JP3392348B2 - 金属線入りガラス板における縁部の保護構造 - Google Patents
金属線入りガラス板における縁部の保護構造Info
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- rubber cover
- metal wire
- sealing material
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、金属線入りガラ
ス板における縁部の保護構造に関する。 【0002】 【従来の技術】防火性または飛散防止性の要求される部
位にガラス板を使用する場合、金属線入りのガラス板を
採用することが多い。金属線入りガラス板は、網状に編
成した鉄線等をガラス板の内部に埋設して一体成形され
ているため、開口部において火災を防止したり、また破
損した場合に破片があまり飛び散らないため、安全性も
高い。 【0003】上記金属線入りガラス板は、通常のガラス
板と同様に、ガスケットあるいは建具等を介して窓開口
に装着される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】金属線入りガラス板
は、金属線とともに所定の大きさに切断して使用され
る。このため、ガラス板の切断された端面には金属線の
一部が露出した状態で、ガラス板の端部がガスケットま
たは建具等に装着されることが多い。 【0005】ところが、雨水等がガスケットの嵌め込み
溝に浸入すると、上記金属線を端部から腐食させる。特
に、腐食が進行すると、金属線が腐食で膨張して、ガラ
ス板にひびが入ったり、破損につながる場合もある。 【0006】上記問題を解決するために、ガラス板をガ
スケットまたは建具等に嵌め込む際に、充填シール材を
注入ないしはガラス板の端面に塗着することも考えられ
る。しかし、ガラス板の端面を確実に封止することは困
難であり、また、充填シール材がガラス板から剥離して
しまうことも多い。 【0007】本願発明は、上記従来の問題を解決し、ガ
ラス板の端面をシールして、金属線の腐食を防止するこ
とのできる金属線入りガラス板における縁部の保護構造
を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するため、本願発明では次の技術的手段を講じ
ている。 【0009】本保護構造は、金属線入りガラス板の縁部
に、ゴム製カバーを充填シール材を介して装着すると共
に、該充填シール材をシリコーン系シーラントとしたも
のである。 【0010】上記金属線の形態は限定されることはな
く、網状のもの、平行状のもの、格子状のもの等種々の
形態の金属線を採用できる。また、金属線の材質も限定
されることはなく、鉄、鉄合金、アルミ等種々の線材を
採用できる。 【0011】上記ゴム製カバーの材質も限定されること
はなく、シリコーンゴム、クロロプレンゴム等種々の材
料から形成される。また、押し出し成形、射出成形等種
々の成形方法によって形成できる。 【0012】充填シール材は、適量を上記ゴム製カバー
の底部に注入し、硬化しない間にガラス板の縁部に装着
する。充填シール材は流動性があるため、上記ゴム製カ
バーの内面とガラス表面との間を広がり、ガラス板とゴ
ム製カバーを水密性をもって接合する。これにより、ガ
ラス板の端面が封止されて水分がガラス板の端面に浸入
することがなくなり、金属線が腐食することもなくな
る。 【0013】また、ガラス板の縁部にゴム製カバーを装
着することにより、ガラス板縁部の耐衝撃性も向上し、
割れ、欠け等を防止する効果もある。 【0014】上記ゴム製カバーを装着したガラス板は、
従来のガスケットあるいは建具等に従来と同様に嵌め込
み支持できる。 【0015】本発明においては、上記ゴム製カバーの底
部に、上記充填シール材の溜め溝を設ける。上記溜め溝
は、底部の中央に設けるのが好ましい。溜め溝を設ける
ことにより、金属線が露出するガラス板の端面を充填シ
ール材によって確実に封止することができ、水密性を高
めることができる。 【0016】また、本発明においては、上記ゴム製カバ
ーの少なくとも内面側をケイ素系ゴムで形成するのが好
ましい。ケイ素系ゴムとしては、シリコーンゴム等を採
用できる。ケイ素系ゴムは、シリコーンシーラント等の
充填シール材との相性がよく、高い接着性能と水密性を
発揮させることができる。 【0017】上記ケイ素系ゴムは、少なくともカバーの
内面側に採用すればよい。したがって、他のゴム材料を
ゴム製カバーの外側に配置した積層構造を採用すること
もできる。 【0018】ゴム製カバーは、枠状に形成して、ガラス
板の角部を含む縁部の全周に装着してもよいし、あるい
は、ガラス板のたとえば水の溜まり易い下側の縁部にの
み設けてもよい。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
に基づいて具体的に説明する。 【0020】図1は、本願発明に係る金属線入りガラス
板における縁部の保護構造の断面図である。 【0021】網状の鉄線1(金属線)が埋め込まれたガ
ラス板2の縁部に、断面コ字状のゴム製カバー3が嵌め
込まれて、本願発明に係る保護構造が形成される。 【0022】上記ゴム製カバー3は、シリコーンゴムを
押し出し成形することにより成形されており、底部中央
に長手方向に延びる断面円弧状の溜め溝4を備える。 【0023】上記ゴム製カバー3をガラス板2に装着す
るには、図2に示すように、まず底部5に適量の充填シ
ール材6を注入する。そして、充填シール材6が硬化し
ない間にガラス板2の縁部に嵌め込んで充填シール材6
を流動させ、ガラス板2とゴム製カバー3の間に拡げる
ようにして装着する。なお、本実施の形態では、充填シ
ール材6としてシリコーンシーラント(シリコーン系シ
ーラントの一例)を採用している。 【0024】上記ゴム製カバー3を充填シール材6を介
して装着することにより、水分がガラス板2の端面7に
浸入することがなくなる。したがって、端面7において
露出する鉄線1の腐食を防止できる。 【0025】上記溜め溝4を設けることにより、充填シ
ール材6を上記溜め溝4を介して流動させ、ガラス板2
の端面7に充填シール材6を確実に行き渡らせることが
できる。特に、溜め溝4を底部5の中央に設けているた
め、鉄線1の露出部を確実に封止することができる。 【0026】また、充填シール材6を、ガラス板2とゴ
ム製カバー3との間に均一に充填できるため、ガラス板
2とゴム製カバー3の接着力も高まる。 【0027】ゴム製カバー3をシリコーンゴムで形成す
ることにより、シリコーンシーラントを充填シール材6
として用いた場合の相性がよく、ガラス板2とゴム製カ
バー3とを確実に接合することができる。 【0028】しかも、ガラス板2の縁部をゴム製カバー
3で覆うことにより、ガラス板2自体の耐衝撃性も高ま
り、ガラス板2の縁部が欠けにくくなるという効果も期
待できる。 【0029】図3に示すように、上記ゴム製カバー3を
装着したガラス板2は、従来のガラス板と同様に、ガス
ケット8等に嵌め込み支持されて窓開口に取り付けられ
る。上記ゴム製カバー3を装着することにより、嵌め込
み溝9の内部に生じた隙間10に雨水等が浸入した場合
でも、水分がガラス板2の端面に到達することはない。
したがって、鉄線1が腐食・膨張してガラス板2に亀裂
を生じさせたり、破損させたりすることがなくなる。 【0030】図4に、本願発明に係るゴム製カバーの他
の実施の形態を示す。この図に示すように、ゴム製カバ
ー11は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)から形
成される外層12と、ケイ素ゴムで形成される内層13
とを積層一体成形して形成されている。 【0031】EPDMは、エチレンとプロピレンとの共
重合体ゴムであり、機械的強度が高く、また耐酸化性、
耐老化性にすぐれる。ところが、加硫剤、老化防止剤が
配合されているため、これらの配合成分が充填シール材
に移行(マイグレーション)して接着性、硬化強度等を
低下させることがある。特に、防水充填材として汎用さ
れるシリコーン系の充填シール材に対する影響は大き
い。 【0032】一方、シリコーンゴム等のケイ素系ゴム
は、一般に機械的強度が低いが、耐寒性等の温度特性、
耐候性がよい。また、加硫剤、老化防止剤が配合されて
いないため、シリコーン系の充填シール材との相性がよ
く、接着性等が阻害されることはほとんどない。 【0033】充填シール材6が注入される内層13をケ
イ素ゴムで形成することにより、充填シール材6がEP
DMで形成された外層12に接触することはなく、EP
DMの配合成分が充填シール材6に移行することはな
い。したがって、充填シール材6の性能が低下すること
はなく、高い接着強度を長期間にわたって維持できる。 【0034】一方、外層12をEPDMで形成すること
により、高い強度を備えるゴム製カバーを形成できる。 【0035】図5は、本願発明に係るゴム製カバーをガ
ラス板2の縁部を囲む枠状に形成したものを示す。 【0036】通常、ゴム製カバーは押し出し成形によっ
て直線状に形成される。このため、ガラス板2の角部1
4に沿って曲折させると、幅方向に広がって変形し、ガ
スケット等に嵌め込むことはできない。また、ガラス板
2の端面を確実に封止することもできない。 【0037】本実施の形態では、対向するコ字側壁部1
5に三角状の切り欠き17を設けることにより、ガラス
板2の角部14に沿ってほぼ直角に折り曲げ、枠状のゴ
ム製カバー16を形成している。 【0038】ガラス板2の角部14を含む縁部全周にゴ
ム製カバー15を装着できるため、ガラス板2の端面7
を全周にわたって確実に封止でき、鉄線1の腐食を防止
できる。 【0039】また、ガラス板2の縁部全域がゴム製カバ
ー16で覆われるため、ガラス板2自体の耐衝撃性も高
まり、縁部が欠けるのを防止できる。 【0040】本願発明は、上述の実施の形態に限定され
ることはない。実施の形態では、ゴム製カバーを、対向
する側壁部が同じ高さの断面コ字状に形成したが、高さ
の異なる側壁部を備えるように形成することもできる。
また、断面平板状のゴム製カバーとすることもできる。 【0041】また、ゴム製カバーの側壁部及び底壁部の
厚さも実施の形態に限定されることはなく、ガスケット
等の形状に応じて形成すればよい。 【0042】また、枠状のゴム製カバー16を、切欠き
17を設けることよりガラス板2の角部14に沿わせて
曲折させたが、射出成形等で角部形状に対応するように
一体成形することもできる。さらに、図5の角部14の
アールを大きくした場合などは、押出成形により形成し
た直線状のカバーを前述のように切欠することなく装着
してもよい。 【0043】また、充填シール材の溜め溝の形状、形成
位置も実施の形態に限定されることはなく、ガラス板の
端面を封止できる位置及び形状に形成すればよい。
ス板における縁部の保護構造に関する。 【0002】 【従来の技術】防火性または飛散防止性の要求される部
位にガラス板を使用する場合、金属線入りのガラス板を
採用することが多い。金属線入りガラス板は、網状に編
成した鉄線等をガラス板の内部に埋設して一体成形され
ているため、開口部において火災を防止したり、また破
損した場合に破片があまり飛び散らないため、安全性も
高い。 【0003】上記金属線入りガラス板は、通常のガラス
板と同様に、ガスケットあるいは建具等を介して窓開口
に装着される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】金属線入りガラス板
は、金属線とともに所定の大きさに切断して使用され
る。このため、ガラス板の切断された端面には金属線の
一部が露出した状態で、ガラス板の端部がガスケットま
たは建具等に装着されることが多い。 【0005】ところが、雨水等がガスケットの嵌め込み
溝に浸入すると、上記金属線を端部から腐食させる。特
に、腐食が進行すると、金属線が腐食で膨張して、ガラ
ス板にひびが入ったり、破損につながる場合もある。 【0006】上記問題を解決するために、ガラス板をガ
スケットまたは建具等に嵌め込む際に、充填シール材を
注入ないしはガラス板の端面に塗着することも考えられ
る。しかし、ガラス板の端面を確実に封止することは困
難であり、また、充填シール材がガラス板から剥離して
しまうことも多い。 【0007】本願発明は、上記従来の問題を解決し、ガ
ラス板の端面をシールして、金属線の腐食を防止するこ
とのできる金属線入りガラス板における縁部の保護構造
を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するため、本願発明では次の技術的手段を講じ
ている。 【0009】本保護構造は、金属線入りガラス板の縁部
に、ゴム製カバーを充填シール材を介して装着すると共
に、該充填シール材をシリコーン系シーラントとしたも
のである。 【0010】上記金属線の形態は限定されることはな
く、網状のもの、平行状のもの、格子状のもの等種々の
形態の金属線を採用できる。また、金属線の材質も限定
されることはなく、鉄、鉄合金、アルミ等種々の線材を
採用できる。 【0011】上記ゴム製カバーの材質も限定されること
はなく、シリコーンゴム、クロロプレンゴム等種々の材
料から形成される。また、押し出し成形、射出成形等種
々の成形方法によって形成できる。 【0012】充填シール材は、適量を上記ゴム製カバー
の底部に注入し、硬化しない間にガラス板の縁部に装着
する。充填シール材は流動性があるため、上記ゴム製カ
バーの内面とガラス表面との間を広がり、ガラス板とゴ
ム製カバーを水密性をもって接合する。これにより、ガ
ラス板の端面が封止されて水分がガラス板の端面に浸入
することがなくなり、金属線が腐食することもなくな
る。 【0013】また、ガラス板の縁部にゴム製カバーを装
着することにより、ガラス板縁部の耐衝撃性も向上し、
割れ、欠け等を防止する効果もある。 【0014】上記ゴム製カバーを装着したガラス板は、
従来のガスケットあるいは建具等に従来と同様に嵌め込
み支持できる。 【0015】本発明においては、上記ゴム製カバーの底
部に、上記充填シール材の溜め溝を設ける。上記溜め溝
は、底部の中央に設けるのが好ましい。溜め溝を設ける
ことにより、金属線が露出するガラス板の端面を充填シ
ール材によって確実に封止することができ、水密性を高
めることができる。 【0016】また、本発明においては、上記ゴム製カバ
ーの少なくとも内面側をケイ素系ゴムで形成するのが好
ましい。ケイ素系ゴムとしては、シリコーンゴム等を採
用できる。ケイ素系ゴムは、シリコーンシーラント等の
充填シール材との相性がよく、高い接着性能と水密性を
発揮させることができる。 【0017】上記ケイ素系ゴムは、少なくともカバーの
内面側に採用すればよい。したがって、他のゴム材料を
ゴム製カバーの外側に配置した積層構造を採用すること
もできる。 【0018】ゴム製カバーは、枠状に形成して、ガラス
板の角部を含む縁部の全周に装着してもよいし、あるい
は、ガラス板のたとえば水の溜まり易い下側の縁部にの
み設けてもよい。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
に基づいて具体的に説明する。 【0020】図1は、本願発明に係る金属線入りガラス
板における縁部の保護構造の断面図である。 【0021】網状の鉄線1(金属線)が埋め込まれたガ
ラス板2の縁部に、断面コ字状のゴム製カバー3が嵌め
込まれて、本願発明に係る保護構造が形成される。 【0022】上記ゴム製カバー3は、シリコーンゴムを
押し出し成形することにより成形されており、底部中央
に長手方向に延びる断面円弧状の溜め溝4を備える。 【0023】上記ゴム製カバー3をガラス板2に装着す
るには、図2に示すように、まず底部5に適量の充填シ
ール材6を注入する。そして、充填シール材6が硬化し
ない間にガラス板2の縁部に嵌め込んで充填シール材6
を流動させ、ガラス板2とゴム製カバー3の間に拡げる
ようにして装着する。なお、本実施の形態では、充填シ
ール材6としてシリコーンシーラント(シリコーン系シ
ーラントの一例)を採用している。 【0024】上記ゴム製カバー3を充填シール材6を介
して装着することにより、水分がガラス板2の端面7に
浸入することがなくなる。したがって、端面7において
露出する鉄線1の腐食を防止できる。 【0025】上記溜め溝4を設けることにより、充填シ
ール材6を上記溜め溝4を介して流動させ、ガラス板2
の端面7に充填シール材6を確実に行き渡らせることが
できる。特に、溜め溝4を底部5の中央に設けているた
め、鉄線1の露出部を確実に封止することができる。 【0026】また、充填シール材6を、ガラス板2とゴ
ム製カバー3との間に均一に充填できるため、ガラス板
2とゴム製カバー3の接着力も高まる。 【0027】ゴム製カバー3をシリコーンゴムで形成す
ることにより、シリコーンシーラントを充填シール材6
として用いた場合の相性がよく、ガラス板2とゴム製カ
バー3とを確実に接合することができる。 【0028】しかも、ガラス板2の縁部をゴム製カバー
3で覆うことにより、ガラス板2自体の耐衝撃性も高ま
り、ガラス板2の縁部が欠けにくくなるという効果も期
待できる。 【0029】図3に示すように、上記ゴム製カバー3を
装着したガラス板2は、従来のガラス板と同様に、ガス
ケット8等に嵌め込み支持されて窓開口に取り付けられ
る。上記ゴム製カバー3を装着することにより、嵌め込
み溝9の内部に生じた隙間10に雨水等が浸入した場合
でも、水分がガラス板2の端面に到達することはない。
したがって、鉄線1が腐食・膨張してガラス板2に亀裂
を生じさせたり、破損させたりすることがなくなる。 【0030】図4に、本願発明に係るゴム製カバーの他
の実施の形態を示す。この図に示すように、ゴム製カバ
ー11は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)から形
成される外層12と、ケイ素ゴムで形成される内層13
とを積層一体成形して形成されている。 【0031】EPDMは、エチレンとプロピレンとの共
重合体ゴムであり、機械的強度が高く、また耐酸化性、
耐老化性にすぐれる。ところが、加硫剤、老化防止剤が
配合されているため、これらの配合成分が充填シール材
に移行(マイグレーション)して接着性、硬化強度等を
低下させることがある。特に、防水充填材として汎用さ
れるシリコーン系の充填シール材に対する影響は大き
い。 【0032】一方、シリコーンゴム等のケイ素系ゴム
は、一般に機械的強度が低いが、耐寒性等の温度特性、
耐候性がよい。また、加硫剤、老化防止剤が配合されて
いないため、シリコーン系の充填シール材との相性がよ
く、接着性等が阻害されることはほとんどない。 【0033】充填シール材6が注入される内層13をケ
イ素ゴムで形成することにより、充填シール材6がEP
DMで形成された外層12に接触することはなく、EP
DMの配合成分が充填シール材6に移行することはな
い。したがって、充填シール材6の性能が低下すること
はなく、高い接着強度を長期間にわたって維持できる。 【0034】一方、外層12をEPDMで形成すること
により、高い強度を備えるゴム製カバーを形成できる。 【0035】図5は、本願発明に係るゴム製カバーをガ
ラス板2の縁部を囲む枠状に形成したものを示す。 【0036】通常、ゴム製カバーは押し出し成形によっ
て直線状に形成される。このため、ガラス板2の角部1
4に沿って曲折させると、幅方向に広がって変形し、ガ
スケット等に嵌め込むことはできない。また、ガラス板
2の端面を確実に封止することもできない。 【0037】本実施の形態では、対向するコ字側壁部1
5に三角状の切り欠き17を設けることにより、ガラス
板2の角部14に沿ってほぼ直角に折り曲げ、枠状のゴ
ム製カバー16を形成している。 【0038】ガラス板2の角部14を含む縁部全周にゴ
ム製カバー15を装着できるため、ガラス板2の端面7
を全周にわたって確実に封止でき、鉄線1の腐食を防止
できる。 【0039】また、ガラス板2の縁部全域がゴム製カバ
ー16で覆われるため、ガラス板2自体の耐衝撃性も高
まり、縁部が欠けるのを防止できる。 【0040】本願発明は、上述の実施の形態に限定され
ることはない。実施の形態では、ゴム製カバーを、対向
する側壁部が同じ高さの断面コ字状に形成したが、高さ
の異なる側壁部を備えるように形成することもできる。
また、断面平板状のゴム製カバーとすることもできる。 【0041】また、ゴム製カバーの側壁部及び底壁部の
厚さも実施の形態に限定されることはなく、ガスケット
等の形状に応じて形成すればよい。 【0042】また、枠状のゴム製カバー16を、切欠き
17を設けることよりガラス板2の角部14に沿わせて
曲折させたが、射出成形等で角部形状に対応するように
一体成形することもできる。さらに、図5の角部14の
アールを大きくした場合などは、押出成形により形成し
た直線状のカバーを前述のように切欠することなく装着
してもよい。 【0043】また、充填シール材の溜め溝の形状、形成
位置も実施の形態に限定されることはなく、ガラス板の
端面を封止できる位置及び形状に形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る金属線入りガラス板における縁
部の保護構造の断面図である。 【図2】ガラス板にゴム製カバーを装着する直前の状態
を示す断面図である。 【図3】ゴム製カバーを装着したガラス板をガスケット
に嵌め込んで支持した状態を示す断面図である。 【図4】他の実施の形態を示す断面図である。 【図5】枠状のゴム製カバーをガラス板の角部近傍に装
着した状態を示す正面図である。 【符号の説明】 1:鉄線(金属線) 2:ガラス板 3:ゴム製カバー 6:充填シール材
部の保護構造の断面図である。 【図2】ガラス板にゴム製カバーを装着する直前の状態
を示す断面図である。 【図3】ゴム製カバーを装着したガラス板をガスケット
に嵌め込んで支持した状態を示す断面図である。 【図4】他の実施の形態を示す断面図である。 【図5】枠状のゴム製カバーをガラス板の角部近傍に装
着した状態を示す正面図である。 【符号の説明】 1:鉄線(金属線) 2:ガラス板 3:ゴム製カバー 6:充填シール材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 実開 昭52−36841(JP,U)
実開 平2−94227(JP,U)
実開 平5−84784(JP,U)
実開 昭53−78052(JP,U)
実開 昭58−21680(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E06B 3/54 - 3/66
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属線入りガラス板の縁部に、ゴム製カ
バーを充填シール材を介して装着すると共に、該充填シ
ール材をシリコーン系シーラントとした、金属線入りガ
ラス板における縁部の保護構造であって、 上記ゴム製カバーの断面形状が、略コ字状に形成されて
おり、 上記ゴム製カバーの底部に、上記充填シール材の溜め溝
を設けた金属線入りガラス板における縁部の保護構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14228198A JP3392348B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 金属線入りガラス板における縁部の保護構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14228198A JP3392348B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 金属線入りガラス板における縁部の保護構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11324507A JPH11324507A (ja) | 1999-11-26 |
JP3392348B2 true JP3392348B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=15311725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14228198A Expired - Fee Related JP3392348B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 金属線入りガラス板における縁部の保護構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3392348B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4617067B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2011-01-19 | 株式会社ノダ | 扉体 |
DE102006025912A1 (de) * | 2006-06-02 | 2007-12-06 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Glasscheibe sowie Verfahren zur Herstellung der Glasscheibe |
-
1998
- 1998-05-08 JP JP14228198A patent/JP3392348B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11324507A (ja) | 1999-11-26 |
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