。またこの複数の第1の流出口の開口面積の合
計が、容器の水平方向横断面積の0.049倍以上0.1
4倍以下であることにより、0.049倍未満の場合の
ように、第1の流出口での流出速度が過大となって流出
した流体が容器の壁に衝突して上昇し壁近傍での流体速
度が過大になることがなく、また0.14倍を超える場
合のように、第1の流出口での流出速度が過小となって
流体が容器の壁まで届きにくく壁近傍での流体速度が過
小になることがない。よってエレメント下端における流
体の巨視的な径方向の速度分布を均一化することができ
る。またこのとき、粒子を含む流体の全流量の少なくと
も50%以上を水平方向より下向きに流出させることに
より、これら50%以上の流体が第1の流出口から水平
より下向きに流出した後、容器の下壁に衝突・反転して
から上昇するので、第1の流出口からエレメント下端ま
での流体の混合距離を長くとることができる。よって従
来技術を適用する場合のように容器を上下方向に大型化
することなく、エレメント下端における微視的な径方向
の速度分布を均一化することができる。
【0024】また、複数の第1の流出口の開口面積の合
計は、容器の水平方向横断面積の0.07倍であること
により、径方向の巨視的な速度分布を最も均一化できる
手段を実現できる。
【0025】さらに、本発明の第2の概念の濾過脱塩装
置においては、第1の流体整流器に備えられ、粒子を含
む流体を容器内に分散して流出させる第1の流出口の平
均流出速度が、0.27m/s以上0.75m/s以下で
あることにより、0.27m/s未満の場合のように、
第1の流出口での流出速度が過小となって流体が容器の
壁まで届きにくく壁近傍での流体速度が過小になること
がなく、また0.75m/sを超える場合のように、第
1の流出口での流出速度が過大となって流出した流体が
容器の壁に衝突して上昇し壁近傍での流体速度が過大に
なることがない。よってエレメント下端における流体の
径方向の巨視的速度分布を均一化することができる。ま
たこのとき、粒子を含む流体の全流量の少なくとも50
%以上を水平方向より下向きに流出させることにより、
これら50%以上の流体が第1の流出口から水平より下
向きに流出した後、容器の下壁に衝突・反転してから上
昇するので、第1の流出口からエレメント下端までの流
体の混合距離を長くとることができる。よって従来技術
を適用する場合のように容器を上下方向に大型化するこ
となく、エレメント下端における径方向の微視的な速度
分布を均一化できる。
【0026】また、複数の第1の流出口は、流出する流
体の平均流出速度が0.5m/sであることにより、径
方向の巨視的な速度分布を最も均一化できる手段を実現
できる。さらに、第1の流体整流器は、流体のエレメン
ト下端での平均上昇速度が0.019m/s以上0.05
3m/s以下となるように、流体を流出させることによ
り、径方向の巨視的な速度分布を均一化できる手段を実
現できる。また、複数のエレメントのそれぞれは、中心
軸が略鉛直方向に配置され、上端近傍に設けられ下方か
ら導かれた流体の通過が阻まれる流入防止領域を有す
る。これにより、エレメント上端にまで流入領域となっ
ていた従来のように、容器の壁面に沿った流れがエレメ
ント上方の管板に衝突した後に生じる水平方向流れを阻
害しない。
【0027】さらに、複数のエレメントのそれぞれは、
中心軸が略鉛直方向に配置されるとともに、下端に流線
形の整流部材を有することにより、エレメント下端にお
ける渦の発生と流れの剥離を防止できる。
【0028】また、容器の水平方向横断面形状は円形で
あり、複数のエレメントのそれぞれは中心軸が略鉛直方
向に配置され、その中心軸と容器の鉛直方向の中心軸と
の距離が円形横断面の半径の0.875倍以下であるこ
とにより、容器中心から最も外側に配置されたエレメン
トの中心軸が、容器の壁面から容器半径の0.125倍
以上の距離だけ離れることとなり、径方向の巨視的な速
度分布が不均一になりやすい容器の壁近傍におけるエレ
メントの設置が避けられることとなる。
【0029】さらに、流体供給管に接続された第2の流
体整流器が、少なくとも一部分が第1の流体整流器に取
り囲まれるように第1の流体整流器の内側に配置され、
かつ第2の流出口で第1の流体整流器の内部に流体を流
出させることにより、流体供給管から供給された流体は
第2の整流器で整流された後に第2の流出口から第1の
整流器内に流出し、そして第1の整流器内で整流された
後に第1の流出口から容器内に流出する。またこのとき
第1の流出口の開口面積の合計が第2の流出口の開口面
積の合計よりも大きいことにより、第1の流出口で一旦
加速された流体が第2の流出口で減速される。よって第
1の整流器のみの場合に比し、容器内の巨視的な径方向
の速度分布がより生じにくい。
【0030】また、複数の第1の流出口は、粒子を含む
流体を水平方向及び水平より上向きの方向のうち少なく
とも一方に流出させる複数の上方流出口と、粒子を含む
流体を水平方向より下向きの方向に流出させる複数の下
方流出口とを備えており、その複数の下方流出口から流
出する粒子を含む流体の全流量は、上方流出口から流出
する全流量よりも多いことにより、粒子を含む流体の全
流量の少なくとも50%以上を水平方向よりも下向きに
流出させる手段を実現できる。
【0031】さらに、複数の第1の流出口のそれぞれ
は、スリット及び孔のうち少なくとも一方であることに
より、粒子を含む流体を容器内に分散して流出させる手
段を実現できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図7により説
明する。本発明の第1の実施例を、図1〜図5により説
明する。本実施例の濾過脱塩装置50の縦断面を図1に
示す。図1において、濾過脱塩装置50は、水平横断面
形状が半径r=0.5m、面積Ad=0.79m2の円形
である容器11と、容器11内に配置され、濾過・脱塩
機能をもつ樹脂等の粒子(例えば粒径dp=60μm)
を付着させる複数のエレメント12と、容器11の上方
に設けられてエレメント12の上部に固定される管板1
3と、粒子を含む流体を容器11内に導く流体供給管1
4と、容器11内のエレメント12の下方に略水平方向
に配置され流体供給管14からの流体を容器11内に流
出させる流体整流機構20と、容器11の上部に接続さ
れた流出管15と、容器11の下部に接続された排出管
16とを有する。
【0033】流体整流機構20の詳細構造を図2に示
す。流体整流機構20は、容器11内に粒子を含む流体
を水平より下向きに分散して流出させる第1の流出口2
4を備えた第1の流体整流器22と、流体供給管14か
ら供給された流体を第1の流体整流器22の内部に流出
させる複数の第2の流出口23を備えた第2の流体整流
器21とを有する。
【0034】第1の流体整流器22は直径0.17mの
略半円筒構造であり、700個の第1の流出口24が下
面に設けられている。また第1の流出口24のそれぞれ
は直径1cmの円形の孔であり、これら第1の流出口2
4の開口面積の合計An1=0.055m2となるよう
に、またプリコート過程におけるすべての第1の流出口
24の流出速度を平均した平均流出速度Vn1=0.5m
/sであるように構成されている。なおこの場合、第1
の流体整流器22の第1の流出口24の開口率は約22
%であり、強度上の問題はない。
【0035】第2の流体整流器21は流体供給管14に
接続されており、流体供給管14の直径及び第2の流体
整流器21の直径はともに0.1mである。また第2の
流体整流器21は、下方部分が第1の流体整流器22に
取り囲まれるように第1の流体整流器22の内側に配置
されている。また第2の流体整流器21の複数の第2の
流出口23のそれぞれは、幅1cm、長さ10.5cm
の軸に垂直な方向のスリットであり、これらが5cm間
隔で軸方向に17個配列されている(図1参照)。そし
てこれら第2の流出口23の開口面積の合計An2=0.
018m2であり、すべての第2の流出口23の流出速
度を平均した平均流出速度Vn2=1.5m/s(すなわ
ち第1の流出口24からの平均流出速度Vn1の3倍)
であるよう構成されている。すなわち、第2の流出口2
3の開口面積の合計An2は、第1の流体整流器22の
複数の第1の流出口24の開口面積の合計An1=0.0
55m2よりも小さくなっている。
【0036】図1に戻り、複数のエレメント12のそれ
ぞれは、中心軸が略鉛直方向となるように配置されてい
る。また一般に、エレメント12の上端は流体と粒子が
到達しにくいことから、プリコート過程においては容器
11の壁面に沿った上昇速度の大きな流れ(後述する図
5参照)によって樹脂粒子が輸送され、管板13に衝突
した後の水平方向流れによってエレメント12表面に樹
脂が付着する。そこでこの挙動を考慮し、エレメント1
2の上端近傍の管板13側には、下方から導かれた流体
の通過が阻まれる円管構造の流入防止部12Aが設けら
れている。これにより、エレメント12の上端まで流入
部分が存在していた従来のように、水平方向流れが管板
13によって阻害されエレメント12上端への樹脂の付
着が低下することがない。なお流入防止部12Aの長さ
は、水平方向流れが管板13によって阻害される範囲で
あるから、例えばエレメント12の直径の0.5〜1倍
以上とすればよい。
【0037】また、流体の速度分布が不均一になりやす
いそれぞれのエレメント12の下端には、流線形の端栓
31が設けられている。これにより、エレメント12下
端における渦の発生と流れの剥離を防止する。よってエ
レメント12に一旦付着した樹脂粒子の剥離を防止で
き、必要となる径方向の速度分布均一化の程度が緩和さ
れるので、径方向の速度分布がある程度不均一であって
も、その不均一性を緩和し、複数のエレメント相互間に
おける樹脂層の厚さ分布をより均一化できる効果があ
る。
【0038】さらに、全てのエレメント12の中心軸
は、容器11の中心軸との距離が0.4375m以下と
なるように配置されている。すなわち、最外周のエレメ
ント12a,bの中心軸は、容器11の壁面から0.0
625m以上離れていることになる。
【0039】以上、本実施例の濾過脱塩装置50におい
ては、第1の流出口24の開口面積の合計An1=0.0
55m2、容器11の水平横断面積Ad=0.79m2
あり、これらの面積比An1/Ad=0.055/0.7
9≒0.07である。また第1の流出口24からの平均
流出速度Vn1=0.5m/sである。さらに、プリコ−
ト過程における容器11内のエレメント12下端での流
体の平均上昇速度VdはVd=(An1/Ad)×Vn1
で表されるが、上述したようにAn1/Ad=0.07で
あり、Vn1=0.5m/sであるので、平均上昇速度V
d=0.035m/sである。また、容器11の水平方
向円形横断面の半径r=0.5mであり、全てのエレメ
ント12の中心軸は容器11の中心軸との距離が0.4
375m以下となっているので、すなわちエレメント1
2の中心軸は容器11の中心軸との距離が0.875
(=0.4375/0.5)r以下となっている。
【0040】上記の濾過脱塩装置50の構成による浄化
動作を以下に説明する。まず、流体供給管14を介し導
かれた樹脂等の粒子を含む流体が流体整流機構20によ
って容器11内に供給され、粒子をエレメント12の表
面に付着させ樹脂層を形成する(プリコ−ト過程)。こ
のとき、エレメント12を通過した流体は容器11の上
部に接続された流出管15から流出する。
【0041】プリコ−ト終了後、流体供給管14を介し
導かれた浄化すべき供試流体が流体整流機構20によっ
て容器11に供給され、粒子が付着し樹脂層を形成した
状態のエレメント12を通過する。これによって、供試
流体中に含まれる不純物の捕獲・イオン交換が行なわれ
る(浄化過程)。この浄化過程によって浄化された流体
は流出管15から流出する。そして、長期間の上記した
ような浄化運転によって樹脂層の性能が劣化した場合に
は、流出管15から流体を供給し、エレメント12に付
着している樹脂とともに容器11の下部に接続された排
出管16から排出する(逆洗過程)。
【0042】一般に、濾過脱塩装置においては、上記し
たようなプリコ−ト・浄化・逆洗の過程が繰り返される
が、樹脂層におけるイオン交換容量の増加・性能向上を
図るためには、プリコ−ト過程においてエレメント12
の表面に樹脂等の粒子を均一に付着させることが必要で
ある。
【0043】本実施例はかかる必要性に基づき、プリコ
ート過程時の複数のエレメント12相互間における樹脂
層の厚さ分布を均一化し、これによって全体のイオン交
換容量を十分に増大できる濾過脱塩装置50を提供する
ものである。以下、このことを図3〜図5により説明す
る。
【0044】(1)第1の流出口の開口面積の適正化 プリコート過程時において、複数のエレメント12相互
間における樹脂層の厚さ分布を均一化するための方法と
しては、エレメント12下端における流体の径方向の速
度分布を均一化することが考えられる。そしてこの流体
の径方向の速度分布に影響を与える因子として、第1の
流体整流器22の第1の流出口24の開口面積の相対的
大きさが考えられる。すなわち、この開口面積が小さい
ほど流体は絞られて加速され、開口面積が大きいほど速
度は小さくなる。本願発明者等は、第1の流出口24の
開口面積の合計Anと容器11の水平横断面積Adとの
面積比(An/Ad)と、濾過脱塩装置50のイオン交
換容量との関係を検討し、図3に示す結果を得た。
【0045】図3は、本実施例の濾過脱塩装置50と同
様の構造の濾過脱塩装置を用い(以下、同等の部材を濾
過脱塩装置50と同一の符号で称する)、容器11の水
平方向横断面積Adを一定に固定する一方、第1の流出
口24の開口面積Anが異なる多数の整流機構20を用
意してこれらを適宜取り替えて使用し、Anを変化させ
て面積比(An/Ad)を0.045〜0.165まで変
化させ、第1の流出口24からの平均流出速度Vn1
0.50m/sの条件でそれぞれの場合におけるイオン
交換容量を測定したものである。その他の構造・測定条
件は本実施例の濾過脱塩装置50と同様である。なお、
縦軸に表しているイオン交換容量はある所定期間イオン
交換を行わずに浄化運転できる能力を表し、顧客要求値
の約1.3倍に設定される設計目標値を1.0とした場合
の相対値で表している。
【0046】図3において、面積比(An/Ad)を
0.045から増加させていくとイオン交換容量は約0.
8から急激に増大し、(An/Ad)=0.049でイ
オン交換量は1.0となり、さらに(An/Ad)=0.
07でイオン交換容量は約1.3(顧客要求値の約1.7
倍)となって最大となる。(An/Ad)がこれより大
きくなるとイオン交換容量は次第に減少に転じ(An/
Ad)=0.14でイオン交換容量は再び1.0となり、
(An/Ad)>0.14ではイオン交換容量はさらに
減少する。
【0047】図3より、(An/Ad)=0.049〜
0.14の範囲でイオン交換容量が1.0以上となって
おり、これ以外の範囲ではイオン交換容量は1.0を下
回っている。すなわち、いずれの範囲であっても、流体
供給管14からの流体は第2の整流器21の第2の流出
口23及び第1の整流器22の第1の流出口24を介し
て分散されて容器11に供給されることと、第1の流出
口24の開口面積An1は第2の流出口23の開口面積
An2の2.0〜7.2倍であって常に大きく、一旦第2
の流出口23で加速された流体が第1の流出口24で減
速されることとにより、本来は、径方向の巨視的速度分
布は生じにくい。
【0048】しかしながら、(An/Ad)<0.04
9の範囲では、第1の流出口24での流体の速度が過大
になり流出した流体が容器11の壁に衝突して上昇する
ことから、壁近傍のエレメント12下端で流体速度が過
大になって、巨視的な径方向の速度分布が発生する。一
方、(An/Ad)>0.14の範囲では、第1の流出
口24での流体の速度が過小になり流出した流体が容器
11の壁まで届きにくいことから、壁近傍のエレメント
12下端での流体速度が過小になって、巨視的な径方向
の速度分布が発生する。このとき、いずれの場合におい
ても流体の全流量が第1の流出口24から水平方向より
下向きに流出されており長い混合距離で微視的な不均一
性は改善されている。しかし、上述したような巨視的な
不均一が生じることによって、結果として(An/A
d)<0.049の範囲では容器11の壁近傍のエレメ
ント12表面に一旦付着した樹脂が流され樹脂層の厚さ
分布が不均一になり、(An/Ad)>0.14の範囲
では、容器11の壁近傍のエレメント12表面に樹脂層
があまり付着せずこの部分の樹脂層の厚さが薄くなって
樹脂層の厚さ分布が不均一になる。すなわち、いずれの
場合も容器11の壁面に近いエレメント12では樹脂層
が薄くなるので、複数のエレメント12相互間における
樹脂層の厚さ分布が不均一となり、浄化運転時に樹脂層
の薄いエレメント12に供試流体の流れが集中しこの部
分が早く劣化するので、全体のイオン交換容量が低下す
ることとなる。
【0049】よってすなわち、径方向の微視的・巨視的
速度分布を均一化し、複数のエレメント12相互間にお
ける樹脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容
量を増大するためには、(An/Ad)=0.049〜
0.14の範囲が有効であることが分かった。
【0050】本実施例の濾過脱塩装置50においては、
第1の流出口24の開口面積の合計An1=0.055m
2、容器11の水平横断面積Ad=0.79m2であり、
面積比An1/Ad=0.055/0.79=0.07であ
る。したがって、複数のエレメント12相互間における
樹脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容量を
増大することができる。
【0051】(2)第1の流出口からの流出速度の適正
化 また流体の径方向の微視的・巨視的速度分布に影響を与
える因子として、上記と同様の観点から、第1の流出口
24からの流出速度そのものが考えられる。本願発明者
等は、すべての第1の流出口24の流出速度を平均した
平均流出速度Vn1と、濾過脱塩装置50のイオン交換
容量との関係を検討し、図4に示す結果を得た。
【0052】図4は、本実施例の濾過脱塩装置50と同
様の構造の濾過脱塩装置を用い(以下、同等の部材を濾
過脱塩装置50と同一の符号で称する)、容器11の水
平方向横断面積Adと、第1の流出口24の開口面積A
1との面積比をAn1/Ad=0.07に固定し、流体
供給管14から供給する流体の流速を変化させて第1の
流出口24からの平均流出速度Vn1を0.225〜0.
8m/sまで変化させ、それぞれの場合におけるイオン
交換容量を測定したものである。その他の構造・測定条
件は本実施例の濾過脱塩装置50と同様である。また縦
軸のイオン交換容量は、上記(1)の場合と同様の相対
値で表している。
【0053】図4において、第1の流出口24からの平
均流出速度Vn1を0.225m/sから増加させていく
とイオン交換容量は約0.85から増大し、Vn1=0.
27m/sでイオン交換容量は1.0となり、さらにV
1=0.50m/sでイオン交換容量は約1.3(顧客
要求値の約1.7倍)となって最大となる。Vn1がこ
れより大きくなるとイオン交換容量は減少に転じVn1
=0.75m/sでイオン交換容量は再び1.0となり、
Vn1>0.75m/sではイオン交換容量はさらに減少
する。
【0054】図4より、Vn1=0.27〜0.75m/
sの範囲でイオン交換容量が1.0以上となっており、
これ以外の範囲ではイオン交換容量は1.0を下回って
いる。すなわち、前述した面積比An1/Adを変化さ
せる場合と同様、いずれのVn1の範囲であっても、流
体供給管14からの流体は第2の整流器21の第2の流
出口23及び第1の整流器22の第1の流出口24を介
して分散されて容器11に供給されることと、第1の流
出口24の開口面積An1は第2の流出口23の開口面
積の3倍であって常に大きく、一旦第2の流出口23で
加速された流体が第1の流出口24で減速されることと
によって、径方向の巨視的速度分布は、本来は生じにく
い。
【0055】しかしながら、Vn1>0.75m/sの範
囲では、第1の流出口24での流体の速度が過大になり
流出した流体が容器11の壁に衝突して上昇することか
ら、壁近傍のエレメント12下端で流体速度が過大にな
って、巨視的な径方向の速度分布が生じる。一方、Vn
1<0.27m/sの範囲では、第1の流出口24での流
体の速度が過小になり流出した流体が容器11の壁まで
届きにくいことから、壁近傍のエレメント12下端での
流体速度が過小になって、巨視的な径方向の速度分布が
生じる。このとき、いずれの場合においても流体の全流
量が第1の流出口24から水平方向より下向きに流出さ
れており長い混合距離で微視的な不均一性は改善されて
いる。しかし、上述したような巨視的な不均一が生じる
ことによって、結果としてVn1>0.14m/sの範囲
では容器11の壁近傍のエレメント12表面に一旦付着
した樹脂が流されて樹脂層の厚さ分布が不均一になり、
Vn1<0.27m/sの範囲では、容器11の壁近傍の
エレメント12表面に樹脂層があまり付着せずこの部分
の樹脂層の厚さが薄くなって樹脂層の厚さ分布が不均一
になる。すなわち、いずれの場合も容器11の壁面に近
いエレメント12は樹脂層が薄くなるので、複数のエレ
メント12相互間における樹脂層の厚さ分布が不均一と
なり、浄化運転時に樹脂層の薄いエレメント12に供試
流体の流れが集中しこの部分が早く劣化するので、全体
のイオン交換容量が低下することとなる。
【0056】よって、径方向の微視的・巨視的速度分布
を均一化し、複数のエレメント12相互間における樹脂
層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容量を増大
するためには、Vn1=0.27〜0.75m/sの範囲
が有効であることが分かった。
【0057】本実施例の濾過脱塩装置50においては、
第1の流出口24からの平均流出速度Vn1=0.50m
/sである。したがって、複数のエレメント12相互間
における樹脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交
換容量を増大することができる。
【0058】ところで、前述したように、プリコ−ト過
程における容器11内のエレメント12下端での流体の
平均上昇速度Vdは、Vd=(An1/Ad)×Vn1
表される。そして、図3の結果から面積比An1/Ad
=0.07とする場合が最もイオン交換容量を増大でき
ることがわかり、また図4の結果より、平均流出速度V
1=0.27〜0.75m/sの範囲に設定するのが
イオン交換容量の増大のために適することから、イオン
交換容量の増大に適する平均上昇速度Vdは、Vd=
0.07×(0.27〜0.75m/s)=0.019〜
0.053m/sとなることが分かる。本実施例の濾過
脱塩装置50においては、エレメント12下端での平均
上昇速度Vd=0.035m/sである。したがって、
複数のエレメント12相互間における樹脂層の厚さ分布
を均一化し、全体のイオン交換容量を増大することがで
きる。
【0059】(3)エレメント配置の適正化 さらに、プリコート過程時において、複数のエレメント
12相互間における樹脂層の厚さ分布を均一化するため
の方法としては、上記した面積比An1/Adを変化さ
せたり平均流出速度Vn1を変化させる場合のように径
方向速度分布の均一化を図るのではなく、径方向の速度
分布が局所的にある程度不均一であっても複数のエレメ
ント12相互間における樹脂層の厚さ分布を均一化でき
るような手段を講じることが考えられる。
【0060】ここにおいて、径方向の速度分布が不均一
になりやすい部分の1つとして、容器11の壁近傍が挙
げられる。すなわち、第1の流出口から流出した流体が
容器11の壁に衝突して上昇することにより、壁近傍で
流体速度が過大になり巨視的な径方向の速度分布が生じ
る。本願発明者等は、このことを確認すべく、容器11
の中心軸からの径方向距離と、エレメント12下端での
速度分布が最も不均一になる流体整流機構20に直角な
断面での局所上昇速度との関係を検討し、図5に示す結
果を得た。
【0061】図5は、水平方向横断面形状が半径rの円
形である容器を備えた、本実施例の濾過脱塩装置50と
同様の構造の濾過脱塩装置を用い(以下、同等の部材を
濾過脱塩装置50と同一の符号で称する)、容器11の
水平方向横断面積Adと第1の流出口24の開口面積A
1との面積比An1/Ad=0.064に固定し、流体
供給管14から供給する流体の流速を一定にして第1の
流出口24からの平均流出速度Vn1を0.66m/sに
固定し(すなわちエレメント12下端の平均上昇速度V
d=(An1/Ad)×Vn1=0.064×0.66=0.
042m/s)、その他の構造・測定条件が本実施例の
濾過脱塩装置50と同様であるという条件で、エレメン
ト12下端における局所上昇速度の径方向分布について
解析を行ったものである。横軸は半径rとの比で表した
径方向距離であり、縦軸は流体の局所上昇速度を、平均
上昇速度Vdを0とした相対値で表したものである。
【0062】図5において、容器11内における局所上
昇速度は、容器11の中心軸付近では平均上昇速度Vd
よりもやや小さく、壁面に向かって径方向距離が大きく
なって径方向距離≒0.3rになるまで微減する。径方
向距離≒0.3rから壁面方向に向かってさらに径方向
距離が大きくなると局所上昇速度は増加に転じ、径方向
距離≒0.6rで平均上昇速度Vdと等しくなる。さら
に壁面に近づくにつれて局所上昇速度は増大する傾向を
示し続けるが、特に、径方向距離≒0.875rを超え
てからその増大傾向が著しく、図5上では極端な右上が
りとなる。
【0063】図5より、径方向距離>0.875rの範
囲で局所上昇速度が極めて大きくなっていることがわか
る。すなわちこの容器11の壁近傍の範囲にエレメント
12を設置すると、この高い流速によってエレメント1
2表面に一旦付着した樹脂が流され樹脂層が薄くなる。
したがって、複数のエレメント12相互間における樹脂
層の厚さ分布が不均一となり、浄化運転時に樹脂層の薄
いエレメント12に供試流体の流れが集中しこの部分が
早く劣化するので、全体のイオン交換容量が低下するこ
ととなる。
【0064】よって、この径方向距離>0.875rの
範囲に中心軸が存在するようにエレメント12を設置し
なければ、すなわち径方向距離≦0.875rの範囲に
中心軸が存在するようにエレメント12を設置すれば、
局所上昇速度の極端な増大の影響を避けることができ
る。したがって、複数のエレメント12相互間における
樹脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容量を
増大するためには、径方向距離≦0.875rの範囲に
中心軸が存在するようにエレメント12を設置すればよ
いことがわかった。
【0065】本実施例の濾過脱塩装置50においては、
全てのエレメント12の中心軸は容器11の中心軸との
径方向距離が、半径の0.875倍である0.875r
以下である。よって、複数のエレメント12相互間にお
ける樹脂層の厚さ分布を均一化し、全体のイオン交換容
量を増大することができる。
【0066】以上説明したように、本実施例の濾過脱塩
装置50によれば、第1の流体整流器22に備えられた
複数の第1の流出口24で流体供給管14からの流体を
容器11内に分散して流出させるので、容器11内の巨
視的な径方向の速度分布が生じにくい。また、第1の流
出口24の開口面積の合計が第2の流出口23の開口面
積の合計よりも大きいので、第1の流出口24で一旦加
速された流体が第2の流出口23で減速される。よって
第1の整流器22のみの場合に比し、容器11内の巨視
的な径方向の速度分布がより生じにくい。またこの複数
の第1の流出口24の開口面積の合計An1と容器11
の水平方向横断面積Adとの比である面積比An1/A
d=0.049〜0.14であり、また第1の流出口24
の平均流出速度Vn1=0.27〜0.75m/sである
ので、容器11壁面近傍での流体速度が過小又は過大に
なることがない。よってエレメント12下端における流
体の径方向の巨視的な速度分布を均一化することができ
る。またこのとき、粒子を含む流体の全流量を水平方向
より下向きに流出させるので、第1の流出口24からエ
レメント12下端までの流体の混合距離を長くとること
ができ、容器11を上下方向に大型化することなくエレ
メント12下端における微視的な径方向の速度分布を均
一化できる。以上によって、径方向の樹脂層の付着量、
すなわち複数のエレメント12相互間における樹脂層の
厚さ分布を十分に均一化できるので、全体のイオン交換
量を十分に増大させ、イオン交換容量を最大で顧客要求
性能の約1.7倍にすることができる。
【0067】また、複数のエレメント12の中心軸と容
器11の鉛直方向の中心軸との距離が容器11の円形横
断面の半径rの0.875倍である0.875r以下であ
るので、径方向の速度分布が不均一になりやすい容器1
1の壁面近傍におけるエレメント12の設置を避けられ
る。よって、径方向の巨視的な速度分布がこの壁面付近
で局所的にある程度不均一であっても、複数のエレメン
ト12相互間における樹脂層の厚さ分布を均一化するこ
とができる。さらに、複数のエレメント12のそれぞれ
は、中心軸が略鉛直方向に配置されるとともに、下端に
流線形の端栓31を有するので、エレメント12下端に
おける渦の発生と流れの剥離を防止できる。よってエレ
メント12に一旦付着した樹脂粒子の剥離を防止でき、
必要となる径方向の速度分布均一化の程度が緩和される
結果、径方向の速度分布がある程度不均一であっても、
その不均一性を緩和し、複数のエレメント12相互間に
おける樹脂層の厚さ分布をより均一化できる効果があ
る。また、複数のエレメント12のそれぞれは、下方か
ら導かれた流体の通過が阻まれる流入防止部12Aを上
端近傍に有するので、容器11の壁面に沿った流れがエ
レメント12上方の管板13に衝突した後に生じる水平
方向流れを阻害しない。よって、下方から流体と粒子が
到達しにくく主にこの水平流れによって樹脂が付着す
る、エレメント12上方への樹脂の付着量が低下するこ
とがない。
【0068】なお上記実施例においては、第1の流体整
流器22の第1の流出口24は、すべての流体を水平よ
り下向きに流出させたが、一部を水平又は水平より上向
きに流出させても良い。この変形例を図6により説明す
る。第1の実施例と同等の部材は同一の符号を付す。本
変形例の濾過脱塩装置の整流機構120を図6に示す。
図6において、図2に示した本実施例の濾過脱塩装置5
0の整流機構20と異なる点は、第1の流体整流器22
に備えられた第1の流出口24が、粒子を含む流体を水
平方向又は水平より上向きの方向に流出させる上方流出
口24Uと下向きの方向に流出させる下方流出口24L
とを備えていることである。
【0069】上方流出口24Uは、第1の流体整流器2
2の上面に設けられた直径1cmの孔140個で構成さ
れ、下方流出口24Lは、第1の流体整流器22の下面
に設けられた直径1cmの孔560個で構成されてい
る。また、第1の流出口24の開口面積の合計は第1の
実施例と同様An=0.055m2であるが、これら上
方流出口24Uの開口面積の合計は0.011m2、下方
流出口24Lの開口面積の合計は0.044m2となって
いる。すなわち、これら2つの開口面積の比は0.05
5:0.011=5:1であり、容器11の水平方向横
断面積(=0.79m2)と第1の流体整流器22の水平
断面投影面積(=径0.17m×容器11内有効長さ0.
95m=0.16m2)との比0.79:0.16≒5:1
と等しくなるよう構成されている。これにより、第1の
流出口24から流出する流体の約80%が下向き方向に
流出するとともに約20%が上向き方向又は水平方向に
流出し、流体整流器22の上面を含む水平断面における
両者のバランスがとれて、流体が均一にエレメント12
に向かって上昇するように構成されている。その他の点
は、本実施例の濾過脱塩装置50の整流機構20とほぼ
同様である。本変形例によっても、本実施例と同様の効
果を得る。
【0070】また、上記変形例においては、第1の流出
口24から流出する流体の80%を下向きに(すなわち
20%を水平若しくは上向きに)流出させたが、これに
限られず、少なくとも50%以上を下向きに流出させれ
ば足り、この場合も同様の効果を得る。この場合は、言
い替えれば、下方流出口24Lから流出する全流量が、
上方流出口24Uから流出する全流量に等しいか多いと
いう条件になる。さらに上記第1の実施例においては、
第1の流出口24を円形の孔で構成したが、第2の流出
口23と同様、軸方向と垂直な方向のスリットでも良
く、また軸方向のスリットでも良い。また第2の流出口
23についても、軸方向のスリットでも良く、また円形
の孔で構成しても良い。
【0071】また上記第1の実施例においては、第2の
流体整流器22の径と流体供給管14の径を同じ大きさ
にしているが、第2の流体整流器22の径を流体供給管
14より大きくしてもよい。この場合、第2の流体整流
器22の第2の流出口23の設計が容易になる。さらに
上記第1の実施例においては、水平円管状の第2の流体
整流器21と略半円筒状の第1の流体整流器22とで流
体整流機構20を構成したが、このような形状に限定す
る必要はなく、垂直の二重円筒状の流体整流機構とし、
二重円筒の内筒を第2の流体整流器として側面と下面に
第2の流出口を形成し、二重円筒の外筒を第1の流体整
流器として側面と下面に第1の流出口を形成してもよ
い。この場合も、第1の流出口の面積は第2の流出口の
面積より大きくなっていること、第1の流出口から少な
くとも50%以上の流体が下向きに流出すること、第1
の流出口の面積は容器の水平断面積の0.049〜0.1
4倍の範囲にしてあるか、もしくは、プリコ−ト過程に
おいて、第1の流出口での流体の平均流出速度は0.2
7〜0.75m/sの範囲に設定されていること、ある
いは、容器内のエレメント下端での流体の平均上昇速度
は0.019〜0.053m/sの範囲に設定されている
等の条件が満たされれば、上記の実施例と同様の効果を
得る。容器の断面形状は一般に円形であるため、このよ
うに流体整流機構の形状を軸対称の二重円筒状とするこ
とにより、円周方向の速度分布をより均一化し、エレメ
ント表面での樹脂層の厚さ分布をより均一化して、イオ
ン交換容量を向上することができる。
【0072】本発明の第2の実施例を図7により説明す
る。本実施例は異なるタイプの流体整流機構を備えた濾
過脱塩装置の実施例である。本実施例の濾過脱塩装置6
0に備えられた流体整流機構220の構造を図7に示
す。第1の実施例と同等の部材については同一の番号で
示す。図7において、本実施例の濾過脱塩装置60の流
体整流機構220が、第1の実施例の濾過脱塩装置50
の流体整流機構20と異なる点は、流体整流機構20の
第2の流体整流器21が取り除かれ、第1の流出口22
4が備えられた第1の流体整流器222が流体供給管1
4に直接接続されていることである。その他の構造及び
運転条件等は、第1の実施例とほぼ同様である。
【0073】本実施例の濾過脱塩装置60によれば、流
体整流機構220が1段構成であるので第1の実施例よ
り構造が単純である利点があるが、そのために速度分布
の均一化の程度と、エレメント12表面での樹脂層の厚
さ分布の均一化の程度がやや低下し、イオン交換容量が
やや低下する。すなわち、図3及び図5を用いて説明し
た傾向は維持されるものの、それぞれの曲線は縦軸方向
にやや下方に下がる。しかし、第1の流出口224の開
口面積の合計An1の範囲、もしくはプリコ−ト過程に
おける第1の流出口224での流体の平均流出速度Vn
1の範囲、また容器11内のエレメント12下端での流
体の平均上昇速度Vdの範囲を狭くすれば、第1の実施
例の濾過脱塩装置50と同様のイオン交換容量を得るこ
とができる。
【0074】なお、上記第2の実施例においては、第1
の流体整流器222の径と流体供給管14の径とを同じ
大きさにしているが、第1の流体整流器222の径を流
体供給管14より大きくしてもよい。この場合、第1の
流体整流器222の第1の流出口224の設計が容易に
なる。
【0075】さらに、上記第2の実施例においては、水
平円管状の流体整流器222で流体整流機構220を構
成したが、このような形状に限定する必要はなく、側面
と下面に流出口を有する垂直の円筒状の流体整流器で流
体整流機構を構成してもよい。この場合、流体整流器の
流出口から流体が下向きに流出すること、流出口の面積
は容器の水平断面積の0.049〜0.14倍の範囲にし
てあるか、もしくは、プリコ−ト過程において流出口で
の流体の平均流出速度は0.27〜0.75m/sの範
囲に設定されていること、あるいは、容器内のエレメン
ト下端での流体の平均上昇速度は0.019〜0.053
m/sの範囲に設定されている等の条件が満たされれ
ば、上記の実施例と同様の効果を得る。容器の断面形状
は一般に円形であるため、このように流体整流機構の形
状を軸対称の垂直円筒状とすることにより、円周方向の
速度分布をより均一化し、エレメント表面での樹脂層の
厚さ分布をより均一化して、イオン交換容量を向上する
ことができる。
【0076】また上記第2の実施例においては、第1の
流出口224を円形の孔で構成したが、軸方向と垂直な
方向のスリットでも良く、また軸方向のスリットでも良
い。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、第1の流体整流器に備
えられた複数の第1の流出口で流体供給管からの流体を
容器内に分散して流出させるので、容器内の巨視的な径
方向の速度分布が生じにくい。またこの複数の第1の流
出口の開口面積の合計が、容器の水平方向横断面積の
0.049倍以上0.14倍以下であるので、容器壁面近
傍での流体速度が過大又は過小になることがない。よっ
てエレメント下端における流体の径方向の巨視的な速度
分布を均一化することができる。またこのとき、粒子を
含む流体の全流量の少なくとも50%以上を水平方向よ
り下向きに流出させるので、1の流出口からエレメント
下端までの流体の混合距離を長くとることができ、容器
を上下方向に大型化することなくエレメント下端におけ
る微視的な径方向の速度分布を均一化できる。以上によ
って、径方向の樹脂層の付着量、すなわち複数のエレメ
ント相互間における樹脂層の厚さ分布を十分に均一化で
きるので、全体のイオン交換量を十分に増大させること
ができる。
【0078】また本発明によれば、第1の流出口の平均
流出速度が0.27m/s以上0.75m/s以下である
ので、容器壁面近傍での流体速度が過小又は過大になる
ことがない。よってエレメント下端における流体の径方
向の巨視的な速度分布を均一化することができる。また
このとき、粒子を含む流体の全流量の少なくとも50%
以上を水平方向より下向きに流出させるので、第1の流
出口からエレメント下端までの流体の混合距離を長くと
ることができる。よって容器を上下方向に大型化するこ
となくエレメント下端における径方向の微視的な速度分
布を均一化できる。以上によって径方向の樹脂層の付着
量、すなわち複数のエレメント相互間における樹脂層の
厚さ分布を均一化できるので、全体のイオン交換量を十
分に増大させることができる。
【0079】さらに、複数のエレメントのそれぞれは下
方から導かれた流体の通過が阻まれる流入防止領域を有
するので、容器の壁面に沿った流れがエレメント上方の
管板に衝突した後に生じる水平方向流れを阻害しない。
よって、下方から流体と粒子が到達しにくく主にこの水
平流れによって樹脂が付着する、エレメント上方への樹
脂の付着量が低下することがない。
【0080】また、複数のエレメントのそれぞれは、中
心軸が略鉛直方向に配置されるとともに、下端に流線形
の整流部材を有するので、エレメント下端における渦の
発生と流れの剥離を防止できる。よってエレメントに一
旦付着した樹脂粒子の剥離を防止でき、必要となる径方
向の速度分布均一化の程度が緩和される結果、径方向の
速度分布がある程度不均一であっても、その不均一性を
緩和し、複数のエレメント相互間における樹脂層の厚さ
分布をより均一化できる効果がある。
【0081】さらに、複数のエレメントの中心軸と容器
の鉛直方向の中心軸との距離が容器の円形横断面の半径
の0.875倍以下であるので、径方向の速度分布が不
均一になりやすい容器の壁面近傍におけるエレメントの
設置を避けられる。よって、径方向の巨視的な速度分布
がこの壁面付近で局所的にある程度不均一であっても、
複数のエレメント相互間における樹脂層の厚さ分布を均
一化することができる。また、第1の流出口の開口面積
の合計が第2の流出口の開口面積の合計よりも大きいの
で、第1の流出口で一旦加速された流体が第2の流出口
で減速される。よって第1の整流器のみの場合に比し、
容器の巨視的な径方向の速度分布がより生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による濾過脱塩装置の縦
断面図である。
【図2】図1に示した濾過脱塩装置に備えられた流体整
流機構の側面図及び横断面図である。
【図3】第1の流出口の開口面積の合計と容器の水平横
断面積との面積比とイオン交換容量との関係を示した図
である。
【図4】第1の流出口からの平均流出速度とイオン交換
容量との関係を示した図である。
【図5】エレメント下端における局所上昇速度の径方向
分布を示した図である。
【図6】第1の実施例の変形例による濾過脱塩装置に備
えられた流体整流機構の側面図及び横断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例による濾過脱塩装置の部
分構造図である。
【符号の説明】 11 容器 12 エレメント 12A 流入防止部(流入防止領域) 12a エレメント 12b エレメント 14 流体供給管 20 流体整流機構 21 第2の流体整流器 22 第1の流体整流器 23 第2の流出口 24 第1の流出口 24L 下方流出口 24U 上方流出口 31 端栓(整流部材) 50 濾過脱塩装置 60 濾過脱塩装置 120 流体整流機構 220 流体整流機構 222 第1の流体整流器 224 第1の流出口 Ad 容器の水平横断面の面積 An1 第1の流出口の開口面積 An2 第1の流出口の開口面積 r 容器の水平横断面の半径 Vd 平均上昇速度 Vn1 第1の流出口からの平均流出速度 Vn2 第2の流出口からの平均流出速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 実 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭59−123586(JP,A) 特開 昭59−112889(JP,A) 実開 平3−3416(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/42

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器と、前記容器内に配置され濾過・脱
    塩機能を備えた粒子を付着させる複数のエレメントと、
    前記粒子を含む流体を前記容器内に導く流体供給管と、
    前記容器内の前記複数のエレメントの下方に略水平方向
    に配置され前記流体供給管からの流体を前記容器内に流
    出させる第1の流体整流器とを有し、浄化する供試流体
    を前記粒子が付着した状態の前記複数のエレメントに通
    じることにより前記供試流体の浄化を行なう濾過脱塩装
    置において、 前記第1の流体整流器は、前記粒子を含む流体を前記容
    器内に分散して流出させる複数の第1の流出口を備えて
    おり、その複数の第1の流出口は、開口面積の合計が前
    記容器の水平方向横断面積の0.049倍以上0.14倍
    以下であるとともに、前記粒子を含む流体の全流量の少
    なくとも50%以上を水平方向より下向きに流出させる
    ことを特徴とする濾過脱塩装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の濾過脱塩装置において、
    前記複数の第1の流出口の開口面積の合計は、前記容器
    の水平方向横断面積の0.07倍であることを特徴とす
    る濾過脱塩装置。
  3. 【請求項3】 容器と、前記容器内に配置され濾過・脱
    塩機能を備えた粒子を付着させる複数のエレメントと、
    前記粒子を含む流体を前記容器内に導く流体供給管と、
    前記容器内の前記複数のエレメントの下方に略水平方向
    に配置され前記流体供給管からの流体を前記容器内に流
    出させる第1の流体整流器とを有し、浄化する供試流体
    を前記粒子が付着した状態の前記複数のエレメントに通
    じることにより前記供試流体の浄化を行なう濾過脱塩装
    置において、 前記第1の流体整流器は、前記粒子を含む流体を前記容
    器内に分散して流出させる複数の第1の流出口を備えて
    おり、その複数の第1の流出口は、プリコート過程にお
    けるすべての第1の流出口の流出速度を平均した平均流
    出速度が0.27m/s以上0.75m/s以下であると
    ともに、前記粒子を含む流体の全流量の少なくとも50
    %以上を水平方向より下向きに流出させることを特徴と
    する濾過脱塩装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の濾過脱塩装置において、
    前記複数の第1の流出口は、前記流出する流体の平均流
    出速度が0.5m/sであることを特徴とする濾過脱塩
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3記載の濾過脱塩装置にお
    いて、前記第1の流体整流器は、プリコート過程での前
    記流体の前記エレメント下端での平均上昇速度が0.0
    19m/s以上0.053m/s以下となるように、前
    記流体を流出させることを特徴とする濾過脱塩装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は3記載の濾過脱塩装置にお
    いて、前記複数のエレメントのそれぞれは、中心軸が略
    鉛直方向となるように配置されており、かつ上端近傍に
    設けられ下方から導かれた流体の通過が阻まれる流入防
    止領域を有することを特徴とする濾過脱塩装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は3記載の濾過脱塩装置にお
    いて、前記複数のエレメントのそれぞれの下端に設けら
    れた流線形の整流部材をさらに有し、かつ、前記複数の
    エレメントのそれぞれは中心軸が略鉛直方向となるよう
    に配置されていることを特徴とする濾過脱塩装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は3記載の濾過脱塩装置にお
    いて、前記容器の水平方向横断面形状は円形であり、前
    記複数のエレメントのそれぞれは、中心軸が略鉛直方向
    となるように配置され、前記中心軸と前記容器の鉛直方
    向の中心軸との距離が前記円形横断面の半径の0.87
    5倍以下であるように配置されていることを特徴とする
    濾過脱塩装置。
  9. 【請求項9】 容器と、前記容器内に配置され濾過・脱
    塩機能を備えた粒子を付着させる複数のエレメントと、
    前記粒子を含む流体を前記容器内に導く流体供給管と、
    前記容器内の前記複数のエレメントの下方に略水平方向
    に配置され前記流体供給管からの流体を前記容器内に流
    出させる第1の流体整流器とを有し、浄化する供試流体
    を前記粒子が付着した状態の複数のエレメントに通じる
    ことにより前記供試流体の浄化を行なう濾過脱塩装置に
    おいて、 前記第1の流体整流器は前記粒子を含む流体を前記容器
    内に分散して流出させる複数の第1の流出口を備えてお
    り、前記複数のエレメントのそれぞれは中心軸が略鉛直
    方向になるように配置されるとともに、それぞれのエレ
    メントの中心軸と前記容器の鉛直方向の中心軸との距離
    が前記容器の半径の0.875倍以下であるように配置
    されていることを特徴とする濾過脱塩装置。
  10. 【請求項10】 請求項1,3,9のいずれか1項記載の
    濾過脱塩装置において、前記流体供給管に接続され少な
    くとも一部分が前記第1の流体整流器に取り囲まれるよ
    うにその第1の流体整流器の内側に配置された第2の流
    体整流器をさらに有し、その第2の流体整流器は前記流
    体供給管から供給された流体を前記第1の流体整流器の
    内部に流出させる複数の第2の流出口を備えており、前
    記複数の第1の流出口の開口面積の合計は、前記複数の
    第2の流出口の開口面積の合計よりも大きいことを特徴
    とする濾過脱塩装置。
  11. 【請求項11】 請求項1,3,9のいずれか1項記載の
    濾過脱塩装置において、前記複数の第1の流出口は、前
    記粒子を含む流体を水平方向及び水平より上向きの方向
    のうち少なくとも一方に流出させる複数の上方流出口
    と、前記粒子を含む流体を水平方向より下向きの方向に
    流出させる複数の下方流出口とを備えており、その複数
    の下方流出口から流出する前記粒子を含む流体の全流量
    は、前記上方流出口から流出する全流量よりも多いこと
    を特徴とする濾過脱塩装置。
  12. 【請求項12】 請求項1,3,9のいずれか1項記載の
    濾過脱塩装置において、前記複数の第1の流出口のそれ
    ぞれは、スリット及び孔のうち少なくとも一方であるこ
    とを特徴とする濾過脱塩装置。
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